JP2012077105A - 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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祐一郎 横山
Shogo Sugawara
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Abstract

【課題】密度のバラツキが小さく、各物性のバランス、特に硬度、引張特性及び湿熱圧縮特性に優れるポリウレタンフォームの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリオール(A)と有機イソシアネート成分(Is)とを、発泡剤(B)、触媒(C)及び整泡剤(E)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、エネルギー波を照射しながら(A)と(Is)とを反応させる軟質ポリウレタンフォームの製造方法。(A)としては、下記ポリオール(a)を含有することが好ましい。
ポリオール(a):活性水素含有化合物(H)のアルキレンオキサイド付加物であって、末端に位置する水酸基の5モル%以上が特定の1級水酸基含有基であり、水酸基価xと総不飽和度yとエチレンオキサイド含有量zが特定の関係を満たすポリオキシアルキレンポリオール。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
軟質ポリウレタンフォームを低密度化するために、ウレタンフォームを低密度化しても物性が低下しないよう、ウレタンフォームの高物性化を目的に、ポリオールの不飽和成分量の低減や、末端1級OH比率の向上が図られてきた(例えば特許文献1〜3)。
特許第3076032号 特許第4277541号 特許第4128182号
しかし、ポリオールの品質向上によって得られる物性向上ではポリウレタンフォームの低密度化に限度がある。本発明は、低密度化してもポリウレタンフォームの機械物性が低下しないポリウレタンフォームの製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、ポリオール(A)と有機イソシアネート成分(Is)とを、発泡剤(B)、触媒(C)及び整泡剤(E)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、エネルギー波を照射しながら(A)と(Is)とを反応させることを要旨とする。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は以下の効果を奏する。
(1)本発明で製造されたポリウレタンフォームは、密度のバラツキが小さく高硬度であり、かつ一般的に硬度と相反する引張特性(伸び)及び湿熱圧縮特性も良好である。
製造例1及び3の工程フローを示す図である。 実施例における発振機及び振動子の発泡容器に対する設置態様を示す図である。
本発明はポリオール(A)を含有してなるポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、エネルギー波を照射しながら反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法である。
ポリオール(A)は公知のポリオール{特開2005−162791号公報、特開2004−018543号公報、特開2004−002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの}を使用できる。
ポリオール(A)の具体例としては、後述の活性水素含有化合物(H)にアルキレンオキサイド(以下、AOと略す)を付加した構造の化合物及びこれらの混合物が挙げられる。これらのうちポリウレタンフォームの機械物性の観点から好ましいのは、多価アルコールのAO付加物である。
ポリオール(A)の数平均分子量(以下、Mnと略す)は、ポリウレタンフォームの機械物性及び取り扱い性(粘度)の観点から、500〜20,000が好ましく、さらに好ましくは1,200〜15,000、特に好ましくは2,000〜9,000である。
活性水素化合物(H)としては、2〜8価又はそれ以上の多価水酸基含有化合物、多価活性水素を有するアミノ基含有化合物、多価カルボキシル基含有化合物、多価チオール基含有化合物、多価活性水素を有するリン酸化合物;及び分子内に2種以上の活性水素含有官能基を有する化合物;並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
多価水酸基含有化合物としては、水、2〜8価の多価アルコール及び多価フェノール等が挙げられる。具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等の2価アルコール;グリセリン及びトリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリト―ル、ソルビト―ル及びショ糖等の4〜8価のアルコ―ル;ピロガロ―ル、カテコール及びヒドロキノン等の多価フェノ―ル;ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノ―ル;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
多価活性水素を有するアミノ基含有化合物としては、アミン、ポリアミン、アミノアルコール等が挙げられる。具体的には、アンモニア;炭素数(以下、Cと略記する)1〜20のアルキルアミン(ブチルアミン等)及びアニリン等のモノアミン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等の複素環式ポリアミン;ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等の芳香族ポリアミン;モノエタノ―ルアミン、ジエタノ―ルアミン及びトリエタノ―ルアミン等のアルカノ―ルアミン;ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリアミン;ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1−シアノグアニジン等);ジシアンジアミド等;並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
多価カルボキシル基含有化合物としては、コハク酸及びアジピン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸及びトリメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸;アクリル酸の(共)重合物等のポリカルボン酸重合体(官能基数2〜100)等が挙げられる。
多価チオール基含有化合物としては、ポリチオール化合物が含まれ、2〜8価の多価チオールが挙げられる。具体的にはエチレンジチオール及び1、6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
多価活性水素を有するリン酸化合物としては燐酸、亜燐酸及びホスホン酸等が挙げられる。
これらの活性水素含有化合物(H)のうち、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から、多価水酸基含有化合物及び多価活性水素を有するアミノ基含有化合物が好ましく、特に好ましくは、水、多価アルコール及びアミンである。
活性水素含有化合物の活性水素当量は、得られるポリウレタンフォームの機械物性の観点から、20〜300が好ましい。
活性水素含有化合物(H)に付加させるAOとしては、C2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド及び1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から、PO及びEOが好ましい。AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
AOとしては、C3以上の1,2−AOとEOとのみからなるものが好ましいが、これらに加えてこれら以外のAOを少割合(例えば全AOの重量を基準として5重量%以下)で含んでいてもよい。用いるAO中の、C3以上の1,2−AOの含量は、得られるポリウレタンフォームの湿熱圧縮特性の観点から、全AOの重量を基準として50重量%以上が好ましく、さらに好ましくは70重量%以上である。
ポリウレタンフォームを低密度化した上で機械物性を維持するためには、使用するポリオール(A)として活性水素含有化合物(H)のAO付加物であって、末端に位置する水酸基の5%以上が下記一般式(I)で表される1級水酸基含有基であり、水酸基価xと総不飽和度yとエチレンオキサイド含有量zが下記数式(1)の関係を満たすポリオール(a)を含有していることが望ましい。
ポリオール(A)中のポリオール(a)の含有量は、機械物性の観点から、ポリオール(A)の重量を基準として、20重量%以上が好ましく、さらに好ましくは30〜100重量%、次にさらに好ましくは50〜100重量%以上である。
Figure 2012077105
y≦28.3×x-2×(100−z)/100 (1)
上記数式(1)において、xの範囲は、5〜280mgKOH/gが好ましく、さらに好ましくは10〜115mgKOH/g、特に好ましくは25〜75mgKOH/gである。xが5mgKOH/g以上であれば、ポリオキシアルキレンポリオールの粘度が低いため取り扱いが容易であり、280mgKOH/g以下であれば、合成したポリウレタンフォームの引張特性が良い。なお、xはJISK−1557−1により求められる。
yは、ポリオキシアルキレンポリオールの総不飽和度(meq/g)であり、JISK−1557−3により求められる。
yの範囲は、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から、0〜0.04が好ましく、さらに好ましくは0〜0.02、特に好ましくは0〜0.01である。
またzは、ポリオール(a)の重量を基準とするエチレンオキサイド含有量である。zの範囲は、ポリウレタンフォームの湿熱圧縮特性の観点から、0〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜25重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
なお、数式(1)は、水酸基価xを水酸基当量wでも表すことができ、その場合、水酸基当量wと総不飽和度yとエチレンオキサイド含有量zは数式(2)の関係を満たす。なお水酸基当量wは、ポリオール(a)の数平均分子量を、(a)の数平均水酸基数で除した値である。
y≦(9.0×10-9)×w2×(100−z)/100 (2)
ポリオール(a)の数平均分子量(以下、Mnと略す)は、ポリウレタンフォームの機械物性及びポリオール(A)の取り扱い性(粘度)の観点から、500〜20,000が好ましく、さらに好ましくは1,200〜15,000、特に好ましくは2,000〜10,000である。
前述したように、ポリオール(a)の水酸基価xと総不飽和度yとエチレンオキサイド含有量zとの関係は、数式(1)の関係を満たす。
y≦28.3×x-2×(100−z)/100 (1)
このポリオール(a)は、イソシアネートとの十分な反応性及び疎水性を持つという特徴がある。この(a)を用いて得られるポリウレタンフォームは、製造時の反応性が高く、樹脂の機械物性(硬度、伸び、引張強度)と湿熱圧縮特性(湿熱圧縮残留歪み)が良好となる。
(a)は、更に好ましくは、数式(3)の関係を満たす。
y≦18.9×x-2×(100−z)/100 (3)
数式(3)を満たす(a)は、数式(1)を満たすときに比べて不飽和モノオール量が低減されており、このようなポリオキシアルキレンポリオールを用いて製造したポリウレタンフォームの機械物性は更に向上する。
ポリオール(a)の合成時に使用されるAOとしては、C3以上の1,2−AOとEOとのみからなるものが好ましいが、これらに加えてこれら以外のAOを少割合(例えば全AOの重量を基準として5重量%以下)で含んでいてもよい。用いるAO中の、C3以上の1,2−AOの含量は、得られるポリウレタンフォームの湿熱圧縮特性の観点から、全AOの重量を基準として50重量%以上が好ましく、さらに好ましくは70重量%以上である。
ポリオール(a)に使用される活性水素含有化合物(H)は上述した(H)のAO付加物が含まれるが、下記一般式(II)で表されるポリオキシアルキレンポリオールが好ましい。
Figure 2012077105
一般式(II)中、R2は、活性水素含有化合物(H)からm個の活性水素を除いたm価の基である。mは(H)が有する活性水素の数であり、2〜100の数である。
mは、ポリオールの粘度及びポリウレタンフォームの機械物性の観点から、50以下が好ましく、さらに好ましくは10以下である。
上記一般式(II)中、Zは下記一般式(III)又は(IV)で表されるC2〜12のアルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。アルキレン基又はシクロアルキレン基は、ハロゲン原子又はアリール基で置換されていてもよい。
Figure 2012077105
Figure 2012077105
一般式(III)及び(IV)中、R3は水素原子、又はC1〜10のアルキル基、シクロアルキル基若しくはフェニル基を表す。アルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基は、ハロゲン原子又はアリール基で置換されていてもよい。
Zとしては、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、クロロプロピレン基、フェニルエチレン基、1,2−シクロへキシレン基等及びこれらの2種以上の併用が挙げられ、これらのうちポリオール(a)の生産性の観点から、プロピレン基、ブチレン基及びエチレン基が好ましい。得られるポリオール(a)の疎水性の確保を考慮に入れる場合は、プロピレン基、ブチレン基等を使用するか、又はエチレン基と他のアルキレン基とを併用すればよい。
上記一般式(II)中、Aは下記一般式(V)又は(VI)で表されるC3〜12のアルキレン基又はシクロアルキレン基である。アルキレン基又はシクロアルキレン基は、ハロゲン原子又はアリール基で置換されていてもよい。
Figure 2012077105
Figure 2012077105
一般式(V)及び(VI)中、R4はC1〜10のアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基を表す。アルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基は、ハロゲン原子又はアリール基で置換されていてもよい。
Aとしては、具体的には、プロピレン基、ブチレン基、クロロプロピレン基、フェニルエチレン基、1,2−シクロへキシレン基及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。これらのうち、ポリオール(a)の生産性の観点から、プロピレン基及びブチレン基が好ましい。
複数のZ又はAがある場合、それぞれは同一でも異なっていてもよい。
一般式(II)において、p及びrは0又は1〜200の整数である。qは1〜200の整数である。
ポリオール(a)の粘度の観点から、p+q+rは1〜400の整数が好ましく、さらに好ましくは200以下である。
一般式(II)で表されるもののうち、特にrが0であるものは、ポリオール(a)の末端部分にEOが付加されていないことを表す。
一般式(II)で表されるもののうち、一般式(II)中の(AO)qの部分のうち、末端に位置するAの構造の5%以上が、一般式(VI)で表される構造であることが好ましく、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは65%以上である。この範囲であると、数式(1)の関係を満たしやすくなる。
ポリオール(a)は、末端に位置する水酸基の5%以上が上記一般式(I)で表される1級水酸基含有基である。
例えば、(a)が上記一般式(II)で表される場合、末端に位置する水酸基含有基としては、上記一般式(I)で表される1級水酸基含有基と、r=0の時に見られる下記一般式(VII)で表される2級水酸基含有基の2種類が考えられるが、(a)は上記一般式(II)中のrの値に関係なく、末端に位置する水酸基の5%以上が上記一般式(I)で表される1級水酸基含有基である。
(a)において、その末端の全水酸基に対して、上記一般式(I)で表される1級水酸基含有基が占める比率(これを本明細書中、1級水酸基率とする。以下において同様である)は、(a)の全末端水酸基の量を基準として5%以上であり、(a)の反応性の観点から、好ましくは60%以上、さらに好ましくは65%以上である。1級水酸基率が5%未満の場合には、ポリオール成分としての反応性が不十分である。
Figure 2012077105
上記の一般式(I)中のR1は水素原子又はC1〜12のアルキル基、シクロアルキル基若しくはフェニル基を表し、アルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基は、ハロゲン原子又はアリール基で置換されていてもよい。一般式(VII)中のR5はC1〜12のアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基を表し、アルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基は、ハロゲン原子又はアリール基で置換されていてもよい。
1として、具体的には、水素原子;メチル基、エチル基及びプロピル基等の直鎖アルキル基;イソプロピル基等の分岐アルキル基;フェニル基及びp−メチルフェニル基等の置換フェニル基;クロロメチル基、ブロモメチル基、クロロエチル基及びブロモエチル基等の置換アルキル基;p−クロロフェニル基及びp−ブロモフェニル基等の置換フェニル基;シクロヘキシル基等の環状アルキル基等;並びにこれらの2種以上の併用が挙げられる。R5として、具体的には、R1のうち、水素原子を除いたものが挙げられる。
本発明において、1級水酸基率は、予め試料をエステル化の前処理した後に、1H−NMR法により測定し、算出する。
1級水酸基率の測定方法を以下に具体的に説明する。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とする。上記重水素化溶媒としては、例えば、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド及び重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
<1級水酸基率の計算方法>
上に述べた前処理の方法により、ポリオールの末端の水酸基は、添加した無水トリフルオロ酢酸と反応してトリフルオロ酢酸エステルとなる。その結果、1級水酸基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される(重水素化クロロホルムを溶媒として使用)。1級水酸基率は次の計算式により算出する。
1級水酸基率(%)=[a/(a+2×b)]×100
但し、式中、aは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値;bは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値である。
ポリオール(A)及び(a)の具体例としては、水のEO付加物、水のPO付加物、グリセリンのEO付加物、グリセリンのPO付加物、水のEO・PO共重合付加物、水のPO・ブチレンオキサイド共重合付加物、グリセリンのEO・PO共重合付加物、水のEO・PO・ブチレンオキサイドの共重合付加物及びグリセリンのEO・PO・ブチレンオキサイドの共重合付加物等が挙げられる。
ポリオール(A)は下記一般式(VIII)で表される活性水素含有化合物(J)と表され、通常知られている方法で製造することができるポリオールが含まれる。例えば活性水素含有化合物(H)にC2〜12のAOを開環付加重合することにより製造でき、この重合の触媒は特に限定されない。
ポリオール(a)は、(J)にC3〜12のAOを触媒(D)の存在下で開環付加重合させ下記一般式(IX)で表される活性水素化合物(K)とすることで得ることができる。また、必要により、その後、(K)の末端にEOを(好ましくは0〜50重量%)開環付加重合してもよい。(K)にEOを開環付加重する際の方法は通常知られている条件で良く、特に触媒は限定されない。EOを(K)の末端に付加重合しない場合は、(K)が(a)であり、得られた(a)の水酸基価xと総不飽和度yが数式(1)の関係を満たしていればよい。
Figure 2012077105
Figure 2012077105
一般式(VIII)中、R2、Z、p、mは、一般式(II)と同じであり、上述のものを同様に例示することができる。
一般式(IX)中、R2、Z、A、p、q、mは、一般式(II)と同じであり、上述の物を同様に例示することができる。
活性水素含有化合物(K)としては上記活性水素含有化合物(J)にC3〜12のAOを付加重合して得られる化合物が挙げられる。ポリオール(a)を得られやすいことから、この付加重合で用いられる触媒は下記触媒(D)であることが好ましい。
例えば(K)は、(J)へのPO、ブチレンオキサイド等の付加物が挙げられる。
触媒(D)としては、具体的にはトリフェニルボラン、ジフェニル−t−ブチルボラン、トリ(t−ブチル)ボラン、トリフェニルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが挙げられる。
活性水素含有化合物(J)に、触媒(D)の存在下で、AOを付加させて、活性水素化合物(K)を得る際の付加させるAOの付加モル数は、活性水素含有化合物(J)の活性水素当たり、1モル〜200モルが好ましく、さらに好ましくは1〜100モルであり、製造する開環重合体の分子量とその用途により適宜選択する。
触媒(D)の使用量は特に限定されないが、製造する開環重合体に対して0.0001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.0005〜1重量%である。
活性水素含有化合物(J)に、触媒(D)の存在下で、AOを付加させて、前述の一般式(IX)で表される活性水素化合物(K)を得る際、圧力0.1MPaにおける沸点が150℃以下の副生低沸点化合物(t)を連続的又は断続的に除去することが、前述の数式(1)を満たすポリオール(a)が得られやすく、好ましい。除去する方法は、通常知られているいずれの方法で実施してもよい。例えば、(t)を反応混合物から加熱及び/又は減圧して除去する方法、反応槽内の気相を気相循環ポンプを用いて反応槽から抜き出し(t)を吸着剤で除去する方法、反応槽内の気相を気相循環ポンプを用いて反応槽から抜き出し(t)を触媒を用いて反応させて高沸点化合物として分離する方法、反応槽内の気相を気相循環ポンプを用いて反応槽から抜き出し(t)を蒸留により分離する方法等がある。
圧力0.1MPaにおける沸点が150℃以下の副生低沸点化合物(t)の具体例としては、ホルムアルデヒド(沸点−19℃)、アセトアルデヒド(沸点20℃)、プロピオンアルデヒド(沸点48℃)及びアリルアルコールにAOが0〜2モル付加した化合物等が挙げられる。(t)は、AOを付加する際に、ポリオール(a)の重量を基準として、0.0001〜10重量%発生する場合が多い。
AOを活性水素含有化合物(J)に付加させる際には、活性水素含有化合物(J)とAOと触媒(D)の3種類を一括で仕込んで反応させてもよいし、活性水素含有化合物(J)と触媒(D)との混合物にAOを滴下して反応させてもよいし、あるいは活性水素含有化合物(J)にAOと触媒(D)とを滴下して反応しても良い。反応温度の制御の観点から、活性水素含有化合物(J)と触媒(D)との混合物にAOを滴下する、あるいは、活性水素含有化合物(J)にAOと触媒(D)とを滴下する方法が好ましい。
活性水素含有化合物(J)にAOを付加させる際の反応温度は、0℃〜250℃が好ましく、さらに好ましくは20℃〜180℃である。
製造された活性水素含有化合物(K)にEOを付加重合しない場合に得られるポリオール(a)は触媒(D)を含んでいるが、その用途により必要に応じて、触媒(D)の分解及び/又は除去処理を実施する。
分解方法としては、水及び/又はアルコール化合物、必要によりアルカリ化合物やアミン化合物等の塩基性物質を加える方法がある。アルコール化合物としては前述の多価アルコール及び/又は多価フェノールを用いることができる。また、アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、ブタノール及びオクタノール等の1価のアルコールや、フェノール及びクレゾール等のフェノールを用いることもできる。アルカリ化合物としてはアルカリ金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化セシウム等)、アルカリ金属アルコラート(カリウムメチラート、ナトリウムメチラート等)及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。これらのうち、生産性の観点から、アルカリ金属水酸化物が好ましい。アミン化合物としては前述した多価活性水素を有するアミノ基含有化合物から選ばれる1種以上を用いることができる。分解に際して、分解温度は、10℃〜180℃が好ましく、さらに好ましくは80〜150℃である。分解は密閉状態で行ってもよく、真空源に接続して排気しながら行ってもよく、あるいは水又はアルコール化合物を連続して添加しながら行ってもよい。添加する水又はアルコール化合物は、液体の状態で添加してもよく、蒸気あるいは固体状態で添加してもよい。水及び/又はアルコール化合物の使用量は、付加生成物の重量を基準として、0.1〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜20重量%である。アルカリ化合物やアミン化合物の使用量は、付加生成物の重量を基準として、0.1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.3〜2重量%である。
除去方法としては、通常知られているいずれの方法で実施してもよい。例えば、ハイドロタルサイト系吸着剤{キョーワード500、キョーワード1000及びキョーワード2000等(いずれも協和化学工業社製)}や珪藻土等のろ過助剤{ラヂオライト600、ラヂオライト800及びラヂオライト900(いずれも昭和化学工業社製)}等を用いることができる。ろ過は、加圧ろ過、減圧ろ過のどちらでもよいが、酸素の混入を防止しやすいので加圧ろ過が好ましい。フィルターの材質は特に限定されない。例えば、紙、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、アクリル及びメタアラミド等が挙げられ、紙が好ましい。また、フィルターの保留粒子径は0.1〜10μmのものが好ましく。さらに1〜5μmのものが好ましい。
本発明に用いるポリオール(A)は、2種以上を併用してもよい。(A)の1分子当たりの平均官能基数は、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から、2〜6が好ましく、さらに好ましくは2.5〜4.5である。
ポリオール(A)として、ポリマーポリオールを使用することもできる。ポリマーポリオールとしては、特開2005−162791号公報、特開2004−263192号公報(対応米国特許出願:US2003/4217 A1)、特開2008−274245号公報等記載のポリマーポリオールが使用できる。
ポリオール(A)以外に、必要により難燃剤を添加してもよい。難燃剤としては、種々の難燃剤(特開2005−162791号公報に記載のものや、リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステル、メラミン、ホスファゼン等)が使用できる。ポリオール成分の取り扱い性の観点から、低粘度(100mPa・s以下/25℃)の難燃剤が好ましく、さらに好ましいのはハロゲン化リン酸エステルの内、トリス(クロロエチル)ホスフェート及びトリス(クロロプロピル)ホスフェートである。
難燃剤の使用量は、ポリウレタンフォームの難燃性及び得られるポリウレタンフォームの機械物性の観点から、ポリオール(A)及び有機イソシアネート成分(Is)の合計重量に基づいて、10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜8重量%、特に好ましくは0.05〜5重量%である。
ポリウレタンフォーム製造時に使用する発泡剤(B)としては水、HFC(ハイドロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、メチレンクロライド及び特開2006−152188号公報、特開2004−263192号公報(対応米国特許出願:US2003/4217 A1)に記載のものが挙げられる。発泡剤の使用量はポリウレタンフォームの所望の密度により変えることができ、特に限定はされないが、ポリオール(A)及び有機イソシアネート成分(Is)の合計重量に基づいて、20重量%以下が好ましい。
有機イソシアネート成分(Is)としては、従来からポリウレタンフォームの製造に使用されている公知のポリイソシアネート{特開2005−162791号公報、特開2004−263192号公報(対応米国特許出願:US2003/4217 A1)に記載のもの}が使用できる。
これらのうちでポリウレタンフォームの機械物性の観点から、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI(TDIを精製した際の残留物);4,4'−及び2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI(MDIを精製した際の残留物)が好ましい。
ポリウレタンフォームの製造におけるNCO指数[NCO基と活性水素原子との当量比(NCO基/活性水素原子)×100]は、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から適宜調整することができるが、80〜140が好ましく、さらに好ましくは85〜120、特に好ましくは95〜115である。
ポリウレタンフォームの製造に際しては反応を促進させるため、ウレタン化反応に使用される種々の触媒(C){特開2005−162791号公報、特開2004−263192号公報(対応米国特許出願:US2003/4217 A1)に記載のもの}を使用することができる。触媒(C)の使用量は、ポリオール組成物及びイソシアネート組成物の合計重量に基づいて10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.001〜5重量%である。
ポリウレタンフォームを製造に際し、整泡剤(E)を使用する。整泡剤(E)としては特開2005−162791号公報、特開2004−263192号公報(対応米国特許出願:US2003/4217 A1)等に記載のものが挙げられ、ポリウレタンフォーム中のセル径の均一性の観点から、シリコーン界面活性剤(例えばポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)が好ましい。
整泡剤(E)の使用量は、ポリオール(A)及び有機イソシアネート成分(Is)の合計重量に基づいて、5重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜2重量%である。
ポリウレタンフォームの製造において、必要により反応遅延剤、着色剤、内部離型剤、老化防止剤、抗酸化剤、可塑剤、殺菌剤及び充填剤(カーボンブラックを含む)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を使用できる。
軟質ポリウレタンフォームの製造は、例えば、特開2005−162791号公報、特開2004−263192号公報(対応米国特許出願:US2003/4217 A1)に記載の方法で行うことができ、ワンショット法、セミプレポリマー法及びプレポリマー法等が挙げられる。
ポリウレタンフォームの製造には従来から用いられている製造装置(低圧あるいは高圧の機械装置等)を使用できる。無溶媒の場合は、ニーダーやエクストルーダー等の装置を使用でき、モールドは閉鎖モールド又は開放モールドを使用できる。
本発明は、ポリオール(A)と有機イソシアネート成分(Is)、発泡剤(B)、触媒(C)、整泡剤(E)、及びその他助剤の混合物に、エネルギー波を照射することで(A)と(Is)との反応を効率的に進行させ、高物性のウレタンフォームを得ることが可能となるものである。
ポリウレタンフォーム成形時に照射するエネルギー波は、ポリウレタンフォームの成形性及び機械物性向上の観点から、超音波であることが好ましい。超音波を使用する場合、照射する超音波の周波数はポリウレタンフォームの物性及び成形性の観点から、20k〜1MHzを用いることが好ましく、さらに好ましくは20k〜100kHzである。
また、超音波を照射する際の強度は、反応容器の体積当たり1〜100W/Lであることが、フォーム成形性の観点から好ましい。
超音波の照射する方法は、必要により反応容器の底部に振動板を装着し、、反応容器の底部又は装着した振動板に超音波振動子を装着し、この振動子から超音波を反応容器に照射させながら反応させる方法が挙げられる。超音波の照射は連続的でも、断続的でも良い。超音波の周波数は、振動子によって決まるため、異なる種々の周波数の超音波を照射するには、異なる周波数を持つ振動子をあらかじめ複数配置しておく必要がある。
超音波の届きにくい部分を少なくするために振動子の形状は反応容器と類似した形であることが好ましく、反応容器が円板形であれば振動子形状は円筒形、反応容器が長方形であれば長方形とすることが好ましい。振動子自体の大きさは反応容器内底面積に可及的に近い面積であることが好ましい。
また、振動子は、反応容器の内部に配置することもできるし、反応容器の外壁に添設して配置することもできる。振動子の配置は、反応容器の底面が好ましい。側面等にも設置可能であるが、ウレタンフォームの成形状態から、振動子を底面に設置する状態がエネルギー伝達効率に最も優れる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
実施例及び比較例に使用した原料の組成、記号等は次のとおりである。
(1)イソシアネート
TDI−80:商品名「コロネートT−80」(トリレンジイソシアネート)〔日本ポリウレタン工業(株)製〕
(2)触媒
触媒−1:商品名「ネオスタンU−28」(オクチル酸第1スズ)〔日東化成(株)製〕
触媒−2:商品名「TOYOCAT ET」(ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70重量%ジプロピレングリコール溶液)〔東ソー(株)製〕
触媒−3:商品名「DABCO−33LV」(トリエチレンジアミンの33重量%ジプロピレングリコール溶液)〔エアプロダクツジャパン(株)製〕
(3)整泡剤
商品名「L−540」〔東レ・ダウコーニング(株)製〕
(4)発泡剤
発泡剤−1:水
発泡剤−2:塩化メチレン
(5)ポリオール
POL:商品名「サンニックス GP−3000」(水酸基価56、グリセリンのPO付加物、末端1級水酸基化率=2モル%)〔三洋化成工業(株)製〕
(6)ポリマーポリオール
POP:商品名「アルティフロー FS−7202」〔三洋化成工業(株)製〕。グリセリンにPO/EOをランダムに付加させた、水酸基価=32、EO単位含量=5重量%、末端1級化率=2モル%のポリオールに、体積平均粒径0.6μmの重合体(アクリロニトリル/スチレン=30/70重量%)粒子を40重量%含有するポリマーポリオール。
製造例及び実施例における測定、評価方法は次のとおりである。
<ポリウレタンフォームの物性評価方法>
(1)コア密度(kg/m3):JIS K6400に準拠
(2)密度のバラツキ:フォームの中央部(フォーム底を基準に、高さ65〜500mmの間)の密度に対する底部(フォーム底を基準に、高さ15〜65mmの間)の密度比
(3)通気性(cc/cm/sec):JIS L1004に準拠
(4)25%ILD(硬度)(kgf/314cm2):JIS K6400に準拠
(5)引張強度(kgf/cm2):JIS K6400に準拠
(6)引裂き強度(kgf/cm):JIS K6400に準拠
(7)伸び(%):JIS K6400に準拠
(8)圧縮残留歪率(%):JIS K6400に準拠
(9)湿熱圧縮残留歪率(%):JIS K6400に準拠
製造例1 [ポリオール(1)の製造]
図1に示した態様のように、容量2500mlの撹拌装置、温度制御装置及び原料供給ライン(5)を備えたステンレス製オートクレーブ{反応槽(1)}、酸化マグネシウム(顆粒、直径2〜0.1mm)を充填した反応塔(2)(ステンレス製円筒管、内径5.5cm、長さ30cmを2基使用)及び蒸留塔(3)(理論段数30段、ステンレス製円筒管、内径5.5cm、長さ2m)を、循環ライン(6)、(7)及び(8)で接続した。
反応槽(1)に、グリセリンのPO付加物(水酸基価280)400gとトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.09gとを仕込んだ後、反応槽(1)と反応塔(2)並びに循環ライン(6)、(7)及び(8)内を0.005MPaまで減圧とした。原料供給ライン(5)を通じてPOを反応温度が50〜60℃を保つように制御しながら連続的に液相に投入しつつ、ダイアフラムポンプを用いて反応槽(1)内の気相を5L/minの流量で、反応槽(1)→循環ライン(6)→反応塔(2)→循環ライン(7)→蒸留塔(3)→循環ライン(8)→反応槽(1)の順に循環させた。反応塔(2)を75℃、0.08〜0.15MPaとなるように制御しながら副生低沸点化合物を連続的に酸化マグネシウムと接触させて高沸点化合物とし、蒸留塔(3)にてPOと分離して系外に除去した。分離した高沸点化合物は蒸留塔(3)の釜下ライン(4)から抜き取った。オートクレーブ内液量が2000mlとなった時点でPOの投入を停止、気相循環を終了し、70℃で4時間熟成し、水を170g加え130〜140℃で1時間加熱した。その後、水を2時間かけて常圧留去した後、スチームを通入しながら圧力を30〜50torrに保ちながら残りの水を減圧留去し、液状のグリセリンPO付加物(1)を得た。
なお、原料として用いたグリセリンのPO付加物は既知の方法で合成されたものであり、水酸化カリウムを触媒としてグリセリンにプロピレンオキサイドを所定量付加した後、触媒除去のため、水と合成珪酸塩(協和化学社製 キョーワード600)を加えて加熱処理後、ろ過、減圧脱水したものである。
製造例2 [ポリオール(2)の製造]
〔第1工程〕撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、グリセリン80g及び水酸化カリウム5.0gを投入し、PO1920gを反応温度90〜110℃で12時間かけて滴下した後、100℃で6時間熟成した。60℃に冷却した後、合成珪酸塩(キョーワード600、協和化学製)20g及び水14gを投入し90℃で1時間処理し、1μmのフィルターでろ過した後、減圧脱水し、ポリオール中間体(S−1)を得た。
〔第2工程〕撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに(S−1)1530g、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン2.0g及びPO470gを仕込み反応温度が65〜75℃を保つように制御しながら、10時間かけて滴下した後、70℃で5時間熟成し、水を140g加え130〜140℃で1時間加熱した。その後、水を2時間かけて常圧留去した後、スチームを通入しながら圧力を30〜50torrに保ちながら残りの水を減圧留去し、液状のポリオール(2)を得た。
製造例3 [ポリオール(3)の製造]
図1に示した態様のように、容量2500mlの撹拌装置、温度制御装置及び原料供給ライン(5)を備えたステンレス製オートクレーブ{反応槽(1)}、酸化マグネシウム(顆粒、直径2〜0.1mm)を充填した反応塔(2)(ステンレス製円筒管、内径5.5cm、長さ30cmを2基使用)及び蒸留塔(3)(理論段数30段、ステンレス製円筒管、内径5.5cm、長さ2m)を、循環ライン(6)、(7)及び(8)で接続した。
反応槽(1)に、グリセリンのPO付加物(水酸基価280)400gとトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.09gとを仕込んだ後、反応槽(1)と反応塔(2)並びに循環ライン(6)、(7)及び(8)内を0.005MPaまで減圧とした。原料供給ライン(5)を通じてPOを反応温度が50〜60℃を保つように制御しながら連続的に液相に投入しつつ、ダイアフラムポンプを用いて反応槽(1)内の気相を5L/minの流量で、反応槽(1)→循環ライン(6)→反応塔(2)→循環ライン(7)→蒸留塔(3)→循環ライン(8)→反応槽(1)の順に循環させた。反応塔(2)を75℃、0.08〜0.15MPaとなるように制御しながら副生低沸点化合物を連続的に酸化マグネシウムと接触させて高沸点化合物とし、蒸留塔(3)にてPOと分離して系外に除去した。分離した高沸点化合物は蒸留塔(3)の釜下ライン(4)から抜き取った。オートクレーブ内液量が1920mlとなった時点でPOの投入を停止、気相循環を終了し、70℃で4時間熟成し、水を170g加え130〜140℃で1時間加熱した。その後、水を2時間かけて常圧留去した後、水酸化カリウム2gを加え130〜140℃にてスチームを通入しながら圧力を30〜50torrに保ちながら残りの水を減圧留去した。引き続き、原料供給ライン(5)を通じてEO80gを反応温度が130〜140℃を保つように制御しながら2時間かけて投入した後、2時間熟成した。90℃まで冷却した後、12gのキョーワード600(協和化学社製;合成珪酸塩)と水40gを加え1時間処理した。オートクレーブより取り出した後、1ミクロンのろ紙を用いてろ過した後、減圧脱水し、液状のグリセリンPOEO付加物(3)を得た。
なお、原料として用いたグリセリンのPO付加物は既知の方法で合成されたものであり、水酸化カリウムを触媒としてグリセリンにプロピレンオキサイドを所定量付加した後、触媒除去のため、水と合成珪酸塩(協和化学社製 キョーワード600)を加えて加熱処理後、ろ過、減圧脱水したものである。
製造例4 [ポリオール(4)の製造]
〔第1工程〕撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、グリセリン84g及び水酸化カリウム5.0gを投入し、PO1916gを反応温度90〜110℃で12時間かけて滴下した後、100℃で6時間熟成した。90℃に冷却した後、合成珪酸塩(キョーワード600、協和化学製)20g及び水14gを投入し90℃で1時間処理し、1μmのフィルターでろ過した後、減圧脱水し、ポリオール中間体(S−21)を得た。
〔第2工程〕撹拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに(S−21)1450g、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン2.0g及びPO470gを仕込み反応温度が65〜75℃を保つように制御しながら、10時間かけて滴下した後、70℃で5時間熟成し、水を140g加え130〜140℃で1時間加熱した。その後、水酸化カリウム3.0gを投入し、水を2時間かけて常圧留去した後、スチームを通入しながら圧力を30〜50torrに保ちながら残りの水を減圧留去した。引き続きEOを80gを反応温度が125〜135℃を保つように制御しながら、3時間かけて滴下した後、130℃で2時間熟成した。90℃に冷却した後、合成珪酸塩(キョーワード600、協和化学製)20g及び水14gを投入し90℃で1時間処理し、1μmのフィルターでろ過した後、減圧脱水し、液状のポリオール(4)を得た。
製造例1〜4で得られたポリオールについて、ポリオールの性状等を表1に示した。
Figure 2012077105
実施例1〜9及び比較例1〜9[ポリウレタンフォームの製造]
製造例1〜4で得られたポリオール(1)〜(4)並びにポリオール(POL)、及びポリマーポリオール(POP)を使用し、表2、3、4に記載の配合比で、以下に示す発泡処方によりポリウレタンフォームを製造した。これらのフォームの物性を下記の方法により評価した。結果を表2、3、4に示す。
<発泡処方>
〔1〕ポリオール、ポリマーポリオール、整泡剤、触媒、発泡剤を仕込み25℃±2℃で撹拌混合し、発泡剤含有ポリオール組成物を得た。
〔2〕次いで、〔1〕で得たポリオール組成物とイソシアネートを8秒間攪拌した後、発泡容器(サイズ200mm×200mm×400(高さ)mmの天空き箱)内に投入し、28kHzの超音波をライズ終了まで照射しつつ発泡させ、ポリウレタンフォームを得た。
なお、超音波の照射は図2で示される態様のように発振機としての10をつないだ振動子11を発泡容器12の底面に設置し、超音波がフォーム原料の混合物に効率よく照射されるように行った。超音波は500Wの出力で照射した。
また、比較例では超音波の照射を行わない以外は実施例と同様の操作でポリウレタンフォームを得た。
Figure 2012077105
Figure 2012077105
Figure 2012077105
表2〜4の結果から、本発明の製造方法を用いて製造したポリウレタンフォームは、比較例に比べて、密度が同等であるにもかかわらず、25%ILD、引張強度、圧縮残留歪率、湿熱圧縮残留歪率及び密度バラツキの全ての項目において、優れた結果となっている。
なお、通常ポリウレタンフォームの物性としては、25%ILD、引張強度及び伸びは数値が大きいほど、湿熱圧縮残留歪は数値が小さいほど、密度バラツキは数値が1に近いほど良好であることを表す。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、ポリウレタンフォーム(軟質、硬質、半硬質フォーム等)の各物性をバランス良く調整でき、得られるポリウレタンフォームは、各種の幅広い用途に使用され、特に自動車内装部品や家具の室内調度品等に好適に用いられる。
1 反応槽
2 反応塔
3 蒸留塔
4 釜下ライン
5 原料供給ライン
6 循環ライン
7 循環ライン
8 循環ライン
10 発振機
11 振動子
12 発泡容器

Claims (4)

  1. ポリオール(A)と有機イソシアネート成分(Is)とを、発泡剤(B)、触媒(C)及び整泡剤(E)の存在下に反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法において、エネルギー波を照射しながら(A)と(Is)とを反応させる軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. ポリオール(A)が下記ポリオール(a)を含有する請求項1に記載の製造方法。
    ポリオール(a):活性水素含有化合物(H)のアルキレンオキサイド付加物であって、末端に位置する水酸基の5モル%以上が下記一般式(I)で表される1級水酸基含有基であり、水酸基価xと総不飽和度yとエチレンオキサイド含有量zが数式(1)の関係を満たすポリオキシアルキレンポリオール。
    Figure 2012077105
    [一般式(I)中、R1は、水素原子、又は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基若しくはフェニル基を表す。アルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基は、ハロゲン原子又はアリール基で置換されていてもよい。]
    y≦28.3×x-2×(100−z)/100 (1)
    [数式(1)中、xは単位mgKOH/gで表される水酸基価、yは単位meq/gで表される総不飽和度を表す。zは、(a)の重量を基準とするエチレンオキサイド含有量であり、0〜50重量%である。]
  3. ポリオール(a)が下記一般式(II)で表されるポリオールである請求項1又は2に記載の製造方法。
    Figure 2012077105
    [一般式(II)中、R2は、活性水素含有化合物(H)からm個の活性水素を除いたm価の基;Zは下記一般式(III)又は(IV)で表される炭素数2〜12のアルキレン基又はシクロアルキレン基である。アルキレン基又はシクロアルキレン基は、ハロゲン原子又はアリール基で置換されていてもよい。;Aは下記一般式(V)又は(VI)で表される炭素数3〜12のアルキレン基又はシクロアルキレン基である。アルキレン基又はシクロアルキレン基は、ハロゲン原子又はアリール基で置換されていてもよい。;複数のZ又はAがある場合、それぞれは同一でも異なっていてもよい;mは2〜100の整数;pは0〜200の整数、qは1〜200の整数;rは0〜200の整数である。]
    Figure 2012077105
    Figure 2012077105
    Figure 2012077105
    Figure 2012077105
    [一般式(III)及び(IV)中、R3は水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基若しくはフェニル基を表す。アルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基は、ハロゲン原子又はアリール基で置換されていてもよい。;一般式(V)及び(VI)中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基を表す。アルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基は、ハロゲン原子又はアリール基で置換されていてもよい。]
  4. エネルギー波が超音波であり、超音波の周波数が20kHz〜1MHzである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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