JP2011500806A - 治療用化合物 - Google Patents

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    • C07D471/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
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Abstract

本発明は、JAKキナーゼ(JAK1、JAK2、JAK3、及び/又はTKY2)及び/又はPDK1の阻害剤であり、それ故骨髄増殖性疾患又は癌の治療に有用である、ピラジン置換ピロロピリジンに関する。

Description

本発明は、JAKキナーゼ(JAK1、JAK2、JAK3、及び/又はTKY2)及び/又はPDK1の阻害剤であり、それ故骨髄増殖性疾患又は癌の治療に有用である、ピラジン置換ピロロピリジンに関する。
ヤヌスキナーゼ(JAK)は、JAK−STAT経路を介してサイトカイン媒介性シグナルを伝達する、120から140kDaの範囲の、細胞内非受容体チロシンキナーゼのファミリーである。JAKファミリーは、免疫応答に関与する細胞の増殖及び機能の、サイトカイン依存性の調節において役割を果たす。現在、4つの哺乳類JAKファミリーメンバー:JAK1、JAK2、JAK3、及びTYK2が知られている。
JAK1、JAK2、及びTYK2は、偏在的に発現されるのに対し、JAK3は骨髄球及びリンパ球の系統において発現される。JAKファミリーメンバーは、多くのヘマトポエチンサイトカイン、受容体チロシンキナーゼ、及びGPCRに関連する、非受容体チロシンキナーゼである。JAK1−/−マウスは、JAK1+/+と発生的に類似していることが判明したが、野生型よりも40%体重が少なく、かつ出生時に保育に失敗する。このような子ネズミは生育せず、出生後24時間以内に死ぬ(メラズ(Meraz)ら、Cell、1998年、p.373−383)。JAK1欠損は、胸腺細胞、B前駆細胞、及び成熟T及びBリンパ球の、数の減少をもたらす。一方、TYK2(−/−)マウスは、生育可能であり、IFN−α/β及びIL−10に対するその応答に微妙な欠陥を、そしてIL−12及びLPSの応答に重大な欠陥を示す。
乳癌易罹患性タンパク質(BRCA1)は、腫瘍サプレッサーとして作用し、かつ細胞増殖、周期調節、並びにDNA損傷及び修復に寄与する。BRCA1(−/−)マウスは、正常に発生するが、7.5日後胚までに死ぬことから、BRCA1の、発生に関する重要な役割が示唆される。BRCA1タンパク質が過剰発現されたマウスは、細胞成長が阻害され、かつ細胞毒性試薬に対し細胞が感受性化される結果となった。ヒト前立腺癌細胞系Du−145(ガオ(Gao)、FEBS Letters、2001年、第488巻、p.179−184)では、BRCA1の発現増強が、STAT3の構成的な活性化並びにJAK1及びJAK2の活性化と相互に関連することが判明した。さらに、STAT3に選択的なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、Du−145細胞において、細胞増殖の有意な阻害及びアポトーシスをもたらした。このデータは、前立腺癌の治療におけるJAK1及びJAK2阻害剤の潜在的な有用性を支持している。
キャンベル(Campbell)ら(Journal of Biological Chemistry、1997年、第272巻、p.2591−2594)は、STAT3が、v−Src形質転換細胞において構成的に活性化されることを報告した。STAT3活性化がJAK−STAT経路を介したシグナリングの結果生じるのかを試験するため、3つの線維芽細胞系(NIH3T3、Balb/c、及び3Y1)をv−Srcで形質転換した。NIH3T3細胞におけるJAK1リン酸化のレベルは、形質転換能の低いc−Srcにおけるものに比較して、v−Src又は突然変異体c−Src(Y527F)で過剰発現された細胞では著しく増大した。この結果は、JAK1酵素活性の増大と相関していた。同様の結果が、JAK2について、より小さい規模ではあるが観察された。これらの結果は、Src−形質転換細胞におけるSTAT3の超活性化に寄与する、JAK1及び恐らくはJAK2の、構成的活性化と合致する。
喘息は、罹患率が増えつつあり、かつ結果として「気道閉塞、気道過敏、及び、気道炎症及びリモデリング」を生じる疾患である(ペルニス(Pernis)、The Journal of Clinical Investigation、2002年、第109巻、p.1279−1283)。一般的な原因は、通常はCD4+ヘルパーT細胞(TH2)が関与する、環境抗原に対する不適切な免疫応答であり、これらは、JAK1/JAK3−STAT6経路を介してシグナルする、サトカインIL−4、IL−5、IL−6、IL−10、及びIL−13からトリガーされる。TH1細胞は、「遅延型過敏応答」に関与すると考えられており、これは、IL−2、IFN−γ、及びTNF−βを分泌し、かつJAK2/TYK2−STAT4経路を介してシグナルする。STAT6(−/−)マウスは、環境抗原による誘発時にはAHRから保護され、かつIgEレベル又は粘液含有細胞の量に何ら増加を示さなかった。
JAK2は、細胞質タンパク質チロシンキナーゼであり、アデノシン三リン酸のガンマリン酸基の、シグナル伝達分子内の特異チロシン残基の水酸基への転移を触媒する。JAK2は、受容体及び酵素双方の、リガンド誘導性自己リン酸化後の、サイトカイン受容体下流のシグナリングを媒介する。JAK2の主要な下流エフェクターは、シグナル伝達因子及び転写活性化因子(STAT)タンパク質として知られる、転写因子のファミリーである。研究により、活性化JAK2突然変異(JAK2V617F)と骨髄増殖性疾患との間の関連が開示されてきた。骨髄性悪性疾患のサブグループである骨髄増殖性疾患は、形態学的に成熟した顆粒球、赤血球、巨核球、又は単球系細胞の拡大により特徴づけられる、クローン性幹細胞疾患である。骨髄増殖性疾患(MPD)は、真性赤血球増加症(PV)、原発性血小板血症(ET)、骨髄線維症(MMM)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、好酸球増加症候群(HES)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、及び全身性肥満細胞症(SMCD)を包含する。タンパク質チロシンキナーゼの構成的活性化を含む、シグナル伝達メカニズムにおける異常が、MPDを開始することが示唆されてきた。
JAK3は、以下のインターロイキンの、細胞外受容体の共通のガンマ鎖に関連する:IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、及びIL−15。JAK3欠損は、げっ歯類及びヒトの双方において、免疫不全(SCID)表現型に関連する。JAK3−/−哺乳類のSCID表現型と、JAK3のリンパ系細胞特異発現とは、免疫抑制剤のための標的の2つの好都合な特質である。データは、JAK3の阻害剤がT細胞活性化を妨げ、かつ移植手術後の移植片拒絶を防止し得たこと、或いは、自己免疫異常を患っている患者に治療的利益を与え得ることを示唆している。
PDK1は、そのN−末端にキナーゼドメイン(残基70−359)を、そしてそのC−末端にプレクストリン(Preckstrin)ホモロジードメイン(PH)(残基459−550)をもつ、Ser/Thrプロテインキナーゼである。このキナーゼは、Akt/プロテインキナーゼB、プロテインキナーゼC(PKC)、PKC関連キナーゼ(PRK1及びPRK2)、p70リボソームS6キナーゼ(S6K1)、並びに、血清及びグルココルチコイド調節キナーゼ(SGK)を含む、AGCキナーゼスーパーファミリー内の数多くのキナーゼを、リン酸化及び活性化することができる。Aktは、3つの高度に相同なメンバー(AKT1、AKT2、及びAKT3)を含む、Ser/Thrプロテインキナーゼのファミリーを含んでなり、かつ、細胞内でのPDK1によるその活性化には、ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3−キナーゼ)の刺激を要する(フェルドマン、リチャード(Feldman,Richard I.)ら、The Jounal of Biological Chemistry、2005年5月20日発行、第280巻、第20号、p.19867−19874)。腫瘍細胞におけるAktの活性化は、アポトーシスの抑制と、腫瘍細胞の増殖、代謝、及び血管形成の刺激とを含む、疾病進行を促進する多様な上流の効果をもつことが示されてきた。したがって、PI3−キナーゼ/PDK1/Aktシグナリング経路は、癌細胞増殖、浸潤、アポトーシス、及び腫瘍血管形成の調節において、重要な役割をもつ。さらに、この経路は、黒色腫、血液癌、乳癌、結腸癌、膵臓癌、前立腺癌、及び卵巣癌を含む、通常の癌において、高度に活性化されることが判明してきた(Feldman,Richard,I.ら、上記)。それ故、PI3−キナーゼ/PDK1/Aktシグナリング経路は、抗癌剤の開発のための有用な標的である。
構造的に関連したJAK阻害剤は、WO2005/095400及びWO2007/002433において既に記述されている。
発明の要旨
本発明は、JAKキナーゼ(JAK1、JAK2、JAK3、及び/又はTYK2)、及び/又はPDK1の活性を阻害する化合物を提供する。本発明は、式I:
Figure 2011500806
[式中:
aは、0、1、又は2であり;
及びRの各々は、独立して、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、ニトロ、NR、CONR、NR(CONR)、S(O)NR、又は環であり、該環は:C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、C6−10アリールC1−6アルキル、C6−10アリールカルボニル、C3−10シクロアルキル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;これらは、独立して、Rから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
は、水素又はC1−6アルキルであり;
は、水素、−L−R又は−M−Rであり;
、R、及びRの各々は、独立して、水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシ、ハロC1− アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、ニトロ、NR、又は環であり、該環は:C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個の窒素原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、及びジ(C1−6アルキル)アミノから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
L及びMの各々は、単結合、−O(CR[N(R)]−又は−N(R)(CR−であり;
bは、0、1、2、3、又は4であり;
cは、0又は1であり;
rは、0、1、又は2であり;
各Rは、独立して、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、NR、又は環であり、該環は:C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個の窒素原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、及びジ(C1−6アルキル)アミノから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、ニトロ、又はNRであり;
は、C3−10シクロアルキル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;独立して、Rから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
各Rは、独立して、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、NR、又は環であり、該環は:C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個の窒素原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、及びジ(C1−6アルキル)アミノから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
及びRの各々は、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、又はハロC1−6アルキルであり;
及びRの各々は、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキル、又はヒドロキシC1−6アルキルであり;
は、水素又はC1−6アルキルである]
の化合物、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは互変異性体を提供する。
1つの実施態様においては、aは、0である。
1つの実施態様においては、Rが環であるとき、それは、1、2、又は3個の、独立して選択されるR基によって置換されていてもよい。別の実施態様においては、R環は、未置換又は一置換である。
1つの実施態様においては、Rは、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;これらは、独立して、Rから選択される1個以上の基で置換されていてもよい。
別の実施態様においては、Rは、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSであることはない)であり;これは、独立して、Rから選択される1、2又は3個の基で置換されていてもよい。
別の実施態様においては、Rは、独立して、Rから選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよいピラゾリルである。
1つの実施態様においては、Rが環であるとき、それは、1、2、又は3個の、独立して選択される基によって置換されていてもよい。
1つの実施態様においては、Rは、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、又はヒドロキシC1−6アルキルである。
特定のR基は、メチル、エチル、シクロプロピルメチル、ヒドロキシエチル、及びトリフルオロエチルを包含する。
具体的なR基は、メチル、エチル、シクロプロピルメチル、2−ヒドロキシエチル、及び2,2,2−トリフルオロエチルを包含する。
特定のR基は、メチルピラゾリル、ピラゾリル、エチルピラゾリル、(シクロプロピルメチル)ピラゾリル、(ヒドロキシエチル)ピラゾリル、及び(トリフルオロエチル)ピラゾリルである。
具体的なR基は、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−(シクロプロピルメチル)−1H−ピラゾール−4−イル、1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル、及び1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イルである。
1つの実施態様においては、Rが環であるとき、それは、1、2、又は3個の、独立して選択されるR基によって置換されていてもよい。
1つの実施態様においては、Rは、水素である。
1つの実施態様においては、Rは、−L−R又は−M−Rである。
1つの実施態様においては、Rは、−L−Rである。別の実施態様においては、Rは、−M−Rである。
1つの実施態様においては、Lは、−O(CR−、又は−N(R)(CR−である。
特定のL基は、−O(CH)(CHCH)−、−O(CHCH)(CH)−、−NH(CH−、−NH(CH−、及び−O(CH)(CHCF)−である。
1つの実施態様においては、Mは、単結合、−O−、−N(R)−、又は−O(CRN(R)−である。
特定のM基は、単結合、−O−、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−、−N[(CH)(CH)]−、又は−O(CHNH−である。
1つの実施態様においては、Mは、−O−である。
1つの実施態様においては、bは、0、1、又は2である。
1つの実施態様においては、cは、0である。別の実施態様においては、cは、1である。
1つの実施態様においては、Rは、ヒドロキシ又はNRである。
具体的なR基は、ヒドロキシ及びアミノである。
1つの実施態様においては、Rは、1、2、又は3個の、独立して選択されるR基によって置換されていてもよい。別の実施態様においては、Rは、未置換又は一置換である。
1つの実施態様においては、Rは、アゼチジニル、或いは、5員、6員、又は7員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)であり、これらは、1、2、又は3個の、独立して選択されるR基で置換されていてもよい。
1つの実施態様においては、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、及びハロC1−6アルキルである。
特定のR基は、フルオロ、ヒドロキシ、及びトリフルオロメチルを包含する。
特定のR基は、ピペラジニル、ピペリジニル、シクロヘキシル、フルオロピペリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ヒドロキシシクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ヒドロキシピペリジニル、ヒドロキシアゼチジニル、及び(トリフルオロメチル)アゼチジニルを包含する。
具体的なR基は、ピペラジン−1−イル、ピペリジン−4−イル、シクロヘキシル、(3R)−ピペリジン−3−イル、(3S)−ピペリジン−3−イル、トランス−3−フルオロピペリジン−4−イル、シス−3−フルオロピペリジン−4−イル、アゼチジン−3−イル、(3S)−ピロリジン−3−イル、(3R)−ピロリジン−3−イル、トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル、4−ヒドロキシピペリジン−1−イル、3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル、4−ヒドロキシシクロヘキシル、及び3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−3−イルを包含する。
1つの実施態様においては、Rが環であるとき、それは、1、2、又は3個の、独立して選択される基で置換されていてもよい。
1つの実施態様においては、R及びRの各々は、独立して、水素、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルである。
別の実施態様においては、R及びRの一方は、水素であり、そして他方は、水素、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルである。
特定のR基は、水素、メチル、及びトリフルオロメチルを包含する。
具体的なR基は、水素、(R)−メチル、(S)−メチル、及びトリフルオロメチルを包含する。
特定のR基は、水素である。
1つの実施態様においては、Rが環であるとき、それは、1、2、又は3個の、独立して選択される基で置換されていてもよい。
1つの実施態様においては、Rが環であるとき、それは、1、2、又は3個の、独立して選択される基で置換されていてもよい。
1つの実施態様においては、R及びRの各々は、独立して、水素、ハロゲン、又はC1−6アルキルである。
1つの実施態様においては、Rは、水素又はC1−6アルキルである。
特定のR基は、水素及びメチルである。
1つの実施態様においては、Rは、水素である。
1つの実施態様においては、R及びRの各々は、独立して、水素、又はC1−6アルキルである。
1つの実施態様においては、Rが環であるとき、それは、1、2、又は3個の、独立して選択される基で置換されていてもよい。
1つの実施態様においては、Rは、水素、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルである。
1つの実施態様においては、Rは、水素、又はハロC1−6アルキル、例えばフルオロC1−6アルキルである。
特定のR基は、水素及びトリフルオロエチルである。
具体的なR基は、水素及び2,2,2−トリフルオロエチルを包含する。
1つの実施態様においては、R及びRの各々は、独立して、水素又はC1−6アルキルである。別の実施態様においては、R及びRの各々は、水素である。
1つの実施態様においては、Rは、水素又はC1−4アルキルである。
1つの実施態様においては、Rは、水素、メチル、エチル、又はプロピルである。
1つの実施態様においては、:
aは、0であり;かつ
は、水素である。
別の実施態様においては:
は、水素又はC1−6アルキルであり;かつ
は、水素である。
別の実施態様においては:
aは、0であり;
及びRの各々は、水素であり;
は、水素又はC1−6アルキルであり;かつ
は、水素、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルである。
本発明はまた、式II:
Figure 2011500806
[式中:
a、R、R、R、R、R、及びRは、上記に定義した通りであり;
は、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;これらは、独立して、Rから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;かつ
は、上記に定義された通りである]
の化合物、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは互変異性体も提供する。
本発明はまた、式III:
Figure 2011500806
[式中:
a、L、R、R、R、R、R、及びRは、上記に定義した通りであり;
は、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;これらは、独立して、Rから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;かつ
は、上記に定義された通りである]
の化合物、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは互変異性体も提供する。
本発明はまた、式IV:
Figure 2011500806
[式中:
a、M、R、R、R、R、R、及びRは、上記に定義した通りであり;
は、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;これらは、独立して、Rから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;かつ
は、上記に定義された通りである]
の化合物、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは互変異性体も提供する。
式II、III、及びIVに関する好適な形態は、式Iについて先に定義された通りに準じる。
本発明はまた、その範囲内に、上記式Iの化合物のN−オキシドも包含する。一般に、かかるN−オキシドは、任意の利用可能な窒素原子上に形成されてよい。N−オキシドは、通常の手段、例えば、式Iの化合物を湿潤アルミナの存在下でオキソンと反応させること、によって形成してもよい。
本発明は、その範囲内に、上記式Iの化合物のプロドラッグを包含する。一般に、かかるプロドラッグは、式Iの化合物の機能性の誘導体であって、式Iの所望の化合物へ、インビボで容易に変換し得るものとする。適当なプロドラッグ誘導体の選択及び調製のための通常法は、例えば、バンドガード(H.Bundgaard)編、「Design of Prodrugs(プロドラッグのデザイン)」、エルゼビア、1985年、に記載されている。
プロドラッグは、生物活性物質の薬理学的に不活性な誘導体(「親薬物」又は「親分子」)でよく、それは、活性薬物を放出するために、体内でのトランスフォーメーションを要するものであり、かつ親の薬剤分子に対し改善された送達特性を有するものである。インビボのトランスフォーメーションは、例えば、ある代謝プロセス、例えば、カルボキシエステル、リン酸エステル、又は硫酸エステルの化学的又は酵素的加水分解か、或いは感受性の官能基の還元又は酸化の結果としてであってもよい。
本発明は、その範囲内に、式Iの化合物の溶媒和物及びその塩、例えば水和物を包含する。
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸、及びキラル面を有してよく(エリエル(E.L.Eliel)及びウィレン(S.H.Wilen)著、「Streochemistry of Carbon Compounds(炭素化合物の立体化学)」、ジョン・ウィリー アンド サンズ、ニューヨーク、1994年、p.1119−1190、に記載の通り)、かつ、ラセミ体、ラセミ混合物として、及び個々のジアステレオマーとして生じ、全ての可能な異性体、及びそれらの混合物は、光学異性体を含め、かかる立体異性体の全てが本発明に含まれている。加えて、本明細書に開示された化合物は、互変異性体として存在してもよく、たとえ一方の互変異性体構造のみが描かれている場合でも、双方の互変異性体型が本発明の範囲によって包含されることが意図されている。環系が二環式である場合、結合は該二環式基のいずれかの環上の任意の適当な原子に結合されることを意図している。
該化合物は、種々の異性体型で存在してよく、その全てが本発明により包含される。
該化合物は、多数の異なる多形型で存在してもよい。
任意の変数(例えば、Rなど)が任意の構成成分において1回より多く出現する場合、その出現ごとの定義は、他の全ての出現とは無関係である。また、置換基及び変数の組合せは、かかる組合せが結果として安定な化合物を生じる場合にのみ許容される。置換基から環系内へ描かれた線は、示された結合が、置換可能な任意の環原子へ結合されてよいことを表わしている。
1個以上の炭素原子の代わりに1個以上のケイ素(Si)原子が、当業者により、本発明化合物中に取り込まれて、化学的に安定な化合物であり、かつ容易に入手できる出発物質から当該技術分野における技術上既知の方法により容易に合成し得る化合物、を提供し得ることが理解される。炭素及びケイ素は、その共有結合半径が異なるため、類似したC−元素及びSi−元素結合を比較したとき、結合距離及び立体配置に差異を生じる。これらの差異は、ケイ素含有化合物のサイズ及び形態に、炭素に比較して微妙な差異をもたらす。当業者は、サイズ及び形態の差異が、効力、溶解性、オフターゲット活性の欠如、パッケージング特性などに、微妙な又は劇的な変化をもたらし得ることを理解するであろう(ディアス(Diass,J.O.)ら、Organometallics、2006年、第5巻、p.1188−1198;ショーウェル(Showell,G.A.)ら、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、2006年、第16巻、p.2555−2558)。
1つの実施態様においては、本発明化合物の1個以上の水素原子が、重水素で置換されてもよい。
本発明の化合物上の置換基及び置換パターンが、化学的に安定な化合物でありかつ、容易に入手可能な出発物質から当該技術分野における技術上既知の方法並びに以下に示される方法により容易に合成し得る化合物、を提供するべく、当業者により選択され得ることが理解される。1個の置換基自体が2個以上の基で置換されている場合、結果として安定な構造を生じる限り、これらの多数の基が、同じ炭素上若しくは異なる炭素上にあってもよいことが理解される。語句「置換されていてもよい」は、語句「未置換か、又は1個以上の置換基で置換されている」と同等であると理解されるべきであり、かかる場合、好適な実施態様は、ゼロないし3個の置換基をもつものとする。さらに具体的には、ゼロないし2個の置換基がある。飽和、部分飽和、又は不飽和ヘテロ環上の置換基は、任意の置換可能な位置に結合することができる。
本明細書で用いる場合、「アルキル」は、特定の数の炭素原子を有している、分枝、直鎖双方、及び環式の、飽和脂肪族炭化水素基を包含することを意図している。例えば、「C1−6アルキル」は、1,2、3、4、5、又は6個の炭素を、直鎖、分枝鎖、又は環式の配置中に有する基を包含すると定義される。例えば、「C1−6アルキル」は、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチルなどを包含する。好適なアルキル基は、メチル エチル、及びシクロアルキルメチル、特にメチル及びエチルである。用語「シクロアルキル」は、特定の数の炭素原子を有している、単環式、二環式、又は多環式の、飽和脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「C3−10シクロアルキル」は、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素を有する基を包含し、かつシクロプロピル、シクロプロピルメチル、メチル−シクロプロピル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2−エチル−シクロペンチル、シクロヘキシル、などを包含する。本発明の1つの実施態様においては、用語「シクロアルキル」は、直前に記載された基を包含し、かつさらに、単環式の不飽和脂肪族炭化水素基を包含する。例えば、本実施態様において定義された「シクロアルキル」は、シクロプロピル、メチル−シクロプロピル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2−エチル−シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロブテニル、7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルなどを包含する。好適なシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルである。
本明細書で用いる場合、用語「C2−6アルケニル」は、2ないし6個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素・炭素二重結合とを含有する、直鎖又は分枝鎖の、非芳香族炭化水素基を指す。好ましくは、1つの炭素・炭素二重結合が存在し、かつ4個までの非芳香族炭素・炭素二重結合が存在してもよい。アルケニル基は、エテニル、プロペニル、ブテニル、及び2−メチルブテニルを包含する。好適なアルケニル基は、エテニル及びプロペニルを包含する。
本明細書で用いる場合、用語「C2−6アルキニル」は、2ないし6個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素・炭素三重結合とを含有する、直鎖又は分枝鎖の炭化水素基を指す。3個までの炭素・炭素三重結合が存在してもよい。アルキニル基は、エチニル、プロピニル、ブチニル、及び3−メチルブチニルなどを包含する。好適なアルキニル基は、エチニル及びプロピニルを包含する。
「アルコキシ」は、酸素架橋を介し結合した、指示された数の炭素原子からなるアルキル基を表わす。「アルコキシ」は、それ故、上記のアルキルの定義を包含する。適当なアルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシを包含する。好適なアルコキシ基は、メトキシ及びエトキシである。用語「C6−10アリールオキシ」は、同様に理解することができ、この基の例はフェノキシである。
用語「ハロC1−6アルキル」及び「ハロC1−6アルコキシ」は、1個以上(特に、1ないし3個)の水素原子が、ハロゲン原子、特にフッ素又は塩素原子により置換されているC1−6アルキル又はC1−6アルコキシ基を意味する。好適であるのは、フルオロC1−6アルキル及びフルオロC1−6アルコキシ基、特にフルオロC1−3アルキル及びフルオロC1−3アルコキシ基、例えば、CF、CHF、CHF、CHCHF、CHCHF、CHCF、OCF、OCHF、OCHF、OCHCHF、OCHCHF、又はOCHCF、そして最も具体的にはCF、OCF、及びOCHFである。
本明細書で用いる場合、用語「ヒドロキシC1−6アルキル」は、1個以上(特に、1ないし3個)の水素原子がヒドロキシ基により置換されているC1−6アルキル基を意味する。好適であるのは、CHOH、CHCHOH、及びCHOHCHである。
用語「C1−6アルキルカルボニル」又は「C1−6アルコキシカルボニル」は、カルボニル(C=O)基を介して結合した、C1−6アルキル又はC1−6アルコキシ基をそれぞれ意味する。C1−6アルキルカルボニル基の適当な例は、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、及びtert−ブチルカルボニルを包含する。C1−6アルコキシカルボニルの例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、及びtert−ブトキシカルボニルを包含する。用語「C6−10アリールカルボニル」は、同様に理解することができ、この基の例はベンゾイルである。
本発明化合物中に存在する環は、単環式又は二環式、特に二環式がよい。多環式の環は、縮合するか、又はスピロ結合してもよい。
本明細書で用いる場合、「C6−10アリール」は、6ないし10個の原子からなる任意の安定な単環式又は二環式の炭素環であって、これにおいて少なくとも1つの環が芳香環である該環を意味する。かかるアリール基の例は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、及びテトラヒドロベンゾ[7]アヌレンを包含する。好適なアリール基は、フェニル又はナフチル、特にフェニルである。
7員ないし15員のヘテロ環は、7員、8員、9員、10員、11員、12員、13員、14員、及び15員のヘテロ環を包含する。
本発明の特定のヘテロ環の例は、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフランジオニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾロニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、エポキシジル、フリル、フラザニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドリジニル、インドリニル、イソインドリニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリニル、イソオキサゾリニル、オキセタニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、トリアジニル、テトラジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、キノリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、ジヒドロイソクロメニル、ジヒドロクロメニル、ジヒドロイミダゾロニル、ジヒドロトリアゾロニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロチアゾロピリミジニル、ジヒドロイミダゾピラジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリジノニル、イミダゾロニル、イソインドリノニル、オクタヒドロキノリジニル、オクタヒドロイソインドリル、イミダゾピリジニル、アザビシクロヘプタニル、クロメノニル、トリアゾロピリミジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、チアゾロトリアゾリル、アゾニアビシクロヘプタニル、アゾニアビシクロオクタニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、プテリジニル、ジヒドロキナゾリニル、ジヒドロフタラジニル、ベンゾイソオキサゾリル、テトラヒドロナフチリジニル、ジベンゾ[b,d]フラニル、ジヒドロベンゾチアゾリル、イミダゾチアゾリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロベンゾチエニル、ヘキサヒドロナフチリジニル、テトラヒドロイミダゾピリジニル、テトラヒドロイミダゾピラジニル、ピロロピリジニル、アゾニアスピロ[5.5]ウンデカニル、アゼパニル、オクタヒドロインドリジニル、1’2’−ジヒドロスピロシクロヘキサン−1,3’−インドリル、アゾニアビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ジアゾニアスピロ[4.4]ノナニル、ヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロリル、オキサアゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ジアゾニアスピロ[5.5]ウンデカニル、ジアゾニアスピロ[3.3]ヘプタニル、ジアゾニアスピロ[3.5]ノナニル、ジアゾニアスピロ[4.5]デカニル、オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロリル、オクタヒドロ[3,4−b]ピロリル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、ジヒドロインドリル、アゾニアスピロ[4.5]デカニル、ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタニル、ジアゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ジアゾニアビシクロ[3.2.1]オクタニル、ジアゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、アゾニアビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、テトラヒドロチオフェニル、オキサアゾニアスピロ[4.5]デカニル、オキサゼパニル、及びそのN−オキシドである。ヘテロシクリル置換基の結合は、炭素原子を介するか、又はヘテロ原子を介して生じ得る。
好適な5員又は6員の、飽和又は部分飽和ヘテロ環は、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラン、チオモルホリニル、ジヒドロイミダゾリル、及びテトラヒドロピラニルである。
好適な7員の飽和ヘテロ環は、ジアゼパニル、アゼパニル、及びオキサゼパニルである。
好適な5員のヘテロ芳香環は、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、及びピロリルである。
好適な6員のヘテロ芳香環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、及びピラジニルである。
好適な7員ないし15員の、部分飽和又は不飽和のヘテロ環は、テトラヒドロキノリニル、キノリニル、インドリル、イミダゾピリジニル、ベンゾチアゾリル、キノキサリニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾジオキソリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロインドリル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイソチアゾリル、ジヒドロイミダゾピラジニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサジアゾリル、チアゾロトリアゾリル、ジヒドロチアゾロピリミジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロキナゾリニル、ジヒドロフタラジニル、インダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、テトラヒドロナフチリジニル、トリアゾロピリミジニル、ジベンゾ[b,d]フラニル、ナフチリジニル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソクロメニル、ジヒドロクロメニル、ジヒドロベンゾチアゾリル、イミダゾチアゾリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロベンゾチエニル、ヘキサヒドロナフチリジニル、テトラヒドロイミダゾピリジニル、テトラヒドロイミダゾピラジニル、ピロロピリジニル、キナゾリニル、インドリジニル、アゾニアスピロ[5.5]ウンデカニル、アゼパニル、オクタヒドロインドリジニル、1’2’−ジヒドロスピロシクロヘキサン−1,3’−インドリル、オクタヒドロイソインドリル、アゾニアビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ジアゾニアスピロ[4.4]ノナニル、ヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロリル、オキサアゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ジアゾニアスピロ[5.5]ウンデカニル、ジアゾニアスピロ[3.3]ヘプタニル、ジアゾニアスピロ[3.5]ノナニル、ジアゾニアスピロ[4.5]デカニル、オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4−b]ピロリル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、ジヒドロインドリル、アゾニアスピロ[4.5]デカニル、ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタニル、ジアゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ジアゾニアビシクロ[3.2.1]オクタニル、ジアゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、アゾニアビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、テトラヒドロチオフェニル、オキサアゾニアスピロ[4.5]デカニル、及びオキサゼパニルである。
本明細書で用いる場合、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指し、このうち、フッ素及び塩素が好ましい。
本発明の範囲内の特定の化合物は、
5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(6−ピペラジン−1−イルピラジン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
3−[6−(シクロヘキシルオキシ)ピラジン−2−イル]−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
N−メチル−6−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−N−ピペリジン−4−イルピラジン−2−アミン;
3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
3−{6−[(3R)−ピペリジン−3−イルオキシ]ピラジン−2−イル}−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
3−{6−[(3S)−ピペリジン−3−イルオキシ]ピラジン−2−イル}−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
トランス−3−{6−[(3−フルオロピペリジン−4−イル)オキシ]ピラジン−2−イル}−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
シス−3−{6−[(3−フルオロピペリジン−4−イル)オキシ]ピラジン−2−イル}−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
3−[6−(アゼチジン−3−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
5−(1H−ピラゾール−4−イル)−3−{6−[(3S)−ピロリジン−3−イルオキシ]ピラジン−2−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
(2S)−1−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロパン−2−アミン;
(2S)−2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロパン−1−アミン;
5−(1H−ピラゾール−4−イル)−3−{6−[(3R)−ピロリジン−3−イルオキシ]ピラジン−2−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
(2R)−1−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロパン−2−アミン;
(2R)−2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロパン−1−アミン;
トランス−4−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)シクロヘキサノール;
6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−5−イル)ピラジン−2−アミン;
1−{6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}ピペリジン−4−オール;
2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)エタノール;
1−{6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}アゼチジン−3−オール;
3−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)プロパン−1−オール;
4−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)シクロヘキサノール;
5−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
5−[1−(シクロプロピルメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
2−(4−{3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール;
3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−5−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−5−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
5−(1H−ピラゾール−4−イル)−3−(6−{[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−3−イル]オキシ}ピラジン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
3,3,3−トリフルオロ−2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロパン−1−アミン;
N−エチル−N−ピペリジン−4−イル−6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミン;
N−ピペリジン−4−イル−N−プロピル−6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミン;
3−[5−メチル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
N−[2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)エチル]シクロヘキサンアミン;
及びその薬学的に許容される塩、立体異性体、及び互変異性体である。
本発明に包含されるのは、本発明の化合物の遊離型、並びにその薬学的に許容される塩及び立体異性体である。本明細書に例示された単離された具体的な化合物のあるものは、アミン化合物のプロトン化された塩である。用語「遊離型」は、非塩型のアミン化合物を指す。包含される薬学的に許容される塩は、本明細書に記載の具体的な化合物に代表される単離された塩ばかりでなく、本発明の化合物の遊離型の全ての典型的な薬学的に許容される塩も包含する。記載された具体的な塩化合物の遊離型は、当該技術分野における技術上既知の方法を用いて単離されてよい。例えば、遊離型は、その塩を、適当な塩基の希釈水溶液、例えばNaOH、炭酸カリウム、アンモニア、及び炭酸水素ナトリウムの希釈水溶液、で処理することにより再生してもよい。遊離型は、極性溶媒中の溶解度のような、ある物理的性質において、その各々の塩型と幾分異なってもよいが、本発明では、酸及び塩基塩は、その他の点ではその各々の遊離型と医薬的に同等である。
当該化合物の薬学的に許容される塩は、塩基性又は酸性の基を含有する本発明化合物から、通常の化学的方法により合成可能である。一般に、塩基性化合物の塩は、イオン交換クロマトグラフィーによるか、又は、遊離塩基を化学量論的な量の、又は過剰の、所望の塩形成性無機又は有機酸と、適当な溶媒又は溶媒の種々の組合せの中で反応させることにより調製される。同様に、酸性化合物の塩は、適切な無機又は有機塩基との反応により形成される。
したがって、本発明化合物の薬学的に許容される塩は、塩基性の当該化合物を無機又は有機酸と反応させることにより形成される、本発明化合物の通常の非毒性塩を包含する。例えば、通常の非毒性塩は、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸など)から誘導される塩、並びに有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸(TFA)など)から調製される塩を包含する。
本発明化合物が酸性である場合、適当な「薬学的に許容される塩」は、無機塩基及び有機塩基を含む、薬学的に許容される非毒性塩基から調製される塩を指す。無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩を包含する。特に好適な塩は、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、及びナトリウムの塩である。薬学的に許容される有機の非毒性塩基から誘導される塩は、第一級、第二級、及び第三級のアミンの塩;天然産置換アミンを含む置換アミンの塩;環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩を包含する。
上記記載の薬学的に許容される塩及び他の典型的な薬学的に許容される塩の調製は、バーグ(Berg)ら著、「ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンセズ(J.Pharm.Sci.)、ファーマシューティカル・ソルツ(‘Pharmaceutical Salts’ (医薬用塩類)」、1977年、第66巻、p.1−19により、さらに充分に記載されている。
生理的条件下では、該化合物中の脱プロトン化された酸性基、例えばカルボキシル基がアニオン性であってよく、この電子電荷が次に、プロトン化又はアルキル化された塩基性基、例えば第四級窒素原子のカチオン性電荷に対し、内部で平衡化されてもよいことから、本発明の化合物が潜在的に内部塩又は両性イオンであることもまた注目されるであろう。
本発明化合物は、治療により、ヒト又は動物の身体の治療法において使用することができる。
本発明は、本明細書に記載された任意の1つ以上の症状の、治療又は予防において使用するための化合物を提供する。
したがって本発明は、JAKキナーゼ及び/又はPDK1の阻害により改善可能な症状の、治療又は予防において使用するための化合物を提供する。
本発明は、JAKの阻害により改善可能な症状の、治療又は予防用医薬の製造において使用するための、式Iの化合物を提供する。
本発明はまた、JAKの阻害により改善可能な症状の、治療又は予防のための方法であって、式Iの化合物又は式Iの化合物を含んでなる組成物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる該方法も提供する。
本発明はまた、PDK1の阻害により改善可能な症状の、治療又は予防用医薬の製造において使用するための、式Iの化合物も提供する。
本発明はまた、PDK1の阻害により改善可能な症状の、治療又は予防のための方法であって、式Iの化合物又は式Iの化合物を含んでなる組成物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる該方法も提供する。
本発明の化合物は、JAK及び/又はPDK1の阻害剤であり、それ故、哺乳類、好ましくはヒトにおいて、骨髄増殖性疾患又は癌を治療又は予防するために有用である。
本発明の1つの実施態様は、JAK1チロシンキナーゼを阻害するための方法であって、上記記載の任意の化合物又は任意の医薬組成物の治療有効量を、哺乳類に投与することを含んでなる該方法を提供する。
本発明の1つの実施態様は、JAK2チロシンキナーゼを阻害するための方法であって、上記記載の任意の化合物又は任意の医薬組成物の治療有効量を、哺乳類に投与することを含んでなる該方法を提供する。
本発明の1つの実施態様は、野生型又は突然変異型JAK2チロシンキナーゼを阻害するための方法であって、上記記載の任意の化合物又は任意の医薬組成物の治療有効量を、哺乳類に投与することを含んでなる該方法を提供する。
本発明の1つの実施態様は、JAK2V617Fチロシンキナーゼを阻害するための方法であって、上記記載の任意の化合物又は任意の医薬組成物の治療有効量を、哺乳類に投与することを含んでなる該方法を提供する。
本明細書において提供された化合物、組成物、及び方法は、骨髄増殖性疾患の治療に特に有用であると考えられる。治療されてもよい骨髄増殖性疾患は、真性赤血球増加症(PV)、原発性血小板血症(ET)、骨髄線維症(MMM)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、好酸球増加症候群(HES)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、及び全身性肥満細胞症(SMCD)を包含する。
文献においては、JAK2の阻害剤が骨髄増殖性疾患の治療及び/又は予防に有用であることが知られている。例えば、テフェリ(Tefferi,A.)及びギリランド(Gilliland,D.G.)、Mayo Clin. Proc.2005年、第80巻、第7号、p.947−958;フェルナンデス・ルナ(Fernandez−Luna,J.L.)ら、Haematologica、1998年、第83巻、第2号、p.97−98;ハリソン(Harrison,C.N.)、Br.J.Haematol.2005年、第130巻、第2号、p.153−165;Leukemia、2005年、第19巻、p.1843−1844;及びテフェリ(Tefferi,A.)及びバーブイ(Barbui,T.)、Mayo Clin.Proc.2005年、第80巻、第9号、p.1220−1232を参照。
本明細書において提供された化合物、組成物、及び方法はまた、癌の治療にも有用であると考えられる。本発明の化合物、組成物、及び方法によって治療され得る癌は、制限されることなく:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、及び奇形腫;:気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫様過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮細胞癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(腺管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);結腸、結腸直腸、直腸;尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮細胞癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛上皮腫、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄種、悪性巨細胞腫軟骨腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫及び、巨細胞腫;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、神経鞘種、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科系:子宮(子宮内膜癌)、子宮頚(子宮頚癌、前腫瘍性子宮頚部異形成)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、分類不能癌腫]、顆粒膜卵胞膜細胞腫、セルトリ−ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮細胞癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮細胞癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌腫);血液系:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球生白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、脊髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、色素性異形成毋斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維種;及び副腎:神経芽細胞腫を包含する。したがって、本明細書に提供された、用語「癌性細胞」は、上記に定義された症状の任意の1つに苦しむ細胞を包含する。
したがって本発明は、癌の治療又は予防用医薬の製造において使用するための、式Iの化合物を提供する。
本発明はまた、癌を治療又は予防するための方法であって、式Iの化合物又は式Iの化合物を含んでなる組成物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる該方法も提供する。
本発明の化合物、組成物、及び方法はまた、以下の疾患症状の治療においても有用であってよい:ケロイド及び乾癬。
本発明の化合物、組成物、及び方法によって治療され得る癌は、制限されることなく:乳癌、前立腺癌、結腸癌、結腸直腸癌、肺癌、脳癌、精巣癌、胃癌、膵臓癌、皮膚癌、小腸癌、大腸癌、咽頭癌、頭頸部癌、口腔癌、骨癌、肝臓癌、膀胱癌、腎臓癌、甲状腺癌、及び血液癌を包含する。
本発明の化合物、組成物、及び方法によって治療され得る癌は、乳癌、前立腺癌、結腸癌、卵巣癌、結腸直腸癌、及び肺癌(非小細胞肺癌)を包含する。
本発明の化合物、組成物、及び方法によって治療され得る癌は、乳癌、結腸癌、(結腸直腸癌)、及び肺癌を包含する。
本発明の化合物、組成物、及び方法によって治療され得る癌は、リンパ腫及び白血病を包含する。
本発明の化合物、組成物、及び方法により治療されてもよい癌は、卵巣癌、膵臓癌、乳癌、及び前立腺癌を包含する。
本発明の化合物はまた、PDK1活性の阻害剤であり、したがって、癌、特に、限定されることなくPTEN機能喪失型突然変異及び受容体チロシンキナーゼ機能獲得型突然変異を含めた、PTEN/PI3K経路の調節解除された活性に関連した癌、の治療において有用である。かかる癌は、限定されることなく、卵巣癌、膵臓癌、乳癌、及び前立腺癌、並びに、腫瘍サプレッサーPTENが突然変異している癌(神経膠芽腫を含む)を包含する。例えば、フェルドマン(Feldman,Richard I.)ら、 “Novel Small Molecule Inhibitors of 3−Phosphoinositide−dependent Kinase−1(ホスホイノシチド依存性キナーゼ1の新規な低分子阻害剤)”,The Journal of Biological Chemistry,2005年5月20日発行、第280巻、第20号、p.19876−19874を参照。
PDK1シグナリングは、血管新生における多くの重要な段階を調節する。モラ(Mora,Alfonso)ら、“PDK1,the master regulator of AGC kinase signal transduction(PDK1、AGCキナーゼシグナル伝達の主要な調節因子)”,Seminars in Cell & Developmental Biology、2004年、第15巻、p.161−170を参照。癌治療における血管新生阻害剤の有用性は、文献において既知であり、例えば、ラック(J.Rak)ら著、「キャンサー・リサーチ(Cancer Research)」、1995年、第55巻、p.4575−4580、及びドレッジ(Dredge)ら著、「エキスパート・オピニオン・オン・バイオロジカル・セラピー(Expert Opin.Biol.Ther.)」、2002年、第2巻、第8号、p.953−966参照。癌における血管新生の役割は、非常に多くのタイプの癌及び組織において示されてきた:乳癌(ガスパリーニ(G.Gasparini)及びハリス(A.L.Harris)著、「ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(J.Clin.Oncol.)」、1995年、第13巻、p.765−782;トイ(M.Toi)ら著、「ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・キャンサー・リサーチ(Japan.J.Cancer Res.)」、1994年、第85巻、p.1045−1049);膀胱癌(ディッキンソン(A.J.Dickinson)ら著、「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ウロロジー(Br.J.Urol.)」、1994年、第74巻、p.762−766);結腸癌(エリス(L.M.Ellis)ら著、「サージェリー(Surgery)」、1996年、第120巻、第5号、p.871−878);及び口腔腫瘍(ウィリアムズ(J.K.Williams)ら著、「アメリカン・ジャーナル・オブ・サージェリー(Am.J.Surg.)」、1994年、第168巻、p.373−380)。他の癌は、進行癌、ヘアリーセル白血病、黒色腫、進行性頭頸部癌、転移性腎細胞癌、非ホジキンリンパ腫、転移性乳癌、乳腺癌、進行性黒色腫、膵臓癌、胃癌、神経膠芽腫、肺癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、小細胞肺癌、腎細胞癌、種々の固形腫瘍、多発性骨髄腫、転移性前立腺癌、悪性神経膠腫、腎臓癌、リンパ腫、治療不応性転移性疾患、治療不応性多発性骨髄腫、子宮頚癌、カポジ肉腫、再発性未分化神経膠腫、及び転移性結腸癌を包含する(ドレッジ(Dredge)ら著、「エキスパート・オピニオン・オン・バイオロジカル・セラピー」、2002年、第2巻、第8号、p.953−966)。したがって、本願に開示されたPDK1阻害剤はまた、これらの血管新生関連の癌の治療においても有用である。
新血管形成を受けた腫瘍は、転移性の増大を示す。実際、血管新生は、腫瘍の増殖及び転移にとり不可欠である。(カニンガム(S.P.Cunningham)ら著、「キャンサー・リサーチ」、2001年、第61巻、p.3206−3211)。本願に開示されたPDK1阻害剤はまた、腫瘍細胞転移を予防又は低減するためにも有用である。
本発明の範囲内にさらに包含されるのは、血管新生が関与する疾患を治療又は予防する方法であり、これは、本発明の化合物の治療上有効量を、かかる治療を必要とする哺乳類に投与することを含んでなる。眼の血管新生疾患は、結果として生じる組織損傷の殆どが、眼の血管の異常侵入に帰し得る症状の例である(2000年6月2日公開の、WO00/30651を参照)。望ましくない侵入は、虚血性網膜症、例えば、糖尿病性網膜症、未熟児の網膜症、網膜静脈閉塞からの結果として生じるものにより、或いは、変性性疾患、例えば、年齢関連黄班変性において観察される脈絡膜新血管形成により、トリガーされ得る。本化合物の投与による血管増殖の阻害は、それ故、血管の侵入を予防し、かつ血管新生が関与する疾患、例えば、網膜血管形成、糖尿病性網膜症、年齢関連黄班変性などの眼疾患を予防又は治療することとなる。
本発明の範囲内にさらに包含されるのは、制限されることなく、眼疾患(例えば、網膜血管形成、糖尿病性網膜症、及び年齢関連黄班変性)、アテローム性動脈硬化症、関節炎、乾癬、肥満、及びアルツハイマー病を含む、血管新生が関与する非悪性疾患を、治療又は予防する方法である(ドレッジ(Dredge)ら著、「エキスパート・オピニオン・オン・バイオロジカル・セラピー」、2002年、第2巻、第8号、p.953−966)。別の実施態様において、血管新生が関与する疾患を治療又は予防する方法の対象は、眼疾患(例えば、網膜血管形成、糖尿病性網膜症、及び年齢関連黄班変性)、アテローム性動脈硬化症、関節炎、及び乾癬を包含する。
本発明の1つの実施態様は、上記記載の任意の化合物又は医薬組成物の治療有効量を、哺乳類へ投与することを含んでなる、PDK1を阻害するための方法を提供する。
本発明の範囲内にさらに包含されるのは、過増殖性疾患、例えば、再狭窄、炎症、自己免疫疾患、及びアレルギー/喘息、を治療する方法である。
本発明の範囲内にさらに包含されるのは、ステントをコートするための本化合物の使用であり、それ故、再狭窄の治療及び/又は予防用のコートステントにおける本発明化合物の使用である(WO03/032809)。
本発明の範囲内にさらに包含されるのは、変形性関節症の治療及び/又は予防のための本化合物の使用である(WO03/035048)。
本発明の範囲内にさらに包含されるのは、低インスリン症を治療する方法である。
本発明の1つの実施態様は、上記記載の任意の化合物又は任意の医薬組成物の治療有効量を、哺乳類に投与することを含んでなる、JAK3チロシンキナーゼを阻害するための方法を提供する。
本発明の1つの実施態様は、上記記載の任意の化合物又は任意の医薬組成物の治療有効量を、哺乳類に投与することを含んでなる、TYK2チロシンキナーゼを阻害するための方法を提供する。
本発明を例示するのは、上記記載の任意の化合物の、それを必要とする哺乳類における骨粗鬆症の治療及び/又は予防用の医薬の調製における使用である。本発明をさらに例示するのは、上記記載の任意の化合物の:骨喪失、骨吸収、骨折、転移性骨疾患、及び/又はカテプシン機能化に関連した疾患の、治療及び/又は予防用医薬の調製における使用である。本発明をさらになお例示するのは、上記記載の任意の化合物の、高血圧の治療及び/又は予防用医薬の調製における使用である。
本発明化合物は、単独で、又は、標準的薬学のプラクティスに従い、医薬組成物において、薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、アジュバント、充填剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤、潤滑剤と組合せて、哺乳類、好ましくはヒトに投与してもよい。
本発明化合物は、限定されることなく、経口(例えば、消化による);局所(例えば、経皮、鼻腔内、眼、バッカル、及び舌下を含む);肺(例えば、吸入又は通気療法により、例えばエアロゾルを、例えば口又は鼻を介して使用);直腸;膣;非経口(例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、脊髄内、嚢内、被膜下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、クモ膜下、及び胸骨内を含む注射による);及び、デポー剤の移植(例えば、皮下又は筋肉内)によるものを含め、全身/末梢であろうと、所望の活性の部位においてであろうと、任意の便利な投与経路により、患者に投与してもよい。
患者は、真核生物、動物、脊椎動物、哺乳類、げっ歯類(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス)、ネズミ類(例えば、マウス)、イヌ類(例えば、イヌ)、ネコ類(例えば、ネコ)、ウマ類(例えば、ウマ)、霊長類、シミアン(例えば、サル又は類人猿)、サル(例えば、マーモセット、ヒヒ)、類人猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル)、又はヒトであってよい。
本発明はまた、1つ以上の本発明化合物と薬学的に許容される担体とを含んでなる、医薬組成物も提供する。活性成分を含有する医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性又は油性懸濁液、分散性粉末又は顆粒、エマルジョン、硬又は軟カプセル、又はシロップ又はエリキシルのような、経口使用に適した形状であってよい。経口使用を意図した組成物は、医薬組成物の製造のための当該技術分野において周知の任意の方法に従って調製されてよく、かかる組成物は、医薬的にエレガントで美味な製剤を提供するため、甘味剤、着香剤、着色剤、及び保存剤からなる群より選択される、1種以上の薬剤を含有してもよい。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中に含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム;造粒及び崩壊剤、例えば、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ、又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニル−ピロリドン、又はアラビアゴム、及び潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクであってよい。錠剤は、コートされていなくてもよく、或いはそれらは、薬物の不快な味をマスクするか、又は消化管内での崩壊及び吸収を遅延させ、そしてそれにより長期間にわたる持続作用を提供するようにするため、周知の技術によりコートしてもよい。例えば、水溶性の味覚マスキング剤、例えばヒドロキシプロピル−メチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロース、又は時間遅延物質、例えば、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレートを使用してもよい。
経口使用用の製剤はまた、活性成分が、不活性な固形希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセルとして、或いは、活性成分が、水溶性担体、例えばポリエチレングリコール、又は油性媒体、例えば、ラッカセイ油、流動パラフィン、又はオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルとして供してもよい。
水性懸濁液は、活性成分を、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物中に含有する。かかる賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴム、及びアラビアゴムであり;分散又は湿潤剤は、天然産ホスファチド、例えばレシチン、又は、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合産物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、又は、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合産物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、又はエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンでよい。水性懸濁液はまた、1種以上の保存剤、例えば、エチル、又はn−プロピルp−ヒドロキシベンゾアート、1種以上の着色剤、1種以上の着香剤、及び1種以上の甘味剤、例えばスクロース、サッカリン、又はアスパルテームを含有してもよい。
油性懸濁液は、活性成分を、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油又はヤシ油か、又は鉱物油、例えば流動パラフィン中に懸濁することにより製剤してもよい。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィン、又はセチルアルコールを含有してもよい。上記に示されたような甘味剤、及び着香剤を、美味な経口用製剤を提供するために添加してもよい。これらの組成物は、酸化防止剤、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール又はアルファー−トコフェロールの添加により保存してもよい。
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性粉末及び顆粒は、活性成分を、分散又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1種以上の保存剤との混合物中に提供する。適当な分散又は湿潤剤、及び懸濁化剤は、上記のすでに列挙されたものに例示される。付加的な賦形剤、例えば、甘味剤、着香剤、及び着色剤もまた存在してよい。これらの組成物を、アスコルビン酸のような酸化防止剤の添加により保存してもよい。
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形状であってもよい。油性相は、植物油、例えばオリーブ油又はラッカセイ油、或いは鉱物油、例えば流動パラフィン、又はこれらの混合物でよい。適当な乳化剤は、天然産ホスファチド、例えばダイズレシチン、及び、脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導されるエステル又は部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、及び、前記部分エステルと、エチレンオキシドとの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンでよい。エマルジョンはまた、甘味、着香剤、保存剤、及び酸化防止剤を含有してもよい。
シロップ及びエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、又はスクロースを用いて製剤してもよい。かかる製剤はまた、粘滑剤、保存剤、着香剤及び着色剤、及び酸化防止剤を含有してもよい。
医薬組成物はまた、無菌の注射用水溶液の形態であってもよい。使用してもよい許容されるビヒクル及び溶媒は、なかんずく、水、リンガー液、及び等張の塩化ナトリウム溶液である。
無菌の注射用製剤はまた、活性成分が油性相中に溶解されている、無菌の注射可能な水中油型マイクロエマルジョンでもよい。例えば、活性成分を、まず、ダイズ油及びレシチンの混合物中に溶解してもよい。この油性溶液を、次に水とグリセロールとの混合物中に投入し、マイクロエマルジョンを形成するべく加工する。
注射用溶液又はマイクロエマルジョンは、局所ボーラス注射により、患者の血中へ投入してもよい。別法として、該溶液又はマイクロエマルジョンを、本発明化合物の一定の循環濃度を維持するように投与することが有利であってもよい。かかる一定濃度を維持するため、持続静脈内送達装置を利用してもよい。かかる装置の一例は、デルテック(Deltec)CADD−PLUS(登録商標)モデル5400静脈内ポンプである。
医薬組成物は、筋肉内及び皮下投与用の、無菌の注射用水性又は油脂性懸濁液の形状でもよい。この懸濁液は、当該技術分野において周知の方法に従い、上記に列挙されてきた適当な分散又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて製剤してもよい。無菌の注射用製剤はまた、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の、無菌の注射用溶液又は懸濁液であってもよい。さらに、無菌の固定油が、溶媒又は懸濁媒体として慣習的に使用される。この目的のためには、合成モノ−、又はジグリセリドを含む、任意の無刺激性の固定油を使用してもよい。さらに、オレイン酸のような脂肪酸は、注射用物質の調製において用途がある。
本発明化合物はまた、薬剤の直腸投与用の坐剤の形態で投与してもよい。これらの組成物は、該薬剤を、常温では固定であるが直腸温度では液体であり、それ故直腸内では融解して該薬物を放出することができる、適当な非刺激性の賦形剤と混合することにより調製可能である。かかる物質は、カカオバター、グリセリンゼラチン、硬化植物油、種々の分子量のポリエチレングリコールの混合物、及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルを包含する。
局所使用には、本発明化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液又は懸濁液その他が使用される。(本出願では、局所適用はマウスウォッシュ及びうがい薬を含むものとする。)
本発明の化合物は、鼻腔内形態において、適当な鼻腔内ビヒクル及び送達装置の局所使用により、或いは、経皮経路により、当業者に周知の経皮パッチの形態のものを用いて投与可能である。経皮送達系の形態において投与されるためには、用量投与は、もちろん、用法用量全体を通し、断続的であるよりもむしろ連続的となるであろう。本発明化合物はまた、例えば、カカオバター、グリセリンゼラチン、硬化植物油、種々の分子量のポリエチレングリコールの混合物、及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルといった、基剤を用いた坐剤として送達してもよい。
本発明化合物はまた、リポソーム送達系、例えば、小さいユニラメラベシクル、大きいユニラメラベシクル、及びマルチラメラベシクル、の形態で投与することもできる。リポソームは、種々のリン脂質、例えば、コレステロール、ステアリルアミン、又はホスファチジルコリンから形成し得る。
本発明化合物はまた、モノクローナル抗体を、該化合物分子がそれに結合されている個別の担体として使用することにより送達してもよい。本発明化合物はまた、標的化可能な薬物担体としての可溶性ポリマーと結合してもよい。かかるポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパルトアミド−フェノール、又はパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド−ポリリジンを包含することができる。さらに、本発明化合物を、薬物の制御放出の達成において有用な生分解性ポリマーのクラス、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸とのコポリマー、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリラート、及び架橋ヒドロゲル又はヒドロゲルの両親媒性ブロックコポリマーに結合してもよい。
本発明による化合物が患者に投与される場合、選択される用量レベルは、限定されることなく、特定の化合物の活性、個々の症状の重さ、投与経路、投与時間、化合物の排出速度、治療継続時間、併用して使用する他の薬物、化合物、及び/又は物質、及び、患者の年齢、性別、体重、症状、全身の健康、及び以前の病歴を含む、多様な因子に依存するであろう。化合物の量及び投与経路は、最終的には医師の自由裁量にあるが、一般に、用量は、実質的に危険又は有害な副作用を引き起こすことなく所望の効果を達成する局所濃度を、活性部位において達成するためのものであろう。
インビボの投与は、一用量で、連続的に、又は断続的に(例えば、適当な間隔での分割用量で)治療のコース全体を通して達成することができる。最も有効な投与手段及び用量を決定するための方法は、当該技術分野において周知であり、療法に使用される製剤、療法の目的、治療されている標的細胞、及び治療されている患者によって異なるであろう。単回又は複数回の投与を、治療する医師によって選択される用量レベル及びパターンを用いて行うことができる。
1つの実施態様においては、適当な量のJAK2の阻害剤が、癌の治療を受けている哺乳類に投与される。投与は、1日当たり体重あたり約0.1mg/kgないし約60mg/kgか、又は、1日当たり体重あたり0.5mg/kgないし約40mg/kgの阻害剤の量で行なわれる。本組成物を含んでなる別の治療用の投薬量は、約0.01mgないし約1000mgのJAK2阻害剤を包含する。別の実施態様においては、投薬量は、約1mgないし約1000mgのJAK2阻害剤を含んでなる。
本化合物はまた、抗癌剤又は化学療法薬との組合せにおいても有用である。
本発明化合物は、癌治療用の化学増感剤及び放射線増感剤としても有用であってよい。それらは、癌の治療を事前に受けてきたか、又は現在受けている哺乳類の治療に有用である。かかる事前の治療は、事前の化学療法、放射線療法、外科手術、又は免疫療法、例えば癌ワクチンを包含する。
したがって、本発明は、同時の、別々の、又は連続した投与のための、式Iの化合物と抗癌剤との組合せを提供する。
本発明はまた、癌療法における補助剤として使用するため、或いは電離放射線又は化学療法剤を用いた治療に向けて腫瘍細胞を活性化するための、医薬の製造において使用するための、式Iの化合物を提供する。
本発明はまた、化学療法又は放射線療法の方法であって、式Iの化合物又は式Iの化合物を含んでなる組成物の有効量を、電離放射線又は化学療法薬と組合せて、それを必要とする患者に投与することを含んでなる該方法も提供する。
併用療法では、本発明化合物は、他の抗癌剤の投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)か、同時か、又は後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に、それを必要とする患者に投与することができる。種々の実施態様において、本化合物及び他の抗癌剤は、1分間離して、10分間離して、30分間離して、1時間未満離して、1時間ないし2時間離して、2時間ないし3時間離して、3時間ないし4時間離して、4時間ないし5時間離して、5時間ないし6時間離して、6時間ないし7時間離して、7時間ないし8時間離して、8時間ないし9時間離して、9時間ないし10時間離して、10時間ないし11時間離して、11時間ないし12時間離して、24時間以上離さず、又は48時間以上離さずに投与する。
本発明化合物、及び他の抗癌剤は、相加的に、又は相乗的に作用し得る。本発明化合物と他の抗癌剤との相乗的組合せにより、これらの薬剤の一方又は双方の、より低い用量の使用、及び/又は、本化合物及び他の抗癌剤の一方又は双方の、より低い頻度での投与が可能となり、及び/又は、該薬剤をより低い頻度で投与することで、癌の治療において、薬剤の効果を低減することなく、患者への薬剤投与に付随するいかなる毒性も低減することができる。さらに、相乗効果は、これらの薬剤の改善した効果を癌治療において生ぜしめ、及び/又は、いずれかの薬剤の単独使用に付随するいかなる有害作用又は望ましくない副作用も低減するであろう。
本発明化合物との併用使用のための、癌の薬剤又は化学療法剤の例は、デビータ(V.T.Devita)及びヘルマン(S.Hellman)共編による、「キャンサー・プリンシプルズ・アンド・プラクティス・オブ・オンコロジー(Cancer Principles and Practice of Oncology)(癌の原理及び腫瘍学のプラクティス)」、第6版、リピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス出版(Lippincott Williams&Wilkins Publishers)、2001年2月15日、において見出すことができる。当業者は、薬物及び関係する癌の、特定の性質に基づき、どの薬剤の組合せが有用であるかを識別することができるであろう。かかる抗癌剤は、以下:HDAC阻害剤、エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤及び他の血管新生阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、細胞増殖及び生存シグナリングの阻害剤、ビスホスホネート、アロマターゼ阻害剤、siRNA治療剤、γ−セクレターゼ阻害剤、受容体チロシンキナーゼ(RTK)を妨害する薬剤、及び細胞周期チェックポイントを妨害する薬剤、を包含する。本化合物は、放射線療法と同時投与された場合、特に有用である。
「HDAC阻害剤」の例は、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、LAQ824、LBH589、PXD101、MS275,FK228、バルプロ酸、酪酸、及びCI−994を包含する。
「エストロゲン受容体モジュレータ」は、メカニズムにかかわらず、エストロゲンの受容体への結合を妨害又は阻害する化合物を指す。エストロゲン受容体モジュレータの例は、制限されることなく、タモキシフェン、ラロキシフェン、ヨードキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノアート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾン、及びSH646を包含する。
「アンドロゲン受容体モジュレータ」は、メカニズムにかかわらず、アンドロゲンの受容体への結合を妨害又は阻害する化合物を指す。アンドロゲン受容体モジュレータの例は、フィナステリド及び他の5α−レダクターゼ阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾール、及びアビラテロンアセタートを包含する。
「レチノイド受容体モジュレータ」は、メカニズムにかかわらず、受容体へのレチノイドの結合を妨害又は阻害する化合物を指す。かかるレチノイド受容体モジュレータの例は、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチンアミド、及びN−4−カルボキシフェニルレチンアミドを包含する。
「細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤」は、主として細胞の機能化を直接妨害するか又は細胞有糸***を阻害又は妨害することにより、細胞死を引き起こすか又は細胞増殖を阻害する化合物を指し、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレーター、低酸素活性化化合物、微小管阻害剤/微小管安定化剤、有糸***キネシンの阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、有糸***の進行に関与するキナーゼの阻害剤、成長因子及びサイトカインシグナル伝達経路に関与するキナーゼの阻害剤、代謝拮抗物質、生物応答調節剤;ホルモン/抗ホルモン治療剤、造血成長因子、モノクローナル抗体標的化治療剤、トポイソメラーゼ阻害剤、プロテオソーム阻害剤、ユビキチンリガーゼ阻害剤、及びオーロラキナーゼ阻害剤を包含する。
細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤の例は、制限なされることなく、セルテネフ、カケクチン、イフォスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニムスチン、ジブロモダルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン、ネダプラチン、オキザリプラチン、テモゾロミド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、インプロスルファントシラート、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシホスファミド、シス−アミンジクロロ(2−メチル−ピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルホスファミド、GPX100、(トランス、トランス、トランス)−ビス−ミュー−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−ミュー−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニル(diarizidinyl)スペルミン、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755、及び4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシン(WO00/50032参照)、ラフ(Raf)キナーゼ阻害剤(例えば、Bay43−9006)、及びmTOR阻害剤(例えば、ワイス(Wyeth)のCCI−779、及びアリアド(Ariad)のAP23573)を包含する。
低酸素活性化化合物の1つの例は、チラパザミンである。
プロテオソーム阻害剤の例は、制限されることなく、ラクタシスチン、ボルテゾミブ、エポキソミシン、及びペプチドアルデヒド、例えばMG132、MG115、PSI及びMLN−341(ベルケード(Velcade))を包含する。
微小管阻害剤/微小管安定化剤の例は、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、ミボブリンイセチオナート、アウリスタチン、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258、エポチロン(例えば米国特許第6,284,781及び6,288,237号参照)、及び、BMS188797を包含する。1つの実施態様において、エポチロンは、微小管阻害剤/微小管安定化剤に包含されない。
トポイソメラーゼ阻害剤のいくつかの例は、トポテカン、ハイカプタミン(hycaptamine)、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソ−ベンジリデン−シャールトルーシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:b,7]−インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ルルトテカン(lurtotecan)、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、エトポシドホスファート、テニポシド、ソブゾキサン、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシ−エトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキシアミド、アスラクライン(asulacrine)、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3’,4’:6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]−フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソキノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−de]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキシアミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン、ジメスナ、非カンプトテシントポイソメラーゼ−I阻害剤、例えばインドロカルバゾール;及びデュアルトポイソメラーゼ−I及びII阻害剤、例えばベンゾフェナジン、XR 20 115761MLN576、及びベンゾピリドインドールである。
有糸***キネシン、及び特にヒト有糸***キネシンKSPの阻害剤の例は、公開物WO03/039460、WO03/050064、WO03/050122、WO03/049527、WO03/049679、WO03/049678、WO04/039774、WO03/079973、WO03/099211、WO03/105855、WO03/106417、WO04/037171、WO04/058148、WO04/058700、WO04/126699、WO05/018638、WO05/019206、WO05/019205、WO05/018547、WO05/017190、US2005/0176776に記載されている。1つの実施態様において、有糸***キネシンの阻害剤は、制限されることなく、KSPの阻害剤、MKLP1の阻害剤、CENP−Eの阻害剤、MCAKの阻害剤、及びRab6−KIFLの阻害剤を包含する。
「ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤」の例は、制限されることなく、SAHA、TSA、オキサムフラチン、PXD101、MG98、及びスクリプタイドを包含する。他のヒストン脱アセチル化酵素阻害剤に関するさらなる参考文献は、以下の文書に見出されてよい;ミラー(Miller,T.A.)ら著、「ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)」、2003年、第46巻、第24号、p.5097−5116。
「有糸***の進行に関与するキナーゼの阻害剤」は、制限されることなく、オーロラキナーゼの阻害剤、ポロ様キナーゼの阻害剤(PLK;特にPLK−1の阻害剤)、bub−1の阻害剤、及びbub−R1の阻害剤を包含する。「オーロラキナーゼ阻害剤」の例は、VX−680である。
「抗増殖剤」は、アンチセンスRNA及びDNAオリゴヌクレオチド、例えばG3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、及びINX3001;及び、代謝拮抗物質、例えばエノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキセート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクフォスファート、フォステアビン(fosteabine)ナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシシチジンン、N−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル)スルホニル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクチナサイジン、トロキサシタビン、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b][1,4]チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)−テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン、ロメトレキソール、デキシラゾキサン(dexrazoxane)、メチオニナーゼ、2’−シアノ−2’−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン、3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、及びトラツズマブを包含する。
モノクローナル抗体標的化治療剤の例は、癌細胞特異又は標的細胞特異モノクローナル抗体へ結合した、細胞傷害剤又は放射性同位元素を有する治療剤を包含する。例は、ベクサールを包含する。
「HMG−CoAレダクターゼ阻害剤」は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼの阻害剤を指す。使用されてもよいHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の例は、制限されることなく、ロバスタチン(メバコール(MEVACOR)(登録商標);米国特許第4,231,938、4,294,926、及び4,319,039号参照)、シンバスタチン(ゾコール(ZOCOR)(登録商標);米国特許第4,444,784、4,820,850、及び4,916,239号参照)、プラバスタチン(プラバコール(PRAVACHOL)(登録商標);米国特許第4,346,227、4,537,859、4,410,629、5,030,447、及び5,180,589号参照)、フルバスタチン(レスコール(LESCOL)(登録商標);米国特許第5,354,772、4,911,165、4,929,437、5,189,164、5,118,853、5,290,946、及び5,356,896号参照)、及びアトルバスタチン(リピトール(LIPITOR)(登録商標);米国特許第5,273,995、4,681,893、5,489,691、及び5,342,952号参照)、及びセリバスタチン(またリバスタチン及びバイコール(BAYCHOL)(登録商標)とも呼ばれる;米国特許第5,177,080号参照)を包含する。これらの、及び、本方法において使用されてもよい付加的なHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の構造式は、ヤルパニ(M.Yalpani)著、「コレステロール・ロワリング・ドラッグズ(Cholesterol Lowering Drugs)(コレステロール低下薬)」、ケミストリー・アンド・インダストリー(Chemistry&Industry)、1996年2月5日、p.85−89の第87頁、及び、米国特許第4,782,084及び4,885,314号に記載されている。本明細書で使用される場合、用語、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、全ての薬学的に許容されるラクトン及びオープン酸型(すなわち、ラクトン環が開裂されて遊離酸を形成する場合)、並びに、HMG−CoAレダクターゼ阻害活性を有する化合物の塩及びエステル型であって、それ故、かかる塩、エステル、オープン酸、及びラクトン型の使用は、本発明の範囲内に包含される。
「プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤」は、プレニルタンパク質トランスフェラーゼ酵素の任意の1つ又は任意の組合せを阻害する化合物を指し、ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ(FPTアーゼ)、ゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼI型(GGPTアーゼ−I)、及び、ゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼII型(GGPTアーゼ−II、またRab GGPTアーゼとも呼ばれる)を包含する。
プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の例は、以下の出版物及び特許に見出すことができる:WO96/30343、WO97/18813、WO97/21701、WO97/23478、WO97/38665、WO98/28980、WO98/29119、WO95/32987、米国特許第5,420,245号、米国特許第5,523,430号、米国特許第5,532,359号、米国特許第5,510,510号、米国特許第5,589,485号、米国特許第5,602,098号、欧州特許公開第0 618 221号、欧州特許公開第0 675 112号、欧州特許公開第0 604 181号、欧州特許公開第0 696 593号、WO94/19357、WO95/08542、WO95/11917、WO95/12612、WO95/12572、WO95/10514、米国特許第5,661,152号、WO95/10515、WO95/10516、WO95/24612、WO95/34535、WO95/25086、WO96/05529、WO96/06138、WO96/06193、WO96/16443、WO96/21701、WO96/21456、WO96/22278、WO96/24611、WO96/24612、WO96/05168、WO96/05169、WO96/00736、米国特許第5,571,792号、WO96/17861、WO96/33159、WO96/34850、WO96/34851、WO96/30017、WO96/30018、WO96/30362、WO96/30363、WO96/31111、WO96/31477、WO96/31478、WO96/31501、WO97/00252、WO97/03047、WO97/03050、WO97/04785、WO97/02920、WO97/17070、WO97/23478、WO97/26246、WO97/30053、WO97/44350、WO98/02436、及び米国特許第5,532,359号。血管新生に対するプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の役割の1つの例については、「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・キャンサー(European J.of Cancer)」、1999年、第35巻、第9号、p.1394−1401参照。
「血管新生阻害剤」は、メカニズムにかかわらず、新たな血管の形成を阻害する化合物を指す。血管新生阻害剤の例は、制限されることなく、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、チロシンキナーゼ受容体Flt−1(VEGFR1)及びFlk−1/KDR(VEGFR2)の阻害剤、上皮由来、線維芽細胞由来、又は血小板由来の成長因子の阻害剤、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害剤、インテグリン阻害剤、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサン多硫酸塩、アスピリン及びイブプロフェンのような非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)並びにセレコキシブ及びロフェコキシブのような選択的シクロオキシ−ゲナーゼ−2阻害剤を含む、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(「プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(PNAS)」、1992年、第89巻、p.7384;「ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスチチュート(JNCI)」、1982年、第69巻、p.475;「アーカイブズ・オブ・オフサルモロジー(Arch.Opthalmol.)」、1990年、第108巻、p.573;「ディ・アナトミカル・レコード(Anat.Rec.)」、1994年、第238巻、p.68;「フェブス・レターズ(FEBS Letters)」、1995年、第372巻、p.83;「クリニカル・オルソペディックス(Clin.Orthop.)」、1995年、第313巻、p.76;「ジャーナル・オブ・モレキュラー・エンドクリノロジー(J.Mol.Endocrinol.)」、1996年、第16巻、p.107;「ザ・ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Jpn.J.Pharmacol.)」、1997年、第75巻、p.105;「キャンサー・リサーチ」、1997年、第57巻、p.1625;「セル(Cell)」、1998年、第93巻、p.705;「インターナショナル・ジャーナル・オブ・モレキュラー・メディズン(Intl.J.Mol.Med.)」、1998年、第2巻、p.715;「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」、1999年、第274巻、p.9116)、ステロイド系抗炎症剤(例えばコルチコステロイド、ミネラルコルチコイド、デキサメタゾン、プレドニソン、プレドニソロン、メチルプレド、ベタメタゾン)、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、アンギオテンシンIIアンタゴニスト(「ザ・ジャーナル・オブ・ラボラトリー・アンド・クリニカル・メディスン(J.Lab.Clin.Med.)」、1985年、第105巻、p.141−145参照)、及びVEGFに対する抗体(「ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnology)」、1999年10月、第17巻、p.963−968;キム(Kim)ら著、「ネイチャー」、1993年、第362巻、p.841−844;WO00/44777;及び、WO00/61186参照)を包含する。
血管新生を調節又は阻害し、かつ本発明化合物と組合せて使用してもよい他の治療薬は、凝固及び線溶系を調節又は阻害する薬剤を包含する(「クリニカル・ケミストリー・アンド・ラボラトリー・メディスン(Clin.Chem.La.Med.)」、2000年、第38巻、p.679−692の総説を参照)。凝固及び線溶経路を調節又は阻害する、かかる薬剤の例は、制限されることなく、ヘパリン(「トロンボーシス・アンド・ヘモスタシス(Thromb.Haemost.)」、1998年、第80巻、p.10−23)、低分子ヘパリン、及びカルボキシペプチダーゼU阻害剤(活性型のトロンビン活性化線溶抑制因子[TAFIa]の阻害剤としても公知)(「トロンボーシス・リサーチ(Thrombosis Res.)」、2001年、第101巻、p.329−354参照)を包含する。TAFIa阻害剤は、米国特許出願番号60/310,927(2001年8月8日出願)、及び60/349,925号(2002年1月18日出願)に記載されている。
「細胞周期チェックポイントを妨害する薬剤」は、細胞周期チェックポイントシグナルを変換するプロテインキナーゼを阻害し、それにより癌細胞をDNA損傷剤に対し感受性化する化合物を指す。かかる薬剤は、ATR、ATM、CHK11及びCHK12キナーゼの阻害剤、及び、cdk及びcdcキナーゼ阻害剤を包含し、特に、7−ヒドロキシスタウロスポリン、フラボピリドール、CYC202(サイクラセル(Cyclacel))、及びBMS−387032に例示される。
「受容体チロシンキナーゼ(RTK)を妨害する薬剤」は、RTKを阻害し、かつそれ故、発癌及び腫瘍進行に関与するメカニズムを阻害する化合物を指す。かかる薬剤は、c−Kit、Eph、PDGF、Flt3、及びc−Metの阻害剤を包含する。さらなる薬剤は、ブーム・ジェンセン(Bume−Jensen)及びハンター(Hunter)著、「ネイチャー」、2001年、第411巻、p.355−365により記載された、RTKの阻害剤を包含する。
「細胞増殖及び生存シグナリング経路の阻害剤」は、表面受容体の下流のシグナル伝達カスケードを阻害する化合物を指す。かかる薬剤は、セリン/スレオニンキナーゼ(制限されることなく、Aktの阻害剤、例えば(WO02/083064、WO02/083139、WO02/083140、US2004−0116432、WO02/083138、US2004−0102360、WO03/086404、WO03/086279、WO03/086394、WO03/084473、WO03/086403、WO2004/041162、WO2004/096131、WO2004/096129、WO2004/096135、WO2004/096130、WO2005/100356、WO2005/100344、US2005/029941、US2005/44294、US2005/43361、60/734188、60/652737、60/670469に記載された、Aktの阻害剤を含む)、Rafキナーゼの阻害剤(例えばBAY−43−9006)、MEKの阻害剤(例えば、CI−1040及びPD−098059)、及びmTORの阻害剤(例えばワイス(Wyeth)CCI−779、及びアリアド(Ariad)のAP23573)、及びPI3Kの阻害剤(例えばLY294002)を包含する。
上記記載のように、NSAIDとの併用は、効力のあるCOX−2阻害剤であるNSAIDの使用に向けたものである。本明細書では、細胞又はミクロソームアッセイにより測定されるとき、1μM以下の、COX−2阻害のIC50を有する場合、NSAIDは効力をもつ。
本発明はまた、選択的なCOX−2阻害剤である、NSAIDとの併用も包含する。本明細書では、選択的COX−2阻害剤であるNSAIDは、細胞又はミクロソームアッセイにより評価される、COX−1のIC50に対するCOX−2のIC50の比率によって測定されるとき、少なくとも100倍の、COX−1に対するCOX−2阻害特異性を有するものとして定義される。かかる化合物は、制限されることなく、米国特許5,474,995、米国特許5,861,419、米国特許6,001,843、米国特許6,020,343、米国特許5,409,944、米国特許5,436,265、米国特許5,536,752、米国特許5,550,142、米国特許5,604,260、米国特許5,698,584、米国特許5,710,140、WO94/15932、米国特許5,344,991、米国特許5,134,142、米国特許5,380,738、米国特許5,393,790、米国特許5,466,823、米国特許5,633,272、及び米国特許5,932,598に開示されているものを包含し、これらは全て参考として本明細書に含まれる。
本治療法において特に有用であるCOX−2の阻害剤は、3−フェニル−4−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−2−(5H)−フラノン;及び5−クロロ−3−(4−メチルスルホニル)フェニル−2−(2−メチル−5−ピリジニル)ピリジン;又は、その薬学的に許容される塩である。
COX−2の特異的阻害剤として記載されてきており、それ故本発明において有用な化合物は、制限されることなく、以下:パレコキシブ、ベクストラ(BEXTRA(登録商標))、及びセレブレックス(CELEBREX(登録商標))、又はその薬学的に許容される塩を包含する。
血管新生阻害剤の他の例は、制限されることなく、エンドスタチン、ウクライン、ランピルナーゼ、IM862、5−メトキシ−4−[2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2,5]オクト−6−イル(クロロアセチル)カルバメート、アセチルジナナリン(acetyldinanaline)、5−アミノ−1−[[3,5−ジクロロ−4−(4−クロロベンゾイル)フェニル]メチル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシアミド、CM101、スクワラミン、コンブレタスタチン、RPI4610、NX31838、硫酸化マンノペンタオースホスファート、7,7−(カルボニル−ビス[イミノ−N−メチル−4,2−ピロロカルボニルイミノ[N−メチル−4,2−ピロール]−カルボニルイミノ]−ビス−(1,3−ナフタレンジスルホナート)、及び、3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチレン]−2−インドリノン(SU5416)を包含する。
前記に使用されたように、「インテグリンブロッカー」は、生理的リガンドのαβインテグリンへの結合を、選択的に拮抗するか、阻害するか、又は反対に作用する化合物、生理的リガンドのαβインテグリンへの結合を、選択的に拮抗するか、阻害するか、又は反対に作用する化合物、生理的リガンドのαβインテグリン及びαβインテグリン双方への結合を、拮抗するか、阻害するか、又は反対に作用する化合物、及び、毛細血管内皮細胞上に発現された特定のインテグリンの活性を、拮抗するか、阻害するか、又は反対に作用する化合物を指す。当該用語はまた、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、及びαβインテグリンのアンタゴニストも指す。当該用語はまた、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、及びαβインテグリンの、任意の組合せのアンタゴニストも指す。
チロシンキナーゼ阻害剤のいくつかの具体的な例は、N−(トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキシアミド、3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチリデニル]インドリン−2−オン、17−(アリルアミノ)−17−デメトキシゲルダナマイシン、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシル]キナゾリン、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン、BIBX1382、2,3,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−10−(ヒドロキシメチル)−10−ヒドロキシ−9−メチル−9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]ピロロ[3,4−i][1,6]ベンゾジアゾシン−1−オン、SH268、ゲニステイン、STI571、CEP2563、4−(3−クロロフェニルアミノ)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンメタンスルホネート、4−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、4−(4’−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、SU6668、STI571A、N−4−クロロフェニル−4−(4−ピリジルメチル)−1−フタラジンアミン、及びEMD121974を包含する。
抗癌化合物以外の化合物との併用もまた、同時の、別々の、又は連続した投与のための、本方法に包含される。例えば、本願にクレームされた化合物と、PPAR−γ(すなわち、PPAR−ガンマ)アゴニスト及びPPAR−δ(すなわち、PPAR−デルタ)アゴニストとの併用は、いくつかの悪性疾患の治療において有用である。PPAR−γ及びPPAR−δは、核のペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γ及びδである。PPAR−γの、内皮細胞上での発現及び、血管新生におけるその関与は、文献に報告されている(「ジャーナル・オブ・カルディオバスキュラー・ファーマコロジー(J.Cardiovasc.Pharmacol.)」、1998年、第31巻、p.909−913;「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」、1999年、第274巻、p.9116−9121;「インベスティゲイティブ・オフサルモロジー・アンド・ビジュアル・サイエンス(Invest.Ophthalmol Vis.Sci.)」、2000年、第41巻、p.2309−2317参照)。より最近では、PPAR−γアゴニストが、VEGFに対する血管新生応答をインビトロで阻害することが開示された;トログリタゾン及びマレイン酸ロシグリタゾンの双方は、腎臓の血管新生の発生をマウスにおいて阻害する(「アーカイブズ・オブ・オフサルモロジー」、2001年、第119巻、p.709−717)。PPAR−γアゴニスト及びPPAR−γ/αアゴニストの例は、制限されることなく、チアゾリジンジオン(例えばDRF2725、CS−011、トログリタゾン、ロシグリタゾン、及びピオグリタゾン)、フェノフィブラート、ゲンフィブロジル、クロフィブラート、GW2570、SB219994、AR−H039242、JTT−501、MCC−555、GW2331、GW409544、NN2344、KRP297、NP0110、DRF4158、NN622、GI262570、PNU182716、DRF552926、2−[(5,7−ジプロピル−3−トリフルオロメチル−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−イル)オキシ]−2−メチルプロピオン酸(USSN 09/782,856に開示された)、及び2(R)−7−(3−(2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ)プロポキシ)−2−エチルクロマン−2−カルボン酸(USSN 60/235,708及び60/244,697に開示された)を包含する。
本発明の別の実施態様は、本開示化合物の、癌の治療のための、遺伝子療法と組合せた使用である。癌を治療するための遺伝学的戦略の概要に関しては、ホール(Hall)ら(「アメリカン・ジャーナル・オブ・ヒューマン・ジェネティクス(Am.J.Hum,Genet.)」、1997年、第61巻、p.785−789)、及びクーフェ(Kufe)ら(「キャンサー・メディスン(Cancer Medicine)(癌医療)」、第5版、BCデッカー(Decker)、ハミルトン、2000年、p.876−889)を参照のこと。遺伝子療法は、任意の腫瘍抑制遺伝子を送達するべく使用可能である。かかる遺伝子の例は、制限されることなく、組換えウイルス媒介性の遺伝子導入により送達可能であるp53(例えば、米国特許第6,069,134号参照)、uPA/uPARアンタゴニスト(「Adenovirus−Mediated Delivery of a uPA/uPAR Antagonist Suppresses Angiogenesis−Dependent Tumor Growth and Dissemination in Mice(uPA/uPARアンタゴニストのアデノウイルス媒介送達は、血管新生依存性の腫瘍増殖及び播種をマウスにおいて抑制する)、ジーン・セラピー(Gene Therapy)」、1998年8月、第5巻、第8号、p.1105−13)、及びインターフェロンガンマ(「ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)」、2000年、第164巻、p.217−222)を包含する。
本発明化合物はまた、生来多剤耐性(MDR)、特に、高レベルのトランスポータ−タンパク質の発現に関与しているMDRの阻害剤と併用して投与してもよい。かかるMDR阻害剤は、p−糖タンパク質(P−gp)の阻害剤、例えばLY335979、XR9576、OC144−093、R101922、VX853、及びPSC833(バルスポダール)を包含する。
本発明化合物は、本発明化合物の、単独の、又は放射線療法との使用の結果として生じるかもしれない急性、遅発性、遅延相、及び予測性嘔吐を含めた、悪心又は嘔吐を治療するべく、抗嘔吐薬と一緒に用いてもよい。嘔吐の予防又は治療のためには、本発明化合物は、他の抗嘔吐薬、特にニューロキニン−1受容体アンタゴニスト;5HT3受容体アンタゴニスト、例えばオンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、及びザチセトロン;GABAB受容体アゴニスト、例えばバクロフェン;コルチコステロイド、例えばデカドロン(Decadron)(デキサメタゾン)、ケナログ(Kenalog)、アリストコート(Aristocort)、ナサライド(Nasalide)、プレフェリド(Preferid)、ベネコルテン(Benecorten)、又は他の、米国特許第2,789,118、2,990,401、3,048,581、3,126,375、3,929,768、3,996,359、3,928,326、及び3,749,712号に開示されたもの;抗ドーパミン作動薬、例えばフェノチアジン類(例えばプロクロペラジン、フルフェナジン、チオリダジン、及びメソリダジン)、メトクロプラマイド、又はドロナビノールと一緒に使用してもよい。別の実施態様において、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト、及びコルチコステロイドから選ばれる抗嘔吐薬との併用療法が、本化合物の投与の結果として生じるかもしれない嘔吐の治療又は予防用に開示されている。
本発明の化合物との併用において役立つニューロキニン−1受容体アンタゴニストは、例えば、米国特許第5,162,339、5,232,929、5,242,930、5,373,003、5,387,595、5,459,270、5,494,926、5,496,833、5,637,699、5,719,147号;欧州特許公開番号EP 0 360 390、0 394 989、0 428 434、0 429 366、0 430 771、0 436 334、0 443 132、0 482 539、0 498 069、0 499 313、0 512 901、0 512 902、0 514 273、0 514 274、0 514 275、0 514 276、0 515 681、0 517 589、0 520 555、0 522 808、0 528 495、0 532 456、0 533 280、0 536 817、0 545 478、0 558 156、0 577 394、0 585 913、0 590 152、0 599 538、0 610 793、0 634 402、0 686 629、0 693 489、0 694 535、0 699 655、0 699 674、0 707 006、0 708 101、0 709 375、0 709 376、0 714 891、0 723 959、0 733 632、及び0 776 893;PCT国際特許公開番号WO90/05525、90/05729、91/09844、91/18899、92/01688、92/06079、92/12151、92/15585、92/17449、92/20661、92/20676、92/21677、92/22569、93/00330、93/00331、93/01159、93/01165、93/01169、93/01170、93/06099、93/09116、93/10073、93/14084、93/14113、93/18023、93/19064、93/21155、93/21181、93/23380、93/24465、94/00440、94/01402、94/02461、94/02595、94/03429、94/03445、94/04494、94/04496、94/05625、94/07843、94/08997、94/10165、94/10167、94/10168、94/10170、94/11368、94/13639、94/13663、94/14767、94/15903、94/19320、94/19323、94/20500、94/26735、94/26740、94/29309、95/02595、95/04040、95/04042、95/06645、95/07886、95/07908、95/08549、95/11880、95/14017、95/15311、95/16679、95/17382、95/18124、95/18129、95/19344、95/20575、95/21819、95/22525、95/23798、95/26338、95/28418、95/30674、95/30687、95/33744、96/05181、96/05193、96/05203、96/06094、96/07649、96/10562、96/16939、96/18643、96/20197、96/21661、96/29304、96/29317、96/29326、96/29328、96/31214、96/32385、96/37489、97/01553、97/01554、97/03066、97/08144、97/14671、97/17362、97/18206、97/19084、97/19942、及び97/21702;及び英国特許公開番号2 266 529、2 268 931、2 269 170、2 269 590、2 271 774、2 292 144、2 293 168、2 293 169、及び2 302 689において、充分に記載されている。かかる化合物の調製は、上述の特許及び出版物において充分に記載されており、それらは参考として本明細書に含まれている。
1つの実施態様において、本発明化合物との併用使用のためのニューロキニンI受容体アンタゴニストは、2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(5−オキソ−1H,4H−1,2,4−トリアゾロ)メチル)モルホリン、又は、その薬学的に許容される塩から選ばれ、それは、米国特許第5,719,147号に記載されている。
本発明の化合物はまた、貧血症の治療において有用な薬剤とともに投与されてよい。かかる貧血症治療薬は、例えば、持続性の赤血球形成受容体活性化剤(例えばエポエチン・アルファ)である。
本発明の化合物はまた、好中球減少症の治療において有用な薬剤とともに投与されてよい。かかる好中球減少症治療薬は、例えば、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)のような、好中球の産生及び機能を調節する造血成長因子である。G−CSFの例は、フィルグラスチムを包含する。
本発明化合物はまた、免疫強化薬、例えば、レバミソール、イソプリノシン、及びザダキシン(Zadaxin)とともに投与されてもよい。
本発明の化合物はまた、ビスホスホネート(ビスホスホナート、ジホスホナート、ビスホスホン酸、及びジホスホン酸を包含するべく理解される)との併用において、骨癌を含む癌の治療又は予防のために有用であってよい。ビスホスホネートの例は、制限されることなく:エチドロネート(ダイドロネル(Didronel))、パミドロネート(アレディア(Aredia))、アレンドロネート(フォサマックス(Fosamax))、リセドロネート(アクトネル(Actonel))、ゾレドロネート(ゾメタ(Zometa))、イバンドロネート(ボニバ(Boniva))、インカドロネート又はシマドロネート、クロドロネート、EB−1053、ミノドロネート、ネリドロネート、ピリドロネート(piridronate)、及びチルドロネートを包含し、任意の及び全ての、薬学的に許容される塩、誘導体、水和物、及びそれらの混合物を包含する。
本発明の化合物はまた、アロマターゼ阻害剤との併用において、乳癌の治療又は予防に有用であってもよい。アロマターゼ阻害剤の例は、制限なく:アナストロゾール、レトロゾール、及びエキゼメスタンを包含する。
本発明の化合物はまた、siRNA治療剤との併用において、癌の治療又は予防に有用であってもよい。
本発明化合物はまた、γ−セクレターゼ阻害剤、及び/又はNOTCHシグナリングの阻害剤と併用して投与してもよい。かかる阻害剤は、WO01/90084、WO02/30912、WO01/70677、WO03/013506、WO02/36555、WO03/093252、WO03/093264、WO03/093251、WO03/093253、WO2004/039800、WO2004/039370、WO2005/030731、WO2005/014553、USSN 10/957,251、WO2004/089911、WO02/081435、WO02/081433、WO03/018543、WO2004/031137、WO2004/031139、WO2004/031138、WO2004/101538、WO2004/101539、及びWO02/47671(LY−450139を含む)に記載されている化合物を包含する。
本発明化合物はまた、Aktの阻害剤との併用において、癌の治療又は予防に有用であってもよい。かかる阻害剤は、限定されないが、以下の刊行物に記載された化合物を包含する:WO02/083064、WO02/083139、WO02/083140、US2004−0116432、WO02/083138、US2004−0102360、WO03/086404、WO03/086279、WO03/086394、WO03/084473、WO03/086403、WO2004/041162、WO2004/096131、WO2004/096129、WO2004/096135、WO2004/096130、WO2005/100356、WO2005/100344、US2005/029941、US2005/44294、US2005/43361、60/734188、60/652737、60/670469。
本発明化合物はまた、mTor阻害剤との併用において、癌の治療又は予防に有用であってもよい。
本発明化合物はまた、cMet阻害剤との併用において、癌の治療又は予防に有用であってもよい。
本発明の化合物はまた、PARP阻害剤との併用において、癌の治療又は予防に有用であってもよい。
本発明化合物はまた、以下の治療薬:アバレリックス(プレナキシス・デポ(Plenaxis depot)(登録商標));アルデスロイキン(プロカイン(Prokine)(登録商標));アルデスロイキン(プロロイキン(Proleukin)(登録商標));アレムツズマブ(キャンパス(Campath)(登録商標));アリトレチノイン(パンレチン(Panretin)(登録商標));アロプリノール(ザイロプリム(Zyloprim)(登録商標));アルトレタミン(ヘキサレン(Hexalen)(登録商標));アミフォスチン(エチヨル(Ethyol)(登録商標));アナストロゾール(アリミデックス(Arimidex)(登録商標));三酸化ヒ素(トリセノックス(Trisenox)(登録商標));アスパラギナーゼ(エルスパル(Elspar)(登録商標));アザシチジン(ビダザ(Vidaza)(登録商標));ベバシズマブ(アバスチン(Avastin)(登録商標));ベキサロテン・カプセル(タルグレチン(Targretin)(登録商標));ベキサロテン・ゲル(タルグレチン(Targretin)(登録商標));ブレオマイシン(ブレノキサン(Blenoxane)(登録商標));ボルテゾミブ(ベルケード(Velcade)(登録商標));ブスルファン・静脈内(ブスルフェックス(Busulfex)(登録商標));ブスルファン・経口(マイレラン(Myleran)(登録商標));カルステロン(メトサーブ(Methosarb)(登録商標));カペシタビン(ゼローダ(Xeloda)(登録商標));カルボプラチン(パラプラチン(Paraplatin)(登録商標));カルムスチン(BCNU(登録商標)、BiCNU(登録商標));カルムスチン(グリアデル(Gliadel)(登録商標));インプラント型ポリフェプロサン20カルムスチン(グリアデル・ウエファー(Gliadel Wafer)(登録商標));セレコキシブ(セレブレックス((Celebex)(登録商標));セツキシマブ(アービタックス(Erbitux)(登録商標));クロランブシル(ロイケラン(Leukeran)(登録商標));シスプラチン(プラチノール(Platinol)(登録商標));クラドリビン(ロイスタチン(Leustatin)(登録商標)、2−CdA(登録商標));クロファラビン(クロラール(Clolar)(登録商標));シクロホスファミド(サイトキサン(Cytoxan)(登録商標)、ネオサール(Neosar)(登録商標));シクロホスファミド(サイトキサン注射薬(Cytoxan Injection)(登録商標));シクロホスファミド(サイトキサン・錠剤(Cytoxan Tablet)(登録商標));シタラビン(サイトサール−U(Cytosar−U)(登録商標));リポソーム化シタラビン(DepoCyt(登録商標));デカルバジン(DTIC−Dome(登録商標));ダクチノマイシン、アクチノマイシンD(コスメゲン(Cosmegen)(登録商標));ダルベポエチン・アルファ(アラネスプ(Arnesp)(登録商標));リポソーム化ダウノルビシン(DanuoXome(登録商標));ダウノルビシン、ダウノマイシン(ダウノルビシン(Daunorubicin)(登録商標));ダウノルビシン、ダウノマイシン(セルビジン(Cerbidine)(登録商標));デニロイキン・ディフィトックス(オンタック(Ontak)(登録商標));デクスラゾキサン(ザインカード(Zinecard)(登録商標));ドセタキセル(タキソテール(Taxotere)(登録商標));ドキソルビシン(アドリアマイシンPFS(Adriamycin PFS)(登録商標));ドキソルビシン(アドリアマイシン(Adriamycin)(登録商標)、ルベックス(Rubex)(登録商標));ドキソルビシン(アドリアマイシンPFS注射薬(Adriamycin PFS Injection)(登録商標));リポソーム化ドキソルビシン(ドキシル(Doxil)(登録商標));プロピオン酸ドロモスタノロン(ドロモスタノロン(DROMOSTANOLONE)(登録商標));プロピオン酸ドロモスタノロン(マステロン注射薬(MASTERONE INJECTION)(登録商標));エリオットのB溶液(エリオットのB溶液(Elliott’s B Solution)(登録商標));エピルビシン(エレンス(Ellence)(登録商標));エポエチン・アルファ(エポジェン(epogen)(登録商標));エルロチニブ(タルセバ(Tarceva)(登録商標));エストラムスチン(Emcyt(登録商標));エトポシドリン酸塩(エトフォス(Etopophos)(登録商標));エトポシド、VP−16(ベペシド(Vepesid)(登録商標));エキセメスタン(アロマシン(Aromasin)(登録商標));フィルグラスチム(ノイポゲン(Neupogen)(登録商標));フロクスウリジン(動脈内)(FUDR(登録商標));フルダラビン(フルダラ(Fludara)(登録商標));フルオロウラシル、5−FU(アドルシル(Adrucil)(登録商標));フルベストラント(ファスロデックス(Faslodex)(登録商標));ゲフィチニブ(イレッサ(Iressa)(登録商標));ゲムシタビン(ゲムザール(Gemzar)(登録商標));ゲムツズマブ・オゾガマイシン(マイロターグ(Mylotarg)(登録商標));ゴセレリン酢酸塩(ゾラデックス・インプラント(Zoladex Implant)(登録商標));ゴセレリン酢酸塩(ゾラデックス(Zoladex)(登録商標));ヒストレリン酢酸塩(ヒストレリン・インプラント(Histrelin implant)(登録商標));ヒドロキシ尿素(ハイドレア(Hydrea)(登録商標));イブリツモマブ・チウキセタン(ゼヴァリン(Zevalin)(登録商標));イダルビシン(イダマイシン(Idamycin)(登録商標));イフォスファミド(IFEX(登録商標));イマチニブメシル酸塩(グリベック(Gleevec)(登録商標));インターフェロンアルファ2a(ロフェロンA(Roferon A)(登録商標));インターフェロンアルファ−2b(イントロンA(Intron A)(登録商標));イリノテカン(カンプトサール(Camptosar)(登録商標));レナリドマイド(レブリミド(Revlimid)(登録商標));レトロゾール(フェマーラ(Femara)(登録商標));ロイコボリン(ウェルコボリン(Wellcovorin)(登録商標)、ロイコボリン(Leucovorin)(登録商標));酢酸ロイプロリド(エリガード(Eligard)(登録商標));レバミソール(エルガミゾール(Ergamisol)(登録商標));ロムスチン、CCNU(CeeBU(登録商標));メクロレタミン・ナイトロジェンマスタード(マスタルゲン(Mustargen)(登録商標));酢酸メゲストロール(メゲース(Megace)(登録商標));メルファラン、L−PAM(アルケラン(Alkeran)(登録商標));メルカプトプリン、6−MP(プリネトール(Purinethol)(登録商標));メスナ(メスネックス(Mesnex)(登録商標));メスナ(メスネックス錠(Mesnex tabs)(登録商標));メトトレキサート(メトトレキセート(Methotrexate)(登録商標));メトキサレン(ウヴァデクス(Uvadex)(登録商標));マイトマイシンC(ミュータマイシン(Mutamycin)(登録商標));ミトタン(リソドレン(Lysodren)(登録商標));ミトキサントロン(ノバントロン(Novantrone)(登録商標));フェンプロピオン酸ナンドロロン(デュラボリン−50(Durabolin−50)(登録商標));ネララビン(アラノン(Arranon)(登録商標));ノフェツモマブ(ヴァールマ(Verluma)(登録商標));オプレルベキン(ニューメガ(Neumega)(登録商標));オキサリプラチン(エロキサチン(Eloxatin)(登録商標));パクリタキセル(パクセン(Paxene)(登録商標));パクリタキセル(タキソール(Taxol)(登録商標));パクリタキセル・タンパク質結合粒子(アブラキサン(Abraxane)(登録商標));パリフェルミン(ケピバンス(Kepivance)(登録商標));パミドロネート(アレディア(Aredia)(登録商標));ペグアデマーゼ(アダジェン(Adagen)(ウシ・ペグアデマーゼ(Pegademase Bovine))(登録商標));ペグアスパラガーゼ(オンキャスパー(Oncaspar)(登録商標));ペグフィルグラスチム(ニューラスタ(Neulasta)(登録商標));ペメトレキセド2ナトリウム(アリムタ(Alimta)(登録商標));ペントスタチン(ナイペント(Nipent)(登録商標));ピポブロマン(バーサイト(Vercyte)(登録商標));プリカマイシン、ミトラマイシン(ミトラシン(Mythracin)(登録商標));ポルフィマー・ナトリウム(フォトフリン(Photofrin)(登録商標));プロカルバジン(マツラン(Matulane)(登録商標));キナクリン(アタブリン(Atabrine)(登録商標));ラスブリカーゼ(エリテック(Elitek)(登録商標));リツキシマブ(リツキサン(Rituxan)(登録商標));サルグラモスチン(リューカイン(Leukine)(登録商標));サルグラモスチン(プロカイン(Prokine)(登録商標));ソラフェニブ(ネクサバール(Nexavar)(登録商標));ストレプトゾシン(ザノサール(Zanosar)(登録商標));スニチニブ・マレイン酸塩(スーテント(Sutent)(登録商標));タルク(スクレロゾール(Sclerosol)(登録商標));タモキシフェン(ノルバデックス(Nolvadex)(登録商標));テモゾロミド(テモダール(Temodar)(登録商標));テニポシド、VM−26(ヴァモン(Vumon)(登録商標));テストラクトン(テスラク(Teslac)(登録商標));チオグアニン、6−TG(チオグアニン(Thioguanine)(登録商標));チオテパ(チオプレックス(Thioplex)(登録商標));トポテカン(ハイカムチン(Hycamtin)(登録商標));トレミフェン(フェアストン(Fareston)(登録商標));トシツモマブ(ベキサール(Bexxar)(登録商標));トシツモマブ/I−131 トシツモマブ(ベキサール(Bexxar)(登録商標));トラツズマブ(ハーセプチン(Herceptin)(登録商標));トレチノイン、ATRA(ベサノイド(Vesanoid)(登録商標));ウラシル・マスタード(ウラシル・マスタード・カプセル(Uracil Mustard Capsules)(登録商標));バルルビシン(バルスター(Valstar)(登録商標));ビンブラスチン(ベルバン(Velban)(登録商標));ビンクリスチン(オンコビン(Oncovin)(登録商標));ビノレルビン(ナベルビン(Navelbine)(登録商標));ボリノスタット(ゾリンザ(Zolinza(登録商標))、及びゾレドロネート(ゾメタ(Zometa)(登録商標))との併用において、癌を治療するために有用であってよい。本発明の化合物と併用して使用し得るさらなる治療剤は:ベンダムスチン塩酸塩(トレアンダ(Treanda)(登録商標));イクサベピロン(イクセンプラ(Ixempra)(登録商標));ラパチニブ(タイケルブ(Tykerb)(登録商標));ニロチニブ塩酸塩一水和物(タシグナ(Tasigna)(登録商標));ラロキシフェン塩酸塩(エビスタ(Evista(登録商標));及び、テムシロリムス(トリセル(Torisel(登録商標))を包含する。
したがって、本発明の範囲は、ここにクレームした化合物の、HDAC阻害剤、エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管形成阻害剤、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、生来多剤耐性の阻害剤、抗嘔吐剤、貧血症の治療において有用な薬剤、好中球減少症の治療において有用な薬剤、免疫強化剤、細胞増殖及び生存シグナリングの阻害剤、ビスホスホネート、アロマターゼ阻害剤、siRNA治療剤、γ−セクレターゼ阻害剤、受容体チロシンキナーゼ(RTK)を妨害する薬剤、細胞周期チェックポイントを妨害する薬剤、及び上記にリストされた任意の治療剤から選ばれる、第2の化合物との併用における使用を包含する。
用語「投与」及びその変形(例えば、化合物を「投与すること」)は、本発明の化合物に関し、当該化合物又は当該化合物のプロドラッグを、治療を必要とする動物の系内へ投入することを意味する。本発明化合物又はそのプロドラッグが1以上の他の活性成分(例えば、細胞傷害剤など)と組合せて提供される場合、「投与」及びその変形は、各々、当該化合物又はそのプロドラッグと、他の薬剤との、同時の及び連続した投入を包含するものと理解される。
本明細書において用いられる、用語「組成物」は、指定された量の指定された成分を含んでなる生成物、並びに指定された量の指定された成分の組合せから、結果として直接又は間接的に得られる任意の生成物を包含することを意図する。
本文において用いられる、用語「治療上有効な量」は、組織、系、動物、又はヒトにおいて生物学的又は医学的応答を誘起する活性化合物又は医薬物質の量であって、研究者、獣医師、医師、又は他の臨床家によって探し求められている量を意味する。
用語「癌を治療すること」又は「癌の治療」は、癌の症状に苦しむ哺乳類への投与を指し、かつ癌性細胞を殺すことにより癌性症状を緩和する作用を指すが、また、結果として癌の増殖及び/又は転移の阻害を生じる作用も指す。
また本クレームの範囲に含まれるのは、癌を治療する方法であって、治療上有効な量の本発明の化合物を、放射線療法と組合せて、及び/又は、HDAC阻害剤、エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞傷害細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管形成阻害剤、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、生来多剤耐性の阻害剤、抗嘔吐剤、貧血症の治療において有用な薬剤、好中球減少症の治療において有用な薬剤、免疫強化剤、細胞増殖及び生存シグナリングの阻害剤、ビスホスホネート、アロマターゼ阻害剤、siRNA治療剤、γ−セクレターゼ阻害剤、受容体チロシンキナーゼ(RTK)を妨害する薬剤、及び細胞周期チェックポイントを妨害する薬剤、及び上記にリストされた任意の治療剤から選ばれる、第2の化合物と組合せて投与することを含んでなる該方法である。
本発明はまた、癌の治療又は予防のために有用である医薬組成物であって、治療上有効な量の本発明化合物と:HDAC阻害剤、エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管新生阻害剤、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、細胞増殖及び生存シグナリングの阻害剤、ビスホスホネート、アロマターゼ阻害剤、siRNA治療剤、γ−セクレターゼ阻害剤、受容体チロシンキナーゼ(RTK)を妨害する薬剤、及び細胞周期チェックポイントを妨害する薬剤、及び前文にリストされた任意の治療剤から選ばれる、第2の化合物とを含んでなる該組成物も包含する。
全ての特許、出版物、及び同定された係属中の特許出願は、参考として本明細書に含まれている。
本発明の化合物は、以下の方法に従って調製することができる。
略号
DMF(ジメチルホルムアミド);Pd(PPh(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0));THF(テトラヒドロフラン);Pd(dba)(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0));PCy(トリシクロヘキシルホスフィン);PdCl(dppf)−CHCl付加物(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド);EtN(トリエチルアミン);nPrOH(nプロパノール);MeOH(メタノール);EtOAc(酢酸エチル);DCM(ジクロロメタン);BOCO(ジ−tert−ブチルジカルボナート);DMAP(4−ジメチルアミノピリジン);TLC(薄層クロマトグラフィー);LRMS(低分解能質量分析法);TMSCI(トリメチルクロロシラン);DIAD(ジイソプロピルアゾジカルボキシラート);HPLC(高圧液体クロマトグラフィー);DMSO(ジメチルスルホキシド);NaHMDS(ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド);及びEtOH(エタノール)。
式Iの化合物は、式IAの化合物を、式IBの化合物と反応させることにより、調製することができ、
Figure 2011500806
ここで、a、R、R、R、R、R、及びRは、上記に定義した通りであり、Eは、オルガノボラン、オルガノスタンナン、オルガノシリコン、又はグリニャール、例えばBF、といった試薬であり、Pは、保護基、例えばフェニルスルホニルであり、Lは、ハロゲンのような脱離基、例えば塩素である。反応は一般に、EtNのような塩基の存在下に、nPrOHのような溶媒中で、約100℃において行なう。PdCl(dppf)−CHCl付加物のような触媒もまた、使用してもよい。
中間体及び出発物質の合成が記載されていない場合、これらの化合物は、市販されているか、或いは、市販の化合物から、標準法によるか、又は、本明細書の上記の合成、スキーム、及び実施例を延長することにより作成することができる。
式Iの化合物を、既知の方法によるか、又は、本明細書の上記の合成、スキーム、及び実施例に記載された方法により、式Iの別の化合物に変換してもよい。
本明細書に記載された任意の合成順序の間に、関係する任意の分子上の、感受性又は反応性の基を保護することが必要、及び/又は望ましいことがある。このことは、通常の保護基、例えば、グリーン(Greene,T.W.)及びウーツ(Wuts,P.G.)著、「Protecting Groups in Organic Synthesis」(有機合成における保護基)」、第3版、ウィリー・インターサイエンス(Wiley Interscience)、1999年、及びコチェンスキー(Kocienski,P.J.)著、「Protecting Groups(保護基)」、ティーム(Thieme)、1994年、に記載されたものによって達成してもよい。保護基は、当該技術分野における技術上既知の方法を用いて、後続の都合の良い工程において除去してもよい。例えば、Boc(tert−ブトキシカルボニル)又はベンジルカルボニル保護基が存在する場合、それを、TFA、DCM、及び/又はMeCNといった溶媒を、ほぼ室温で添加することにより除去してもよい。CBz(ベンジルオキシカルボニル)保護基が存在する場合、該化合物を、標準法を用いて、例えば、水素雰囲気下に、メタノールのような溶媒中で、Pd/Cのような触媒で処理することにより、水素化してもよい。HCl及び1,4−ジオキサン存在下でEtOAcを添加して、室温でBoc保護基を除去してもよい。
本発明の化合物がキラル中心をもつ場合、エナンチオマーは、SFCの使用のような標準的な分離法により、ラセミ混合物から分離してもよい。
本発明化合物を、以下のスキームに従って調製した。式中の全ての変数は、上記に定義したとおりである。
Figure 2011500806
Figure 2011500806
Figure 2011500806
生物学的アッセイ
JAK2キナーゼ活性阻害アッセイ及びIC 50 の測定
キナーゼ活性は、パーク(Park)ら、Anal.Biochem.1999年、第269巻、p.94−104に記載された、均一時間分解チロシンキナーゼアッセイの変法を用いて測定した。
化合物のJAK2キナーゼ阻害能を測定するための方法は、以下の工程を含んでなる:
1. 96ウェルプレートにて、3倍連続希釈された、化合物/阻害剤溶液を、100%(DMSO)中で、所望の終濃度の20倍に調製する;
2. 6.67mM MgCl、133.3mM NaCl、66.7mM トリス−HCl(pH7.4)、0.13mg/ml BSA、2.67mM ジチオスレイトール、0.27 組換えJAK2、及び666.7nM ビオチン化合成ペプチド基質(ビオチン−ahx−EQEDEPEGDYFEWLE−CONH(配列番号:1)を含有する、主反応混合物を調製する;
3. 黒色のアッセイプレートにおいて、ウェル当たり、化合物/阻害剤(又はDMSO) 2.5μl、及び主反応混合物 37.5μlを添加する;ウェル当たり10μlの75μM MgATPを添加することにより、キナーゼ反応を開始し、反応を室温で80分間進行させる;(反応の最終条件は、50nM JAK2 JH1ドメイン(アップステート(Upstate)、2.0μM 基質、15μM MgATP、5mM MgCl、100mM NaCl、2mM DTT、0.1mg/ml BSA、50mM トリス(pH7.4)、及び5%DMSOである);
4. キナーゼ反応を、10mM EDTA、25mM ヘペス(HEPES)、0.1% トリトン(TRITON)X−100、0.126μg/mlのEu−キレート標識抗ホスホチロシン抗体PY20(カタログ番号 AD0067、パーキンエルマー(PerkinElmer))、及び45μg/mlのストレプトアビジン−アロフィコシアニンコンジュゲート(カタログ番号 PJ25S、プロザイム(Prozyme))を含有する、停止/検出緩衝液 50μlで停止する;そして
5. 60分後、HTRFモードのVictorリーダー(パーキンエルマー)でHTRFシグナルを読み取る。
IC50は、化合物/阻害剤濃度と、HTRFシグナルとの間に観察された関係を、4−パラメータロジスティック方程式にあてはめることによって得た。
実施例中の化合物は、約0.1nMないし20μMのIC50をもつ、組換え型の精製されたJAK2キナーゼ活性の強力な阻害剤であることが判明した。
JAK1酵素アッセイ
JAK1酵素アッセイでは、反応(50uL)は、5倍IVGN緩衝液(50mM ヘペス(Hepes)、pH7.5、10mM MgCl2、0.01% Brij−35、1mM EGTA、0.1mg/ml BSA)、2mM DTT、2.0μM ペプチド基質、25μM MgATP、400pM JAK1酵素、及び5%DMSO中の被験化合物を含有した。反応を、室温で60分間インキュベートし、そして2倍クエンチ検出緩衝液(10mM EDTA、25mM ヘペス、0.1% トリトンX−100,4.7uM ユーロピウム(Europium)−Py20、及び2.1mg/mL ストレプトアビジン−APC)50μLでクエンチした。室温で1時間インキュベートし、そして蛍光共鳴エネルギー移動を読み取るべく設定されたビクター(Victor)V3にて読み取る(ラベル1:Lance615、ラベル2:Lance665、双方について:ディレイ=50us、ウィンドウタイム=100us、サイクル=1000us、フラッシュエネルギーレベル=103)。
ペプチド基質は、DMSO中の、アミノヘキサノイルビオチン−EQEDEPEGDYFEWLE−NH2(配列番号:1)である。
JAKファミリープロテインキナーゼ活性のアッセイ
材料: ストレプトアビジン・アロフィコシアニンコンジュゲート(SA・APC)、及びユーロピウム・クリプテート(Eu・K)は、パッカード・インスツルメント・カンパニー(Packard Instrument Company)からである。Eu・KコンジュゲートpY20は、カミングズ(Cummings,R.T.);マクガバン(McGovern,H.T.);チェン(Zheng,S.);パーク(Park,Y.W.)、及びヘルメス(Hermes,J.D.)著、「Use Of A Phosphotyrosine−Antibody Pair As A General Detection Method In Homogeneous Time Resolved Fluorescence−Application To Human Immunodeficiency Viral Protease(ヒト免疫不全ウイルスプロテアーゼへの均一時間分解蛍光適用における一般的な検出法としてのホスホチロシン−抗体ペアの使用)」、Analytical Biochemistry、1999年、第33巻、p.79−93に記載されたように生成した。均一時間分解蛍光(HTRF)測定は、パッカードからのディスカバリー(Discovery)測定器を用いて行った。T−stim培養添加物(Culture Supplement)は、コラボラティブ・バイオメディカル・リサーチ(Collaborative Biomedical Research)からであった。組換えマウスIL2は、ファーミンゲン(Pharmingen)又はアールアンドディー(R&D)からであった。
JAKファミリーキナーゼ発現: N−末端「Flag」アフィニティータグをもつ、JAK3、TYK2、及びJAK2キナーゼドメインを、Sf9細胞において、標準的なバキュロウイルス法を用いて発現させた。ヒトJAK3遺伝子は、オシア(John J.O’Shea)博士(NIH)により提供された。ヒトTYK2遺伝子は、ペレグリニ(Sandra Pellegrini)博士(パスツール研究所(Institut Pasteur))により提供された。ヒトJAK2キナーゼドメインは、MOLT4cDNAライブラリ(クロンテック(Clonetech))からクローン化した。
JAKファミリープロテインキナーゼ活性のアッセイ: チロシンキナーゼ活性は、ホスホチロシンに対するユーロピウム標識抗体(pY20)を用いた時間分解蛍光により検出される、チロシンリン酸化されたペプチドアミノヘキサノイルビオチン−EQEDEPEGDYFEWLE−NH(配列番号:1);(以降、S)の検出により測定した。JAK3(JH1)に触媒されるリン酸化反応を、全反応体積30uLにおいて行なった。化合物は、5%DMSOにおいて実施し、そして酵素緩衝液(EB)とプレインキュベートした。EBは、インビトロジェン(Invitrogen)の5倍キナーゼ緩衝液(50mM ヘペス、pH7.5、10mM MgCl2、0.01% Brij−35、1mM EGTA、0.1mg/ml BSA)、2mM(最終)DTT、2μM(最終)S、及び250pM(最終)JAK3酵素を含んでなるものであった。アッセイは、ATP K(5μM 最終)において、40ないし80分間実施した。反応は、室温で行ない、そして、50μg/mL SA・APCコンジュゲートと、0.75nM Eu・KコンジュゲートpY20とを含有する、同体積のクエンチ緩衝液(QB)(10mM EDTA、25mM ヘペス、0.1% トリトンX−100)でクエンチした。この混合物を、室温で少なくとも60分間インキュベートし、そして最適化された蛍光読み取り機で、Ex=320nm、Em=665nm(SA−APC)、及びEm=615nM(Eu)において読み取った。データは、Emの結果の比:(EM÷EM10,000に、標準的な4Pフィットを用いることにより分析した。
実施例中の化合物は、約0.1nMないし20μMのIC50をもつ、組換え型の精製されたJAK3キナーゼ活性の強力な阻害剤であることが判明した。
インビトロのPDK1キナーゼアッセイ
活性化された組換え完全長の、mT(Glu−Glu−Phe)タグ付きヒトPDK1を使用して、本発明の化合物がこのキナーゼの酵素活性を調節するかどうかを測定した。
完全長PDK1をコードしているcDNAを、インフレームのミドルTタグ(MEYMPME)(配列番号:2)をそのN末端に含有するバキュロウイルス発現ベクターpBlueBac4.5(インビトロジェン)にサブクローニングした。可溶性の活性化組換え完全長mT(Glu−Glu−Phe)タグ付きヒトPDK1を、バキュロウイルス感染したSf9昆虫細胞(ケンプ・バイオテクノロジーズ(Kemp Biotecnologies)中で、製造業者により推奨されるプロトコールに従って発現させた。PDK1キナーゼの、昆虫細胞溶解物からのイムノアフィニティ精製を、プロテインG−EEカラムに結合したミドルTタグ抗体を用いて行なった。50mM トリス pH7.4、1mM EDTA、1mM EGTA、0.5mM NaVO、1mM DTT、50mM NaF、ピロリン酸Na、Na−β−グリセロリン酸、10% グリセロール、コンプリート(Complete)、1μM ミクロシステイン、及び50μg/ml EYMPME(配列番号:3)ペプチドを使用して溶出し、PDK1タンパク質を含有する分画を、SDS−PAGE及びウエスタンブロット分析に基づき一緒にプールし、そして次にタンパク質濃度を、BCAプロテインアッセイ(Protein Assay)(ピアース(Pierce))を使用して、BSAを標準として分析した。最終生成物をアリコートに分け、そして液体窒素中で急速冷凍した後、−80℃で貯蔵した。得られたPDK1タンパク質は、分子量64kDaを有し、「デフォルトにより(by default)」リン酸化されており、活性化キナーゼとして昆虫細胞から精製された。
化合物のPDK1キナーゼ阻害能を測定するための方法は、以下の工程を含んでなる:
1. 384ウェルプレートにて、3倍連続希釈された化合物溶液を、100%ジメチルスルホキシド(DMSO)中で、所望の終濃度の20倍に調製する。
2. 62.5mM ヘペス(pH7.5)、12.5mM MgCl、0.013% Brij−35、1.25mM EGTA、2.5mM ジチオスレイトール、1.25nM 組換えPDK1、及び375nM ビオチン化合成ペプチド基質(ビオチン−GGDGATMKTFCGGTPSDGDPDGGEFTEF−COOH(配列番号:4)を含有する、主反応混合物を調製する。
3. 黒色のアッセイプレートにおいて、ウェル当たり、化合物溶液(又はDMSO) 2.5μl、及び主反応混合物 22.5μlを添加する。10分間プレインキュベートする。ウェル当たり6μlの0.25mM MgATPを添加することにより、キナーゼ反応を開始する。反応を、室温で25分間進行させる。反応の最終条件は、1nM PDK1、300nM ペプチド基質、5μM MgATP、10mM MgCl、2mM DTT、50mM ヘペス(pH7.5)、0.01% Brij−35、1mM EGTA、及び5%DMSOである。
4. キナーゼ反応を、10mM EDTA、1倍ランス検出緩衝液(Lance Detection Buffer)(カタログ番号 CR97−100、パーキンエルマー)、TBS中の1% スーパーブロッキング(SuperBlocking)(カタログ番号 37535、ピアース)、5nM ホスホ−Akt(T308)モノクローナル抗体(カタログ番号 4056、セル・シグナリング・テクノロジーズ(Cell Signaling Technologies))、5nM ランス(Lance)標識Eu−抗ウサギIgG(カタログ番号 AD0083、パーキンエルマー)、及び100nM ストレプトアビジン−アロフィコシアニンコンジュゲート(カタログ番号 PJ25S、プロザイム)を含有する、停止/検出緩衝液 30μlで停止する。
5. 60分後、HTRFモードのエンビジョン(Envision)リーダー(パーキンエルマー)でHTRFシグナルを読み取る。
6.IC50を、化合物濃度とHTRFシグナルとの間に観察された関係を、4−パラメータロジスティック方程式にあてはめることによって得る。
実施例中の化合物は、100μM以下のIC50をもつ、PDK1キナーゼ活性の阻害剤であることが判明した。
実施例1
化合物1−1
5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(6−ピペラジン−1−イルピラジン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
Figure 2011500806
工程1: 5−ブロモ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
DMF(400ml)中の5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(20.0g、102mmol)の、攪拌された溶液に、0℃で、NaH(鉱物油60%分散物;4.87g、122mmol)を徐々に添加した(注意:ガス発生)。反応混合物を、0℃で2時間攪拌した。塩化ベンゼンスルホニル(17.0ml、132mmol)を滴下添加し、そして反応混合物を室温に温めた。1時間後、反応混合物を氷浴中で冷却し、そして水100mLを徐々に添加した(注意:ガス発生、発熱)。反応混合物を、酢酸エチル(500mL)と食塩水(600mL)との間で分配した。有機層を、追加の食塩水(500mL)で、続いて飽和塩化アンモニウム水溶液(250mL)洗浄した。1番目と3番目の水層を合わせ、そして酢酸エチル(500mL)で逆抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮して濃いスラリーとした。EtOAc(100mL)を、続いてヘキサン(100mL)を添加した。混合物を濾過し、そしてフィルタ―ケークを1:1 EtOAc/ヘキサン(50mL)ですすいで、5−ブロモ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを、灰色の固体として得た。濾液を濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、追加の生成物を得ることができる。
LRMS(ESI) C13BrNS[M+H]としての計算値337.0;実測値336.9。
工程2: 5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
ジオキサン(12.0ml)中の、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(0.617g、2.97mmol)及び5−ブロモ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.00g、2.97mmol)の、脱気され(アルゴンで5分間スパージング)、攪拌された溶液に、Pd(PhP)(0.171g、0.148mmol)を、続いて脱気された炭酸ナトリウム水溶液(4.45ml、8.90mmol)を添加した。反応混合物を、窒素下に、100℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、そしてEtOAc(25mL)と飽和塩化アンモニウム水溶液(25mL)との間で分配した。有機層を硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮して、粗残渣とした。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを、白色固体として得た。
LRMS(ESI) C1714S[M+H]としての計算値339.1;実測値339.1。
工程3: 3−ブロモ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
テトラヒドロフラン(12.3ml)中の5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.832g、2.46mmol)の、攪拌された溶液に、N−ブロモスクシンイミド(0.875g、4.92mmol)を添加した。反応混合物を、室温で16時間攪拌した。反応を、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)でクエンチし、次いでEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上に吸着させ、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、3−ブロモ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを、白色固体として得た。
LRMS(ESI) C1713BrNS[M+H]としての計算値417.0;実測値417.0。
工程4: 5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
3−ブロモ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.845g、2.03mmol)、酢酸カリウム(0.497g、5.06mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.0680g、0.243mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.823g、3.24mmol)、及びPd(dba)(0.0930g、0.101mmol)を、ジオキサン(10ml)中で合わせ、アルゴンで5分間スパージングし、そして100℃で16時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、そしてセライトを通して濾過した。濾液を濃縮して粗残渣とし、これをさらに精製することなく、次の工程に進めた。
LRMS C2325BNS[M+H]としての計算値465.2;実測値465.1。
工程5: カリウム3−(トリフルオロボラート)−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
アセトン(7.2ml)及び水(2.9ml)中の5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.94g、2.024mmol)(前の工程からの粗混合物)の、攪拌された溶液に、フッ化水素カリウム(0.158g、2.02mmol)を添加した。反応混合物を、室温で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮して粗固体とし(濃縮乾燥、アセトンを数回使用して水を除去)、これを温(約55℃)アセトン中で粉砕した。混合物を濾過し、そして濾液を濃縮して、終体積を約10mLとした。ジエチルエーテル(10mL)を滴下添加して、結晶化を促進した。得られた懸濁液を、氷浴中で15分間冷却し、次いで濾過し、フィルターケークをジエチルエーテルですすいで、カリウム3−(トリフルオロボラート)−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを、灰色の固体として得た。
H NMR(600MHz,DMSO−D)δ8.42(d,1H);8.13(s,1H);8.00(dd,2H);7.91(d,1H);7.80(d,1H);7.62(t,1H);7.54(t,2H);7.20(s,1H);3.82(s,3H)。
工程6: tert−ブチル4−(6−クロロピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート
2,6−ジクロロピラジン(10.0g、67.1mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシラート(12.5g、67.1mmol)、及び炭酸セシウム(43.7g、134mmol)を、丸底フラスコに添加し、そして窒素でフラッシュした。次にDMF(300ml)を添加して、反応を100℃で3時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いでEtOAc(600mL)で希釈し、そして食塩水(600mL)で洗浄した。水層を、追加のEtOAc(600mL)で洗浄した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮して粗残渣とし、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチル4−(6−クロロピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシラートを、オフホワイトの固体として得た。
LRMS C1319ClN[MH]としての計算値299.1;実測値299.1。
工程7: tert−ブチル4−{6−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}ピペラジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル4−(6−クロロピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(0.050g、0.17mmol)、カリウム3−(トリフルオロボラート)−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.074g、0.17mmol)、PdCl(dppf)−CHCl付加物(6.8mg、8.4μmol)、及びTEA(0.047ml、0.34mmol)を、nPrOH(0.84ml)中で合わせ、そしてアルゴンで5分間スパージングした。反応混合物を、窒素下に、97℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、そしてEtOAc(10mL)で希釈した。シリカゲルを添加し、そして濃縮して粗残渣とし、これをシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル4−{6−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}ピペラジン−1−カルボキシラートを、淡黄色の固体として得た。
LRMS C3032S[M+H]としての計算値601.2;実測値601.2。
工程8: tert−ブチル4−{6−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}ピペラジン−1−カルボキシラート
MeOH(1.3mL)中のtert−ブチル4−{6−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}ピペラジン−1−カルボキシラート(0.077g、0.13mmol)の、攪拌された溶液に、炭酸カリウム(0.053g、0.34mmol)を添加した。反応混合物を、50℃で1時間、次に室温で16時間攪拌した。反応混合物を、MeOH(10mL)及びDCM(10mL)で希釈し、シリカゲルを添加し、そして濃縮して粗残渣とした。粗残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配、続いてMeOH/DCM 勾配)により精製して、tert−ブチル4−{6−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}ピペラジン−1−カルボキシラートを、白色固体として得た。
LRMS C2428[M+H]としての計算値461.2;実測値461.2。
工程9: 5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(6−ピペラジン−1−イルピラジン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(塩酸塩)
tert−ブチル4−{6−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}ピペラジン−1−カルボキシラート(0.047g、0.10mmol)を、ジオキサン(1.0ml)中に懸濁した。ジオキサン中の4M HCl(1.0ml)を添加し、そして反応混合物を室温で45分間攪拌した。反応混合物を濾過して、5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(6−ピペラジン−1−イルピラジン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを、橙色/黄色の固体(塩酸塩)として得た。
H NMR(600MHz,DMSO−D)δ12.4(br s,1H);9.41(br s,2H);8.71(br d,1H);8.56(s,1H);8.55(d,1H);8.39(d,1H);8.19(s,1H);8.18(s,1H);7.89(s,1H);3.93(br t,4H);3.87(s,3H);3.25(br m,4H)。LRMS C1920[M+H]としての計算値361.2;実測値361.2。
以下の表1にリストした化合物を、化合物1−1の調製に準じて、カリウム3−(トリフルオロボラート)−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンから出発し、かつ、適切に置換された6−クロロピラジンを上記に記載した所望のスズキカップリングにおいて利用して調製した。別に示さない限り、化合物はその塩酸塩として単離した。
Figure 2011500806
化合物1−2は、tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラートを、所望のスズキカップリング工程において使用して調製した。
tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラート
DMF(76ml)中のtert−ブチル4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート(3.80g、18.9mmol)の、攪拌された溶液に、水素化ナトリウム(鉱物油60%分散物;0.906g、22.7mmol)を、0℃において添加した。反応混合物を、水素の発生が止まるまで1時間攪拌した。2,6−ジクロロピラジン(2.81g、18.9mmol)を添加し、そして反応混合物を室温に温めた。1時間後、反応を食塩水(100mL)でクエンチし、そしてEtOAc(2x200mL)で抽出した。合わせたEtOAc層を、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮して粗残渣とし、これをシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラートを、黄色の固体として得た。
LRMS C1420ClN[M+Na]としての計算値336.1;実測値336.1。
化合物1−3は、2−クロロ−6−(シクロヘキシルオキシ)ピラジン(上記記載の方法と類似の方法で調製)を使用して調製した。
LRMS C1013ClNO[M+H]としての計算値213.1;実測値213.1。
化合物1−4は、tert−ブチル4[(6−クロロピラジン−2−イル)(メチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラートを使用して調製した(方法は下記)。
工程1: tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラートは、2,6−ジクロロピラジン及びtert−ブチル4−アミノピペリジン−1−カルボキシラートから、tert−ブチル4−(6−クロロピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシラート(化合物1、工程6)の調製について記載した条件を用いて調製した。
LRMS C1421ClN[M+Na]としての計算値335.1;実測値335.1。
工程2: tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)(メチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラート
THF(2.6ml)中のtert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラート(0.165g、0.528mmol)の、攪拌された溶液に、ヨウ化メチル(0.165ml、2.64mmol)を添加した。溶液を0℃に冷却し、そしてTHF中のNaHMDS(1M;1.06ml、1.06mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温に温めて、2時間攪拌した。反応を、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)でクエンチし、そしてEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせたEtOAc層を、食塩水(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)(メチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラートを、黄色の油として得た。
LRMS C1523ClN[M+Na]としての計算値349.2;実測値349.0。
実施例2
化合物2−1
3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
Figure 2011500806
工程1: 1−(フェニルスルホニル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
ジオキサン(12.0ml)中の、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.31g、4.45mmol)及び5−ブロモ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.00g、2.97mmol)の、脱気され(アルゴンで5分間スパージング)、攪拌された溶液に、Pd(PhP)(0.171g、0.148mmol)を、続いて、脱気された炭酸ナトリウム水溶液(4.45ml、8.90mmol)を添加した。反応混合物を、窒素下に、100℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、そしてEtOAc(50mL)と飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)との間で分配した。有機層を、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮して、粗残渣とした。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、1−(フェニルスルホニル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを、黄色の固体として得た。
LRMS(ESI) C1612S[M+H]としての計算値325.1;実測値325.0。
工程2: tert−ブチル4−[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−1H−ピラゾール−1−カルボキシラート
ジクロロメタン(9mL)中の1−(フェニルスルホニル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.588g、1.81mmol)の、攪拌された溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(0.396g、1.81mmol)、トリエチルアミン(0.51mL、3.63mmol)、及び4−ジメチルアミノピリジン(0.221g、1.81mmol)を添加した。反応を、室温で1時間攪拌した。反応混合物を、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、そして10%クエン酸水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル4−[1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−1H−ピラゾール−1−カルボキシラートを、白色固体として得た。
LRMS(ESI) C2120S[M+H]としての計算値425.1;実測値425.0。
tert−ブチル4−[(フェニルスルホニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−1H−ピラゾール−1−カルボキシラートを、スキーム1に示した方法により、工程5を省いて調製した。粗残渣を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル4−[1−(フェニルスルホニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−1H−ピラゾール−1−カルボキシラートを、黄色の油として得た。
LRMS(ESI) C2731BNS[M+H]としての計算値551.2;実測値551.2。
工程3: tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラート
DMF(76mL)中の1−boc−4−ヒドロキシピペリジン(3.80g、18.9mmol)の、攪拌された溶液に、0℃で、水素化ナトリウム(鉱物油60%分散物;0.906g、22.7mmol)を添加した。水素発生が停止すれば、2,6−ジクロロピラジン(2.81g、18.9mmol)を添加し、そして反応混合物を室温に温めた。1時間後、反応混合物を食塩水(100mL)でクエンチし、そしてEtOAc(2X100mL)で抽出した。合わせた有機物を、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラートを、黄色の固体として得た。
LRMS(ESI) C1420ClNとしての計算値336.1;実測値[M+Na],336.1。
工程4: tert−ブチル4−({6[1−(フェニルスルホニル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)シクロヘキサンカルボキシラート
tert−ブチル4−[1−(フェニルスルホニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]1H−ピラゾール−1−カルボキシラート(0.10g、0.18mmol)、及びtert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラート(0.057g、0.18mmol)の、脱気され(アルゴンで5分間スパージング)、攪拌された溶液に、Pd(PhP)(10.5mg、9.1μmol)を、続いて、脱気された炭酸ナトリウム水溶液(0.273ml、0.550mmol)を添加した。反応混合物を、窒素下に、100℃で16時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、そしてEtOAc(25mL)と飽和塩化アンモニウム水溶液(25mL)との間で分配した。有機層を、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮して、粗残渣とした。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル4−({6[1−(フェニルスルホニル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)シクロヘキサンカルボキシラートを、白色固体として得た。
LRMS(ESI) C3031S[M+H]としての計算値602.2;実測値602.0.
3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを、実施例1に示した方法により調製した。
H NMR(600MHz,DMSO−D)δ12.52(br s,1H);9.22(br s,1H);9.03(br s,1H);8.83(s,1H);8.78(s,1H);8.63(s,1H);8.43(d,1H);8.25(s,2H);8.06(s,1H);5.48(m,1H);3.21(br m,2H);3.09(br m,2H);2.23(m,2H);2.05(m,2H)。LRMS(ESI) C1919O[M+H]としての計算値362.2;実測値362.0。
以下の表2にリストした化合物を、化合物2−1の調製に準じて、tert−ブチル4−[1−(フェニルスルホニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−1H−ピラゾール−1−カルボキシラートから出発し、かつ、適切に置換された6−クロロピラジンを、上記記載の所望のスズキカップリングにおいて利用して調製した。他に示さない限り、化合物はその塩酸塩として単離した。
Figure 2011500806
Figure 2011500806
Figure 2011500806
化合物2−2は、tert−ブチル(3R)−3−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラートを使用して調製した(化合物2−1について記載した方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) C1420ClN[M+Na]としての計算値336.1;実測値336.0。
化合物2−3は、tert−ブチル(3S)−3−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラートを使用して調製した(化合物2−1について記載した方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) C1420ClN[M+Na]としての計算値336.1;実測値336.0。
化合物2−4は、tert−ブチル・トランス−4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシラートを、所望のスズキカップリング工程において使用して調製した。
工程1: ピペリジン−4−オン塩酸塩
ジオキサン中の1−boc−4−ピペリドン(2300g、11.56mol)の溶液に、HCl(g)/ジオキサン(4L、10mol/L)の溶液を、0℃において徐々に添加した。添加後、反応混合物を4時間攪拌したところ、TLC(EtOAc/石油エーテル=1:5)は、反応が完了したことを示した。溶媒を除去して、ピペリジン−4−オン塩酸塩を、褐色の固体として得た。
工程2: ベンジル4−オキソピペリジン−1−カルボキシラート
ジクロロメタン(12L)中の、ピペリジン−4−オン塩酸塩(1567g、11.56mol)及びトリエチルアミン(1400g、13.87mol)の、攪拌された溶液に、ベンジルクロロホルマート(1965g、11.55mol)を、0℃において滴下添加した。添加後、反応混合物を室温に温め、そして一晩攪拌した。TLC(EtOAc/石油エーテル=1:5)は、反応が完了したことを示した。混合物を、水(3L)及び食塩水(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で脱水し、そして濃縮して、ベンジル4−オキソピペリジン−1−カルボキシラートを、無色の油として得た。
工程3: ベンジル4−[(トリメチルシリル)オキシ]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート
DMF(1600mL)中の、ベンジル4−オキソピペリジン−1−カルボキシラート(300g、1.29mol)及びTMSCl(280g、2.58mol)の、攪拌された溶液に、トリエチルアミン(457g、4.52mol)を、室温で添加した。添加後、反応混合物を徐々に85℃に加熱し、そして一晩攪拌した。TLC(EtOAc/石油エーテル=1:10)は、出発物質が完全に消費されたことを示した。反応混合物を、NaHCO(5% w/v)水溶液に、0℃で激しく攪拌しながら注入し、そして石油エーテル(3L、1L)で抽出した。有機層を、硫酸ナトリウム上で脱水し、そして濃縮して、ベンジル4−[(トリメチルシリル)オキシ]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラートを、褐色の油として得た。
H NMR(600MHz,CDCl−D)δ7.40−7.30(m,5H);5.13(s,2H);4.80(d,1H);3.95(s,2H);3.60(s,2H);2.10(s,2H);0.20(s,9H)。
工程4: ベンジル3−フルオロ−4−オキソピペリジン−1−カルボキシラート
アセトニトリル中のベンジル4−[(トリメチルシリル)オキシ]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(800g、2.61mol)の溶液に、セレクトフルオル(Selectfluor(登録商標))(932.8g、2.63mol)を、窒素下に、0℃で、少量ずつ添加した。添加完了後、反応混合物を室温に温め、そして一晩攪拌した。TLC(EtOAc/石油エーテル=1:1)は、反応が完了したことを示し、そして溶媒を真空中で除去した。残渣を、酢酸エチル(5L、3L)で30分間粉砕し、そして濾過した。濾液を濃縮し、そしてシロップを、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル=1:10−2:3)により精製して、ベンジル3−フルオロ−4−オキソピペリジン−1−カルボキシラートを得た。
H NMR(600MHz,CDCl−D)δ7.40−7.30(m,5H);5.20(s,2H);5.00−4.70(d,1H);5.20−4.90(d,1H);4.30−4.20(m,1H);3.40−3.20(m,2H);2.50(s,2H)。
工程5: ベンジル・シス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート
メタノール(1L)中のベンジル3−フルオロ−4−オキソピペリジン−1−カルボキシラート(200g、0.797mol)の溶液に、NaBH(24.4g、0.636mol)を、0℃において分割添加した。添加後、混合物を4時間攪拌し、次に水(200mL)でクエンチした。混合物を濃縮し、次いで残渣に、酢酸エチル及び水を添加した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で脱水し、そして濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル=1:6)により精製して、ベンジル・シス3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート及びベンジル・トランス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラートを得た。
H NMR(600MHz,CDCl−D)δ7.50−7.30(m,5H);5.13(s,2H);4.70−4.50(d,1H);4.10−3.70(m,3H);3.48(s,1H);3.23(s,1H);2.50(s,1H);1.90−1.70(m,2H)。
工程6: ベンジル・トランス−3−フルオロ−4−[(4−ニトロベンジル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラート
THF(2L)中のトリフェニルホスフィン(120.1g、0.458mol)の溶液に、DIAD(92.6g、0.458mol)を、窒素下に、0℃で、攪拌しながら添加した。得られた懸濁液を40分間攪拌し、次いでTHF中の、ベンジル・シス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート(58g、0.229mol)及び4−ニトロ安息香酸(45.9g、0.275mol)を、1.5時間にわたり徐々に添加した。得られた橙色の溶液を、室温に温め、そして48時間攪拌した。混合物を、減圧下で濃縮して粗油とし、これをカラムクロマトグラフィー(EtOAc:石油エーテル=1:40)により精製して、ベンジル・トランス−3−フルオロ−4−[(4−ニトロベンジル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラートを、オフホワイトの固体として得た。
工程7: ベンジル・トランス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート
THF/HO(1500mL)中のベンジル・トランス−3−フルオロ−4−[(4−ニトロベンジル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラート(180g、0.45mol)の溶液に、LiOH(39g、0.9mol)を、0℃において分割添加した。添加後、反応混合物を室温に温め、そして一晩攪拌した。TLC(EtOAc:石油エーテル=1:2)は、出発物質が完全に消費されたことを示した。反応混合物を、EtOAc(3X500mL)で抽出した。合わせた有機層を、食塩水(800mL)で洗浄し、無水NaSO上で脱水し、そして濃縮して粗残渣とした。残渣を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc:石油エーテル=1:20)により精製して、ベンジル・トランス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラートを、白色固体として得た。
工程8: tert−ブチル・トランス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート
ベンジル・トランス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート(56.9g、0.225mol)を、Pd(OH)/C及びBocO(51.43g、0.236mol)の存在下に、35psiの水素下で、室温において、メタノール中で水素化した。反応を、TLC(EtOAc/石油エーテル=1:2)によりモニターした。完了時に、反応混合物を濾過し、そして濾液を真空中で濃縮して、白色固体を得て、これを石油エーテル/メタノールから再結晶化して、tert−ブチル・トランス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラートを得た。
LRMS(ESI) C1018FNO[M+H]としての計算値220.1;実測値219.7。
工程9: tert−ブチル・トランス−4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル・トランス−4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシラートは、2,6−ジクロロピラジン及びtert−ブチル・トランス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラートから、tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラート(化合物1、工程3)の調製について記載された条件を使用して調製した。
LRMS(ESI) C1419ClFN[M+Na]としての計算値354.1;実測値354.1。
化合物2−5は、tert−ブチル・シス−4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシラートを、所望のスズキカップリング工程において使用して調製した。
工程1: tert−ブチル・シス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル・シス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラートを、化合物2−4について記載のように、tert−ブチル・トランス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラートに準じて調製した。
LRMS(ESI) C1018FNO[M+H]としての計算値220.1;実測値219.7。
工程2: tert−ブチル・シス−4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル・シス−4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシラートを、2,6−ジクロロピラジン及びtert−ブチル・シス−3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラートから、tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラート(化合物1、工程3)の調製について記載された条件を使用して調製した。
LRMS(ESI) C1419ClFN[M+Na]としての計算値354.1;実測値354.1。
化合物2−6は、tert−ブチル3−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]アゼチジン−1−カルボキシラートを使用して調製した(化合物2−1について記載された方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) C1216ClN[M+Na]としての計算値308.1;実測値308.0。
化合物2−7は、tert−ブチル(3S)−3−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]ピロリジン−1−カルボキシラートを使用して調製した(化合物2−1について記載された方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) C1318ClN[M+Na]としての計算値322.1;実測値322.0。
化合物2−8は、tert−ブチル{(1S)−2−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]−1−メチルエチル}カルバメートを、所望のスズキカップリング工程において使用して調製した。
tert−ブチル{(1S)−2−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]−1−メチルエチル}カルバメート
合成は以下の参考文献から応用:
シャフィール(Shafir,A.);リヒトル(Lichtor,P.A.);ブッフバルト(Buchwald,S.L.)、J.Am.Chem.Soc.2007年、第129巻、p.3490−3491。
トルエン(3.5mL)中の、boc−L−アラニノール(0.12g、0.67mmol)及び2,6−ジクロロピラジン(0.10g、0.67mmol)の、脱気された攪拌溶液に、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン(1.6mg、6.7μmol)、ヨウ化銅(6.4mg、0.034mmol)、及び炭酸セシウム(0.44g、1.3mmol)を添加した。反応混合物を、窒素下で16時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、そしてセライトを通して濾過した。濾液を濃縮して、粗残渣とした。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル{(1S)−2−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]−1−メチルエチル}カルバメートを、白色固体として得た。
LRMS(ESI) C1218ClN[M+Na]としての計算値310.1;実測値310.0。
化合物2−9は、tert−ブチル{(2S)−2−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]プロピル}カルバメートを使用して調製した(化合物2−8について記載された方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) C1218ClN[M+Na]としての計算値310.1;実測値310.0。
化合物2−10は、tert−ブチル(3R)−3−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]ピロリジン−1−カルボキシラートを使用して調製した(化合物2−1について記載された方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) C1318ClN[M+Na]としての計算値322.1;実測値322.0。
化合物2−11は、tert−ブチル{(1R)−2−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]−1−メチルエチル}カルバメートを使用して調製した(化合物2−8について記載された方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) C1218ClN[M+Na]としての計算値310.1;実測値310.0。
化合物2−12は、tert−ブチル{(2S)−2−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]プロピル}カルバメートを使用して調製した(化合物2−8について記載された方法に類似して調製)。
LRMS(ESI) C1218ClN[M+Na]としての計算値310.1;実測値310.0。
実施例3
化合物3−1
トランス−4−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)シクロヘキサノール
Figure 2011500806
工程1: カリウム[5−[1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル](トリフルオロ)ボラート(1−)
アセトン(44mL)及び水(18mL)中のtert−ブチル4−[1−(フェニルスルホニル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−1H−ピラゾール−1−カルボキシラート(4.4g、7.9mmol)の、攪拌された溶液に、フッ化水素カリウム(3.7g、47.6mmol)を添加した。反応混合物を、室温で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮して粗固体とし、これを次に、温(55℃)アセトン中で粉砕した。混合物を濾過し、そして濾液を濃縮して、約40mLの最終体積とした。ジエチルエーテル(120mL)を徐々に添加して、結晶化を促進した。得られた懸濁液を、氷浴中で1時間冷却し、次に濾過し、フィールターケークをジエチルエーテル/アセトン(3:1)ですすいで、カリウム[5−[1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル](トリフルオロ)ボラート(1−)を、灰色の固体として得た。
H NMR(600MHz,DMSO−D)δ8.70(s,1H);8.59(d,1H);8.26(d,1H);8.05(d,1H);8.01(dd,2H);7.63(t,1H);7.55(t,2H);7.25(s,1H);1.57(s,9H)。
工程2: トランス−4−[(6−クロロピラジン−2−イル)アミノ]シクロヘキサノール
2,6−ジクロロピラジン(0.50g、3.4mmol)、トランス−4−アミノシクロヘキサノール(0.39g、3.4mmol)、及び炭酸セシウム(2.2g、6.7mmol)を、丸底フラスコに添加し、そして窒素でフラッシュした。次にDMF(4mL)を添加し、そして反応混合物を100℃で1.5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いでEtOAc(50mL)で希釈した。混合物を、セライトを通して濾過して、無機塩を除去し、そして濾液を濃縮して粗残渣とした。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、トランス−4−[(6−クロロピラジン−2−イル)アミノ]シクロヘキサノールを、黄色の油として得た。
LRMS(ESI) C1014ClNO[M+H]としての計算値228.1;実測値228.1。
工程3: トランス−4−({6−[1−(フェニルスルホニル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル)アミノ}シクロヘキサノール
トランス−4−[(6−クロロピラジン−2−イル)アミノ]シクロヘキサノール(0.043g、0.19mmol)、カリウム[5−[1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル](トリフルオロ)ボラート(1−)(0.10g、0.19mmol)、PdCl(dppf)−CHCl付加物(7.70mg、9.4μmol)、及びトリエチルアミン(0.053mL、0.38mmol)を、nPrOH/HO(1:1、2mL)中で合わせ、そしてアルゴンで5分間スパージングした。反応を、窒素下に、97℃で18時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、そしてEtOAc(10mL)で希釈した。シリカゲルを添加し、そして濃縮して残渣とし、これをシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/CHCl 勾配)により精製して、トランス−4−({6−[1−(フェニルスルホニル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル)アミノ}シクロヘキサノールを、橙色の油として得た。
LRMS(ESI) C2625S[M+H]としての計算値516.2;実測値516.1。
工程4: トランス−4−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)シクロヘキサノール
MeOH(1.3mL)中のトランス−4−({6−[1−(フェニルスルホニル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル)アミノ}シクロヘキサノール(0.63g、0.12mmol)の、攪拌された溶液に、炭酸カリウム(0.051g、0.37mmol)を添加した。反応混合物を、室温で18時間攪拌した。反応混合物を、MeOH(10mL)及びCHCl(10mL)で希釈し、シリカゲルを添加し、そして濃縮して粗残渣とした。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/CHCl 勾配)により精製して、トランス−4−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)シクロヘキサノールを、黄色の固体として得た。
H NMR(600MHz,DMSO−D)δ12.95(s,1H);11.99(s,1H);8.75(s,1H);8.53(s,1H);8.19(s,1H);8.14(d,1H);7.92(s,1H);7.64(s,1H);6.79(d,1H);4.49(d,1H);3.79(br s,1H);3.43(br s,1H);1.83(br s,2H);1.31(br s,2H);1.26(q,4H).LRMS(ESI) C2021O[M+H]としての計算値376.2;実測値376.1。
以下の表3にリストした化合物を、化合物3−1の調製に準じて、カリウム[5−[1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル](トリフルオロ)ボラート(1−)から出発し、かつ、適切に置換された6−クロロピラジンを、上記記載の所望のスズキカップリングにおいて利用して調製した。他に示さない限り、化合物はその遊離塩基として単離した。
Figure 2011500806
Figure 2011500806
化合物3−2は、6−クロロ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピラジン−2−アミンを使用して調製した(化合物3−1に記載された方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) C12ClNO[M+H]としての計算値214.1;実測値214.1。
化合物3−3は、1−(6−クロロピラジン−2−イル)ピペリジン−4−オールを使用して調製した(化合物3−1に記載された方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) C12ClNO[M+H]としての計算値214.1;実測値214.0。
化合物3−4は、2−[(6−クロロピラジン−2−イル)アミノ]エタノールを使用して調製した(化合物3−1に記載された方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) CClNO[M+H]としての計算値174.0;実測値174.0。
化合物3−5は、1−(6−クロロピラジン−2−イル)アゼチジン−3−オールを使用して調製した(化合物3−1に記載された方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) CClNO[M+H]としての計算値186.0;実測値186.0。
化合物3−6は、3−[(6−クロロピラジン−2−イル)アミノ]プロパン−1−オールを使用して調製した(化合物3−1に記載された方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) C10ClNO[M+H]としての計算値188.1;実測値188.0。
化合物3−7は、4−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]シクロヘキサノールを使用して調製した(化合物3−1に記載された方法に準じて調製)。
LRMS(ESI) C10ClNO[M+H]としての計算値229.1;実測値229.0。
実施例4
化合物4−1
5−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
Figure 2011500806
工程1: tert−ブチル4−({6−[5−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラート
DMF(1.3mL)中の、tert−ブチル4−({6−[1−(フェニルスルホニル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラート(0.075g、0.13mmol)及びヨードエタン(11μL、0.14mmol)の、攪拌された溶液に、0℃において、水素化ナトリウム(鉱物油60%分散物;6.0mg、0.15mmol)を添加した。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)でクエンチした。反応混合物を、EtOAc(3X10mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル4−({6−[5−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラートを、黄色の油として得た。
LRMS(ESI) C3235S[M+H]としての計算値630.2;実測値630.2。
5−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンは、スキーム1に示した方法により調製した。
H NMR(600MHz,DMSO−D)δ9.02(br s,1H);8.91(br s,1H);8.77(s,1H);8.69(d,1H);8.61(d,1H);8.50(s,IH);8.13(s,1H);8.04(s,1H);5.47(m,1H);4.34(q,2H);3.23(m,2H);3.10(m,2H);2.22(m,2H);2.05(m,2H);1.43(t,3H)。LRMS(ESI) C2123O[M+H]としての計算値390.5;実測値390.2。
以下の表4にリストした化合物を、化合物4−1の調製に準じて、tert−ブチル4−({6−[1−(フェニルスルホニル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラートから出発し、上記記載のように調製した。他に示さない限り、化合物はその塩酸塩として単離した。
Figure 2011500806
化合物4−2は、工程1において、アルキル化剤として、ブロモメチルシクロプロパンを使用して、tert−ブチル4−({6−[5−[1−(シクロプロピルメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラートを得た。
LRMS(ESI) C3437S[M+H]としての計算値656.3;実測値656.2。
化合物4−3は、工程1において、アルキル化剤として、ブロモ酢酸エチルを使用して、tert−ブチル4−({6−[5−[1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラートを得て、これを次に還元して、tert−ブチル4−({6−[5−[1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラートを得た。
tert−ブチル4−({6−[5−[1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラート
テトラヒドロフラン(2mL)中のtert−ブチル4−({6−[5−[1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラート(0.10g、0.15mmol)の、攪拌された溶液に、水素化アルミニウムリチウム(11mg、0.29mmol)を添加した(注意:ガス発生)。反応混合物を、室温で2.5時間攪拌し、そして次に氷浴にて冷却した。反応混合物に、硫酸ナトリウム10水和物(0.32mL、1.5mmol)を徐々に添加した(注意:ガス発生)。反応混合物を室温に温め、そしてセライトを通して濾過した。濾液を濃縮して粗固体とし、そして逆相HPLCにより精製して、tert−ブチル4−({6−[5−[1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラートを得た。
LRMS(ESI) C3235S[M+H]としての計算値646.2;実測値646.2。
化合物4−4は、工程1において、アルキル化剤として、2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホナートを使用して、tert−ブチル4−[(6−{1−(フェニルスルホニル)−5−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル}ピラジン−2−イル}オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラートを得た。
LRMS(ESI) C3232S[M+H]としての計算値684.2;実測値684.1。
化合物4−5は、tert−ブチル4−[(6−{1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−5−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル}ピラジン−2−イル}オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラートを使用して調製した。
LRMS(ESI) C2829[M+H]としての計算値648.2;実測値648.1。tert−ブチル4−[(6−{1−(フェニルスルホニル)−5−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル}ピラジン−2−イル}オキシ]ピペリジン−1−カルボキシラートの合成から、副産物として単離。
実施例5
化合物5−1
5−(1H−ピラゾール−4−イル)−3−(6−{[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−3−イル]オキシ}ピラジン−2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
Figure 2011500806
工程1: tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシラート
CHCl(10mL)及びDMSO(4mL)中の、1−boc−3−(ヒドロキシル)アゼチン(1.0g、5.8mmol)及びトリエチルアミン(1.6mL、12mmol)の、攪拌された溶液に、0℃において、ピリジン・三酸化硫黄(1.8g、12mmol)を添加した。反応を、室温に温めた。18時間後、反応混合物を、CHCl(100mL)と1M クエン酸水溶液(100mL)との間で分配した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮して、tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシラートを、粗油として得た。
H NMR(600MHz,DMSO−D)δ4.67(s,4H);1.47(s,9H)。
工程2: tert−ブチル3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−カルボキシラート
テトラヒドロフラン(5mL)中の、tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシラート(0.50g、2.9mmol)及び(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(0.65mL、4.4mmol)の、攪拌された溶液に、0℃において、フッ化テトラメチルアンモニウム(0.014g、0.15mmol)を添加した。反応混合物を、室温に温めた。1時間後、反応混合物を、0.5M塩化アンモニウム水溶液(25mL)に注入し、そしてジエチルエーテル(25mL)で抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮して粗油とした。粗油を、テトラヒドロフラン(5mL)中に溶解した。1M クエン酸水溶液(5mL)を添加し、そして混合物を1時間攪拌した。反応混合物を、ジエチルエーテル(25mL)と水(10mL)との間で分配した。有機層を、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮して粗油とした。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−カルボキシラートを、白色固体として得た。
H NMR(600MHz,DMSO−D)δ4.17(d,2H);3.91(d,2H);1.43(s,9H)。
工程3: tert−ブチル3−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]−3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−カルボキシラート
DMF(5mL)中の、tert−ブチル3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−カルボキシラート(0.37g、1.5mmol)及び2,6−ジクロロピラジン(0.23g、1.5mmol)の、攪拌された溶液に、0℃において、水素化ナトリウム(鉱物油60%分散物;0.073g、1.8mmol)を添加した。反応混合物を、室温に温めた。15分後、反応混合物を、EtOAc(50mL)と食塩水(50mL)との間で分配した。有機層を、追加の食塩水(50mL)で洗浄した。最初の水層を、EtOAc(50mL)で逆抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル3−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]−3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−カルボキシラートを得た。
LRMS C1315ClF[M+H]としての計算値354.1;実測値298.0[M−tブチル+H]H NMR(600MHz,DMSO−D)δ8.50(s,1H);8.46(s,1H);4.53(br s,2H);4.20(br d,2H);1.37(s,9H)。
5−(1H−ピラゾール−4−イル)−3−(6−{[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−3−イル]オキシ}ピラジン−2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを、スキーム1に示した方法により調製した。
H NMR(600MHz,DMSO−D)δ12.38(s,1H);9.69(br s,1H);9.39(br s,1H);9.01(s,1H);8.61(d,1H);8.50(d,1H);8.36(d,1H);8.25(s,1H);8.11(s,2H);4.73(m,2H);4.65(m,2H)。LRMS(ESI) C1814O[M+H]としての計算値402.1;実測値402.1。
以下の表5にリストした化合物を、化合物5−1の調製に準じて、カリウム[5−[1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル](トリフルオロ)ボラート(1−)から、かつ、適切に置換された6−クロロピラジンを所望のスズキカップリングにおいて利用して調製した。他に示さない限り、化合物はその塩酸塩として単離した。
Figure 2011500806
Figure 2011500806
化合物5−2は、工程3において、3−アジド−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オールを使用して調製し、2−[1−(アジドメチル)−2,2,2−トリフルオロエトキシ]−6−クロロピラジンを得た。
LRMS(ESI) CClFO[M+H]としての計算値268.0;実測値268.0。
3−{6−[1−(アジドメチル)−2,2,2−トリフルオロエトキシ]ピラジン−2−イル}−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを、スキーム1に準じて調製した後、以下に記載のように、tert−ブチル[3,3,3−トリフルオロ−2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロピル]カルバメートに変換した。
3−アジド−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール
合成は以下の参考文献から応用:
ラマチャンドラン(Ramachandran,P.V);ゴング(Gong,B.);ブラウン(Brown,H.)、C.J.Org.Chem.1995年、第60巻、p.41−46。
70%エタノール(20mL)中の1,1,1−トリフルオロ−2,3−エポキシプロパン(2.0g、18mmol)の、攪拌された溶液に、塩化アンモニウム(1.9g、36mmol)を、続いてアジ化ナトリウム(2.3g、36mmol)を添加した。反応混合物を、室温で攪拌した。6時間後、反応混合物を、水(100mL)とジエチルエーテル(100mL)との間で分配した。有機層を、追加の水(100mL)で洗浄した。最初の水層を、ジエチルエーテル(100mL)で逆抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮して、3−アジド−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オールを、粗油として得た。
H NMR(600MHz,DMSO−D)δ4.14(m,1H);3.58−3.49(m,2H);2.58(d,1H)。
tert−ブチル[3,3,3−トリフルオロ−2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロピル]カルバメート
メタノール(0.4mL)中の、3−{6−[1−(アジドメチル)−2,2,2−トリフルオロエトキシ]ピラジン−2−イル}−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.014g、0.034mmol)及び酢酸(1.9μL、0.034mmol)の、攪拌された溶液を、窒素でスパージングした。この溶液に、触媒量のPd/Cを添加し、そして窒素でさらにパージした。得られた懸濁液を、水素下(バルーン圧)に、2時間攪拌した。反応混合物を濾過した。この溶液に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(0.011g、0.051mmol)を添加した。1時間後、反応混合物を濃縮して、tert−ブチル[3,3,3−トリフルオロ−2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロピル]カルバメートを、粗油として得た。
LRMS(ESI) C2222[M+H]としての計算値490.2;実測値490.1。
化合物5−3は、工程3において、tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)(エチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラートを使用して調製した。
工程1: tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラート
DMF(67mL)中の、2,6−ジクロロピラジン(5.0g、34mmol)及び4−アミノ−1−boc−ピペリジン(6.7g、34mmol)の、攪拌された溶液に、炭酸セシウム(22g、67mmol)を添加した。反応混合物を、100℃で攪拌した。4時間後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で反応をクエンチし、そしてEtOAc(3X100mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラートを、黄色の固体として得た。
LRMS(ESI) C1421ClN[M+Na]としての計算値335.1;実測値335.1。
工程2: tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)(エチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラート
テトラヒドロフラン(3mL)中のtert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラート(0.20g、0.64mmol)の、攪拌された溶液に、−70℃において、ヨードエタン(0.26mL、3.2mmol)及びNaHMDS(THF中1M溶液;1.3mL、1.3mmol)を添加した。反応混合物を、室温に温めた。ヨードエタン(0.26mL、3.2mmol)及びNaHMDS(THF中1M溶液;1.3mL、1.3mmol)を添加した。反応混合物を、65℃で攪拌した。18時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液(25mL)で反応をクエンチし、そしてEtOAc(3X25mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)(エチル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラートを、黄色の固体として得た。
LRMS(ESI) C1625ClN[MNa]としての計算値363.2;実測値363.1。
化合物5−4を、工程3において、tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)(プロピル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラートを使用して調製した。
tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)(プロピル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラート
テトラヒドロフラン(3mL)中の、tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラート(0.20g、0.64mmol)の、攪拌された溶液に、0℃において、1−ヨードプロパン(1mL、10mmol)及び水素化ナトリウム(0.051g、1.3mmol)を添加した。反応混合物を室温に温め、次に60℃で攪拌した。1.5時間後、反応混合物を室温に冷却し、そして水(10mL)でクエンチした。反応混合物をEtOAc(3X25mL)で抽出した。合わせた有機層を、食塩水(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、tert−ブチル4−[(6−クロロピラジン−2−イル)(プロピル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシラートを、黄色の油として得た。
LRMS(ESI) C1727ClN[M+Na]としての計算値377.2;実測値377.1。
化合物5−5は、工程3において、3,5−ジクロロ−2−メチルピラジン及び1−boc−4−ヒドロキシピペリジンを使用して調製した。
3,5−ジクロロ−2−メチルピラジン
テトラヒドロフラン(200mL)中のn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M;29mL、47mmol)の溶液に、−30℃において、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(8.6mL、50mmol)を添加した。この溶液を、20分間にわたり0℃に温め、次に−78℃に冷却した。この溶液に、テトラヒドロフラン(200mL)中の2,6−ジクロロピラジン(5g、34mmol)の溶液を、カニューラにより滴下添加した。30分後、ヨードメタン(21mL、340mmol)を添加した。1時間後、反応混合物を、EtOH(25mL)、THF(25mL)、及び1N HCl水溶液(5mL)の混合物でクエンチした。反応混合物を室温に温め、次に濃縮して粗油とした。粗油を、水(500mL)とCHCl(500mL)との間で分配した。有機層を、食塩水(250mL)で洗浄した。最初の水層を、CHCl(500mL)で逆抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、3,5−ジクロロ−2−メチルピラジンを、黄色の油として得た。
LRMS(ESI) CCl[M+H]としての計算値163.0;実測値163.1。
化合物5−6は、工程3において、N−{2−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]エチル}シクロヘキサンアミンを使用して調製した。
N−{2−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]エチル}シクロヘキサンアミン
トルエン(17mL)中の、n−シクロヘキシルエタノールアミン(0.48g、3.4mmol)及び2,6−ジクロロピラジン(0.50g、3.4mmol)の、攪拌された溶液に、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン(7.9mg、0.034mmol)、ヨウ化銅(0.032g、0.17mmol)、及び炭酸セシウム(2.2g、6.7mmol)を添加した。反応混合物を、100℃で攪拌した。18時間後、反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、セライトを通して濾過し、そして濃縮した。粗残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 勾配)により精製して、N−{2−[(6−クロロピラジン−2−イル)オキシ]エチル}シクロヘキサンアミンを、橙色の油として得た。
LRMS(ESI) C1218ClNO[M+H]としての計算値256.1;実測値256.1。

Claims (14)

  1. 式I:
    Figure 2011500806
    [式中:
    aは、0、1、又は2であり;
    及びRの各々は、独立して、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、ニトロ、NR、CONR、NR(CONR)、S(O)NR、又は環であり、該環は:C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、C6−10アリールC1−6アルキル、C6−10アリールカルボニル、C3−10シクロアルキル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;これらは、独立して、Rから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
    は、水素又はC1−6アルキルであり;
    は、水素、−L−R又は−M−Rであり;
    、R、及びRの各々は、独立して、水素、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、ニトロ、NR、又は環であり、該環は:C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個の窒素原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、及びジ(C1−6アルキル)アミノから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
    L及びMの各々は、単結合、−O(CR[N(R)]−又は−N(R)(CR−であり;
    bは、0、1、2、3、又は4であり;
    cは、0又は1であり;
    rは、0、1、又は2であり;
    各Rは、独立して、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、NR、又は環であり、該環は:C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個の窒素原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、及びジ(C1−6アルキル)アミノから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
    は、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、ニトロ、又はNRであり;
    は、C3−10シクロアルキル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;これらは、独立して、Rから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
    各Rは、独立して、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、NR、又は環であり、該環は:C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個の窒素原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、及びジ(C1−6アルキル)アミノから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
    及びRの各々は、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、又はハロC1−6アルキルであり;
    及びRの各々は、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、ハロC1−6アルキル、又はヒドロキシC1−6アルキルであり;
    は、水素又はC1−6アルキルである]
    の化合物、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは互変異性体。
  2. 式II:
    Figure 2011500806
    [式中:
    が、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;これらは、独立して、Rから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;かつ
    a、R、R、R、R、R、R、及びRが、請求項1に定義した通りである]
    の、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは互変異性体。
  3. 式III:
    Figure 2011500806
    [式中:
    Lが、−O(CR−又は−N(R)(CR−であり;
    が、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;これらは、独立して、Rから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;かつ
    a、b、R、R、R、R、R、R、R、R、R、及びRが、請求項1に定義した通りである]
    の、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは互変異性体。
  4. 式IV:
    Figure 2011500806
    [式中:
    Mが、単結合、−O−、−N(R)−、又は−O(CRN(R)−であり;
    が、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子の1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし15員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;独立して、Rから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;かつ
    a、b、R、R、R、R、R、R、R、R、R、及びRが、請求項1に定義した通りである]
    の、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、若しくは互変異性体。
  5. が、水素、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルである、先行する請求項のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 及びRの各々が、独立して、水素又はC1−6アルキルである、先行する請求項のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(6−ピペラジン−1−イルピラジン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    3−[6−(シクロヘキシルオキシ)ピラジン−2−イル]−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    N−メチル−6−[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−N−ピペリジン−4−イルピラジン−2−アミン;
    3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    3−{6−[(3R)−ピペリジン−3−イルオキシ]ピラジン−2−イル}−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    3−{6−[(3S)−ピペリジン−3−イルオキシ]ピラジン−2−イル}−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    トランス−3−{6−[(3−フルオロピペリジン−4−イル)オキシ]ピラジン−2−イル}−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    シス−3−{6−[(3−フルオロピペリジン−4−イル)オキシ]ピラジン−2−イル}−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    3−[6−(アゼチジン−3−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    5−(1H−ピラゾール−4−イル)−3−{6−[(3S)−ピロリジン−3−イルオキシ]ピラジン−2−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    (2S)−1−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロパン−2−アミン;
    (2S)−2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロパン−1−アミン;
    5−(1H−ピラゾール−4−イル)−3−{6−[(3R)−ピロリジン−3−イルオキシ]ピラジン−2−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    (2R)−1−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロパン−2−アミン;
    (2R)−2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロパン−1−アミン;
    トランス−4−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)シクロヘキサノール;
    6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−5−イル)ピラジン−2−アミン;
    1−{6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}ピペリジン−4−オール;
    2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)エタノール;
    1−{6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}アゼチジン−3−オール;
    3−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)プロパン−1−オール;
    4−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)シクロヘキサノール;
    5−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    5−[1−(シクロプロピルメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    2−(4−{3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール;
    3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−5−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    3−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−5−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    5−(1H−ピラゾール−4−イル)−3−(6−{[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−3−イル]オキシ}ピラジン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    3,3,3−トリフルオロ−2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)プロパン−1−アミン;
    N−エチル−N−ピペリジン−4−イル−6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミン;
    N−ピペリジン−4−イル−N−プロピル−6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミン;
    3−[5−メチル−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピラジン−2−イル]−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
    N−[2−({6−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)エチル]シクロヘキサンアミン、
    から選択される、請求項1に記載の化合物、及びその薬学的に許容される塩、立体異性体、及び互変異性体。
  8. 先行する請求項のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは互変異性体を、薬学的に許容される担体と共に含んでなる医薬組成物。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは互変異性体と、抗癌剤との、同時の、別々の、又は連続した投与のための組合せ。
  10. 治療において使用するための、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは互変異性体。
  11. JAKキナーゼ及び/又はPDK1の阻害により改善可能な症状の、治療又は予防用医薬の製造のための、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは互変異性体の使用。
  12. 前記症状が癌である、請求項11に記載の使用。
  13. 請求項11又は12において定義された症状の、治療又は予防において使用するための、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは互変異性体。
  14. JAKキナーゼ及び/又はPDK1の阻害により改善可能な症状の、治療又は予防のための方法であって、式Iの化合物又は式Iの化合物を含んでなる組成物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる該方法。
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