JP5549603B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、プレイグニッション(点火前の自着火)に対応した制御を実行する内燃機関の制御装置に関する。
従来技術として、例えば特許文献1(特開2000−97061号公報)に開示されているように、プレイグニッションの発生を検出した場合に、吸気バルブと排気バルブのオーバーラップ期間を縮小する構成とした内燃機関の制御装置が知られている。従来技術では、オーバーラップ期間を縮小することにより、排気通路から筒内に逆流する排気ガスの吹き返しを減少させ、吹き返しを着火源として発生するプレイグニッションを抑制するようにしている。
特開2000−97061号公報 特開平6−2558号公報 特開2007−113440号公報
ところで、上述した従来技術では、プレイグニッションの発生を検出した場合に、バルブのオーバーラップ期間を縮小して排気ガスの吹き返しを減少させるが、この制御は、過給機をもたない内燃機関を前提としている。一方、過給機付きの内燃機関においても、プレイグニッションを抑制したいという要求はあるが、上記制御を過給機付きの内燃機関に適用した場合には、前提となる吸気圧(過給圧)や排気圧の挙動が異なるので、必ずしもプレイグニッションを効率よく抑制することができないという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、過給機付きの内燃機関において、プレイグニッションを効率よく抑制することが可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
第1の発明は、吸気バルブと排気バルブが一緒に開弁するオーバーラップ期間を可変に設定することが可能なオーバーラップ可変機構と、
内燃機関の排気圧または動力を利用して吸入空気を過給する過給機と、
吸気圧と排気圧をそれぞれ検出する圧力検出手段と、
燃焼室内でプレイグニッションが発生するか、またはプレイグニッションを誘発し易い状況が発生した場合に、これらの状態をプレイグニッションとして検出するプレイグニッション検出手段と、
前記プレイグニッションが検出され、かつ、前記吸気圧が前記排気圧よりも高い場合に、前記オーバーラップ可変機構を駆動して前記オーバーラップ期間を拡大するオーバーラップ拡大制御手段と、を備えることを特徴とする。
第2の発明によると、前記オーバーラップ拡大制御手段は、前記プレイグニッションが検出され、かつ、前記吸気圧が前記排気圧よりも高くて両者の差圧が所定値以上である場合に、前記吸気バルブの開弁時期を一定に保持した状態で、前記排気バルブの閉弁時期を遅角することにより前記オーバーラップ期間を拡大する排気バルブ制御手段を備える。
第3の発明によると、前記オーバーラップ拡大制御手段は、前記プレイグニッションが検出され、かつ、前記吸気圧が前記排気圧よりも高くて両者の差圧が所定値未満である場合に、前記吸気バルブの開弁時期を進角して前記排気バルブの閉弁時期を遅角することにより前記オーバーラップ期間を拡大する吸排バルブ制御手段を備える。
第4の発明は、前記プレイグニッションが検出された気筒の筒内圧が高いほど、前記オーバーラップ期間の拡大量を大きくするオーバーラップ拡大量可変手段を備える。
第5の発明は、前記プレイグニッションが検出され、かつ、前記吸気圧が前記排気圧よりも低い場合に、前記オーバーラップ可変機構を駆動して前記オーバーラップ期間を縮小するオーバーラップ縮小制御手段を備える。
第6の発明は、前記プレイグニッションが検出された気筒の筒内圧が高いほど、前記オーバーラップ期間の縮小量を大きくするオーバーラップ拡大量可変手段を備える。
第7の発明は、前記燃焼室内に堆積したデポジットの量が多いほど、前記オーバーラップ期間の縮小量を大きくするデポジット対応制御手段を備える。
第8の発明によると、前記デポジット対応制御手段は、前記デポジットの堆積量に対応する指標として、気筒間空気量インバランスが初期状態から変化した変化量を算出し、当該算出値が大きいほど、前記オーバーラップ期間の縮小量を大きくする構成としている。
第1の発明によれば、プレイグニッションが検出された時点で、過給時等のように吸気圧が排気圧よりも高い場合には、過給圧を利用して吸入空気を筒内から排気系へとスムーズに流出させることができる。これにより、排気系から筒内に逆流する排気ガスを効率よく排出することができるので、プレイグニッションの着火源を減少させ、その連鎖的な発生を抑制することができる。また、筒内から排気系への空気の吹き抜けを良くすることにより、筒内の温度を低下させ、プレイグニッションをより発生し難くすることができる。
第2の発明によれば、吸気圧と排気圧との差圧が比較的大きい場合には、この差圧を利用するためにオーバーラップ期間を拡大し、筒内に逆流する排気ガスを効率よく排出することができる。また、吸気バルブの開弁時期を一定に保持するので、吸入空気量の変動を抑制し、トルクを安定させることができる。
第3の発明によれば、吸気圧と排気圧との差圧が比較的小さい場合には、吸気バルブの位相遅角と排気バルブの位相進角とを一緒に実行し、オーバーラップ期間をより大きく拡大することができる。これにより、前記差圧が小さい場合でも、筒内から排気系への空気の吹き抜けを十分に生じさせることができる。従って、筒内の排気及び冷却を効率よく行うことができ、プレイグニッションを効果的に抑制することができる。
第4の発明によれば、筒内圧が高い場合には、プレイグニッションが発生し易くなる分だけオーバーラップ期間の拡大量を増加させることができる。これにより、筒内の排気及び冷却を効率よく行うことができるので、筒内圧が高い場合でも、プレイグニッションを安定的に抑制することができる。
第5の発明によれば、プレイグニッションが検出された時点で、吸気圧が排気圧よりも低い場合には、オーバーラップ期間中に排気ガスが筒内に逆流し易くなることを考慮して、オーバーラップ期間を縮小することができる。これにより、排気系から筒内に逆流する排気ガスの量を減少させ、プレイグニッションを効果的に抑制することができる。
第6の発明によれば、筒内圧が高い場合には、プレイグニッションが発生し易くなる分だけオーバーラップ期間の縮小量を増加させることができる。これにより、排気系から筒内に逆流する排気ガスの量を十分に減少させることができるので、筒内圧が高い場合でも、プレイグニッションを安定的に抑制することができる。
第7の発明によれば、プレイグニッションが検出された時点で、デポジットの堆積量が多い場合には、プレイグニッション発生時の衝撃により剥離したデポジットが他気筒で着火源となり易い。これに対し、デポジットの堆積量が多いほど、オーバーラップ期間の縮小量を増加させることにより、剥離したデポジットが排気系から他気筒に逆流するのを抑制することができる。従って、他気筒での二次的なプレイグニッションの発生を抑制することができる。
第8の発明によれば、筒内おけるデポジットの堆積量を、気筒間空気量インバランスの変化量として容易に算出することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための構成図である。 オーバーラップ拡大制御によりバルブのオーバーラップ期間を拡大した状態を示す説明図である。 オーバーラップ縮小制御によりバルブのオーバーラップ期間を縮小した状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、第2のオーバーラップ拡大制御によりバルブのオーバーラップ期間を拡大した状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。 本発明の実施の形態3において、プレイグニッション連鎖危険度を算出するためのデータを模式的に示す説明図である。 第2のオーバーラップ縮小制御によりバルブのオーバーラップ期間を無くした状態を示す説明図である。 気筒間オーバーラップ縮小制御により設定されるバルブタイミングを示す説明図である。 気筒間オーバーラップ縮小制御により気筒間で排気行程のオーバーラップを無くした状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態3において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図4を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための構成図である。本実施の形態のシステムは、多気筒型の内燃機関としてのエンジン10を備えている。なお、図1では、エンジン10の1気筒のみを例示している。エンジン10の各気筒には、ピストン12により燃焼室14が画成されており、ピストン12はエンジンのクランク軸16に連結されている。また、エンジン10は、各気筒に吸入空気を吸込む吸気通路18と、各気筒から排気ガスが排出される排気通路20とを備えている。
吸気通路18には、アクセル開度等に基いて吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ22が設けられている。一方、排気通路20には、排気ガスを浄化する三元触媒等の触媒24が設けられている。また、各気筒には、吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁26と、燃焼室14内(筒内)の混合気に点火する点火プラグ28と、吸気ポートを筒内に対して開,閉する吸気バルブ30と、排気ポートを筒内に対して開,閉する排気バルブ32とが設けられている。
また、エンジン10は、吸気バルブ30の開閉時期を気筒毎に変化させる吸気可変動弁機構34と、排気バルブ32の開閉時期を気筒毎に変化させる排気可変動弁機構36とを備えている。吸気可変動弁機構34は、例えば特開2000−87769号公報に開示されているようなVVT(Variable Valve Timing system)と、特開2007−132326号公報に開示されているようなアーム揺動型の可変動弁機構の何れかにより構成されるか、または両者を組合わせることにより構成されている。これにより、吸気可変動弁機構34は、吸気バルブ30の開閉時期や位相を進角及び遅角することができる。
また、排気可変動弁機構36は、吸気可変動弁機構34とほぼ同様の公知の構成を有し、排気バルブ32の開閉時期や位相を進角及び遅角することができる。これらの可変動弁機構34,36は、バルブ30,32が一緒に開弁するオーバーラップ期間を可変に設定することが可能なオーバーラップ可変機構を構成している。なお、オーバーラップ可変機構としては、可変動弁機構34,36に代えて、例えば特開2007−16710号公報に記載されているような電磁駆動式の動弁機構等を用いてもよい。
さらに、エンジン10は、排気圧を利用して吸入空気を過給する公知の過給機(ターボチャージャ)38を備えている。過給機38は、排気圧を受けて作動するタービン38aと、タービン38aにより駆動されて吸入空気を過給するコンプレッサ38bとにより構成されている。なお、本実施の形態では、ターボチャージャを搭載したシステムを例示したが、本発明はこれに限らず、例えばエンジンの動力によりコンプレッサを機械的に駆動する方式の過給機(スーパーチャージャ)にも適用することができる。
一方、本実施の形態のシステムは、クランク角センサ40、エアフローセンサ42、吸気圧センサ44、排気圧センサ46、筒内圧センサ48等を含むセンサ系統と、エンジン10の運転状態を制御するECU(Electronic Control Unit)50とを備えている。クランク角センサ40は、クランク軸16の回転に同期した信号を出力するもので、エアフローセンサ42は吸入空気量を検出する。また、吸気圧センサ44は吸気圧(過給圧)を検出し、排気圧センサ46は排気圧を検出するもので、これらのセンサ44,46は、本実施の形態の圧力検出手段を構成している。筒内圧センサ48は、燃焼室14内の圧力(筒内圧)を検出するもので、本実施の形態のプレイグニッション検出手段を構成している。ECU50は、筒内圧センサ48の出力波形に基いて、筒内におけるプレイグニッションの発生を検出する。
また、センサ系統には、この他にも、エンジン10及びこれを搭載した車両の制御に必要な各種のセンサが含まれている。センサの一例を挙げると、エンジンの冷却水温を検出する水温センサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、排気空燃比を検出する空燃比センサ等である。これらのセンサはECU50の入力側に接続されている。また、ECU50の出力側には、スロットルバルブ22、燃料噴射弁26、点火プラグ28、可変動弁機構34,36等を含む各種のアクチュエータが接続されている。
そして、ECU50は、エンジンの運転情報をセンサ系統により検出しつつ、各アクチュエータを駆動し、運転制御を実行する。具体的には、クランク角センサ40の出力に基いてエンジン回転数とクランク角とを検出し、エアフローセンサ42の出力に基いて吸入空気量を算出する。また、吸入空気量、エンジン回転数等に基いてエンジンの負荷を算出する。そして、クランク角に基いて燃料噴射時期や点火時期を決定し、これらの時期が到来したときには、燃料噴射弁26や点火プラグ28を駆動する。これにより、筒内で混合気を燃焼させ、エンジンを運転することができる。また、ECU50は、エンジンの運転状態に応じて、可変動弁機構34,36によりバルブ30,32の位相や開閉時期を制御するバルブタイミング制御と、公知のウェイストゲートバルブ等を駆動することにより過給機38の作動状態(過給圧)を変化させる過給制御とを実行する。
[実施の形態1の特徴]
本実施の形態では、燃焼室14内でプレイグニッションが発生するか、またはプレイグニッションを誘発し易い状況が発生した場合に、これらの状態をプレイグニッションとして検出する。そして、プレイグニッションを検出した場合には、吸気圧と排気圧との大小関係に応じて、後述のオーバーラップ拡大制御とオーバーラップ縮小制御の何れかを実行する構成としている。
プレイグニッションの発生は、例えば筒内圧、点火プラグ28の電極間に流れるイオン電流、ノッキングの振動周波数等に基いて、公知の検出方法により気筒別に検出することができる。即ち、プレイグニッションの発生時には、筒内圧やイオン電流が点火前に増加したり、ノッキングの発生時に特定の振動周波数が増加するので、ECU50は、これらの現象に基いてプレイグニッションの発生を検出する。また、プレイグニッションは、一般的に知られているように、筒内のガス温度が大きく上昇した場合等に発生し易い。ECU50は、センサ系統の出力に基いて、このような運転状態をプレイグニッションが発生し易い状況として検出することができる。
(オーバーラップ拡大制御)
プレイグニッションは、筒内に存在する排気ガス中の成分(デポジットを含む固体や液体)を着火源として発生する傾向がある。また、一部の気筒でプレイグニッションが発生すると、発生時の衝撃により筒内のデポジットが剥離して排出され易いが、このデポジットは、排気ガスの吹き返しと共に他の気筒に逆流することにより、他の気筒において二次的なプレイグニッションを引き起こす要因となる。
このため、オーバーラップ拡大制御では、「プレイグニッションが検出され、かつ、吸気圧が排気圧よりも高い」という制御条件が成立した場合に、バルブ30,32のオーバーラップ期間を前記制御条件の不成立時と比較して拡大し、筒内の排気ガスが効率よく排出されるようにする。この場合、オーバーラップ拡大制御を実行する気筒(制御対象気筒)としては、例えばプレイグニッションを検出してから最初に排気行程を迎える気筒や、二次的なプレイグニッションが発生し易い気筒等が選択される。なお、二次的なプレイグニッションが発生し易い気筒とは、最初にプレイグニッションが発生した気筒の排気ガスが逆流し易い気筒であり、点火順序や排気系の構造等に応じて特定されるものである。
従って、オーバーラップ拡大制御では、前記制御条件が成立した場合に、制御対象気筒のみでオーバーラップ期間を拡大し、他の気筒では、オーバーラップ期間を通常時の大きさ(前記制御条件が不成立の場合の大きさ)に保持する。通常時のオーバーラップ期間は、オーバーラップ拡大制御の実行時よりも短く設定されている。なお、本発明では、オーバーラップ拡大制御を実施するときに、全ての気筒を制御対象気筒としてもよい。また、例えばV型エンジン等においては、プレイグニッションが発生した側のバンクに属する全ての気筒を制御対象気筒としてもよい。
次に、オーバーラップ期間の具体的な拡大方法について例示する。図2は、オーバーラップ拡大制御によりバルブのオーバーラップ期間を拡大した状態を示す説明図である。この図に示すように、オーバーラップ拡大制御では、制御対象気筒において、排気可変動弁機構36を駆動して排気バルブ32の位相を遅角することにより、オーバーラップ期間を拡大する。このとき、吸気バルブ30は、吸入空気量の変動を抑えるために一定の位相に保持するのが好ましい。
オーバーラップ拡大制御によれば、プレイグニッションが検出された時点で、過給時等のように吸気圧が排気圧よりも高い場合には、制御対象気筒において、過給圧を利用して吸入空気を筒内から排気系へとスムーズに流出させることができる。これにより、排気系から筒内に逆流する排気ガスを効率よく排出することができるので、プレイグニッションの着火源を減少させ、その連鎖的な発生を抑制することができる。また、筒内から排気系への空気の吹き抜けを良くすることにより、筒内の温度を低下させ、プレイグニッションをより発生し難くすることができる。
(オーバーラップ縮小制御)
プレイグニッションが検出された時点において、吸気圧が排気圧よりも低い場合(過給が行われていない場合等)には、オーバーラップ縮小制御を実行する。図3は、オーバーラップ縮小制御によりバルブのオーバーラップ期間を縮小した状態を示す説明図である。この図に示すように、オーバーラップ縮小制御では、制御対象気筒において、排気バルブ32の位相を進角することにより、オーバーラップ期間を通常時(オーバーラップ縮小制御の非実行時)と比較して縮小する。
吸気圧が排気圧よりも低い場合には、オーバーラップ期間中に排気ガスが筒内に逆流し易くなる。この場合、オーバーラップ縮小制御によれば、制御対象気筒のオーバーラップ期間を縮小して、排気系から筒内に逆流する排気ガスの量を減少させることができ、プレイグニッションの連鎖的な発生を抑制することができる。なお、オーバーラップ縮小制御の制御対象気筒は、オーバーラップ拡大制御の場合と同様に設定される。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
次に、図4を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図4は、本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰返し実行されるものとする。図4に示すルーチンでは、まず、ステップ100において、プレイグニッションを検出したか否かを判定する。プレイグニッションを検出していない場合には、ステップ102において、通常の制御を実行する。
また、プレイグニッションを検出した場合には、ステップ104において、センサ44,46により吸気圧と排気圧を読込み、排気圧が排気圧よりも高いか否かを判定する。そして、排気圧が吸気圧よりも高い場合には、ステップ106において、制御対象気筒の排気バルブ32の位相を進角することにより、オーバーラップ縮小制御を実行する。また、吸気圧が排気圧よりも高い場合には、ステップ108において、制御対象気筒の排気バルブ32の位相を遅角することにより、オーバーラップ拡大制御を実行する。
以上詳述した通り、本実施の形態によれば、吸気圧と排気圧との大小関係に応じてオーバーラップ拡大制御とオーバーラップ縮小制御とを適切に使い分けることができる。即ち、プレイグニッションの検出時には、吸気圧と排気圧の何れが高い場合でも、制御対象気筒において筒内の排気ガスを効率よく排出することができる。従って、過給機付きのエンジンにおいて、プレイグニッションが連鎖的に発生するのを防止し、運転性を向上させることができる。また、本実施の形態では、図2及び図3に示すように、オーバーラップ拡大制御とオーバーラップ縮小制御の何れにおいても、吸気バルブ30の位相(開閉時期)を一定に保持する構成としている。従って、制御の実行時に吸入空気量の変動を抑制し、トルクを安定させることができる。
なお、前記実施の形態1では、図4中のステップ108が請求項1におけるオーバーラップ拡大制御手段の具体例を示し、ステップ106が請求項5におけるオーバーラップ縮小制御手段の具体例を示している。また、前記実施の形態1において、吸気圧と排気圧とが等しい場合には、オーバーラップ拡大制御とオーバーラップ縮小制御の何れを実行する構成としてもよい。
実施の形態2.
次に、図5及び図6を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態は、前記実施の形態1とほぼ同様の構成及び制御において、オーバーラップ拡大制御を、吸気圧と排気圧との差圧(以下、吸排差圧と称す)に応じて2種類の制御に分けたことを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態2の特徴]
本実施の形態では、実施の形態1とほぼ同様に、前記制御条件が成立した場合に、オーバーラップ拡大制御を実行する。しかし、オーバーラップ拡大制御は、吸排差圧(=吸気圧−排気圧)が所定値Pc以上の場合に実行する第1のオーバーラップ拡大制御と、吸排差圧が所定値Pc未満の場合に実行する第2のオーバーラップ拡大制御とにより構成されている。なお、第1,第2のオーバーラップ拡大制御の制御対象気筒は、実施の形態1で述べたオーバーラップ拡大制御の場合と同様に設定される。
(第1のオーバーラップ拡大制御)
この制御は、実施の形態1において、オーバーラップ拡大制御(図2)として説明したものである。即ち、第1のオーバーラップ拡大制御は、前記制御条件が成立し、かつ、吸排差圧が所定値Pc以上である場合に、制御対象気筒において、吸気バルブ30の位相を一定に保持しつつ、排気バルブ32の位相を遅角し、オーバーラップ期間を拡大する。
(第2のオーバーラップ拡大制御)
図5は、本発明の実施の形態2において、第2のオーバーラップ拡大制御によりバルブのオーバーラップ期間を拡大した状態を示す説明図である。この図に示すように、第2のオーバーラップ拡大制御は、前記制御条件が成立し、かつ、吸排差圧が所定値Pc未満である場合に、制御対象気筒において、吸気バルブ30の位相を進角して排気バルブ32の位相を遅角し、オーバーラップ期間を大きく拡大する。
ここで、吸排差圧が小さい場合には、オーバーラップ期間を拡大しても、筒内から排気系への空気の吹き抜けが比較的生じ難くなる。このため、第2のオーバーラップ拡大制御では、吸気バルブ30の位相進角と排気バルブ32の位相遅角とを一緒に実行し、オーバーラップ期間を第1のオーバーラップ拡大制御の実行時よりも更に拡大する。これにより、吸排差圧が小さい場合でも、筒内から排気系への空気の吹き抜けを十分に生じさせ、筒内の排気及び冷却を効率よく行うことができ、実施の形態1で述べたオーバーラップ拡大制御の効果を安定的に発揮することができる。
なお、第2のオーバーラップ拡大制御の実行時には、吸気バルブ30の位相を進角することにより吸入空気量が変化し、これに伴ってトルクが変化するので、制御対象気筒と他気筒との間でトルクの差異(トルク段差)が生じる虞れがある。このため、制御対象気筒では、トルク段差低減制御を実行するのが好ましい。トルク段差低減制御では、吸気バルブの位相の進角量(吸入空気の変化量)に基いてトルクの変化量を算出し、このトルクの変化量を打ち消すように制御対象気筒の燃料噴射量を補正する。一方、第2のオーバーラップ拡大制御の実行時には、オーバーラップ期間が極端に広くなることによって混合気が排気系に吹き抜けないように、燃料噴射時期等を適切に制御するのが好ましい。
また、上述した第1,第2のオーバーラップ拡大制御の切換を判定する所定値Pcは、例えば第1のオーバーラップ拡大制御が有効に機能する(同制御により空気の吹き抜けが十分に生じる)最小の吸排差圧に対応して設定される。即ち、吸排差圧が所定値Pc未満の場合には、第1のオーバーラップ拡大制御を実行しても空気の吹き抜けが十分に生じないので、第2のオーバーラップ拡大制御を実行する。また、所定値Pcは、例えば吸気温度に応じて可変に設定する構成としてもよい。
[実施の形態2を実現するための具体的な処理]
次に、図6を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図6は、本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰返し実行されるものとする。図6に示すルーチンでは、まず、ステップ200〜206において、実施の形態1(図4)のステップ100〜106と同様の処理を実行する。
次に、ステップ208では、吸気圧が排気圧よりも高い場合において、吸排差圧が所定値Pc未満であるか否かを判定する。そして、吸排差圧が所定値Pc以上である場合には、ステップ210において、制御対象気筒の吸気バルブ30の位相を一定に保持しつつ、当該気筒の排気バルブ32の位相を遅角することにより、第1のオーバーラップ拡大制御を実行する。また、吸排差圧が所定値Pc未満の場合には、ステップ212において、制御対象気筒の吸気バルブ30の位相進角と排気バルブ32の位相遅角とを一緒に行うことにより、第2のオーバーラップ拡大制御を実行する。そして、ステップ214では、前述したトルク段差低減制御を実行する。
なお、前記実施の形態2では、図6中のステップ210,212が請求項1におけるオーバーラップ拡大制御手段の具体例を示しており、このうち、ステップ210が請求項2における排気バルブ制御手段の具体例、ステップ212が請求項3における吸排バルブ制御手段の具体例をそれぞれ示している。また、ステップ206は、請求項5におけるオーバーラップ縮小制御手段の具体例を示している。
実施の形態3.
次に、図7乃至図11を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態は、前記実施の形態1とほぼ同様の構成及び制御において、オーバーラップ期間の拡大量及び縮小量を可変に設定することを特徴としている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態3の特徴]
前述したように、一部の気筒でプレイグニッションが発生すると、その気筒から排出されたデポジット等の着火源が他の気筒に逆流し、他の気筒において二次的なプレイグニッションを引き起こす要因となる。このため、本実施の形態では、二次的なプレイグニッションの発生し易さを示す指標として、「プレイグニッション連鎖危険度」を算出し、その算出値に基いて制御を切換える構成としている。
図7は、プレイグニッション連鎖危険度を算出するためのデータを模式的に示す説明図であり、このデータは、データマップ等としてECU50に予め記憶されている。図7に示すように、プレイグニッション連鎖危険度は、最初にプレイグニッションが発生した気筒における筒内圧の最大値と、デポジット堆積指標とに基いて算出される。なお、デポジット堆積指標とは、筒内に堆積したデポジットの量に応じて増加する指標であり、その算出方法については後述する。
最初にプレイグニッションが発生した気筒(原発気筒)では、筒内圧の最大値が大きいほど、また、デポジットの堆積量が多いほど、プレイグニッション発生時の衝撃により剥離するデポジットの量が増加する。そして、二次的なプレイグニッションは、原発気筒から排出されるデポジットの量が多いほど、発生し易くなると考えられる。このため、図7に示すプレイグニッション連鎖危険度のデータは、原発気筒における筒内圧の最大値が大きいほど、また、デポジット堆積指標が大きいほど、プレイグニッション連鎖危険度が増加するように設定されている。
そして、本実施の形態では、「プレイグニッションが検出され、かつ、吸気圧が排気圧よりも低い」という制御条件が成立した場合に、図7のデータに基いてプレイグニッション連鎖危険度を算出し、その算出値に応じて、後述する3種類のオーバーラップ縮小制御の何れかを実行する。即ち、本実施の形態は、実施の形態1,2のオーバーラップ縮小制御を、プレイグニッション連鎖危険度に応じて3種類の制御に分けたことを特徴としている。これら3種類のオーバーラップ縮小制御の制御対象気筒は、実施の形態1で述べたオーバーラップ拡大制御の場合と同様に設定される。なお、図7では、プレイグニッション連鎖危険度が「大」、「中」、「小」からなる3種類の値を有し、その値が筒内圧及びデポジット堆積指標の大きさに応じて3段階に変化する場合を例示した。しかし、本発明はこれに限らず、プレイグニッション連鎖危険度が取り得る値の種類や変化の段階数は任意に設定してよいものである。
(第1のオーバーラップ縮小制御)
この制御は、例えばプレイグニッション連鎖危険度が「小」である場合に実行されるもので、その制御内容は、実施の形態1において、オーバーラップ縮小制御(図3)として説明したものである。即ち、第1のオーバーラップ縮小制御は、制御対象気筒において、吸気バルブ30の位相を一定に保持しつつ、排気バルブ32の位相を進角することにより、オーバーラップ期間を縮小する。
第1のオーバーラップ縮小制御によれば、吸気圧が排気圧よりも低い状態において、二次的なプレイグニッションが若干発生し易い場合には、制御対象気筒のオーバーラップ期間をある程度縮小し、筒内に逆流する排気ガスの量を適度に減少させることができる。従って、原発気筒から排出されたデポジット等が他気筒に逆流して着火源となり、二次的なプレイグニッションが誘発されるのを抑制することができる。
(第2のオーバーラップ縮小制御)
この制御は、プレイグニッション連鎖危険度が「中」である場合に実行される。図8は、第2のオーバーラップ縮小制御によりバルブのオーバーラップ期間を無くした状態を示す説明図である。この図に示すように、第2のオーバーラップ縮小制御は、制御対象気筒において、吸気バルブ30を遅角して排気バルブ32を進角することにより、オーバーラップ期間を第1のオーバーラップ縮小制御の実行時よりも更に縮小するか、好ましくは、オーバーラップ期間を殆ど無くした状態とする。
第2のオーバーラップ縮小制御によれば、二次的なプレイグニッションが比較的発生し易い場合には、制御対象気筒のオーバーラップ期間を大きく縮小し、筒内に逆流する排気ガスの量を十分に減少させることができる。これにより、第1のオーバーラップ縮小制御と比較して、二次的なプレイグニッションの発生を効果的に抑制することができる。また、オーバーラップ期間の縮小量を大きくすることにより、吸入空気量が減少して実圧縮比が低下するので、プレイグニッションの発生し易さをより低下させることができる。
(気筒間オーバーラップ縮小制御)
この制御は、プレイグニッション連鎖危険度が「大」である場合に実行される。図9は、気筒間オーバーラップ縮小制御により設定されるバルブタイミングを示す説明図であり、図10は、気筒間オーバーラップ縮小制御により気筒間で排気行程のオーバーラップを無くした状態を示す説明図である。図9に示すように、気筒間オーバーラップ縮小制御は、制御対象気筒において、吸気バルブ30と排気バルブ32の両方を遅角することにより、オーバーラップ期間を殆ど無くした状態に保持する。また、排気バルブ32の開弁期間(排気行程)を遅角することにより、図10に示すように、制御対象気筒の排気行程が原発気筒の排気行程とオーバーラップしないようにする。
気筒間オーバーラップ縮小制御によれば、二次的なプレイグニッションが極端に発生し易い場合には、制御対象気筒のオーバーラップ期間を大きく縮小し、筒内に逆流する排気ガスの量を十分に減少させることができる。しかも、原発気筒に対する排気行程のオーバーラップを解消するので、原発気筒から排出されたデポジット等の着火源が制御対象気筒に流入するのをより確実に防止することができる。従って、二次的なプレイグニッションが極端に発生し易い状況でも、これを確実に抑制することができる。
上述したように、本実施の形態では、原発気筒における筒内圧の最大値が大きいほど、また、デポジット堆積指標が大きいほど(デポジットの堆積量が多いほど)、制御対象気筒のオーバーラップ期間の縮小量を大きくする構成としている。これにより、二次的なプレイグニッションの発生し易さに応じてオーバーラップ期間を適度に縮小することができる。従って、プレイグニッションの連鎖的な発生を安定的に抑制しつつ、オーバーラップ期間を縮小することで生じる弊害(内部EGRの不足や運転性の悪化等)を可能な限り回避することができる。
なお、上記第2のオーバーラップ縮小制御及び気筒間オーバーラップ縮小制御では、吸気バルブ30の位相を変化させることにより制御対象気筒と他気筒との間でトルク段差が生じる虞れがあるので、前記実施の形態2で述べたように、トルク段差低減制御を実行するのが好ましい。
(デポジット堆積指標)
本実施の形態では、デポジット堆積指標として、例えば気筒間空気量インバランスが初期状態から変化した変化量を用いる構成としている。気筒間空気量インバランスとは、例えば全気筒のうち1気筒のみで吸入空気量のずれが生じている場合に、当該気筒の吸入空気量が他気筒の吸入空気量に対してどの程度ずれているかを割合で表したものである。気筒間空気量インバランスは、筒内に堆積したデポジットの堆積量が増加するにつれて、初期状態(エンジン出荷時の状態等)から増加する傾向がある。
このため、ECU50は、気筒間空気量インバランスが初期状態から変化した変化量を、デポジット堆積指標として算出する。そして、このデポジット堆積指標と筒内圧の最大値とに基いて図7のデータマップを参照することにより、プレイグニッション連鎖危険度を算出する。これにより、筒内おけるデポジットの堆積量を気筒間空気量インバランスの変化量として容易に算出することができる。
[実施の形態3を実現するための具体的な処理]
次に、図11を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図11は、本発明の実施の形態3において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。なお、この図に示すルーチンは、実施の形態1(図4)のステップ106または実施の形態2(図6)のステップ206に代えて実行されるものである。図11に示すルーチンでは、まず、ステップ300において、プレイグニッション連鎖危険度が「小」であるか否かを判定し、この判定が成立した場合には、ステップ302において、第1のオーバーラップ縮小制御を実行する。
また、ステップ300の判定が不成立の場合には、ステップ304において、プレイグニッション連鎖危険度が「中」であるか否かを判定し、この判定が成立した場合には、ステップ306において、第2のオーバーラップ縮小制御を実行する。また、ステップ304の判定が不成立の場合には、プレイグニッション連鎖危険度が「大」であるから、ステップ308において、気筒間オーバーラップ縮小制御を実行する。
なお、前記実施の形態3では、図11中のステップ302,306,308が請求項5におけるオーバーラップ縮小制御手段の具体例を示しており、このうち、ステップ302,306が請求項6におけるオーバーラップ拡大量可変手段及び請求項7におけるデポジット対応制御手段の具体例を示している。
(オーバーラップ拡大制御への適用)
また、実施の形態3では、プレイグニッションが検出され、かつ、吸気圧が排気圧よりも低い場合において、最初にプレイグニッションが検出された原発気筒における筒内圧の最大値が大きいほど、制御対象気筒のオーバーラップ期間の縮小量を大きくするものとした。これに対し、本発明では、実施の形態1,2で述べたオーバーラップ拡大制御においても、同様の構成を採用することができる。即ち、本発明では、プレイグニッションが検出され、かつ、吸気圧が排気圧よりも高い場合において、原発気筒における筒内圧の最大値が大きいほど、オーバーラップ期間の拡大量を大きくする構成としてもよい。
この構成によれば、次のような効果を得ることができる。二次的なプレイグニッションは、筒内圧の最大値が大きくなるほど発生し易くなるので、筒内圧の最大値が大きい場合には、その分だけオーバーラップ期間の拡大量を増加させ、過給圧を利用した筒内の排気及び冷却を効率よく行うことができる。即ち、二次的なプレイグニッションの発生し易さに応じてオーバーラップ期間を適度に拡大することができる。従って、プレイグニッションの連鎖的な発生を安定的に抑制しつつ、オーバーラップ期間を拡大することで生じる弊害(内部EGRの過多や運転性の悪化等)を可能な限り回避することができる。なお、上記構成は、請求項4におけるオーバーラップ拡大量可変手段の具体例を示している。
また、前記実施の形態1乃至3では、各種の構成をそれぞれ個別に例示したが、本発明は、これらを個別に実施することに限定されるものではない。即ち、実施の形態1乃至3の構成うち、任意の複数個の構成を実現可能な範囲で組合わせることにより、本発明に含まれる具体的な構成を実現してもよい。一例を挙げれば、実施の形態2の構成に対して、実施の形態3の構成を組合わせてもよい。
10 エンジン(内燃機関)
12 ピストン
14 燃焼室
16 クランク軸
18 吸気通路
20 排気通路
22 スロットルバルブ
24 触媒
26 燃料噴射弁
28 点火プラグ
30 吸気バルブ
32 排気バルブ
34 吸気可変動弁機構(オーバーラップ可変機構)
36 排気可変動弁機構(オーバーラップ可変機構)
38 過給機
38a タービン
38b コンプレッサ
40 クランク角センサ
42 エアフローセンサ
44 吸気圧センサ(圧力検出手段)
46 排気圧センサ(圧力検出手段)
48 筒内圧センサ(プレイグニッション検出手段)
50 ECU

Claims (9)

  1. 吸気バルブと排気バルブが一緒に開弁するオーバーラップ期間を可変に設定することが可能なオーバーラップ可変機構と、
    内燃機関の排気圧または動力を利用して吸入空気を過給する過給機と、
    吸気圧と排気圧をそれぞれ検出する圧力検出手段と、
    燃焼室内でプレイグニッションが発生するか、またはプレイグニッションを誘発し易い状況が発生した場合に、これらの状態をプレイグニッションとして検出するプレイグニッション検出手段と、
    前記プレイグニッションが検出され、かつ、前記吸気圧が前記排気圧よりも高い場合に、前記オーバーラップ可変機構を駆動して前記オーバーラップ期間を拡大するオーバーラップ拡大制御手段と、を備え、
    前記オーバーラップ拡大制御手段は、前記プレイグニッションが検出され、かつ、前記吸気圧が前記排気圧よりも高くて両者の差圧が所定値未満である場合に、前記吸気バルブの開弁時期を進角して前記排気バルブの閉弁時期を遅角することにより前記オーバーラップ期間を拡大する吸排バルブ制御手段を備え、
    更に、前記吸排バルブ制御手段により前記オーバーラップ期間を拡大する気筒において、前記吸気バルブの開弁時期を進角することにより生じるトルクの変化量を前記開弁時期の進角量に基いて算出し、当該トルクの変化量を打ち消すように燃料噴射量を補正するトルク段差低減制御を実行する構成としたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 吸気バルブと排気バルブが一緒に開弁するオーバーラップ期間を可変に設定することが可能なオーバーラップ可変機構と、
    内燃機関の排気圧または動力を利用して吸入空気を過給する過給機と、
    吸気圧と排気圧をそれぞれ検出する圧力検出手段と、
    燃焼室内でプレイグニッションが発生するか、またはプレイグニッションを誘発し易い状況が発生した場合に、これらの状態をプレイグニッションとして検出するプレイグニッション検出手段と、
    前記プレイグニッションが検出され、かつ、前記吸気圧が前記排気圧よりも高い場合に、前記オーバーラップ可変機構を駆動して前記オーバーラップ期間を拡大するオーバーラップ拡大制御手段と、
    前記プレイグニッションが検出され、かつ、前記吸気圧が前記排気圧よりも低い場合に、前記プレイグニッションが検出された原発気筒の排気行程と当該原発気筒の後で排気行程を迎える制御対象気筒の排気行程とがオーバーラップしないように前記制御対象気筒の排気バルブの開弁期間を遅角する気筒間オーバーラップ縮小制御を実行する手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記オーバーラップ拡大制御手段は、前記プレイグニッションが検出され、かつ、前記吸気圧が前記排気圧よりも高くて両者の差圧が所定値以上である場合に、前記吸気バルブの開弁時期を一定に保持した状態で、前記排気バルブの閉弁時期を遅角することにより前記オーバーラップ期間を拡大する排気バルブ制御手段を備えてなる請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記オーバーラップ拡大制御手段は、前記プレイグニッションが検出され、かつ、前記吸気圧が前記排気圧よりも高くて両者の差圧が所定値未満である場合に、前記吸気バルブの開弁時期を進角して前記排気バルブの閉弁時期を遅角することにより前記オーバーラップ期間を拡大する吸排バルブ制御手段を備えてなる請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記プレイグニッションが検出された気筒の筒内圧が高いほど、前記オーバーラップ期間の拡大量を大きくするオーバーラップ拡大量可変手段を備えてなる請求項1乃至のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記プレイグニッションが検出され、かつ、前記吸気圧が前記排気圧よりも低い場合に、前記オーバーラップ可変機構を駆動して前記オーバーラップ期間を縮小するオーバーラップ縮小制御手段を備えてなる請求項1乃至のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記プレイグニッションが検出された気筒の筒内圧が高いほど、前記オーバーラップ期間の縮小量を大きくするオーバーラップ拡大量可変手段を備えてなる請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記燃焼室内に堆積したデポジットの量が多いほど、前記オーバーラップ期間の縮小量を大きくするデポジット対応制御手段を備えてなる請求項またはに記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記デポジット対応制御手段は、前記デポジットの堆積量に対応する指標として、気筒間空気量インバランスが初期状態から変化した変化量を算出し、当該算出値が大きいほど、前記オーバーラップ期間の縮小量を大きくする構成としてなる請求項に記載の内燃機関の制御装置。
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