JP2012122404A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、プレイグニッションを抑制しつつ、気筒間のトルクばらつきを低減することを目的とする。
【解決手段】エンジン10は、吸気ポート噴射弁26、筒内噴射弁28、筒内圧センサ44等を備える。ECU50は、筒内圧センサ44の出力に基いてプレイグニッションの発生を検出する。そして、プレイグニッションを検出していない場合には、吸気行程噴射を実行し、プレイグニッションを検出した場合には、圧縮行程噴射を実行する。これにより、例えばプレイグニッションを抑制するために燃料噴射量を増加させても、充填効率が高くなるのを抑制することができ、各気筒の充填効率(出力トルク)を揃えることができる。従って、噴射燃料の冷却効果によりプレイグニッションを抑制しつつ、気筒間のトルクばらつきを低減することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、プレイグニッション(混合気の自着火)に対応した制御を実行する内燃機関の制御装置に関する。
従来技術として、例えば特許文献1(特開平9−236035号公報)に開示されているように、プレイグニッションが発生し易い状況において、燃料噴射量を増加させる構成とした内燃機関の制御装置が知られている。従来技術では、噴射燃料により筒内の温度を低下させ、高温時に発生し易いプレイグニッションを抑制するようにしている。
特開平9−236035号公報 特開2002−339780号公報
ところで、上述した従来技術では、プレイグニッションを抑制するために燃料噴射量を増加させる構成としている。しかしながら、燃料噴射量を増加させると、燃料の気化潜熱により筒内のガスが冷却されるので、充填効率(実圧縮比)が増加する。このため、従来技術では、例えば特定の気筒でプレイグニッションを抑制しようとすると、この気筒だけで実圧縮比が増加することなり、気筒間のトルクばらつきが大きくなって運転性が悪化するという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、プレイグニッションを抑制しつつ、気筒間のトルクばらつきを低減することが可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
第1の発明は、内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射することが可能な筒内噴射弁と、
前記燃焼室内でプレイグニッションが発生するか、またはプレイグニッションを誘発し易い状況が発生した場合に、これらの状態をプレイグニッションとして検出するプレイグニッション検出手段と、
前記プレイグニッションが検出されていない場合には、吸気バルブの開弁中に燃料噴射を実行し、前記プレイグニッションが検出された場合には、前記吸気バルブが閉弁してから前記燃焼室内に燃料を噴射する噴射切換手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、前記プレイグニッションが検出された場合に、プレイグニッションの非検出時と比較して燃料噴射量を増加させる燃料増量手段を備える。
第3の発明によると、前記噴射切換手段は、前記燃料増量手段により設定された燃料噴射量が前記吸気バルブの閉弁後に噴射可能な量よりも多い場合に、前記吸気バルブの開弁中にも燃料噴射を実行する構成としている。
第4の発明は、前記噴射切換手段により前記吸気バルブの開弁中に燃料噴射を実行した場合に得られるトルクと、前記吸気バルブの閉弁後に燃料噴射を実行した場合に得られるトルクとの比率をトルク段差として算出するトルク段差算出手段と、
前記プレイグニッションが検出された場合に、前記吸気バルブの閉弁後に噴射する燃料噴射量を前記トルク段差が減少するように補正する噴射量補正手段と、を備える。
第5の発明は、前記プレイグニッションが検出されたときの空燃比が所定のリッチ判定値よりも小さい場合に、前記吸気バルブの閉弁後に噴射する燃料噴射量をトルクが低下しない範囲で最大の噴射量に制限する噴射量制限手段を備え、
前記噴射切換手段は、前記吸気バルブの閉弁後に噴射すべき要求噴射量に対して前記最大の噴射量が不足している場合に、不足分の燃料を前記吸気バルブの開弁中に噴射する構成としている。
第1の発明によれば、プレイグニッションが検出された場合には、噴射切換手段により吸気バルブが閉弁してから燃焼室内に燃料を噴射することができる。これにより、例えばプレイグニッションを抑制するために燃料噴射量を増加させても、充填効率が高くなるのを抑制することができ、各気筒の充填効率(出力トルク)を揃えることができる。従って、噴射燃料の冷却効果によりプレイグニッションを抑制しつつ、気筒間のトルクばらつきを低減することができる。
第2の発明によれば、プレイグニッションが検出された場合には、燃料増量手段により、プレイグニッションの非検出時と比較して燃料噴射量を増加させることができる。これにより、増量した噴射燃料の冷却効果によりプレイグニッションを効果的に抑制することができる。
第3の発明によれば、燃料噴射量が吸気バルブの閉弁後に噴射可能な量よりも多い場合には、噴射切換手段により吸気バルブの開弁中にも燃料噴射を実行することができる。これにより、燃料噴射による筒内の冷却効果を最大限に確保することができ、充填効率の増加を最小限に抑えつつ、必要な量の燃料噴射を完了することができる。
第4の発明によれば、吸気バルブの閉弁後に燃料噴射を実行する気筒(制御気筒)と、吸気バルブの開弁中に燃料噴射を実行する気筒(通常気筒)との間で充填効率に差異が生じた場合でも、制御気筒の空燃比を補正することにより充填効率の差異(即ち、トルク段差)を吸収することができる。従って、気筒間のトルク段差を更に抑制し、運転性を向上させることができる。
第5の発明によれば、高出力運転中にプレイグニッションを検出した場合において、吸気バルブ閉弁後の燃料噴射量を増やすことによりトルクが低下するのを防止し、運転性を向上させることができる。また、吸気バルブ閉弁後の燃料噴射量を制限した分だけ、吸気バルブ開弁中の燃料噴射量を増加させるので、充填効率を高めてトルクの低下を補償することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための構成図である。 本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。 本発明の実施の形態3において、吸気行程噴射と圧縮行程噴射のトルク比を示す特性線図である。 空燃比の補正例を示す説明図である。 本発明の実施の形態3において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。 本発明の実施の形態4において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1及び図2を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための構成図である。本実施の形態のシステムは、多気筒型の内燃機関としてのエンジン10を備えている。なお、図1では、エンジン10の1気筒のみを例示している。エンジン10の各気筒には、ピストン12により燃焼室14が画成されており、ピストン12はエンジンのクランク軸16に連結されている。また、エンジン10は、各気筒に吸入空気を吸込む吸気通路18と、各気筒から排気ガスが排出される排気通路20とを備えている。
吸気通路18には、アクセル開度等に基いて吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ22が設けられている。一方、排気通路20には、排気ガスを浄化する触媒24が設けられている。また、各気筒には、吸気通路18の一部である吸気ポートに燃料を噴射する吸気ポート噴射弁26と、燃焼室14内(筒内)に燃料を直接噴射する筒内噴射弁28と、筒内の混合気に点火する点火プラグ30と、吸気ポートを筒内に対して開,閉する吸気バルブ32と、排気ポートを筒内に対して開,閉する排気バルブ34とが設けられている。
また、本実施の形態のシステムは、クランク角センサ40、エアフローセンサ42、筒内圧センサ44等を含むセンサ系統と、エンジン10の運転状態を制御するECU(Electronic Control Unit)50とを備えている。クランク角センサ40は、クランク軸16の回転に同期した信号を出力するもので、エアフローセンサ42は吸入空気量を検出する。また、筒内圧センサ44は、燃焼室14内の圧力(筒内圧)を検出するもので、本実施の形態のプレイグニッション検出手段を構成している。ECU50は、筒内圧センサ44の出力波形に基いて、筒内におけるプレイグニッションの発生を検出する。
また、センサ系統には、この他にも、エンジン10及びこれを搭載した車両の制御に必要な各種のセンサが含まれている。センサの一例を挙げると、エンジンの冷却水温を検出する水温センサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、排気空燃比を検出する空燃比センサ等である。これらのセンサはECU50の入力側に接続されている。また、ECU50の出力側には、スロットルバルブ22、噴射弁26,28、点火プラグ30等を含む各種のアクチュエータが接続されている。
そして、ECU50は、エンジンの運転情報をセンサ系統により検出しつつ、各アクチュエータを駆動し、運転制御を実行する。具体的には、クランク角センサ40の出力に基いてエンジン回転数とクランク角とを検出し、エアフローセンサ42の出力に基いて吸入空気量を算出する。また、吸入空気量、エンジン回転数等に基いてエンジンの負荷を算出する。そして、クランク角に基いて燃料噴射時期や点火時期を決定し、これらの時期が到来したときには、噴射弁26,28や点火プラグ30を駆動する。これにより、筒内で混合気を燃焼させ、エンジンを運転することができる。
また、ECU50は、エンジンの運転状態に応じて、吸気ポート噴射弁26による燃料噴射(吸気ポート噴射)と、筒内噴射弁28による燃料噴射(筒内噴射)とを使い分ける。また、筒内噴射の実行時には、吸気バルブ32の開弁中に筒内噴射を行う吸気行程噴射と、吸気バルブ32の閉弁後に筒内噴射を行う圧縮行程噴射とを使い分ける。さらに、ECU50は、エンジンの運転状態に応じて、それぞれの燃料噴射量の比率(吸気ポート噴射量と筒内噴射量との噴射比率、及び吸気行程噴射量と圧縮行程噴射量との噴射比率)を制御する。なお、ECU50は、プレイグニッションを検出していない通常の状態において、基本的に吸気ポート噴射(または吸気行程噴射)を実行するように構成されている。
[実施の形態1の特徴]
本実施の形態では、燃焼室14内でプレイグニッションが発生するか、またはプレイグニッションを誘発し易い状況が発生した場合に、これらの状態をプレイグニッションとして検出する。そして、プレイグニッションを検出した場合には、以下に述べるプレイグニッション抑制制御により圧縮行程噴射を実行する。また、プレイグニッションを検出していない場合には、吸気行程噴射を実行する。以下、これらの制御について説明する。
プレイグニッションの発生は、例えば筒内圧、点火プラグ30の電極間に流れるイオン電流、ノッキングの振動周波数等に基いて、公知の検出方法により気筒別に検出することができる。即ち、プレイグニッションの発生時には、筒内圧やイオン電流が点火前に増加したり、ノッキングの発生時に特定の振動周波数が増加するので、ECU50は、これらの現象に基いてプレイグニッションの発生を検出する。また、プレイグニッションは、一般的に知られているように、筒内のガス温度が大きく上昇した場合等に発生し易い。ECU50は、センサ系統の出力に基いて、このような運転状態をプレイグニッションが発生し易い状況として検出することができる。
(プレイグニッション抑制制御)
この制御では、プレイグニッションを検出した気筒、またはプレイグニッションの検出後に最初に点火を行う気筒において、他の気筒(プレイグニッションを検出していない気筒)よりも筒内噴射量を増加させる。そして、圧縮行程噴射を実行することにより、吸気バルブ32の閉弁後に燃料を筒内に噴射する。一般に、燃料噴射量を増加させた場合には、燃料の気化潜熱により筒内のガス温度が低下し、プレイグニッションが抑制されるものの、ガス温度が低下した分だけ充填効率が高くなるので、燃料噴射量を増加させた気筒と他の気筒との間で実圧縮比に差異が生じ、気筒間のトルクばらつきが増大し易い。
これに対し、プレイグニッション抑制制御では、吸気行程が終了してから点火が行われるまでの間に圧縮行程噴射を実行する。このため、一部の気筒において、プレイグニッションを抑制するために燃料噴射量を増加させても、当該気筒の充填効率が高くなるのを抑制することができ、各気筒の充填効率(出力トルク)を揃えることができる。従って、本実施の形態によれば、増量した噴射燃料の冷却効果によりプレイグニッションを抑制しつつ、気筒間のトルクばらつきを低減することができる。
また、上記制御において、圧縮行程噴射量を増加させると、燃料の噴射時間が長くなり、吸気バルブ32が閉弁してから点火が行われるまでの期間中に燃料噴射を完了できない場合がある。このため、ECU50は、上記期間中に筒内に噴射可能な最大の燃料噴射量(以下、圧縮行程噴射可能量と称す)と、プレイグニッション抑制制御により設定した圧縮行程噴射量の目標値(目標燃料噴射量)とを比較する。そして、目標燃料噴射量が圧縮行程噴射可能量よりも多い場合には、目標燃料噴射量を圧縮行程噴射可能量と等しい値に補正し、圧縮行程噴射量を実現可能な最大の量に設定する。また、目標燃料噴射量のうち圧縮行程噴射可能量を超えた分の燃料(吸気バルブ32の閉弁後に噴射し切れない燃料)は、吸気行程噴射により、吸気行程中に筒内に噴射する。この制御によれば、燃料噴射による筒内の冷却効果を最大限に確保することができ、充填効率の増加を最小限に抑えつつ、必要な量の燃料噴射を完了することができる。なお、圧縮行程噴射可能量は、例えば筒内噴射弁28の単位時間当りの燃料噴射量、燃料の圧力、吸気バルブ32の閉弁時期、点火時期等に基いて、ECU50により算出される。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
次に、図2を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図2は、本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰返し実行されるものとする。
図2に示すルーチンでは、まず、ステップ100において、プレイグニッションを検出したか否かを判定する。プレイグニッションを検出していない場合には、ステップ102において、吸気行程噴射を含む通常の制御を実行する。
一方、プレイグニッションを検出した場合には、ステップ104〜110の処理によりプレイグニッション抑制制御を実行する。即ち、ステップ104では、吸入空気量、エンジン回転数、負荷等に基いて圧縮行程噴射の目標燃料噴射量を算出し、さらにプレイグニッションを検出したことで目標燃料噴射量を増加させる。次に、ステップ106では、目標燃料噴射量が圧縮行程噴射可能量以下であるか否かを判定する。そして、目標燃料噴射量が圧縮行程噴射可能量以下の場合には、ステップ108において、目標燃料噴射量に応じた量の圧縮行程噴射を実行する。一方、目標燃料噴射量が圧縮行程噴射可能量よりも多い場合には、ステップ110において、圧縮行程噴射可能量に応じた量の圧縮行程噴射を実行すると共に、目標燃料噴射量と圧縮行程噴射可能量との差分に応じた量の吸気行程噴射を実行する。
なお、前記実施の形態1では、図1中のステップ100〜110が請求項1,3における噴射切換手段の具体例を示している。また、ステップ104は、請求項2における燃料増量手段の具体例を示している。
実施の形態2.
次に、図3を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態は、前記実施の形態1とほぼ同様の構成及び制御において、吸気ポート噴射を実行することを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態2の特徴]
図3は、本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すように、本実施の形態では、実施の形態1とほぼ同様のプレイグニッション抑制制御を実行するが、目標燃料噴射量のうち圧縮行程噴射可能量を超えた分の燃料を、吸気ポート噴射により吸気行程中に噴射する構成としている。以下、図3を参照して、具体的な処理について説明する。
図3に示すルーチンでは、まず、ステップ200〜208において、実施の形態1(図2)のステップ100〜108と同様の処理を実行する。また、ステップ210では、目標燃料噴射量が圧縮行程噴射可能量よりも多い場合に、吸気ポート噴射弁26を吸気行程中に駆動し、目標燃料噴射量と圧縮行程噴射可能量との差分に応じた量の吸気ポート噴射を実行する。
このように構成される本実施の形態でも、実施の形態1とほぼ同様の作用効果を得ることができる。なお、前記実施の形態2では、図3中のステップ200〜210が請求項1,3における噴射切換手段の具体例を示している。また、ステップ204は、請求項2における燃料増量手段の具体例を示している。
実施の形態3.
次に、図4乃至図6を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態は、前記実施の形態1とほぼ同様の構成及び制御に加えて、プレイグニッション抑制制御を実行する気筒と他の気筒との間に生じるトルク段差を抑制することを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態3の特徴]
前述したように、プレイグニッション抑制制御では、プレイグニッションを検出した気筒、またはプレイグニッションの検出後に最初に点火を行う気筒において、圧縮行程噴射を実行する。これに対し、他の気筒では、プレイグニッションの非検出時の制御である吸気行程噴射が実行される。しかし、単に一部の気筒のみで圧縮行程噴射を実行すると、圧縮行程噴射を実行する気筒(以下、制御気筒と称す)と、吸気行程噴射を実行する気筒(通常気筒)との間に、吸気行程での燃料噴射量に応じてトルクの差異が生じ、運転性が低下する虞れがある。
このため、本実施の形態では、プレイグニッション抑制制御と共に、トルク段差補正制御を実行する。トルク段差補正制御では、まず、吸気行程噴射により得られるトルクと、圧縮行程噴射により得られるトルクとの比率をトルク段差として算出する。そして、プレイグニッション抑制制御により設定される制御気筒の圧縮行程噴射量を、制御気筒と通常気筒との間のトルク段差が減少するように補正する。以下、図4及び図5を参照して、トルク段差補正制御について具体的に説明する。
図4は、本発明の実施の形態3において、吸気行程噴射と圧縮行程噴射のトルク比を示す特性線図である。この図において、「吸気行程100%/圧縮行程100%のトルク比」とは、吸気行程で規定量の燃料を噴射した場合のトルクと、圧縮行程で規定量の燃料を噴射した場合のトルクとの比率を意味している。また、例えば吸気行程50%/圧縮行程50%のトルク比とは、吸気行程で規定量の半分の燃料を噴射した場合のトルクと、圧縮行程で規定量の半分の燃料を噴射した場合のトルクとの比率を意味するものである。
ECU50は、まず、吸入空気量、エンジン回転数等に基いて燃料噴射量の総量を算出し、この総量から圧縮行程噴射量を減算することにより求めた吸気行程噴射量と、圧縮行程噴射量の噴射比率を算出する。なお、圧縮行程噴射量は、プレイグニッション抑制制御の効果を最大限に発揮するために、圧縮行程で噴射可能な最大の燃料噴射量として設定される。次に、予め記憶された図4のデータと、吸入空気量と、空燃比とに基いて、噴射比率の算出値に対応するトルク比を算出する。ここで、例えば吸気行程50%/圧縮行程50%のトルク比は、吸気行程100%/圧縮行程100%のトルク比と比較して2倍になると考えられるので、この考えに基いて噴射比率に対応するトルク比を算出する。
次に、ECU50は、図5に基いて、制御気筒と通常気筒のトルク段差が減少するように、制御気筒の空燃比(目標空燃比)を補正する。ここで、図5は、空燃比の補正例を示す説明図である。図5中の実線は、例えば吸気行程100%の燃料噴射時における空燃比とトルクとの関係を示すもので、この特性線は通常気筒に対応している。また、図5中の点線は、圧縮行程100%の燃料噴射時における空燃比とトルクとの関係を示すもので、この特性線は制御気筒に対応している。
制御気筒と通常気筒とのトルク比(トルク段差)は、前述の処理により求められているので、ECU50は、図5に示すように、制御気筒のトルクが通常気筒と等しくなるようなA/F補正量を、トルク比の算出値に基いて算出する。このA/F補正量は目標空燃比に反映され、最終的には圧縮行程噴射量に反映される。一例を挙げれば、制御気筒と通常気筒とのトルク比が1.08である場合に、制御気筒の空燃比は、通常気筒の空燃比を1.08で除算した値に補正される。
このように、トルク段差補正制御によれば、制御気筒と通常気筒との間で充填効率に差異が生じた場合でも、制御気筒の空燃比を補正することにより充填効率の差異(即ち、トルク段差)を吸収することができる。従って、実施の形態1の効果に加えて、気筒間のトルク段差を更に抑制することができ、運転性を向上させることができる。
[実施の形態3を実現するための具体的な処理]
次に、図6を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図6は、本発明の実施の形態3において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。図6に示すルーチンでは、まず、ステップ300〜306において、実施の形態1(図2)のステップ100〜106と同様の処理を実行する。そして、目標燃料噴射量が圧縮行程噴射可能量以下の場合には、ステップ308において、トルク段差補正制御により目標燃料噴射量を補正し、ステップ310では、補正後の目標燃料噴射量に応じた量の圧縮行程噴射を実行する。
一方、目標燃料噴射量が圧縮行程噴射可能量よりも多い場合には、ステップ312において、トルク段差補正制御を実行する。そして、ステップ314では、補正後の目標燃料噴射量に応じた量の圧縮行程噴射を実行すると共に、目標燃料噴射量と圧縮行程噴射可能量との差分に応じた量の吸気行程噴射を実行する。
なお、前記実施の形態3では、図4が請求項4におけるトルク段差算出手段の具体例を示し、図6中のステップ308,312が噴射量補正手段の具体例を示している。
実施の形態4.
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態は、前記実施の形態1とほぼ同様の構成及び制御に加えて、高出力運転中に圧縮行程噴射量の増量を制限することを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態4の特徴]
プレイグニッション抑制制御では、圧縮行程噴射を実行するので、高出力運転中に同制御を実行して燃料噴射量を増加させると、空燃比がリッチ化してトルクが低下し、運転性が悪化する虞れがある。このため、本実施の形態では、空燃比が所定のリッチ判定値よりも小さい場合(高出力運転を行うために空燃比がリッチ化されている場合)に、実施の形態1と同様のプレイグニッション抑制制御を実行しつつ、圧縮行程噴射量をトルクが低下しない範囲で最大の噴射量に制限する。
そして、前記最大の噴射量が、プレイグニッション抑制制御により設定された圧縮行程噴射量、即ち、プレイグニッションを抑制するために圧縮行程で噴射すべき要求噴射量に対して不足している場合には、不足分の燃料を吸気行程で噴射する。なお、上述のリッチ判定値は、例えば12〜13程度の値に設定されるもので、ECU50に予め記憶されている。また、トルクが低下しない範囲での最大の圧縮行程噴射量は、エンジンの運転状態に応じて可変に設定されるもので、その特性データは、実験等により求められてECU50に予め記憶されている。
上記制御によれば、高出力運転中にプレイグニッションを検出した場合において、圧縮行程噴射量の増加によりトルクが低下するのを防止し、運転性を向上させることができる。また、圧縮行程噴射量を制限した分だけ、吸気行程噴射量を増加させるので、充填効率を高めてトルクを増加させることができ、圧縮行程噴射量の増加によるトルクの低下を補償することができる。しかも、圧縮行程噴射量を制限範囲内で増加させるので、実施の形態1と同様に、プレイグニッションを抑制し、トルク段差を低減することができる。
[実施の形態4を実現するための具体的な処理]
次に、図7を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図7は、本発明の実施の形態4において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。図7に示すルーチンでは、まず、ステップ400,402において、実施の形態1のステップ100,102と同様の処理を実行する。次に、ステップ404では、空燃比がリッチ判定値よりも小さいか否かを判定する。この判定が成立した場合には、通常のプレイグニッション抑制制御(図1中のステップ104〜110と同様の処理)を実行する。
一方、ステップ404の判定が不成立の場合には、高出力運転中であるから、ステップ408では、圧縮行程噴射の目標燃料噴射量をトルクが低下しない範囲で最大の噴射量に制限しつつ、目標燃料噴射量を増加させる。そして、ステップ410では、制限後の目標燃料噴射量に応じた量の圧縮行程噴射を実行すると共に、ステップ408で制限された分の燃料を吸気行程で噴射する。
なお、前記実施の形態4では、図7中のステップ408が請求項5における噴射量制限手段の具体例を示している。
また、前記実施の形態1乃至4では、各種の構成をそれぞれ個別に例示したが、本発明は、これらを個別に実施することに限定されるものではない。即ち、実施の形態1乃至4の構成うち、任意の複数個の構成を実現可能な範囲で組合わせることにより、本発明に含まれる具体的な構成を実現してもよい。
10 エンジン(内燃機関)
12 ピストン
14 燃焼室
16 クランク軸
18 吸気通路
20 排気通路
22 スロットルバルブ
24 触媒
26 吸気ポート噴射弁(吸気通路噴射弁)
28 筒内噴射弁
30 点火プラグ
32 吸気バルブ
34 排気バルブ
40 クランク角センサ
42 エアフローセンサ
44 筒内圧センサ(プレイグニッション検出手段)
50 ECU

Claims (5)

  1. 内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射することが可能な筒内噴射弁と、
    前記燃焼室内でプレイグニッションが発生するか、またはプレイグニッションを誘発し易い状況が発生した場合に、これらの状態をプレイグニッションとして検出するプレイグニッション検出手段と、
    前記プレイグニッションが検出されていない場合には、吸気バルブの開弁中に燃料噴射を実行し、前記プレイグニッションが検出された場合には、前記吸気バルブが閉弁してから前記燃焼室内に燃料を噴射する噴射切換手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記プレイグニッションが検出された場合に、プレイグニッションの非検出時と比較して燃料噴射量を増加させる燃料増量手段を備えてなる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記噴射切換手段は、前記燃料増量手段により設定された燃料噴射量が前記吸気バルブの閉弁後に噴射可能な量よりも多い場合に、前記吸気バルブの開弁中にも燃料噴射を実行する構成としてなる請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記噴射切換手段により前記吸気バルブの開弁中に燃料噴射を実行した場合に得られるトルクと、前記吸気バルブの閉弁後に燃料噴射を実行した場合に得られるトルクとの比率をトルク段差として算出するトルク段差算出手段と、
    前記プレイグニッションが検出された場合に、前記吸気バルブの閉弁後に噴射する燃料噴射量を前記トルク段差が減少するように補正する噴射量補正手段と、
    を備えてなる請求項2または3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記プレイグニッションが検出されたときの空燃比が所定のリッチ判定値よりも小さい場合に、前記吸気バルブの閉弁後に噴射する燃料噴射量をトルクが低下しない範囲で最大の噴射量に制限する噴射量制限手段を備え、
    前記噴射切換手段は、前記吸気バルブの閉弁後に噴射すべき要求噴射量に対して前記最大の噴射量が不足している場合に、不足分の燃料を前記吸気バルブの開弁中に噴射する構成としてなる請求項2または3に記載の内燃機関の制御装置。
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