JP2011248012A - 表示媒体用粒子およびこの表示媒体用粒子を用いた情報表示用パネル、並びに表示媒体用粒子の製造方法 - Google Patents

表示媒体用粒子およびこの表示媒体用粒子を用いた情報表示用パネル、並びに表示媒体用粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期にわたり安定に駆動ができる、外添剤を付着させた複合型の表示媒体用粒子を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に帯電を付与することによって、表示媒体を移動させて情報画像を表示する情報表示用パネルで使用される表示媒体用粒子において、粒子本体となる母粒子32と、前記母粒子の表面に固着される複数の子粒子33と、前記子粒子間の隙間を埋める大粒径の第1の外添剤粒子CA−1と、前記母粒子、前記子粒子及び前記第1の外添剤粒子の表面に付着する、前記第1の外添剤粒子より小粒径の第2の外添剤粒子CA−2とを含んでいる。
【選択図】図3

Description

本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、この表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに係る技術に関し、より詳細には表示媒体を構成する粒子(以下、表示媒体用粒子)であり、その表面に外添剤を付着させた形態の表示媒体用粒子に関する。
情報表示装置として液晶表示装置(LCD)が広く普及している。しかし、一般に液晶表示装置は電力消費量が大きく、視野角が狭いなどの欠点があることが知られていた。そこで、液晶表示装置に代わるものとして、少なくとも一方が透明な2枚の基板(例えばガラス基板)間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、このセル内に粒子群として構成した表示媒体を封入し、この表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルについて提案がある。
上記のような情報表示用パネルは、例えば基板間の表示媒体を、画像等の情報に応じて電気的に移動させることにより所期の画像等を表示するようにしている。ここでは、表示要求のあった情報に応じて、表示媒体用粒子(粒子群)が基板間の空間を繰り返し移動する。そして、移動後に改めて書き換えのための電界が印加されない間は、その状態を維持して画像等を安定して表示し続けることができるので電力消費量を抑えることができる。
上記のように情報表示用パネルで採用される表示媒体用粒子に関しては、電気特性の安定化、また流動性や帯電特性などを改善する目的で、表面に外添剤を付着させた粒子について従来から種々の検討されている。例えば、特許文献1は粒子に外添剤を付着させる表示媒体用粒子について開示する。これにより、表示媒体用粒子の帯電特性や流動性などを向上し、繰り返し表示、書き換えを行ったときの使用耐久性を改善している。
また、近年、表示媒体用粒子を母粒子と子粒子とで構成される複合型粒子についても検討されている(特許文献2など、参照)。このような複合型粒子は、母粒子の表面に多数の子粒子を固着した形態とされ、母粒子単独の形態と比較して表示媒体用粒子としての帯電性や書き換えを繰返した場合の表面耐久性などを改善できるとされている。
特開2006−64815号公報 特開2006−72283号公報
母粒子と子粒子とから成る複合型の表示媒体用粒子の外側に、前述した外添剤を更に付着することで、帯電特性、流動性、耐久性などの粒子特性を更に改善する技術を確立することが期待される。
なお、本明細書にあっては、母粒子表面に配置される子粒子は、外添剤と比較して十分に大きな粒子である。複合型粒子における母粒子の平均粒子径は例えば1〜20μm程度であり、子粒子の平均粒子径は例えば100〜1000nm程度である。そして、従来、外添剤は平均粒子径が5〜10nm程度のものが一般に用いられていた。
ナノ(nm)サイズである非常に微小な外添剤の一次粒径を計測するため、一般に用いられる方法として、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による直接観察が上げられる。TEMによる観察画像から、外添剤一次粒径を多数計測し、その平均値から一次粒径の代表値として平均粒子径を定義することができる。
上記のような状況で、複合型粒子の外側に外添剤を付着させた表示媒体用粒子を作製して、これを情報表示用パネルで採用したところ、継続的な使用で表示媒体用粒子の移動が繰返されると、外添剤が表面から不足して流動性などの機能が低下してくることが確認された。その原因として、繰返しの駆動によって外添剤が表面に多数配置された子粒子間の隙間に埋没してしまうことが確認された。このように、複合型粒子に従来の外添剤を単に付加するだけでは、外添剤の付加によって得られる改善を長期、安定的に得ることが困難であることが認められた。
よって、本発明の目的は、長期にわたり安定に駆動ができる、外添剤を付着させた複合型の表示媒体用粒子を提案することである。
上記目的は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に帯電を付与することによって、表示媒体を移動させて情報画像を表示する情報表示用パネルで使用される表示媒体用粒子において、
粒子本体となる母粒子と、前記母粒子の表面に固着される複数の子粒子と、前記子粒子間の隙間を埋める大粒径の第1の外添剤粒子と、前記母粒子、前記子粒子及び前記第1の外添剤粒子の表面に付着する、前記第1の外添剤粒子より小粒径の第2の外添剤粒子とを含んでいる、ことを特徴とする表示媒体用粒子により達成できる。
また、前記第1の外添剤粒子は平均粒子径が20nm〜50nmであり、前記第2の外添剤粒子は平均粒子径が20nm未満とするのが望ましい。
また、前記第1の外添剤粒子の平均粒子径は、前記第2の外添剤粒子の平均粒子径の3〜10倍としてもよい。
また、前記第1の外添剤粒子および前記第2の外添剤粒子は、共にシリカの微粒子とするのが望ましい。
上記のいずれかに記載の表示媒体用粒子を用いる情報表示用パネルであれば、表示性能に優れ、機能低下が少なく信頼性が高い情報表示用装置となる。
また、上記目的は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に帯電を付与することによって、表示媒体を移動させて情報画像を表示する情報表示用パネルで使用される表示媒体用粒子の製造方法であって、
粒子本体となる母粒子の表面に、複数の子粒子を配置して固着する粒子複合化工程と、
大粒径の第1の外添剤粒子で、前記子粒子間の隙間を埋める隙間埋め工程と、
前記第1の外添剤粒子より小粒径の第2の外添剤粒子を、前記母粒子、前記子粒子及び前記第1の外添剤粒子の表面に付着させる外添剤付着工程とを含む、ことを特徴とする表示媒体用粒子の製造方法によっても達成できる。
また、前記第1の外添剤粒子は平均粒子径が20nm〜50nmであり、前記第2の外添剤粒子は平均粒子径が20nm未満とするのが望ましい。
また、前記第1の外添剤粒子の平均粒子径は、前記第2の外添剤粒子の平均粒子径の3〜10倍としてもよい。
本発明による複合型の表示媒体用粒子では、大粒径の第1の外添剤粒子が子粒子間の隙間を埋めるように位置しており、その上に小粒径の第2の外添剤粒子が全体に万遍なく付着された新規な形態に形成されている。第1の外添剤粒子が子粒子間の隙間を埋めているので、小粒径である第2の外添剤粒子が子粒子に埋没することが防止される。よって、情報表示用パネルを使用し繰返して表示媒体用粒子を駆動したときに、子粒子間に外添剤が埋没することによって発生していた流動性などの機能が低下を抑制できる。このような表示媒体用粒子を採用する情報表示用パネルは、表示性能に優れ、機能低下が少なく信頼性が高い表示デバイスとして提供できる。
(a)、(b)は本発明の製造方法で作製した表示媒体用粒子を用いた一例となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの原理的構成を説明するために示した図である。 (a)、(b)は本発明の製造方法で作製した表示媒体用粒子を用いた一例となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。 本願発明に係る複合型の表示媒体用粒子について示した図であり、(a)は母粒子と子粒子からなる複合型の表示媒体用粒子の外観を模式的に示した図であり、(b)はその一部表面の様子をより詳細に示した図である。 母粒子表面の子粒子頭頂部間の様子を説明するために示した図である。
以下、本発明の一実施形態に係る表示媒体用粒子に好適な粒子の構成を、図面に基づき詳細に説明する。ここでは、本発明の理解を容易とするため、表示媒体用粒子として帯電型の粒子を採用し、この表示媒体用粒子を移動して画像等を表示する移動方式の情報表示用パネルを一例として、その概略構成を先ず説明する。
前記帯電粒子移動方式の情報表示用パネルは、対向する2枚の基板間の空間に封入した帯電性を有する母粒子およびその表面に子粒子を有する複合型の表示媒体用粒子で構成した粒子群に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体用粒子が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体用粒子が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体用粒子が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時、或いは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する表示媒体用粒子にかかる力は、電界による力、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の表示媒体用粒子を表示媒体として用いる前記情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)および図2(a)、(b)を参照して説明する。
図1(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(共通電極)とで形成する電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示をするなど、白黒ドットマトリックス表示をすることができる。
なお、図1(a)、(b)においては、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。画素(ドット)とセルとを1対1に対応させた例を示しているが、画素とセルとは対応させなくてもよい。
また、図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)とが対向直交交差に形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示をするなど、白黒のドットマトリックス表示をすることができる。
なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。画素(ドット)とセルとを1対1に対応させた例を示しているが、画素とセルとは対応させなくてもよい。
なお、上記基板1、2としては、ガラス基板、樹脂シート基板、樹脂フィルム基板等の基板を用いることができる。表示面側(観察側)とする基板2は、透明基板とする。この基板2の情報表示画面領域に、所定の電圧および極性(正・負)を有する電圧を印加するための電極(図1などで説明した、共通電極またはライン電極5)を配設する場合には透明電極とする。図1及び図2に示した情報表示用パネルを構成する基板1の表面には、マトリックス状電極対を構成するように薄膜トランジスタ(TFT)付き画素電極もしくはライン電極が形成されている。この対向電極対に電圧を印加したときに、表示媒体(粒子群)に電界が印加されることによって移動して所望の表示を行う前述の構造を実現できる。
前述した基板としては、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体の色が確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリル等の有機高分子系基板や、ガラスシート、石英シート、金属シート等を用い、表示面側にはこのうち透明なものを用いる。基板の厚みは、2〜2000μmが好ましく、さらに5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合となる。
必要に応じて、上記基板に設ける電極の形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピローラ、ポリチオフェンなどの導電性高分子類を例示でき、これらを適宜に選択して用いることができる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、金属箔をラミネートする方法(例えば圧延銅箔法)や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法を用いることができる。
視認側(表示面側)基板の情報表示画面領域に設ける電極は透明である必要があるが、情報表示画面領域外や背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmが好適である。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。
基板に設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmである。隔壁の高さは、基板間ギャップ以内で、基板用ギャップ確保用部分は基板間ギャップと同じに、それ以外のセル形成用部分は基板間ギャップと同じか、それよりも低くすることができる。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。隔壁の高さは、基板間距離に合わせるが、部分的に基板間距離よりも低くすることもできる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、その形状として例えば基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方がよく、表示状態の鮮明さを増すことができる。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法を好適に用いられる。
さらに、本発明の対象となる表示媒体用粒子について詳細に説明する。本発明の表示媒体用粒子は、図1(a)、(b)及び図2(a)、(b)の情報表示用パネルなどに適用でき、2枚の基板の間に表示媒体を構成して封入されるものである。そして、特に、本発明の表示媒体用粒子は、粒子本体となる母粒子の表面に複数の子粒子が固着された複合型粒子であり、かつ、その表面には粒径が異なる大・小の外添剤を付着させた新規な形態に形成してある。
なお、前述したように、表示媒体用粒子の流動性や帯電性などを改善するため従来から外添剤が使用されており、一般にその大きさ(粒径)は一種類、例えば粒径7〜8nm程度のものが採用されていた。この従来の外添剤粒子は、複合型粒子の子粒子と比較して極めて小さいので、子粒子同士の間に形成される隙間に埋没し易いものであった。そのため、製造初期にあっては表示媒体用粒子の表面を覆っていた外添剤粒子が、情報表示用パネルの継続使用で子粒子の隙間に埋没するので表示媒体用粒子の表面に存在すべき外添剤が不足する状態となり、先に課題で指摘した不都合を発生させていた。
上記に対して、図3は本願発明に係る複合型の表示媒体用粒子について示した図であり、図3(a)は母粒子と子粒子からなる複合型の表示媒体用粒子の外観を模式的に示した図であり、図3(b)はその一部表面の様子をより詳細に示した図である。図3(a)で示すように、複合型の表示媒体用粒子31は、母粒子32の表面に子粒子33が均一に固着された基本型の形態をなしている。ここでは子粒子33が母粒子32表面の窪み(凹部)に埋没されている場合を一例として例示しているが、これに限らず母粒子32の表面に子粒子33が確実に固着されていればその手法については特に限定はない。
そして、本願発明に係る複合型の表示媒体用粒子は、図3(b)で示すように、大粒径の第1の外添剤粒子CA−1と小粒径の第2の外添剤粒子CA−2とが、表面に付加されている。大きめの第1の外添剤粒子CA−1は、主に子粒子間の隙間を埋めることを想定した粒子である。そして、小さめの第2の外添剤粒子CA−2は、従来における外添剤と同様に、表示媒体用粒子の流動性や帯電性などを改善することを想定した粒子である。本願発明に複合型の表示媒体用粒子は、このような新規な形態とすることにより、外添剤による流動性や帯電性を改善する機能を長期、安定に維持できる。以下、更に、本願発明に係る表示媒体用粒子の各構成を順に説明する。
先ず、複合型の表示媒体用粒子の母粒子について説明する。母粒子の主成分となるベース樹脂は熱可塑性樹脂とするのが好ましく、必要に応じて、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含めることができる。以下で樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
表示媒体用粒子の母粒子は、その主成分となるベース樹脂に着色剤として顔料を含み、更に必要に応じて、荷電制御剤、無機添加剤等を含ませることができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
母粒子用のベース樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げることができる。これらを、2種以上混合してもよい。また、予め重合した樹脂を粉砕処理したものを使用してもよいし、懸濁重合で形成したもの使用してもよい。なお、懸濁重合の場合、その容易さからアクリル樹脂、アクリルフッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
また、黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の表示媒体用粒子前駆体である母粒子を作製できる。
そして、図3上記母粒子32の表面に固着される上記子粒子33としては、シリカ、などのような無機材料による微粒子を採用してもよいし、有機材料による微粒子を採用してもよい。
なお、本発明により製造される表示媒体用粒子は平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなり過ぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。ちなみに、このときの母粒子の平均粒子径は1〜20μm程度であり、子粒子100〜1000nm程度である。
さらに本発明では、各表示媒体用粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Span(スパン)を5未満、好ましくは3未満とするのが望ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
さらにまた、帯電極性が互いに異なる2種類の表示媒体用粒子を用いて構成した2種類の表示媒体を用いた情報表示用パネルでは、平均粒子径d(0.5)が大きい方の表示媒体の平均粒径と平均粒子径d(0.5)が小さい方の表示媒体の平均粒径との比を10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電極性の異なる表示媒体用粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズを同程度にし、互いの表示媒体用粒子が反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザ回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザ光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。例えば、Mastersizer2000(シスメックス(株))測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフトにて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
さらに、表示媒体用粒子で構成する表示媒体を気体中空間で駆動させる乾式の情報表示用パネルでは、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、上記図1(a)、(b)、図2(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明による表示媒体用粒子が採用される情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに、帯電粒子移動方式の情報表示用パネルでは10〜100μm、好ましくは10〜50μmに調整される。
対向する基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。なお、70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
更に、母粒子と子粒子とから複合型粒子の表面に付加される大粒径・小粒径2種類の外添剤について説明する。大粒径である第1の外添剤粒子は、子粒子間の隙間に入り込んで留まるように設計されるものであり、平均粒子径20nm〜50nmとするのが好ましく、更には平均粒子径30nm〜50nmとするのがより好ましい。粒径が小さな外添剤は凝集し易いが、粒径が20nm以上であれば、比較的効率よく子粒子間に埋め込むことできる。
そして、この第1の外添剤粒子の平均粒子径は、後述する小径である第2の外添剤粒子の平均粒子径の3〜10倍とするのが好ましい。第1の外添剤粒子は、子粒子間の隙間を埋めるために設計されるもので、第2の外添剤粒子の粒径に近い程度に小さ過ぎると嵌り込んだ子粒子間の隙間から抜け易く、また、粒径が大き過ぎると子粒子間の隙間に進入し難くなるからである。
そして、小粒径である第2の外添剤粒子は、従来の外添剤と同様に、本願発明の表示媒体用粒子の流動性や帯電性の改善を図るために付加されるもので、その平均粒子径20nm未満、より好ましくは平均粒子径(一次粒子径)が7〜8nmであるもので、その中央値から±2nmの間に重量全体の80%以上が入るものを採用するのが望ましい。
それぞれの外添剤としては、シリカを好適に採用できる。外添剤とするシリカは、例えば小粒径のものはSiClを用いた火炎法による合成、また大粒径シリカは沈降法かシリカゲルを用いた湿式法により作製が可能である。これらのシリカ外添剤は疎水処理を施しておくのが好ましい。そして、外添剤の総配合率は複合型粒子の重量の2〜10%とするのが好ましい。2%以下では十分な流動性が得られず、10%を超えると粒子から脱離するなどの不具合が顕著であるという理由から、この範囲とするのが好ましい。
上述した表面に大小2種類の外添剤が付加された複合型粒子は、粒子本体となる母粒子の表面に、複数の子粒子を配置して固着する粒子複合化工程と、大粒径の第1の外添剤粒子で、前記子粒子間の隙間を埋める隙間埋め工程と、前記第1の外添剤粒子より小粒径の第2の外添剤粒子を、前記母粒子、前記子粒子及び前記第1の外添剤粒子の表面に付着させる外添剤付着工程とを経て、製造することができる。
以下、更に、実施例に係る表示媒体用粒子を説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(複合型の負帯電粒子の製造)
1)球状母粒子としてポリプラスチック社 TOPAS:5013(COC:シクロオレフィンコポリマーポリマー)を顔料などと混錬溶融、粉砕したものを日本ニューマチック社:サフュージョン粒子表面改質装置を用いて球形化して準備し、子粒子はスチレン、ジビニルベンゼンを共重合させることにより準備した。これらをホソカワミクロン社製の粉体混合処理装置(ノビルタ)を用いて複合化処理をして、複合基本型の負帯電白色粒子A0を得た。この負帯電白色粒子A0の平均粒子径は10μmであり、用いた母粒子の平均粒子径は9.0μm、子粒子の平均粒子径は240nmであった。
このとき、SEM(Scanning Electron Microscope):走査型電子顕微鏡装置を用いて複合粒子表面の形態観察を行ったところ、子粒子間の距離(間隔)は母粒子の表面付近(埋め込み面)ではおおよそ20nm程度、そして母粒子表面より突出している部分で最も高い位置となる子粒子頭頂部間ではおおよそ260nm程度の間隔であった。このことにより図4で表されるような凹部容積が粒子表面に存在することが予想できる。
2)上記負帯電白色粒子A0に対して、従来一般な外添剤と比較して大粒径であるシリカ(SiO)による外添剤粒子(第1の外添剤粒子)CA−1をSMT社製のカーボンミキサー装置を用いて複合化粒子とともに攪拌して、上記負帯電白色粒子A0の子粒子間の隙間に埋め込む処理(隙間埋め工程)を施して負帯電白色粒子A1を得た。この負帯電白色粒子A1の表面をSEM(Scanning Electron Microscope):走査型電子顕微鏡装置で確認したところ、第1の外添剤粒子CA−1が子粒子間の隙間を埋めるように位置しているのが確認された。
3)更に、上記負帯電白色粒子A1の表面(母粒子、子粒子及び第1の外添剤粒子の表面)に、第1の外添剤粒子より小粒径であるシリカ(SiO)による第2の外添剤粒子(従来の外添剤と同程度の粒径の粒子)CA−2を付着する処理(外添剤付着工程)を施して最終的に負帯電白色粒子A2を得た。
上記負帯電白色粒子A2に用いる外添剤(シリカ(SiO))として下記「表1」で示すように負帯電白粒子用に大粒径の粒子として(20nm、30nm、40nm、50nm)を準備した。また、小粒径の粒子として従来と同様の粒径のもの(8nm)を準備し、これらを用いて複数種類の負帯電白色粒子A2を製造した。
(複合型の正帯電粒子の製造)
上記負帯電粒子に準じて子粒子に架橋メラミン樹脂粒子(日本触媒社製 エポスター 240nm)を用い、黒色顔料としてカーボンブラック(CB)(三菱化学社製:Special Black4)を用いて複合基本型の正帯電黒色粒子B0を製造した。
上記正帯電黒色粒子B0の場合は、外添剤として下記「表1」で示すように正帯電黒粒子用に大粒径の外添剤粒子として30nmを準備した。また、小粒径の外添剤粒子として、同様に従来粒径のもの(8nm)を準備して、上記同様に、正帯電黒色粒子B1を介して正帯電黒色粒子B2を製造した。
Figure 2011248012
上記表1で、白(1)は従来型の小径(8nm)である外添剤のみを用いた場合、白(2)はこれに大粒径(20nm)、白(3)はこれに大粒径(30nm)、そして、白(4)はこれに大粒径(40nm)を加えた場合である。また、白(5)はこれに大粒径(50nm)を加えた場合である。なお、いずれの粒子にも、HMDS(ヘキサメチルジンラザン)による表面疎水処理を施している。
同様に表1で、黒(1)は従来型の小径(8nm)である外添剤のみを用いた場合、黒(2)はこれに大粒径(30nm)を加えた場合である。この小径(8nm)外添剤のみの黒(1)粒子にはPDMS(ポリジメチルシロキサン)+アミノシランによる表面処理を施し、黒(2)にはHMDSによる表面処理を施している。
上記表1で示す白(1)〜白(5)のそれぞれを用いて製造した負帯電白色粒子A2と、黒(1)、(2)のそれぞれを用いて製造した正帯電黒色粒子B2を準備した。
白(1)を用いて製造した負帯電白色粒子A2と、黒(1)を用いて製造した正帯電黒色粒子B2を比較例とし、その後、組合せを順にずらして下記表2に示すように実施例1〜7について、耐久後の表示性能としてコントラスト評価をした。
Figure 2011248012
上記では負帯電白色粒子A2と正帯電黒色粒子B2とを当量混合攪拌して摩擦帯電を行い、100μmのスペ−サ−を介して配置された、一方が内側ITO処理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率30%で充填し、表示用パネルを得た。ITOガラス基板、銅基板それぞれを電源に接続し、ITOガラス基板を低電位に、銅基板を高電位となる様に直流電圧をかけると、黒色粒子は低電位極側に、白色粒子は高電位極側にそれぞれ移動する。
ここで黒色粒子は正帯電、白色粒子が負帯電であるので、ガラス基板を通して黒色の表示状態が観察され、次に印可電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に移動して、白色の表示状態が観察される。
ここでは情報表示用パネルに配置した電極間距離は40μmとして粒子充填量を5g/m、±70Vで電圧駆動における評価とした。そして、表示性能はパネル表示における黒、白表示の差異が大きいほど良性能として、光学濃度測定によって行った。光学濃度計はGretag Macbth社(独)のRD19を用いた。黒白表示性能の差の定量値として、ここではコントラストを次のように定義した。
コントラスト=10(黒濃度−白濃度)
すなわち、黒濃度と白濃度との差を指数値としてコントラスト値を得ている。このコントラスト値5以上の場合を合格(○)とした。そして、コントラスト値が5未満の場合を不合格(×)とした。
表2の結果から、情報表示用パネルで使用される表示媒体用粒子の外添剤設計において、従来と同様の粒径の外添剤に、粒径20nm〜50nmである大粒径の外添剤を追加することにより耐久後の表示性能が向上する。望ましくは上記実施例のように、白黒粒子ともに大粒径外添剤を付与するべきであるが、いずれか一方においても十分な耐久性向上が確認できている。
上記実施例では、小粒径の第1の外添剤粒子として一次粒子径が8nmであるものを用いた場合を例示したが、本発明者は他に、小粒径の第1の外添剤粒子を7nmとした場合について、同様の追試験を行って上記と同様の結果を得ている。
更には、上記では外添剤の総配合率を複合型粒子の全体の重量に対して5%とし、2種混合の本発明の場合それぞれ2.5%として合計で5%とした。
以上で説明したように、本発明による表示媒体用粒子は、大粒径の第1の粒子と小粒径の第2の粒子とによる外添剤を含んでおり、大粒径の第1の外添剤粒子は子粒子間の隙間を埋めるのに適した程度の大きさに設計されている。その一方、小粒径の第2の外添剤粒子は従来、一般に用いられていた外添剤と同程度の大きさである。すなわち、大粒径の第1の外添剤粒子は、外添剤本来の機能を果たす第2の外添剤粒子が子粒子間の隙間に入り込まないようにする防御壁機能を果たすように、その粒径が設計されたものである。そして、大・小粒径の外添剤粒子を同様に、シリカなどの素材で形成することにより新たな不都合を発生させず、粒子の流動性や帯電性を改善して、これを長期的、安定的に維持できる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明に係る複合型の表示媒体用粒子を採用する情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。他に、外部電界形成手段で表示書換えを行う表示パネルや外部表示書換え手段に接続して表示書換えを行う表示パネル(いずれも、いわゆるリライタブルペーパー)としても好適に用いられる。
なお、情報表示用パネルの駆動方式については、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動方式やスタティック駆動方式、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス駆動方式や、外部電界形成手段を用いた外部電界駆動方式など、種々のタイプの駆動方式が適用できる。
1、2 基板
3Wa、3Ba 表示媒体用粒子
3W、3B 表示媒体(粒子群)
31 複合型の表示媒体用粒子
32 母粒子
33 子粒子
CA−1 大粒径の第1の外添剤粒子
CA−2 小粒径の第2の外添剤粒子

Claims (8)

  1. 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に帯電を付与することによって、表示媒体を移動させて情報画像を表示する情報表示用パネルで使用される表示媒体用粒子において、
    粒子本体となる母粒子と、前記母粒子の表面に固着される複数の子粒子と、前記子粒子間の隙間を埋める大粒径の第1の外添剤粒子と、前記母粒子、前記子粒子及び前記第1の外添剤粒子の表面に付着する、前記第1の外添剤粒子より小粒径の第2の外添剤粒子とを含んでいる、ことを特徴とする表示媒体用粒子。
  2. 前記第1の外添剤粒子は平均粒子径が20nm〜50nmであり、前記第2の外添剤粒子は平均粒子径が20nm未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の表示媒体用粒子。
  3. 前記第1の外添剤粒子の平均粒子径は、前記第2の外添剤粒子の平均粒子径の3〜10倍である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示媒体用粒子。
  4. 前記第1の外添剤粒子および前記第2の外添剤粒子は、共にシリカの微粒子である、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表示媒体用粒子。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の表示媒体用粒子を用いたことを特徴とする情報表示用パネル。
  6. 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に帯電を付与することによって、表示媒体を移動させて情報画像を表示する情報表示用パネルで使用される表示媒体用粒子の製造方法であって、
    粒子本体となる母粒子の表面に、複数の子粒子を配置して固着する粒子複合化工程と、
    大粒径の第1の外添剤粒子で、前記子粒子間の隙間を埋める隙間埋め工程と、
    前記第1の外添剤粒子より小粒径の第2の外添剤粒子を、前記母粒子、前記子粒子及び前記第1の外添剤粒子の表面に付着させる外添剤付着工程とを含む、ことを特徴とする表示媒体用粒子の製造方法。
  7. 前記第1の外添剤粒子は平均粒子径が20nm〜50nmであり、前記第2の外添剤粒子は平均粒子径が20nm未満である、ことを特徴とする請求項6に記載の表示媒体用粒子の製造方法。
  8. 前記第1の外添剤粒子の平均粒子径は、前記第2の外添剤粒子の平均粒子径の3〜10倍である、ことを特徴とする請求項6または7に記載の表示媒体用粒子の製造方法。
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