JP2011254663A - 回転電機用ロータの製造方法及び回転電機用シャフト素材 - Google Patents

回転電機用ロータの製造方法及び回転電機用シャフト素材 Download PDF

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Abstract

【課題】回転電機用ロータの製造方法において、ロータシャフトに設けたかしめ部によりロータコアに軸力を作用させる構成において、かしめ品質を安定化させ、ロバスト性を向上させることである。
【解決手段】ロータを構成するロータシャフトは、ロータコア12を嵌合する嵌合部26と、嵌合部26の軸方向一端側のフランジ部と軸方向他端側のかしめ部とを含む。かしめ部は、ロータシャフトの軸方向他端部に全周にわたり外径側へ湾曲するように形成し、ロータコア12を軸方向に押さえ付ける。ロータを製造する場合、ロータシャフトを構成するシャフト素材36において、嵌合部26の軸方向他端側の外周面に全周にわたり内径側に窪むように環状切欠38を設け、嵌合部26にロータコア12を嵌合した状態で、かしめ冶具44によりシャフト素材36に軸力を付与し、かしめ部を形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、環状のロータコアと、ロータコアの内側に嵌合されたロータシャフトとを備え、ロータシャフトに形成されたかしめ部によりロータコアを軸方向に押さえ付ける回転電機用ロータの製造方法と、この方法に使用する回転電機用シャフト素材に関する。
モータや発電機として使用される回転電機は、ロータと、ロータに対向するステータとを備える。また、ロータとして、回転可能なロータシャフトと、ロータシャフトに嵌合固定した環状のロータコアとを備える構造が知られている。また、このようなロータにおいて、ロータシャフトの外径側にロータコアを嵌合した状態で、ロータシャフトの一端部を外径側に変形させることによりかしめ部を形成し、かしめ部によりロータコアの内周端部の軸方向一端部を押さえ付ける構成が考えられている。かしめ部は、金属の塑性変形を利用するもので、ロータシャフトからロータコアに回転軸方向の軸力を発生させる。
例えば、特許文献1には、シャフトと、ロータコアと、エンドプレートとを備える回転電機が記載されている。シャフトは、ロータコアに内接するように設けられている。エンドプレートは、ロータコアの端面を覆うように配設され、その内周端部は、シャフトのつばによって環状にかしめられている。シャフトは、シャフトの回転軸方向の一端につばを有する。シャフトのつばは、根元部から先端部に向かうにしたがって薄くなる肉厚を有する。つばは、径方向外側に湾曲し、エンドプレートの内周端部をかしめる。また、エンドプレートの内周端部をかしめる前では、シャフトのつばは、回転軸方向に延伸されたテーパ形状からなるとされている。また、シャフトの回転軸方向の他端で、つばとは回転軸方向に関して反対側の部分に径方向外側に突出する突出部が設けられている。
また、特許文献2にも、特許文献1と同様に、ロータシャフトと、ロータコアと、エンドプレートとを備える回転電機が記載されている。エンドプレートは、ロータシャフトの外周上に嵌合し、ロータコアの端面に当接するとされている。ロータシャフトが有するかしめ爪部は、外周側に曲げられ、エンドプレート及びロータコアに対し回転軸方向に力を作用させながら、エンドプレートに係止している。
なお、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1,2の他に特許文献3がある。
特開2005−168074号公報 特開2009−124881号公報 特開2004−248337号公報
特許文献1,2に記載された回転電機の場合、シャフトの外径側にロータコアを嵌合し、シャフトに設けたつば等の、かしめ部は、エンドプレートに回転軸方向の力を作用させながらエンドプレートに係止している。かしめ部は、シャフトにマンドレル等の冶具を回転軸方向に押し付けることにより行っている。この場合、シャフトに対して冶具の回転軸方向のストロークを一定に管理することによりかしめ部を形成することが考えられる。
ただし、このような従来のかしめ部を設ける構成において、シャフトの構造を工夫しない場合には、ロータコアを電磁鋼板等の積層体により構成する場合の寸法ばらつき等、ロータ構成部品の寸法ばらつきや、組み付けばらつきによって、かしめ部を構成するシャフトの軸方向端部と、冶具との当接位置、すなわち位置関係がばらつく可能性がある。この場合には、かしめ部の曲げの起点が変化する等により、かしめ部の形状が変化し、かしめ部からロータコアに作用する回転軸方向の力である、軸力が、製品によってばらつく可能性がある。このため、ロータを組み立てた状態で、軸力や、ロータコアがシャフトに対し回転軸方向に抜け出すのに必要な抜け荷重が変化するという「かしめ品質」がばらついたり、ロータに加わる外乱にかかわらず性能が変化しない程度を表すロバスト性が低下する可能性がある。例えば、ロータコアがシャフトに対し斜めに傾いた状態で固定される可能性があり、製品の歩留まりが悪化する可能性もある。
また、かしめ部は、金属の塑性変形を利用することにより設けられる。このため、要求されるかしめ性能を得られる変形量を確保するために大きな荷重が必要になる可能性がある。すなわち、従来の構成では、かしめ部を設けるためにシャフトをストロークさせる場合の荷重が大きくなる可能性があり、設備費や、サイクルタイムが長くなり、コスト上昇の要因となる可能性がある。さらに、ロータコアを積層鋼板を含む構成とする場合に、かしめ部によりロータコアに回転軸方向に作用する軸力が過度に大きくなると、強度の弱い鋼板の一部に応力が集中してロータコアが変形する可能性がないとはいえない。このため、ロータの製品の歩留まりが悪化する可能性がある。
このような事情から、本発明者は、シャフトに設けたかしめ部によりロータコアに軸力を作用させる構成において、ロータシャフトのかしめ形成前の構成を工夫することにより、かしめ品質を安定化させ、ロバスト性を向上させることができると考えるに至った。
一方、特許文献3には、円柱状突起が下端に形成された有底の段付スリーブと、段付スリーブに挿入されたフランジ付シャフトとを含む流体動圧軸受と、取付穴を有し、取付穴に円柱状突起を嵌入しているベースプレートと、ロータ及びステータとを含むスピンドルモータが記載されている。円柱状突起の下面に形成された円環状かしめ部は、ベースプレートの取付穴の内周面に設けたテーパ面に当接するまで塑性変形させている。また、円柱状突起の基底部に環状溝を形成し、環状溝により取付穴の過度の変形を吸収し、ベースプレートの基準面が狂うような変形は生じないとされている。
このような特許文献3において、シャフトに設けたかしめ部によりロータコアに軸力を作用させる構成において、かしめ品質を安定化させ、ロバスト性を向上させる手段は、それを示唆する事項を含めて開示されていない。例えば、円柱状突起に形成された環状溝は、かしめ部のかしめ品質を安定化させるものではない。
本発明は、回転電機用ロータの製造方法及び回転電機用シャフト素材において、ロータシャフトに設けたかしめ部によりロータコアに軸力を作用させる構成において、かしめ品質を安定化させ、ロバスト性を向上させることを目的とする。
本発明に係る回転電機用ロータの製造方法は、環状のロータコアと、ロータコアの内側に嵌合されたロータシャフトと、を備え、ロータシャフトは、ロータコアを外径側に嵌合する嵌合部と、嵌合部の軸方向一端側に外径側に突出するように設けられた突出部と、嵌合部の軸方向他端側に全周にわたり外径側へ湾曲するように形成されたかしめ部であって、ロータコアの内周側端部の軸方向一端部を、直接にまたはエンドプレートを介して軸方向に押さえ付けるかしめ部とを含む回転電機用ロータの製造方法であって、ロータシャフトを構成するシャフト素材において、嵌合部の軸方向他端側の外周面に全周にわたり内径側に窪むように環状切欠を設ける切欠ステップと、嵌合部の外周側にロータコアを嵌合した状態で、冶具によりシャフト素材の軸方向端部に軸力を付与し、外周側に変形させることでかしめ部を形成するかしめステップとを含むことを特徴とする回転電機用ロータの製造方法である。
本発明に係る回転電機用ロータの製造方法において、好ましくは、切欠ステップは、ロータの構成部品の寸法ばらつきに基づいて環状切欠の軸方向寸法を規定し、かしめ部を形成するためのシャフト素材の外径側への目標折れ量に基づいて環状切欠の径方向寸法を規定する。
また、本発明に係る回転電機用ロータの製造方法において、好ましくは、切欠ステップは、シャフト素材において、軸方向他端部に軸方向他端が開口した筒部を設けるとともに、筒部の外周面に全周にわたり内径側に窪んだ環状切欠を設ける。
また、本発明に係る回転電機用ロータの製造方法において、好ましくは、切欠ステップは、シャフト素材に設けた筒部の円筒状外周面の軸方向中間部に、全周にわたり内径側に窪んだ環状切欠を設ける。
また、本発明に係る回転電機用ロータの製造方法において、好ましくは、かしめステップは、シャフト素材の外周面の環状切欠を形成した部分が曲げの起点となるように、かしめ部を形成する。
また、本発明に係る回転電機用ロータの製造方法において、好ましくは、ロータコアは、鋼板の積層体を含む。
また、本発明に係る回転電機用シャフト素材は、本発明に係る回転電機用ロータの製造方法に使用する、ロータシャフトを構成する回転電機用シャフト素材であって、ロータコアを外径側に嵌合する嵌合部と、嵌合部の軸方向一端側に外径側に突出するように設けられた突出部と、嵌合部の軸方向他端側外周面に全周にわたり内径側に窪むように設けられた環状切欠とを備え、使用時に、冶具によりシャフト素材の環状切欠側軸方向端部に軸力を付与し、外周側に変形させることでかしめ部を形成してロータシャフトを構成することを特徴とする回転電機用シャフト素材である。
本発明に係る回転電機用ロータの製造方法及び回転電機用シャフト素材によれば、シャフト素材に環状切欠を設けている。このため、ロータシャフトに設けたかしめ部によりロータコアに軸力を作用させる構成において、かしめ部を形成する際に、環状切欠を形成した部分が曲げの起点となるようにシャフト素材が変形しやすくなる。このため、構成部品のばらつき等にかかわらず、かしめ部の曲げの起点が安定化して、しかもかしめ部の形成の際に過度に大きな荷重をシャフト素材に加える必要がない。したがって、かしめ品質を安定化させ、ロバスト性を向上させることができる。また、過度なコストの上昇を抑えて、かつ、ロータの製品の歩留まり向上を図れる。
本発明に係る実施の形態の回転電機用ロータの1例を示す略断面図である。 図1のA部拡大断面図である。 図1のロータを構成するためのロータシャフトを構成するシャフト素材を示す図である。 図3のシャフト素材の断面図である。 図4のB部拡大断面図である。 図5のシャフト素材の外径側にロータコア及びエンドプレートを嵌合した状態で、かしめ冶具をシャフト素材の軸方向に移動させる様子を示す断面図である。
以下において、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1から図6は、本発明に係る実施の形態の1例を示している。本実施の形態の回転電機用ロータ (以下、単にロータという。)を組み込んで構成する回転電機は、例えば、ハイブリッド車両の駆動装置を構成する第1モータジェネレータ(MG1)または第2モータジェネレータ(MG2)として使用する。これら各モータジェネレータは、モータや発電機としての機能を有する。
次に、回転電機を説明する。回転電機は、図示しないステータと、ステータの径方向内側に対向配置する、回転可能なロータ10(図1)とを備える。図1に示すように、ロータ10は、環状のロータコア12と、ロータコア12の軸方向両側に配置された2のエンドプレート14,16と、ロータコア12の内側に嵌合されたロータシャフト18とを備える。ロータ10は、ロータシャフト18にロータコア12を固定することにより構成する。また、ロータシャフト18は、中心部に設けた中心孔20の内周面に雌スプラインを設けている。使用時には、雌スプラインに図示しない回転軸に設けた雄スプラインをスプライン結合する。
ロータコア12は、電磁鋼板を軸方向に複数積層してなる積層体22と、積層体22の周方向複数個所に軸方向に挿入配置した永久磁石24とを含む。各永久磁石24は、例えば径方向、または径方向に対し傾斜した方向に着磁している。
また、ロータシャフト18は、ロータコア12を外径側に嵌合する、外周面を円筒面とした嵌合部26と、嵌合部26の軸方向一端側(図1の右端側)に全周にわたり外径側に突出するように設けた突出部であるフランジ部28と、嵌合部26の軸方向他端側(図1の左端側)に全周にわたり外径側へ湾曲するように形成されたかしめ部30とを備える。また、ロータシャフト18は、中心孔20を有する筒状の本体部32と、嵌合部26と本体部32とを連結する略円板状の連結部34とを含む。
図2に示すように、かしめ部30は、嵌合部26の外径側にロータコア12及びエンドプレート14,16(16は、図1参照)を嵌合した状態で、ロータコア12の内周側端部の軸方向端部を、片側のエンドプレート14を介して軸方向に押さえ付ける。すなわち、かしめ部30は、ロータコア12に、片側のエンドプレート14を介して、軸方向の軸力を作用させて、かしめ部30とフランジ部28とにより、ロータコア12とエンドプレート14,16とを軸方向両側から挟持している。
このようなロータ10は、ロータシャフト18を構成する素材であり、かしめ部30を形成する前の回転電機用シャフト素材である、シャフト素材36(図3)を用いて製造する。図3、図4に示すように、シャフト素材36は、かしめ部形成後のロータシャフト18と同様に、ロータコア12(図1)を外径側に嵌合する嵌合部26と、中心孔20を有し、図示しない回転軸とスプライン結合する本体部32と、本体部32及び嵌合部26を連結する連結部34とを備える。また、シャフト素材36は、嵌合部26の軸方向一端側(図3、図4の右端側)に外径側に突出するように設けられた突出部であるフランジ部28と、嵌合部26の軸方向他端側(図3、図4の左端側)外周面に全周にわたり内径側に窪むように設けられた環状切欠38とを備える。また、嵌合部26は、図4に示すように、軸方向一端側の第1筒部40と、軸方向他端側の第2筒部42とを一体に連結することにより構成している。第1筒部40は、軸方向一端(図4の右端)が開口し、第2筒部42は、軸方向他端(図4の左端)が開口している。また、第2筒部42の内周面は、軸方向中間部から奥側に向かうほど内径が徐々に小さくなっている略テーパ面となっている。
図5に示すように、環状切欠38は、第2筒部42の外周面に、全周にわたり内径側に窪んだ形状に設けている。環状切欠38は、底面である第1面S1と、第1面S1の軸方向両側に設けた一対の側壁面である第2面S2及び第3面S3とにより構成している。第1面S1は、シャフト素材36の中心軸である回転軸O(図4)を中心とする円筒面である。また、軸方向一端側の第2面S2と、軸方向他端側の第3面S3とは、それぞれ軸方向に対し傾斜したテーパ面である。また、第3面S3の軸方向に対し傾斜する傾斜角度αは、第2面S2の軸方向に対し傾斜する傾斜角度βよりも小さくなっている(α<β)。
また、環状切欠38の開口端の軸方向の間隔であり、環状切欠38の切欠高さである、軸方向寸法L1は、かしめ部30(図1、図2)によりかしめられるロータ10の構成部品、すなわち、ロータコア12及びエンドプレート14,16の寸法ばらつきに基づいて規定している。例えば、この寸法ばらつきの軸方向の交差の合計がPである場合、例えば切欠高さL1をPよりも大きくする。また、環状切欠38の深さであり、環状切欠38の切欠幅である、径方向寸法L2は、かしめ部30を形成する場合の、シャフト素材36の外径側への目標折れ量、すなわち目標変形量に基づいて規定している。目標折れ量は、かしめ部30のかしめ品質を高い品質とするために必要な折れ量であり、目標折れ量と径方向寸法L2とを予め定めた1対1の対応関係で規定し、径方向寸法L2は目標折れ量から、この対応関係に基づいて規定する。
また、環状切欠38は、シャフト素材36に設けた第2筒部42の円筒状外周面の軸方向中間部に、全周にわたり内径側に窪むように設けている。すなわち、環状切欠38の軸方向両側には、円筒部がそれぞれ連続している。
本実施の形態のロータ10の製造方法は、このようなシャフト素材36において、嵌合部26の軸方向他端側の外周面に、全周にわたり内径側に窪むように環状切欠38を設ける切欠ステップと、かしめ部30(図1、図2)を形成するかしめステップとを含む。
切欠ステップでは、図5に示すように、シャフト素材36において、軸方向他端部に第2筒部42を設けるとともに、第2筒部42の円筒状外周面の軸方向中間部に、全周にわたり内径側に窪んだ環状切欠38を設ける。切欠ステップでは、シャフト素材36に第2筒部42を他の部分の形状とともに形成した後に、環状切欠38を機械加工等により形成してもよい。
また、切欠ステップでは、上記のように、ロータ10の構成部品の寸法ばらつきに基づいて環状切欠38の軸方向寸法L1を規定し、かしめ部30を形成する場合のシャフト素材36の外径側への目標折れ量に基づいて環状切欠38の径方向寸法L2を規定する。
また、かしめステップでは、図6に示すように、シャフト素材36を構成する嵌合部26の外周側にロータコア12及びエンドプレート14,16(16は図1参照)を嵌合した状態で、かしめ冶具44を軸方向(図6の矢印方向)にシャフト素材36に対し変位させ、かしめ冶具44により第2筒部42の先端部に軸方向の力である軸力を付与する。かしめ冶具44は、図6に示すように、第2筒部42と対向する部分に断面が湾曲して窪んだ湾曲部46を有する。湾曲部46は、例えば全体を環状に形成する。このため、かしめ冶具44を図6の矢印方向に変位させることにより、第2筒部42の先端部を外周側(図6の下側)に徐々に変形させることで、この先端部は図2の二点鎖線から実線で示すように徐々に変化して、かしめ部30を形成し、シャフト素材36はロータシャフト18となる。この場合、エンドプレート14には、内周端部の軸方向外側面に、テーパ面等の面取り48が形成されている。このため、かしめ部30は面取り48に全周にわたり面接触する。なお、本発明はこのような面接触する構成に限定するものではなく、かしめ部30をエンドプレート14に線接触させてもよい。いずれにしても、かしめ部30によりエンドプレート14を介してロータコア12に軸方向(図2の左右方向)の軸力が作用する。
また、かしめステップでは、シャフト素材36の外周面の環状切欠38を形成した部分が曲げの起点となるように、かしめ部30を形成する。
このようにシャフト素材36は、使用時に嵌合部26の外周側にロータコア12を嵌合した状態で、かしめ冶具44によりシャフト素材36の軸方向端部に軸力を付与し、外周側に変形させることでかしめ部30を形成してロータシャフト18を構成する。
このようなロータ10の製造方法及びシャフト素材36によれば、シャフト素材36に環状切欠38を設けている。このため、ロータシャフト18に設けたかしめ部30によりロータコア12に軸力を作用させる構成において、かしめ部30を形成する際に、環状切欠38を形成した部分が曲げの起点となるように、シャフト素材36の端部が変形しやすくなる。すなわち、かしめ部30の折れ点管理を容易に行える。このため、構成部品のばらつき等にかかわらず、かしめ部30の曲げの起点が安定化して、かしめ部30の形状をほぼ同じにできる。したがって、かしめ部30からロータコア12に作用する回転軸O(図1)方向の力である、軸力が、製品によってばらつくことを抑制できる。この結果、ロータシャフト18に設けたかしめ部30によりロータコア12に軸力を作用させる構成において、かしめ品質を安定化させ、ロバスト性を向上させることができる。
また、かしめ部30の形成の際に、かしめ冶具44によりシャフト素材36に加える荷重に対する塑性変形量を増大でき、過度に大きな荷重をシャフト素材36に加える必要がない。このため、設備費やサイクルタイムが大幅に増大することを抑制し、過度なコストの上昇を抑えることができる。また、かしめ部30からエンドプレート14,16及びロータコア12の一部に過度な応力集中が発生することを有効に防止でき、ロータコア12を積層鋼板により構成するのにもかかわらず、エンドプレート14,16及びロータコア12の変形を防止して、ロータ10の製品の歩留まり向上を図れる。
また、本実施の形態では、ロータコア12は、電磁鋼板を複数積層してなる積層体22を含む構成としている。このような積層体22では、1枚ずつの電磁鋼板での公差が積み重なって全体の公差が大きくなりやすい。このため、構成部品の寸法誤差等により、かしめ部30を構成するロータシャフト18の端部と、かしめ冶具44との当接位置が変化しやすい。本実施の形態では、上記のようにシャフト素材36の外周面に環状切欠38を設けているので、構成部品のばらつき等にかかわらず、かしめ品質を安定化させ、ロバスト性を向上させることができるという効果が、より顕著になる。
なお、本実施の形態では、かしめ部30からエンドプレート14を介してロータコア12に軸力を付与しているが、少なくともかしめ部30側のエンドプレート14(図1、図2参照)を省略して、かしめ部30によりロータコア12を直接に軸方向に押さえ付け、かしめ部30からロータコア12に直接軸力を付与することもできる。この場合には、かしめ部30により直接押さえ付ける鋼板が、エンドプレートよりも強度が低くなる可能性がある。この場合において、本発明とは異なり、シャフト素材36に環状切欠38を設けない構成を採用した場合には、構成部品の寸法誤差等により、かしめ部30から積層体22の一部に直接大きな力が加わり、鋼板が変形する可能性があり、製品の歩留まりの悪化を招く可能性がある。これに対して、本発明の構成を採用した場合には、上記のようにかしめ部30側のエンドプレートを省略して、かしめ部30によりロータコア12を直接に軸方向に押さえ付けた場合でも、鋼板の変形を有効に防止して、歩留まり向上を図れる。
なお、上記の各図に示した実施の形態では、外周面に環状切欠38を設ける第2筒部42の内周面の一部を略テーパ面としている。ただし、外周面に環状切欠38を設ける筒部の内周面は、全体的に単なる円筒面とすることもできる。また、上記の図4に示したシャフト素材36において、第2筒部42の環状切欠38よりも先端側の端部は、径方向の肉厚を一定とする構成に限定するものではなく、先端に向かうにしたがって徐々に肉厚が小さくなるように構成することもできる。また、第2筒部42の環状切欠38よりも先端側の端部の内周面に軸方向に対し傾斜したテーパ面を設け、かしめ部30形成の際に、かしめ冶具44をこのテーパ面に押し付け可能とすることもできる。
なお、ロータシャフト18を構成するシャフト素材36の構成は、上記の図3から図6に示した構成に限定するものではなく、ロータコア12を嵌合する嵌合部と、フランジ部等の突出部と、かしめ部を構成するための筒部とを含み、筒部の外周面に環状切欠を設けた構成であればよい。
また、ロータコア12は、鋼板の積層体22を含むものに限定せず、例えば磁性粉末を加圧成形してなる圧粉磁心によりロータコア12を構成してもよい。
10 ロータ、12 ロータコア、14,16 エンドプレート、18 ロータシャフト、20 中心孔、22 積層体、24 永久磁石、26 嵌合部、28 フランジ部、30 かしめ部、32 本体部、34 連結部、36 シャフト素材、38 環状切欠、40 第1筒部、42 第2筒部、44 かしめ冶具、46 湾曲部、48 面取り。

Claims (7)

  1. 環状のロータコアと、
    ロータコアの内側に嵌合されたロータシャフトと、を備え、
    ロータシャフトは、ロータコアを外径側に嵌合する嵌合部と、
    嵌合部の軸方向一端側に外径側に突出するように設けられた突出部と、
    嵌合部の軸方向他端側に全周にわたり外径側へ湾曲するように形成されたかしめ部であって、ロータコアの内周側端部の軸方向一端部を、直接にまたはエンドプレートを介して軸方向に押さえ付けるかしめ部とを含む回転電機用ロータの製造方法であって、
    ロータシャフトを構成するシャフト素材において、嵌合部の軸方向他端側の外周面に全周にわたり内径側に窪むように環状切欠を設ける切欠ステップと、
    嵌合部の外周側にロータコアを嵌合した状態で、冶具によりシャフト素材の軸方向端部に軸力を付与し、外周側に変形させることでかしめ部を形成するかしめステップとを含むことを特徴とする回転電機用ロータの製造方法。
  2. 請求項1に記載の回転電機用ロータの製造方法において、
    切欠ステップは、ロータの構成部品の寸法ばらつきに基づいて環状切欠の軸方向寸法を規定し、かしめ部を形成するためのシャフト素材の外径側への目標折れ量に基づいて環状切欠の径方向寸法を規定することを特徴とする回転電機用ロータの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の回転電機用ロータの製造方法において、
    切欠ステップは、シャフト素材において、軸方向他端部に軸方向他端が開口した筒部を設けるとともに、筒部の外周面に全周にわたり内径側に窪んだ環状切欠を設けることを特徴とする回転電機用ロータの製造方法。
  4. 請求項3に記載の回転電機用ロータの製造方法において、
    切欠ステップは、シャフト素材に設けた筒部の円筒状外周面の軸方向中間部に、全周にわたり内径側に窪んだ環状切欠を設けることを特徴とする回転電機用ロータの製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1に記載の回転電機用ロータの製造方法において、
    かしめステップは、シャフト素材の外周面の環状切欠を形成した部分が曲げの起点となるように、かしめ部を形成することを特徴とする回転電機用ロータの製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1に記載の回転電機用ロータの製造方法において、
    ロータコアは、鋼板の積層体を含むことを特徴とする回転電機用ロータの製造方法。
  7. 請求項1に記載の回転電機用ロータの製造方法に使用する、ロータシャフトを構成する回転電機用シャフト素材であって、
    ロータコアを外径側に嵌合する嵌合部と、
    嵌合部の軸方向一端側に外径側に突出するように設けられた突出部と、
    嵌合部の軸方向他端側外周面に全周にわたり内径側に窪むように設けられた環状切欠とを備え、
    使用時に、冶具によりシャフト素材の環状切欠側軸方向端部に軸力を付与し、外周側に変形させることでかしめ部を形成してロータシャフトを構成することを特徴とする回転電機用シャフト素材。
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