JP2013122293A - 逆入力遮断クラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で一定方向の逆入力トルクの伝達を遮断することができる逆入力遮断クラッチを提供する。
【解決手段】入力側部材3と出力側部材4との間にトルク伝達手段を設けるとともに、固定部材2の内周円筒面の内側に配したコイルばね5の一端のフック部5aを出力側部材4に固定し、入力側部材3にコイルばね5の他端のフック部5bと回転方向で対向するロック解除片3dを設けてばねクラッチを形成することにより、一定方向の逆入力トルクの伝達を遮断し、入力トルクはいずれの方向でも伝達できる逆入力遮断クラッチを構成した。この逆入力遮断クラッチは、外輪と内輪の間に複数の転動体と弾性部材を組み込んだ従来のものに比べて、構造が簡単で部品点数が少なく、組み立てやメンテナンスにも手間がかからない。
【選択図】図1
【解決手段】入力側部材3と出力側部材4との間にトルク伝達手段を設けるとともに、固定部材2の内周円筒面の内側に配したコイルばね5の一端のフック部5aを出力側部材4に固定し、入力側部材3にコイルばね5の他端のフック部5bと回転方向で対向するロック解除片3dを設けてばねクラッチを形成することにより、一定方向の逆入力トルクの伝達を遮断し、入力トルクはいずれの方向でも伝達できる逆入力遮断クラッチを構成した。この逆入力遮断クラッチは、外輪と内輪の間に複数の転動体と弾性部材を組み込んだ従来のものに比べて、構造が簡単で部品点数が少なく、組み立てやメンテナンスにも手間がかからない。
【選択図】図1
Description
本発明は、入力側に加えられる入力トルクを出力側に伝達し、出力側に加えられる逆入力トルクは入力側に伝達されないようにする逆入力遮断クラッチに関する。
逆入力遮断クラッチは、同一軸心のまわりに回転する入力側部材と出力側部材とをトルク伝達可能に連結し、その連結部に逆入力遮断機構、すなわち入力側部材に加えられる入力トルクを出力側部材に伝達し、出力側部材に加えられる逆入力トルクは入力側部材に伝達しない機構を設けたものである。このような逆入力遮断クラッチには、出力側部材に逆入力トルクが加えられたときに出力側部材をロックさせる方式のものがある(例えば、特許文献1参照。)。
図9は、上記のように逆入力トルクに対して出力側部材をロックさせる方式の逆入力遮断クラッチの一例を示す。このクラッチは、入力側部材と出力側部材とを同一軸心のまわりに回転しかつトルク伝達できるように連結しており(図示省略)、その出力側部材の一部を構成する内輪51の外側に固定外輪52を配し、内輪51の外周にカム面51aを設けて、外輪52の内周円筒面と内輪51外周面との間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間53を複数形成し、これらの各楔形空間53に一対の円筒ころ(転動体)54と各ころ54を楔形空間53の狭小部に押し込む圧縮コイルばね(弾性部材)55を組み込むとともに、各楔形空間53の周方向両側(ころ54を挟んでばね55と対向する位置)に、入力側部材の一部を構成する保持器のロック解除片としての柱部56を挿入したものである。
この逆入力遮断クラッチでは、各ころ54がばね55の弾力で楔形空間53の狭小部に押し込まれているので、出力側部材に逆入力トルクが加えられても、回転方向後方側のころ54が外輪52および内輪51に係合することにより内輪51がロックされ、入力側部材にはトルクが伝達されない。
一方、入力側部材に入力トルクが加えられたときには、保持器の柱部56が回転方向後方側のころ54をばね55の弾力に抗して楔形空間53の広大部へ押しやることにより、ころ54と外輪52および内輪51との係合が解除されて、内輪51がロック状態から解放され、出力側部材にトルクが伝達される(図9中の矢印参照。)。
また、特許文献1には、図9のころの代わりに外輪の内周円筒面と内輪の外周円筒面との間に複数のスプラグを組み込み、各スプラグにスプラグが傾いたときに内外輪の円筒面と係合するカム面を形成し、このスプラグを非係合の状態に保持する弾性部材を組み込んで、図9の例と同様の作用効果を発揮するようにしたものも記載されている。
上記特許文献1に記載された逆入力遮断クラッチは、外輪と内輪の間に複数のころやスプラグ等の転動体とそれに対応した複数の弾性部材を組み込んでいるため、部品点数が多く組み立てやメンテナンスの作業も煩雑である。また、いずれの方向の逆入力トルクに対しても入力側部材へのトルク伝達を遮断することができるが、昇降装置の駆動モータと被昇降体との間に組み込む場合等、逆入力トルクが一定方向にしか加えられない用途に対してはオーバースペックとなる。
そこで、本発明は、簡単な構造で一定方向の逆入力トルクの伝達を遮断することができる逆入力遮断クラッチを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の逆入力遮断クラッチは、同一軸心のまわりに回転する入力側部材と出力側部材との間に、入力側部材の回転を僅かな角度遅れをもって出力側部材に伝達するトルク伝達手段を設け、内周側に円筒面を有する固定部材を、その円筒面が前記出力側部材の外周面と対向するように配し、前記固定部材の内周円筒面の内側に、両端にフック部を有するコイルばねを配し、前記コイルばねの一端のフック部を出力側部材に固定し、前記入力側部材にコイルばねの他端のフック部と回転方向で対向するロック解除片を設け、前記出力側部材に逆入力トルクが一定方向に加えられたときは、前記コイルばねが拡径して固定部材の内周円筒面に押し付けられることにより、前記出力側部材がロックされて入力側部材は回転せず、前記入力側部材に入力トルクが前記一定方向に加えられたときには、前記入力側部材のロック解除片がコイルばねの他端のフック部を押してコイルばねを縮径させることにより前記ロック状態が解除された後、前記トルク伝達手段により入力側部材の回転が出力側部材に伝達され、前記入力側部材に入力トルクが前記一定方向と逆の方向に加えられたときには、前記トルク伝達手段により、前記出力側部材がコイルばねを縮径させて前記ロック状態を解除した状態で回転するようにしたものである。
すなわち、入力側部材と出力側部材との間にトルク伝達手段を設けるとともに、固定部材の内周円筒面の内側に配したコイルばねの一端のフック部を出力側部材に固定し、入力側部材にコイルばねの他端のフック部と回転方向で対向するロック解除片を設けてばねクラッチを形成した簡単な構造で、一定方向の逆入力トルクに対して出力側部材をロックしてトルクの伝達を遮断し、入力トルクに対してはいずれの方向でもロック状態を解除してトルク伝達を行うことができるものとしたのである。
前記コイルばねとしては、大径コイル部と、その大径コイル部の巻き終わり端に連設された内向き渦巻き状の連設部と、その連設部の小径端に連設されて大径コイル部の内側に逆向きの巻き方向で配置された小径コイル部とからなる2重巻のものを用いることもできる。この場合は、2重巻のコイルばねの大径コイル部を前記固定部材の内周円筒面の内側に配し、小径コイル部を前記出力側部材に設けた筒部の内周円筒面の内側に配して、前記出力側部材に逆入力トルクが一定方向に加えられたときは、前記2重巻のコイルばねの大径コイル部と小径コイル部がいずれも拡径して、その大径コイル部が固定部材の内周円筒面に、小径コイル部が出力側部材の内周円筒面にそれぞれ押し付けられるようにする。このようにすれば、一定方向の逆入力トルクが加えられたときに、コイルばねがその一端のフック部だけでなく小径コイル部でも出力側部材からのトルクを受けるようになるので、一端のフック部のみで出力側部材からのトルクを受ける1重巻のコイルばねを用いる場合よりも安定したロック動作が得られる。
上記のように2重巻のコイルばねを用いる場合は、前記出力側部材の筒部の開口縁に、前記2重巻のコイルばねの連設部が通される切欠きを設けることにより、クラッチ全体の軸方向のコンパクト化を図ることができる。
前記トルク伝達手段としては、前記入力側部材の軸部から係合凸部を突出させ、前記出力側部材に前記係合凸部が挿入される係合凹部を設け、前記係合凸部を回転方向で係合凹部の内壁に接触させてトルク伝達を行うものとすることができる。このとき、前記係合凸部と係合凹部の内壁との回転方向の接触を面接触とすることにより、その接触部における接触荷重を分散させて接触部の塑性変形を生じにくくし、出力側部材に連結された装置等の作動タイミングを安定させることができる。また、前記係合凸部は、係合凹部で回転自在に支持するとよい。
また、前記出力側部材には、前記入力側部材の軸部を回転自在に支持する軸受部を設けるとよい。
本発明は、昇降装置の駆動モータと被昇降体との間に組み込まれる逆入力遮断クラッチに対して、特に有効に適用することができる。
本発明の逆入力遮断クラッチは、上述したように、入力側部材と出力側部材との間にトルク伝達手段を設け、固定部材の内周円筒面の内側に配したコイルばねの一端のフック部を出力側部材に固定し、入力側部材にコイルばねの他端のフック部と回転方向で対向するロック解除片を設けて、一定方向の逆入力トルクの伝達を遮断し、入力トルクはいずれの方向でも伝達できるようにしたものであるから、外輪と内輪の間に複数の転動体と弾性部材を組み込んだ従来のものに比べて、構造が簡単で部品点数が少なく、組み立てやメンテナンスにも手間がかからない。
以下、図1乃至図8に基づき本発明の実施形態を説明する。図1乃至図4は第1の実施形態を示す。この逆入力遮断クラッチは、図1(a)および図2に示すように、ハウジング1の内周面に固定される円筒状の固定部材2と、昇降装置の駆動モータ(図示省略)に連結される小径軸部3aと固定部材2に挿入される大径軸部3bを有する入力側部材3と、固定部材2の一端側の蓋部2aから突出する小径軸部4aと入力側部材3の大径軸部3bにトルク伝達可能に連結される大径円筒部4bを有する出力側部材4と、両端に内向きのフック部5a、5bを有し、固定部材2の内側に配されるコイルばね5と、入力側部材3の小径軸部3aを通し、固定部材2の他端側の開口を塞いで入力側部材3を抜け止めする蓋6とで構成されている。
そして、図1(a)、(b)に示すように、出力側部材4の小径軸部4aにはプーリ7が取り付けられ、このプーリ7に被昇降体8を吊り下げたワイヤロープ9が巻き付けられて、出力側部材4に常に一定方向(図1中の実線矢印方向)の逆入力トルクが加えられる状態で使用される。なお、プーリ7は、その両側で出力側部材4の小径軸部4aに嵌め込まれた止め輪10により軸方向に拘束されている。
前記固定部材2は、内周面が2段の円筒面に形成されており、その大径側の円筒面にコイルばね5が全周にわたって摺接するようになっている。また、他端にはフランジ部2bを有し、このフランジ部2bの内周に蓋6が嵌め込まれている。そして、フランジ部2bに連続するように設けられた突出部2cがハウジング1内周面の凹部に嵌め込まれることにより、回り止めされている。
前記入力側部材3は、小径軸部3aと大径軸部3bとの境界の位置にフランジ部3cを有しており、このフランジ部3cの内側面に、コイルばね5の他端のフック部5bと回転方向で対向し、円弧状に延びるロック解除片3dが設けられている(図3(a)参照)。また、大径軸部3bの一端側の端面からは、後述するように出力側部材4へのトルク伝達を行うための係合凸部3eを突出させている(図3(b)参照)。
前記出力側部材4は、大径円筒部4bが入力側部材3の大径軸部3bを回転自在に支持する軸受部となっており、これにより両部材3、4が同一軸心のまわりに回転するようになっている。その大径円筒部4bの外周面には、他端側の端面から軸方向に延びる溝4cが設けられ、この軸方向溝4cにコイルばね5の一端のフック部5aが挿入固定されるようになっている(図3(a)参照)。また、大径円筒部4bの内底面には、入力側部材3の係合凸部3eが挿入される係合凹部4dが設けられている。
ここで、図3(b)に示すように、出力側部材4の係合凹部4dは、その内壁が径方向で対向する一対の円弧面と二面幅とで形成されている。一方、入力側部材3の係合凸部3eの外周面は、係合凹部4dの各円弧面と摺接する一対の円弧面と、係合凹部4dの二面幅よりも若干間隔の狭い二面幅と、その二面幅から円弧面に向かって傾斜した傾斜面とで形成されている。これにより、係合凸部3eが係合凹部4dで回転自在に支持されるとともに、入力側部材3が回転したときに、僅かな角度遅れをもって係合凸部3eの傾斜面が回転方向で係合凹部4dの内壁の二面幅に面接触して、出力側部材4へのトルク伝達が行われるようになっている。
また、図1(a)に示したように、入力側部材3は、その小径軸部3aを蓋6に、フランジ部3cを固定部材2の大径側の内周円筒面にそれぞれ回転自在に支持され、出力側部材4は、その小径軸部4aを固定部材2の一端側の蓋部2aに、大径円筒部4bを固定部材2の小径側の内周円筒面にそれぞれ回転自在に支持されている。
次に、この逆入力遮断クラッチの動作について説明する。このクラッチでは、被昇降体8の自重により出力側部材4に常時一定方向の逆入力トルクが加えられているが、入力側部材3に入力トルクが加えられていないときは、出力側部材4に一端を固定されたコイルばね5が拡径して固定部材2の大径側の内周円筒面に押し付けられ、出力側部材4がコイルばね5を介して固定部材2にロックされるので、入力側部材3へのトルク伝達を遮断し、被昇降体8を停止させておくことができる。
そして、入力側部材3に一定方向(逆入力トルクと同方向)の入力トルクを加えたときには、まず、入力側部材3のロック解除片3dがコイルばね5の他端のフック部5bを押すことにより(図3(a))、コイルばね5が縮径して出力側部材4のロック状態が解除される。その後、入力側部材3の係合凸部3eが出力側部材4の係合凹部4dの内壁に面接触して、出力側部材4に入力トルクが伝達される(図3(b))。これにより、出力側部材4が入力側部材3と一体に回転し、被昇降体8が巻き下げられる(図1の実線矢印方向)。
一方、入力側部材3に前記一定方向と逆の方向の入力トルクを加えたときには、入力側部材3がコイルばね5と接触することなく回転し(図4(a))、入力側部材3の係合凸部3eが出力側部材4の係合凹部4dの内壁に面接触して、出力側部材4に入力トルクが伝達されることにより(図4(b))、出力側部材4がコイルばね5を縮径させてロック状態を解除した状態で入力側部材3と一体に回転し、被昇降体8が巻き上げられる(図1の一点鎖線矢印方向)。
この逆入力遮断クラッチは、上記の構成であり、出力側部材4のロックとそのロックの解除を行う機構(逆入力遮断機構)として、出力側部材4に一端を固定されたコイルばね5と入力側部材3に設けられたロック解除片3dを主要部とするばねクラッチを採用したので、複数の転動体と弾性部材を用いた従来のものに比べて、構造が簡単で部品点数が少なく、組み立てやメンテナンスにも手間がかからない。
また、ばねクラッチを構成するコイルばね5の一端のフック部5aが出力側部材4の軸方向溝4cに挿入固定されるようになっているので、コイルばね5の位置決めが容易で、繰り返しの動作に対しても、コイルばね5の他端のフック部5bと入力側部材3のロック解除片3dとの間の回転方向隙間、および入力側部材3の係合凸部3eと出力側部材4の係合凹部4dとの間の回転方向隙間を一定に保つことができ、長期間にわたって安定したクラッチ動作が得られる。
さらに、入力側部材3の係合凸部3eと出力側部材4の係合凹部4dの内壁との回転方向の接触を面接触としたので、その接触部における接触荷重が分散されて接触部の塑性変形を生じにくく、出力側部材4に連結された被昇降体8の昇降タイミングを安定させることができる。
図5乃至図8は第2の実施形態を示す。この実施形態は、第1実施形態をベースとし、その1重巻のコイルばね5に代えて2重巻のコイルばね11でばねクラッチを構成したものである。以下、この第2実施形態の第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図5(a)および図6に示すように、2重巻のコイルばね11は、大径コイル部11aと、その大径コイル部11aの巻き終わり端に連設された内向き渦巻き状の連設部11bと、その連設部11bの小径端に連設されて大径コイル部11aの内側に逆向きの巻き方向で配置された小径コイル部11cとからなり、小径コイル部11cの巻き始め端(コイル11の一端)に軸方向に延びるフック部11dが形成され、大径コイル部11aの巻き始め端(コイル11の他端)に内向きのフック部11eが形成されている。
また、出力側部材4は、大径円筒部4bの内周面が2段の円筒面に形成されており、第1実施形態の大径円筒部4b外周面の軸方向溝4cの代わりに、大径円筒部4b内周の段差面に、コイルばね11の一端のフック部11dが挿入される穴4eが設けられている。これにより、コイルばね11が、一端のフック部11dを出力側部材4の穴4eに挿入し、大径コイル部11aを固定部材2内周の大径側円筒面に、小径コイル部11cを出力側部材4の大径円筒部4b内周の大径側円筒面にそれぞれ全周にわたって摺接させた状態で組み込まれる。ここで、コイルばね11の連設部11bは出力側部材4の大径円筒部4bの開口縁に設けられた切欠き4fに通され、クラッチ全体の軸方向のコンパクト化を図れるようになっている。
一方、入力側部材3は、そのロック解除片3dが第1実施形態よりも軸方向に長く延ばされ、コイルばね11の他端のフック部11eと回転方向で対向するようになっている。また、そのフランジ部3cの内側面には、ロック解除片3dよりも中心側に環状溝3fが設けられ、この環状溝3fに出力側部材4の大径円筒部4bの開口縁部が回転自在に挿入されている。
また、図5(a)、(b)に示すように、出力側部材4に取り付けられたプーリ7へのワイヤロープ9の巻き付け方が、第1実施形態と逆になっている。したがって、被昇降体8の自重によって常時出力側部材4に加えられる逆入力トルクの方向(一定方向)は、図中の一点鎖線矢印方向となっている。
次に、この第2実施形態の逆入力遮断クラッチの動作について説明する。入力側部材3に入力トルクが加えられていないときは、出力側部材4に加えられる一定方向の逆入力トルクにより、2重巻のコイルばね11の大径コイル部11aが拡径して固定部材2内周の大径側円筒面に押し付けられ、出力側部材4がロックされるので、入力側部材3にはトルクが伝達されず、被昇降体8は停止状態で保持される。このとき、コイルばね11は、小径コイル部11cも拡径して出力側部材4の大径円筒部4b内周の大径側円筒面に押し付けられ、小径コイル部11cでも出力側部材4からのトルクを受けるようになる。
そして、入力側部材3に一定方向(逆入力トルクと同方向)の入力トルクを加えたときには、まず、入力側部材3のロック解除片3dがコイルばね11の他端のフック部11eを押すことにより(図7(a))、コイルばね11の大径コイル部11aと小径コイル部11cがいずれも縮径して出力側部材4のロック状態が解除される。その後、入力側部材3の係合凸部3eが出力側部材4の係合凹部4dの内壁に面接触して、出力側部材4に入力トルクが伝達される(図7(b))。これにより、出力側部材4が入力側部材3と一体に回転し、被昇降体8が巻き下げられる(図5の一点鎖線矢印方向)。
一方、入力側部材3に前記一定方向と逆の方向の入力トルクを加えたときには、入力側部材3がコイルばね11と接触することなく回転し(図8(a))、入力側部材3の係合凸部3eが出力側部材4の係合凹部4dの内壁に面接触して、出力側部材4に入力トルクが伝達されることにより(図8(b))、出力側部材4がコイルばね11全体を縮径させてロック状態を解除した状態で入力側部材3と一体に回転し、被昇降体8が巻き上げられる(図5の実線矢印方向)。
この第2実施形態は、上述したように基本的には第1実施形態と同様に動作するが、出力側部材4に加えられる逆入力トルクに対しては、2重巻のコイルばね11がその一端のフック部11dだけでなく小径コイル部11cでも出力側部材4からのトルクを受けるので、そのフック部11dの塑性変形が生じにくく、一端のフック部5aのみで出力側部材4からのトルクを受ける1重巻のコイルばね5を用いた第1実施形態よりも安定したロック動作が得られる。
一方、逆入力トルクが小さい用途に対しては、第1実施形態の方が第2実施形態よりも構造が簡単になるので有利である。
なお、本発明は、各実施形態のように昇降装置に組み込まれるものに限らず、逆入力トルクが一定方向にしか加えられない用途で使用される逆入力遮断クラッチに対して広く適用できる。
2 固定部材
3 入力側部材
3a 小径軸部
3b 大径軸部
3d ロック解除片
3e 係合凸部
4 出力側部材
4a 小径軸部
4b 大径円筒部
4d 係合凹部
4f 切欠き
5 コイルばね(1重巻)
5a、5b フック部
8 被昇降体
11 コイルばね(2重巻)
11a 大径コイル部
11b 連設部
11c 小径コイル部
11d、11e フック部
3 入力側部材
3a 小径軸部
3b 大径軸部
3d ロック解除片
3e 係合凸部
4 出力側部材
4a 小径軸部
4b 大径円筒部
4d 係合凹部
4f 切欠き
5 コイルばね(1重巻)
5a、5b フック部
8 被昇降体
11 コイルばね(2重巻)
11a 大径コイル部
11b 連設部
11c 小径コイル部
11d、11e フック部
Claims (8)
- 同一軸心のまわりに回転する入力側部材と出力側部材との間に、入力側部材の回転を僅かな角度遅れをもって出力側部材に伝達するトルク伝達手段を設け、内周側に円筒面を有する固定部材を、その円筒面が前記出力側部材の外周面と対向するように配し、前記固定部材の内周円筒面の内側に、両端にフック部を有するコイルばねを配し、前記コイルばねの一端のフック部を出力側部材に固定し、前記入力側部材にコイルばねの他端のフック部と回転方向で対向するロック解除片を設け、
前記出力側部材に逆入力トルクが一定方向に加えられたときは、前記コイルばねが拡径して固定部材の内周円筒面に押し付けられることにより、前記出力側部材がロックされて入力側部材は回転せず、
前記入力側部材に入力トルクが前記一定方向に加えられたときには、前記入力側部材のロック解除片がコイルばねの他端のフック部を押してコイルばねを縮径させることにより前記ロック状態が解除された後、前記トルク伝達手段により入力側部材の回転が出力側部材に伝達され、
前記入力側部材に入力トルクが前記一定方向と逆の方向に加えられたときには、前記トルク伝達手段により、前記出力側部材がコイルばねを縮径させて前記ロック状態を解除した状態で回転するようにした逆入力遮断クラッチ。 - 前記コイルばねとして、大径コイル部と、その大径コイル部の巻き終わり端に連設された内向き渦巻き状の連設部と、その連設部の小径端に連設されて大径コイル部の内側に逆向きの巻き方向で配置された小径コイル部とからなる2重巻のものを用い、この2重巻のコイルばねの大径コイル部を前記固定部材の内周円筒面の内側に配し、小径コイル部を前記出力側部材に設けた筒部の内周円筒面の内側に配して、前記出力側部材に逆入力トルクが一定方向に加えられたときは、前記2重巻のコイルばねの大径コイル部と小径コイル部がいずれも拡径して、その大径コイル部が固定部材の内周円筒面に、小径コイル部が出力側部材の内周円筒面にそれぞれ押し付けられるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
- 前記出力側部材の筒部の開口縁に、前記2重巻のコイルばねの連設部が通される切欠きを設けたことを特徴とする請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
- 前記トルク伝達手段が、前記入力側部材の軸部から係合凸部を突出させ、前記出力側部材に前記係合凸部が挿入される係合凹部を設け、前記係合凸部を回転方向で係合凹部の内壁に接触させてトルク伝達を行うものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
- 前記係合凸部と係合凹部の内壁との回転方向の接触を面接触としたことを特徴とする請求項4に記載の逆入力遮断クラッチ。
- 前記係合凸部を係合凹部で回転自在に支持したことを特徴とする請求項4または5に記載の逆入力遮断クラッチ。
- 前記出力側部材に、前記入力側部材の軸部を回転自在に支持する軸受部を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
- 昇降装置の駆動モータと被昇降体との間に組み込まれることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
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JP2011271139A Pending JP2013122293A (ja) | 2011-12-12 | 2011-12-12 | 逆入力遮断クラッチ |
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JP (1) | JP2013122293A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5993512B1 (ja) * | 2015-11-13 | 2016-09-14 | オリジン電気株式会社 | コイルばねを利用したロックタイプ双方向クラッチ |
CN116969324A (zh) * | 2023-09-22 | 2023-10-31 | 河南新科起重机股份有限公司 | 节能型电动葫芦 |
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2011
- 2011-12-12 JP JP2011271139A patent/JP2013122293A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5993512B1 (ja) * | 2015-11-13 | 2016-09-14 | オリジン電気株式会社 | コイルばねを利用したロックタイプ双方向クラッチ |
CN116969324A (zh) * | 2023-09-22 | 2023-10-31 | 河南新科起重机股份有限公司 | 节能型电动葫芦 |
CN116969324B (zh) * | 2023-09-22 | 2024-01-23 | 河南新科起重机股份有限公司 | 节能型电动葫芦 |
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