JP2012064649A - 超電導コイルおよび超電導機器 - Google Patents

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剛 新里
Hitoshi Oyama
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Abstract

【課題】複数の超電導線材を有する線材束が巻き回されることによって構成された超電導コイルにおいて、各超電導線材を流れる電流をより均等とすることができる超電導コイルと、それを用いた超電導機器とを提供する。
【解決手段】第2の超電導線材2は、第1の超電導線材1に並列することによって第1の超電導線材1と共に線材束BDを構成している。線材束BDは、第1の超電導線材1が第2の超電導線材2に対して内側に位置するように、かつ直線部と曲線部とが交互に形成されるように、巻き回されている。線材束BDの巻き終わりWBにおいて、第2の超電導線材2の端部は直線部に位置し、第1の超電導線材1の端部は、第2の超電導線材2の端部が位置する直線部を越えて曲線部を介して少なくとも次の直線部まで延びている。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導コイルおよび超電導機器に関する。
超電導線材を巻き回すことにより形成された超電導コイルが、大電流を流すのに適したコイルとして用いられている。たとえばモータのステータおよびロータに超電導コイルが用いられることによって、より大電流の印加が可能となり、よってより大きな回転力が得られる。
上記の巻き回しは、単一の超電導線材ではなく、複数の超電導線材から構成された線材束で行なわれることが好ましい。これにより超電導コイルの電流が複数の超電導線材に分かれて流れるので、超電導コイルにより大きな電流を流すことができる。線材束の各超電導線材を流れる電流には上限値がある。よって線材束を流れる電流を大きくするには、各超電導線材を流れる電流ができるだけ均等であることが望ましい。このためには各超電導線材のインダクタンスをできるだけ等しくする必要がある。
一般にコイルのインダクタンスは、コイルの径が大きいほど大きくなる。よって並列した複数の超電導線材を有する線材束を単純に巻き回すことでパンケーキコイルを構成した場合、線材束においてより内側に位置する超電導線材のインダクタンスが、より外側に位置する超電導線材のインダクタンスよりも小さくなる。つまり超電導線材のインダクタンスのばらつきが生じてしまい、この結果、各超電導線材の電流にもばらつきが生じてしまう。
上記のような電流のばらつきを抑制する方法が、近年、提案されている。たとえば特開2002−184618号公報(特許文献1)によれば、超電導コイルは複数のコイルユニットが積層されることによって構成されている。コイルユニットは、複数枚の超電導テープ材を絶縁物を介して重ね合わせた導体を巻回して構成されている。各コイルユニット間の接続は、一方のコイルユニットの内側からn番目に卷かれた超電導テープ材と、他方のコイルユニットの内側からm番目に卷かれた超電導テープ材とが接続されることによって行われる。ここで、nとmとが異なる整数とされる。
特開2002−184618号公報
上記特許文献1の技術における複数の超電導コイルユニットの各々は、それ自体、超電導テープ材(超電導線材)の線材束が巻き回されることによって構成された超電導コイルである。つまり特許文献1の技術は、複数の超電導コイル間の接続方法の工夫によって、超電導線材間の電流のばらつきを抑制しようとしている。しかしながら、超電導コイルの個数、および、超電導コイル間の接続方法には、通常、なんらかの制約があり、この場合、特許文献1の技術の適用が適しないことも多い。
そこで、本発明の目的は、複数の超電導線材を有する線材束が巻き回されることによって構成された超電導コイルにおいて、各超電導線材を流れる電流をより均等とすることができる超電導コイルと、それを用いた超電導機器とを提供することである。
本発明の一の局面に従う超電導コイルは第1および第2の超電導線材を有する。第2の超電導線材は、第1の超電導線材に並列することによって第1の超電導線材と共に線材束を構成している。線材束は、第1の超電導線材が第2の超電導線材に対して内側に位置するように、かつ直線部と曲線部とが交互に形成されるように、巻き回されている。線材束の巻き終わりにおいて、第2の超電導線材の端部は直線部に位置し、第1の超電導線材の端部は、第2の超電導線材の端部が位置する直線部を越えて曲線部を介して少なくとも次の直線部まで延びている。
本発明の一の局面に従う超電導コイルによれば、線材束の巻き終わりにおいて、第1の超電導線材の端部は、第2の超電導線材の端部が位置する直線部を越えて曲線部を介して少なくとも次の直線部まで延びている。これにより第1の超電導線材のインダクタンスをより大きくすることができる。よって、第1の超電導線材が第2の超電導線材に対して内側に位置することに起因した第1および第2の超電導線材の間でのインダクタンスの差異を抑えることができる。これにより第1および第2の超電導線材に対して並列に電流が印加される場合に、そのいずれかに電流が偏ることが抑制される。つまり各超電導線材を流れる電流をより均等とすることができる。
本発明の他の局面に従う超電導コイルは、第1および第2の超電導線材と、端子とを有する。第1の超電導線材は絶縁被覆を有する。第2の超電導線材は、絶縁被覆を有し、第1の超電導線材と並列することによって第1の超電導線材と共に線材束を構成している。線材束は、第1の超電導線材が第2の超電導線材に対して内側に位置するように巻き回されている。第1および第2の超電導線材の少なくともいずれかは、線材束の巻き始めおよび巻き終わりの少なくともいずれかの側において、絶縁被覆が除去された1つ以上の部分を有する接続領域を有する。端子は接続領域の上記部分に接続されている。接続領域の長さは端子の長さの2倍以上である。
本発明の他の局面に従う超電導コイルによれば、端子の長さの2倍以上の長さを有する接続領域が設けられる。よって、端子が接続される際に、その接続位置を十分な範囲から選択することができる。これにより第1および第2の超電導線材のいずれかのインダクタンスを十分な範囲で調整することができるので、第1および第2の超電導線材の間でのインダクタンスの差異を抑えることができる。これにより第1および第2の超電導線材に対して並列に電流が印加される場合に、そのいずれかに電流が偏ることが抑制される。つまり各超電導線材を流れる電流をより均等とすることができる。
好ましくは、接続領域は、絶縁被覆が除去された複数の部分を有する。これにより、接続領域の絶縁被覆全体が除去される場合に比して、絶縁被覆が除去される部分を小さくすることができる。
好ましくは、接続領域は、接続領域を含むターンの長さの1/8以上の長さを有する。これにより、端子が接続される際に、その接続位置をより十分な範囲から選択することができる。
好ましくは、接続領域のうち端子が接続されていない部分の上に設けられた絶縁層をさらに有する。これにより第1および第2の超電導線材のうち絶縁被覆によって絶縁されていない表面を絶縁することができる。
本発明のさらに他の局面に従う超電導コイルは第1および第2のコイル部を有する。第1および第2のコイル部の各々は、上述した超電導コイルのいずれかを有する。第1および第2のコイル部は互いに積層されている。これにより、超電導コイルのインダクタンスを大きくすることができる。
本発明の超電導機器は、上述した超電導コイルのいずれかを有する。これにより超電導機器により大きな電流を流すことができる。
上述したように、本発明の超電導コイルおよび超電導機器によれば、超電導コイルを構成する各超電導線材を流れる電流をより均等とすることができる。
本発明の実施の形態1における超電導コイルを概略的に示す斜視図である。 図1の矢印WA近傍の拡大図である。 図1の矢印WB近傍の拡大図である。 図1の超電導コイルの使用方法を説明するための回路図である。 図1の超電導コイルの製造方法の第1の工程を概略的に示す平面図である。 図1の超電導コイルの製造方法の第2の工程を概略的に示す平面図である。 比較例の超電導コイルを示す平面図である。 本発明の実施の形態2における超電導機器としてのモータを概略的に示す断面図である。 図8のモータが有するロータを概略的に示す斜視図である。 図8のモータが有するステータを概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態3における超電導コイルを概略的に示す斜視図である。 図11の超電導コイルの使用方法を説明するための回路図である。 本発明の実施の形態4における超電導コイルの構成を概略的に示す平面図である。 図13の超電導コイルの超電導線材の配置を概略的に示す平面図である。 図13の超電導コイルの製造方法の一工程を概略的に示す平面図である。 図13の超電導コイルの第1の変形例を概略的に示す平面図である。 図13の超電導コイルの第2の変形例を概略的に示す平面図である。 図13の超電導コイルの第3の変形例を概略的に示す平面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1〜図3を参照して、はじめに本実施の形態の超電導コイルの構成について説明する。本実施の形態の超電導コイル100は、線材束BDを有するレーストラック形状のパンケーキコイルである。線材束BDは、互いに並列する第1および第2の超電導線材1、2によって構成されている。第1および第2の超電導線材1、2の各々の表面の大部分は、絶縁被覆CV(図2および図3)によって絶縁されている。
線材束BDは、内側に位置する巻き始めWAから、外側に位置する巻き終わりWBへと、巻き回されている。この巻き回しは、第1の超電導線材1が第2の超電導線材2に対して内側に位置するように行われている。
またこの巻き回しは、矢印CLに示すように、線材束BDが、直線部10a、曲線部20a、直線部10b、および曲線部20bをこの順に形成するように行われている。またこの形成は、おおよそ巻数に対応する回数だけ繰り返されている。つまり線材束BDは、直線部と、曲線部とが交互に形成されるように巻き回されている。
線材束BDの巻き始めWAにおいて、第1の超電導線材1の端部EA1と、第2の超電導線材2の端部EA2とは、共に直線部10aに位置している。巻き始めWAにおいて端部EA2は端部EA1よりも、直線部10aの範囲内で、長く延びている。この長さの相違は、巻き始めWAにおける直線部10aの長さよりも小さい。第1および第2の超電導線材1、2のそれぞれは、巻き始めWAにおいて、絶縁被覆CVが除去された部分である露出部分XA1およびXA2を有する。
線材束BDの巻き終わりWBにおいて、第2の超電導線材2の端部EB2は直線部10aに位置し、第1の超電導線材1の端部EB1は、第2の超電導線材2の端部EB2が位置する直線部10aをいったん越えて、曲線部20a、直線部10b、および曲線部20bを介して、再び直線部10aに達するまで延びている。第1および第2の超電導線材1、2のそれぞれは、巻き終わりWBにおいて、絶縁被覆CVが除去された部分である露出部分XB1およびXB2を有する。
主に図4を参照して、次に超電導コイル100の使用方法について説明する。第1の超電導線材1の露出部分XA1と、第2の超電導線材2の露出部分XA2とが、接続部T1によって電気的に接続され、第1の超電導線材1の露出部分XB1と、第2の超電導線材2の露出部分XB2とが、接続部T2によって電気的に接続される。また接続部T1およびT2のそれぞれに、電極TM1およびTM2が電気的に接続される。この構成により、第1および第2の超電導線材1、2は電気的に並列に接続されるので、電極TM1およびTM2の間に電流が流されると、この電流の一部は第1の超電導線材1を流れ、他部は第2の超電導線材2を流れる。
図5および図6を参照して、次に超電導コイル100の製造方法について説明する。まずレーストラック形状を有する巻芯80が準備される。次に巻芯80周りに、矢印NDに示すように、線材束BDが巻き回される。巻き回しは、線材束BDが、直線部10a、曲線部20a、直線部10b、および曲線部20bをこの順に形成する過程を繰り返すように行われる。巻き回しが完了したら巻芯80が除かれる。これにより超電導コイル100が得られる。
図7を参照して、次に比較例について説明する。比較例の超電導コイル900の巻き終わりにおいては、線材束BDの超電導線材1の端部EB1は、第2の超電導線材2の端部EB2が位置する直線部10aを越えないように位置している。つまり巻き終わりにおいて、端部EB1は端部EB2よりも、直線部10aの範囲内で、長く延びている。
上記比較例においては、第1および第2の超電導線材の各々のターン数はおおよそ同じであり、また第1の超電導線材1は第2の超電導線材2よりも内側に配置されている。この結果、第1の超電導線材1のインダクタンスが第2の超電導線材2のインダクタンスよりも小さくなる。よって第1および第2の超電導線材1、2の並列接続回路に対して電流が流されると、第1の超電導線材1へ電流の偏りが生じる。
これに対して本実施の形態によれば、線材束BDの巻き終わりWBにおいて、第1の超電導線材1の端部EB1は、第2の超電導線材2の端部EB2が位置する直線部を越えて曲線部を介して少なくとも次の直線部まで延びている。これにより第1の超電導線材1のインダクタンスをより大きくすることができる。よって、第1の超電導線材1が第2の超電導線材2に対して内側に位置することに起因した第1および第2の超電導線材1、2の間でのインダクタンスの差異を抑えることができる。これにより第1および第2の超電導線材1、2に対して並列に電流が印加される場合に、そのいずれかに電流が偏ることが抑制される。つまり各超電導線材を流れる電流をより均等とすることができる。
なお本実施の形態においては、図1に示すように、巻き始めWAと巻き終わりWBとが同一の直線部10aに位置しているが、両者は互いに異なる直線部に位置してもよい。また巻き終わりWBにおいて、第1の超電導線材1の端部EB1と、第2の超電導線材2の端部EB2とが同一の直線部10aに位置しているが、両者は互いに異なる直線部に位置してもよい。
(実施の形態2)
図8〜図10を参照して、本実施の形態における超電導機器としてのモータ700について説明する。図8に示すように、モータ700は、回転子であるロータ500と、ロータ500の周囲に配置された固定子であるステータ600とを備えている。
図8および図9に示すように、ロータ500は、超電導コイル100Sと、回転軸518と、ロータコア513と、ロータ軸516と、冷媒617とを含んでいる。超電導コイル100Sは、超電導コイル100(図1)とほぼ同様の構成を有しているが、一方面20P(図1で図示されている、曲線部20aおよび20bの面)が凸状となり、この一方面20Pと対向する他方面20Fが凹状となるように構成されている。つまり超電導コイル100Sは鞍形の形状を有する。
ロータ軸516は、回転軸518の長軸方向に延びる外周面の周囲に形成されている。ロータ軸516の外表面は円弧状である。ロータコア513は、ロータ軸516の、回転軸518に交差する断面における中央部分(回転軸518が配置されている領域)から放射状に、ロータ軸516の外周面から突出するように延びている。超電導コイル100Sは、ロータコア513を囲むように、かつロータ軸516の円弧状の外表面に沿うように配置されている。冷媒617は、超電導コイル100Sを冷却する。超電導コイル100Sと冷媒617とは、断熱容器の内部に配置されている。
ロータ500の周囲には、モータ700の固定子としてのステータ600が形成されている。ステータ600は、実施の形態1の超電導コイル100Sと、ステータヨーク621と、冷媒627と、ステータコア623とを含んでいる。
ステータヨーク621は、ロータコア513の外周を取り囲んでいる。ステータヨーク621の外表面は円弧状である。超電導コイル100Sは、ステータヨーク621の円弧状の外表面に沿うように配置されている。冷媒627は、超電導コイル100Sを冷却する。超電導コイル100Sと冷媒627とは、断熱容器の内部に配置されている。断熱容器は、ステータコア623の一部が配置されるように超電導コイル100Sの中心において開口部を有している。ステータコア623は、超電導コイル100Sの周囲を取り囲み、超電導コイル100Sの中心部を貫通するように配置されている。なお、図10においては、ステータコア623の記載が省略されている。
本実施の形態によれば、モータ700が有するコイルが超電導コイル100Sであることによって、モータにより大きな電流を流すことができる。また、超電導コイル100Sが鞍形の形状を有するので、超電導コイル100Sの底部(下縁)を円筒面に沿って配置することができる。このため、モータ700の小型化を図ることができる。
なお本実施の形態では、回転機器として、ロータ500とステータ600とを含むモータ700を例に挙げて説明したが、本発明の回転機器はモータに特に限定されず、たとえば、発電機などにも適用可能である。
また本実施の形態では、ロータ500の超電導コイル100Sおよび超電導コイル100Sの中心を貫通するロータコア513の一部は4本配置されているが、ロータコア513の本数はたとえば6本、8本、3本など任意の本数とすることができる。同様に、本実施の形態では、ステータ600の超電導コイル100Sおよび超電導コイル100Sの中心を貫通するステータコア623の一部は6本配置されているが、たとえば4本、8本、3本など任意の本数とすることができる。
(実施の形態3)
図11を参照して、本実施の形態の超電導コイル200は、第1のコイル部100aと、第2のコイル部100bとを有する。第1および第2のコイル部100a、100bの各々は超電導コイル100(図1)と同様のものである。第1および第2のコイル部100a、100bは、巻き回しの方向が逆になるように、互いに積層されている。すなわち、第1および第2のコイル部100a、100bは、第1のコイル部100aの巻き回しCLaと、第2のコイル部100bの巻き回しCLbとが逆になるように積層されている。
図12を参照して、次に超電導コイル200の使用方法について説明する。第1および第2のコイル部100a、100bの各々の露出部分XB1が、接続部C1によって互いに電気的に接続される。また第1および第2のコイル部100a、100bの各々の露出部分XB2が、接続部C2によって互いに電気的に接続される。また第1のコイル部100aについて、第1の超電導線材1の露出部分XA1と、第2の超電導線材2の露出部分XA2とが、接続部T1によって電気的に接続される。また第2のコイル部100bについて、第1の超電導線材1の露出部分XA1と、第2の超電導線材2の露出部分XA2とが、接続部T2によって電気的に接続される。また接続部T1およびT2のそれぞれに、電極TM1およびTM2が電気的に接続される。この構成により、第1および第2の超電導線材1、2は電気的に並列に接続されるので、電極TM1およびTM2の間に電流が流されると、この電流の一部は第1の超電導線材1を流れ、他部は第2の超電導線材2を流れる。
本実施の形態によれば、複数の第1の超電導線材1が互いに直列に接続され、かつ複数の第2の超電導線材2が互いに直列に接続されている。これにより超電導コイル200のインダクタンスを大きくすることができる。
なお本実施の形態においては2つのコイル部が積層されているが、より多くのコイル部が積層されてもよい。
(実施の形態4)
図13および図14を参照して、本実施の形態の超電導コイル100Vは、端子TA1、TA2、TB1、TB2と、絶縁層180とを有する。
第1の超電導線材1は、線材束BDの巻き始めの側において、絶縁被覆CVが除去された複数の露出部分XA1を有する接続領域RA(図14)を有する。端子TA1(図13)は、複数の露出部分XA1のひとつに接続されている。接続領域RAの長さは、端子TA1の長さの2倍以上である。ここで接続領域RAの長さは、全ての露出部分XA1を包含する最小の領域の長さである。また好ましくは、複数の露出部分XA1の長さの合計は、端子TA1の長さの2倍以上である。
また第1の超電導線材1は、線材束BDの巻き終わりの側において、絶縁被覆CVが除去された複数の露出部分XB1を有する接続領域RB(図14)を有する。端子TB1(図13)は、複数の露出部分XB1のひとつに接続されている。接続領域RBの長さは、端子TB1の長さの2倍以上である。ここで接続領域RBの長さは、全ての露出部分XB1を包含する最小の領域の長さである。また好ましくは、複数の露出部分XB1の長さの合計は、端子TB1の長さの2倍以上である。
絶縁層180は、接続領域RAのうち端子TA1が接続されていない部分の上と、接続領域RBのうち端子TB1が接続されていない部分の上とに設けられている。絶縁層180は、たとえばポリイミド製の粘着テープである。
第2の超電導線材2は、線材束BDの巻き始めおよび巻き終わりのそれぞれの側において、絶縁被覆CVが除去された露出部分XA2およびXB2を有する。端子TA2およびTB2(図13)のそれぞれは、露出部分XA2およびXB2に接続されている。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
次に超電導コイル100Vの製造方法について説明する。
図15を参照して、まず露出部分XA1、XA2、XB1、およびXB2を有する線材束BDが準備される。次に実施の形態1の方法(図5)とほぼ同様の方法によって、線材束BDの巻き回しが行われる。これにより図14に示す構造が得られる。
次に、端子TA2およびTB2(図13)のそれぞれが、露出部分XA2およびXB2に接続される。また端子TA1(図13)が複数の露出部分XA1のひとつに接続され、端子TB1(図13)が複数の露出部分XB1のひとつに接続される。端子TA1が複数の露出部分XA1のいずれに接続されるか、および端子TB1が複数の露出部分XB1のいずれに接続されるかは、端子TA1およびTB1の間のインダクタンスが、端子TA2およびTB2の間のインダクタンスとなるべく等しくなるように選択される。また、選択されなかった露出部分XA1およびXB1の上に、たとえばポリイミド製の粘着テープは貼り付けられることによって、絶縁層180が設けられる。以上により超電導コイル100Vが得られる。
なお超電導コイル100Vにおける、端子TA1が複数の露出部分XA1のいずれに接続されるかの選択と、端子TB1が複数の露出部分XB1のいずれに接続されるかの選択とは、1つの例であって、それ以外の選択がなされた例として、図16〜図18のそれぞれに、超電導コイル100W〜100Yを示す。この選択においては、インダクタンスの観点だけでなく、他の観点が合わせて考慮されてもよい。たとえば超電導コイルの用途に適した端子の配置が考慮されてもよい。
具体的には、超電導コイル100W(図16)は、第1の超電導線材1のターン数が第2の超電導線材2のターン数に比しておおよそ1ターン多く、上記選択が第1の超電導線材1のインダクタンスが最大となるように行われた場合に対応する。逆に超電導コイル100Y(図18)は、上記選択が第1の超電導線材1のインダクタンスが最小となるように行われた場合に対応する。
また超電導コイル100W(図16)および100X(図17)は、全ての端子TA1、TA2、TB1、およびTB2が、直線部10aに集中的に設けられた場合に対応する。これにより各端子へのアクセスが容易となる。このような端子の配置の制約がない場合、超電導コイル100V(図13)または100Y(図18)のような構成も用いることができる。
本実施の形態の超電導コイル100V〜100Yによれば、端子TA1(図13)の長さの2倍以上の長さを有する接続領域RA(図14)が設けられる。よって、端子TA1が接続される際に、その接続位置を十分な範囲から選択することができる。同様に、端子TB1(図13)の長さの2倍以上の長さを有する接続領域RB(図14)が設けられる。よって、端子TB1が接続される際に、その接続位置を十分な範囲から選択することができる。これにより第1の超電導線材1のインダクタンスを十分な範囲で調整することができるので、第1および第2の超電導線材1、2の間でのインダクタンスの差異を抑えることができる。これにより第1および第2の超電導線材1、2に対して並列に電流が印加される場合に、そのいずれかに電流が偏ることが抑制される。つまり各超電導線材を流れる電流をより均等とすることができる。
また接続領域RA(図14)は、絶縁被覆CVが除去された複数の露出部分XA1を有する。これにより、接続領域RAの絶縁被覆CV全体が除去される場合に比して、絶縁被覆CVが除去される部分を小さくすることができる。接続領域RBについても同様である。なおこのような利点が特に求められない場合は、接続領域RAおよびRBの全体に渡って絶縁被覆CVが除去されてもよい。
また接続領域RAのうち端子TA1が接続されていない部分の上と、接続領域RBのうち端子TB1が接続されていない部分の上とに、絶縁層180が設けられている。これにより第1の超電導線材1のうち絶縁被覆CVによって絶縁されていない表面を絶縁することができる。なおこのような利点が特に求められない場合は、絶縁層180が省略されてもよい。
好ましくは、接続領域RAは、接続領域RAを含むターンの長さ、すなわち超電導コイル100Vの内周長の1/8以上の長さを有する。これにより、端子TA1が接続される際に、その接続位置をより十分な範囲から選択することができる。
また好ましくは、接続領域RBは、接続領域RBを含むターンの長さ、すなわち超電導コイル100Vの外周長の1/8以上の長さを有する。これにより、端子TB1が接続される際に、その接続位置をより十分な範囲から選択することができる。
なお本実施の形態においては、図14に示すように、複数の露出部分XA1と、複数の露出部分XB1と、1つの露出部分XA2と、1つの露出部分XB2とが設けられているが、この構成は1つの例である。より一般化していえば、端子TA1、TB1、TA2、およびTB2(図13および図16〜図18)の少なくともいずれかを接続する位置を、複数の露出部分から選択可能とするような構成を用いることができる。
上記各実施の形態においては第1および第2の超電導線材1、2、すなわち2つの超電導線材が並列しているが、互いに並列する超電導線材の数は2より大きくてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第1の超電導線材、2 第2の超電導線材、10a,10b 直線部、20a,20b 曲線部、80 巻芯、100a 第1のコイル部、100b 第2のコイル部、100,100S,100V〜100Y,200 超電導コイル、180 絶縁層、500 ロータ、600 ステータ、700 モータ(超電導機器)、BD 線材束、CV 絶縁被覆、EA1,EA2,EB1,EB2 端部、RA,RB 接続領域、TA1,TA2,TB1,TB2 端子、WA 巻き始め、WB 巻き終わり、XA1,XA2,XB1,XB2 露出部分。

Claims (7)

  1. 第1の超電導線材と、
    前記第1の超電導線材に並列することによって前記第1の超電導線材と共に線材束を構成する第2の超電導線材とを備え、
    前記線材束は、前記第1の超電導線材が前記第2の超電導線材に対して内側に位置するように、かつ直線部と曲線部とが交互に形成されるように、巻き回されており、
    前記線材束の巻き終わりにおいて、前記第2の超電導線材の端部は前記直線部に位置し、前記第1の超電導線材の端部は、前記第2の超電導線材の端部が位置する前記直線部を越えて前記曲線部を介して少なくとも次の前記直線部まで延びている、超電導コイル。
  2. 絶縁被覆を有する第1の超電導線材と、
    絶縁被覆を有し、前記第1の超電導線材と並列することによって前記第1の超電導線材と共に線材束を構成する第2の超電導線材とを備え、
    前記線材束は、前記第1の超電導線材が前記第2の超電導線材に対して内側に位置するように巻き回されており、
    前記第1および第2の超電導線材の少なくともいずれかは、前記線材束の巻き始めおよび巻き終わりの少なくともいずれかの側において、前記絶縁被覆が除去された1つ以上の部分を有する接続領域を有し、さらに
    前記部分に接続された端子を備え、
    前記接続領域の長さは前記端子の長さの2倍以上である、超電導コイル。
  3. 前記接続領域は、前記絶縁被覆が除去された複数の前記部分を有する、請求項2に記載の超電導コイル。
  4. 前記接続領域は、前記接続領域を含むターンの長さの1/8以上の長さを有する、請求項2または3に記載の超電導コイル。
  5. 前記接続領域のうち前記端子が接続されていない部分の上に設けられた絶縁層をさらに備える、請求項2〜4のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の超電導コイルを各々有する第1および第2のコイル部を備え、前記第1および第2のコイル部は互いに積層されている、超電導コイル。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の超電導コイルを備える、超電導機器。
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