JP2012107346A - ポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法 - Google Patents

ポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリエステル系繊維製品にも好適に防汚機能を付与することができるポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法、並びに、防汚機能を付与したポリエステル系繊維製品を提供する。
【解決手段】 親水性ポリエステル化合物を含有する親水性ポリエステル処理液を調製する工程と、前記親水性ポリエステル処理液に平均繊維径が10〜2000nmのポリエステル系繊維からなるポリエステル系繊維製品を浸漬した後、生地を絞り、乾燥させることで、前記ポリエステル系繊維製品に親水性ポリエステル化合物を付着させる工程とを有するポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法。
【選択図】 なし

Description

ポリエステル系繊維製品に好適に防汚機能を付与することができるポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法、並びに、防汚機能を付与したポリエステル系繊維製品に関する。
ポリエステル系繊維は、機械的強度、耐薬品性、耐熱性等に優れているため、衣料や詰綿をはじめ、産業資材や家庭用品、衛生材料、人工皮革等の幅広い分野で用いられている。しかし、ポリエステル系繊維は、綿、麻、羊毛等の天然繊維やレーヨン等の半合成繊維と比べると疎水性であるため、一度汚れが付着すると落ちにくいという課題があった。
これに対して、ポリエステル系繊維に親水性を付与することで、汚れの付着を防止することが試みられており、具体的には例えば、特許文献1には、ポリエステル繊維を芳香族ポリエステルセグメントにスルホイソフタル酸アルカリ金属塩成分を共重合したポリエーテルポリエステルブロック共重合体で処理する方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法により得られるポリエステル繊維は、洗濯等の処理を行うと、繊維の親水性が洗濯前と比較して著しく低下するため、得られる製品の親水性が不充分なものとなりやすいという問題があった。この親水性低下の問題をカバーするため、成形後の製品にポリエステルポリエーテル共重合体の水分散体等の親水性物質を追加付着させる方法も考えられるが、得られる製品の風合が硬くなりやすく、柔軟性を損なうという問題があった。
特開昭59−183786号公報
本発明は、上記現状に鑑み、ポリエステル系繊維製品に好適に防汚機能を付与することができるポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法、並びに、防汚機能を付与したポリエステル系繊維製品を提供することを目的とする。
本発明は、親水性ポリエステル化合物を含有する親水性ポリエステル処理液を調製する工程と、前記親水性ポリエステル処理液に平均繊維径が10〜2000nmのポリエステル系繊維からなるポリエステル系繊維製品を浸漬した後、生地を絞り、乾燥させることで、前記ポリエステル系繊維製品に親水性ポリエステル化合物を付着させる工程とを有するポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、所定の平均繊維径を有する極細繊維からなるポリエステル系繊維製品を用い、かつ、このポリエステル系繊維製品に親水性ポリエステル化合物を付着させる工程を行うことで、従来は防汚機能を付与することが困難であったポリエステル系繊維製品に優れた防汚機能を付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法では、まず、親水性ポリエステル化合物を含有する親水性ポリエステル処理液を調製する工程を行う。
上記親水性ポリエステル化合物としては、例えば、ポリエステルにポリエチレングリコールの側鎖が結合した化合物;ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート及びポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂;ジメチルテレフタレート及びポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂;テレフタル酸、アジピン酸、5−スルホイソフタル酸、ポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸とアルキレングリコール及びポリアルキレングリコールとからなるブロック共重合ポリエステル樹脂等が挙げられる。
上記親水性ポリエステル化合物のうち、市販品としては例えば、ナイスポールPR−99(日華化学社製)、ナイスポールPRK−60(日華化学社製)、ナイスポールPR−86E(日華化学社製)、SR1805M(高松油脂社製)、メイカフィニッシュSRM−65(明成化学社製)等が挙げられる。
上記親水性ポリエステル化合物の重量平均分子量の好ましい下限は500、好ましい上限は5000である。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。
上記親水性ポリエステル化合物の添加量の好ましい下限は0.5%o.w.f.、好ましい上限は10%o.w.f.である。0.5%o.w.f.未満であると、付着後のポリエステル系繊維製品の防汚機能が不充分となり、10%o.w.f.を超えると、付着後のポリエステル系繊維製品の柔軟性が損なわれることがある。なお、%o.w.f.は繊維の重量に対する割合を示したものである。
上記親水性ポリエステル処理液には、必要に応じて、架橋剤を添加してもよい。
上記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、グリオキザール系樹脂、メラミン系樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記架橋剤を用いることにより、ポリエステル系繊維製品上で架橋が進み、防汚機能の洗濯耐久性能を著しく向上させることができる。
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリイソシアネート化合物、ジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物等を用いることができ、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられ、特にヘキサメチレンジイソシアネートのトリスビュレット変性体等のヘキサメチレンジイソシアネートの変性物であるトリイソシアネート化合物が好ましい。
上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、エチレングリコールグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記グリオキザール系樹脂としては、例えば、ジメチロールジメトオキシエチレン尿素、ジメチロールヒドロキシエチレン尿素、1,3−ジメチルグリオキザールモノウレイン等が挙げられる。
上記メラミン系樹脂としては、例えば、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等が挙げられる。
上記架橋剤の添加量の好ましい下限は0.1%o.w.f.、好ましい上限は5%o.w.f.である。0.1%o.w.f.未満であると、処理後のポリエステル系繊維製品の洗濯耐久性が不充分となり、5%o.w.f.を超えると、処理後のポリエステル系繊維製品の柔軟性が損なわれることがある。
上記親水性ポリエステル処理液を調製する工程においては、架橋反応を促進させるため、触媒を含有させてもよい。
また、上記親水性ポリエステル処理液には、必要に応じて、抗カビ剤、抗酸化剤、光安定剤、制電剤、導電剤、難燃剤、顔料等の添加剤を含有させてもよい。
本発明のポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法では、次いで、上記親水性ポリエステル処理液に、平均繊維径が10〜2000nmのポリエステル系繊維からなるポリエステル系繊維製品を浸漬した後、生地を絞り、乾燥させることで、上記ポリエステル系繊維製品に親水性ポリエステル化合物を付着させる工程を行う。以下、この工程を付着工程ともいう。
上記ポリエステル系繊維製品は、平均繊維径の下限が10nm、上限が2000nmである。上記平均繊維径が10nm未満であると、繊維強度が低くなり、2000nmを超えると、生地の緻密性が低下する。好ましくは100〜2000nm、より好ましくは200〜2000nmである。
なお、上記平均繊維径は単繊維径の平均を意味する。上記単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、丸断面に換算した直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
上記ポリエステル系繊維製品としては、例えば、電界紡糸法により製造されたポリエステル系繊維からなるポリエステル系繊維製品を用いることが好ましい。
上記電界紡糸法により製造されたポリエステル系繊維は、極細繊維相互間に生じる空隙が均一でかつ、適度な大きさになりやすく、上記親水性ポリエステル化合物が均一に付着し、なおかつ一旦付着した親水性ポリエステル化合物が脱落しにくい効果を奏するため、特に好適に防汚機能を付与することができる。
上記電界紡糸法(Electro Spinning Deposition(ESD))は、樹脂溶液又は熱溶融樹脂を高電圧電界の印加された条件で、微小孔径のノズルから吐出させ、基板上に微細径の樹脂繊維の不織布を製造する方法である。
樹脂溶液を使用する場合、使用する溶媒としては、ヘキサフルオロイソプロパノール、m−クレゾール、フェノール、フェノール・四塩化エタン、o−クロロフェノール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記樹脂溶液における樹脂の含有量は、3〜40重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜30重量%である。
上記電界紡糸法での製造条件の典型例としては、電圧−70〜70kV、ノズル径14〜32G、ノズル先端からコレクターまでの距離5〜30cmが挙げられる。
上記ポリエステル系繊維としては、電界紡糸法で製造されたものであれば、モノフィラメントであってもよくマルチフィラメントであってもよい。
上記ポリエステルマルチフィラメントの平均繊維径は、10〜2000nmであることが好ましい。上記平均繊維径が10nm未満であると、繊維強度が低くなり、2000nmを超えると、生地の緻密性が低下する。好ましくは500〜2000nm、より好ましくは650〜2000nmである。
上記ポリエステルマルチフィラメント糸のフィラメント数は特に限定されないが、500以上であることが好ましい。より好ましくは2000〜8000である。
上記ポリエステルマルチフィラメントを構成するポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステル等が挙げられる。
また、上記ポリエステル系繊維製品としては、特に限定されず、例えば、スポーツウェア、アウトドアウェア、レインコート、紳士衣服、婦人衣服、肌着、作業衣、防護服、人工皮革、履物、鞄、カーテン、防水シート、カーシート等の繊維製品が挙げられる。
本発明では、上記親水性ポリエステル処理液にポリエステル系繊維製品を浸漬した後、生地を絞り、乾燥させることで、上記ポリエステル系繊維製品に親水性ポリエステル化合物を付着させる。
上記付着工程における上記親水性ポリエステル処理液への浸漬時間、浸漬後のポリエステル系繊維製品を絞る際の絞り率については、所望の性能に応じて適宜選択することができる。
また、上記付着工程において、上記親水性ポリエステル処理液への浸漬後、絞った後にポリエステル系繊維製品中でのマイグレーションを防ぐために乾燥を行う。
上記乾燥を行う際の温度の好ましい下限は100℃、好ましい上限は120℃である。乾燥を行う際の温度が100℃未満であると、充分に乾燥できず処理液成分が偏ってしまうことがある。120℃を超えると、一度に水分が蒸発し、処理液成分が生地表面へ移行してしまうため、表面のみの加工になってしまうことがある。
本発明では、上記乾燥を行った後、更に加熱を行う工程(キュア工程)を行ってもよい。
上記キュア工程を行うことで、ポリエステル系繊維製品と親水性ポリエステル成分との反応をより進行させることができる。上記キュア工程における加熱温度の好ましい下限は120℃、好ましい上限は180℃である。120℃未満であると、ポリエステル系繊維製品と親水性ポリエステル成分との反応が不充分となることがあり、180℃を超えると、風合いを損ねることがある。
本発明のポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法を用いて得られる防汚機能を付与したポリエステル系繊維製品もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、ポリエステル系繊維製品に好適に防汚機能を付与することができるポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法、並びに、防汚機能を付与したポリエステル系繊維製品を提供することができる。また、得られる防汚機能を付与したポリエステル系繊維製品は、ソフトな風合いを有するものとすることができる。
実施例1で作製したポリエチレンテレフタレート繊維からなる生地(不織布)を撮影したSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。 比較例1の試験布について人工汗による処理を繰り返し3回行った後の状態を撮影したSEM写真である。 実施例1の試験布について人工汗による処理を繰り返し3回行った後の状態を撮影したSEM写真である。 比較例2の試験布について人工汗による処理を繰り返し3回行った後の状態を撮影したSEM写真である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
[生地の作製工程]
ホモポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、EFG85A、ベルポリエステルプロダクツ社製)を1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアルコール(HFIP)に10重量%の濃度となるように溶解させることにより、樹脂溶液を調製した。
得られた樹脂溶液を電界紡糸装置(ES−2300、ヒューエンス社製)のシリンジポンプに充填し、電圧−40kv、射出速度8mL/hrの条件で電界紡糸を行うことにより、ポリエチレンテレフタレート繊維からなる生地(不織布)を製造した。なお、この時に用いた金属製ノズルの径は23G(内径:0.33mm)で、コレクターまでの距離は22cmであった。また、得られた生地について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い1000倍で撮影した(図1)。
[処理液の調製工程]
親水性ポリエステル化合物(ナイスポールPR−99、日華化学社製)3%o.w.fにNKアシストNY(日華化学社製)を1%o.w.f.添加することにより、親水性ポリエステル化合物を3%o.w.f.含有する処理液を調製した。
[生地の処理工程]
得られた生地を、作製した親水性ポリエステル化合物を3%o.w.f.含有する処理液に浸漬させた後、パッダ−を用いて絞り率100%で絞った。次いで、100℃で3分間乾燥した後、180℃で30秒間加熱することにより、試験布を得た。得られた試験布は、厚み0.18mm、目付け26g/m、平均繊維径500nmであった。
(実施例2)
[生地の作製工程]
ホモポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、EFG85A、ベルポリエステルプロダクツ社製)を1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアルコール(HFIP)に28重量%の濃度となるように溶解させることにより、樹脂溶液を調製した。
得られた樹脂溶液を電界紡糸装置(ES−2300、ヒューエンス社製)のシリンジポンプに充填し、電圧−40kv、射出速度8mL/hrの条件で電界紡糸を行うことにより、ポリエチレンテレフタレート繊維からなる生地(不織布)を製造した。なお、この時に用いた金属製ノズルの径は18G(内径:0.90mm)で、コレクターまでの距離は22cmであった。
[生地の処理工程]
得られた生地を、実施例1で作製した親水性ポリエステル化合物を3%o.w.f.含有する処理液に浸漬させた後、パッダ−を用いて絞り率100%で絞った。次いで、100℃で3分間乾燥した後、180℃で30秒間加熱することにより、試験布を得た。得られた試験布は、厚み0.25mm、目付け33g/m、平均繊維径2μmであった。
(比較例1)
実施例1の[生地の作製工程]と同様の方法で生地を得た後、[生地の処理工程]を行わなかった以外は実施例1と同様にして試験布を得た。なお、試験布は厚み0.18mm、目付け25g/m、平均繊維径0.5μmであった。
(比較例2)
レギュラーポリエステルマルチフィラメント(56dtex、24フィラメント、帝人社製)からなるフライス編地を試験布とした。なお、試験布は厚み0.63mm、目付け153g/m、平均繊維径19μmであった。
(比較例3)
ポリエステル不織布(ニードルパンチ不織布、ボランス4058P、東洋紡績社製)を試験布とした。なお、試験布は厚み0.48mm、目付け62g/m、平均繊維径19μmであった。
(比較例4)
ポリエステル不織布(メルトブローン不織布、B040U0、タピルス社製)を試験布とした。なお、試験布は厚み0.33mm、目付け40g/m、平均繊維径3μmであった。
(比較例5)
ポリエステル不織布(ニードルパンチ不織布、ボランス4058P、東洋紡績社製)からなる生地を、実施例1の[生地の処理工程]と同様の方法で処理することにより、試験布を得た。なお、試験布は厚み0.48mm、目付け64g/m、平均繊維径19μmであった。
(比較例6)
ポリエステル不織布(メルトブローン不織布、B040U0、タピルス社製)からなる生地を、実施例1の[生地の処理工程]と同様の方法で処理することにより、試験布を得た。なお、試験布は厚み0.33mm、目付け41g/m、平均繊維径3μmであった。
(比較例7)
ポリウレタン不織布(電界紡糸不織布、パンデックスT−1185N、DIC社製)からなる生地を、実施例1の[生地の処理工程]と同様の方法で処理することにより、試験布を得た。なお、試験布は厚み0.1mm、目付け30g/m、平均繊維径1μmであった。
(比較例8)
実施例2と同様の方法で生地を得た後、フッ素系高分子(アサヒガードAG−1100、明成化学社製)を2%o.w.f.、トリイソシアネート化合物(NKアシストNY、日華化学社製)を1%o.w.f.含有する処理液に、得られた生地を浸漬させた後、パッダ−を用いて絞り率100%で絞った。次いで、160℃で3分間加熱することにより、試験布を得た。なお、試験布は厚み0.25mm、目付け33g/m、平均繊維径2μmであった。
(評価)
実施例及び比較例で得られた試験布について以下の方法により、評価を行った。結果を表1に示した。
(1)残脂率測定
得られた試験布それぞれについて、人工汗水溶液(オレイン酸20.3g/l、トリオレイン11.2g/l、コレステロールオレート8.75g/l、流動パラフィン1.8g/l、スクアレン1.8g/l、コレステロール1.15g/l、ゼラチン5g/l、塩化ナトリウム15g/l)が試験布重量比で130%相当量となるよう、試験布の片面から吸い上げ付着させ、40℃、1時間で乾燥させ、通常の家庭用洗濯をした後、天日乾燥を行った。
上述の操作を1回行った試験布と、繰り返し3回行った試験布について、JIS L 1018 8.48に準拠した方法で残脂率を測定した。
具体的には、試験布から試験片約5gを採取し、絶乾重量を測定した後、ソックスレー抽出器に入れる。次いで、丸底フラスコに120mlのエタノール−ベンゼン混合液を入れ、水浴上で抽出液が弱く沸騰を保つ程度に3時間加熱した後、試料部にたまった溶液をフラスコに戻して完全に溶剤を蒸発させた後、絶乾重量を測定した。このフラスコ絶乾重量からフラスコのみの絶乾重量を引いた抽出分(g)を算出した。これらより、下記の式にて残脂率を算出した。
残脂率(%)=(抽出分(g)/試験片の絶乾重量(g)×100)
また、実施例1、比較例1及び比較例2の試験布について人工汗による処理を繰り返し3回行った後の状態をSEMを用い1000倍及び500倍で撮影した(図2、3、4)。
本発明によれば、ポリエステル系繊維製品にも好適に防汚機能を付与することができるポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法、並びに、防汚機能を付与したポリエステル系繊維製品を提供できる。

Claims (3)

  1. 親水性ポリエステル化合物を含有する親水性ポリエステル処理液を調製する工程と、
    前記親水性ポリエステル処理液に平均繊維径が10〜2000nmのポリエステル系繊維からなるポリエステル系繊維製品を浸漬した後、生地を絞り、乾燥させることで、前記ポリエステル系繊維製品に親水性ポリエステル化合物を付着させる工程とを有する
    ことを特徴とするポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法。
  2. 親水性ポリエステル化合物は、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート及びポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法。
  3. 請求項1又は2記載のポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法を用いて得られることを特徴とする防汚機能を付与したポリエステル系繊維製品。
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