JP2012083208A - 試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源電圧変動を補償可能な試験装置を提供する。
【解決手段】電源補償回路12は、スイッチ素子12b、12cがオンした状態において補償パルス電流ISRC、ISINKを生成する。パターン発生器PGは、ドライバDR1〜DR4が出力すべき試験信号STESTを記述するテストパターンSPTN1〜SPTN4と、ドライバDR5、DR6が出力すべき制御信号SCNT2、SCNT1を記述する制御パターンSPTN5、SPTN6を生成する。電圧測定部20は、キャリブレーション工程において、電源電圧VDDを測定する。電流調節部22は、測定された電源電圧VDDに応じて、キャリブレーション後の試験工程において生成すべき補償パルス電流ISRC、ISINKを調節する。
【選択図】図1
【解決手段】電源補償回路12は、スイッチ素子12b、12cがオンした状態において補償パルス電流ISRC、ISINKを生成する。パターン発生器PGは、ドライバDR1〜DR4が出力すべき試験信号STESTを記述するテストパターンSPTN1〜SPTN4と、ドライバDR5、DR6が出力すべき制御信号SCNT2、SCNT1を記述する制御パターンSPTN5、SPTN6を生成する。電圧測定部20は、キャリブレーション工程において、電源電圧VDDを測定する。電流調節部22は、測定された電源電圧VDDに応じて、キャリブレーション後の試験工程において生成すべき補償パルス電流ISRC、ISINKを調節する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電源の安定化技術に関する。
CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)テクノロジを用いたCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、メモリなどの半導体集積回路(以下、DUTという)を試験する際、DUT内のフリップフロップやラッチは、クロックが供給される動作中は電流が流れ、クロックが停止すると回路が静的な状態となって電流が減少する。したがって、DUTの動作電流(負荷電流)の合計は、試験の内容などに応じて時々刻々と変動する。
DUTに電力を供給する電源回路はレギュレータを用いて構成され、理想的には負荷電流にかかわらず一定の電力を供給可能である。しかしながら実際の電源回路は、無視できない出力インピーダンスを有し、また電源回路とDUTの間にも無視できないインピーダンス成分が存在するため、負荷変動によって電源電圧が変動してしまう。
電源電圧の変動は、DUTの試験マージンに深刻な影響を及ぼす。また電源電圧の変動は、試験装置内のその他の回路ブロック、たとえばDUTに供給するパターンを生成するパターン発生器や、パターンの遷移タイミングを制御するためのタイミング発生器の動作に影響を及ぼし、試験精度を悪化させる。
この問題を解決するために、DUTに供給されるテストパターンに応じて、電源電圧を補正し、DUT端での電源電圧を安定化させる技術が提案されている(特許文献1)。
特許文献1に開示される技術では、DUTに印加するテストパターンを読み取ってから電源電圧を補償するため、急峻な電源電圧に追従できず、試験パターンに対して電源電圧補償の遅れが生ずる可能性がある。また電源補償回路が電源回路の一部として構成されるため、電源回路とDUTの間のインピーダンスにより制限された周波数帯域でしか補償することができない。また、補償する電源変動の可変量、分解能に応じた多ビットのD/Aコンバータが必要となる。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的のひとつは、電源電圧変動を補償可能な試験装置の提供にある。
本発明のある態様は、被試験デバイスを試験する試験装置に関する。試験装置は、メイン電源と、電源補償回路と、複数のドライバと、複数のインタフェース回路と、パターン発生器と、電圧測定部と、電流調節部と、を備える。メイン電源は、被試験デバイスの電源端子に電力を供給する。電源補償回路は、スイッチ素子を含み、スイッチ素子がオンした状態において補償パルス電流を生成し、補償パルス電流をメイン電源とは別経路から電源端子に注入し、またはメイン電源から被試験デバイスへ流れる電源電流から、補償パルス電流を被試験デバイスとは別経路に引きこむ。複数のドライバのうちひとつはスイッチ素子に割り当てられる。複数のドライバのうち別の少なくともひとつは、それぞれが被試験デバイスの少なくともひとつの入出力端子に割り当てられる。インタフェース回路はそれぞれ、ドライバごとに設けられ、入力されたパターン信号を整形して対応するドライバへと出力する。パターン発生器は、被試験デバイスの入出力端子に割り当てられたドライバが出力すべき試験信号を記述するテストパターンを、そのドライバに対応するインタフェース回路に対して出力する。またパターン発生器は、スイッチ素子に割り当てられたドライバが出力すべき制御信号を記述する制御パターンを、そのドライバに対応するインタフェース回路に対して出力する。制御パターンは、テストパターンに応じてあらかじめ定められている。電圧測定部は、被試験デバイスごとに実行されるキャリブレーション工程において、パターン発生器がテストパターンおよび制御パターンを出力した状態において、電源電圧を測定する。電流調節部は、被試験デバイスごとに測定された電源電圧に応じて、キャリブレーション後の試験工程において生成すべき補償パルス電流を被試験デバイスごとに調節する。
テストパターンが既知であるとき、そのテストパターンが供給された被試験デバイスの内部回路の動作率は推定可能であるため、被試験デバイスの動作電流の時間波形は予測することができる。そして、予測される動作電流に応じて制御パターンを規定することにより、メイン電源では追従しきれない成分を補償パルス電流によって補うことができ、あるいはメイン電源で追従できない成分を意図的に補償パルス電流により注入することができる。その結果、電源端子の電源電圧を一定に保つことができ、あるいは故意に電源電圧変動を引き起こすことにより、任意の電源環境をエミュレートすることができる。
ここで被試験デバイスを構成する内部素子に流れる電流は、プロセスばらつきによって変動する。つまり、あるテストパターンが供給された被試験デバイスの動作電流の波形は、プロセスばらつきによって増減する。そこで、被試験デバイスの試験工程に先立ち、キャリブレーション工程を行い、補償パルス電流を調節することにより、プロセスばらつきによって被試験デバイスの動作電流がばらついたとしても、電源環境を一定に保つことができる。
ここで被試験デバイスを構成する内部素子に流れる電流は、プロセスばらつきによって変動する。つまり、あるテストパターンが供給された被試験デバイスの動作電流の波形は、プロセスばらつきによって増減する。そこで、被試験デバイスの試験工程に先立ち、キャリブレーション工程を行い、補償パルス電流を調節することにより、プロセスばらつきによって被試験デバイスの動作電流がばらついたとしても、電源環境を一定に保つことができる。
ある別の態様において、電圧測定部は、被試験デバイスごとに実行されるキャリブレーション工程において、パターン発生器がテストパターンのみを出力した状態において、電源電圧を測定する。電流調節部は、被試験デバイスごとに測定された電源電圧に応じて、キャリブレーション後の試験工程において生成すべき補償パルス電流を被試験デバイスごとに調節する。
電源のインピーダンス特性が既知であるとすると、制御パターンを供給しないでテストパターンのみを供給したときの電源電圧変動を測定すれば、プロセスばらつきの影響を含めて電源電流波形を求めることができる。つまり、電源電圧変動の大きさから、動作電流のプロセスばらつき成分を求めることができ、それにもとづいて補償電流を補正することができる。
電源のインピーダンス特性が既知であるとすると、制御パターンを供給しないでテストパターンのみを供給したときの電源電圧変動を測定すれば、プロセスばらつきの影響を含めて電源電流波形を求めることができる。つまり、電源電圧変動の大きさから、動作電流のプロセスばらつき成分を求めることができ、それにもとづいて補償電流を補正することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、電源環境をキャリブレーションできる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図1は、実施の形態に係る試験装置2の構成を示す回路図である。図1には試験装置2に加えて、試験対象の半導体デバイス(以下、DUTと称す)1が示される。
DUT1は、複数のピンを備え、その中の少なくともひとつが電源電圧VDDを受けるための電源端子P1であり、別の少なくともひとつが接地端子P2である。複数の入出力(I/O)端子P3は、外部からのデータを受け、あるいは外部にデータを出力するために設けられており、試験時においては、試験装置2から出力される試験信号(テストパターン)STESTを受け、あるいは試験信号STESTに応じたデータを試験装置2に対して出力する。図1には、試験装置2の構成のうち、DUT1に対して試験信号を与える構成が示されており、DUT1からの信号を評価するための構成は省略されている。
試験装置2は、メイン電源10、パターン発生器PG、複数のタイミング発生器TGおよび波形整形器FC、複数のドライバDR、電源補償回路12、電圧測定部20、電流調節部22を備える。
試験装置2は複数n個のチャンネルCH1〜CHnを備えており、その中のいくつか(CH1〜CH4)がDUT1の複数のI/O端子P3に割り当てられる。図1では、n=6の場合が示されるが、実際の試験装置2のチャンネル数は、数百〜数千のオーダーである。
メイン電源10は、DUT1の電源端子P1に供給すべき電源電圧VDDを生成する。たとえばメイン電源10は、リニアレギュレータやスイッチングレギュレータなどで構成され、電源端子P1に供給される電源電圧VDDを、目標値と一致するようにフィードバック制御する。キャパシタCsは、電源電圧VDDを平滑化するために設けられる。メイン電源10は、DUT1に対する電源電圧の他、試験装置2内部のその他のブロックに対する電源電圧も生成する。メイン電源10からDUT1の電源端子P1への出力電流を、電源電流IDDと称する。
メイン電源10は、有限の応答速度を有する電圧・電流源であるため、その負荷電流、つまりDUT1の動作電流IOPの急峻な変化に追従できない場合がある。たとえば動作電流IOPがステップ状に変化するとき、電源電圧VDDはオーバーシュート、あるいはアンダーシュートしたり、その後のリンギングをともなったりする。電源電圧VDDの変動は、DUT1の正確な試験を妨げる。なぜならDUT1にエラーが検出されたとき、それがDUT1の製造不良によるものなのか、電源電圧VDDの変動によるものなのかを区別することができないからである。
電源補償回路12は、メイン電源10の応答速度を補うために設けられる。DUT1の設計者は、ある既知の試験信号STEST(テストパターンSPTN)が供給された状態において、DUT1の内部回路の動作率などの時間推移を推定可能であるから、DUT1の動作電流IOPの時間波形を正確に予測することができる。ここでの予測とは、コンピュータシミュレーションを用いた計算や、同じ構成を有するデバイスを対象とした実測などが含まれ、特にその手法は限定されない。
一方、メイン電源10の応答速度(利得、フィードバック帯域)が既知であれば、予測される動作電流IOPに応答してメイン電源10が生成する電源電流IDDもまた予測することができる。そうすると、予測される動作電流IOPと電源電流IDDの差分を、電源補償回路12によって補うことにより、電源電圧VDDを安定化することができる。
電源補償回路12は、補助電源12a、ソーススイッチ12b、シンクスイッチ12cを備える。ソーススイッチ12b、シンクスイッチ12cはそれぞれ、たとえばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を利用したスイッチであり、それぞれが制御信号SCNT1、SCNT2に応じて制御される。補助電源12aは、電源電圧VDDより高い電圧を生成する電圧源であってもよいし、あるいは電源端子P1に流れ込む電流を生成する電流源であってもよい。
ソーススイッチ12bは、補助電源12aの出力端子とDUT1の電源端子P1の間に設けられる。ソーススイッチ12bが制御信号SCNT1に応じてオンすると、補償パルス電流(ソースパルス電流ともいう)Isが生成される。電源補償回路12は、ソースパルス電流ISRCをメイン電源10とは別経路から電源端子P1に注入する。シンクスイッチ12cは、別の固定電圧端子(たとえば接地端子)とDUT1の電源端子P1の間に設けられる。シンクスイッチ12cが制御信号SCNT2に応じてオンすると、補償パルス電流ISINK(シンクパルス電流ともいう)が生成される。電源補償回路12は、電源端子P1に流れ込む電源電流IDDから、シンクパルス電流ISINKを、DUT1とは別経路に引きこむ。
DUT1の電源端子P1に流れ込む電流を、動作電流をIOPとすると、電流保存則から、式(1)が成り立つ。
IOP=IDD+ISRC−ISINK …(1)
IOP=IDD+ISRC−ISINK …(1)
ドライバDR1〜DR6のうち、ドライバDR6は、ソーススイッチ12bに割り当てられ、ドライバDR5はシンクスイッチ12cに割り当てられる。別の少なくともひとつのドライバDR1〜DR4は、それぞれ、DUT1の少なくともひとつのI/O端子P3に割り当てられる。
波形整形器FCおよびタイミング発生器TGをインタフェース回路4と総称する。複数の41〜46は、チャンネルCH1〜CH6ごと、言い換えればドライバDR1〜DR6ごとに設けられる。i番目(1≦i≦6)のインタフェース回路4iは、入力されたパターン信号SPTNiをドライバDRに適した信号形式に整形し、対応するドライバDRiへと出力する。
パターン発生器PGは、テストプログラムにもとづき、インタフェース回路41〜46に対するパターン信号SPTN1〜SPTN6を生成する。具体的にパターン発生器PGは、DUT1のI/O端子P3に割り当てられたドライバDR1〜DR4に対しては、各ドライバDRiが生成すべき試験信号STESTiを記述するテストパターンSPTN1〜SPTN4を、そのドライバDRiに対応するインタフェース回路4iに対して出力する。テストパターンSPTNiは、試験信号STESTiの各サイクル(ユニットインターバル)におけるレベルを示すデータと、信号レベルが遷移するタイミングを記述するデータを含む。
またパターン発生器PGは、ソーススイッチ12b、シンクスイッチ12cに割り当てられたドライバDR6、DR5が出力すべき制御信号SCNT1、SCNT2を記述する制御パターンSPTN6、SPTN5を生成し、対応するインタフェース回路46、45に出力する。制御パターンSPTN6、SPTN5はそれぞれ、各サイクルにおけるソーススイッチ12b、シンクスイッチ12cのオン、オフ状態を指定するデータと、オンオフを切りかえるタイミングを記述するデータを含む。制御パターンSPTN5、SPTN6は、試験信号STESTが供給された状態において電源端子P1の電源電圧VDDが一定となるようにテストパターンSPTN1〜SPTN4に応じて定められている。
上述のように、テストパターンSPTN1〜SPTN4が既知であれば、DUT1の動作電流IOPの時間波形が予測でき、電源電圧VDDを一定に保つために発生すべき補償電流ICMP1、ICMP2の時間波形を計算することができる。
予測される動作電流IOPが電源電流IDDより大きい場合、電源補償回路12はソース補償電流ICMP1を発生して不足する電流を補う。ソース補償電流ICMP1に必要な電流波形は予測可能であるから、それが適切に得られるようにソーススイッチ12bを制御する。たとえばソーススイッチ12bを、パルス幅変調によって制御してもよい。あるいはパルス振幅変調、ΔΣ変調、パルス密度変調、パルス周波数変調などを利用してもよい。
予測される動作電流IOPが電源電流IDDより大きい場合、電源補償回路12はソース補償電流ICMP1を発生して不足する電流を補う。ソース補償電流ICMP1に必要な電流波形は予測可能であるから、それが適切に得られるようにソーススイッチ12bを制御する。たとえばソーススイッチ12bを、パルス幅変調によって制御してもよい。あるいはパルス振幅変調、ΔΣ変調、パルス密度変調、パルス周波数変調などを利用してもよい。
図2は、動作電流IOP、電源電流IDD、ソース補償電流ICMP1およびパルス幅変調されたソースパルス電流ISRCの一例を示す波形図である。ある試験信号STESTが供給されたDUT1の動作電流IOPがステップ状に増加したとする。これに応答して、メイン電源10から電源電流IDDが供給されるが、それは応答速度の制限から、理想的なステップ波形とはならず、DUT1に供給すべき電流が不足する。その結果、補償電流ICMP1を供給しなければ、電源電圧VDDは破線(i)で示すように低下する。
電源補償回路12は、動作電流IOPと電源電流IDDの差分に対応するソース補償電流ICMP1を生成する。ソース補償電流ICMP1は、制御信号SCNT1に応じて生成されるソースパルス電流ISRCの畳み込みで与えられる。ソース補償電流ICMP1は、動作電流IOPの変化直後に最大量必要であり、その後、徐々に低下させる必要がある。そこで、ソーススイッチ12bのオン時間(デューティ比)を、時間とともに低下させることにより、必要なソース補償電流ICMP1を生成できる。
試験装置2のすべてのチャンネルがテストレートに応じて同期動作する場合、制御信号SCNT1の周期は、DUT1に供給されるデータの周期(ユニットインターバル)、もしくはその整数倍、あるいは整数分の1に相当する。たとえばユニットインターバルが4nsのシステムにおいて、制御信号SCNT1の周期が4nsであれば、制御信号SCNT1に含まれる各パルスのオン期間TONが、0〜4nsの間で調節されうる。メイン電源10の応答速度は数百ns〜数μsのオーダーであるため、補償電流ICMP1の波形は、制御信号SCNT1に含まれる数百個のパルスによって制御できる。当業者であれば、ソース補償電流ICMP1の波形から、それを生成するために必要な制御信号SCNT1を導出する方法については理解できるため、説明を省略する。
反対に動作電流IOPが電源電流IDDより小さい場合、電源補償回路12はシンク補償電流ICMP2が得られるように、シンクパルス電流ISINKを発生して、過剰な電流を引き抜く。
電源補償回路12を設けることにより、メイン電源10の応答速度の不足を補い、図2に実線で示すように、電源電圧VDDを一定に保つことができる。
ここで、DUT1を構成する内部素子(トランジスタや抵抗)に流れる電流は、プロセスばらつきによって変動する。つまり、実際のDUT1に流れる動作電流IDDは、ある標準的なデバイスを仮定して予測された動作電流IDDに比べて増加、もしくは減少する。一般的には、DUT1の動作電流IOPは、プロセスばらつきに応じて、その波形そのものは保存しながら、振幅レベルが変化する傾向にある。図2には、プロセスばらつきによって動作電流IOPが増加する様子が、一点鎖線(ii)で示される。
一点鎖線(ii)の動作電流IOPに応答して、メイン電源10の出力電流IDDも、一点鎖線(iii)で示すように変化する。したがって、このDUT1に対して供給すべきソース補償電流ICMP1は、理想デバイスに対して計算された波形ではなく、一点鎖線(iv)で示される波形となる。もし、このDUT1に対して、計算された実線のソース補償電流ICMP1を供給したとすれば、電源電圧VDDは一点鎖線(v)で示すように低下してしまう。
この問題を解消するために、電圧測定部20および電流調節部22が設けられる。試験装置2は、DUT1の試験工程に先立ってキャリブレーション工程を実行する。キャリブレーション工程において、DUT1の動作電流IOPのプロセスばらつきによる増減が測定される。そして、動作電流IOPが大きいDUT1に対しては、補償電流ICMP1、ICMP2が大きくなるように補正し、動作電流IOPが小さなDUT1に対しては、補償電流ICMP1、ICMP2が小さくなるようにキャリブレーションする。
以上が試験装置2の構成である。続いてその動作を、図2を参照しながら説明する。
キャリブレーション工程において、パターン発生器PGは、あるテストパターンSPTN1〜SPTN4およびそれに対応する制御パターンSPTN5、SPTN6を出力する。プロセスばらつきによりDUT1の動作電流IOPが増加した場合、補償電流ICMP1が不足し、破線(v)で示すように電源電圧VDDが目標値より低下する。
キャリブレーション工程において、パターン発生器PGは、あるテストパターンSPTN1〜SPTN4およびそれに対応する制御パターンSPTN5、SPTN6を出力する。プロセスばらつきによりDUT1の動作電流IOPが増加した場合、補償電流ICMP1が不足し、破線(v)で示すように電源電圧VDDが目標値より低下する。
電圧測定部20は、電源電圧VDDを測定する。電流調節部22は、測定された電源電圧VDDに応じて、キャリブレーション後の試験工程において生成すべきソース補償電流ICMP1を調節する。具体的には、電源電圧VDDが低下すれば、ソース補償電流ICMP1が不足しているため、それを増加する方向に補正すればよく、反対に電源電圧VDDが上昇すれば、ソース補償電流ICMP1が過剰であるため、それを減少する方向に補正すればよい。補正量ΔIは、電源電圧VDDの変動量から計算することができる。
シンク補償電流ICMP2についても、同様の方法で補正することができる。つまり、キャリブレーション工程で、電源電圧VDDが上昇すれば、シンク補償電流ICMP2が不足しているため、それを増加する方向に補正すればよく、電源電圧VDDが低下すれば、シンク補償電流ICMP2が過剰であるため、それを減少させる方向に補正すればよい。
続いて補償電流ICMP1、ICMP2の補償方法を説明する。以下では、2つの補償電流ICMP1、ICMP2を区別せず、補償電流ICMPと総称する。
(第1の補償方法)
電流調節部22は、キャリブレーション工程において測定された電源電圧VDDに応じて、パルス電流ISRC、ISINKの振幅を調節する。たとえばキャリブレーション工程前の初期状態の補償電流ICMPが、キャリブレーション工程において求められる電源電圧VDDを一定に保つために必要とされる補償電流に対して90%である場合、パルス電流ISRC、ISINKの振幅を、1/0.9倍に増加させる。
電流調節部22は、キャリブレーション工程において測定された電源電圧VDDに応じて、パルス電流ISRC、ISINKの振幅を調節する。たとえばキャリブレーション工程前の初期状態の補償電流ICMPが、キャリブレーション工程において求められる電源電圧VDDを一定に保つために必要とされる補償電流に対して90%である場合、パルス電流ISRC、ISINKの振幅を、1/0.9倍に増加させる。
ソーススイッチ12b、シンクスイッチ12cはMOSFETであるため、それらのオンの程度は、それらのゲート電圧、つまり制御信号SCNT1、SCNT2の電圧レベルに応じて調節可能である。そこで電流調節部22は、ドライバDR5、DR6のソーススイッチ12b、シンクスイッチ12cの出力電圧レベル(振幅レベル)を調節することにより、パルス電流ISRC、ISINKの振幅を調節する。
(第2の補償方法)
補助電源12aが可変電圧源である場合、電流調節部22は、補助電源12aの出力電圧Vxを制御することにより、ソースパルス電流ISRCの振幅を制御する。また、シンクスイッチ12cの接地端子側に電圧源を設け、その出力電圧を制御することにより、シンクパルス電流ISINKの振幅を制御する。
補助電源12aが可変電圧源である場合、電流調節部22は、補助電源12aの出力電圧Vxを制御することにより、ソースパルス電流ISRCの振幅を制御する。また、シンクスイッチ12cの接地端子側に電圧源を設け、その出力電圧を制御することにより、シンクパルス電流ISINKの振幅を制御する。
(第3の補償方法)
補助電源12aが電流源である場合、電流調節部22は、補助電源12aの出力電流を制御することにより、ソースパルス電流ISRCの振幅を制御する。また、シンクスイッチ12cの経路上に電流源を設け、その出力電流を制御することにより、シンクパルス電流ISINKの振幅を制御する。
補助電源12aが電流源である場合、電流調節部22は、補助電源12aの出力電流を制御することにより、ソースパルス電流ISRCの振幅を制御する。また、シンクスイッチ12cの経路上に電流源を設け、その出力電流を制御することにより、シンクパルス電流ISINKの振幅を制御する。
(第4の補償方法)
ソーススイッチ12bを、並列に設けられた複数のMOSFETで構成し、制御信号SCNT1に応じて制御されるMOSFETの個数が調節可能に構成される。つまり、ソーススイッチ12bは、実効的なトランジスタサイズが調節可能に構成される。電流調節部22は、測定された電源電圧VDDに応じて、制御信号SCNT1に応じて制御されるソーススイッチ12bを構成するトランジスタの個数を調節する。シンクスイッチ12cについても同様である。
ソーススイッチ12bを、並列に設けられた複数のMOSFETで構成し、制御信号SCNT1に応じて制御されるMOSFETの個数が調節可能に構成される。つまり、ソーススイッチ12bは、実効的なトランジスタサイズが調節可能に構成される。電流調節部22は、測定された電源電圧VDDに応じて、制御信号SCNT1に応じて制御されるソーススイッチ12bを構成するトランジスタの個数を調節する。シンクスイッチ12cについても同様である。
(第5の補償方法)
第1〜第4の補償方法では、ソースパルス電流ISRC、シンクパルス電流ISINKの振幅を制御することにより、補償電流ICMPを調節した。第5の補償方法では、ソースパルス電流ISRC、シンクパルス電流ISINKのパルス幅を補正する。
第1〜第4の補償方法では、ソースパルス電流ISRC、シンクパルス電流ISINKの振幅を制御することにより、補償電流ICMPを調節した。第5の補償方法では、ソースパルス電流ISRC、シンクパルス電流ISINKのパルス幅を補正する。
たとえば制御信号SCNT1、SCNT2がパルス幅変調されているとする。この場合、電流調節部22は、制御信号SCNT1、SCNT2のパルス幅を調節する。制御信号SCNT1、SCNT2のパルス幅を変化させる第1の方法は、パターン発生器PGが生成する制御パターンSPTN5、SPTN6を変更することである。制御パターンSPTN5、SPTN6は、ソーススイッチ12b、シンクスイッチ12cのオン、オフを切りかえるタイミングを指定するタイミング設定データを含んでいる。したがって、電流調節部22によって、パルス幅が変化するようにパターン発生器PGが生成するタイミング設定データを変更することにより、パルス電流ISRC、ISINKのパルス幅を調節できる。
この場合、制御パターンSPTN5、SPTN6それぞれについて、パルス幅が異なる複数のパターンを用意しておき、測定された電源電圧VDDに応じて使用するパターンを選択してもよい。あるいはパターン発生器PGが、電流調節部22からのデータにもとづき、タイミング設定データを変化させてもよい。
(第6の補償方法)
第5の補償方法では、制御パターンSPTN5、SPTN6を変更することにより、パルス電流ISRC、ISINKのパルス幅を変更したが、制御パターンSPTN5、SPTN6の修正は、ソフトウェアあるいはハードウェアの負荷が大きくなる。そこで第6の補償方法では、制御パターンSPTN5、SPTN6を修正せずに、パルス電流ISRC、ISINKのパルス幅を変更する。
第5の補償方法では、制御パターンSPTN5、SPTN6を変更することにより、パルス電流ISRC、ISINKのパルス幅を変更したが、制御パターンSPTN5、SPTN6の修正は、ソフトウェアあるいはハードウェアの負荷が大きくなる。そこで第6の補償方法では、制御パターンSPTN5、SPTN6を修正せずに、パルス電流ISRC、ISINKのパルス幅を変更する。
たとえばインタフェース回路45、46のタイミング発生器TGは、所定のタイミングのセットを生成可能に構成される。そして、複数のタイミングを組み合わせることにより、制御パターンSPTN5、SPTN6に応じた任意のパルス幅を生成する。タイミングのセットは、たとえば基準パルス幅の定数倍(1倍、2倍、4倍、…、1/2倍、1/4倍、…)で構成される。
一例として、基準パルス幅が100psであり、タイミングセットが、400ps、200ps、100ps、50psであり、制御パターンSPTN5のタイミング設定データは、4ビットを含むとする。タイミング設定データの最上位ビットは400psに対応し、最下位ビットは50psに対応する。タイミング設定データが、[1111]のときパルス幅は750psとなり、[0001]のときパルス幅は50psとなる。
一例として、基準パルス幅が100psであり、タイミングセットが、400ps、200ps、100ps、50psであり、制御パターンSPTN5のタイミング設定データは、4ビットを含むとする。タイミング設定データの最上位ビットは400psに対応し、最下位ビットは50psに対応する。タイミング設定データが、[1111]のときパルス幅は750psとなり、[0001]のときパルス幅は50psとなる。
そして電流調節部22は、基準パルス幅を変更することにより、パルス電流ISRC、ISINKのパルス幅を調節する。たとえば基準パルス幅(基準タイミング)を100psから、80psに変更すれば、パルス幅は20%減少し、120psに変更すれば、パルス幅を20%増加させることができる。
(第7の補償方法)
インタフェース回路45、46のタイミング発生器TGは、所定のタイミングのセットを生成可能に構成される。そして、タイミング発生器TGには、切りかえ可能な複数のタイミングのセットが用意されている。
たとえば第1のセットは、(400ps、200ps、100ps、50ps)であり、第2のセットは、各タイミングが第1のセットより小さな(300ps、150ps、75ps、25ps)であり、第3のセットは、各タイミングが第1のセットより大きな(500ps、300ps、150ps、75ps)である。
タイミング設定データ[1111]に対するパルス幅は、第1のセットを用いるとき750psであるのに対して、第2のセットを用いたとき550ps、第3のセットを用いるとき1025psとなる。
インタフェース回路45、46のタイミング発生器TGは、所定のタイミングのセットを生成可能に構成される。そして、タイミング発生器TGには、切りかえ可能な複数のタイミングのセットが用意されている。
たとえば第1のセットは、(400ps、200ps、100ps、50ps)であり、第2のセットは、各タイミングが第1のセットより小さな(300ps、150ps、75ps、25ps)であり、第3のセットは、各タイミングが第1のセットより大きな(500ps、300ps、150ps、75ps)である。
タイミング設定データ[1111]に対するパルス幅は、第1のセットを用いるとき750psであるのに対して、第2のセットを用いたとき550ps、第3のセットを用いるとき1025psとなる。
このように、タイミング発生器TGにおいて利用するタイミングのセットを切りかえることにより、制御パターンSPTN5、SPTN6を修正せずとも、パルス電流ISRC、ISINKのパルス幅を修正できる。
以上が補償方法の具体例である。上述の、あるいは後述の補償方法は、任意に組み合わせて利用してもよい。
キャリブレーションによって得られたパルス電流ISRC、ISINKに対する補正量、つまり補償電流ICMPの補正量は、試験工程において、キャリブレーション工程に用いられたテストパターンSPTNとは異なるテストパターンをDUT1に与える場合にも利用される。
図3(a)、(b)は、電源補償回路12の具体的な構成例を示す図である。図3(a)は、ソーススイッチ12bもしくはシンクスイッチ12cの構成例を示す図である。近年の高集積化されたDUT1は大きな動作電流IOPを必要とするため、電源端子P1を複数備えている。このようなDUT1に対しては、ソーススイッチ12bやシンクスイッチ12cを単一のMOSFETで構成するのは現実的ではなく、複数の小型で高速なMOSFETを並列に接続して、大きなパルス電流ISRC、ISINKを発生させる方が、電源ネットワークのインピーダンスを最小とするうえでは有効である。
そこで、図3(a)に示すように、複数のFETを、DUT1のチップもしくはパッケージと同程度の面積に配置した補償回路30(12b、12c)を作成する。補償回路30は、複数のFETを含む領域ごとに設けられたバッファBUFを備えてもよい。各バッファは、制御信号SCNTを受け、FETを駆動する。
図3(b)は試験装置2のテストヘッドの断面図である。パフォーマンスボードPB上に、ICソケットSKTが配置される。DUT1は、ICソケットSKTに装着される。この補償回路30は、パフォーマンスボードPBの裏面であってDUT1と対向する領域に配置される。補償回路は、ICとして構成してもよいし、プリント基板およびディスクリート素子を用いてサブモジュールとして構成してもよいし、パフォーマンスボードの裏面に実装してもよい。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセス、それらの組み合わせには、さまざまな変形例が存在しうる。以下、こうした変形例について説明する。
(第1の変形例)
実施の形態では、パルス電流ISRC、ISINKがパルス幅変調される場合を説明したが、本発明はそれに限定されない。たとえばパルス電流ISRC、ISINKはパルス密度変調されてもよい。この場合、パターン発生器PGは、必要な補償電流ICMP1、ICMP2が得られるようにパルス密度変調された制御パターンSPTN5、SPTN6を生成する。 この第1の変形例において、電流調節部22は、電源電圧VDDに応じて、パターン発生器PGが発生する制御パターンSPTN5、SPTN6を修正し、パルス密度を調節してもよい。あるいは、上述の第1〜第8の補償方法を用いてもよい。
実施の形態では、パルス電流ISRC、ISINKがパルス幅変調される場合を説明したが、本発明はそれに限定されない。たとえばパルス電流ISRC、ISINKはパルス密度変調されてもよい。この場合、パターン発生器PGは、必要な補償電流ICMP1、ICMP2が得られるようにパルス密度変調された制御パターンSPTN5、SPTN6を生成する。 この第1の変形例において、電流調節部22は、電源電圧VDDに応じて、パターン発生器PGが発生する制御パターンSPTN5、SPTN6を修正し、パルス密度を調節してもよい。あるいは、上述の第1〜第8の補償方法を用いてもよい。
(第2の変形例)
あるいはパルス電流ISRC、ISINKは、多値信号に応じてパルス振幅変調されてもよい。たとえばドライバDRが多値ドライバである場合には、制御信号SCNT1、SCNT2のレベルに応じて、パルス電流ISRC、ISINKの振幅が変化する。パターン発生器PGは、必要な補償電流ICMP1、ICMP2が得られるような制御パターンSPTN5、SPTN6を生成する。
あるいはパルス電流ISRC、ISINKは、多値信号に応じてパルス振幅変調されてもよい。たとえばドライバDRが多値ドライバである場合には、制御信号SCNT1、SCNT2のレベルに応じて、パルス電流ISRC、ISINKの振幅が変化する。パターン発生器PGは、必要な補償電流ICMP1、ICMP2が得られるような制御パターンSPTN5、SPTN6を生成する。
(第3の変形例)
パルス電流ISRC、ISINKを、パルス振幅変調するために、ソーススイッチ12b、シンクスイッチ12cをそれぞれ、並列に接続された複数のスイッチで構成し、各スイッチごとにドライバDRを割り当て、制御信号SCNTを生成してもよい。この場合、制御信号SCNTに応じて、オンするスイッチの個数を変化させることにより、パルス電流ISRC、ISINKの振幅を制御できる。
パルス電流ISRC、ISINKを、パルス振幅変調するために、ソーススイッチ12b、シンクスイッチ12cをそれぞれ、並列に接続された複数のスイッチで構成し、各スイッチごとにドライバDRを割り当て、制御信号SCNTを生成してもよい。この場合、制御信号SCNTに応じて、オンするスイッチの個数を変化させることにより、パルス電流ISRC、ISINKの振幅を制御できる。
第2、第3の変形例においても、上述の第1〜第8の補償方法を用いることができる。
(第4の変形例)
パルス電流ISRC、ISINKは、ΔΣ変調されてもよい。この場合、パターン発生器PGは、必要な補償電流ICMP1、ICMP2が得られるようにΔΣ変調された制御パターンSPTN5、SPTN6を生成する。
この第4の変形例において、電流調節部22は、電源電圧VDDに応じて、パターン発生器PGが発生する制御パターンSPTN5、SPTN6に含まれるパルスの密度を修正してもよい。あるいは、上述の第1〜第8の補償方法を用いてもよい。
パルス電流ISRC、ISINKは、ΔΣ変調されてもよい。この場合、パターン発生器PGは、必要な補償電流ICMP1、ICMP2が得られるようにΔΣ変調された制御パターンSPTN5、SPTN6を生成する。
この第4の変形例において、電流調節部22は、電源電圧VDDに応じて、パターン発生器PGが発生する制御パターンSPTN5、SPTN6に含まれるパルスの密度を修正してもよい。あるいは、上述の第1〜第8の補償方法を用いてもよい。
(第5の変形例)
パルス電流ISRC、ISINKは、パルス周波数変調されてもよい。この場合、パターン発生器PGは、必要な補償電流ICMP1、ICMP2が得られるようにパルス周波数変調された制御パターンSPTN5、SPTN6を生成する。
パルス電流ISRC、ISINKは、パルス周波数変調されてもよい。この場合、パターン発生器PGは、必要な補償電流ICMP1、ICMP2が得られるようにパルス周波数変調された制御パターンSPTN5、SPTN6を生成する。
(第6の変形例)
実施の形態では、ソーススイッチ12bとシンクスイッチ12cを設け、ソース補償電流ICMP1、シンク補償電流ICMP2を生成する構成を説明したが、一方のみを設けてもよい。
実施の形態では、ソーススイッチ12bとシンクスイッチ12cを設け、ソース補償電流ICMP1、シンク補償電流ICMP2を生成する構成を説明したが、一方のみを設けてもよい。
以上の実施の形態および変形例をまとめると、以下の通りである。すなわち、試験工程において、必要な補償電流ICMPを生成するためには、パルス電流ISRC、ISINKに対して以下の変調のいずれか、あるいはいくつかの組み合わせが施される。
(i)パルス幅変調
(ii)パルス振幅変調
(iii)パルス密度変調
(iv)ΔΣ変調
(v)パルス周波数変調
(vi)これらに類する変調
(i)パルス幅変調
(ii)パルス振幅変調
(iii)パルス密度変調
(iv)ΔΣ変調
(v)パルス周波数変調
(vi)これらに類する変調
そして、キャリブレーション工程において補償電流ICMPを調節するために、パルス電流ISRC、ISINKの以下のパラメータのいずれか、もしくはいくつかの組み合わせが調節される。
(a)パルス幅
(b)パルス振幅
(c)パルス密度
(d)パルス周波数
(e)デューティ比
(a)パルス幅
(b)パルス振幅
(c)パルス密度
(d)パルス周波数
(e)デューティ比
実施の形態では、キャリブレーション工程において測定された電源電圧VDDにもとづき補償パルス電流ISRC、ISINKを調節する場合を説明したが、試験工程中に測定された電源電圧VDDにもとづき、フィードバックによって補償パルス電流ISRC、ISINKを調節してもよい。
DUT1の動作電流IDDは、温度に応じても変化する。そこで温度を測定する温度測定部をさらに設け、温度変化に応じた動作電流IDDの変動をキャンセルするように、補償パルス電流ISRC、ISINKを調節してもよい。
なお実施の形態では、補償電流ICMPによって電源電圧の変動がゼロであるような、つまり出力インピーダンスがゼロの理想電源の環境を実現する場合を説明したが、本発明はそれに限定されない。つまり、意図的な電源電圧変動を引き起こすような補償電流ICMPの波形を計算し、その補償電流波形が得られるように制御パターンを規定しておいてもよい。この場合、制御パターンに応じて任意の電源環境をエミュレートすることが可能となる。さらに、上述のキャリブレーション工程を、意図的に電源電圧変動を引き起こすように規定された制御パターンを発生した状態で行ってもよい。標準デバイスを仮定して規定された制御パターンおよびテストパターンをある被試験デバイスに供給したときに、測定された電源電圧の変動量が設計値と異なっていれば、その誤差がゼロとなるように、補償パルス電流ISRC、ISINKを調節し、補償電流をキャリブレートすることができる。
さらに上述のキャリブレーション工程は、テストパターンのみを供給し、制御パターンを供給しない状態、つまり、電源補償回路を動作させない状態で行ってもよい。この場合、標準デバイスにテストパターンを供給したときに想定される電源電圧の変動量と、被試験デバイスに同じテストパターンを供給したときに想定される電源電圧の変動量との差分は、プロセスばらつきによる被試験デバイスの動作電流のばらつき成分を示すことになる。したがって、被試験デバイスごとに測定される電源電圧にもとづいて、補償パルス電流ISRC、ISINKを調節し、補償電流ICMPをキャリブレートすることができる。
実施の形態にもとづき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
1…DUT、2…試験装置、PG…パターン発生器、TG…タイミング発生器、FC…波形整形器、4…インタフェース回路、DR…ドライバ、10…メイン電源、12…電源補償回路、20…電圧測定部、22…電流調節部、12a…補助電源、12b…ソーススイッチ、12c…シンクスイッチ、P1…電源端子、P2…接地端子、P3…I/O端子。
Claims (13)
- 被試験デバイスを試験する試験装置であって、
前記被試験デバイスの電源端子に電力を供給するメイン電源と、
制御信号に応じて制御されるスイッチ素子を含み、前記スイッチ素子がオンした状態において補償パルス電流を生成し、前記補償パルス電流を前記メイン電源とは別経路から前記電源端子に注入し、または前記メイン電源から前記被試験デバイスへ流れる電源電流から、前記補償パルス電流を前記被試験デバイスとは別経路に引きこむ電源補償回路と、
そのひとつが前記スイッチ素子に割り当てられ、別の少なくともひとつがそれぞれ前記被試験デバイスの少なくともひとつの入出力端子に割り当てられる、複数のドライバと、
それぞれが前記ドライバごとに設けられた複数のインタフェース回路であって、それぞれが入力されたパターン信号を整形して対応するドライバへと出力する、複数のインタフェース回路と、
前記被試験デバイスの入出力端子に割り当てられた前記ドライバが出力すべき試験信号を記述するテストパターンを、そのドライバに対応する前記インタフェース回路に対して出力するとともに、前記スイッチ素子に割り当てられた前記ドライバが出力すべき前記スイッチ素子に対する前記制御信号を記述する制御パターンであって、前記テストパターンに応じてあらかじめ定められた制御パターンを、そのドライバに対応する前記インタフェース回路に対して出力するパターン発生器と、
被試験デバイスごとに実行されるキャリブレーション工程において、前記パターン発生器が前記テストパターンおよび前記制御パターンを出力した状態において、前記電源電圧を測定する電圧測定部と、
前記被試験デバイスごとに測定された前記電源電圧に応じて、キャリブレーション後の試験工程において生成すべき前記補償パルス電流を前記被試験デバイスごとに調節する電流調節部と、
を備えることを特徴とする試験装置。 - 前記制御パターンは、標準的な被試験デバイスに前記試験信号が供給された状態において、その電源端子の電源電圧が一定となるように前記テストパターンに応じてあらかじめ定められており、
前記電流調節部は、前記被試験デバイスごとに測定された電源電圧が一定となるように、前記被試験デバイスごとに前記補償パルス電流を調節することを特徴とする請求項1に記載の試験装置。 - 前記制御パターンは、標準的な被試験デバイスに前記試験信号が供給された状態において、その電源端子の電源電圧に所定の電圧変動が発生するように前記テストパターンに応じてあらかじめ定められており、
前記電流調節部は、前記被試験デバイスごとに測定された電源電圧の変動が、前記所定の電圧変動に近づくように、前記被試験デバイスごとに前記補償パルス電流を調節することを特徴とする請求項1に記載の試験装置。 - 被試験デバイスを試験する試験装置であって、
前記被試験デバイスの電源端子に電力を供給するメイン電源と、
制御信号に応じて制御されるスイッチ素子を含み、前記スイッチ素子がオンした状態において補償パルス電流を生成し、前記補償パルス電流を前記メイン電源とは別経路から前記電源端子に注入し、または前記メイン電源から前記被試験デバイスへ流れる電源電流から、前記補償パルス電流を前記被試験デバイスとは別経路に引きこむ電源補償回路と、
そのひとつが前記スイッチ素子に割り当てられ、別の少なくともひとつがそれぞれ前記被試験デバイスの少なくともひとつの入出力端子に割り当てられる、複数のドライバと、
それぞれが前記ドライバごとに設けられた複数のインタフェース回路であって、それぞれが入力されたパターン信号を整形して対応するドライバへと出力する、複数のインタフェース回路と、
前記被試験デバイスの入出力端子に割り当てられた前記ドライバが出力すべき試験信号を記述するテストパターンを、そのドライバに対応する前記インタフェース回路に対して出力するとともに、前記スイッチ素子に割り当てられた前記ドライバが出力すべき前記スイッチ素子に対する前記制御信号を記述する制御パターンであって、前記テストパターンに応じてあらかじめ定められた制御パターンを、そのドライバに対応する前記インタフェース回路に対して出力するパターン発生器と、
被試験デバイスごとに実行されるキャリブレーション工程において、前記パターン発生器が前記テストパターンを出力した状態において、前記電源電圧を測定する電圧測定部と、
前記被試験デバイスごとに測定された前記電源電圧に応じて、キャリブレーション後の試験工程において生成すべき前記補償パルス電流を前記被試験デバイスごとに調節する電流調節部と、
を備えることを特徴とする試験装置。 - 前記電流調節部は、前記測定された前記電源電圧に応じて、前記補償パルス電流の振幅を調節することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の試験装置。
- 前記スイッチ素子のオンの程度は、前記制御信号の電圧レベルに応じて可変であり、
前記電流調節部は、前記測定された前記電源電圧に応じて、前記ドライバの振幅レベルを調節することを特徴とする請求項5に記載の試験装置。 - 前記電源補償回路は、
可変電圧を生成する補助電源と、
前記補助電源の出力端子と前記電源端子の間に設けられた前記スイッチ素子と、
を含み、
前記電流調節部は、前記測定された前記電源電圧に応じて、前記可変電圧のレベルを調節することを特徴とする請求項5に記載の試験装置。 - 前記電源補償回路は、
補助電源と、
前記補助電源の出力端子と前記電源端子の間に、並列に設けられた複数の前記スイッチ素子と、
を含み、
前記電流調節部は、前記測定された前記電源電圧に応じて、前記制御信号に応じて制御される前記スイッチ素子の個数を調節することを特徴とする請求項5に記載の試験装置。 - 前記電流調節部は、前記測定された前記電源電圧に応じて、前記補償パルス電流のパルス幅を調節することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の試験装置。
- 前記インタフェース回路は、基準パルス幅に応じて定められるタイミングのセットを利用して、前記制御パターンに応じた信号を前記ドライバに出力し、
前記電流調節部は、前記測定された前記電源電圧に応じて、前記基準パルス幅を調節することを特徴とする請求項9に記載の試験装置。 - 前記インタフェース回路は、あらかじめ定められた複数のタイミングのセットのうちのひとつを利用して、前記制御パターンに応じた信号を前記ドライバに出力し、
前記電流調節部は、前記測定された前記電源電圧に応じて、前記タイミングのセットを切りかえることを特徴とする請求項9に記載の試験装置。 - 前記電流調節部は、前記測定された前記電源電圧に応じて、前記補償パルス電流のパルス密度を調節することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の試験装置。
- 前記パターン発生器は、ひとつの前記テストパターンに対して、補償パルス電流の量が異なるように定められた複数の制御パターンが定められており、
前記電流調節部は、前記測定された前記電源電圧に応じて、前記制御パターンを切りかえることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の試験装置。
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Legal Events
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