JP2011225412A - 多孔質石英ガラス母材の製造装置及び製造方法 - Google Patents

多孔質石英ガラス母材の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多孔質石英ガラスを合成する反応炉から塩化水素ガス等のガスが漏れるのを防止し、かつ反応炉の外部から異物が侵入することを防ぐことの可能な多孔質石英ガラス母材の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】給排気装置10は、清浄なガスを給排気装置10の内部に供給するための給気用管路11と、反応炉101から給排気装置10内部に漏れ出たガスを排気するための排気用管路9とを有し、給排気装置10の上面に配設された開口部7とこの開口部7に貫通された種棒108との間に形成された隙間17から外部に向けて上昇気流が吐出されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は多孔質石英ガラス母材の製造装置及び製造方法に係わり、特に多孔質石英ガラスを合成する反応炉から塩化水素ガス等のガスが漏れるのを防止し、かつ反応炉の外部から異物が侵入することを防ぐことの可能な多孔質石英ガラス母材の製造装置及び製造方法に関する。
なお、本明細書における石英ガラス母材とは、石英、すなわち、SiO2のみで構成されるガラス母材以外に、TiO2のようなドーパントを含む石英ガラス母材も包含する。
従来、石英ガラスを製造する方法の一つとして、気相反応により多孔質石英ガラス母材を形成し、この多孔質石英ガラス母材を加熱してガラス化する方法が知られている。例えば、レンズ、プリズム、その他の各種光学材料などを形成するために用いる多孔質石英ガラス母材の製造については、VAD法(Vapor-phase Axial Deposition;気相軸付け法)とよばれる方法が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
このVAD法は、図6に示すように、反応炉101内で鉛直に垂下した出発部材である石英ガラス製の棒状の部材(以下、種棒108という)の下端部に向けて、四塩化珪素(SiCl4)等の原料ガスや、水素、酸素などの燃料ガスなどをバーナ107から供給して酸水素炎中で加水分解させ、生成したシリカ微粒子(SiO2)を種棒108の下端部に付着・堆積させることにより、多孔質石英ガラス母材110を形成する。次に、この多孔質石英ガラス母材110を加熱炉に移し入れ、ヒータで加熱して焼結することにより、透明ガラス化させるものである。
このような方法で多孔質石英ガラス母材を製造する際には、火炎加水分解反応、つまり
2H2+O2→2H2
2H2O+SiCl4→SiO2+4HCl
により、ガラス原料として必要なシリカ微粒子とともに、不要な塩化水素ガス(HCl)も生成される。
このため、多孔質石英ガラス母材110を形成する反応炉101のほかに洗浄塔102を設け、反応炉101内に発生する塩化水素ガスなどは、メイン排気管103を介して洗浄塔102へ送り込み、この洗浄塔102内で上部からシャワー状に水を散布させて塩酸111を生成した後、外部に排水させる、といった除去方法が行なわれている。
また、この洗浄塔102には、メイン排気管103から洗浄塔102へ流れる塩化水素ガス等のガスの排出量を調整するため、排気管104、バルブ105及び排気ファン106を設けており、バルブ105の開度を調整することによりガス排出量を調整する。
特開2006−219309号公報
ところで、反応炉101の上部112には、種棒108が通されるための開口部113が設けられているが、この種棒108は加水分解中に回転させつつ上下させる必要があるため、この開口部113には種棒108との間に余裕となる一定の隙間115が形成されている。
リソグラフィ用光学部材やレーザ用窓材等の用途で例えば50kg以上の大重量となる多孔質石英ガラス母材110を形成する場合、母材の収率を上げるためメイン排気管103から排気する塩化水素ガス等のガス吸引圧力を50Pa程度の低い圧としている。このため、少量ではあるが、隙間115から塩化水素ガス等が反応炉101の外に漏れ出る恐れがあった。
また、反応炉101外部の空気中に浮遊している異物がこの隙間115から侵入し、多孔質石英ガラス母材110を加熱透明化した後に生ずる内部欠点の原因となる恐れもあった。特に得られる石英ガラス材料(或いはドープされた石英ガラス材料)がリソグラフィ用レンズ材料やミラー材料、高出力レーザー用窓材のような光学部材を用途とする場合には内部欠点は厳密に排除されるべきである。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、多孔質石英ガラスを合成する反応炉から塩化水素ガス等のガスが漏れるのを防止し、かつ反応炉の外部から異物が侵入することを防ぐことの可能な多孔質石英ガラス母材の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
このため本発明(請求項1)は、種棒に多孔質石英ガラス母材を生成する反応炉と、該反応炉の前記多孔質石英ガラス母材を懸架する棒が貫通する開口部に取り付けられた給排気装置とを備えた多孔質石英ガラス母材の製造装置であって、該給排気装置は、清浄なガスを該給排気装置内部に供給するための給気用管路と、前記反応炉から該給排気装置内部に漏れ出たガスを排気するための排気用管路とを有し、該給排気装置上面に配設された開口部と該開口部に貫通された種棒との間に形成された隙間から外部に向けて上昇気流が吐出されることを特徴とする。
給気用管路から供給された清浄なガスは、給排気装置上面に配設された開口部とこの開口部に貫通された種棒との間に形成された隙間から外部に向けて上昇気流となって吐出する。このことにより、異物は上昇気流に邪魔され外部から侵入し難くなる。
また、反応炉より漏れてきた塩化水素ガス等は排気用管路を通じて外部へと吸引される。このことにより、周囲環境が汚染されることは無くなる。
なお、本発明は、好ましくは50kg以上、より好ましくは100kg、さらに好ましくは150kg以上の大重量となる多孔質石英ガラス母材の製造に好適に用いられる。
また、本発明(請求項2)である多孔質石英ガラス母材の製造装置は、前記隙間における上昇気流速が0.1[m/s]〜22[m/s]の範囲であることを特徴とする。
異物の侵入を防ぐためには、隙間より外部に向けて吐出される清浄なガスの吐出量(平均流速)は大きければ大きい程よい。しかしながら、清浄なガスを多く給排気装置内に供給することにより、反応炉側にもこの清浄なガスが多く漏れるようになると反応炉内に冷たいガスが入ることになりガラスの安定合成が阻害されることになる。このため、上昇気流速は、0.1[m/s]〜22[m/s]の範囲であることが望ましい。
更に、本発明(請求項3)である多孔質石英ガラス母材の製造装置は、前記給気用管路の取り付け位置が前記排気用管路の取り付け位置よりも上側であることを特徴とする。
給気用管路の取り付け位置が排気用管路の取り付け位置よりも上側であることにより、給排気装置上面に配設された開口部とこの開口部に貫通された種棒との間に形成された隙間から外部に向けて上昇気流が流れやすい。また、反応炉より漏れてきた塩化水素ガス等も直ちに排気用管路を通じて外部へと吸引され易い。
更に、本発明(請求項4)である多孔質石英ガラス母材の製造装置は、前記反応炉には該反応炉内で生じたガスの排気を行うためのメイン排気管が接続され、反応炉内用の総投入原料ガス流量を基準値1としたときの前記メイン排気管におけるガス吐出流量:前記上昇気流の吐出流量:前記給気用管路を流れる吸入流量:前記排気用管路を流れる吐出流量:前記給排気装置から反応炉に流れる流量の各ガス流入流出口における流量比が、0.8〜1.2:0.45〜2.5:0.5〜2.5:0.1〜0.35:−0.1〜0.1の範囲であることを特徴とする。
この範囲に選択されることで、上昇気流による異物進入防止の効果と塩化水素ガス等の除去効果のバランスがよく保てる。
更に、本発明(請求項5)である多孔質石英ガラス母材の製造装置は、前記給気用管路から供給されたガスが一旦蓄積されるバッファ室を備え、該バッファ室に前記ガスが吐出されるスリットの形成されたことを特徴とする。
清浄なガスをバッファ室に一旦蓄積した後にスリットから吐出することで、均一なガスの吐出を行うことができる。
更に、本発明(請求項6)である多孔質石英ガラス母材の製造装置は、前記給排気装置に供給される清浄なガスは、米国連邦規格におけるクリーンクラスでクラス10000以下であることを特徴とする。
更に、本発明(請求項7)は、反応炉内の酸水素炎中で少なくとも珪素化合物を加水分解して生成したシリカ系微粒子を種棒に付着させて堆積させることで多孔質石英ガラス母材を生成する多孔質石英ガラス母材の製造方法であって、該反応炉の前記多孔質石英ガラス母材の取り出し口に取り付けられた給排気装置に対し給気を行うことで外部より異物が前記反応炉内に進入しないように前記種棒との間に形成された給排気装置の隙間から外部に向けて上昇気流を吐出させつつ前記給排気装置から排気を行うことで反応炉から漏れたガスを該給排気装置より排出することを特徴とする。
以上説明したように本発明(請求項1)によれば、清浄なガスを給排気装置内部に供給するための給気用管路と、反応炉から給排気装置内部に漏れ出たガスを排気するための排気用管路とを備え、給排気装置上面に配設された開口部とこの開口部に貫通された種棒との間に形成された隙間から外部に向けて上昇気流が吐出されるように構成したので、異物は上昇気流に邪魔され外部から侵入し難くなる。
また、反応炉より漏れてきた塩化水素ガス等は排気用管路を通じて外部へと吸引される。このことにより、周囲環境が汚染されることは無くなる。
本発明の実施形態の構成図(実施例1の縦断面図、底面図) 実施例2の縦断面図 比較例1の縦断面図 比較例2の縦断面図 上昇気流速Ugas-upwardと侵入異物粒子の停止距離Sの関係を示す図 石英ガラス製造装置の例
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態の構成図を図1に示す。図1(A)には本発明の実施形態である給排気装置の縦断面図を示し、図1(B)には底面図を示す。なお、図6と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図1において、反応炉101の上部には給排気装置10が取り付けられている。給排気装置10は反応炉101に対しボルト等の固定部材で着脱自在とされているが、一体化されてもよい。給排気装置10のケース底面1は中空円板状に形成されている。そして、この給排気装置10は、ケース底面1の外周縁より円筒状に立設されたケース側壁3と、ケース底面1の内周縁より円筒状に所定高さ分突設されたケース内壁1Aとを備えている。
ケース側壁3の上端には中空円板状のケース上面5が形成されている。ケース上面5の内側には開口部7が設けられている。ケース側壁3の下部外周には管路9が周状に2個突設されている。また、ケース側壁3のほぼ中段には管路11が周状に2個突設されている。管路11の取り付け箇所のケース側壁3内側には断面長方形状のバッファ室13が周状に配設されている。このバッファ室13のバッファ室底面13Bは中空円板状に形成されている。
そして、このバッファ室底面13Bの内周縁よりバッファ室内壁13Aが円筒状に所定高さ分立設され、かつ、このバッファ室内壁13Aの上端にはバッファ室上面13Cが形成されている。バッファ室上面13Cにはスリット15が周状に設けられている。
開口部7、バッファ室内壁13A及びケース内壁1Aの内径はほぼ同一径であり、種棒108はこれら開口部7、バッファ室内壁13A及びケース内壁1Aの内側を貫通されるようになっている。種棒108とケース上面5の間、種棒108とバッファ室内壁13Aの間及び種棒108とケース内壁1Aの間には、それぞれ隙間17、隙間19、隙間21が形成されている。
また、バッファ室底面13Bとケース内壁1Aの間には、隙間23が周状に形成されている。給排気装置10は設置や取り外しを容易にするために縦に2分割可能なように仕切り壁25がケース底面1とケース上面5間に立設されている。しかしながら、この仕切り壁25は必ずしも必要なものではなく、また、2分割されないように構成されてもよい。更に、管路9及び管路11は説明を簡略化するため2個としたが、周状に見てどの位置でも圧力やガス流量を均一化するためそれぞれ周状に複数個ずつ配設されるのが望ましい。
更に、バッファ室は必ずしもケース側壁3の内側である必要はなく、ケース側壁3の外側に突設させた状態で取り付けてもよい。この場合、管路11端部はこのバッファ室に対し直接取り付けられる(図示略)。また、この場合、スリットはバッファ室上面ではなくケース側壁3に対し周状に形成される。
なお、前述の説明では、バッファ室上面13Cにはスリット15が周状に設けられているとして説明したが、スリットは必ずしも周状に連続して通孔が設けられる必要は無く、複数箇所に分散して配設されるようにしてもよい。
本発明の実施例1では、図1に示す通り、管路9には図示しない排気装置が接続され反応炉101上部より漏れてきた塩化水素ガス等が外部に排気されるようになっている。一方、管路11には図示しない給気装置が接続され外部から清浄な例えば窒素ガスが給気されるようになっている。このときの給排気装置10内の気流の様子(概念)を図1中に点線で示す。清浄なガスとは、フィルタや集塵機等を通すことによって、米国規格におけるクリーン度がクラス10000以下となったガスを意味する。
反応炉101上部より漏れてきた塩化水素ガス等はケース内壁1Aの内側の隙間21及び隙間23を通り、排気装置により外部へと吸引される。一方、管路11からは窒素ガスが給気され、この窒素ガスはバッファ室13内に一旦貯留された後、スリット15を通って給排気装置10のケース内部に吐出される。スリット15から吐出された窒素ガスは上方と下方の2方向に分離され、この内上方に向かった窒素ガスは隙間17より外部に向けて吐出される。
このことにより、異物は外部から侵入し難くなる。一方、下方に向かった窒素ガスは隙間19及び隙間23を通り、管路9を通じて塩化水素ガス等と共に排気装置により外部へと吸引される。このことにより、周囲環境が汚染されることは無くなる。なお、異物の侵入を防ぐためには、隙間17より外部に向けて吐出される窒素ガスの吐出量(平均流速)は大きければ大きい程よい。
一方、反応炉101からの塩化水素ガス等の漏れを防ぐためには、隙間21を上方に向けて流れる侵入ガス量(平均流速)が小さい程よい。
反応炉101内に投入される原料ガスの総投入原料ガス流量を基準値1としたときのメイン排気管103におけるガス吐出流量:上昇気流の吐出流量:給気用管路11を流れる吸入流量:排気用管路9を流れる吐出流量:給排気装置10から隙間21を通じて反応炉101に流れる流量の各ガス流入流出口における流量比は、好ましくは、0.8〜1.2:0.45〜2.5:0.5〜2.5:0.1〜0.35:−0.1〜0.1、より好ましくは、0.9〜1.1:0.45〜2.5:0.5〜2.5:0.1〜0.35:−0.05〜0.05、さらに好ましくは0.95〜1.05:0.45〜2.5:0.5〜2.5:0.1〜0.35:0〜0.05の範囲である。
本発明の実施例2では、図2に示す通り、給排気装置10の縦断面図は実施例1のものと変わらない。但し、給気、排気の位置が実施例1のものと異なる。管路9には図示しない給気装置が接続され外部から清浄な例えば窒素ガスが給気されるようになっている。一方、管路11には図示しない排気装置が接続され反応炉101上部より漏れてきた塩化水素ガス等が外部に排気されるようになっている。このときの給排気装置10内の気流の様子(概念)を図2中に点線で示す。
管路9からは窒素ガスが給排気装置10のケース内部に給気される。この給気された窒素ガスは一部が隙間23及び隙間21を通じて反応炉101内に侵入するが、その多くは反応炉101より気圧の低い管路11方向に向けて隙間23、隙間19及びスリット15を通じて流れる。この隙間21を通じて反応炉101内に侵入する窒素ガスにより塩化水素ガス等は上方より漏れ難くなる。一方で、この窒素ガスの流入により反応炉101内に冷たいガスが入ることになりガラスの安定合成が阻害される。この反応炉101内に進入する窒素ガスの流量は小さい程望ましい。
また、塩化水素ガス等が反応炉101より漏れた場合であっても隙間19及びスリット15を通じて流れる窒素ガスにより運ばれ管路11から排気される。更に、隙間23、隙間19を通過した窒素ガスの内の一部はそのまままっすぐ上に昇り隙間17を通って外部へと吐出される。このため、異物の侵入を防ぐことができる。
[比較例1]
図3に本発明の比較例1の縦断面図を示す。比較例1(給気のみ)は実施例1のものから管路9(即ち、排気)を除いたものである。図3に示す通り、管路11より給気された窒素ガスは、スリット15を通り、一部はそのまま上昇して隙間17より外部へと吐出される。また、残りは隙間19及び隙間21を通じて下降して反応炉101内に侵入する。
[比較例2]
図4に本発明の比較例2の縦断面図を示す。比較例2(排気のみ)は実施例1のものから管路11(即ち、給気)を除いたものである。図4に示す通り、管路9より排気されることで塩化水素ガス等が反応炉101より吸引され、また、隙間17からも外部の空気が吸入される。
次に、実施例1、2、比較例1、2についてシミュレーションした結果を説明する。
Figure 2011225412
表1中の符号は、◎印が良好な結果を意味し、×印が好ましくない結果を意味する。△印は良好とは言えないが、使用することは可能である程度であることを意味する。
表1のシミュレーション結果リストにおいて、1秒当たりガス流量(質量)は、実施例1の場合、管路11付近における給気が6.1[g/s]、管路9付近における排気が1.1[g/s]である。そして、このとき、開口部7付近における塩化水素ガスの濃度は0.002[ppm]であり、塩化水素ガスは十分に除去できていることが分かる。また、隙間17における上昇気流速は1.45[m/s]で大きく、異物の侵入を防ぐのに十分な速度である。
更に、隙間21における流速は+0.02[m/s]であり小さいため、反応炉101内への窒素ガスの侵入を防ぎ、かつ反応炉101内から漏れた塩化水素ガスを排気できる。ここに、+の符号は、反応炉101側より給排気装置10に向けてガスが侵入することを意味し、これとは逆に、−の符号は、給排気装置10側より反応炉101に向けてガスが流れ出ることを意味する。
次に、実施例2の場合には、実施例1とは逆に管路11付近における排気が1.1[g/s]、管路9付近における給気が6.1[g/s]である。そして、このとき、開口部7付近における塩化水素ガスの濃度は0.0004[ppm]であり、塩化水素ガスは十分に除去できていることが分かる。また、隙間17における上昇気流速は1.60[m/s]で実施例1とほぼ同等であり、異物の侵入を防ぐのに十分な速度である。
しかしながら、このときに、隙間21における流速は−0.35[m/s]であり、給排気装置10側より反応炉101に向けてガスが流れ出るため、塩化水素ガスが上方に上昇するのをほぼ完全に防止できる一方で、反応炉101内に冷たい窒素ガスがわずかではあるが侵入してしまう。この侵入は実用上の許容範囲内ではあるがこの意味で実施例1の方がより一層優れている。
次に、比較例1の場合、管路11付近における給気が実施例1の場合と同じ6.1[g/s]であるが、排気は無い。そして、このとき、開口部7付近における塩化水素ガスの濃度は500[ppm]と高く、塩化水素ガスは隙間17を通じて外部に漏れ出てしまっていることが分かる。
また、隙間17における上昇気流速は1.61[m/s]であり、異物の侵入を防ぐのに十分な速度である。しかしながら、隙間21における流速は−0.28[m/s]と大きく、給排気装置10側より反応炉101に向けて窒素ガスが大量に流れ出てしまっている。従って、反応炉101内に冷たいガスが入ることになりガラスの安定合成が阻害される。従って、比較例1は好ましくない。
次に、比較例2の場合、管路9付近における排気が実施例1の場合と同じ1.1[g/s]であるが、給気は無い。そして、このとき、開口部7付近における塩化水素ガスの濃度は100000[ppm]と極めて高く、塩化水素ガスは隙間17を通じて外部に漏れ出てしまっていることが分かる。
このように塩化水素ガスの濃度が高くなったのは、反応炉101内で熱せられた空気は上昇するため、塩化水素ガスも浮力で上昇し管路9では吸いきれず、隙間17から大量に漏れたと推定される。また、隙間17における上昇気流速は0.23[m/s]と小さく、異物の侵入を防ぐのに十分な速度とは言えない。更に、隙間21における流速は+0.56[m/s]と大きく、反応炉101側より給排気装置10に向けてガスが大量に侵入する。このため、塩化水素ガスも共に給排気装置10側に侵入し易い。従って、比較例2も好ましくない。
上述のように、外部からの異物の侵入防止のため、隙間17において所定の上昇気流速が必要であるが、どの程度の上昇気流速が必要かを以下で計算する。まず、異物として金属系と非金属系の2種類を選定し、表2にその諸元を示す。
Figure 2011225412
次に、初期下向き最大速度Uini-maxを有する異物粒子が、所定の停止距離L内に完全に速度がゼロまで減速するのに必要とする上昇気流速Ugas-upwardを計算する。
任意異物粒子が給排気装置10上方に至る時点に持つ初期下向き最大速度Uini-maxは、数1の通りに算出可能であり、侵入異物粒子の停止距離Sは数2のように算出可能である。
Figure 2011225412
Figure 2011225412
なお、各変数の定義は表3の通りである。
Figure 2011225412
上昇気流速Ugas-upwardと侵入異物粒子の停止距離Sの関係を図5に示す。
数2中、Lは給気で確保できる上昇気流の縦方向長であり給排気装置10に依存した寸法である。侵入異物粒子の停止距離Sはこの寸法長L以下となることが必要である。
この演算結果として、金属系と非金属系の異物が隙間17から進入するのを防止するために必要な上昇気流速Ugas-upwardは、0.1[m/s]〜22[m/s]の範囲であり、望ましくは1[m/s]〜10[m/s]、より望ましくは1.4[m/s]〜5[m/s]の範囲であり、最も望ましくは1.4[m/s]〜2[m/s]の範囲である。なお、この範囲を規定するに際しては、一番大きくかつ重い異物粒子に対応する最大流速及び一番小さくかつ軽い異物粒子に対応する最小流速を算出した。
1 ケース底面
3 ケース側壁
5 ケース上面
7 開口部
9、11 管路
10 給排気装置
13 バッファ室
15 スリット
17、19、21、23 隙間
25 仕切り壁
101 反応炉
108 種棒
110 多孔質石英ガラス母材

Claims (7)

  1. 種棒に多孔質石英ガラス母材を生成する反応炉と、
    該反応炉の前記多孔質石英ガラス母材を懸架する棒が貫通する開口部に取り付けられた給排気装置とを備えた多孔質石英ガラス系母材の製造装置であって、
    該給排気装置は、
    清浄なガスを該給排気装置内部に供給するための給気用管路と、
    前記反応炉から該給排気装置内部に漏れ出たガスを排気するための排気用管路とを有し、
    該給排気装置上面に配設された開口部と該開口部に貫通された種棒との間に形成された隙間から外部に向けて上昇気流が吐出されることを特徴とする多孔質石英ガラス母材の製造装置。
  2. 前記隙間における上昇気流速が0.1[m/s]〜22[m/s]の範囲であることを特徴とする請求項1記載の多孔質石英ガラス母材の製造装置。
  3. 前記給気用管路の取り付け位置が前記排気用管路の取り付け位置よりも上側であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の多孔質石英ガラス母材の製造装置。
  4. 前記反応炉には該反応炉内で生じたガスの排気を行うためのメイン排気管が接続され、
    反応炉内用の総投入原料ガス流量を基準値1としたときの前記メイン排気管におけるガス吐出流量:前記上昇気流の吐出流量:前記給気用管路を流れる吸入流量:前記排気用管路を流れる吐出流量:前記給排気装置から反応炉に流れる流量の各ガス流入流出口における流量比が、0.8〜1.2:0.45〜2.5:0.5〜2.5:0.1〜0.35:−0.1〜0.1の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質石英ガラス母材の製造装置。
  5. 前記給気用管路から供給されたガスが一旦蓄積されるバッファ室を備え、
    該バッファ室に前記ガスが吐出されるスリットの形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質石英ガラス母材の製造装置。
  6. 前記給排気装置に供給される清浄なガスは、米国連邦規格におけるクリーンクラスでクラス10000以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多孔質石英ガラス母材の製造装置。
  7. 反応炉内の酸水素炎中で少なくとも珪素化合物を加水分解して生成したシリカ系微粒子を種棒に付着させて堆積させることで多孔質石英ガラス母材を生成する多孔質石英ガラス母材の製造方法であって、
    該反応炉の前記多孔質石英ガラス母材の取り出し口に取り付けられた給排気装置に対し給気を行うことで外部より異物が前記反応炉内に進入しないように前記種棒との間に形成された給排気装置の隙間から外部に向けて上昇気流を吐出させつつ前記給排気装置から排気を行うことで反応炉から漏れたガスを該給排気装置より排出することを特徴とする多孔質石英ガラス母材の製造方法。
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