JP2012101634A - 車両のフード構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両ボディの前部に開閉可能に支持された前開き式のフードの構造であって、主として歩行者保護対策として小さな衝撃を受けた場合にフードを跳ね上げるポップアップフードの技術が提供されているが、従来のポップアップフードでは大きな衝撃を受けた場合に後方への変位を規制するために複雑なリンク機構等を用いていた。本発明では、フードの後退をより簡易な構成で実現できるようにする。
【解決手段】フード10を開閉支持するヒンジ部20のヒンジピン23が挿通される支持孔にピン逃がし部を設けて大きな衝撃F2を受けた場合にはヒンジアームを後退させてその回転を規制し、これにより発生する大きな反力によりフード10(C)を座屈させる構成とする。
【選択図】図3

Description

この発明は、車両の前部を開閉する前開き式のフードの構造に関する。
例えば、セダン型の乗用車は、車両前部のエンジンルームを開閉するフードを備えている。このフードは、多くの場合前側を上下に変位させて開閉する前開き式のフードで、エンジンルーム後部側(車両ボディ側)との間でヒンジ部を介して上下に開閉可能に支持されている。この前開き式のフードは、エンジンルームの前部に備え付けたフードロック機構によりエンジンルームを閉じた位置にロックされる。
このフードについては、車両前突時の衝撃を吸収し、あるいはその際の歩行者保護を図るための様々な工夫がなされている。例えば下記の特許文献には、いわゆるポップアップフードの技術が開示されている。このポップアップフードは、車両前突時の比較的小さな衝撃によりヒンジを開き側に僅かに回転させてフードの主として後部側を後退させつつ跳ね上げることにより歩行者保護(二次衝突時の衝撃緩和)を図る構成となっている。このポップアップフードの場合には、車両前部により大きな衝撃を受けた場合に、跳ね上げられたフードがさらに車室内側へ後退することを規制するための工夫も併せてなされている。従来の後退規制構造は、例えば下記の特許文献1に開示されているようにボディ側に設けた前後二箇所のストッパ部材に跳ね上げたフードを係合させる構成、あるいは特許文献2,3に開示されているようにヒンジ部に加えてリンク機構やストッパ機構等を追加することによりヒンジ部の開き方向の回動を規制してフードの後退を規制する構成となっていた。
また、従来大きな衝撃を受けた場合の対策としてフードを上方に座屈させてその後退を規制する技術(座屈方式)が公知になっているが、この座屈方式の場合には、フードを座屈させるに至らない程度の比較的小さな衝撃を受けた場合を想定したポップアップ機能を備えない構成となっていた。
特開2009−96339号公報 特許第3320681号公報 特開2007−62490号公報
このように、従来のフード構造では、歩行者保護対策として比較的小さな衝撃に対してフードの主として後部側を跳ね上げる構成とした場合には、より大きな衝撃を受けた場合におけるフードの後退を規制する必要上、前後二箇所のストッパ部材あるいは複雑なリンク機構やストッパ機構等のフード後退規制手段を別途追加する必要があり、この点で構成が複雑になり、また大きなコストアップを招く問題があった。また、大きな衝撃を受けた場合の対策としてフードを座屈させる構成とした場合には、比較的小さな衝撃を受けた場合の対策が十分ではなくなる問題があった。
本発明は、係る従来の問題に鑑みなされたもので、従来のポップアップ後におけるフードの後退を規制するためのフード後退規制手段について構成の複雑化及び大きなコストアップを招くことなく、車両前部に比較的小さな衝撃を受けた場合にはフードの後部側を跳ね上げて歩行者保護を図る一方、大きな衝撃を受けた場合にはフードを座屈させてその後退を確実に規制できるようにして、大小何れの大きさの衝撃に対しても対応できるようにすることを目的とする。
上記の課題は下記の発明により解決される。
第1の発明は、車両ボディの前部にヒンジ部を介して上下に開閉可能に支持された前開き式のフードの構造であって、ヒンジ部は、フード側のヒンジアームがヒンジピンを介して車両ボディ側のヒンジベースに対して回転可能に結合された構成を備えており、車両ボディの前部が受ける衝撃によりヒンジアームを介してヒンジピンに付加される荷重について基準荷重F0を設定し、この基準荷重F0よりも小さな衝撃F1を受けた場合にはヒンジアームが回転してフードの後部側が跳ね上げられ、基準荷重F0以上の大きな衝撃F2を受けた場合にはヒンジアームがヒンジベースに対して衝撃入力方向に後退してヒンジアームの回転が規制される構成としたフード構造である。
第1の発明によれば、車両前部に受ける衝撃が基準荷重F0よりも小さな衝撃F1である場合には、ヒンジ部が回転してフードの主として後部側が跳ね上げられることにより歩行者保護が図られる。一方、車両前部に受ける衝撃が基準荷重F0よりも大きな衝撃F2である場合には、ヒンジ部のヒンジアームがヒンジベースに対して衝撃入力方向に後退する。ヒンジアームがヒンジベースに対して衝撃入力方向に後退するためその回転が規制され、その結果発生する反力によりフードが例えば座屈して当該大きな衝撃F2が吸収される。
このように、第1の発明によれば、車両前部が受ける衝撃が小さな衝撃F1である場合と大きな衝撃F2である場合の双方に対応することができる。しかも、第1の発明によれば、大きな衝撃F2を受けた場合に、ヒンジアームの後退動作を利用してその回転を規制する構成であるので、従来の複数箇所のストッパ部材や構成が複雑化し大きなコストアップを招くリンク機構やストッパ機構を追加することなくフードの後退を規制でき、ひいては当該フードを座屈させて大きな衝撃F2を確実に吸収することができる。
第2の発明は、車両ボディの前部にヒンジ部を介して上下に開閉可能に支持された前開き式のフードの構造であって、ヒンジ部は、フード側のヒンジアームがヒンジピンを介して車両ボディ側のヒンジベースに対して回転可能に結合された構成を備えており、ヒンジベースとヒンジアームの一方又は双方についてヒンジピンが回転可能に挿通される円形の支持孔にピン逃がし部を設け、このピン逃がし部は、車両ボディの前部が受ける衝撃によりヒンジアームを介してヒンジピンに付加される荷重が予め定めた基準荷重F0以上である場合に、ヒンジピンの進入を許容してヒンジアームをヒンジベースに対して衝撃入力方向に後退させる構成としたフード構造である。
第2の発明によれば、例えば車両前突等により車両前部に大きな衝撃が付加され、その結果ヒンジピンに付加される荷重が基準荷重F0以上に達することにより、ヒンジピンがピン逃がし部内に進入してヒンジアームがヒンジベースに対して衝撃入力方向に後退する。ヒンジアームがヒンジベースに対して衝撃入力方向に後退することによりヒンジアームの回転が規制され、その結果発生する反力によりフードが例えば座屈して当該大きな衝撃F2が吸収される。
第3の発明は、第2の発明において、ピン逃がし部は、車両ボディの前部が受ける衝撃が前記基準荷重F0よりも小さな衝撃である場合は、ヒンジピンの進入を規制してヒンジピンを支持孔内に保持してヒンジアームを回転可能とする一方、車両ボディの前部が受ける衝撃が前記基準荷重F0以上の大きな衝撃である場合には、ヒンジピンの進入を許容してヒンジピンを相対的に支持孔内から離脱させて前記ヒンジアームを衝撃入力方向に後退させる構成としたフード構造である。
第3の発明によれば、ヒンジピンの支持孔には、ピン逃がし部が連通されている。ピン逃がし部は、ヒンジピンの直径(支持孔の直径)よりも小さな幅寸法に形成されてその径方向の移動を規制する機能を有している。
このピン逃がし部の幅寸法は、車両前部が受ける衝撃によりヒンジピンに付加される荷重が基準荷重F0に達したときに、当該ヒンジピンがピン逃がし部の幅方向両側を押し広げながら相対的に進入することとなる幅寸法に設定されている。このため、車両前部が受ける衝撃が小さな衝撃F1であってヒンジピンに付加される荷重が基準荷重F0よりも小さい場合には、ヒンジピンがピン逃がし部に進入不能であるためヒンジピンが支持孔内に保持されてヒンジアームが回転可能な状態となる一方、車両前部が受ける衝撃が大きな衝撃F2であってヒンジピンに付加される荷重が基準荷重F0以上である場合には、この衝撃により当該ヒンジピンがピン逃がし部を押し広げる方向に変形させつつ当該ピン逃がし部内に相対的に進入し、これによりヒンジアームが後退してその回転が規制された状態となる。
このように、ヒンジピンの支持孔に予め定めた幅寸法の逃がし部を設けた簡易な構成でかつ大きなコストアップを招くことなく小さな衝撃F1を受けた場合にはヒンジアームを回転させてフードをポップアップさせ、大きな衝撃F2を受けた場合にはヒンジアームを後退させてフードを座屈させることができ、車両前部に受ける衝撃が基準荷重よりも小さい場合と大きい場合のいずれにも対応させることができる。
ヒンジアームを後退させるためのピン逃がし部は、ヒンジアーム側の支持孔若しくはヒンジベース側の支持孔の何れか一方または双方に設けることができる。
第4の発明は、上記の第1又は第3の発明において、大きな衝撃F2によりヒンジアームがヒンジベースに対して後退すると、このヒンジベースに設けたストッパ部に係合してヒンジアームの回転が規制される構成としたフード構造である。
第4の発明によれば、車両ボディの前部に大きな衝撃F2を受けた場合に、ヒンジアームのヒンジベースに対する後退動作を利用してヒンジアームをヒンジベースのストッパ部に係合させてその回転を規制する簡易な構成でかつ大きなコストアップを招くことなく、大きな衝撃F2を吸収することができる。
本発明の実施形態に係るフード構造を備えた車両の概略平面図である。 本実施形態に係るフード構造を図1中矢印(II)方向から見た側面図である。 本実施形態に係るフード構造について、フード閉じ状態とフード跳ね上げ状態とフード座屈状態を比較して示す側面図である。 図2中(IV)-(IV)線断面矢視図であって、第1の結合形態を備えたヒンジ部の縦断面図である。 第1の結合形態を備えたヒンジ部の側面図である。本図では、ヒンジアームとヒンジベースが分解された状態でその結合状態が模式的に示されている。 ヒンジ部の側面図であって、ピン離脱孔について他の例を示す図である。本図では、ヒンジアームとヒンジベースが分解された状態でその結合状態が模式的に示されている。 ヒンジ部の側面図であって、ピン離脱孔についてさらに他の例を示す図である。本図では、ヒンジアームとヒンジベースが分解された状態でその結合状態が模式的に示されている。 第2の結合形態を備えたヒンジ部の縦断面図である。 第2の結合形態を備えたヒンジ部の側面図である。本図では、ヒンジアームとヒンジベースが分解された状態でその結合状態が模式的に示されている。 第3の結合形態を備えたヒンジ部の縦断面図である。 第3の結合形態を備えたヒンジ部の側面図である。本図では、ヒンジアームとヒンジベースが分解された状態でその結合状態が模式的に示されている。 ヒンジピンの支持孔についてピン離脱孔を省略してピン逃がし部のみを設けた例を示すヒンジアームの側面図である。本図では、省略されたピン離脱孔が二点鎖線で示されている。 異なる形態のピン逃がし部を備えたヒンジアームの側面図である。
次に、本発明の実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。図1に示すように車両1の前部にフード10が支持されている。このフード10は、エンジンルームを開閉する蓋の役目を有するもので、その後部側の左右一対のヒンジ部20,20を介して上下に開閉可能に支持された前開き式の支持構造を備えている。このフード10の後方にフロントウインド3が位置している。
フード10は、エンジンルームの前部中央に設けたフードロック装置4によって閉じ位置にロックされる。フードロック装置4をアンロックすれば、ヒンジ部20,20側(後部側)を中心にして前側を上方へ変位させる方向に回動させることにより当該フード10を開放することができる。本実施形態は、このフード10の特に車両ボディ2に対する支持構造であって、車両ボディ2の前部に小さな衝撃F1が付加された場合と、大きな衝撃F2が付加された場合の双方に対応し得る構成であることに特徴を有している。本実施形態では、小さな衝撃F1には、例えば歩行者に衝突した場合に受ける程度の軽い衝撃を想定し、大きな衝撃F2には、例えば車両前突時に受ける比較的大きな衝撃を想定している。
左右のヒンジ部20,20は、左右対称に構成されているので、以下の説明では左側(図1において下側)のヒンジ部20について説明する。図2に示すようにこのヒンジ部20は、車両ボディ2側に取り付けられたヒンジベース21と、フード10側に取り付けられたヒンジアーム22と、このヒンジアーム22をヒンジベース21に対して回転可能に結合するヒンジピン23を備えている。
図4に示すように、ヒンジピン23は、ヒンジベース21の後部に設けた円形の支持孔21aと、ヒンジアーム22の後部に設けた円形の支持孔22aの双方に挿通されている。ヒンジピン23は、両支持孔21a,22aに対して径方向にガタツキのない状態でそれぞれ回転自在な状態で挿通されている(第1の結合形態)。このヒンジピン23を介してヒンジアーム22がヒンジベース21に対して上下に回転可能に結合されている。
ヒンジアーム22の支持孔22aにはピン逃がし部22bを介してピン離脱孔22cが設けられている。支持孔22aにピン逃がし部22bを介してピン離脱孔22cが連通した状態で設けられることにより、当該支持孔22aが「だるま孔」形状に設けられている。
ピン逃がし部22bは、ヒンジピン23の直径よりも小さな幅寸法に設定されている。このピン逃がし部22bの幅寸法は、車両ボディ2の前部に付加される衝撃が小さな衝撃F1若しくはこれよりも小さい衝撃あるいは衝撃が付加されない結果、ヒンジピン23に付加される荷重が基準荷重F0に達しない状態では、ヒンジピン23の進入若しくは通過を阻止する幅寸法に設定されており、これによりヒンジピン23が支持孔22a内に保持されるようになっている。このため、フード10の通常の開閉操作時や車両ボディ2の前部に小さな衝撃F1が付加された場合には、ヒンジアーム22は支持孔22a内に保持されたヒンジピン23を中心にして上下に回転する。小さな衝撃F1が付加された場合に、ヒンジアーム22が支持孔22a内に保持されたヒンジピン23を中心にして上方へ回転することによりフード10が上方へ跳ね上げられて歩行者保護がなされる。
これに対して、ピン逃がし部22bの幅寸法は、車両ボディ2の前部に付加された衝撃によりヒンジアーム22に付加される荷重が予め定めた基準荷重F0に達したときに、ヒンジピン23が相対的に進入し、その結果ヒンジアーム22がヒンジベース21に対して衝撃入力方向に後退することとなる幅寸法に設定されている。すなわち、車両ボディ2の前部に大きな衝撃F2が付加された結果ヒンジアーム22に付加される荷重が基準荷重F0以上に達した場合には、ヒンジピン23が当該大きな衝撃F2によりピン逃がし部22bの幅方向両側を押し広げる方向に変形させて支持孔22a内から離脱可能となる幅寸法に設定されている。大きな衝撃F2によってピン逃がし部22bを押し広げつつ通過することにより、ヒンジピン23は支持孔22a内から離脱してピン離脱孔22c内に相対移動し、これによりヒンジアーム22が図5中二点鎖線で示すように衝撃入力方向に後退する。
こうしてヒンジアーム22がヒンジベース21に対して後退すると、ヒンジアーム22に設けた係合爪部22d(図2参照)が、ヒンジベース21に設けたストッパ部21dの下方に進入し、これにより当該ヒンジアーム22の上方(開き方向)への回転が規制された状態となる。ヒンジアーム22の上方への回転が規制されることにより、フード10は上方へ跳ね上げられた後、さらに後退することなく大きな反力により座屈する。図3では、閉じ位置のフード10に符号10(A)が付され、跳ね上げられたフード10に符号10(B)が付され、座屈したフード10に符号10(C)が付されている。
以上のことから、上記の基準荷重F0は、車両ボディ2の前部に衝撃が付加された場合に、ヒンジアーム22を経てヒンジピン23に付加される径方向の荷重であって、当該ヒンジピン23を相対的にピン逃がし部22bを経てピン離脱孔22c内に変位させるに必要十分な荷重として設定されるのであり、フード10の主として後部を跳ね上げて歩行者保護を図ることと、フードを座屈させてその後退を防止することにより乗員の安全を図ることの双方を考慮して適切な値に予め設定されている。
以上説明したように車両ボディ2の前部に受ける衝撃が小さな衝撃F1である場合には、ヒンジ部20のヒンジアーム22が回動してフード10の主として後部側が跳ね上げられることにより歩行者保護が図られる。一方、車両ボディ2の前部に受ける衝撃が大きな衝撃F2である場合には、ヒンジ部20のヒンジアーム22がヒンジベース21に対して後退し、これによりヒンジアーム22側の係合爪部22dがヒンジベース21側のストッパ部21bに下側から係合されて当該ヒンジアーム22の回転が規制される。このため、フード10は後部側が跳ね上げられた後の後退が規制されて、その結果発生する大きな反力によって座屈する。
このように、例示したフード10の支持構造によれば、車両ボディ2の前部が受ける衝撃が小さな衝撃F1である場合と大きな衝撃F2である場合の双方に対応することができる。しかも、大きな衝撃F2を受けた場合には、ヒンジアーム22の後退動作を利用してその回転を規制する構成であるので、従来の複数箇所のストッパ部材や構成が複雑化し大きなコストアップを招くリンク機構やストッパ機構を追加することなくフード10の後退を規制してその車室内側への飛び込みを回避しつつ当該フード10を座屈させて大きな衝撃F2を確実に吸収することができる。
また、ヒンジアーム22の支持孔22aに設けたピン逃がし部22bの幅寸法を適切に設定することにより、車両ボディ2の前部に受けた衝撃が小さな衝撃F1である場合にはヒンジアーム22の後退を規制し、大きな衝撃F2である場合にはヒンジアーム22を後退させ、これにより衝撃の大きさに係わらず車両ボディ2に付加された衝撃を効率よく吸収して乗員の安全を確保することができ、若しくは歩行者保護を図ることができる。
しかも、幅寸法を適切に設定したピン逃がし部22b及びピン離脱孔22cを支持孔22aに連続して設けた簡易な構成により、小さな衝撃F1と大きな衝撃F2の双方に対応させることができるので、従来のような構成の複雑化及び大きなコストアップを招くことがない。
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、ヒンジアーム22側の支持孔22aに、ピン逃がし部22bとピン離脱孔22cを設けた構成を図4及び図5に例示したが、図6に示すようにヒンジベース21側の支持孔21aにピン逃がし部21bとピン離脱孔21cを設ける構成としてもよい。この場合、ピン逃がし部21bとピン離脱孔21cを支持孔21aの図示右側(ヒンジアーム後退側)に設けて、ヒンジアーム22とヒンジピン23を一体で後退させる構成とすればよい。また、図7に示すようにヒンジベース21とヒンジアーム22の双方に、ピン逃がし部21b,22bとピン離脱孔21c,22cを設ける構成としてもよい。
さらに、ヒンジベース21とヒンジアーム22の双方の支持孔21a,22aに対してヒンジピン23を相対回転可能に挿通させた第1の結合形態を備えたヒンジ部20を図4及び図5に例示したが、例えば図8及び図9に示すようにヒンジアーム22側にヒンジピン24を固定して設け、このヒンジピン24をヒンジベース21の支持孔21aに相対回転可能に挿通させた第2の結合形態を備えたヒンジ部についても同様に適用することができる。この場合、図9に示すように、ヒンジベース21の支持孔21aにピン逃がし部21bとピン離脱孔21cを設けて、ヒンジアーム22及びヒンジピン24を一体で後退させる構成とすればよい。
逆に、図10及び図11に示すようにヒンジベース21側にヒンジピン25を固定して設け、このヒンジピン25をヒンジアーム22の支持孔22aに相対回転可能に挿通させた第3の結合形態を備えたヒンジ部についても同様に適用することができる。この場合には、図11に示すように、ヒンジアーム22の支持孔22aにピン逃がし部22bとピン離脱孔22cを設けて、ヒンジアーム22をヒンジベース21及びヒンジピン25に対して後退させる構成とすればよい。
また、以上説明した実施形態では、ヒンジピン23(24,25)を挿通させた支持孔21a(22a)に、ピン逃がし部22b(21b)とピン離脱孔22c(21c)の双方を設けてだるま孔形状とする構成を例示したが、例えば図12において二点鎖線で示すようにピン離脱孔22cを省略して長溝孔形状のピン逃がし部26のみを支持孔22aに設けてカギ孔形状とする構成としてもよい。係る構成によっても車両ボディ2の前部に受けた衝撃が大きな衝撃F2である場合に、ヒンジピン23をピン逃がし部26を押し広げる方向に変形させて相対的にこのピン逃がし部26内に進入させることにより支持孔22a内から離脱させることができ、これによってもヒンジアーム22をヒンジベース21に対して衝撃入力方向に後退させてフード10を座屈させることができる。係る構成は、ヒンジアーム22側のみならずヒンジベース21側についても適用することができる。ヒンジベース21側に設ける場合には、この長溝孔形状のピン逃がし部26を支持孔21aの後ろ側(ヒンジアーム後退側)に設ける構成とすればよい。
また、ヒンジピン23の相対変位を規制するためのピン逃がし部については更に変更を加えることができる。例えば、図13に示すようにヒンジアーム22の後部に衝撃入力方向に沿って長い長溝孔27を設け、この長溝孔27の長手方向中程に規制ピン28を突き出して設け、この規制ピン28に対して後ろ側(図13において右側)の支持孔27a内にヒンジピン23を挿通させた構成としてもよい。係る構成によっても車両ボディ2の前部に受けた衝撃(F1/F2)によりヒンジアーム22を経てヒンジピン23に付加される荷重が基準荷重J0よりも小さい場合(小さな衝撃F1)には、規制ピン28によってヒンジピン23の相対変位が規制されて支持孔27aに保持され、その結果ヒンジアーム10を回転させてフード10の主として後部を跳ね上げさせることができる一方、ヒンジピン23に付加される荷重が基準荷重J0以上である場合(大きな衝撃F2)には、規制ピン28を変形させつつヒンジピン23が相対的に長溝孔27の前側のピン離脱孔27b内に変位し、これによりヒンジアーム10を衝撃入力方向に後退させることができる。係る構成についても、ヒンジアーム22側のみならずヒンジベース21側について適用することができる。ヒンジベース21側に適用する場合には、長溝孔27の規制ピン28よりも前側を支持孔としてヒンジピン23を挿通させ、規制ピン28の後ろ側をピン逃がし孔とする構成とすればよい。
F1…小さな衝撃
F2…大きな衝撃
1…車両
2…車両ボディ
3…フロントウインド
4…フードロック装置
10…フード
10(A)…フード(閉じ位置)
10(B)…フード(跳ね上げ状態)
10(C)…フード(座屈状態)
20…ヒンジ部
21…ヒンジベース
21a…支持孔、21b…ピン逃がし部、21c…ピン離脱孔、21d…ストッパ部
22…ヒンジアーム
22a…支持孔、22b…ピン逃がし部、22c…ピン離脱孔、22d…係合爪部
23,24,25…ヒンジピン
26…ピン逃がし部
28…規制ピン(ピン逃がし部)

Claims (4)

  1. 車両ボディの前部にヒンジ部を介して上下に開閉可能に支持された前開き式のフードの構造であって、
    前記ヒンジ部は、前記フード側のヒンジアームがヒンジピンを介して車両ボディ側のヒンジベースに対して回転可能に結合された構成を備えており、
    前記車両ボディの前部が受ける衝撃により前記ヒンジアームを介して前記ヒンジピンに付加される荷重について基準荷重を設定し、
    該基準荷重よりも小さな衝撃を受けた場合には前記ヒンジアームが回転して前記フードの後部側が跳ね上げられ、
    前記基準荷重以上の大きな衝撃を受けた場合には前記ヒンジアームが前記ヒンジベースに対して衝撃入力方向に後退して該ヒンジアームの回転が規制される構成としたフード構造。
  2. 車両ボディの前部にヒンジ部を介して上下に開閉可能に支持された前開き式のフードの構造であって、
    前記ヒンジ部は、前記フード側のヒンジアームがヒンジピンを介して車両ボディ側のヒンジベースに対して回転可能に結合された構成を備えており、
    前記ヒンジベースと前記ヒンジアームの一方又は双方について前記ヒンジピンが回転可能に挿通される円形の支持孔にピン逃がし部を設け、
    該ピン逃がし部は、前記車両ボディの前部が受ける衝撃により前記ヒンジアームを介して前記ヒンジピンに付加される荷重が予め定めた基準荷重以上である場合に、前記ヒンジピンの進入を許容して該ヒンジアームを前記ヒンジベースに対して衝撃入力方向に後退させる構成としたフード構造。
  3. 請求項2記載のフード構造であって、前記ピン逃がし部は、前記車両ボディの前部が受ける衝撃が前記基準荷重よりも小さな衝撃である場合は、前記ヒンジピンの進入を規制して該ヒンジピンを前記支持孔内に保持して前記ヒンジアームを回転可能とする一方、前記車両ボディの前部が受ける衝撃が前記基準荷重以上の大きな衝撃である場合には、前記ヒンジピンの進入を許容して該ヒンジピンを相対的に前記支持孔内から離脱させて前記ヒンジアームを後退させる構成としたフード構造。
  4. 請求項1又は3記載のフード構造であって、前記大きな衝撃によりヒンジアームが前記ヒンジベースに対して後退すると、該ヒンジベースに設けたストッパ部に係合して該ヒンジアームの回転が規制される構成としたフード構造。
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