JP2012070675A - 打錠用粉末ガム及び打錠チューインガム - Google Patents

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Abstract

【課題】打錠時に杵に付着することなく継続して打錠可能な打錠用粉末ガム、及び食感が良好で、かつ含有する生理活性物質等の機能性成分の徐放性の打錠チューインガムを提供する。
【解決手段】粉末状キチン又は粉末状キトサンで、或いはキチン又はキトサンで覆われた水不溶性賦形剤で表面が被覆されたガム粒子及びこれを打錠して得られる打錠チューインガム。
【選択図】なし

Description

本発明は、生理活性物質に代表される機能性成分の徐放性に優れ、かつ食感のよい打錠チューインガム及び打錠チューインガムの製造に有用なガム粒子に関する。
薬物投与の目標は、その薬物を作用させたい部位に効果的に導き、その部位に留まらせて効果的に薬物の作用を発揮させることである。その意味において、口腔内で作用させたい薬物、例えば、口内炎や歯周病、口臭対策剤は、その薬剤が作用を発揮するに必要な時間口腔内に留まるように設計される必要性がある。口腔内で長時間に渡って放出される薬剤の形態として、ガム剤型は口腔内で作用させたい薬物の剤型として好ましい。
一方、薬剤作用部位に到達させる形態として薬物を投与部位から全身循環に乗せることによって、薬剤作用を期待する部位に到達させる方法があり、その典型的な薬剤の剤型として、薬物は非経口的に投与される方法と、経口的に腸管内に投与される剤型がある。非経口的投与法とは、直接体外から血流に注入する静脈内薬物投与法である。これらのいずれの方法も、薬物投与の目標は、薬物を投与部位から全身循環によって作用部位に移動させることである。
経口投与された薬物の吸収に影響する問題は、薬物の剤型である。経口投与される薬物は、通常錠剤又はカプセルの剤型で投与される。これらの剤型が選ばれる理由は、主に、利便性、経済性、安定性及び患者の認容性である。従って、これらの錠剤又はカプセル剤は、吸収に先立ち、崩壊又は溶解されねばならない。固形製剤の崩壊を変更又は遅延させることを可能にする様々な手法がある、さらに、薬物の利用性を決定する要因として溶解速度が挙げられる。
非経口投与は、薬物を血流に乗せることによって全身循環を通じて薬物の送達を確実にする。
しかし、非経口投与は、経口投与が抱える多くの問題点を消去する手段として有効であるが、非経口投与法の典型的な問題点として、医療従事者の介助を必要とし、且つ、殆どの薬物及び鎮痛剤のような薬物の投与形態として実践的であるとは言えない。非経口的投与が必要とされる場合にあって、患者の快適さや感染症を含む懸念、さらには関係する用具及び経費の拠出という好ましくない問題点も抱えている。
生体への生理活性物質の送達の改善法として、生理活性物質を含有するチューインガム製品が提供され、来年以降、第16改正日本薬局方製剤総則において、新たな製剤としてガム剤が追加されたのも時代の要請を反映したものと言える。これらの生理活性物質を含有するチューインガムを噛むことによって、またある状況下において口中にチューインガムを置くことによって、生理活性物質がチューインガムから放出されることが分かっている。チューインガムを噛み続けると口腔内に圧力が生じ、口腔内に含まれた口腔粘膜を通じて生理活性物質が放出され、それが口腔粘膜を通じて吸収され、循環系を通じて全身システムへ直接強制的に移動すると考えられている。これは、全身システムへの薬物吸収に加えて、当該システムにおける生理活性物質の生体利用率も大きく増強する。
当該目的を達成するための製剤として打錠ガムがある。一般的に、打錠ガムと言われているものは以下のようにして製造されている。即ち、糖類、ガムベース(弾性体、ゴム、ワックス、乳化剤、油脂など)及び香料等を主成分とするガム原料を加熱・混練し、ガム化した後、粉末化し、ついで、この粉末状ガムを打錠用型(臼)に充填し型打して錠剤化にすることによって製造される。上記ガムを粉末化する方法としては、例えば、(1)ガムを低温で粉砕し、粉末化する方法、(2)生成ガムを加熱(70℃以上)して乾燥させた後、機械粉砕し粉末化する方法、(3)ガム原料にアラビアガム等の結着剤溶液を添加し混練してガムを作り、これを加熱(70℃以上)して乾燥させた後、機械粉砕し粉末化する方法、(4)生成ガムを0℃以下に冷却して機械粉砕し粉末化する方法等が知られている(特許文献1〜3)。
また、顆粒状のガムを提供する方法としては、特許文献4に、ガムベースを高温(〜85℃)で溶解し、螺旋形ブレードを備えているミキサーで他の粉末原料と混合した後、顆粒化した顆粒状のガムを製造する方法が報告されている。
しかし、これらのいずれの方法で製造された粉末ガムにも、品質上、また製造上、多くの問題点や欠陥を含んでおり、その改良のために多くの企業から、様々な新たな提案がなされてきた。例えば、粉末ガム原料、結着剤溶液、吸水性糖類および主要成分からなる粉末ガムを打錠する方法(特許文献5)、吸水性成分及び水難溶性成分を含有し、これらが粉末ガムとともに形成されてなるチューインガム(特許文献6)、乳酸菌含有打錠チューインガム(特許文献7)、還元パラチノースを80重量%含有する打錠用粉末ガム(特許文献8)、粉末ガム表面をデキストリン等の糖質甘味料を被覆した打錠用粉末ガム(特許文献9、10)、ガムの表面を糖質等でコーティングする技術、多糖打錠の技術(特許文献11、12)等が報告されている。
米国特許第4161544号明細書 米国特許第4588592号明細書 国際公開第2003/084338号公報 韓国登録特許第10−0121337号公報 特開平07−067541号公報 特開2001−302513号公報 特開2007−014237号公報 特開2005−333966号公報 特開2006−006310号公報 特開2006−166791号公報 特開2007−222161号公報 特開2007−326876号公報
しかし、現実に、上記の技術で得られる打錠チューインガムの性状や品質は、当初の期待からは程遠いものであった。その原因は、粘着性のあるガムを打錠しようとしたとき、はみ出たガムが打錠機の杵にくっつき、継続して打錠することが困難となり、或いは、打錠機の杵にガムがくっつかないようにガムベースの混合割合を減らした製剤設計を行えば、一塊のガムとしての粘着性が発揮できなくなり口の中でガムの塊がばらけてしまうという二律背反的な結果を招き、双方の調和のとれたガムが得られなかったのが実態である。
その結果、従来知られている打錠用粉末ガムは、いずれのケースにおいても、打錠に適した大きさにガムベースを粉砕化するに当たって、ガムベースそのものの重量に比べて圧倒的に多量の糖質成分をガムベースに加え、恰も糖質の中にガムベースを漂わせている(通常、粉末ガムに占めるガムベースの重量は20数パーセントから30数パーセントで、打錠ガム全体で見るとき、ガムベースの重量割合はさらに低下する)と言ってよい状態でしか製造することが出来なかった。その為、出来上がったガムを口の中で咀嚼すると、ガム全体がボロボロと崩れ、暫くしてからガム本来の粘着性が現れる。それを改善せんが為に、打錠時点で、結着剤などを加える提案などもなされているものの、出来上がった打錠ガムの粘着性は、ガム本来の粘着性からはほど遠く、「これはガムでは無い」と揶揄されているのが実態である。
従って本発明の課題は、打錠時に杵に付着することなく継続して打錠可能な打錠用粉末ガム、及び食感が良好で、かつ含有する生理活性物質等の機能性成分の徐放性を確保した打錠チューインガムを提供することにある。
そこで本発明者は、打錠性、食感及び機能性成分の徐放性を解決すべく種々検討してきた結果、ガムベースと粉末状キチン又は粉末状キトサンとを混合して粉砕すれば、ガム粒子表面が粉末状キチン又は粉末状キトサンで被覆されたガム粒子が得られ、これを他の成分とともに打錠すればガム粒子が杵に付着することなく継続して打錠可能となり食感の良好な打錠チューインガムが得られることを見出した。
また、粉末状キチン又は粉末状キトサンを直接用いるのではなく、予めキチン又はキトサンで表面を被覆した水不溶性賦形剤を用いてガムベースとともに混合粉砕すれば、さらに食感の優れた打錠チューインガム及びガム粒子が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、粉末状キチン又は粉末状キトサンで表面が被覆されたガム粒子を提供するものである。
また、本発明は、キチン又はキトサンで表面が被覆された水不溶性賦形剤で、表面が被覆されたガム粒子を提供するものである。
さらに、本発明は、上記のいずれかのガム粒子と機能性成分を含有する成分を混合し、打錠することにより得られる打錠チューインガムを提供するものである。
本発明のガム粒子を用いれば、打錠時の付着がなく継続して打錠可能であることから、機能性成分を多量に含有し、食感が良く、かつ機能性成分の徐放性に優れた打錠チューインガムが得られる。
本発明のガム粒子は、その表面が、粉末状キチン又は粉末状キトサンで被覆されたガム粒子(被覆ガム粒子1ともいう)である。用いられるキチン又はキトサンは、カニ類などの甲殻類の殻から得ることができる。本発明においては、粉末状のキチン又は粉末状キトサンを使用する。当該粉末状のキチン又は粉末状キトサンの粒子径は打錠性と味の点から、200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。その平均粒子径は10〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
被覆ガム粒子1中のガムベースの含有量は、打錠性と味とのバランスの点から、10〜60質量%が好ましく、10〜55質量%がより好ましく、20〜55質量%が特に好ましい。
被覆ガム粒子1の平均粒子径は、粒動性、打錠性、成分含量均一性などの観点から、50〜2000μmが好ましく、100〜800μmがより好ましい。
被覆ガム粒子1は、粉末状キチン又は粉末状キトサンとガムベースとを混合し、該混合物を粉砕処理することにより製造することができる。粉砕処理は、ガムベースを粉砕し、粒子径を1000μm以下にすることができるものであればよく、例えばハンマーミル、オシレーター、カッター式粉砕機などが挙げられ、このうちカッター式粉砕機が好ましい。
本発明による粉末状キチン又は粉末状キトサンとガムベースとの混合粉砕によれば、従来法のように20℃以下に冷却する必要がなく、室温で安定してガム粒子が得られる。
すなわち、本発明にあっては、最終的に粉砕されて出来るガムベース粒子よりも遥かに微細で硬い、キチン又はキトサンの微粒子とガムベースの塊との共存下、室温条件で、それより柔らかいガムベースをカッター式粉砕機やハンマーミルやオシレーターなどの粉砕機でガムベースを細断・粉砕することによって、ガムベースの細断・粉砕と同時に、一旦細断・粉砕化されて出来たガムベース粒子の周りを、水に不溶性で吸湿性もなく、それ自身結着性のないキチン又はキトサン等の微粒子の均一な層で覆うことによって、一旦出来上がったガムベースの粉砕粒子は安定な粒子となり、その形状を保持したままガムベース粒子同士が再会合することなく粉末状のガムを得ることが可能となった。それ故、従来必要とされていた低温下でガムベースを粉砕する必要性は全くない。このことは製造工程上、操作性の面で格段に取扱い易いというメリットを生み出す。そして、室温開封下においては、吸湿性の無いキチン、キトサン層で覆われたガムベースの微粒子は、独立して、製造時の形状を保っているものの、一旦、打錠時の加圧によって、形が崩れ、キチン、キトサンの層を突き破って内部より表面にガムベースが押し出され、同時に周りの粉末状ガム粒子から押し出されたガムベース同士が結着し、全体としてチューインガムの塊となる。この様に、元々結着性のない粉末ガム粒子が、打錠という手段によって、ガム粒子間の結着性を発現し、一つのガムの塊になるのである。
また、従来の粉末ガムにおいては、ガムベースの割合は20〜30質量%程度でなければ打錠できなかったが、本発明によれば10〜60質量%ガムベースを含有するガム粒子であっても打錠可能である。従って、得られる打錠チューインガム中のガムベース含有量も増加させることができるため食感も格段に向上する。
本発明の他のガム粒子は、キチン又はキトサンで表面が被覆された水不溶性賦形剤で、被覆されたガム粒子(被覆ガム粒子2ともいう)である。用いられる水不溶性賦形剤としては、セルロース(結晶セルロース、粉末セルロース)、タルク、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどが挙げられるが、特にセルロースが好ましい。水不溶性賦形剤の平均粒子径は、打錠性及び味の点から、5〜800μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。用いられるキチン又はキトサンは、前記と同様のものが用いられる。
水不溶性賦形剤の表面を覆うキチン又はキトサンの含有割合は、食感の点から水不溶性賦形剤に対する質量比で1:5〜30:1が好ましく、さらに10:3〜10:1が好ましい。
当該被覆粒子2中の、ガムベースの含有量は、打錠性と味とのバランスの点から、10〜60質量%が好ましく、10〜55質量%がより好ましく、さらに20〜55質量%が特に好ましい。
被覆ガム粒子2の平均粒子径は、粒動性、打錠性、成分含量均一性などの観点から、5〜2000μmが好ましく、100〜800μmがより好ましい。
本発明の被覆粒子2は、薄層のキチン又は薄層のキトサンで被覆した水溶性賦形剤を用いていることにより、キチン又はキトサンのざらざら感、味等が改善されている。すなわち、まず水不溶性賦形剤の表面をキチン溶液、キトサン溶液で、予めコーティングすることによって、キチン、キトサンを微粒子としてではなく、中心部分は水不溶性賦形剤で、その周りを薄い膜状のキチン、キトサン層とし、それをガムベースを共存させ、粉砕機で粉砕することによって、結果的に水不溶性賦形剤の表面をコーティングしたキチン、キトサンでガムベースを覆うこととなり、ガム同士の再結合を防いだ粉末状ガムが得られ、その粉末状ガムを打錠機で打錠して得られた打錠ガムは、口の中で咀嚼しても、キチン、キトサンによるえぐみ等の不快味の除去はもちろんのこと、舌の上に残っていたざらざら感を消すことが可能となった。
一方、キチン、キトサンによるえぐみ等はクエン酸、リンゴ酸、乳酸などの水溶性賦形剤では解消できず、またカラギーナンやポリフェノール等によっても解消できなかった。
本発明の被覆粒子2は、キチン又はキトサンで被覆された水不溶性賦形剤とガムベースを混合し、該混合物を粉砕処理することにより製造できる。ここで、キチン又はキトサンで水不溶性賦形剤の表面を被覆するには、これらの両者を混合してもよいが、キチン又はキトサンを一旦酸性溶液に溶解した後、中和又は弱アルカリ性にすることによって、水不溶性賦形剤表面にキチン分子、キトサン分子を沈着、付着させ、次いで乾燥することによって製造することができる。さらには、キチン又はキトサンによるコーティングと例えばセルロース繊維の粉末化(粉末状セルロースの製造)とを同時に行ってもよい。すなわち、キチン又はキトサンを酸性水溶液に溶解し、当該水溶液中にセルロース繊維(例えば脱脂綿)を加え、セルロース繊維の加水分解を行い、次いで乾燥すればよい。
キチン、キトサンは、塩酸をはじめ、硫酸、硝酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸など、弱酸に溶けて、pH4程度の、0.1〜5%の低濃度の水溶液とすることができる。
その溶液に、脱脂綿などの綿花を加え、均一にキチン、キトサン水溶液で覆われるように攪拌しながら、50〜60℃に加温すると、脱脂綿を形成するセルロースは加水分解を始め、繊維状フィラメントは徐々に裁断化される。均一化したところで、0.1〜5%水酸化ナトリウムなどの塩基性水溶液で、徐々に中和し、さらに、最終的にpHを8.2〜8.5に調整すると、溶けていたキチン、キトサンが徐々に不溶性となり、キチン、キトサン膜で繊維状セルロースの表面を覆う形でコーティングされる。そして、アルカリ性でアルカリ酸化分解が進み、綿花の繊維状フィラメントの裁断化がさらに進み、結果的にキチン、キトサンの膜でコーティングされた微粉末となる。
このようにしてキチン、キトサン膜でコーチィングされた微粉末状のセルロースが得られるが、咀嚼時のざらざら感をなくす為には、好ましくは、湿式磨砕機械、例えば、媒体ミル類、例えば湿式震動ミル、湿式遊星震動ミル、湿式ボールミル、湿式ロールミル、湿式コボールミル、湿式ビーズミル、湿式ペイントシェーカー等の他、高圧ホモジナイザーなどが使える。高圧ホモジナイザーとしては、約500kg/cm2以上の高圧で、スラリーを微細オリフィスに導き高流速で対面衝突させるタイプが効果的である。これらのミルを使用した最適磨砕濃度は機種により異なるが、概ね媒体ミルで3〜15w/v%、高圧ホモジナイザーで5〜20w/v%の固形分濃度が適している。
得られたキチン、キトサン膜で覆われたセルロース微粉末は、加熱又はドライアーで乾燥し、乾燥微粉末とすることができるが、効果的に乾燥微粉末を得るためには、凍結乾燥或いは噴霧乾燥してもよいが、フィルム状に乾燥する方法が優れている。フィルム状で乾燥する方法とは、ガラス、ステンレス、アルミニウム、ニッケル・クロムメッキ鋼板等の基材上にキャスティングして乾燥する方法である。基材は予め加熱していても良く、またキャスティング後、赤外線、熱風、高周波等にて加熱しても良い。乾燥温度は200℃以下、キャスティングの厚みはスラリーの厚みとして10mm以下が好ましい。スラリー濃度はフィルム状に展開できる濃度であれば良く、特に制限はないが実用的には5%から20%程度の固形分濃度の展開が容易な作業と良好な乾燥物を得るのに適している。また、工業的にはスチールベルトドライヤー、ドラムドライヤー、ディスクドライヤー等の乾燥機が採用できる。このフィルム状にて乾燥された製品はフィルム状のものから箔状、薄片状、鱗片状、線条状、粉末状のものも含まれるが、乾燥の進行と共に、自然とばらけて微細な粉末状となる。
こうして得られた組成物の製品水分含量は、全重量の2%以下が好ましい。
得られたキチン又はキトサンの薄層膜で被覆された水不溶性賦形剤とガムベースとの混合粉砕は、前記被覆粒子1の場合と同様にして行うことができる。
本発明に用いられるガムベースは、従来から用いられているものであり、例えば、樹脂、弾性体、ワックス類、無機質、乳化剤等から適宜選択され使用される。
樹脂は、チルクやジェルトンなどの天然樹脂、エステルガムや酢酸ビニル樹脂などの合成樹脂等が挙げられ、適宜単独もしくは複数組み合わせてもよい。
グァーガム(Cyamopsis tetragonolobus(leguminosae)の種子の胚乳から得られる多糖質)、ローカストビーンガム(カロブ樹Ceratonia siliqua L.(Leguminosae)の種子の胚乳部を粉砕した後、精製したもの)、キサンタンガム(炭水化物をキサントモナス属菌(Xanthomonas campestiris)を用いて発酵させて得られた多糖質)、カラヤガム(Sterculia urensの木の樹脂より採取したガム質)、グァーガム・塩化ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムエーテル(塩化O−〔2−ヒドロキシー3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕グァーガム(主としてグァーガムに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られたカチオン性のポリマー)、エステルガム(主として、アビエチン酸とグリセリンのエステルからなる)、水素添加エステルガム(主として不均化デヒドロアビエチン酸及びテトラヒドロアビエチン酸からなる混合物のグリセリンエステルを水素添加したもの)、マレイン酸変性エステルガム(「エステルガム」をマレイン酸で変性させたもの)などを使用することができる。
弾性体は、ゴム様物質とも呼ばれ、例えば、ポリイソブチレン(イソブチレン重合体)、ポリブテン、ブチルゴム、ポリイソプレン、天然ゴム等が挙げられ、これらの単独でも複数組み合わせてもよい。
ワックス類(炭化水素、ロウ等)としては、例えば、ワイスワックス、キャンデアリワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ等が挙げられ、これらは単独でも複数組み合わせてもよい。
無機質としては、炭酸カルシウム、タルク、酸化アルミニウム等が挙げられ、これらは単独でも複数組み合わせてもよい。
乳化剤としては、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル等が挙げられ、これら単独でも複数組み合わせてもよい。
本発明のガム粒子に、各種機能性成分を含有する成分と混合し、打錠することにより打錠チューインガムを製造することができる。ここで、各種機能性成分としては、糖質原料、非糖質甘味料、香料、生理活性物質等が挙げられる。
このうち生理活性物質には、医薬品を含む各種生理活性物質が含まれる。
この打錠チューインガムに添加される医薬品としては、口腔粘膜を通じて吸収される医薬品、口腔内で作用を発揮する全ての医薬品が対象となる。さらに詳しく述べると、インスリンやカルシトニンなどの低分子で口腔粘膜から吸収される医薬品、鎮痛剤、精神安定剤、心臓血管系作用物質が挙げられる。
インスリンが口腔粘膜を通じて生体内に吸収されることは良く知られた事実であり、特に、多価不飽和脂肪酸であるDHAを添加することによって、約43%の薬理学的利用率で吸収される。
口腔粘膜からの吸収が期待される別の薬物の一つとして、硝酸薬が挙げられる。硝酸薬は吸収経路と剤形の違いにより、効果発現時間や持続時間が大きく異なることが知られており、現在、舌下及び経口薬としてニトロペン錠・ニトログリセリン錠(舌下錠0.3mg:日本化薬、効果発現時間;1〜2分、持続時間;8〜30分)、ニトロール錠(舌下錠5mg:エーザイ、効果発現時間;5分、持続時間;60〜100分、経口剤15〜80mg:同、効果発現時間;15分、持続時間;4〜6時間)、口内スプレー剤としてミオコナールスプレー(口腔粘膜吸収薬1〜2噴霧:トーアエイヨー、効果発現時間;1分、持続時間;30分)、バッカル(バソレーターPR2.5(口腔粘膜吸収薬2.5mg:三和化学、効果発現時間;5分、持続時間;12時間)、経口除放錠としてニトロールR(経口除法錠20mg:エーザイ、効果発現時間;1時間、持続時間;8時間)など多くの製品が上市されている。これらのデータが示すとおり、一般に舌下錠やスプレー剤は、一度の投与量が少なく、効果発現までの時間が短い分、持続時間は短くなる。よって、本発明打錠ガムの場合は、口腔内で放出可能であることから、効果発現までの時間は短くなり、また、一錠当たりに含有できる薬物量は、100〜200mgであることから、長期的徐放製剤としての機能を十分に備えている手段になるものである。
さらに驚くべきことに、通常使用される典型的な経口投与よりも少ない量の生理活性物質を含有するチューインガムによって、同じ生体利用率を達成できることが分かっている。
実際、驚くべきことに少なくとも特定の生理活性物質に関する特定の例において、口腔を介してのチューインガムを使用する医薬品又は生理活性物質の投与が、非経口投与と比較しても、作用が増強することが分かっている。
例えば、カフェインは通常、睡眠遮断作用を軽減させるための刺激物質として使用される。これは肝臓において殆ど完全に代謝され、従って、低クリアランスの流れとは無関係な医薬品として分類されている。これは、その失活速度が、肝臓への送達による影響を受けず、かつ肝臓酵素活性の変化によってのみ変更されることを意味する。
カフェインの薬物速度論は十分に解明されておらず、且つ経口投与と静脈内投与との間に有意差はない。しかし、カフェインがチューインガムとして投与された場合、吸収速度定数(Ka)が有意に増大することが知られている。このことは、カフェインが、著しく早い速度で全身循環に移動することを意味している。動的反応の開始に関する同様の変化は、例えば、警戒及び作業においても認められている。
さらに驚くべきことは、チューインガムに入れられた生理活性物質の少なくともある種の物質が、全身循環中に存在する物質に対する引き金作用を有し得ることが分かっている。例えば、経口摂取されたカフェインに関して、ある量のカフェインを摂取し、且つ一定期間が経過した後に、カフェインの更なる摂取が生体への作用において取るに足らないものであるのに対して、チューインガムに含有されたカフェインを摂取した場合、全身循環中のカフェインとの相乗作用を生みだす引き金作用を認めることができる。この様な引き金作用は、さらに他の薬物、例えば、鎮痛剤においても認められている。
打錠ガムに含有させる医薬品としては、鎮痛剤、抗生物質、抗ウイルス薬、抗ヒスタミン剤、抗炎症薬、充血除去剤、制酸剤、筋弛緩剤、精神療法剤、インスリン及び心臓血管系作用物質が挙げられる。医薬品に応じて、得られる打錠ガムを治療、とりわけ、咳、風邪、運動障害、アレルギー、発熱、鎮痛、炎症、咽頭痛、風邪痛、洞障害、下痢、糖尿病、欝病、不安及びその他の疾病及び症状の治療に使用できる。
具体的な物質(薬物)としては、カフェイン、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェイン、ヒドロキシクエン酸、ピコリン酸クロム、ホスファチジルコリン、ニコチン、インスリン、亜鉛、ビタミンC、ニンジン、コラノキの実、カウアカウア、カモミールなどが挙げられるが、これらに上記のものに限定されるものではない。
医薬品の中には苦みやえぐみと言った感覚器官を刺激する物質が多いことから、口中内で医薬品を放出する打錠ガムにおいては、十分量のマスキング剤を必要とされる。このマスキング剤としては、スクラロース、グルコン酸亜鉛、エチルマルトール、グリシン、アセルスファームーk、アスパルテーム、サッカリン、果糖、トレハロース、キシリトール、甘草、グリセルヒジン、デキストロール、グルコン酸ナトリウム、グルコノラクトン、エチルバニリン、バニリン等が挙げられるが、特にこれらの甘味料に限定されるものではない。
例えば、アスピリンのような収斂性の風味を隠す試みにおいて、果糖や高甘味度の甘味剤、例えば、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース及びアセスルファームーκなどが、収斂性のマスキング剤として有効であることが知られている。また、カフェインのような活性成分が中程度の苦みを有する場合、グリシン、エチルマルトース、グルコン酸亜鉛、甘草末、高甘味度の甘味剤が有効である。アセトアミノフェンのような非常に不快な活性成分の場合は、ペパーミントが非常に有効に機能するが、アスパルテームのような高甘味度の甘味剤の添加が必要である。
本発明の打錠チューインガムには、さらに調味料、色素、安定剤、乳化剤を配合することができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
キトサン(甲陽ケミカル社製キトサンFM−80:80メッシュパス95%以上)を2kgとガムベース(富士ケミカル社製)3kgとをアキラ機工社製粉砕機で、3000〜4000rpmで1分間連続粉砕することにより、ガムベース含量60%の微粉砕された粉末状ガムを得た。
実施例2
キトサン(甲陽ケミカル社製キトサンFM−80:80メッシュパス95%以上)を3kgとガムベース(富士ケミカル社製)2kgとをアキラ機工社製粉砕機で、3000〜4000rpmで1分間連続粉砕することにより、ガムベース含量40%の微粉砕された粉末状ガムを得た。
実施例3
実施例1で製造したガムベース60%含有粉末状ガムと実施例2で製造したガムベース40%含有粉末ガムを、表1に示す処方に基づいて打錠ガムを製造した。
Figure 2012070675
(結果)
それぞれの処方からなる混合末を打錠機で打錠したが、処方(1)は、打錠機の杵への付着から打錠を継続するのは不可能であったが、滑択剤としてステアリン酸マグネシウムを適量加えれば打錠可能であった。しかし、処方(2)−1並びに処方(2)−2は滑択剤の添加を必要とすることなく、打錠することが可能であった。
Figure 2012070675
Figure 2012070675
Figure 2012070675
処方(1)並びに処方(2)−1、処方(2)−2の打錠結果より、ガムベースの含量が40〜60質量%の含量で打錠が可能であることが確認された。
実施例4
打錠性能を確認する為に、滑沢剤を入れないで、ガムベース含量が51.6質量%から32.4質量%の範囲の処方1〜3の打錠ガムを製造した。
Figure 2012070675
(結果)
何れの処方においても打錠において問題はなかった。
即ち、賦形剤の添加なしに、ガムベースの含有量30〜50質量%において、打錠可能であった。
キトサンの微粒子に起因するざらざら感が残ることから、その問題を解決するためにキトサンの粒子径を細かくしたキトサン(甲陽ケミカル社製キトサンFM−200:200メッシュパス95%以上)を2.5kgとガムベース2.5kgとをアキラ機工社製粉砕機で、3,000〜4,000rpmで1分間連続粉砕することにより、ガムベース含量50質量%の微粉砕された粉末状ガムを得る。
Figure 2012070675
Figure 2012070675
Figure 2012070675
Figure 2012070675
(結果)
さらに微粉砕したキトサンや、キトサンの溶解を早めるために添加したクエン酸やアルギニンを添加して打錠しても咀嚼時に舌の上に残るキトサン由来のざらざら感や渋み、えぐみ感を除去することはできなかった。しかし、連続打錠は可能であった。
キトサンの微粒子に起因するざらざら感が残ることから、その問題を解決するためにキトサンの粒子径を細かくしたキトサン(甲陽ケミカル社製キトサンFM−200:200メッシュパス95%以上)を2.5kgとガムベース(富士ケミカル社製)2.5kgとをアキラ機工社製粉砕機で、3,000〜4,000rpmで1分間連続粉砕することにより、ガムベース含量50%の微粉砕された粉末状ガムを得る。
Figure 2012070675
Figure 2012070675
Figure 2012070675
(結果)
さらに微粉砕したキトサンや、キトサンの不快味を改善する目的でキトサン由来の−NH2基をマスクする目的で、−SO4基を有するカラギーナンやフェノール性−OH基を有するカテキンを添加混合し、打錠したところ、咀嚼時に舌の上に残るキトサン由来のざらざら感は改善されなかったものの、渋みやえぐみ感などの不快味は除去することができた。
実施例5
(均一なキトサン膜でコーティングされた微粉砕セルロースの製法)
1%塩酸水溶液10リットルを作成し、500gのキトサンを撹拌しながら加え、完全に溶解させるために30℃に加温した。その中に脱脂綿5kgを浸して均一に混合した。30分間均一に混合した後、1%水酸化ナトリウム水溶液を徐々に加えて、最終濃度をpH8.0に設定した。さらに30分間均一に混合した後、90℃の温風を吹きかけて、脱脂綿を乾燥させ、一昼夜放置した。そうすることによって、表面が均一にキトサン膜でコーティングされた細かい粉末状の脱脂綿(セルロース)を得ることができる。
この粉末状脱脂綿を100メッシュの篩をかける事によって、微粉砕化されたキトサンコーティングセルロースが得られる。
実施例6
均一なキトサン膜でコーティングされた微粉末セルロース2.5kgとガムベース2.5kgとをアキラ機工社製粉砕機で、3,000〜4,000rpmで1分間連続粉砕することにより、ガムベース含量50%の微粉砕された打錠粉末ガムが得られた。
実施例7
1%塩酸水溶液10リットルを作成し、500gのキトサンを撹拌しながら加え、完全に溶解させるために30℃に加温した。そこに微結晶セルロース(旭化成社製)5kgを撹拌しながら加えた後、1%水酸化ナトリウム水溶液を徐々に加えて、最終濃度をpH8.0に設定した。さらに30分間均一に混合した後、90℃の温風を吹きかけて、脱脂綿を乾燥させ、一昼夜放置した。そうすることによって、表面が均一にキトサン膜でコーティングされた細かい粉末状の脱脂綿(セルロース)を得ることができる。
この粉末状脱脂綿を100メッシュの篩をかける事によって、微粉砕化されたキトサンコーティングセルロースが得られる。これを実施例6と同様に、ガムベースと混ぜて、粉砕機で粉砕することによって、ガムベース含量50%の打錠用粉末ガムを得た。
実施例8
実施例6並びに実施例7で得られた打錠用粉末ガムを用いて、打錠機で打錠したところ、何等問題なく打錠できることを確認した。
それらの打錠ガムを、10名の健常人に咀嚼してもらったところ、舌の上のざらざら感やキトサン本来のえぐみや苦味を感じた者はいなかった。
実施例9
実施例6で得られた50%含有打錠粉末ガムを以下の表に示す処方(全量1.5kg)に基づいて、甘味料とカフェインを含有する打錠ガム(総数950個)を得た。連続打錠に何等不都合はなかった。
Figure 2012070675
この打錠ガムを6名の健康人(年齢:22〜62歳)に一個ずつ噛んでもらった後、5分後、10分後、20分後、30分後、40分後、60分後に、それぞれのガムの反芻食塊を集め、その中に残ったカフェイン含量を測定し、6個の平均値を求めた。
カフェインの定量法:
1)測定原理
液体クロマトグラフィー法(HPLC)で逆相カラム分離し、紫外吸光度で測定した。
2)HPLC条件
(1)使用機器:高速液体クロマトグラフ(日本分光LC−2000)
(2)カラム:本カラム;Develosil ODS−HG−5(内径4.6mm、長さ15cm,野村化学)
ガードカラム;Develosil ODS−HG−5(内径4.6mm、長さ1cm,野村化学)
(3)設定条件:(i)移動相流量:1mL/分、(ii)カラム温度:40℃、注入量:10μl
(4)検出条件:紫外検出(検出波長:230nm)
3)抽出溶液の調整法
脱イオン水とアセトニトリルと85%リン酸を49.9:50:0.1割合で混合する。
4)内部標準溶液の調整方法
内部標準物質としてカテコール5gを上記抽出溶液100mLに溶かす。
5)移動相の調整方法
(1)移動相(0.085%リン酸水溶液)の調整方法
蒸留水と85%リン酸を999:1の割合で混合する。
6)試料液の調整方法
(1)内部標準溶液1mLと上記抽出溶液49mLの入った共栓三角フラスコにガム塊を入れる。
(2)超音波洗浄機で30分間超音波をかける。
(3)上澄液1mLと脱イオン水1mLを混合し、0.45μmのPTFEメンブレンフィルターでろ過し、分析に供する。
7)この様な条件下、液体クロマトグラフィーでの、内部標準品カテコールのリテンション時間は8.5分前後であり、カフェインのリテンション時間は10分前後である。
8)既知濃度のカフェイン標準溶液のピーク面積から作成した検量を作成し、サンプル中のカフェイン量(mg)を求める。
被験者6名から得られたガム塊の平均値を纏めたのが、表14である。
Figure 2012070675
実施例10
実施例9で得られた打錠ガム中のカフェインが口腔内で吸収されるのを確認する目的で、予備的な実験を行った。
シナモン味付カフェインガムを咀嚼した被験者2名(32歳と62歳、いづれも男性)の唾液中のカフェイン含量を測定した。
各被験者は、1個の打錠ガムを20分間噛み、唾液を全て容器に吐き出した。噛み終わった後、各被験者は水10mLで2回うがいを行い、かつうがい水を収集した唾液に併せた。
集められた唾液中のカフェインの含量は、実施例9で述べたのと同じ方法で測定した。その結果、20分後の被験者2名の唾液中に、ガム中のほとんどのカフェイン(80%〜100%)が放出されているのを確認した。
実施例11
実施例9で得られた打錠ガムから放出されたカフェインが、口腔粘膜から吸収されることを確認する目的で、被験者2名(31歳と60歳)の血液中のカフェイン含量を測定した。血液の採取は医師の観察下、EDTA入り2mL採血チューブで採血し、血清を分離した後、血清中のカフェイン含量の測定までマイナス20℃で凍結保存した。カフェイン含量の測定は、前述の高速液体クロマトグラフィーの方法に準じて行った。
その結果を表15に示す。
Figure 2012070675
この結果から、口腔領域で放出されたカフェインは口腔粘膜を通じて吸収され、長時間に渡って作用することが分かり、医療分野における打錠ガムの有用性を立証した。
本発明によれば、食感がよく、医薬品等の機能性成分を多量に配合し、かつその徐放性が良好な打錠チューインガムが提供できる。

Claims (8)

  1. 粉末状キチン又は粉末状キトサンで表面が被覆されたガム粒子。
  2. 打錠用粉末ガムである請求項1記載のガム粒子。
  3. 粉末状キチン又は粉末状キトサンとガムベースとを混合し、該混合物を粉砕処理することにより得られるものである請求項1又は2記載のガム粒子。
  4. 粉末状キチン又は粉末状キトサンで表面が被覆された水不溶性賦形剤で、表面が被覆されたガム粒子。
  5. 打錠用粉末ガムである請求項4記載のガム粒子。
  6. キチン又はキトサンで表面が被覆された水不溶性賦形剤とガムベースとを混合し、該混合物を粉砕処理することにより得られるものである請求項4又は5記載のガム粒子。
  7. 水不溶性賦形剤が、セルロース、タルク、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムから選ばれる1種以上である請求項4〜6のいずれか1項記載のガム粒子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載のガム粒子と機能性成分を含有する成分を混合し、打錠することにより得られる打錠チューインガム。
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CN112021576A (zh) * 2019-06-03 2020-12-04 永久株式会社 除菌性食品添加剂及包含其的除菌性食品

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