JP2012031964A - 逆入力遮断クラッチ - Google Patents

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声一 高田
Tsutomu Maiwa
勉 眞岩
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Abstract

【課題】一方向の入力トルクのみを伝達する逆入力遮断クラッチにおいて、入力トルク伝達後の逆入力トルクに対して入力回転部材の共回りを防止する。
【解決手段】入力側の外輪11と出力軸2との間の楔形空間14に配されるころ3を、ハウジング8から摺動ばね5を介して回転抵抗を受ける保持器4で保持するとともに、ハウジング8内周面に摺接するブレーキばね6と入力軸10との間に戻しばね7を配して、入力回転部材1(入力軸10と外輪11)に一定方向の入力トルクが加えられたときは、入力軸10とブレーキばね6との間で戻しばね7を圧縮しながら、保持器4でころ3を外輪11および出力軸2と係合(ロック)させて出力軸2にトルクを伝達し、その入力トルクの供給が停止したときには、戻しばね7が弾性回復して入力回転部材1を入力トルクと逆の方向へ回転させることにより、ころ3のロック状態が確実に解除されるようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、入力側に加えられる入力トルクを出力側に伝達し、出力側に加えられる逆入力トルクは入力側に伝達されないようにする逆入力遮断クラッチに関する。
逆入力遮断クラッチは、同一軸心のまわりに回転する入力回転部材と出力回転部材とをトルク伝達可能に連結し、その連結部に逆入力遮断機構、すなわち入力回転部材に加えられる入力トルクを出力回転部材に伝達し、出力回転部材に加えられる逆入力トルクは入力回転部材に伝達しない機構を設けたものである。
ところで、逆入力遮断クラッチの使用条件としては、入力回転部材の回転方向が一方向に限定されている場合があることから、本出願人は、このような条件のもとで使用するのに適したコンパクトな逆入力遮断クラッチとして、所定の一方向(一定方向)の入力トルクのみを伝達し、逆入力トルクに対しては出力回転部材が空転する構造のものを提案した(特許文献1参照。)。
上記特許文献1に記載された逆入力遮断クラッチの具体的な構造は、入力回転部材の径方向内側に入力回転部材と同心状態に出力回転部材を配し、その出力回転部材の外周面を円筒面とし、入力回転部材の内周面に所定の周方向間隔をおいて複数のポケットを設け、これらの各ポケットの底側に同一方向に傾斜するカム面を設けて、各ポケットのカム面と出力回転部材の円筒面との間に周方向の一側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、各ポケットに、ころと、ころを楔形空間の広大側へ向けて付勢する付勢ばねと、ころを挟んで付勢ばねと対向する位置に配される押さえ板とを収容し、押さえ板に固定部材と摺動する摺動ばねを取り付けたものである。
このクラッチでは、入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられると、ころが固定部材から摺動ばねを介して回転抵抗を受ける押さえ板に押され、付勢ばねの弾性力に抗して楔形空間の狭小側へ相対移動して入力回転部材および出力回転部材と係合することにより、出力回転部材にトルクが伝達される。一方、出力回転部材に逆入力トルクが加えられたときは、付勢ばねがころおよび押さえ板を楔形空間の広大側へ押すことにより、ころの入力回転部材および出力回転部材との係合(ロック)が解除された状態となるので、出力回転部材が空転して入力回転部材にはトルクが伝達されないようになっている。
特開2005−351422号公報
ところが、上述した特許文献1に記載の逆入力遮断クラッチでは、入力回転部材に入力トルクが加えられて出力回転部材にトルクが伝達された後、入力トルクと逆方向の逆入力トルクが出力回転部材に加えられたときに、入力回転部材が出力回転部材と共回りしてしまうことがある。これは、トルク伝達直後には、ころのロック状態が保持されているからである。すなわち、トルク伝達後のロック状態において、入力トルクと同方向の逆入力トルクが加えられると、ころが出力回転部材から受ける摩擦力と付勢ばねの弾性力により楔形空間の広大側へ移動してロック状態が解除され、出力回転部材が空転するが、逆方向の逆入力トルクが加えられた場合は、ロック状態が解除されず、逆入力トルクが入力回転部材に伝達されてしまうのである。
そこで、本発明は、一方向の入力トルクのみを伝達する逆入力遮断クラッチにおいて、入力トルク伝達後の逆入力トルクに対して入力回転部材の共回りを防止することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、同一軸心のまわりに回転する入力回転部材と出力回転部材とを径方向内外に配し、前記入力回転部材の出力回転部材との対向面に所定の周方向間隔をおいて同一方向に傾斜するカム面を設けて、各カム面とこれに対向する前記出力回転部材の円筒面との間に周方向の一側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間にころを配して、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときは、前記各ころと固定部材との間に設けたロック手段が各ころを前記楔形空間の狭小側へ相対移動させて入力回転部材および出力回転部材と係合させることにより、出力回転部材にトルクが伝達され、前記出力回転部材に逆入力トルクが加えられたときには、出力回転部材が空転して入力回転部材にトルクが伝達されないようにした逆入力遮断クラッチにおいて、前記一定方向の入力トルクの供給が停止したときに前記入力回転部材を逆方向に回転させることにより、前記各ころを楔形空間の広大側へ相対移動させてころと入力回転部材および出力回転部材との係合状態を解除するロック解除手段を設けた構成を採用したのである。この構成によれば、入力トルクの供給が停止したときに確実にころのロック状態を解除することができるので、その後に入力トルクと逆方向の逆入力トルクが加えられても入力回転部材が共回りすることがない。
上記の構成において、前記ロック解除手段としては、前記入力回転部材に回転抵抗を付与する制動部材と、この制動部材と入力回転部材との間で伸縮する戻しばねとを備え、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときには、前記戻しばねが弾性変形した状態で入力回転部材および制動部材と一体に回転し、前記入力トルクの供給が停止したときに、前記戻しばねが弾性回復することにより前記入力回転部材を逆方向に回転させるものを採用するとよい。
ここで、前記制動部材は、弾性体で形成され、その弾性力により前記固定部材に押し付けられるもの、具体的には、金属製線材を前記固定部材の円筒部の内周面に拡径力をもって摺接するように巻いたブレーキばねを用いることができる。
また、前記戻しばねには、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときに、入力回転部材と前記制動部材との間で圧縮される圧縮コイルばね、あるいは入力回転部材と前記制動部材との間で引っ張られる引張コイルばねを用いることができる。圧縮コイルばねを用いる場合は、予め所定の圧縮しろを残して圧縮した状態で組み込むことにより、入力回転部材を逆方向に回転させる力を大きくして、ロック状態の解除がより確実に行われるようにすることができる。引張コイルばねを用いる場合は、その初張力を高く設定するほど、入力回転部材の小さい回転角度で制動部材を入力回転部材と一体回転させるのに必要な弾性力が生じるので、入力トルクの伝達開始から定常状態になるまでの遅れ角を小さくすることができる。
一方、前記ロック手段としては、前記各ころを入力回転部材のカム面と出力回転部材の円筒面との間に配した保持器で保持し、前記保持器と係合した状態で前記固定部材の円筒部と摺動する摺動ばねを組み込んで、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときに、前記入力回転部材のカム面に押されたころを、前記摺動ばねと固定部材との間の摩擦力を受ける保持器で前記楔形空間の狭小側へ相対移動させるものを採用することができる。
また、前記出力回転部材に、前記逆入力トルクによる出力回転部材の回転速度を、前記ロック解除手段による入力回転部材の逆回転の速度よりも小さくする回転速度制限手段を設ければ、一定方向の入力トルクの供給が停止したときに、出力回転部材に入力トルクと逆方向の逆入力トルクが加えられていても、入力回転部材を出力回転部材よりも速く逆回転させてロック解除を行うことができる。その回転速度制限手段としては、ダンパーを用いることができる。
さらに、前記入力回転部材へ駆動機構の駆動トルクを伝達する入力伝達部材と入力回転部材との間に一方向クラッチを設けて、一定方向の駆動トルクのみが入力トルクとして入力回転部材に加えられるようにすれば、逆方向の駆動トルクに対して入力回転部材およびロック手段やロック解除手段を構成する部材が回転しなくなるので、駆動機構の空転トルクを小さくすることができる。
本発明の逆入力遮断クラッチは、上述したように、一定方向の入力トルクの供給が停止したときに、入力回転部材を逆方向に回転させることにより、ころのロック状態を確実に解除できるようにしたものであるから、その後に入力トルクと逆方向の逆入力トルクが加えられても入力回転部材が共回りすることがなく、安定した逆入力遮断動作が得られる。
第1実施形態のクラッチの分解斜視図 図1のクラッチの縦断正面図 aは図2のIIIa−IIIa線断面図、bはaの入力軸凹部付近の平面図 図1のクラッチの動作を説明する要部の断面図 第2実施形態のクラッチの要部の分解斜視図 図5のクラッチの縦断正面図 aは図6のVIIa−VIIa線断面図、bはaの入力軸凹部付近の平面図 図5のクラッチの動作を説明する要部の断面図 第3実施形態のクラッチの分解斜視図 図9のクラッチの縦断正面図 aは図10のXIa−XIa線断面図、bはaの入力軸凹部付近の平面図 図9のクラッチの動作を説明する要部の断面図 第4実施形態のクラッチの縦断正面図 図13のXIV−XIV線断面図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図4は第1の実施形態を示す。この逆入力遮断クラッチは、図1乃至図3に示すように、入力回転部材1と、入力回転部材1の径方向内側に配される出力回転部材としての出力軸2と、入力回転部材1と出力軸2との間に配される複数のころ3と、各ころ3を保持する保持器4と、保持器4と係合する摺動ばね5と、入力回転部材1に回転抵抗を付与する制動部材としてのブレーキばね6と、ブレーキばね6と入力回転部材1との間に配される戻しばね(圧縮コイルばね)7と、入力回転部材1の径方向外側に配される固定部材としてのハウジング8とで基本的に構成されている。その出力軸2およびハウジング8は、入力回転部材1と同心状態に配されている。
前記ハウジング8は、一端に出力軸2を通す蓋部を有する円筒状のもので、その一端側に設けられた鍔部8aに固定用の取付孔8bがあけられ、他端部の内周には出力軸2を通す円板状の蓋9が嵌め込まれている。
前記入力回転部材1は、二段円筒状の入力軸10とその大径部内周に嵌め込まれる外輪11とからなり、入力軸10と外輪11とが互いの嵌合面に形成された凹凸の嵌合により一体回転するようになっている。その入力軸10の小径部には、断面がD字状に形成された部分にこれと合致する孔形状の入力伝達部材としての入力歯車12が嵌め込まれ、この入力歯車12が図示省略した駆動機構の駆動トルクを入力回転部材1へ入力トルクとして伝達するようになっている。入力歯車12は、これに隣接する位置で出力軸2に嵌め込まれた止め輪13により抜け止めされている。また、入力軸10の大径部外周には、ブレーキばね6の両端のフック部6aと戻しばね7を収納する凹部10aが設けられている。
前記戻しばね7は、その一端部が入力軸10の凹部10aの内壁に固定され、所定の圧縮しろを残して圧縮された状態で他端がブレーキばね6の一端のフック部6aに当接するように組み込まれている。また、ブレーキばね6は、金属製線材をC字状に巻いたもので、ハウジング8の内周面に拡径力をもって摺接するとともに、その一端のフック部6aが戻しばね7と当接することにより、ハウジング8との間の摩擦力を受けて入力回転部材1に回転抵抗を付与するようになっている(図3(a)、(b)参照)。
前記外輪11の内周面には、所定の周方向間隔をおいて同一方向に傾斜するカム面11aが設けられており、このカム面11aと出力軸2の外周円筒面との間に周方向の一側で次第に狭小となる楔形空間14が形成されている。そして、各楔形空間14に前記ころ3が一つずつ配されている(図3(a)参照)。
前記保持器4は、出力軸2を通す円板部4aと、円板部4aの一側面に立設された複数の柱部4bとからなり、隣接する柱部4bどうしの間にころ3を収容するポケット15が形成されている。そして、その各柱部4bが外輪11と出力軸2との間に挿入される状態で、ポケット15に収容したころ3を外輪11および出力軸2と係脱自在に保持するようになっている。また、その円板部4aの外周部には摺動ばね5と係合する凸部4cが設けられている。
前記摺動ばね5は、金属製線材を環状に巻いたもので、ハウジング8の内周面に拡径力をもって摺接するとともに、互いに重なり合う両端部から内側に延びるフック部5aが保持器4の凸部4cに引っ掛けられて保持器4に係合することにより、ハウジング8との間の摩擦力を受けて保持器4に回転抵抗を付与するようになっている。
次に、この逆入力遮断クラッチの動作を図4に基づいて説明する。このクラッチでは、入力歯車12から入力回転部材1に一定方向(実線矢印)の入力トルクが加えられると、まず、入力回転部材1のみがわずかに回転し、回転した入力軸10とその場に留まろうとするブレーキばね6との間で戻しばね7が圧縮される。このとき、入力回転部材1は外輪11のカム面11aでころ3を押してころ3とともに保持器4を回転させようとするが、保持器4は摺動ばね5から回転抵抗を受けてその場に留まろうとするため、保持器4に保持されたころ3が相対的に楔形空間14の狭小側へ移動して外輪11および出力軸2と係合(ロック)する。ころ3がロックすると入力回転部材1から出力軸2にトルクが伝達されるようになり、その後に圧縮された戻しばね7の弾性力がブレーキばね6とハウジング8との間の摩擦力より大きくなって、戻しばね7およびブレーキばね6が回転し始め、定常的なトルク伝達状態となる。このトルク伝達が行われている間、戻しばね7は組み込み時よりも圧縮された状態で入力回転部材1およびブレーキばね6と一体に回転する。
そして、上記の入力トルクの供給が停止すると、入力回転部材1はブレーキばね6および戻しばね7とともに一旦停止するが、圧縮されていた戻しばね7が停止したブレーキばね6に他端側への伸びを規制された状態で弾性回復して、入力回転部材1を入力トルクと逆の方向へわずかに回転させる(一点鎖線矢印)。これにより、各ころ3は楔形空間14の広大側へ相対移動し、ころ3のロック状態が解除される(一点鎖線の状態となる)。従って、この後に出力軸2に逆入力トルクが加えられても、出力軸2は逆入力トルクの方向によらず空転し、入力回転部材1が共回りすることはない。
なお、図示は省略するが、図4と逆方向の入力トルクが加えられた場合は、入力回転部材1が回転しても、ころ3は楔形空間14の広大側に留まりロック状態とならないので、出力軸2にはトルクが伝わらない。
この逆入力遮断クラッチは、上述したように、一定方向の入力トルクの供給が停止したときに、入力回転部材1を逆方向に回転させてころ3のロック状態を確実に解除するロック解除手段を設けたので、入力トルク供給停止後に入力トルクと逆方向の逆入力トルクを加えられても入力回転部材1が共回りせず、安定した逆入力遮断動作が得られる。
図5乃至図8に示す第2の実施形態は、第1実施形態のブレーキばね6と戻しばね7との間に戻し部材16を介在させたものである。この戻し部材16は、図5乃至図7に示すように、入力回転部材1の入力軸10小径部を通す円板状部材であり、入力軸10大径部の凹部10aに収納される凸部16aと、ブレーキばね6の両端のフック部6aを収納する凹部16bとが設けられている。そして、図7(a)、(b)に示したように、その凸部16aの一側面が戻しばね7の他端に当接し、凹部16bの周方向両側の内壁にそれぞれブレーキばね6の両端のフック部6aが当接するように組み込まれている。その他の部分の構成は第1実施形態と同じである。
従って、図8に示すように、入力回転部材1に一定方向(実線矢印)の入力トルクが加えられたときは、戻しばね7が入力軸10の凹部10aの内壁と戻し部材16の凸部16aの一側面との間で圧縮され、ブレーキばね6の一端のフック部6aが戻し部材16の凹部16bの内壁に押される状態で、第1実施形態と同様にころ3がロックして出力軸2にトルクが伝達される。一方、その入力トルクの供給が停止すると、停止したブレーキばね6および戻し部材16に他端側への伸びを規制された戻しばね7が弾性回復し、第1実施形態と同様に入力回転部材1がわずかに逆回転して(一点鎖線矢印)、ころ3のロック状態が解除される(一点鎖線の状態となる)。
この実施形態では、上述のように戻しばね7およびブレーキばね6がそれぞれ戻し部材16の平面部分と当接して両者間の力の伝達を行うので、戻しばね7とブレーキばね6が直接当接する第1実施形態よりも安定したクラッチ動作が得られる。
図9乃至図12に示す第3の実施形態は、第1実施形態の戻しばね7に代えて、引張コイルばねを戻しばね17として用いたものである。また、これに伴い、ブレーキばね6は互いに重なり合う両端部の一方にのみフック部6aを有するものとし、入力軸10大径部の凹部10aにはその奥側の内壁から突出するピン10bを設けている。そして、図11(a)、(b)に示したように、戻しばね17は、その一端のフックをブレーキばね6のフック部6aに、他端のフックを入力軸10のピン10bにそれぞれ引っ掛けた状態で組み込まれている。その他の部分の構成は第1実施形態と同じである。
従って、図12に示すように、入力回転部材1に一定方向(実線矢印)の入力トルクが加えられたときは、戻しばね17が入力軸10のピン10bとブレーキばね6のフック部6aとの間で引っ張られた状態で、第1実施形態と同様にころ3がロックして出力軸2にトルクが伝達される。一方、その入力トルクの供給が停止すると、停止したブレーキばね6に一端を保持された戻しばね17が弾性回復し(縮み)、第1実施形態と同様に入力回転部材1がわずかに逆回転して(一点鎖線矢印)、ころ3のロック状態が解除される(一点鎖線の状態となる)。
この実施形態では、上述のように戻しばね17として引張コイルばねを用いたので、その初張力を適度に高く設定して、入力回転部材1の小さい回転角度でブレーキばね6を入力回転部材1と一体回転させるのに必要な弾性力を生じさせることにより、入力トルクの伝達開始から定常状態になるまでの遅れ角を小さくすることができる。
図13および図14に示す第4の実施形態は、第1実施形態をベースとし、入力軸10小径部の外径を2段に形成して、この入力軸10の最小外径部と入力歯車12との間に一方向クラッチ18を設けるとともに、出力軸2に出力軸2の回転速度を制限するダンパー19を取り付けたものである。
前記一方向クラッチ18は、図14に示したように、入力歯車12と一体回転する外輪20の内周面に複数のカム面20aを設け、各カム面20aと入力軸10最小外径部の外周円筒面との間に形成される楔形空間21に、ころ22ところ22を楔形空間21の狭小側へ付勢するばね23を配した一般的な構成のもので、前記駆動機構から入力歯車12に伝わる駆動トルクのうち、一定方向の駆動トルクのみを入力トルクとして入力軸10に伝達するようになっている。これにより、逆方向の駆動トルクに対しては、入力回転部材1が回転せず、その結果ブレーキばね6、戻しばね7、ころ3、保持器4および摺動ばね5も回転しないので、第1実施形態のものに比べて前記駆動機構の空転トルクを小さくすることができる。
また、前記ダンパー19は、逆入力トルクによる出力軸2の回転速度を、戻しばね7による入力回転部材1の逆回転の速度よりも小さくするように調整されている。これにより、一定方向の入力トルクの供給が停止したときに、出力軸2に入力トルクと逆方向の逆入力トルクが加えられていても、入力回転部材1を出力軸2よりも速く逆回転させて確実にロック解除を行うことができる。
1 入力回転部材
2 出力軸(出力回転部材)
3 ころ
4 保持器
5 摺動ばね
6 ブレーキばね(制動部材)
7 戻しばね(圧縮コイルばね)
8 ハウジング(固定部材)
10 入力軸
11 外輪
11a カム面
12 入力歯車
14 楔形空間
16 戻し部材
17 戻しばね(引張コイルばね)
18 一方向クラッチ
19 ダンパー

Claims (11)

  1. 同一軸心のまわりに回転する入力回転部材と出力回転部材とを径方向内外に配し、前記入力回転部材の出力回転部材との対向面に所定の周方向間隔をおいて同一方向に傾斜するカム面を設けて、各カム面とこれに対向する前記出力回転部材の円筒面との間に周方向の一側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間にころを配して、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときは、前記各ころと固定部材との間に設けたロック手段が各ころを前記楔形空間の狭小側へ相対移動させて入力回転部材および出力回転部材と係合させることにより、出力回転部材にトルクが伝達され、前記出力回転部材に逆入力トルクが加えられたときには、出力回転部材が空転して入力回転部材にトルクが伝達されないようにした逆入力遮断クラッチにおいて、前記一定方向の入力トルクの供給が停止したときに前記入力回転部材を逆方向に回転させることにより、前記各ころを楔形空間の広大側へ相対移動させてころと入力回転部材および出力回転部材との係合状態を解除するロック解除手段を設けたことを特徴とする逆入力遮断クラッチ。
  2. 前記ロック解除手段が、前記入力回転部材に回転抵抗を付与する制動部材と、この制動部材と入力回転部材との間で伸縮する戻しばねとを備え、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときには、前記戻しばねが弾性変形した状態で入力回転部材および制動部材と一体に回転し、前記入力トルクの供給が停止したときに、前記戻しばねが弾性回復することにより前記入力回転部材を逆方向に回転させるものであることを特徴とする請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
  3. 前記制動部材が、弾性体で形成され、その弾性力により前記固定部材に押し付けられるものであることを特徴とする請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
  4. 前記制動部材が、金属製線材を前記固定部材の円筒部の内周面に拡径力をもって摺接するように巻いたブレーキばねであることを特徴とする請求項3に記載の逆入力遮断クラッチ。
  5. 前記戻しばねが、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときに、入力回転部材と前記制動部材との間で圧縮される圧縮コイルばねであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  6. 前記戻しばねとしての圧縮コイルばねを、予め所定の圧縮しろを残して圧縮した状態で組み込んだことを特徴とする請求項5に記載の逆入力遮断クラッチ。
  7. 前記戻しばねが、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときに、入力回転部材と前記制動部材との間で引っ張られる引張コイルばねであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  8. 前記ロック手段が、前記各ころを入力回転部材のカム面と出力回転部材の円筒面との間に配した保持器で保持し、前記保持器と係合した状態で前記固定部材の円筒部と摺動する摺動ばねを組み込んで、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときに、前記入力回転部材のカム面に押されたころを、前記摺動ばねと固定部材との間の摩擦力を受ける保持器で前記楔形空間の狭小側へ相対移動させるものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  9. 前記出力回転部材に、前記逆入力トルクによる出力回転部材の回転速度を、前記ロック解除手段による入力回転部材の逆回転の速度よりも小さくする回転速度制限手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  10. 前記出力回転部材の回転速度制限手段としてダンパーを用いたことを特徴とする請求項9に記載の逆入力遮断クラッチ。
  11. 前記入力回転部材へ駆動機構の駆動トルクを伝達する入力伝達部材と入力回転部材との間に一方向クラッチを設けて、一定方向の駆動トルクのみが入力トルクとして入力回転部材に加えられるようにしたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
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