JP2012006463A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012006463A
JP2012006463A JP2010143527A JP2010143527A JP2012006463A JP 2012006463 A JP2012006463 A JP 2012006463A JP 2010143527 A JP2010143527 A JP 2010143527A JP 2010143527 A JP2010143527 A JP 2010143527A JP 2012006463 A JP2012006463 A JP 2012006463A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
control signal
electric power
signal output
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010143527A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5754088B2 (ja
Inventor
Noritake Ura
則岳 裏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2010143527A priority Critical patent/JP5754088B2/ja
Publication of JP2012006463A publication Critical patent/JP2012006463A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5754088B2 publication Critical patent/JP5754088B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

【課題】構成簡素且つ信頼性の高い異常判定を行なうことのできる電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】ECU11は、モータ制御信号出力手段として、同一の電流フィードバック演算を実行する独立した二つのマイコン21a,21bを備える。また、各駆動回路22u,22v,22wを構成する二列のスイッチングアームSA1,SA2は、それぞれ、上記各マイコン21a,21bの何れかと関連付けられるとともに、その関連付けられた各マイコン21a,21bの出力するモータ制御信号Smcu,Smcv,Smcwのみに基づいて、独立に作動する。そして、各マイコン21a,21bは、その電流フィードバック演算における過大な電流偏差の発生を監視することにより、システムの異常判定を実行する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、車両用のパワーステアリング装置には、モータを駆動源とした電動パワーステアリング装置(EPS)があり、このようなEPSは、レイアウト自由度が高く、且つエネルギー消費量が小さいという特徴を有している。そのため、近年では、小型車両から大型車両までの幅広い車種において、その採用が進められている。
さて、従来、EPSでは、そのパワーアシスト制御を実行する情報処理装置(マイコン等の電子制御装置)において、数多くの異常判定処理(診断処理)が行なわれている。例えば、マイコンは、CPU及びメモリ(RAM及びROM)、並びに各種の電子回路(A/D変換等)により構成されるが、その起動時(イグニッションON時)には、実行プログラム及びその作業データの格納領域となるメモリが正常であることを確認するためのイニシャルチェックが行なわれる(例えば、特許文献1参照)。また、起動後においても、同マイコン及びその制御下にある各種電子回路が正常に機能しているか否かが監視される。そして、その異常判定処理において、何らかの異常を検知した場合には、速やかにフェールセーフを図ることにより、高い信頼性及び安全性を確保する構成となっている。
特開2006−331086号公報
しかしながら、近年、EPSにおいては、より優れた操舵フィーリングの実現を図るべく、様々な補償制御が実行されるようになっており、これに伴うメモリの大容量化によって、上記イニシャルチェックに要する時間が長くなっている。また、起動後の機能チェックは、例えば、パワーアシスト制御を実行するマイコン(メインマイコン)から独立した監視用マイコンを設けることで行なわれるが、この場合、メインマイコンは、その監視用マイコンから送られる試験演算をリアルタイムで実行しなければならない。そして、更に、このような監視用マイコンを含め、新たな監視回路(異常判定回路)を設けることで、メインマイコンには、その監視回路が正常に機能しているか否かを監視する必要性が生ずる等、その異常判定を実行するために要求される処理能力は増大の一途を辿っており、これが製造コストを押し上げる一因にもなっている。
加えて、数多くの監視回路を設けることで、その構成要素の増加に伴う故障発生率の上昇が顕著になるとともに、ひいては、その多岐にわたる異常判定の実行により、本来、EPSの運用上、何ら影響のない些細な事象をも異常と判定してしまう可能性がある。そして、これが故障としてカウントされることにより、その故障発生率が更に引き上げられる等といった問題を抱えており、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、構成簡素且つ信頼性の高い異常判定を行なうことのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、モータを駆動源として操舵系にアシスト力を付与する操舵力補助装置と、前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記アシスト力に対応したモータトルクを発生させるべくモータ制御信号を出力する制御信号出力手段と、前記モータ制御信号に基づく駆動電力を前記モータに供給する駆動回路とを備えてなり、前記制御信号出力手段は、検出される操舵トルクに基づき目標アシスト力に相当する電流指令値を演算して電流フィードバック演算を実行することにより前記モータ制御信号を生成する電動パワーステアリング装置において、前記モータは、三相の各モータコイルが互いに結線されていない非結線のブラシレスモータであるとともに、前記制御手段は、各相のモータコイルに対応して独立に設けられた三つの駆動回路と、同一の前記電流フィードバック演算を実行する独立した二つの前記制御信号出力手段とを備え、前記駆動回路は、前記モータ制御信号に基づきオン/オフする一対のスイッチング素子を直列に接続してなる二つのスイッチングアームを並列に接続することにより形成されるものであって、前記各スイッチングアームは、それぞれ対応する前記各制御信号出力手段の出力する前記モータ制御信号に基づき独立に作動するとともに、前記各制御信号出力手段は、前記電流フィードバック演算における過大偏差の発生を監視することにより異常判定を行うこと、を要旨とする。
即ち、各制御信号出力手段の実行する電流フィードバック演算は同一、且つその基礎となる状態量の検出対象物も共通であることから、二つの制御系に異常がない限り、その演算結果もまた同一である。従って、上記構成によっても、各制御信号出力手段が単独で制御を行なう場合と同様に、各スイッチングアームを同期して作動させることができる。
一方、これら二つの制御系に何らかの異常が発生した場合には、各制御信号出力手段の実行する電流フィードバック演算の結果に相違が生ずることになる。これにより、各駆動回路の動作は、その正誤を問わず、少ない通電量を示す側のモータ制御信号に従うことになり、その結果、より大きな通電量を示すモータ制御信号を出力した側においては、その電流フィードバック演算の基礎となる電流偏差が上昇することになる。従って、その過大な電流偏差の発生を監視することにより、簡素な構成にて、信頼性の高い異常判定を行なうことができる。
とりわけ、各制御信号出力手段において生じた異常が、そのパワーアシスト制御の実行に影響を与えるような場合、その影響は、必ず、少なくとも何れか一方の電流偏差に現れる。従って、その異常の検知後、パワーアシスト制御の実行を停止するならば、上述のような起動時におけるメモリのイニシャルチェック等、各制御信号出力手段を構成する情報処理装置(マイコン等の電子制御装置)に関するその他の異常判定制御(監視回路)を廃して、この電流偏差に基づく異常判定に代えることが可能になる。その結果、その起動時間の短縮のみならず、その情報処理装置に要求される処理能力が低下することによるコストダウン、及び回路規模の縮小による故障発生率の低減を図ることができるようになる。
加えて、上記のように、異常発生時においても、各駆動回路の動作は、より少ない通電量を示す方のモータ制御信号に従うため、これにより、その異常時における過大アシストの発生を防止することができる。特に、一方のモータ制御信号が、逆方向にアシスト力を付与させるべき旨を示すものとなった場合には、各スイッチングアームにおける電源側のスイッチング素子、及び接地側のスイッチング素子が、それぞれ同時にオン/オフする、即ち、所謂「上段全オン」「下段全オン」となる。従って、上記構成によれば、逆アシストの発生を防止して、より高い信頼性及び安全性を確保することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記各制御信号出力手段のそれぞれに対応して独立に設けられた二系統の電流センサを備えること、を要旨とする。
上記構成によれば、その電流検出過程において生じた異常もまた上記電流偏差として現れる。従って、当該電流検出過程の異常判定についても、その電流偏差に基づく異常判定に代えることが可能となり、その結果、更なる構成の簡素化及び信頼性の向上を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、前記制御手段には、前記操舵系に伝達される操舵トルクを検出可能な独立した二系統のセンサ信号が入力されるとともに、前記各制御信号出力手段は、それぞれに対応する前記センサ信号により検出される操舵トルクに基づいて、それぞれが独立して電流指令値を演算すること、を要旨とする。
上記構成によれば、操舵トルク検出過程において生じた異常もまた上記電流偏差として現れる。従って、当該操舵トルク検出過程の異常判定についても、その電流偏差に基づく異常判定に代えることが可能となり、その結果、更なる構成の簡素化及び信頼性の向上を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、前記各制御信号出力手段のそれぞれに対応して独立に設けられた二つのモータ回転角センサを備えること、を要旨とする。
上記構成によれば、モータ回転角検出過程において生じた異常もまた上記電流偏差として現れる。従って、当該モータ回転角検出過程の異常判定についても、その電流偏差に基づく異常判定に代えることが可能となり、その結果、更なる構成の簡素化及び信頼性の向上を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、前記異常判定により異常と判定した場合には、前記操舵系にアシスト力を付与するためのパワーアシスト制御を停止すること、を要旨とする。
上記構成によれば、速やかにモータを停止させてフェールセーフを図ることができる。
本発明によれば、構成簡素且つ信頼性の高い異常判定を行なうことが可能な電動パワーステアリング装置を提供することにある。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 EPSの電気的構成を示すブロック図。 各マイコンによるモータ制御及び異常判定の態様を示す制御ブロック図。 異常判定の処理手順を示すフローチャート。 別例の異常判定の処理手順を示すフローチャート。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。そして、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト3a、インターミディエイトシャフト3b、及びピニオンシャフト3cを連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド6を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪7の舵角、即ち車両の進行方向が変更されるようになっている。
また、EPS1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ10と、該EPSアクチュエータ10の作動を制御する制御手段としてのECU11とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ10は、駆動源であるモータ12が減速機構13を介してコラムシャフト3aと駆動連結された所謂コラム型のEPSアクチュエータとして構成されている。尚、本実施形態では、減速機構13には、周知のウォーム&ホイールが採用されている。そして、EPSアクチュエータ10は、モータ12の回転を減速してコラムシャフト3aに伝達することにより、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与する構成となっている。
一方、ECU11には、トルクセンサ14及び車速センサ15が接続されている。本実施形態では、トルクセンサ14は、コラムシャフト3aの途中に設けられたトーションバー16と、同トーションバー16の捩れに基づいて、ステアリングシャフト3を介して伝達される操舵トルクτを検出可能なセンサ信号(Sa,Sb)を出力する独立した二つのセンサユニット14a,14bとを備えて構成されている。
尚、このようなトルクセンサは、例えば、トーションバー16の捩れに基づき磁束変化を生ずるセンサコア(図示略)の径方向外側に、検出要素となる各センサユニット14a,14bとして、複数個のホールICを配置することにより形成可能である(例えば、特開2003−149062号公報参照)。そして、本実施形態のECU11は、このトルクセンサ14により検出される操舵トルクτ(τa,τb)、及び車速センサ15により検出される車速Vに基づいて、EPSアクチュエータ10の駆動源であるモータ12が発生するアシストトルクを制御することにより、そのパワーアシスト制御を実行する。
次に、本実施形態のEPSの電気的構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態では、EPSアクチュエータ10の駆動源であるモータ12には、三相(U,V,W)の各モータコイル12u,12v,12wが互いに結線されていない非結線のブラシレスモータが採用されている。そして、ECU11は、その各相のモータコイル12u,12v,12wに対して、それぞれ独立に正弦波通電を行なうことにより、同モータ12に三相の駆動電力を供給する構成となっている。
詳述すると、本実施形態のECU11は、制御信号出力手段として独立に設けられた二つのマイコン21(21a,21b)と、各相のモータコイル12u,12v,12wに対応してそれぞれ独立に設けられた3つの駆動回路22u,22v,22wとを備えている。
本実施形態では、各駆動回路22u,22v,22wには、4つのスイッチング素子SW1〜SW4をHブリッジ状に接続してなる周知のPWMインバータが採用されている。そして、これらの各駆動回路22u,22v,22wが、上記各マイコン21(21a,21b)の出力するモータ制御信号Smcu,Smcv,Smcwに基づいて車載電源(バッテリー)の直流電力を三相の駆動電力に変換し、モータ12へと出力する構成となっている。
具体的には、各駆動回路22u,22v,22wは、直列に接続された一対のスイッチング素子SW1,SW3及びSW2,SW4を基本単位(スイッチングアーム)として、その二つのスイッチングアームSA1,SA2を並列に接続することにより形成される。尚、本実施形態では、これらの各スイッチング素子SW1〜SW4には、パワーMOSFETが用いられている。そして、各スイッチングアームSA1,SA2は、当該各スイッチングアームSA1,SA2を構成する二つのスイッチング素子の接続点、即ちスイッチング素子SW1,SW3の接続点P1及びSW2,SW4の接続点P2を出力部として、その対応する各相のモータコイル12u,12v,12wに接続されている。
即ち、上記各マイコン21(21a,21b)の出力するモータ制御信号Smcu,Smcv,Smcwは、各駆動回路22u,22v,22wを構成する各スイッチング素子SW1〜SW4のオン/オフ状態(各スイッチングアームSA1,SA2のDuty)を規定するものとなっている。そして、そのモータ制御信号Smcu,Smcv,Smcwに応答して各スイッチング素子SW1〜SW4がオン/オフすることにより、各相のモータコイル12u,12v,12wに対し、その位相が2/3πずつずれた三相(U,V,W)の正弦波通電が行われる。
さらに詳述すると、本実施形態では、各マイコン21(21a,21b)は、上記トルクセンサ14を構成する二つのセンサユニット14a,14bの出力するセンサ信号Sa,Sbに基づいて(図1参照)、それぞれ独立に、その操舵系(ステアリングシャフト3)を介して伝達される操舵トルクτを検出する。具体的には、マイコン21aは、センサユニット14aのセンサ信号Saに基づいて操舵トルクτaを検出し、マイコン21bは、センサユニット14bのセンサ信号Sbに基づいて操舵トルクτbを検出する。
また、本実施形態では、各相のモータコイル12u,12v,12wと各駆動回路22u,22v,22wとの間の電力供給経路には、各マイコン21a,21bに対応する独立した二系統の電流センサが設けられている。そして、各マイコン21a,21bは、その対応する電流センサを用いて、それぞれ独立に各相電流値Iu,Iv,Iwを検出する。
具体的には、マイコン21aは、電流センサ23ua,23va,23waの出力信号に基づいて各相電流値Iu_a,Iv_a,Iw_aを検出する。そして、マイコン21bは、電流センサ23ub,23vb,23wbの出力信号に基づいて各相電流値Iu_b,Iv_b,Iw_bを検出する。
更に、本実施形態のモータ12には、各マイコン21a,21bに対応する独立した二つのモータ回転角センサ(モータレゾルバ24a,24b)が設けられている。そして、各マイコン21a,21bは、その対応するモータレゾルバ24a,24bを用いて、それぞれ独立にモータ回転角θm(θm_a,θm_b)を検出する。
具体的には、マイコン21aは、モータレゾルバ24aの出力信号に基づいてモータ回転角θm_aを検出する。そして、マイコン21bは、モータレゾルバ24bの出力信号に基づいてモータ回転角θm_bを検出する。
また、本実施形態では、各マイコン21(21a,21b)は、上記のように独立して検出した操舵トルクτ(τa、τb)、及び車速Vに基づいて、それぞれ独立に、その目標アシスト力に対応する電流指令値を演算する。尚、本実施形態では、車速Vについては、車内ネットワーク(図示略)を介して共通の値が各マイコン21(21a,21b)に入力される。更に、各マイコン21(21a,21b)は、その独立に演算した電流指令値、及び上記独立に検出した各相電流値Iu(Iu_a,Iu_b),Iv(Iv_a,Iv_b),Iw(Iw_a,Iw_b)並びにモータ回転角θm(θm_a,θm_b)に基づいて、電流フィードバック演算を実行する。そして、その電流フィードバック演算の実行により生成したモータ制御信号Smcu(Smcu_a,Smcu_b),Smcv(Smcv_a,Smcv_b),Smcw(Smcw_a,Smcw_b)を各駆動回路22u,22v,22wに出力する。
具体的には、図3に示すように、各マイコン21は、その電流指令値演算部31において、上記操舵トルクτ及び車速Vに基づき目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*を演算すると、次に二相/三相変換部32において、その電流指令値Iq*に基づきU,V,Wの各相電流指令値Iu*,Iv*,Iw*を生成する。そして、各相に対応して設けられた3つの減算器33u,33v,33wにおいて、それぞれ、その対応する各相電流指令値Iu*,Iv*,Iw*から実際の相電流値Iu,Iv,Iwを減算することにより、各相の電流偏差ΔIu,ΔIv,ΔIwを演算する。
尚、本実施形態では、上記電流指令値Iq*は、d/q座標系のq軸電流指令値として演算される(d軸電流指令値はゼロ)。そして、本実施形態の電流指令値演算部31は、操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きなアシスト力を発生させるような電流指令値Iq*を演算する。
次に、上記各減算器33u,33v,33wにおいて演算された各相の電流偏差ΔIu,ΔIv,ΔIwは、それぞれ、その対応する相のF/B制御部(フィードバック制御部)34u,34v,34wに入力される。そして、各F/B制御部34u,34v,34wは、その入力される電流偏差ΔIu,ΔIv,ΔIw及び所定のフィードバックゲイン(比例:P、積分:I)に基づくフィードバック演算を実行することにより、各相の相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する。
具体的には、各F/B制御部34u,34v,34wは、それぞれ、その入力される電流偏差ΔIu,ΔIv,ΔIwに比例ゲインを乗ずることにより得られる比例成分、及び当該電流偏差ΔIu,ΔIv,ΔIwの積分値に積分ゲインを乗ずることにより得られる積分成分を演算する。そして、これらの比例成分及び積分成分を加算することにより、各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する。
次に、これら各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*は、各相に対応して設けられたモータ制御信号出力部(35u,35v,35w)に入力される。具体的には、U相の相電圧指令値Vu*はU相モータ制御信号出力部35uに入力され、V相の相電圧指令値Vv*はV相モータ制御信号出力部35vに入力され、W相の相電圧指令値Vw*はW相モータ制御信号出力部35wに入力される。そして、各マイコン21は、これら各相モータ制御信号出力部(35u,35v,35w)において生成した各相のモータ制御信号Smcu,Smcv,Smcwを出力する構成となっている。
図2に示すように、本実施形態のECU11には、上記各駆動回路22u,22v,22wに対応する3つのプリドライバ36(36u,36v,36w)が設けられており、上記各マイコン21(21a,21b)が出力するモータ制御信号Smcu(Smcu_a,Smcu_b),Smcv(Smcv_a,Smcv_b),Smcw(Smcw_a,Smcw_b)は、それぞれ、これらの各プリドライバ36に入力される。そして、各プリドライバ36(36u,36v,36w)は、その入力されるモータ制御信号Smcu(Smcu_a,Smcu_b),Smcv(Smcv_a,Smcv_b),Smcw(Smcw_a,Smcw_b)に基づいて、その対応する各駆動回路22u,22v,22wを構成する各スイッチング素子SW1〜SW4にゲート駆動電圧を印加する。
ここで、本実施形態では、上記のように各駆動回路22u,22v,22wを構成する二列のスイッチングアームSA1,SA2は、それぞれ、上記各マイコン21a,21bの何れかと関連付けられている。具体的には、スイッチングアームSA1は、マイコン21aに関連付けられており、スイッチングアームSA2は、マイコン21bに関連付けられている。そして、上記各プリドライバ36(36u,36v,36w)は、それぞれ、その各スイッチングアームSA1,SA2に関連付けられた各マイコン21a,21bが出力するモータ制御信号Smcu(Smcu_a,Smcu_b),Smcv(Smcv_a,Smcv_b),Smcw(Smcw_a,Smcw_b)のみに基づいて、当該各スイッチングアームSA1,SA2を構成する各スイッチング素子SW1〜SW4に対するゲート駆動電圧の出力を実行する。
詳述すると、U相プリドライバ36uは、マイコン21aの出力するモータ制御信号Smcu_aに基づいて、その対応する駆動回路22uのスイッチングアームSA1(を構成する各スイッチング素子SW1,SW3)にゲート駆動電圧を出力する。そして、マイコン21bの出力するモータ制御信号Smcu_bに基づいて、同駆動回路22uのスイッチングアームSA2(を構成する各スイッチング素子SW2,SW4)にゲート駆動電圧を出力する。
同様に、V相プリドライバ36vは、マイコン21aの出力するモータ制御信号Smcv_aに基づいて、その対応する駆動回路22vのスイッチングアームSA1にゲート駆動電圧を出力し、マイコン21bの出力するモータ制御信号Smcv_bに基づいて、同駆動回路22vのスイッチングアームSA2にゲート駆動電圧を出力する。そして、W相プリドライバ36wは、マイコン21aの出力するモータ制御信号Smcw_aに基づいて、その対応する駆動回路22wのスイッチングアームSA1にゲート駆動電圧を出力し、マイコン21bの出力するモータ制御信号Smcw_bに基づいて、同駆動回路22wのスイッチングアームSA2にゲート駆動電圧を出力する。
そして、本実施形態では、これにより、上記各駆動回路22u,22v,22wを構成する二列のスイッチングアームSA1,SA2が、それぞれ、その対応するマイコン21a,21bの出力するモータ制御信号Smcu_a,Smcv_a,Smcw_a、又はモータ制御信号Smcu_b,Smcv_b,Smcw_bに基づいて、独立に作動する構成となっている。
即ち、本実施形態のEPS1では、そのパワーアシスト制御を実行するための電流フィードバック演算に用いる主な状態量(操舵トルクτ、相電流値Iu,Iv,Iw、モータ回転角θm)の検出及び同電流フィードバック演算の実行、並びに各相のモータコイル12u,12v,12wに対する電圧印加までの各過程が独立した二重系となっている。また、これら二つの制御系は、それぞれ独立ではあるものの、その基礎となる状態量の検出対象物(トーションバー16及びモータ12)が共通であり、且つその実行する電流フィードバック演算は同一である。
従って、その各制御系が正常である限り、各マイコン21a,21bの制御対象を、それぞれ、各駆動回路22u,22v,22wを構成する二列のスイッチングアームSA1,SA2の一方のみに限定しても、正常に当該各駆動回路22u,22v,22wの作動を制御することが可能である。
つまり、二つのマイコン21a,21bが実行する電流フィードバック演算は同一、且つその基礎となる状態量の検出対象物も共通であることから、これら二つの制御系に異常がない限り、その演算結果は同一となる。そして、本実施形態では、これら各マイコン21a,21bに対応する各スイッチングアームSA1,SA2が、その入力されるモータ制御信号(Smcu_a,Smcv_a,Smcw_a又はSmcu_b,Smcv_b,Smcw_b)に基づき同期して作動することにより、当該各マイコン21a,21bが単独で制御する場合と同様の電力供給を行う構成となっている。
一方、これら二つの制御系に何らかの異常が発生し、各マイコン21a,21bの実行する電流フィードバック演算の結果に相違が生じた場合、各駆動回路22u,22v,22wの動作は、その正誤を問わず、より小さな通電量を発生させるべきモータ制御信号を出力する側に従うことになる。
即ち、各駆動回路22u,22v,22wによる電力供給は、その二つのスイッチングアームSA1,SA2の一方において電源側のスイッチング素子がオンとなり、他方において接地側のスイッチング素子(例えば、スイッチング素子SW1)がオンとなることにより行われる(図2参照、例えば、スイッチング素子SW1,SW3がオン)。従って、その通電時間は、これら二つのスイッチングアームSA1,SA2のうち、よりオン時間が短い方に従うことになり、その結果、より長くスイッチングアームSA1,SA2をオン作動させるべき旨のモータ制御信号を出力した側では、当該電流フィードバック演算の基礎となる電流偏差(ΔIu,ΔIv,ΔIw)が上昇することになる。
そして、本実施形態では、各マイコン21a,21bが、その過大な電流偏差の発生を監視することにより、システム(上記二つの制御系により実現されたEPSシステム)の異常判定を実行する。
詳述すると、図3に示すように、各マイコン21(21a,21b)には、異常判定部40が設けられており、同異常判定部40には各マイコン21が実行する電流フィードバック演算の基礎となる各相の電流偏差ΔIu,ΔIv,ΔIwが入力される。そして、本実施形態の異常判定部40は、これら各相の電流偏差ΔIu,ΔIv,ΔIwの過大を監視することにより、その異常判定を実行する。
また、異常判定部40は、その異常判定によりシステムの異常を検知した場合には、同異常判定部40が存在する側のマイコン21(例えば、マイコン21a)及び他方側のマイコン21(例えば、マイコン21b)の双方の各相モータ制御信号出力部(35u,35v,35w)に対し、その異常の発生を示す異常検知信号S_trを出力する。そして、本実施形態では、この異常検知信号S_trに基づいて、各相モータ制御信号出力部(35u,35v,35w)が、モータ駆動を停止すべきモータ制御信号を出力、即ちそのパワーアシスト制御を停止することにより、速やかに、フェールセーフを図る構成となっている。
具体的には、図4のフローチャートに示すように、各マイコン21(21a,21b)は、上記電流フィードバック演算の基礎となる各相の電流偏差ΔIu,ΔIv,ΔIwを所定の閾値I1と比較することにより、その過大偏差の発生を監視する(ステップ101〜ステップ103)。更に、これらの各ステップにおいて、過大偏差が生じていないと判定した場合(ステップ101〜ステップ103:全てNO)には、続いて、他のマイコン21から異常検知信号S_trの入力があるか否かを判定する(ステップ104)。そして、異常検知信号S_trの入力がない場合(ステップ104:NO)には、システムは正常であると判定して、そのモータ駆動を継続する(ステップ105)。
一方、上記ステップ101〜ステップ103の何れかにおいて、過大偏差の発生を検出した場合(ΔIu>I1,ステップ101:YES、又はΔIv>I1,ステップ102:YES、若しくはΔIw>I1,ステップ103:YES)には、システムに異常が発生したと判定する。そして、その異常の発生を示す異常検知信号S_trを他のマイコン21に出力して(ステップ106)、モータ駆動を停止、即ちパワーアシスト制御の実行を停止する(ステップ107)。同様に、上記ステップ104において、他のマイコン21から異常検知信号S_trの入力があった場合(ステップ104:YES)にも、モータ駆動を停止する(ステップ107)。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)ECU11は、モータ制御信号出力手段として、同一の電流フィードバック演算を実行する独立した二つのマイコン21a,21bを備える。また、各駆動回路22u,22v,22wを構成する二列のスイッチングアームSA1,SA2は、それぞれ、上記各マイコン21a,21bの何れかと関連付けられるとともに、その関連付けられた各マイコン21a,21bの出力するモータ制御信号Smcu(Smcu_a,Smcu_b),Smcv(Smcv_a,Smcv_b),Smcw(Smcw_a,Smcw_b)のみに基づいて、独立に作動する。そして、各マイコン21a,21bは、その電流フィードバック演算における過大な電流偏差の発生を監視することにより、システムの異常判定を実行する。
即ち、各マイコン21a,21bの実行する電流フィードバック演算は同一、且つその基礎となる状態量の検出対象物も共通であることから、二つの制御系に異常がない限り、その演算結果もまた同一である。従って、上記構成によっても、各マイコン21a,21bが単独で制御を行なう場合と同様に、各スイッチングアームSA1,SA2を同期して作動させることができる。
一方、これら二つの制御系に何らかの異常が発生した場合には、各マイコン21a,21bの実行する電流フィードバック演算の結果に相違が生ずることになる。これにより、各駆動回路22u,22v,22wの動作は、その正誤を問わず、少ない通電量を示す側のモータ制御信号に従うことになり、その結果、より大きな通電量を示すモータ制御信号を出力した側においては、その電流フィードバック演算の基礎となる電流偏差が上昇することになる。従って、その過大な電流偏差の発生を監視することにより、簡素な構成にて、信頼性の高い異常判定を行なうことができる。
とりわけ、各マイコン21a,21bにおいて生じた異常が、そのパワーアシスト制御の実行に影響を与えるような場合、その影響は、必ず、少なくとも何れか一方の上記電流偏差に現れる。従って、その異常の検知後、パワーアシスト制御の実行を停止するならば、上述のような起動時におけるメモリのイニシャルチェック等、各マイコン21a,21bに関するその他の異常判定制御(監視回路)を廃して、この電流偏差に基づく異常判定に代えることが可能になる。その結果、その起動時間の短縮のみならず、各マイコン21a,21bに要求される処理能力が低下することによるコストダウン、及び回路規模の縮小による故障発生率の低減を図ることができるようになる。
加えて、上記のように、異常発生時においても、各駆動回路22u,22v,22wの動作は、より少ない通電量を示す方のモータ制御信号に従うため、これにより、その異常時における過大アシストの発生を防止することができる。特に、一方のモータ制御信号が、逆方向にアシスト力を付与させるべき旨を示すものとなった場合には、各スイッチングアームSA1,SA2の電源側のスイッチング素子SW1,SW2、及び接地側のスイッチング素子SW1,SW2が、それぞれ同時にオン/オフする、即ち、所謂「上段全オン」「下段全オン」となる。従って、上記構成によれば、逆アシストの発生を防止して、より高い信頼性及び安全性を確保することができるようになる。
(2)各相のモータコイル12u,12v,12wと各駆動回路22u,22v,22wとの間の電力供給経路には、各マイコン21a,21bに対応する独立した二系統の電流センサが設けられる。そして、各マイコン21a,21bは、その対応する電流センサを用いて、それぞれ独立に各相電流値Iu,Iv,Iwを検出する。
上記構成によれば、その電流検出過程において生じた異常もまた上記電流偏差として現れる。従って、当該電流検出過程の異常判定についても、その電流偏差に基づく異常判定に代えることが可能となり、その結果、更なる構成の簡素化及び信頼性の向上を図ることができる。
(3)各マイコン21a,21bは、トルクセンサ14から入力される独立した二系統のセンサ信号Sa,Sbに基づいて、それぞれ独立に操舵トルクτa,τbを検出する。そして、その操舵トルクτ(τa,τb)に基づいて、目標アシスト力に相当する電流指令値Iq*を演算する。
上記構成によれば、操舵トルク検出過程において生じた異常もまた上記電流偏差として現れる。従って、当該操舵トルク検出過程の異常判定についても、その電流偏差に基づく異常判定に代えることが可能となり、その結果、更なる構成の簡素化及び信頼性の向上を図ることができる。
(4)モータ12には、各マイコン21a,21bに対応する独立した二つのモータ回転角センサ(モータレゾルバ24a,24b)が設けられる。そして、各マイコン21a,21bは、その対応するモータレゾルバ24a,24bを用いて、それぞれ独立にモータ回転角θm(θm_a,θm_b)を検出する。
上記構成によれば、モータ回転角検出過程において生じた異常もまた上記電流偏差として現れる。従って、当該モータ回転角検出過程の異常判定についても、その電流偏差に基づく異常判定に代えることが可能となり、その結果、更なる構成の簡素化及び信頼性の向上を図ることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、本発明を所謂コラム型のEPSに具体化した。しかし、これに限らず、所謂ピニオン型やラックアシスト型のEPSに具体化してもよい。
・上記実施形態では、操舵トルクτを検出可能なセンサ信号Sa,Sbを出力する独立した二つのセンサユニット14a,14bを備えたトルクセンサ14を用いることとした。しかし、これに限らず、独立した二つのトルクセンサを設けて、それぞれの信号を対応する各マイコン21a,21bに入力する構成としてもよい。
・上記実施形態では、独立した二系統の電流センサを設け、各マイコン21a,21bが、その対応する電流センサを用いて、それぞれ独立に各相電流値Iu,Iv,Iwを検出することとした。しかし、これに限らず、各マイコン21a,21bが共通の相電流値Iu,Iv,Iwを用いる構成としてもよい。
・また、上記実施形態では、各マイコン21a,21bは、トルクセンサ14から入力される独立した二系統のセンサ信号Sa,Sbに基づいて、それぞれ独立に操舵トルクτ(τa,τb)を検出することとした。しかし、これに限らず、各マイコン21a,21bが操舵トルクτとして共通の値を用いる構成としてもよい。
・更に、上記実施形態では、モータ12には、各マイコン21a,21bに対応する独立した二つのモータ回転角センサ(モータレゾルバ24a,24b)が設けられ、各マイコン21a,21bは、その対応するモータレゾルバ24a,24bを用いて、それぞれ独立にモータ回転角θm(θm_a,θm_b)を検出することとした。しかし、これに限らず、各マイコン21a,21bがモータ回転角θmとして共通の値を用いる構成としてもよい。
ただし、電流偏差に基づく異常判定をもってシステムの異常判定とするならば、上記実施形態に示されるように、二系統の独立した電流センサ、独立した二つのモータ回転角センサを設けるとともに、操舵トルクτを検出可能な独立した二系統のセンサ信号Sa,Sbが入力されるようにする。そして、各マイコン21a,21bが、それぞれ独立に各相電流値Iu,Iv,Iw(Iu_a,Iv_a,Iw_a及びIu_b,Iv_b,Iw_b)並びにモータ回転角θm(θm_a,θm_b)、モータ回転角θm(θm_a,θm_b)、及び操舵トルクτ(τa,τb)を検出する方が望ましい。
即ち、このように、パワーアシスト制御を実行するための電流フィードバック演算に用いる主な状態量の検出、及びその実行、並びにモータ12への電圧印加までの各過程を独立した二重系とすることで、アシスト力付与を実行する上で主要となる構成に生じた異常は、全て電流偏差として現れることになる。その結果、その他の異常判定制御(監視回路)を廃止して構成簡素を図りつつ、高い信頼性を確保することができるのである。
・上記実施形態では、各マイコン21(21a,21b)におけるモータ制御信号出力部(35u,35v,35w)を各相毎に設けることとしたが(図3参照)、これらを一つにまとめた構成に具体化してもよい。
・また、上記実施形態では、各マイコン21(21a,21b)と各駆動回路22u,22v,22wとの間に介在されるプリドライバ36(36u,36v,36w)を各相毎に設けることとした(図2参照)。しかし、これに限らず、各マイコン21a,21bと当該各マイコン21a,21bに関連付けられた各スイッチングアームSA1,SA2に対応して2つのプリドライバを用いる構成としてもよく、最小公倍数である6つのプリドライバを用いる構成としてもよい。
・上記実施形態では、各マイコン21は、目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*を三相の各相電流指令値Iu*,Iv*,Iw*に変換することで、U,V,Wの各相毎に、その電流フィードバック演算の実行によるモータ制御信号の出力、及びその電流偏差ΔIu,ΔIv,ΔIwの監視に基づく異常判定を実行することとした。しかし、これに限らず、d/q座標系における電流フィードバック演算の結果に基づいて、各相のモータ制御信号を生成する。そして、図5に示すように、そのd/q座標系における電流フィードバック演算の基礎となるq軸電流偏差ΔIqを所定の閾値I2と比較し(ステップ201)、その過大偏差の発生を監視することにより、そのシステムの異常判定を実行する構成としてもよい。このような構成としても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。尚、同図中、ステップ202〜ステップ205の処理内容は、図4中、ステップ104〜ステップ207の処理内容と同一であるため、その説明は省略する。
・上記実施形態では、各マイコン21(21a,21b)に異常判定部40を設けることで同マイコン21が異常判定手段を構成することとした。しかし、これに限らず、その異常判定手段を独立に設ける構成としてもよい。但し、構成の簡素化及びそれに伴う利益の享受(回路規模縮小による故障発生率の低減等)という観点からみた場合、上記実施形態に示される構成の方が、より好適であることはいうまでもない。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、2…ステアリング、3…ステアリングシャフト、10…EPSアクチュエータ、11…ECU、12…モータ、12u,12v,12w…モータコイル、14…トルクセンサ、14a,14b…センサユニット、21(21a,21b)…マイコン、22u,22v,22w…駆動回路、SW1〜SW4…スイッチング素子、SA1,SA2…スイッチングアーム、23ua,23ub、23va,23vb、23wa,23wb…電流センサ、24a,24b…モータレゾルバ、31…電流指令値演算部、32…二相/三相変換部、33u,33v,33w…減算器、34u,34v,34w…F/B制御部、35u…U相モータ制御信号出力部、35v…V相モータ制御信号出力部、35w…W相モータ制御信号出力部、36…プリドライバ、36u…U相プリドライバ、36v…V相プリドライバ、36w…W相プリドライバ、40…異常判定部、Sa,Sb…センサ信号、τ(τa,τb)…操舵トルク、θm(θa,θb)…モータ回転角、Iq*…電流指令値、Iu*,Iv*,Iw*…相電流指令値、Iu(Iu_a,Iu_b),Iv(Iv_a,Iv_b),Iw(Iw_a,Iw_b)…相電流値、Vu*,Vv*,Vw*…相電圧指令値、ΔIu,ΔIv,ΔIw,ΔIq…電流偏差、I1,I2…閾値、Smcu(Smcu_a,Smcu_b),Smcv(Smcv_a,Smcv_b),Smcw(Smcw_a,Smcw_b)…モータ制御信号、S_tr…異常検知信号。

Claims (5)

  1. モータを駆動源として操舵系にアシスト力を付与する操舵力補助装置と、前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記アシスト力に対応したモータトルクを発生させるべくモータ制御信号を出力する制御信号出力手段と、前記モータ制御信号に基づく駆動電力を前記モータに供給する駆動回路とを備えてなり、前記制御信号出力手段は、検出される操舵トルクに基づき目標アシスト力に相当する電流指令値を演算して電流フィードバック演算を実行することにより前記モータ制御信号を生成する電動パワーステアリング装置において、
    前記モータは、三相の各モータコイルが互いに結線されていない非結線のブラシレスモータであるとともに、
    前記制御手段は、各相のモータコイルに対応して独立に設けられた三つの駆動回路と、同一の前記電流フィードバック演算を実行する独立した二つの前記制御信号出力手段とを備え、
    前記駆動回路は、前記モータ制御信号に基づきオン/オフする一対のスイッチング素子を直列に接続してなる二つのスイッチングアームを並列に接続することにより形成されるものであって、
    前記各スイッチングアームは、それぞれ対応する前記各制御信号出力手段の出力する前記モータ制御信号に基づき独立に作動するとともに、
    前記各制御信号出力手段は、前記電流フィードバック演算における過大偏差の発生を監視することにより異常判定を行うこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記各制御信号出力手段のそれぞれに対応して独立に設けられた二系統の電流センサを備えること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段には、前記操舵系に伝達される操舵トルクを検出可能な独立した二系統のセンサ信号が入力されるとともに、
    前記各制御信号出力手段は、それぞれに対応する前記センサ信号により検出される操舵トルクに基づいて、それぞれが独立して電流指令値を演算すること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記各制御信号出力手段のそれぞれに対応して独立に設けられた二つのモータ回転角センサを備えること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、前記異常判定により異常と判定した場合には、前記操舵系にアシスト力を付与するためのパワーアシスト制御を停止すること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
JP2010143527A 2010-06-24 2010-06-24 電動パワーステアリング装置 Expired - Fee Related JP5754088B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010143527A JP5754088B2 (ja) 2010-06-24 2010-06-24 電動パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010143527A JP5754088B2 (ja) 2010-06-24 2010-06-24 電動パワーステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012006463A true JP2012006463A (ja) 2012-01-12
JP5754088B2 JP5754088B2 (ja) 2015-07-22

Family

ID=45537536

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010143527A Expired - Fee Related JP5754088B2 (ja) 2010-06-24 2010-06-24 電動パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5754088B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105393448A (zh) * 2013-06-27 2016-03-09 大陆汽车有限责任公司 用于识别电机的角错误位置的方法
JP2016511626A (ja) * 2013-02-21 2016-04-14 ヴァレオ システム ドゥ コントロール モトゥール Dc電圧をac電圧に変換し、ac電圧をdc電圧に変換するための電気的アーキテクチャ
CN107659220A (zh) * 2017-11-06 2018-02-02 哈尔滨纽微电机控制技术有限公司 双电源供电电动液压转向助力电机驱动器
WO2019021647A1 (ja) * 2017-07-26 2019-01-31 日本電産株式会社 電力変換装置、モータモジュールおよび電動パワーステアリング装置
JP2019047563A (ja) * 2017-08-30 2019-03-22 株式会社デンソー ブラシレスモータ
WO2019077873A1 (ja) * 2017-10-19 2019-04-25 株式会社デンソー 制御装置
US10666179B2 (en) 2016-03-17 2020-05-26 Denso Corporation Control system

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003040123A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2003153579A (ja) * 2001-11-15 2003-05-23 Toyota Central Res & Dev Lab Inc モータ駆動制御装置およびその方法
JP2003174790A (ja) * 2001-12-05 2003-06-20 Denso Corp 車両用同期電動機装置
JP2004080939A (ja) * 2002-08-20 2004-03-11 Honda Motor Co Ltd 冗長系を有する操舵装置
JP2006149145A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Nsk Ltd 無結線式モータの駆動制御装置及び無結線式モータの駆動制御装置を使用した電動パワーステアリング装置
JP2006160030A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2006273153A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Showa Corp 電動パワーステアリング装置
JP2008099394A (ja) * 2006-10-10 2008-04-24 Jtekt Corp モータ制御装置および電動パワーステアリング装置
JP2009071953A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Mitsuba Corp 駆動装置
JP2009137323A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003040123A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2003153579A (ja) * 2001-11-15 2003-05-23 Toyota Central Res & Dev Lab Inc モータ駆動制御装置およびその方法
JP2003174790A (ja) * 2001-12-05 2003-06-20 Denso Corp 車両用同期電動機装置
JP2004080939A (ja) * 2002-08-20 2004-03-11 Honda Motor Co Ltd 冗長系を有する操舵装置
JP2006149145A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Nsk Ltd 無結線式モータの駆動制御装置及び無結線式モータの駆動制御装置を使用した電動パワーステアリング装置
JP2006160030A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2006273153A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Showa Corp 電動パワーステアリング装置
JP2008099394A (ja) * 2006-10-10 2008-04-24 Jtekt Corp モータ制御装置および電動パワーステアリング装置
JP2009071953A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Mitsuba Corp 駆動装置
JP2009137323A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016511626A (ja) * 2013-02-21 2016-04-14 ヴァレオ システム ドゥ コントロール モトゥール Dc電圧をac電圧に変換し、ac電圧をdc電圧に変換するための電気的アーキテクチャ
CN105393448A (zh) * 2013-06-27 2016-03-09 大陆汽车有限责任公司 用于识别电机的角错误位置的方法
JP2016527855A (ja) * 2013-06-27 2016-09-08 コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングContinental Automotive GmbH 電気モータの角度エラー状態を判定する方法
CN105393448B (zh) * 2013-06-27 2019-05-14 大陆汽车有限责任公司 电机角错误位置的识别方法及其执行装置和转向辅助装置
US10666179B2 (en) 2016-03-17 2020-05-26 Denso Corporation Control system
WO2019021647A1 (ja) * 2017-07-26 2019-01-31 日本電産株式会社 電力変換装置、モータモジュールおよび電動パワーステアリング装置
CN110870189A (zh) * 2017-07-26 2020-03-06 日本电产株式会社 电力转换装置、马达模块以及电动助力转向装置
JP2019047563A (ja) * 2017-08-30 2019-03-22 株式会社デンソー ブラシレスモータ
WO2019077873A1 (ja) * 2017-10-19 2019-04-25 株式会社デンソー 制御装置
CN107659220A (zh) * 2017-11-06 2018-02-02 哈尔滨纽微电机控制技术有限公司 双电源供电电动液压转向助力电机驱动器

Also Published As

Publication number Publication date
JP5754088B2 (ja) 2015-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5338544B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
US10003286B2 (en) Motor control device and steering control device
US11084523B2 (en) Vehicle-mounted device actuator and power steering device
JP5326889B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
EP2625088B1 (en) Electric power steering apparatus
JP6090171B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5754088B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2011195089A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5023833B2 (ja) 電動パワーステアリング装置及び異常検出方法
US9461568B2 (en) Motor control device and steering device for vehicle
JP2008193808A (ja) モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置
EP3196096B1 (en) Electric power steering device
JP4918870B2 (ja) モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置
JP2009081951A (ja) モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置
JP2007244028A (ja) モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置
JP2013159165A (ja) 電動パワーステアリング装置
US20130218417A1 (en) Electric power steering apparatus
EP2567879B1 (en) Electric power steering system
JP7331778B2 (ja) モータ制御装置
JP5092509B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2003319684A (ja) 電動パワーステアリング装置のモータ制御装置
JP2013159240A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2012065416A (ja) モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置
JP4433856B2 (ja) モータ制御装置、車両用操舵装置及び断線検出方法
JP2014117064A (ja) モータ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130516

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140311

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140909

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150428

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5754088

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees