JP2012035708A - 操舵制御装置 - Google Patents

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Kenichi Jinno
研一 神野
Tomoaki Taneda
友明 種田
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Abstract

【課題】左右異摩擦係数路面上での制動時に、ドライバのカウンタステア時の負荷を低減する操舵制御装置を提供する。
【解決手段】転舵アクチュエータ8と、操舵反力アクチュエータ6と、スプリットμ検出部20(左右異摩擦係数路面制動検出手段)と、自動カウンタステア演算部19(付加転舵角演算手段、増加操舵反力演算手段)と、前輪転舵角演算部21(転舵角制御手段)と、操舵反力演算部22(操舵反力制御手段)とを設けた。左右異摩擦係数路面上での制動時に、車両に発生するヨーモーメントを低減するように転舵輪を転舵することにより増加する操舵反力を低減するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
この種の技術としては、下記の特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報では、スプリットμ路における制動時に車両の生じるヨーモーメントを打ち消すように転舵輪(操向輪)の転舵を行う、所謂カウンタステア制御について記載されている。
特開2005−247056号公報
上記従来技術では、カウンタステア制御が行われるとき、転舵輪の転舵方向とは逆方向に操舵反力が増大することとなる。ドライバがカウンタステア操作(カウンタステアを行なうステアリングホイールの操舵操作)を行おうとしたとき、カウンタステア制御による操舵反力の増大方向はドライバのカウンタステア操作を妨げる方向となり、ドライバのカウンタステア操作時の負荷が大きくなるおそれがある問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、ドライバのカウンタステア操作時の負荷を低減することができる操舵制御装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明においては、左右車輪が接地している路面の摩擦係数が異なる左右異摩擦係数路面上での制動時に、車両に発生するヨーモーメントを低減するように転舵輪を転舵する転舵制御を行ない、当該転舵制御によって増加する操舵反力を低減するようにした。
よって、運転者が行なうカウンタステア操作と逆方向の操舵反力を小さくすることができ、ドライバによるカウンタステアが適切なタイミングで実施できるようになる。
実施例1の操舵制御装置の全体構成図である。 実施例1の操舵コントローラの制御ブロック図である。 実施例1の自動カウンタステア演算部の制御ブロック図である。 実施例1の単位ヨーモーメントあたりの付加前輪転舵角ゲインのマップである。 実施例1のステアリング機構の力学モデルである。 実施例1のスプリットμ検出部の制御ブロック図である。 実施例1の前輪転舵角演算部の制御ブロック図である。 実施例1の操舵反力演算部の制御ブロック図である。 実施例1のアシスト操舵反力演算部の制御ブロック図である。 実施例1のベース操舵反力補正ゲイン演算部の制御ブロック図である。 実施例1の操舵角偏差演算部の制御ブロック図である。 実施例1のスプリットμ路における制動力ヨーモーメントの発生を説明する図である。 実施例1の自動カウンタステア制御時の操舵反力とドライバの操舵力を示す図である。 実施例1の自動カウンタステア制御時の前輪転舵角と操舵反力のタイムチャートである。 実施例1の補正操舵反力を減じたときの操舵反力とドライバの操舵力を示す図である。 実施例1の付加前輪転舵角と操舵反力のタイムチャートである。 実施例1のアシスト操舵反力を付与したときの操舵反力とドライバの操舵力を示す図である。 実施例1の付加前輪転舵角と操舵反力のタイムチャートである。 実施例1の補正前後の操舵反力とドライバの操舵力を示す図である。 実施例1の付加前輪転舵角と操舵反力のタイムチャートである。 実施例1の操舵角と操舵反力のタイムチャートである。
[実施例1]
〔全体構成〕
実施例1の操舵制御装置1の構成を説明する。
図1は、実施例1の操舵制御装置1の全体構成図である。この車両1は、前輪2FL,2FRと後輪3RL,3RRのうち、前輪2FL,2FRが転舵可能な転舵輪となっている。実施例1の操舵制御装置1は、ステアリングホイール4と前輪2とが機械的に切り離された、いわゆる、ステアバイワイヤシステムである。また前輪2にエンジン等の駆動源が繋がれ、前輪2が駆動輪、後輪3が従動輪となっている。
(操舵側機構)
実施例1の操舵制御装置1は操舵側の機構として、運転者が操舵を行うステアリングホイール4(操舵手段)と、ステアリングホイール4に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータ6とを有している。
(転舵側機構)
実施例1の操舵制御装置1は転舵側の機構として、前輪2を転舵駆動する転舵アクチュエータ8と、転舵アクチュエータ8に接続されたピニオンギヤ9と、ピニオンギヤ9と噛み合うラックギヤ10と、ラックギヤ10の軸方向の力をナックルアーム17を介して前輪2に転舵力として伝達するタイロッド16とを有している。
(制御機構)
実施例1の操舵制御装置1は、操舵反力アクチュエータ6、転舵アクチュエータ8を制御する操舵コントローラ13と、各車輪のホイルシリンダ液圧を制御する液圧コントローラ14と、運転者によって操舵されるステアリングホイール4の操舵角を検出する操舵角センサ5と、転舵アクチュエータ8の回転角を検出する転舵アクチュエータ回転角センサ15と、左後輪3RLの車輪速を検出する左車輪速センサ12Lと、右後輪3RRの車輪速を検出する右車輪速センサ12Rと、車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ11と、運転者によるブレーキペダルの操作状態を検出するブレーキスイッチ7と、マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサ18を有している。
ブレーキスイッチ7は運転者によるブレーキペダルの操作状態をが検出し、検出した操作状態に応じたブレーキスイッチフラグを出力する。具体的には、ブレーキスイッチ7は運転者によってブレーキペダルが踏み込まれているにはブレーキスイッチフラグを「1」として出力し、ブレーキが踏み込まれていないときには「0」として出力する。
操舵コントローラ13は、操舵角と、転舵アクチュエータ8の回転角と、左右車輪速と、ヨーレイトと、ブレーキスイッチフラグと、マスタシリンダ圧を入力する。液圧コントローラ14は、液圧ユニットのバルブの開弁時間やポンプを制御し、アンチロックブレーキシステム(ABS)やビークルダイナミクスコントロール(VDC)を作動させている。操舵コントローラ13はこの液圧コントローラ14から、ABSが作動したことを示すABS作動フラグと、バルブ開弁時間を入力する。液圧コントローラ14はABS作動フラグを、ABSが作動しているときには「1」として出力し、ABSが作動していないときには「0」として出力する。
前輪2の転舵角は、転舵アクチュエータ8の回転角(ピニオンギヤ9の回転角)と、ラックギヤ10とピニオンギヤ9とのギヤ比とによって一意に決定される。すなわち、転舵アクチュエータ8の回転角から前輪2の転舵角を求めることができる。また、各車輪のホイルシリンダ圧は、マスタシリンダ圧とバルブの開弁時間から求めることができる。また左右車輪速から車速を求めることができる。
〔制御ブロック図〕
図2は、操舵コントローラ13の制御ブロック図である。操舵コントローラ13は、自動カウンタステア演算部19と、スプリットμ検出部20と、前輪転舵角演算部21と、操舵反力演算部22を有している。
自動カウンタステア演算部19では、車速とホイルシリンダ圧を入力し、付加前輪舵角と補正操舵反力とを演算する。
スプリットμ検出部20では、ブレーキスイッチフラグ、ABS作動フラグとホイルシリンダ圧を入力し、スプリットμ路(左右異摩擦係数路面)における制動が行われていることを検出する。すなわち、ABS作動時には各車輪のホイルシリンダ圧はそれぞれ個別に車輪がロックしないように制御されるため、スプリットμ路におけるABS作動時には車両左右輪のホイルシリンダ圧に偏差が発生する。従って、ABS作動フラグが「1」であって且つ、ブレーキスイッチフラグが「1」である場合の各車輪のホイルシリンダ圧に基づいて、左右輪のホイルシリンダ圧に所定値以上の偏差が発生している場合はスプリットμ路における制動がおこなわれていることを検出する。
ここでVDCによる制動作動時にも左右輪のホイルシリンダ圧に偏差が発生するが、VDCによって発生する左右輪のホイルシリンダ圧の偏差に基づいてスプリットμ路における制動がおこなわれていることが検出されることを防止するために、ブレーキスイッチフラグのみではなく、ABS作動フラグも用いてスプリットμ路における制動がおこなわれていることを検出している。なお、VDC機能が搭載されていない場合には、ABS作動フラグを入力しないようにしても良い。スプリットμ路における制動が行われている場合にはスプリットμフラグを「1」として出力し、スプリットμ路における制動が行われていない場合にはスプリットμフラグを「0」として出力する。
前輪転舵角演算部21では、操舵角、車速、付加前輪舵角とスプリットμフラグを入力して、前輪転舵角指令値を演算する。操舵反力演算部22は、前輪転舵角指令値、補正操舵反力、スプリットμフラグ、操舵角、車速、ヨーレイトと前輪転舵角を入力して、操舵反力指令値を演算する。
以下、各演算部についての詳細を説明する。
(自動カウンタステア演算部)
図2に示すように、自動カウンタステア演算部19では、車速とホイルシリンダ圧を入力し、付加前輪舵角と補正操舵反力とを演算して出力する。
左右の車輪が接地している路面摩擦係数が大きく異なる所謂スプリットμ路において、ブレーキが作動したときに高μの路面側に旋回しようとするヨーモーメントが発生する。付加前輪舵角とは、このヨーモーメントを低減するために、旋回方向と反対側に前輪2を転舵させる転舵角のことを示す。付加前輪舵角を転舵アクチュエータ8によって前輪2に与えることで、ドライバがカウンタステアを行ったときのようにヨーモーメントによる車両の旋回を抑制し、車両挙動を安定させることができる。
ステアバイワイヤシステムでは、操舵反力アクチュエータ6によってステアリングホイール4に操舵反力を付与している。操舵反力は、ステアリングホイールと前輪2とが機械的に接続された車両の場合に、路面反力によって発生する前輪2が直進状態に戻ろうとするセルフアライニングトルクにより、ステアリングホイールに発生する反力を模擬した反力であり、転舵角と車速から演算して付与される。
図5はステアリングホイールと前輪2とが機械的に接続された車両におけるステアリング機構の力学モデルである。この力学モデルは、タイヤ横力、前輪からラック軸までのラック慣性およびラック粘性、ピニオンギヤからステアリングホイールまでのピニオン剛性およびピニオン粘性から構築されている。操舵反力(後述するベース操舵反力に相当する)は上記力学モデルに従って演算して付与される。具体的には、転舵角と車速から図5におけるタイヤ横力(前輪2に入力する横力)を算出し、算出したタイヤ横力と上記力学モデルに従って操舵反力が演算される。
なお、図5におけるタイヤ横力は、前輪2のハブ部等に横力を検出する横力センサを設けることにより検出することもできる。なお、タイヤ横力は転舵角が大きくなるほど、車速が大きくなるほど大きくなるため、操舵反力も転舵角が大きくなるほど、車速が大きくなるほど大きくなる。
一方、補正操舵反力とは、前輪2の付加前輪転舵角により増加した操舵反力を打ち消す値として求められる。
図3は、自動カウンタステア演算部19の制御ブロック図である。自動カウンタステア演算部19は、制動力ヨーモーメント演算部23と、付加前輪転舵角演算部24と、補正操舵反力演算部25を有している。
<制動力ヨーモーメント演算部>
制動力ヨーモーメント演算部23では、ホイルシリンダ圧から制動時のヨーモーメントを演算する。まず次の式(1)を用いて、左右前輪2、左右後輪3のホイルシリンダ圧の差を求める。
Figure 2012035708
なお、式(1)において、
Figure 2012035708
を示す。
左右前輪2、左右後輪3のホイルシリンダ圧の差と、ホイルシリンダ圧をヨーモーメントに変換する係数を用いて、車両重心周りのモーメントを求める。
Figure 2012035708
なお、式(2)において、
Figure 2012035708
を示す。また変換係数は下記の式(3)によって求められる。
Figure 2012035708
なお、式(3)において、
Figure 2012035708
を示す。
<付加前輪転舵角演算部>
付加前輪転舵角演算部24では、制動力ヨーモーメント演算部23で演算されたヨーモーメントと車速とから付加前輪転舵角を演算する。この付加前輪転舵角演算部24で算出される付加前輪舵角は、制動力ヨーモーメント演算部23で演算されたヨーモーメントを減少させる方向の転舵角として算出される。付加前輪転舵角は、次の式(4)によって求められる。
Figure 2012035708
なお、式(4)において、
Figure 2012035708
を示す。なお、単位ヨーモーメントあたりの付加前輪転舵角ゲインは車速依存性を有している。
図4は単位ヨーモーメントあたりの付加前輪転舵角ゲインのマップである。図4に示すように、単位ヨーモーメントあたりの付加前輪転舵角ゲインは、車速120km/h以上の領域からゲインは線形的に減少し、150km/h以上でゼロとなる。
<補正操舵反力演算部>
補正操舵反力演算部25では、付加前輪転舵角演算部24で演算された付加前輪転舵角と車速とから補正操舵反力を演算する。補正操舵反力は、次の式(5)によって求められる。
Figure 2012035708
なお、式(5)において、
Figure 2012035708
を示す。なお、操舵角に対する操舵反力の伝達関数は図5に記載の力学モデルに基づく伝達関数であり、車速依存性を有している。
(スプリットμ検出部)
スプリットμ検出部20では、左右車輪の接地面の摩擦係数の差が設定値より大きいスプリットμ路において制動が行われていることを検出している。
図2に示すように、スプリットμ検出部20では、ブレーキスイッチフラグ、ABS作動フラグとホイルシリンダ圧を入力し、スプリットμフラグを設定して出力する。
図6はスプリットμ検出部20の制御ブロック図である。図6に示すように、スプリットμ検出部20は、差分演算部26と、絶対値演算部27と、スプリットμ判定条件演算部28と、論理積演算部29を有している。差分演算部26では、右前輪ホイルシリンダ圧と左前輪ホイルシリンダ圧との差分を演算し、絶対値演算部27に出力している。絶対値演算部27では、入力した右前輪ホイルシリンダ圧と左前輪ホイルシリンダ圧との差分の絶対値を演算し、スプリットμ判定条件演算部28に出力する。
スプリットμ判定条件演算部28では、入力した右前輪ホイルシリンダ圧と左前輪ホイルシリンダ圧との差分の絶対値から走行路面がスプリットμ路である可能性が有るか否かを判定する。具体的には、右前輪ホイルシリンダ圧と左前輪ホイルシリンダ圧との差分の絶対値の大きさが設定値以上であるときに走行路面がスプリットμ路である可能性が有ると判定する。すなわち、右前輪ホイルシリンダ圧と左前輪ホイルシリンダ圧との差分の絶対値の大きさが設定値以上であるときに、左右車輪の接地面の摩擦係数の差が設定値よりも大きいスプリットμ路である可能性が有ると判定している。
右前輪ホイルシリンダ圧と左前輪ホイルシリンダ圧との差分の絶対値の大きさが設定値以上であるときには論理積演算部29に「1」を判定結果として出力し、右前輪ホイルシリンダ圧と左前輪ホイルシリンダ圧との差分の絶対値の大きさが設定値未満であるときには論理積演算部29に「0」を判定結果として出力する。
論理積演算部29では、スプリットμ判定条件演算部28からの判定結果、ABS作動フラグおよびブレーキスイッチフラグを入力し、各入力の論理積をスプリットμ路であるか否かの判定結果であるスプリットμフラグとして出力する。スプリットμ検出部20では、論理積演算結果が所定時間以上「1」であるときのみ、スプリットμ路であると判定した結果としてスプリットμフラグを「1」として出力し、その他の場合にはスプリットμフラグを「0」として出力する。
(前輪転舵角演算部)
図2に示すように、前輪転舵角演算部21では、操舵角、車速、付加前輪転舵角およびスプリットμフラグを入力し、前輪転舵角指令値を演算して出力する。
図7は前輪転舵角演算部21の制御ブロック図である。図7に示すように、前輪転舵角演算部21は乗算部30、ベース転舵角演算部57、加算部33およびローパスフィルタ部34を有している。さらにベース転舵角演算部57は、乗算部31および操舵ギヤ比設定部32を有している。
乗算部30は、付加前輪転舵角とスプリットμフラグを入力し、これらの乗算結果を加算部33に出力する。スプリットμフラグとして「1」または「0」が入力されているため、スプリットμフラグが「1」のときのみ加算部33に付加前輪舵角が出力されることとなる。
操舵ギヤ比設定部32は車速を入力し、車速依存操舵ギヤ比マップから車速に応じた操舵ギヤ比(操舵角に対する転舵角の比)を設定し、乗算部31に出力する。車速依存操舵ギヤ比マップは、図7の操舵ギヤ比設定部32内に示すように、低車速領域では車速が増加するほど操舵ギヤ比を大きくし、高車速領域では車速が増加するほど操舵ギヤ比を小さくしている。
乗算部31では、操舵角と操舵ギヤ比を入力し、これらの乗算結果を加算部33に出力する。
操舵ギヤ比設定部32と乗算部31とによってベース転舵角演算部57を構成し、このベース転舵角演算部57により、操舵角に対する転舵角を車速に応じて可変に設定することができる可変操舵ギヤ比システムを達成することができる。なお、可変操舵ギヤ比システムは転舵角に対する操舵角の比を変化させることにより、運転者が操舵操作を行なった際の車両の挙動特性を所望の特性とする為に設計的に設定されているものであり、従って図7に示す特性でなくとも良い。また、操舵ギヤ比を車速に応じて変更せずに一定とし、可変操舵ギヤ比システムを構成しなくとも良い。
加算部33は、乗算部30の出力と乗算部31の出力を入力し、これらの和をローパスフィルタ部34に出力する。加算部33では、操舵角に応じた転舵角に付加前輪舵角を加えた値を前輪舵角指令値として出力している。
すなわち前輪舵角指令値は、次の式(6)によって求められる。
Figure 2012035708
なお、式(6)において、
Figure 2012035708
を示す。
ローパスフィルタ部34は、乗算部31から操舵角に応じた転舵角に付加前輪舵角を加えた値を入力し、ローパスフィルタを通した後の値を前輪転舵角指令値として出力している。このローパスフィルタ部34により、スプリットμフラグが「0」と「1」との間で切り替わったときの出力急変を抑制している。
(操舵反力演算部)
操舵反力演算部22は、ヨーレイト、前輪転舵角、スプリットμフラグ、補正操舵反力、車速、前輪転舵角指令値および操舵角を入力して、操舵反力指令値を演算する。
図8は、操舵反力演算部22の制御ブロック図である。操舵反力演算部22は、アシスト操舵反力演算部35と、ベース操舵反力演算部36と、ベース操舵反力補正ゲイン演算部37と、乗算部38と、加減算部39を有している。
アシスト操舵反力演算部35は、ヨーレイト、前輪転舵角およびスプリットμフラグ、車速および前輪転舵角指令値をから、アシスト操舵反力を演算する。このアシスト操舵反力は、スプリットμ路走行時におけるブレーキ作動時にドライバがカウンタステア操作を行うべき方向に操舵反力を発生させて、ドライバの操舵をアシストする力である。
ベース操舵反力演算部36は、車速と前輪転舵角指令値を入力して、ベース操舵反力を演算する。ベース操舵反力は、前輪2が直進状態に戻ろうとするセルフアライニングトルクを模擬して求められる反力であり、上述の通り操舵機構の力学モデルに基づいて算出される反力である。
ベース操舵反力補正ゲイン演算部37は、スプリットμフラグと操舵角とを入力して、ベース操舵反力補正ゲインを演算する。ベース操舵反力補正ゲインは、ドライバによるカウンタステアが過剰とならないように、ベース操舵反力を大きめに出力するようにするゲインである。
乗算部38は、ベース操舵反力とベース操舵反力補正ゲインを乗算して、この乗算結果を出力する。
加減算部39では、アシスト操舵反力、補正操舵反力およびベース操舵反力とベース操舵反力補正ゲインの乗算結果を入力して、操舵反力指令値を演算する。操舵反力指令値は、次の式(7)によって求められる。
Figure 2012035708
なお、式(7)において、
Figure 2012035708
を示す。
以下、アシスト操舵反力演算部35、ベース操舵反力演算部36、ベース操舵反力補正ゲイン演算部37について詳述する。
<アシスト操舵反力演算部>
アシスト操舵反力演算部35では、ヨーレイト、前輪転舵角およびスプリットμフラグ、車速および前輪転舵角指令値とから、アシスト操舵反力を演算する。
図9は、アシスト操舵反力演算部35の制御ブロック図である。アシスト操舵反力演算部35は、絶対値演算部40と、ヨーレイト依存補正ゲイン演算部41と、加減算部42、アシスト操舵反力演算部43と、車速依存補正ゲイン演算部44と、乗算部45と、ローパスフィルタ部46を有している。
絶対値演算部40は、ヨーレイトの絶対値を演算し、ヨーレイト依存補正ゲイン演算部41に出力する。
ヨーレイト依存補正ゲイン演算部41はヨーレイトの絶対値を入力し、ヨーレイト依存補正ゲインマップからヨーレイトの絶対値に応じたヨーレイト依存補正ゲインを設定し、乗算部45に出力する。ヨーレイト依存補正ゲインマップは、図9のヨーレイト依存補正ゲイン演算部41内に示すように、ヨーレイトが5[deg/s]までは補正ゲインを「1」とし、5[deg/s]から15[deg/s]までは補正ゲインを「1」から増加させるように設定し、15[deg/s]以降は一定値に設定している。
加減算部42は、前輪転舵角演算部21で算出された転舵角指令値から実際の前輪転舵角(転舵アクチュエータ8の回転角から算出される転舵角)を引いた値を差分角としてアシスト操舵反力演算部43に出力する。
アシスト操舵反力演算部43は差分角を入力し、アシスト操舵反力マップから差分角に応じたアシスト操舵反力を設定して、このアシスト操舵反力を乗算部45に出力する。アシスト操舵反力マップは、図9のアシスト操舵反力演算部43内に示すように、差分角が大きくなるほどアシスト操舵反力が大きくなるように設定し、差分角が設定値を超える範囲ではアシスト操舵反力を一定値に設定している。
車速依存補正ゲイン演算部44は車速を入力し、車速依存補正ゲインマップから車速に応じた車速依存補正ゲインを設定し、乗算部45に出力する。車速依存補正ゲインは、図9の車速依存補正ゲイン演算部44内に示すように、車速が100[km/h]を超えない範囲では補正ゲインを「1」に設定し、車速が100[km/h]を超え140[km/h]までは車速が大きくなるほど補正ゲインを小さくするように設定し、140[km/h]を超える範囲では補正ゲインを「0.1」に設定している。
乗算部45は、アシスト操舵反力、ヨーレイト依存補正ゲイン、車速依存補正ゲインおよびスプリットμフラグを入力して、アシスト操舵反力を演算する。補正前アシスト操舵反力は、次の式(8)によって求められる。
Figure 2012035708
なお、式(8)において、
Figure 2012035708
を示す。スプリットμフラグには「1」または「0」が入力されているため、スプリットμフラグが「1」のときのみローパスフィルタ部46に各値の乗算結果が出力されることとなる。
ローパスフィルタ部46は、アシスト反力を入力し、ローパスフィルタを通した後の値を転舵角指令値として出力している。このローパスフィルタ部46により、スプリットμフラグが「0」と「1」との間で切り替わったときの出力急変を抑制している。
<ベース操舵反力演算部>
ベース操舵反力演算部36は、車速と前輪転舵角指令値を入力して、ベース操舵反力を演算する。ベース操舵反力は、次の式(9)によって求められる。
Figure 2012035708
なお、式(9)において、
Figure 2012035708
を示す。なお、操舵角に対する操舵反力の伝達関数は上述の通り操舵機構の力学モデルに基づく伝達関数であり、車速依存性を有している。
<ベース操舵反力補正ゲイン演算部>
ベース操舵反力補正ゲイン演算部37は、スプリットμフラグと操舵角とを入力して、ベース操舵反力補正ゲインを演算する。
図10は、ベース操舵反力補正ゲイン演算部37の制御ブロック図である。図10に示すように、ベース操舵反力補正ゲイン演算部37は、絶対値演算部47と、操舵角偏差演算部48と、操舵角偏差依存補正ゲイン演算部49と、微分演算部50と、絶対値演算部51と、操舵角速度依存補正ゲイン演算部52と、乗算部53とを有している。絶対値演算部47は、操舵角を入力して、この操舵角の絶対値を演算する。
操舵角偏差演算部48は、スプリットμフラグと操舵角の絶対値を入力して、スプリットμフラグが「0」から「1」に切り替わった後の操舵角偏差を演算する。図11は操舵角偏差演算部48の制御ブロック図である。図11に示すように、操舵角偏差演算部48は、入力信号記憶部54と、加減算部55と、絶対値演算部56を有している。入力信号記憶部54は、スプリットμフラグと操舵角の絶対値を入力し、スプリットμフラグが「0」から「1」に切り替わったときの操舵角の絶対値を記憶している。加減算部55は、「0」から「1」に切り替わったときの操舵角の絶対値と、現在の操舵角の絶対値との偏差を演算する。絶対値演算部56は、加減算部55で演算された値の絶対値を演算して、この値を操舵角偏差として出力する。
操舵角偏差依存補正ゲイン演算部49は、操舵角偏差を入力し、操舵角偏差依存補正ゲインマップから操舵角偏差依存補正ゲインを設定して、この操舵角偏差依存補正ゲインを乗算部53に出力する。操舵角偏差依存補正ゲインマップは、図10の操舵角偏差依存補正ゲイン演算部49内に示すように、操舵角偏差が0[deg]のときが「1」であり、45[deg]までは大きくなるほど補正ゲインを大きく設定するようにしている。補正角偏差が45[deg]を超えると一定値を保つ。
微分演算部50は、操舵角を入力して、操舵角の時間微分、すなわち操舵角速度を演算する。絶対値演算部51は、操舵角速度を入力して、操舵角速度の絶対値を演算する。
操舵角速度依存補正ゲイン演算部52は、操舵角速度を入力し、操舵角速度依存補正ゲインマップから操舵角速度依存補正ゲインを設定して、この操舵角速度依存補正ゲインを乗算部53に出力する。操舵角速度依存補正ゲインマップは、図10の操舵角速度依存補正ゲイン演算部52内に示すように、操舵角速度が0[deg/s]〜250[deg/s]のときは「1」であり、250[deg/s]〜350[deg/s]までは大きくなるほど補正ゲインを大きく設定するようにしている。補正角速度が350[deg/s]を超えると一定値を保つ。
乗算部53は、スプリットμフラグ、操舵角偏差依存補正ゲインおよび操舵角速度依存補正ゲインを入力して、ベース操舵反力補正ゲインと演算する。ベース操舵反力補正ゲインは、次の式(10)によって求められる。
Figure 2012035708
なお、式(10)において、
Figure 2012035708
を示す。スプリットμフラグには「1」または「0」が入力されているため、スプリットμフラグが「1」のときのみベース操舵反力補正ゲインが出力されることとなる。
〔作用〕
(操舵反力低減作用)
図12は、スプリットμ路における制動力ヨーモーメントの発生を説明する図である。スプリットμ路走行時にブレーキを作動させると高μ路側にヨーモーメント(制動力ヨーモーメント)が発生する。この制動力ヨーモーメントを抑制するために、自動的に前輪を低μ路側に転舵させる自動カウンタステア制御が行われる。
図13は、従来の自動カウンタステア制御時の操舵反力とドライバの操舵力を示す図である。図13において実線の矢印はドライバの操舵力を、点線の矢印は操舵反力を示す。図14は、自動カウンタステア制御時の前輪転舵角と操舵反力のタイムチャートである。図14(a)は前輪転舵角を、図14(b)は操舵反力を示す。図14において時間t0はスプリットμ路におけるブレーキ作動を開始した時間を示す。
自動カウンタステア制御によって制動力ヨーモーメントによる車両の旋回を完全に防止しようとしてもオーバシュートしやすく、制御のみで車両の旋回を完全に防止することは困難である。そのため、自動カウンタステア制御は車両の旋回を抑制させる程度に用い、ドライバのカウンタステアとともに車両の旋回を防止している。
自動カウンタステア制御時には、カウンタステアのため前輪には付加前輪転舵角が加えられる。このとき、単にセルフアライニングトルク(即ち転舵角に応じた路面反力)に基づいてステアリングホイールに操舵反力を付与している場合には、ステアリングホイールには、付加前輪転舵角に応じた操舵反力が発生することとなる。この操舵反力はカウンタステア方向と反対方向に発生するため、ドライバの操舵負荷が大きくなるおそれがあった(図13、図14)。
そこで実施例1の操舵制御装置1では、付加前輪転舵角により増加する操舵反力を補正操舵反力として求め、転舵角に応じて求めたベース操舵反力から補正操舵反力を減じることとした。
図15は、補正操舵反力を減じたときの操舵反力とドライバの操舵力を示す図である。図15において実線の矢印はドライバによる操舵力を、点線の矢印は操舵反力を示す。図15(a)はベース操舵反力から補正操舵反力の全体を減じた場合を、図15(b)はベース操舵反力から補正操舵反力の一部を減じた場合を示す。図16は、付加前輪転舵角と操舵反力のタイムチャートである。図16(a)は付加前輪転舵角を、図16(b)は操舵反力を示す。図16において時間t0はスプリットμ路におけるブレーキ作動を開始した時間を示す。また図16(b)において実線はベース操舵反力から補正操舵反力の全体を減じた場合を、点線はベース操舵反力から補正操舵反力の一部を減じた場合、一点鎖線はベース操舵反力を示す。
図15、図16に示すように、ベース操舵反力指令値から補正操舵反力を減じることにより、カウンタステアと逆方向の操舵反力を小さくすることが可能となる。そのため、ドライバのカウンタステア時の負荷を小さくすることができ、ドライバによるカウンタステアが適切なタイミングで実施できるようになる。
(操舵アシスト作用)
実施例1の操舵制御装置1では、スプリットμ路における制動時に、カウンタステア方向にアシスト操舵反力を付与するようにした。
図17は、アシスト操舵反力を付与したときの操舵反力とドライバの操舵力を示す図である。図17において実線の矢印はドライバによる操舵力を、点線の矢印は操舵反力を示す。図18は、付加前輪転舵角と操舵反力のタイムチャートである。図18(a)は付加前輪転舵角を、図18(b)は操舵反力を示す。図18において時間t0はスプリットμ路におけるブレーキ作動を開始した時間を示す。
図17、図18に示すようにアシスト操舵反力を付与することにより、ドライバに操舵すべき方向を告知するとともに、カウンタステアの初期操舵を素早くすることができる。そのため、スプリットμ路における制動時の車両挙動変化を抑制することができる。
さらに実施例1の操舵制御装置1では、転舵角指令値と前輪転舵角との差分角が大きくなるほどアシスト操舵反力を大きくなるようにした。
これにより、ドライバによるカウンタステアの遅れを小さくすることができ、車両挙動変化を小さくすることができる。
さらに実施例1の操舵制御装置1では、車両のヨーレイトが5[deg/s]よりも大きいとき、ヨーレイトが大きくなるほどアシスト操舵反力を大きくなるようにした。
これにより、ヨーレイトが急激に増加するような急制動を行った場合であっても、ドライバによりカウンタステアの遅れを小さくすることができるため、車両挙動変化を小さくすることができる。
さらに実施例1の操舵制御装置1では、車速が100[km/h]よりも大きいとき、車速が大きくなるほどアシスト操舵反力を小さくなるようにした。
これにより、高速領域における操舵反力変動を抑制することができる。高速走行中では操舵角の微小変化による車両挙動変化が大きく、操舵反力変動を小さくした方が操舵安定性は高まり、車線逸脱の抑制やドライバへの違和感を低減することができる。
(過剰操舵抑制作用)
ドライバによるカウンタステアは過剰になる傾向が強いため、車両挙動が迅速に安定させることができないことがある。そこで実施例1の操舵制御装置1では、ドライバのカウンタステアが始まるとベース操舵反力が大きくなるように補正した。
図19は、補正前後の操舵反力とドライバの操舵力を示す図である。図19において実線の矢印はドライバによる操舵力を、一点鎖線の矢印は補正前の操舵反力を、点線の矢印は補正後の操舵反力を示す。図20は、付加前輪転舵角と操舵反力のタイムチャートである。図20(a)は付加前輪転舵角を、図20(b)は操舵反力を示す。図20において時間t0はスプリットμ路におけるブレーキ作動を開始した時間を示す。図20(b)において実線は補正後の操舵反力を、一点鎖線は補正前の操舵反力を示す。
図19、図20に示すようにベース操舵反力が大きくなると、ドライバは操舵の位置決めがしやすくなるため車両挙動のコントロール性を向上させることができ、車両挙動安定性を高めることができる。
さらに実施例1の操舵制御装置1では、スプリットμフラグが「0」から「1」となったときの操舵角に対して、操舵角が大きくなるほどベース操舵反力が大きくなるように補正した。
このため、ドライバによるカウンタステア時に適切な操舵角に近づくほど操舵反力が大きくなるため、過剰なカウンタステアを抑制することが可能となり、ドライバは安定した操舵を行うことができ、また車両挙動安定性を高めることができる。
さらに実施例1の操舵制御装置1では、スプリットμフラグが「0」から「1」となったのちであって、操舵角速度が250[deg/s]を超える範囲においては、操舵角速度が増加するほどベース操舵反力が大きくなるように補正した。
ドライバによるカウンタステア時に操舵速度が大きいと、適切な操舵角に対してオーバシュートする可能性が高くなる。このため、操舵速度が大きくなるほどベース操舵反力を大きくすることによりドライバは安定した操舵を行うことができ、また車両挙動安定性を高めることができる。
(操舵角低減作用)
図21は、上述したベース操舵反力指令値から補正操舵反力の減少、アシスト操舵反力、ベース操舵反力の増大補正を全て行ったときの操舵角と操舵反力のタイムチャートである。図21(a)は操舵角を、図21(b)は操舵反力を示す。図21において時間t0はスプリットμ路におけるブレーキ作動を開始した時間を示す。図21(a)において実線は各補正後の操舵角を、点線は各補正前の操舵角を示す。図21(b)において実線は各補正後の操舵反力を、点線は各補正前の操舵反力を示す。
図21に示すように、ドライバが負担すべき操舵角が減少し、また操舵変動の少ないカウンタステアを実現することができる。そのため、ドライバの負担を抑制し、車両挙動安定性を向上させることができる。
〔効果〕
実施例1の効果について以下に列記する。
(1)車両の前輪2(転舵輪)を転舵させる転舵アクチュエータ8と、前輪2と機械的に切り離され、ドライバによる操舵力が入力されるステアリングホイール4(操舵手段)と、ステアリングホイール4の操舵角を検出する操舵角センサ5(操舵角検出手段)と、前輪2の転舵角を検出する転舵アクチュエータ回転角センサ15(転舵角検出手段)と、ステアリングホイール4に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータ6と、操舵角に基づいて前輪2を転舵させるベース転舵角を演算するベース転舵角演算部57(ベース転舵角演算手段)と、転舵角に基づいてステアリングホイール4へ付与するベース操舵反力を演算するベース操舵反力演算部36(ベース操舵反力演算手段)と、左右車輪の接地面の摩擦係数の差が設定値より大きいスプリットμ路(左右異摩擦係数路面)上で制動が行われていることを検出するスプリットμ検出部20(左右異摩擦係数路面制動検出手段)と、車輪の制動力を検出するマスタシリンダ圧センサ18(制動力検出手段)と、左右異摩擦係数路面上での制動時に、車両に発生するヨーモーメントを演算し、該ヨーモーメントを低減するように前輪2の付加前輪転舵角を演算し、付加前輪転舵角により増加するベース操舵反力を補正操舵反力(増加操舵反力)として演算するする自動カウンタステア演算部(付加転舵角演算手段、増加操舵反力演算手段)と、ベース転舵角に付加前輪転舵角を加えた値に応じた前輪転舵角指令値に基づいて転舵アクチュエータ8を制御する前輪転舵角演算部(転舵角制御手段)と、ベース操舵反力から補正操舵反力に基づいて低減した値に応じた操舵反力指令値に基づいて操舵反力アクチュエータ6を制御する操舵反力演算部22(操舵反力制御手段)とを設けた。
よって、ベース操舵反力指令値から補正操舵反力を減じることにより、カウンタステアと逆方向の操舵反力を小さくすることが可能となる。そのため、ドライバのカウンタステア時の負荷を小さくすることができ、ドライバによるカウンタステアが適切なタイミングで実施できるようになる。
(2)スプリットμ路での制動時に、カウンタステア方向に付与するアシスト操舵反力を演算するアシスト操舵反力演算部35(アシスト操舵反力演算手段)を設け、操舵反力演算部22は、ベース操舵反力にアシスト反力を加えた値に応じた操舵反力指令値に基づいて操舵反力アクチュエータを制御するようにした。
よって、スプリットμ路における制動時の車両挙動変化を抑制することができる。
(3)アシスト操舵反力演算部35は、前輪転舵角指令値と前輪転舵角との差分角が大きくなるほどアシスト操舵反力が大きくなるように演算するようにした。
よって、ドライバによるカウンタステアの遅れを小さくすることができ、車両挙動変化を小さくすることができる。
(4)アシスト操舵反力演算部35は、車両のヨーレイトが設定値よりも大きいとき、ヨーレイトが大きくなるほどアシスト操舵反力が大きくなるように演算するようにした。
よって、ヨーレイトが急激に増加するような急制動を行った場合であっても、ドライバによりカウンタステアの遅れを小さくすることができるため、車両挙動変化を小さくすることができる。
(5)アシスト操舵反力演算部35は、車速が設定値よりも大きいとき、車速が大きくなるほどアシスト反力が小さくなるように演算するようにした。
よって、高速領域における操舵反力変動を抑制することができ、操舵安定性は高まり、車線逸脱の抑制やドライバへの違和感を低減することができる。
(6)スプリットμ路上での制動時であって、ドライバによるカウンタステア開始後にベース操舵反力を大きくなるように補正するベース操舵反力補正ゲイン演算部37(ベース操舵反力補正手段)を設けた。
よって、ベース操舵反力が大きくなるとドライバは操舵の位置決めがしやすくなり、車両挙動のコントロール性を向上させることができ、車両挙動安定性を高めることができる。
(7)ベース操舵反力補正ゲイン演算部37は、スプリットμ路上での制動開始時の操舵角に対して、操舵角が大きくなるほどベース操舵反力を大きくなるように補正するようにした。
よって、ドライバによるカウンタステア時に適切な操舵角に近づくほど操舵反力が大きくなるため、過剰なカウンタステアを抑制することが可能となり、ドライバは安定した操舵を行うことができ、また車両挙動安定性を高めることができる。
(8)ベース操舵反力補正ゲイン演算部37は、スプリットμ路上での制動開始後に、操舵角速度が設定値より大きいときには、操舵角速度が大きくなるほど操舵反力指令値を大きく補正するようにした。
よって、操舵速度が大きくなるほどベース操舵反力を大きくすることによりドライバは安定した操舵を行うことができ、また車両挙動安定性を高めることができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば実施例1の操舵制御装置1では、マスタシリンダ圧とバルブの開弁時間からホイルシリンダ圧を求めるようにしているが、直接ホイルシリンダに液圧センサを設けてホイルシリンダ圧を検出するようにしても良い。
また実施例1の操舵制御装置1では、転舵アクチュエータ8の回転角から前輪2の転舵角を求めるようにしているが、前輪2の転舵角を直接検出する転舵角センサを用いるようにしても良い。
また実施例1の操舵制御装置1では、操舵側または転舵側の機構に異常が発生した際に操舵側と転舵側とを機械的に連結するバックアップクラッチを有しないが、このバックアップクラッチを設けるようにしても良い。
また実施例1の操舵制御装置1では、転舵機構としてラック・ピニオン式のものを用いているが、ボール・ナット式のものを用いても良い。
1 操舵装置
2 前輪(転舵輪)
4 ステアリングホイール(操舵手段)
5 操舵角センサ(操舵角検出手段)
6 操舵反力アクチュエータ
8 転舵アクチュエータ
15 転舵アクチュエータ回転角センサ(転舵角検出手段)
18 マスタシリンダ圧センサ(制動力検出手段)
19 自動カウンタステア演算部(付加転舵角演算手段、増加操舵反力演算手段)
20 スプリットμ検出部(左右異摩擦係数路面制動検出手段)
21 前輪転舵角演算部(転舵角制御手段)
22 操舵反力演算部(操舵反力制御手段)
35 アシスト操舵反力演算部(アシスト操舵反力演算手段)
36 ベース操舵反力演算部(ベース操舵反力演算手段)
37 ベース操舵反力補正ゲイン演算部(ベース操舵反力補正手段)
57 ベース転舵角演算部(ベース転舵角演算手段)

Claims (8)

  1. 車両の転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータと、
    前記転舵輪と機械的に切り離され、ドライバによる操舵力が入力される操舵手段と、
    前記操舵手段の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記転舵輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、
    該操舵手段に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータと、
    前記操舵角に基づいて前記転舵輪を転舵させるベース転舵角を演算するベース転舵角演算手段と、
    前記転舵角に基づいて前記操舵手段へ付与するベース操舵反力を演算するベース操舵反力演算手段と、
    左右車輪の接地面の摩擦係数の差が設定値より大きい左右異摩擦係数路面上で制動が行われていることを検出する左右異摩擦係数路面制動検出手段と、
    左右異摩擦係数路面上での制動時に、車両に発生するヨーモーメントを演算し、該ヨーモーメントを低減するように前記転舵輪の付加転舵角を演算する付加転舵角演算手段と、
    前記付加転舵角により増加する前記ベース操舵反力を増加操舵反力として演算する増加操舵反力演算手段と、
    該ベース転舵角に前記付加転舵角を加えた値に応じた転舵角指令値に基づいて前記転舵アクチュエータを制御する転舵角制御手段と、
    前記ベース操舵反力から前記増加操舵反力に基づいて低減した値に応じた操舵反力指令値に基づいて前記操舵反力アクチュエータを制御する操舵反力制御手段と
    を設けたことを特徴とする操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    左右異摩擦係数路面上での制動時に、カウンタステア方向に付与する操舵反力であるアシスト操舵反力を演算するアシスト操舵反力演算手段を設け、
    前記操舵反力制御手段は、前記ベース操舵反力に前記アシスト反力を加えた値に応じた操舵反力指令値に基づいて前記操舵反力アクチュエータを制御することを特徴とする操舵制御装置。
  3. 請求項2に記載の操舵制御装置において、
    前記アシスト操舵反力演算手段は、前記転舵角指令値と前記転舵角との差分角が大きくなるほど前記アシスト操舵反力が大きくなるように演算することを特徴とする操舵制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の操舵制御装置において、
    前記アシスト操舵反力演算手段は、車両のヨーレイトが設定値よりも大きいとき、前記ヨーレイトが大きくなるほど前記アシスト操舵反力が大きくなるように演算することを特徴とする操舵制御装置。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の操舵制御装置において、
    前記アシスト操舵反力演算手段は、車速が設定値よりも大きいとき、前記車速が大きくなるほど前記アシスト反力が小さくなるように演算することを特徴とする操舵制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の操舵制御装置において、
    左右異摩擦係数路面上での制動時であってドライバによるカウンタステア開始後に、前記ベース操舵反力を大きくなるように補正するベース操舵反力補正手段を設けたことを特徴とする操舵制御装置。
  7. 請求項6に記載の操舵制御装置において、
    前記ベース操舵反力補正手段は、左右異摩擦係数路面上での制動開始時の操舵角に対して、操舵角が大きくなるほど前記ベース操舵反力を大きくなるように補正することを特徴とする操舵制御装置。
  8. 請求項6または請求項8に記載に操舵制御装置において、
    前記ベース操舵反力補正手段は、左右異摩擦係数路面上での制動開始後に、操舵角速度が設定値より大きいときには、前記操舵角速度が大きくなるほど前記操舵反力指令値を大きく補正することを特徴とする操舵制御装置。
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