JP2012098558A - 液晶配向剤、重合体、重合体の製造方法、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤、重合体、重合体の製造方法、液晶配向膜及び液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高沸点溶媒を用いることに起因した課題及びプラスチック基板に対する溶解性が高い溶媒を用いることに起因した課題の少なくとも一方を解決することが可能な液晶配向剤を提供すること。
【解決手段】アミック酸が有するカルボキシル基がエステル化されたアミック酸エステル構造を有する重合体を有し、前記アミック酸エステル構造は、前記カルボキシル基のアセタールエステル構造、前記カルボキシル基のケタールエステル構造、前記カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造、及び前記カルボキシル基のt−アルキルエステル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、重合体、重合体の製造方法、液晶配向膜及び液晶表示素子に関し、詳しくは、基板に対して塗布するとともに加熱して使用される液晶配向剤、当該液晶配向剤の構成成分として好適な重合体、当該重合体の製造方法、並びに当該液晶配向剤を使用して形成される液晶配向膜及び液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、透明導電膜が設けられている基板表面に液晶配向膜を形成した液晶表示素子用基板を対向配置するとともに、それら一対の基板間に液晶分子を配向させた状態で封入することで形成されている。かかる液晶表示素子としては、液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90°捻れるようにした、所謂TN(Twisted Nematic)型素子が知られている。また、TN型素子に比して高いコントラスト比を実現できるSTN(Super Twisted Nematic)型素子、視角依存性の少ないIPS(In−Plane Switching)型素子、視角依存性が少なく且つ液晶の配向に際してラビング処理を必要としないVA(VerticalAlignment)型素子、視角依存性が少ないとともに映像画面の高速応答性に優れた光学補償ベンド(OCB)型液晶表示素子が開発されている。
これらの液晶表示素子にて使用される液晶配向膜は、例えば特許文献1〜3に示すように、ポリイミド又はポリアミック酸を1−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトンなどの溶媒に溶解含有させた液晶配向剤を基板に塗布した後、これを加熱することにより形成される。液晶配向剤としてポリイミド又はポリアミック酸を用いることにより、耐熱性、液晶との親和性、機械的強度等に優れた液晶配向膜を得ることができる。
特開平9−241646号公報 特開2001−305549号公報 特開平9−278724号公報
ここで、ポリイミドやポリアミック酸を溶解させて液晶配向剤とする場合、上記のとおり、1−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトンなどを用いる必要がある。しかしながら、このような溶媒を用いると、液晶配向剤を基板に塗布して液晶配向膜を形成する上で問題が生じてしまう。
具体的には、1−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトンなどは高沸点(例えば200℃)の溶媒であり、このような高沸点の溶媒を用いる場合、液晶配向膜の形成に際して高温での加熱を行う必要が生じる。そうすると、例えばガラス基板の代わりにプラスチック基板を用いてフレキシブルな液晶ディスプレイを開発しようとした場合において、液晶配向膜を形成する際の高温による加熱により、プラスチック基板が変形してしまうことが懸念される。
また、液晶配向膜の形成は、カラーフィルタが形成された基板に対して行われる。例えばカラーフィルタとして、染料を含有した感放射線性組成物を用いる場合、染料は耐熱性が高くないため、液晶配向膜の形成に際して高温での加熱を行うと、カラーフィルタに悪影響を及ぼしてしまうことが懸念される。
また、例えば液晶配向膜の形成に際して高温での加熱が必要な場合、製造プロセスでの総熱量がそれだけ増加することとなり、それだけ二酸化炭素の排出量が増加してしまう。
一方、1−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトンなどはプラスチック基板の溶解性が高い溶媒である。そして、このような溶媒を用いると、例えばガラス基板の代わりにプラスチック基板を用いて液晶ディスプレイを開発しようとした場合において、液晶配向剤に含まれる溶媒によりプラスチック基板を溶解させてしまうおそれがある。
本発明は、ポリイミドやポリアミック酸を用いた場合において、高沸点溶媒を用いることに起因した上記課題及びプラスチック基板に対する溶解性が高い溶媒を用いることに起因した上記課題の少なくとも一方を解決することが可能な液晶配向剤、当該液晶配向剤の構成成分として好適な重合体、当該重合体の製造方法、当該液晶配向剤により形成した液晶配向膜及び当該液晶配向膜を備える液晶表示素子を提供することを主たる目的とする。
本発明者らは、上記のような従来技術の課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定のアミック酸エステル構造を有する重合体を有することで、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明により以下の液晶配向剤、重合体、重合体の製造方法、液晶配向膜及び液晶表示素子が提供される。
本発明の液晶配向剤は、アミック酸が有するカルボキシル基がエステル化されたアミック酸エステル構造を有する重合体を有し、前記アミック酸エステル構造は、前記カルボキシル基のアセタールエステル構造、前記カルボキシル基のケタールエステル構造、前記カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造、及び前記カルボキシル基のt−アルキルエステル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種を有することを特徴とする。
本発明の液晶配向剤によれば、ポリアミック酸やそのイミド化重合体に比べて、重合体の疎水性が向上するものと考えられ、例えば180℃以下といった低沸点の溶媒を用いることが可能となり、1−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという)などの高沸点の溶媒を用いていたことに起因した上記従来の課題を解決することが可能となる。また、NMPなどよりもプラスチック基板に対する溶解性が低い溶媒を用いることが可能となり、プラスチック基板に対する溶解性が高い溶媒を用いていたことに起因した上記従来の課題を解決することが可能となる。また、上記各エステル構造のいずれかを採用することにより、上記重合体を有する液晶配向剤の基板への塗布後において液晶配向膜を形成すべく加熱した際に、エステル構造を形成している基が外れ易くなる。これにより、アミック酸エステル構造を導入した構成であっても、液晶配向膜の機能を低下させないようにすることが可能となる。
また、前記アミック酸エステル構造は、前記カルボキシル基がエステル化された構造として、下記式(1−1)で表される基により形成されるカルボキシル基のアセタールエステル構造、下記式(2−1)で表される基により形成されるカルボキシル基のケタールエステル構造、及びカルボキシル基のt−アルキルエステル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種を有することが好ましい。
Figure 2012098558
(上記式(1−1)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基であり、Rは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基である。上記式(2−1)中、R及びRは、炭素数1〜12のアルキル基であり、Rは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基である。)
この場合、カルボキシル基に付加してエステル構造を形成している基を、液晶配向膜を形成すべく加熱した際に外れ易くさせながら、さらに分子鎖の可撓性を向上させることが可能となることに起因して上記重合体の溶媒への溶解性を向上させることができる。
特に、カルボキシル基に付加してエステル構造を形成している基を、液晶配向膜を形成すべく加熱した際に外れ易くさせる上では、前記アミック酸エステル構造は、前記カルボキシル基がエステル化された構造として、上記式(1−1)で表される基により形成されるカルボキシル基のアセタールエステル構造を有し、さらに前記Rはメチル基であり前記Rは炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましい。
また、上記液晶配向剤は、架橋剤をさらに含有していることが好ましい。これにより、電圧保持率などの電気特性が向上する。
また、本発明によればアミック酸が有するカルボキシル基がエステル化されたアミック酸エステル構造を有し、当該アミック酸エステル構造が、前記カルボキシル基のアセタールエステル構造、前記カルボキシル基のケタールエステル構造、前記カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造、及び前記カルボキシル基のt−アルキルエステル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種を有する重合体が提供される。
この場合に、当該重合体の製造方法を、ポリアミック酸又はその一部がイミド化されたイミド化重合体に、不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得る方法とすることで、製造の容易化が図られる。
さらに、本発明によれば、上記の液晶配向剤から形成された液晶配向膜、及びその液晶配向膜を具備する液晶表示素子が提供される。
本発明の液晶配向剤は、特定のアミック酸エステル構造を有する重合体を有する。以下、本発明の液晶配向剤について詳細に説明する。
<アミック酸エステル構造を有する重合体>
アミック酸エステル構造は、アミック酸が有するカルボキシル基がエステル化された構造、すなわち−COO−Rの構造を有している。
この構造として具体的には、カルボキシル基のアセタールエステル構造、カルボキシル基のケタールエステル構造、カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造、及びカルボキシル基のt−アルキルエステル構造が挙げられる。
以下、カルボキシル基のアセタールエステル構造、カルボキシル基のケタールエステル構造、カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造、及びカルボキシル基のt−アルキルエステル構造について詳細に説明する。
[アセタールエステル構造]
カルボキシル基のアセタールエステル構造を形成する基としては、下記式(1−1)及び(1−2)のそれぞれで表される基を挙げることができる。
Figure 2012098558
(式(1−1)中、R及びRは、それぞれ、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基である。式(1−2)中、n1は2〜10の整数である。)
上記式(1−1)におけるRは、フッ素原子で置換されていないものが好ましく、アルキル基であればメチル基が好ましく、脂環式基であればシクロヘキシル基が好ましく、アリール基であればフェニル基が好ましく、アラルキル基であればベンジル基が好ましい。また、Rは、フッ素原子で置換されていないものが好ましく、アルキル基であれば炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、脂環式基であれば炭素数6〜10の脂環式基が好ましく、アリール基であればフェニル基が好ましく、アラルキル基であればベンジル基又は2−フェニルエチル基が好ましい。
式(1−2)におけるn1としては、3又は4であることが好ましい。
上記式(1−1)で表される基としては、例えば1−メトキシエトキシカルボニル基、1−エトキシエトキシカルボニル基、1−n−プロポキシエトキシカルボニル基、1−sec−プロポキシエトキシカルボニル基、1−i−プロポキシエトキシカルボニル基、1−n−ブトキシエトキシカルボニル基、1−i−ブトキシエトキシカルボニル基、1−sec−ブトキシエトキシカルボニル基、1−t−ブトキシエトキシカルボニル基、1−n−ペンチルオキシエトキシカルボニル基、1−n−ヘキシルオキシエトキシカルボニル基、1−n−ヘプチルオキシエトキシカルボニル基、1−n−オクチルオキシエトキシカルボニル基、1−n−ノニルオキシエトキシカルボニル基、1−n−デシルオキシエトキシカルボニル基、1−n−ウンデシルオキシエトキシカルボニル基、1−n−ドデシルオキシエトキシカルボニル基、1−n−トリデシルオキシエトキシカルボニル基、1−n−テトラデシルオキシエトキシカルボニル基、1−n−ペンタデシルオキシエトキシカルボニル基、1−n−ヘキサデシルオキシエトキシカルボニル基、1−n−ヘプタデシルオキシエトキシカルボニル基、1−n−オクタデシルオキシエトキシカルボニル基、1−n−ノナデシルオキシエトキシカルボニル基、1−n−イコシルオキシエトキシカルボニル基などの分岐鎖状の構造;
1−シクロペンチルオキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基、1−ノルボルニルオキシエトキシカルボニル基、1−ボルニルオキシエトキシカルボニル基、(シクロヘキシル)(メトキシ)メトキシカルボニル基、(シクロヘキシル)(エトキシ)メトキシカルボニル基、(シクロヘキシル)(n−プロポキシ)メトキシカルボニル基、(シクロヘキシル)(i−プロポキシ)メトキシカルボニル基、(シクロヘキシル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシカルボニル基などの脂環式の構造;
1−フェノキシエトキシカルボニル基、1−(1−ナフチルオキシ)エトキシカルボニル基、1−ベンジルオキシエトキシカルボニル基、1−フェネチルオキシエトキシカルボニル基、(シクロヘキシル)(フェノキシ)メトキシカルボニル基、(シクロヘキシル)(ベンジルオキシ)メトキシカルボニル基、(フェニル)(メトキシ)メトキシカルボニル基、(フェニル)(エトキシ)メトキシカルボニル基、(フェニル)(n−プロポキシ)メトキシカルボニル基、(フェニル)(i−プロポキシ)メトキシカルボニル基、(フェニル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシカルボニル基、(フェニル)(フェノキシ)メトキシカルボニル基、(フェニル)(ベンジルオキシ)メトキシカルボニル基、(ベンジル)(メトキシ)メトキシカルボニル基、(ベンジル)(エトキシ)メトキシカルボニル基、(ベンジル)(n−プロポキシ)メトキシカルボニル基、(ベンジル)(i−プロポキシ)メトキシカルボニル基、(ベンジル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシカルボニル基、(ベンジル)(フェノキシ)メトキシカルボニル基、(ベンジル)(ベンジルオキシ)メトキシカルボニル基などの芳香環式の構造;
を挙げることができる。
また、上記式(1−2)で表される基としては、例えば2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基などを、それぞれ挙げることができる。
[ケタールエステル構造]
カルボキシル基のケタールエステル構造を形成する基としては、下記式(2−1)〜(2−3)のそれぞれで表される基を挙げることができる。
Figure 2012098558
(式(2−1)中、Rはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基であり、R及びRは、それぞれ、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基である。式(2−2)中、Rはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基であり、n2は2〜8の整数である。式(2−3)中、Rはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基であり、n3は2〜8の整数である。)
上記式(2−1)におけるRはフッ素原子で置換されていないものが好ましく、具体的にはメチル基が好ましい。また、Rは、フッ素原子で置換されていないものが好ましく、アルキル基であればメチル基が好ましく、脂環式基であればシクロヘキシル基が好ましく、アリール基であればフェニル基が好ましく、アラルキル基であればベンジル基が好ましい。また、Rは、フッ素原子で置換されていないものが好ましく、アルキル基であれば炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、脂環式基であれば炭素数6〜10の脂環式基が好ましく、アリール基であればフェニル基が好ましく、アラルキル基であればベンジル基又は2−フェニルエチル基が好ましい。
上記式(2−2)におけるRのアルキル基としてはメチル基が好ましい。また、n2としては3又は4であることが好ましい。
上記式(2−3)におけるRのアルキル基としてはメチル基が好ましい。また、n3としては3又は4であることが好ましい。
上記式(2−1)で表される基としては、例えば1−メチル−1−メトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−エトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−プロポキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−sec−プロポキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−i−プロポキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ブトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−i−ブトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−sec−ブトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−t−ブトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ペンチルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ヘキシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ヘプチルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−オクチルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ノニルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−デシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ウンデシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ドデシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−トリデシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−テトラデシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ペンタデシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ヘキサデシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ヘプタデシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−オクタデシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ノナデシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−イコシルオキシエトキシカルボニル基などの分岐鎖状の構造;
1−メチル−1−シクロペンチルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−ノルボルニルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−ボルニルオキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシル−1−メトキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシル−1−エトキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシル−1−n−プロポキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシル−1−i−プロポキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシル−1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基などの脂環式の構造;
1−メチル−1−フェノキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−(1−ナフチルオキシ)エトキシカルボニル基、1−メチル−1−ベンジルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−フェネチルオキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシル−1−フェノキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシル−1−ベンジルオキシエトキシカルボニル基、1−フェニル−1−メトキシエトキシカルボニル基、1−フェニル−1−エトキシエトキシカルボニル基、1−フェニル−1−n−プロポキシエトキシカルボニル基、1−フェニル−1−i−プロポキシエトキシカルボニル基、1−フェニル−1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基、1−フェニル−1−フェノキシエトキシカルボニル基、1−フェニル−1−ベンジルオキシエトキシカルボニル基、1−ベンジル−1−メトキシエトキシカルボニル基、1−ベンジル−1−エトキシエトキシカルボニル基、1−ベンジル−1−n−プロポキシエトキシカルボニル基、1−ベンジル−1−i−プロポキシエトキシカルボニル基、1−ベンジル−1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基、1−ベンジル−1−フェノキシエトキシカルボニル基、1−ベンジル−1−ベンジルオキシエトキシカルボニル基などの芳香環式の構造;
を挙げることができる。
上記式(2−2)で表される基としては、例えば2−(2−メチルテトラヒドロフラニル)オキシカルボニル基、2−(2−メチルテトラヒドロピラニル)オキシカルボニル基などを挙げることができる。
上記式(2−3)で表される基としては、例えば1−メトキシシクロペンチルオキシカルボニル基、1−メトキシシクロヘキシルオキシカルボニル基などを、それぞれ挙げることができる。
[1−アルキルシクロアルキルエステル構造]
カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造を形成する基としては、下記式(3)で表される基を挙げることができる。
Figure 2012098558
(上記式中、Rはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基であり、n4は1〜8の整数である。)
上記式(3)におけるRはフッ素原子で置換されていないものが好ましく、具体的には炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。また、n4としては3又は4であることが好ましい。
上記式(3)で表される基としては、例えば1−メチルシクロプロポキシカルボニル基、1−メチルシクロブトキシカルボニル基、1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−メチルシクロへキシルオキシカルボニル基、1−メチルシクロヘプチルオキシカルボニル基、1−メチルシクロオクチルオキシカルボニル基、1−メチルシクロノニルオキシカルボニル基、1−メチルシクロデシルオキシカルボニル基、1−エチルシクロプロポキシカルボニル基、1−エチルシクロブトキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、1−エチルシクロヘプチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロオクチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロノニルオキシカルボニル基、1−エチルシクロデシルオキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロプロポキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロブトキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロヘキシルオキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロヘプチルオキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロオクチルオキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロノニルオキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロデシルオキシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロプロポキシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロブトキシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロヘプチルオキシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロオクチルオキシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロノニルオキシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロデシルオキシカルボニル基、1−(イソ)ペンチルシクロプロポキシカルボニル基、1−(イソ)ペンチルシクロブトキシカルボニル基、1−(イソ)ペンチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−(イソ)ペンチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、1−(イソ)ペンチルシクロヘプチルオキシカルボニル基、1−(イソ)ペンチルシクロオクチルオキシカルボニル基、1−(イソ)ペンチルシクロノニルオキシカルボニル基、1−(イソ)ペンチルシクロデシルオキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロプロポキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロブトキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロヘキシルオキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロヘプチルオキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロオクチルオキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロノニルオキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロデシルオキシカルボニル基、1−(イソ)ヘプチルシクロプロポキシカルボニル基、1−(イソ)ヘプチルシクロブトキシカルボニル基、1−(イソ)ヘプチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−(イソ)ヘプチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、1−(イソ)ヘプチルシクロヘプチルオキシカルボニル基、1−(イソ)ヘプチルシクロオクチルオキシカルボニル基、1−(イソ)ヘプチルシクロノニルオキシカルボニル基、1−(イソ)ヘプチルシクロデシルオキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロプロポキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロブトキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロヘプチルオキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロオクチルオキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロノニルオキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロデシルオキシカルボニル基などを挙げることができる。
[t−アルキルエステル構造]
カルボキシル基のt−アルキルエステル構造を形成する基としては、それに含まれるt−アルキル基がフッ素原子で置換されていてもよいが、フッ素原子で置換されていないものが好ましい。また、当該t−アルキル基の炭素数が4〜12であるものが好ましい。
t−アルキルエステル構造を形成する基としては、例えばt−ブトキシカルボニル基、t−ペンチルオキシカルボニル基、t−ヘキシルオキシカルボニル基、t−ヘプチルオキシカルボニル基、t−オクチルオキシカルボニル基、t−ノニルオキシカルボニル基、t−デシルオキシカルボニル基、t−ウンデシルオキシカルボニル基、t−ドデシルオキシカルボニル基などを挙げることができる。
本発明のアミック酸エステル構造を有する重合体は、上記アセタールエステル構造、上記ケタールエステル構造、上記1−アルキルシクロアルキルエステル構造、及び上記t−アルキルエステル構造のうち少なくとも1種を含んでいる。
上記重合体は、上記アセタールエステル構造、上記ケタールエステル構造、上記1−アルキルシクロアルキルエステル構造、及び上記t−アルキルエステル構造のうち、1つのエステル構造を1種類のみ有しているものであってもよく、1つのエステル構造を複数種類有しているものであってもよく、複数種類のエステル構造を各1種類ずつ有しているものであってもよく、複数種類のエステル構造であってそのうちの少なくとも1のエステル構造を複数種類有しているものであってもよい。また、単一の繰り返し単位において複数種類の構造を有していてもよく、所定の繰り返し単位間で異なる種類の構造を有していてもよい。
これらのうち、製造の容易化を鑑みると、上記アセタールエステル構造、上記ケタールエステル構造、上記1−アルキルシクロアルキルエステル構造、及び上記t−アルキルエステル構造のうち、1つのエステル構造を1種類のみ有しているものが好ましい。
上記重合体が有するエステル構造として好ましくは、以下の1〜3のいずれかである。
1.上記式(1−1)で表される基により形成されるカルボキシル基のアセタールエステル構造であり、さらにRが、炭素数1〜20のアルキル基であって、Rがフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であるもの
2.上記式(2−1)で表される基により形成されるカルボキシル基のケタールエステル構造であり、さらにR及びRがそれぞれ炭素数1〜12のアルキル基であり、Rがフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であるもの
3.カルボキシル基のt−アルキルエステル構造
この場合、カルボキシル基に付加してエステル構造を形成している基を、液晶配向膜を形成すべく加熱した際に外れ易くさせながら、さらに分子鎖の可撓性を向上させることが可能となることに起因して上記重合体の溶媒への溶解性を向上させることができる。
また、液晶配向膜の加熱形成に際してアミック酸構造に変化させ易くする上では、上記重合体が有するエステル構造としては、180℃以下で外れてアミック酸構造に変化させるものが好ましく、150℃以下で外れてアミック酸構造に変化させるものがより好ましい。
上記アセタールエステル構造、上記ケタールエステル構造、及び上記t−アルキルエステル構造のそれぞれの好ましい構造としてより具体的には、上記アセタールエステル構造の場合、上記式(1−1)で表される基において上記Rがメチル基であるとともに上記Rが炭素数1〜12のアルキル基であるものが好ましい。また、より好ましくは、Rが炭素数4〜6のアルキル基であるものである。具体的には、1−n−ブトキシエトキシカルボニル基、1−n−ペンチルオキシエトキシカルボニル基、又は1−n−ヘキシルオキシエトキシカルボニル基が好ましい。
上記ケタールエステル構造の場合、上記式(2−1)で表される基において上記R及びRがメチル基であるとともにRが炭素数1〜12のアルキル基であるものが好ましい。また、より好ましくは、Rが炭素数4〜6のアルキル基であるものである。具体的には、1−メチル−1−n−ブトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ペンチルオキシエトキシカルボニル基、又は1−メチル−1−n−ヘキシルオキシエトキシカルボニル基が好ましい。
上記t−アルキルエステル構造の場合、t−ブトキシカルボニル基が好ましい。
上記アミック酸エステル構造は、具体的には以下の一般式(Ae)で表される。
Figure 2012098558
(上記式中、Rはテトラカルボン酸二無水物に由来する4価の有機基であり、Rはジアミンに由来する2価の有機基である。また、Rは、カルボキシル基のアセタールエステル構造、カルボキシル基のケタールエステル構造、カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造、又はカルボキシル基のt−アルキルエステル構造であり、R’は、カルボキシル基、カルボキシル基のアセタールエステル構造、カルボキシル基のケタールエステル構造、カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造、又はカルボキシル基のt−アルキルエステル構造である。)
上記式(Ae)中において、Rで表される4価の有機基及びRで表される2価の有機基として具体的には、それぞれ、脂肪族鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基又は複素環基が挙げられ、これらの基は置換されていてもよい。また、これらの基が所定の組合せで直接又は架橋基により相互に連結された多環式化合物基であってもよい。
上記式(Ae)中において、NMPなどよりもプラスチック基板に対する溶解性の低い溶媒や低沸点溶媒に対する上記重合体の溶解性を高める上では、R’がカルボキシル基のアセタールエステル構造、カルボキシル基のケタールエステル構造、カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造、及びカルボキシル基のt−アルキルエステル構造のいずれかであることが好ましい。これら各エステル構造は、既に説明したとおりである。
アミック酸エステル構造を有する重合体は、その全ての繰り返し単位が、アミック酸エステル構造となっていてもよく、その一部の繰り返し単位が、アミック酸エステル構造となっていてもよい。
一部の繰り返し単位がアミック酸エステル構造となっている場合、残りの繰り返し単位はアミック酸構造であってもよく、そのアミック酸構造がイミド化された構造であってもよい。また、当該残りの繰り返し単位として、アミック酸構造の繰り返し単位を有するとともに、イミド化された構造の繰り返し単位を有していてもよい。
<アミック酸エステル構造を有する重合体の製造方法>
アミック酸エステル構造を有する重合体は、(a)ポリアミック酸の少なくとも一部のカルボキシル基をエステル化することにより製造することができる。(b)また、ポリアミック酸の一部をイミド化した部分イミド化重合体のカルボキシル基をエステル化することによっても製造することができる。
以下、ポリアミック酸及び部分イミド化重合体の製造方法について説明する。なお、以下に説明するテトラカルボン酸二無水物の具体例は、上記式(Ae)中、Rで表される4価の有機基の由来となるテトラカルボン酸二無水物の具体例に該当するとともに、以下に説明するジアミンの具体例は、上記式(Ae)中、Rで表される2価の有機基の由来となるジアミンの具体例に該当する。
[テトラカルボン酸二無水物]
ポリアミック酸を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。
これら各テトラカルボン酸二無水物として具体的には、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオンなどを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物などを;
それぞれ挙げることができるほか、
特開2010−97188号に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
前記ポリアミック酸を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、これらのうち、脂環式テトラカルボン酸二無水物を含むものであることが好ましく、さらに、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物又は1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を含むものであることが好ましく、特に2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物を含むものであることが好ましい。
前記ポリアミック酸を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物又は1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を、全テトラカルボン酸二無水物に対して、10モル%以上含むものであることが好ましく、20モル%以上含むものであることがより好ましく、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物又は1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物のみからなるものであることが、最も好ましい。
[ジアミン]
ポリアミック酸を合成するために用いられるジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。
これらの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えば1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどを;
脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;
芳香族ジアミンとして、例えばo−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、3,5−ジアミノ安息香酸、ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ドデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニル、3,5−ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキサン、2,4−ジアミノーN,N―ジアリルアニリン、4−アミノベンジルアミン、3−アミノベンジルアミン、1−(2,4−ジアミノフェニル)ピペラジン−4−カルボン酸、4−(モルホリン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、1,3−ビス(N−(4−アミノフェニル)ピペリジニル)プロパン、α−アミノ−ω−アミノフェニルアルキレン及び下記式(A−1)
Figure 2012098558
(式(A−1)中、X及びXIIは、それぞれ、単結合、*−O−、*−COO−又は*−OCO−(ただし、「*」を付した結合手がジアミノフェニル基又はRと結合する。)であり、Rは、単結合、メチレン基又は炭素数2もしくは3のアルキレン基であり、aは0又は1であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜20の整数である。ただし、a及びbが同時に0になることはなく、X、XII及びRが同時に単結合になることはない。)
で表される化合物などを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを、それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号に記載のジアミンを用いることができる。
上記式(A−1)におけるX−R−XII−で表される2価の基としては、メチレン基、炭素数2もしくは3のアルキレン基、*−O−、*−COO−又は*−O−CHCH−O−(ただし、「*」を付した結合手がジアミノフェニル基と結合する。)であることが好ましい。基C2c+1−の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などを挙げることができる。ジアミノフェニル基における2つのアミノ基は、他の基に対して2,4−位又は3,5−位にあることが好ましい。
上記式(A−1)で表される化合物の具体例としては、例えば下記式(A−1−1)〜(A−1−3)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
Figure 2012098558
[分子量調節剤]
前記ポリアミック酸を合成するに際して、上記の如きテトラカルボン酸二無水物及びジミアンとともに、適当な分子量調節剤を用いて末端修飾型の重合体を合成することとしてもよい。かかる末端修飾型の重合体とすることにより、本発明の効果を損なうことなく液晶配向剤の塗布性(印刷性)をさらに改善することができる。
前記分子量調節剤としては、例えば酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを挙げることができる。これらの具体例としては、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを;
モノアミン化合物として、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミンなどを;
モノイソシアネート化合物として、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを、それぞれ挙げることができる。
分子量調節剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計100重量部に対して、20重量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とすることがより好ましい。
[ポリアミック酸の合成]
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は−20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。また、反応時間は0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
ここで、有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール及びその誘導体、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを挙げることができる。
これら有機溶媒の具体例としては、上記非プロトン性極性溶媒として、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどを;
上記フェノール誘導体として、例えばm−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノールなどを;
上記アルコールとして、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどを;
上記ケトンとして、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどを;
上記エステルとして、例えば乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチルなどを;
上記エーテルとして、例えばジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフランなどを;
上記ハロゲン化炭化水素として、例えばジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼンなどを;
上記炭化水素として、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテルなどを、それぞれ挙げることができる。
これらの有機溶媒のうち、非プロトン性極性溶媒並びにフェノール及びその誘導体よりなる群(第一群の有機溶媒)から選択される1種以上、又は前記第一群の有機溶媒から選択される1種以上と、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素及び炭化水素よりなる群(第二群の有機溶媒)から選択される一種以上との混合物を使用することが好ましい。後者の場合、第二群の有機溶媒の使用割合は、第一群の有機溶媒及び第二群の有機溶媒の合計に対して、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下であり、更に30重量%以下であることが好ましい。
有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜50重量%になるような量とすることが好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液をそのまま、アミック酸エステル構造を有する重合体の合成に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離した上で、アミック酸エステル構造を有する重合体の合成に供してもよく、又は単離したポリアミック酸を精製した上で、アミック酸エステル構造を有する重合体の合成に供してもよい。ポリアミック酸の単離及び精製は公知の方法に従って行うことができる。
[部分イミド化重合体]
部分イミド化重合体は、上記合成したポリアミック酸の一部を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。この場合、ポリアミック酸を溶解してなる上記反応溶液をそのまま脱水閉環反応に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離した上で脱水閉環反応に供してもよい。あるいは、単離したポリアミック酸を精製した上で脱水閉環反応に供してもよい。
本発明における部分イミド化重合体は、そのイミド化率が30%以上70%以下であることが好ましく、40%以上60%以下であることがより好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸の脱水閉環は、好ましくはポリアミック酸を加熱する方法により、又はポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。このうち、後者の方法によることが好ましい。
上記ポリアミック酸の溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。反応時間は好ましくは1.0〜120時間であり、より好ましくは2.0〜30時間である。
このようにして部分イミド化重合体を含有する反応溶液が得られる。この反応溶液をそのまま、アミック酸エステル構造を有する重合体の合成に供してもよく、反応溶液中に含まれる部分イミド化重合体を単離した上で、アミック酸エステル構造を有する重合体の合成に供してもよく、又は単離した部分イミド化重合体を精製した上で、アミック酸エステル構造を有する重合体の合成に供してもよい。これらの精製操作は公知の方法に従って行うことができる。
[エステル化反応]
アミック酸エステル構造を有する重合体は、上記のように合成されたポリアミック酸又は上記のように合成された部分イミド化重合体に対して、不飽和二重結合を有する化合物を付加反応させることにより得ることができる。
カルボキシル基のアセタールエステル構造を有する重合体の製造に用いられる化合物としては、上記式(1−1)や上記式(1−2)について具体的に列挙した基を生じさせるもの等であればよく、例えばエチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテルや、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどを挙げることができる。
カルボキシル基のケタールエステル構造を有する重合体の製造に用いられる化合物としては、上記式(2−1)〜(2−3)について具体的に列挙した基を生じさせるもの等であればよく、例えばエチルイソプロペニルエーテル、n−ブチルイソプロペニルエーテル、tert−ブチルイソプロペニルエーテル、n−ヘキシルイソプロペニルエーテル等のイソプロペニルエーテルや、2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどを挙げることができる。
カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造を有する重合体の製造に用いられる化合物としては、上記式(3)について具体的に列挙した基を生じさせるもの等であればよく、例えば1−メチルシクロプロペン、1−メチルシクロブテン、1−メチルシクロペンテンなどを挙げることができる。
カルボキシル基のt−アルキルエステル構造を有する重合体の製造に用いられる化合物としては、t−アルキルエステル構造を形成する基として具体的に列挙した基を生じさせるもの等であればよく、例えばイソブテンなどを挙げることができる。
付加反応に際して使用される触媒としては、酸触媒を用いることができる。また、酸触媒としては、塩化水素酸、硫酸、硝酸、蟻酸、シュウ酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酸性イオン交換樹脂、各種のルイス酸等を挙げることができ、好ましくはリン酸である。
反応温度は、好ましくは0〜200℃であり、より好ましくは20〜100℃であり、さらに好ましくは30〜70℃である。反応時間は、好ましくは1〜168時間であり、より好ましくは4〜72時間であり、さらに好ましくは8〜48時間である。上記不飽和二重結合を有する化合物の仕込み量はアミック酸構造単位1モルに対し、通常、0.1〜10モルであり、好ましくは0.5〜1.5モルであり、さらに好ましくは0.8〜1.2モルである。
[重合体の溶液粘度]
上記アミック酸エステル構造を有する重合体は、これを濃度10重量%の溶液としたときに、20〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、30〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。
上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えば酢酸ブチルなど)を用いて調製した濃度10重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、上記アミック酸エステル構造を有する重合体が有機溶媒中に溶解含有されて構成される。
[有機溶媒]
液晶配向剤に使用できる有機溶媒としては、液晶配向膜を形成する際の加熱温度の低温化を目的とする際には、150℃以下での低温焼成を達成するため低沸点の溶媒を用いることが好ましい。
かかる有機溶媒の好ましい例としては、例えば4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、酢酸ブチルなどを挙げることができる。これらは単独で使用することができ、又は2種以上を混合して使用することができる。
また、これら有機溶媒であれば、γ−ブチロラクトンや、N−メチル−2−ピロリドンなどに比べて、プラスチック基板の溶解性が低い。
また、上記のような有機溶媒に対して、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を1種又は2種以上を混合してもよい。
[添加剤]
本発明の液晶配向剤は、上記アミック酸エステル構造を有する重合体を含有するが、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。かかるその他の成分としては、例えば上記アミック酸エステル構造を有する重合体以外のその他の重合体、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ化合物」という。)、官能性シラン化合物、イミド化促進剤などを挙げることができる。
[その他の重合体]
上記その他の重合体は、溶液特性及び電気特性の改善のために使用することができる。かかるその他の重合体は、例えばテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸、該ポリアミック酸を脱水閉環してなるイミド化重合体(ポリイミド)、上記アミック酸エステル構造を有する重合体以外のポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらのうち、ポリアミック酸又はポリイミドが好ましく、ポリアミック酸がより好ましい。
上記ポリアミック酸又はポリイミドを合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、上記アミック酸エステル構造を有する重合体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物として上述したものと同様のものを挙げることができるが、好ましくは1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物及び1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンよりなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
上記ポリアミック酸又はポリイミドを合成するために用いられるジアミンとしては、上記アミック酸エステル構造を有する重合体を合成する際に併用してもよいジアミンとして上記に例示したもののうちから選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。ポリアミック酸又はポリイミドを合成するために用いられるジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸及び1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジンよりなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
その他の重合体の使用割合としては、重合体の合計(上記の特定重合体及びその他の重合体の合計をいう。以下同じ。)に対して好ましくは90重量%以下であり、より好ましくは0.1〜70重量%であり、さらに0.1〜30重量%であることが好ましい。
[エポキシ化合物]
エポキシ化合物を液晶配向膜の架橋剤として用いることにより、液晶配向膜における機械的強度の向上を図ることができる。また、電圧保持率などの電気特性を向上させることができる。特に、液晶配向剤の有機溶媒として低沸点溶媒を用いることで、液晶配向膜を形成する際の加熱温度の低温化を実現した場合においては、イミド化率が低いものとなってしまい、結果的に電圧保持率などの電気特性が低下してしまうことが懸念されるが、エポキシ化合物を架橋剤として添加しておくことで、当該電気特性の低下を抑制することが可能となる。また、ラビング処理に際し膜の剥離等を抑制することができ(ラビング耐性を向上でき)、ひいては、液晶表示素子における表示不良を抑制できる。また、エポキシ化合物は、液晶配向膜と基板との接着性向上を目的として使用することもできる。
上記エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−シクロヘキシルアミンなどを好ましいものとして挙げることができる。
これらエポキシ化合物の配合割合は、重合体の合計100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、より好ましくは0.1〜30重量部である。
[官能性シラン化合物]
官能性シラン化合物を液晶配向膜の架橋剤として用いることにより、ラビング処理に際し膜の剥離等を抑制することができ(ラビング耐性を向上でき)、ひいては、液晶表示素子における表示不良を抑制できる。また、官能性シラン化合物は、液晶配向膜と基板との接着性向上を目的として使用することもできる。
上記官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2―グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2―グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3―グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
これら官能性シラン化合物の配合割合は、重合体の合計100重量部に対して、好ましくは2重量部以下、より好ましくは0.02〜0.2重量部である。
<イミド化促進剤>
イミド化促進剤としては、アミック酸エステル構造を有する重合体の硬化反応を低温において促進する作用を有する低温硬化促進剤を用いることが好ましい。液晶配向剤の有機溶媒として低沸点溶媒を用いることで、液晶配向膜を形成する際の加熱温度の低温化を実現した場合においては、イミド化率が低いものとなってしまい、結果的に電圧保持率などの電気特性が低下してしまうことが懸念されるが、低温イミド化促進剤を添加しておくことで、イミド化率の向上が図られ、当該電気特性の低下を抑制することが可能となる。また、上記の低温硬化促進剤としては、上記のような低沸点溶剤への溶解性が良好であることが好ましい。
具体的には、イミダゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ピリダジン、フタラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフチリジン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリン、ベンゾシンノリン、ベンゾフタラジン、ベンゾキナゾリン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、ペリミジン、2,2’−ジピリジル、2,4’−ジピリジル、4,4’−ジピリジル、2,2’−ジキノリル、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシキノリン、3−ヒドロキシキノリン、4−ヒドロキシキノリン、5−ヒドロキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、7−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン、ピコリンアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、N,N−ジメチルニコチンアミド、N,N−ジエチルニコチンアミド、N,N−ジメチルイソニコチンアミド、N,N−ジエチルイソニコチンアミド、ヒドロキシニコチン酸、ピコリン酸エステル、ニコチン酸エステル、イソニコチン酸エステル、2−ピリジンスルホンアミド、3−ピリジンスルホンアミド、4−ピリジンスルホンアミド、ピコリンアルデヒド、ニコチンアルデヒド、イソニコチンアルデヒド、3−ニトロピリジン、3−アセトキシピリジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、ピコリンアルドキシム、ニコチンアルドキシム、イソニコチンアルドキシム、2−(ヒドロキシメチル)ピリジン、3−(ヒドロキシメチル)ピリジン、4−(ヒドロキシメチル)ピリジン、2−(ヒドロキシエチル)ピリジン、3−(ヒドロキシエチル)ピリジン、4−(ヒドロキシエチル)ピリジン、3−ヒドロキシピリジン−N−オキシド、4−ヒドロキシピリジン−N−オキシド、4−ヒドロキシキノリン−N−オキシド、N−ヒドロキシピロール−2,5−ジオン、N−ヒドロシイソインドール−1,3−ジオン、N−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン、N−ヒドロキシベンゾ[de]イソキノリン−1,3−ジオン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ヒダントイン、ヒスチジン、ウラシル、バルビツール酸、ジアルル酸、シトシン、アニリノ酢酸、2−(ピリジル)グリシン、トリプトファン、プロリン、N−アセチルグリシン、馬尿酸、N−ピコリノイルグリシン、N−ニコチノイルグリシン、N−イソニコチノイルグリシン、N−アセチルアラニン、N−ベンゾイルアラニン、N−ピコリノイルアラニン、N−ニコチノイルアラニン、N−イソニコチノイルアラニン、α−(アセチルアミノ)酪酸、α−(ベンゾイルアミノ)酪酸、α−(ピコリノイルアミノ)酪酸、α−(ニコチノイルアミノ)酪酸、α−(イソニコチノイルアミノ)酪酸、N−アセチルバリン、N−ベンゾイルバリン、N−ピコリノイルバリン、N−ニコチノイルバリン、N−イソニコチノイルバリン、ベンゼントリオール、ジヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシアセトフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシ安息香酸エステル、トリヒドロキシ安息香酸エステル、ジヒドロキシベンズアミド、トリヒドロキシベンズアミド、ジヒドロキシベンジルアルコール、トリヒドロキシベンジルアルコール、アルコキシベンゼンジオール、アルコキシベンゼントリオール、ジヒドロキシベンズアルデヒド、トリヒドロキシベンズアルデヒド、ニトロベンゼンジオール、ジヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、ジヒドロキシジフェニルアミン、トリヒドロキシジフェニルアミン、テトラヒドロキシジフェニルアミン、ジヒドロキシトリフェニルアミン、トリヒドロキシトリフェニルアミン、テトラヒドロキシトリフェニルアミン、ジヒドロキシビフェニル、トリヒドロキシビフェニル、テトラヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリヒドロキシジフェニルエーテル、テトラヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルスルホン、トリヒドロキシジフェニルスルホン、テトラヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシジフェニルメタン、トリヒドロキシジフェニルメタン、テトラヒドロキシジフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルエタン、トリヒドロキシジフェニルエタン、テトラヒドロキシジフェニルエタン、ジヒドロキシジフェニルプロパン、トリヒドロキシジフェニルプロパン、テトラヒドロキシジフェニルプロパン、ジヒドロキシジフェニルヘキサフルオロプロパン、トリヒドロキシジフェニルヘキサフルオロプロパン、テトラヒドロキシジフェニルヘキサフルオロプロパン、トリフェニルメタントリオール、ジヒドロキシフクソン、ナフタレンジオール、ナフタレントリオール、ナフタレンテトラオール、アントラセンジオール、アントラセントリオール、アントラセンテトラオール、フルオレンジオール、フルオレントリオール、フルオレンテトラオール、フルオレノンジオール、フルオレノントリオール、及びフルオレノンテトラオールなどが挙げられる。
以上のようなイミド化促進剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの低温イミド化促進剤を液晶配向剤に添加させる場合、アミック酸エステル構造を有する重合体の繰り返し単位1モル当量に対して0.1モル当量以上、好ましくは0.2〜4.0モル当量であり、最も好ましくは0.5〜2.5モル当量である。
[液晶配向剤の調整]
液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、加熱されることにより液晶配向膜である塗膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができず、一方固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に液晶配向剤を塗布する際に用いる方法によって異なる。例えばスピンナー法による場合には固形分濃度1.5〜4.5重量%の範囲が特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9重量%の範囲とし、それにより溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは10〜50℃であり、より好ましくは20〜30℃である。
<液晶配向膜及び液晶表示素子>
本発明の液晶配向膜は、上記の液晶配向剤により形成される。また、本発明の液晶表示素子は、該液晶配向膜を具備するものである。液晶表示素子における動作モードについて、IPS型やTN型、STN型といった水平配向型に適用してもよいし、VA型のような垂直配向型に適用してもよい。
以下に、本発明の液晶表示素子の製造方法を説明するとともに、その説明の中で本発明の液晶配向膜の製造方法についても説明する。本発明の液晶表示素子は、例えば以下(P1)〜(P3)の工程により製造することができる。
[工程(P1):塗膜の形成]
先ず基板上に本発明の液晶配向剤を塗布し、次いで塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。
(P1−1)TN型、STN型又はVA型液晶表示素子を製造する場合、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を一対として、その各透明性導電膜形成面上に、本発明の液晶配向剤を、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法によりそれぞれ塗布し、次いで、各塗布面を加熱(好ましくは予備加熱(プレベーク)及び焼成(ポストベーク)からなる二段階加熱)することにより塗膜を形成する。ここで、本発明の液晶配向剤は、印刷性に優れているので、塗布方法としてオフセット印刷法を採用することが、本発明の優れた効果を最大限に発揮するとの観点から好ましい。
基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス基材、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。この場合に、本発明の液晶配向剤は、低沸点であってプラスチック基板に対する溶解性がNMP等よりも低い有機溶媒を主に用いているため、プラスチックからなる透明基板に液晶配向剤を塗布したとしても当該透明基板を溶解させづらく、さらにポストベークにおける加熱温度の低温化を実現できることで、当該ポストベークに際して、プラスチックからなる透明基板が変形してしまうことを抑制できる。また、カラーフィルタの退色を抑えることもできる。
基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができ、パターニングされた透明導電膜を得るには、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後フォト・エッチングによりパターンを形成する方法、透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法などによることができる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面及び透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成するべき面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布する前処理を施しておいてもよい。
液晶配向剤塗布後の塗布面を、次いで予備加熱(プレベーク)し、さらに焼成(ポストベーク)することにより塗膜を形成する。プレベーク温度は、好ましくは30〜150℃であり、より好ましくは40〜120℃であり、特に好ましくは40〜100℃である。プレベーク時間は好ましくは0.25〜10分であり、より好ましくは0.5〜5分である。焼成(ポストベーク)温度は、好ましくは80〜150℃であり、より好ましくは100〜120℃である。ポストベーク時間は好ましくは5〜200分であり、より好ましくは10〜100分である。このようにして、形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(P1−2)一方、IPS型液晶表示素子を製造する場合、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜が設けられている基板の導電膜形成面と、導電膜が設けられていない対向基板の一面とに、本発明の液晶配向剤をそれぞれ塗布し、次いで各塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。このとき使用される基板及び透明導電膜の材質、塗布方法、塗布後の加熱条件、透明導電膜のパターニング方法、基板の前処理ならびに形成される塗膜の好ましい膜厚については上記(P1−1)と同様である。
上記(P1−1)及び(P1−2)のいずれの場合も、基板上に液晶配向剤を塗布した後、有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜が形成される。この場合、塗膜形成後に更に加熱することによって脱水閉環反応を進行させ、よりイミド化された塗膜としてもよい。
[工程(P2):ラビング処理]
TN型、STN型又はIPS型液晶表示素子を製造する場合には、上記のようにして形成された塗膜を、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を施す。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。
さらに、上記の液晶配向膜に対し、液晶配向膜の一部に紫外線を照射することによって液晶配向膜の一部の領域のプレチルト角を変化させる処理や、液晶配向膜表面の一部にレジスト膜を形成した上で先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去する処理を行い、液晶配向膜が領域ごとに異なる液晶配向能を持つようにすることによって得られる液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
なお、VA型液晶表示素子を製造する場合には、上記のようにして形成された塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、上記のラビング処理を施してもよい。
[工程(P3):液晶セルの構築]
基板間に液晶を配置するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。
第一の方法は、従来から知られている方法である。先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部を、シール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより、液晶セルを製造することができる。
第二の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法であり、液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に例えば紫外光硬化性のシール材を塗布し、さらに液晶配向膜面上に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより、液晶セルを製造することができる。
いずれの方法による場合でも、上記のようにして製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶注入時の流動配向を除去することが望ましい。
シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマチック型液晶及びスメクチック型液晶を挙げることができ、その中でもネマチック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、添加して使用してもよい。
液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより、本発明の液晶表示素子を得ることができる。偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
本発明の液晶表示素子は、種々の装置に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、各種モニター、液晶テレビなどの表示装置に用いることができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[合成例1](ポリアミック酸の合成例)
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物(TCA)82gならびにジアミンとしてp−フェニレンジアミン20g、及び3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル98gをN−メチル−2−ピロリドン800gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を20重量%含有する溶液を得た。このポリアミック酸溶液(PAA−1)の溶液粘度は1,900mPa・sであった。
[実施例1]
上記合成例1で得たポリアミック酸溶液(PAA−1)を50g、テトラヒドロフランを50g、n−ブチルビニルエーテル7.6g、及びりん酸0.018gを仕込み、50℃で24時間撹拌させた。反応終了後、酢酸ブチルを100mL加えて水で5回分液洗浄した後、50gまで濃縮を行い、さらに酢酸ブチルを加え100gまで濃縮することでアミック酸エステル構造を有する重合体(PAE−1)の酢酸ブチル10%溶液を得た。
[液晶配向剤の調製及び評価]
[実施例2]
[液晶配向剤の調製]
上記実施例1で得た重合体(PAE−1)を含有する溶液に、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンを当該重合体(PAE−1)100質量部(固形分として)に対して20質量部添加した。さらに、酢酸ブチル及びブチルセロソルブ(BC)を加えて溶媒組成が酢酸ブチル:BC=40:60(重量比)であって、固形分濃度溶液の固形分濃度が4.0重量%の液晶配向剤を調製した。
[液晶表示素子の製造]
厚さ120μmのポリエチレンナフタレートの片面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、上記で調製した液晶配向剤をスピンナーにより塗布し、80℃のホットプレート上で1分間プレベークし、次いで150℃のオーブン中で60分間ポストベークすることにより、膜厚0.08μmの塗膜(液晶配向膜)を形成した。この操作を繰り返し、透明導電膜上に液晶配向膜を有するガラス基板を一対(2枚)得た。
上記一対の液晶配向膜を有するポリエチレンナフタレート基板につき、液晶配向膜を有する面のそれぞれの外縁に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化した。次いで、基板の間隙に、ネガ型液晶(メルク社製、MLC−6608)を液晶注入口より注入して充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を貼り合わせることにより、VA型液晶表示素子を製造した。
[液晶配向性の評価]
上記で製造したVA型液晶表示素子につき、クロスニコル下で電圧をオン・オフしたときの異常ドメインの有無を、顕微鏡により観察し、異常ドメインが観察されなかった場合を液晶配向性「良好」、異常ドメインが観察された場合を液晶配向性「不良」として評価したところ、このVA型液晶表示素子の液晶配向性は「良好」であった。
[電圧保持率の評価]
上記で製造したVA型液晶表示素子につき、先ず5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定したところ99%であり良好であった。
[比較例1]
重合体(PAE−1)の代わりにポリアミック酸溶液(PAA−1)を用いてNMP:BC=40:60(重量比)、固形分濃度溶液の固形分濃度を4.0重量%の液晶表示素子製造用液晶配向剤を調製して実施例2と同様の評価を行ったところ、液晶配向性は良好であったがVHRは96%で不十分であった。

Claims (9)

  1. アミック酸が有するカルボキシル基がエステル化されたアミック酸エステル構造を有する重合体を有し、
    前記アミック酸エステル構造は、前記カルボキシル基のアセタールエステル構造、前記カルボキシル基のケタールエステル構造、前記カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造、及び前記カルボキシル基のt−アルキルエステル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種を有することを特徴とする液晶配向剤。
  2. 前記アミック酸エステル構造は、前記カルボキシル基がエステル化された構造として、下記式(1−1)で表される基により形成されるカルボキシル基のアセタールエステル構造、下記式(2−1)で表される基により形成されるカルボキシル基のケタールエステル構造、及びカルボキシル基のt−アルキルエステル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2012098558
    (上記式(1−1)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基であり、Rは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基である。上記式(2−1)中、R及びRは、炭素数1〜12のアルキル基であり、Rは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基である。)
  3. 前記アミック酸エステル構造は、前記カルボキシル基がエステル化された構造として、上記式(1−1)で表される基により形成されるカルボキシル基のアセタールエステル構造を有し、
    前記Rはメチル基であり、前記Rは炭素数1〜12のアルキル基であることを特徴とする請求項2に記載の液晶配向剤。
  4. 架橋剤をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の液晶配向剤。
  5. 前記アミック酸エステル構造は、下記一般式(Ae)で表されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2012098558
    (上記式中、Rはテトラカルボン酸二無水物に由来する4価の有機基であり、Rはジアミンに由来する2価の有機基である。また、Rは、カルボキシル基のアセタールエステル構造、カルボキシル基のケタールエステル構造、カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造、又はカルボキシル基のt−アルキルエステル構造であり、R’は、カルボキシル基、カルボキシル基のアセタールエステル構造、カルボキシル基のケタールエステル構造、カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造、又はカルボキシル基のt−アルキルエステル構造である。)
  6. アミック酸が有するカルボキシル基がエステル化されたアミック酸エステル構造を有し、
    前記アミック酸エステル構造は、前記カルボキシル基のアセタールエステル構造、前記カルボキシル基のケタールエステル構造、前記カルボキシル基の1−アルキルシクロアルキルエステル構造、及び前記カルボキシル基のt−アルキルエステル構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種を有することを特徴とする重合体。
  7. ポリアミック酸又はその一部がイミド化されたイミド化重合体に、不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得ることを特徴とする請求項6に記載の重合体の製造方法。
  8. 請求項1乃至5のいずれか1に記載の液晶配向剤により形成された液晶配向膜。
  9. 請求項8に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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