JP2011208820A - 調理器用トッププレート - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化チタンを含む透明結晶化ガラス基板と、透明結晶化ガラス基板の裏面に形成されている反射膜とを備え、美観性に優れた調理器用トッププレートを提供する。
【解決手段】調理器用トッププレート1は、酸化チタンを含む透明結晶化ガラス基板2と、透明結晶化ガラス基板2の裏面に形成されており、可視波長域における少なくとも一部の波長域の光を反射させる反射膜4とを備えている。調理器用トッププレート1は、透明結晶化ガラス基板2と反射膜4との間に形成されており、可視波長域において、波長が長くなるに従って光透過率が漸減する色調補正膜3をさらに備えている。反射膜4と色調補正膜3とは、可視波長域において、色調補正膜3と透明結晶化ガラス基板2との間の界面における平均光反射率が、色調補正膜3と反射膜4との間の界面における平均光反射率よりも低くなるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、調理器用トッププレートに関する。特には、本発明は、酸化チタンを含む透明結晶化ガラス基板と、透明結晶化ガラス基板の裏面に形成されている反射膜とを備える調理器用トッププレートに関する。
電磁加熱(IH:Induction Heating)調理器や赤外線加熱調理器に用いられる調理器用トッププレートとしては、低熱膨張であるガラス基板やセラミックス基板等が用いられている。また、ガス調理器においても、美観性や清掃性が優れていることから、低熱膨張のガラス基板やセラミックス基板等が用いられるようになっている。
これらの低熱膨張の基板を用いた調理器用トッププレートには、調理器の内部に配置されている温度センサーなどの部品を視覚的に隠蔽するため、可視光域における光透過率が低いことが求められている。これに鑑み、可視光域における光透過率が低い調理器用トッププレートとして、例えば下記の特許文献1には、低膨張透明結晶化ガラス基板の裏面上に光沢層と遮光層とが形成されている調理器用トッププレートが開示されている。ここで、光沢層と遮光層とは、調理器用トッププレートの美観を向上するために設けられたものであり、光沢層及び遮光層の色調は、通常、調理器用トッププレートにおいて光沢層及び遮光層の色調が現れたときに最も美観性が高くなるように設計されている。例えば、シルバー調の色調を有する調理器用トッププレートを得たい場合は、光沢層及び遮光層の色調がシルバー調となるように、光沢層と遮光層とが設計される。白色の調理器用トッププレートを得たい場合は、光沢層及び遮光層の色調が白色となるように、光沢層と遮光層とが設計される。
特開2004−193050号公報
ところで、低膨張透明結晶化ガラス基板としては、現在、酸化チタンを核形成剤とした透明結晶化ガラス基板が一般的に使用されている。この透明結晶化ガラス基板は、酸化チタンを含むため、可視波長域の短波長側の部分の光透過率が低く、可視波長域において、透明結晶化ガラス基板の光透過率は、波長が長くなるに従って漸増する。従って、酸化チタンを含む透明結晶化ガラス基板は、黄色系の色調を有する。
よって、この酸化チタンを含む透明結晶化ガラス基板の裏面に遮光膜を形成した調理器用トッププレートでは、色調が遮光膜の色調よりも黄色側にシフトしてしまう。このため、調理器用トッププレートの色調が、所望の色調からずれてしまい、調理器用トッププレートの美観性が悪くなるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、酸化チタンを含む透明結晶化ガラス基板と、透明結晶化ガラス基板の裏面に形成されている反射膜とを備える調理器用トッププレートであって、美観性に優れた調理器用トッププレートを提供することにある。
本発明に係る調理器用トッププレートは、酸化チタンを含む透明結晶化ガラス基板と、透明結晶化ガラス基板の裏面に形成されている反射膜とを備えている。反射膜は、可視波長域における少なくとも一部の波長域の光を反射させる。本発明に係る調理器用トッププレートは、透明結晶化ガラス基板と反射膜との間に形成されており、可視波長域において、波長が長くなるに従って光透過率が漸減する色調補正膜をさらに備えている。反射膜と色調補正膜とは、可視波長域において、色調補正膜と透明結晶化ガラス基板との間の界面における平均光反射率が、色調補正膜と反射膜との間の界面における平均光反射率よりも低くなるように構成されている。このため、本発明においては、可視波長域において、色調補正膜と透明結晶化ガラス基板との間の界面における反射光が弱く、色調補正膜と透明結晶化ガラス基板との間の界面における反射光と、色調補正膜と反射膜との間の界面における反射光との干渉光の発生が抑制されている。
ここで、通常、酸化チタンを含む透明結晶化ガラス基板の可視光域における光透過率は、波長が長くなるに従って漸増する。このため、本発明に従い、酸化チタンを含む透明結晶化ガラス基板と反射膜との間に、可視波長域において、波長が長くなるに従って光透過率が漸減する色調補正膜を形成することにより、透明結晶化ガラス基板と色調補正膜とを透過した光透過率の可視波長域における波長依存性を低減することができる。従って、調理器用トッププレートの色調を反射膜の色調と近づけることができる。その結果、美観性に優れた調理器用トッププレートを実現することができる。
なお、本発明において、透明結晶化ガラス基板に含まれる酸化チタンは、核形成剤として含まれているものであってもよい。
本発明において、「透明結晶化ガラス基板」とは、可視波長域における平均光透過率が50%以上である結晶化ガラス基板である。
本発明において、「可視波長域」は、400nm〜750nmである。「可視光」とは、上記可視波長域に属する波長の光である。
本発明に係る調理器用トッププレートは、例えば、電磁加熱(IH:Induction Heating)調理器や、赤外線加熱調理器、ガス調理器などの種々の調理器に対して好適に用いられる物である。本発明に係る調理器用トッププレートが使用される調理器の種類は、特に限定されない。
本発明において、色調補正膜は、可視波長域において、透明結晶化ガラス基板の光透過率と、色調補正膜の光透過率とを乗算して得られる値が一定となるように構成されていることが好ましい。すなわち、透明結晶化ガラス基板の色調と、色調補正膜の色調とが補色関係にあることが好ましい。この場合、調理器用トッププレートの色調を反射膜の色調とより近づけることができる。その結果、より美観性に優れた調理器用トッププレートを実現することができる。
なお、「可視波長域において、透明結晶化ガラス基板の光透過率と、色調補正膜の光透過率とを乗算して得られる値が一定」とは、可視波長域における、透明結晶化ガラス基板及び色調補正膜全体の光透過率の最大値及び最小値と、可視波長域における、透明結晶化ガラス基板及び色調補正膜全体の平均光透過率との差の絶対値が1.0%以下であることをいう。
本発明において、色調補正膜の構成は、波長が長くなるに従って光透過率が漸減するような構成である限りにおいて特に限定されない。色調補正膜は、例えば、相対的に屈折率が低い低屈折率膜と、相対的に屈折率が高い高屈折率膜とが交互に積層された積層膜により構成することができる。その場合、低屈折率膜は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物により形成することができる。一方、高屈折率膜は、例えば、Ti,Zr,Nb,W及びTaからなる群から選ばれた一種以上の酸化物または窒化物により形成することができる。
本発明において、反射膜は、Ti、Nb及びSiからなる群から選ばれた金属、またはTi、Nb及びSiからなる群から選ばれた一種以上の金属を含む合金からなるものであってもよい。例えば、Tiなどからなるシルバー調の反射膜を形成することによって、美観に優れたシルバー調の調理器用トッププレートを得ることができる。
本発明において、色調補正膜は、可視波長域において、色調補正膜と透明結晶化ガラス基板との間の界面における平均光反射率が20%以下となるように構成されていることが好ましい。この場合、調理器用トッププレートの色調を反射膜の色調とさらに近づけることができる。その結果、さらに美観性に優れた調理器用トッププレートを実現することができる。
本発明によれば、酸化チタンを含む透明結晶化ガラス基板と、透明結晶化ガラス基板の裏面に形成されている反射膜とを備える調理器用トッププレートであって、美観性に優れた調理器用トッププレートを提供することができる。
本発明を実施した一実施形態に係る調理器用トッププレートの略図的断面図である。 本発明を実施した一実施形態に係る調理器用トッププレートの一部分を拡大した略図的断面図である。 実施例における調理器用トッププレートにおける、透明結晶化ガラス基板の光透過率と、色調補正膜の光透過率と、透明結晶化ガラス基板及び色調補正膜全体の光透過率とを表すグラフである。
図1は、本発明を実施した一実施形態に係る調理器用トッププレートの略図的断面図である。図2は、本発明を実施した一実施形態に係る調理器用トッププレートの一部分を拡大した略図的断面図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態について、図1に示す調理器用トッププレート1を例に挙げて説明する。但し、調理器用トッププレート1は、単なる例示である。本発明に係る調理器用トッププレートは、調理器用トッププレート1に何ら限定されない。
図1に示すように、調理器用トッププレート1は、透明結晶化ガラス基板2を備えている。透明結晶化ガラス基板2の一方側の主面2aが、調理器が配置される調理面である。
透明結晶化ガラス基板2は、TiOなどの酸化チタンを含んでいる。すなわち、透明結晶化ガラス基板2は、チタン原子を含んでいる。具体的には、本実施形態では、透明結晶化ガラス基板2は、核形成剤として酸化チタンを含んでいる。すなわち、透明結晶化ガラス基板2に含まれている酸化チタンの少なくとも一部は、結晶化していないガラス基板(結晶性ガラス基板)を結晶化させて透明結晶化ガラス基板2を作製する際に、透明結晶化ガラス基板2に析出している結晶の核形成剤となったものである。
このように、透明結晶化ガラス基板2は、酸化チタンを含んでいるため、可視波長域の短波長側部分における透過率が低い。また、透明結晶化ガラス基板2の可視波長域における光透過率は、波長が長くなるに従って漸増する。具体的には、透明結晶化ガラス基板2のλT5は、350nm〜360nm程度であり、透明結晶化ガラス基板2のλT80は、450nm〜470nm程度である。ここで、λT5とは、透明結晶化ガラス基板2の可視波長域における光透過率の最大値の5%以上である波長域の最小値である。ここで、λT80とは、透明結晶化ガラス基板2の可視波長域における光透過率の最大値の80%以上である波長域の最小値である。
透明結晶化ガラス基板2における酸化チタンの含有量は、特に限定されないが、例えば、1質量%〜5質量%であることが好ましく、1.5質量%〜3質量%であることがより好ましい。透明結晶化ガラス基板2における酸化チタンの含有量が少なすぎると、結晶化しにくく、例えば熱膨張係数などの所望の特性が得られない場合がある。透明結晶化ガラス基板2における酸化チタンの含有量が多すぎると原ガラスを成形する際に失透する虞がある。
透明結晶化ガラス基板2の組成は、酸化チタンを含有している限りにおいて特に限定されない。透明結晶化ガラス基板2は、β−スポジュメン固溶体やβ−石英固溶体を主結晶とするLiO−Al−SiO系結晶化ガラスであってもよい。
透明結晶化ガラス基板2の裏面2bの上には、反射膜4が形成されている。反射膜4は、可視波長域における少なくとも一部の波長域の光を反射させる膜である。すなわち、反射膜4は、黒色以外の色調の膜である。
反射膜4は、調理器用トッププレート1に所望の色調を付与するための膜である。例えば、白色調の調理器用トッププレート1を得ようとする場合は、白色調の反射膜4が設けられる。また、例えば、シルバー調の調理器用トッププレート1を得ようとする場合は、シルバー調の反射膜4が設けられる。
反射膜4の構成は、得ようとする色調等に応じて適宜設定することができる。例えば、白色調の調理器用トッププレート1を得たい場合は、反射膜4は、白色の無機顔料を含む白色無機顔料層により構成することができる。白色の無機顔料としては、例えば、ルチル(酸化チタン)やZrOなどが挙げられる。
例えば、メタリック調の調理器用トッププレート1を得たい場合は、反射膜4は、例えば、Ti、Nb及びSiからなる群から選ばれた金属、またはTi、Nb及びSiからなる群から選ばれた一種以上の金属を含む合金からなる膜により構成することができる。
また、反射膜4の透明結晶化ガラス基板2側の表面には、例えば、着色ドットなどが形成されていてもよい。
透明結晶化ガラス基板2の裏面2bと反射膜4との間には、色調補正膜3が形成されている。この色調補正膜3は、調理器用トッププレート1に入射した光10の反射光12の色調を補正するための膜である。
色調補正膜3は、色調補正膜3の可視波長域における光透過率が、波長が長くなるに従って漸減するように構成されている。
また、色調補正膜3と、反射膜4とは、可視波長域において、色調補正膜3と透明結晶化ガラス基板2との間の界面における平均反射率が、色調補正膜3と反射膜4との間の界面における平均反射率よりも低くなるように構成されている。具体的には、例えば、色調補正膜3を誘電体多層膜とし、反射膜4を、上記のような金属膜、合金膜や白色無機顔料層により構成することにより、色調補正膜3と透明結晶化ガラス基板2との間の界面における平均反射率が、色調補正膜3と反射膜4との間の界面における平均反射率よりも低くされている。このため、本実施形態においては、可視波長域において、色調補正膜3と透明結晶化ガラス基板2との間の界面における反射光が弱く、色調補正膜3と透明結晶化ガラス基板2との間の界面における反射光と、色調補正膜3と反射膜4との間の界面における反射光との干渉光の発生が抑制されている。
なお、色調補正膜3は、可視波長域において、色調補正膜3と透明結晶化ガラス基板2との間の界面における平均光反射率が20%以下となるように構成されていることが好ましい。
ところで、例えば、色調補正膜3が形成されておらず、透明結晶化ガラス基板の直上に反射膜が形成されている場合は、反射膜と透明結晶化ガラス基板との界面における反射光は、透明結晶化ガラス基板を通過した光であるため、透明結晶化ガラス基板2における光吸収に起因して、反射光の色調がシフトする。具体的には、上述のように、透明結晶化ガラス基板は、可視波長域の短波長側部分に吸収を持っており、透明結晶化ガラス基板2の可視波長域における光透過率は、波長が長くなるに従って漸増する。このため、入射光のうち、短波長側の光は、透明結晶化ガラス基板により吸収される。よって、反射光は、反射膜4の色調よりも黄色側にシフトした色調の光となる。従って、調理器用トッププレートの色調が、反射膜4の色調からずれてしまい、調理器用トッププレートの美観性が悪くなる。
例えば、Ti膜などからなるシルバー調の反射膜を設けた場合であっても、調理器用トッププレートの色調がゴールド調となってしまう。また、白色の反射膜を設けた場合であっても、調理器用トッププレートの色調は、黄色となってしまう。
それに対して、本実施形態では、反射光12は、色調補正膜3と透明結晶化ガラス基板2とを透過した光である。
ここで、本実施形態では、透明結晶化ガラス基板2の可視波長域における光透過率は、波長が長くなるに従って漸増する一方、色調補正膜3の可視波長域における光透過率は、波長が長くなるに従って漸減する。このため、入射光10は、透明結晶化ガラス基板2において、可視波長域における短波長側部分の光が主として吸収されると共に、色調補正膜3において、可視波長域における長波長側部分の光が主として吸収される。よって、本実施形態では、色調補正膜3が設けられていない場合よりも、調理器用トッププレート1に入射する光の色調と、入射光のうち、反射膜4に到達する光の色調との差が小さい。また、反射膜4において、反射された光12も、入射光10と同様に、透明結晶化ガラス基板2と、色調補正膜3とを、それぞれ1回ずつ透過する。よって、色調補正膜3が設けられていない場合よりも、反射膜4における反射光12と、その反射光のうちの調理器用トッププレート1から出射される光との色調の差が小さい。従って、色調補正膜3が設けられている本実施形態では、色調補正膜3が設けられていない場合よりも、反射光12の色調が、反射膜4に直接入射した光の反射光の色調と近くなる。その結果、反射膜4により実現しようとする所望の色調に近い色調を有する、美観に優れた調理器用トッププレート1を実現することができる。
また、色調補正膜3は、可視波長域において、透明結晶化ガラス基板2の光透過率と、色調補正膜3の光透過率とを乗算して得られる値が一定となるように構成されていることが好ましい。すなわち、透明結晶化ガラス基板2の色調と、色調補正膜3の色調とが補色関係にあることが好ましい。この構成においては、反射光12の色調が、反射膜4の色調により近くなる。従って、調理器用トッププレート1の美観性をより向上することができる。
色調補正膜3の膜構成や膜厚などは、色調補正膜3の可視波長域における光透過率が、波長が長くなるに従って漸減するような構成である限りにおいて特に限定されない。色調補正膜3は、例えば、図2に示すように、相対的に屈折率が低い低屈折率膜3Lと、相対的に屈折率が高い高屈折率膜3Hとが交互に複数積層された積層膜により構成することができる。低屈折率膜3Lは、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物により形成することができる。一方、高屈折率膜3Hは、例えば、Ti,Zr,Nb,W及びTaからなる群から選ばれた一種以上の酸化物または窒化物により形成することができる。
なお、相対的に屈折率が低い低屈折率膜と、相対的に屈折率が高い高屈折率膜とが交互に複数積層された積層膜は、通常、可視波長域に光透過率または光吸収率のピークを有している。
それに対して、本実施形態の色調補正膜3は、可視波長域に光透過率または光吸収率のピークを有しておらず、可視波長域における光透過率が、波長が長くなるに従って漸減しているのが特徴である。
このような特徴を有する色調補正膜3を実現するためには、光透過率のピークを可視波長域よりも短波長側、すなわち、400nm以下に有するように色調補正膜3を設計する必要がある。色調補正膜3の光透過率のピークを可視波長域よりも短波長側とするためには、色調補正膜3を、高屈折率膜3Hと低屈折率膜3Lとを交互に6層以上積層した積層膜とし、色調補正膜3の総物理膜厚を400nm以下にし、各層の物理膜厚を10〜120nmの範囲にし、かつ透明結晶化ガラス基板に接する膜を高屈折率膜とすることが好ましい。より具体的には、色調補正膜3を、ガラス基板2側から、物理膜厚が20〜25nmの第1の高屈折率膜と、物理膜厚が25〜30nmの第1の低屈折率膜と、物理膜厚が55〜60nmの第2の高屈折率膜と、物理膜厚が85〜100nmの第2の低屈折率膜と、物理膜厚が55〜60nmの第3の高屈折率膜と、物理膜厚が35〜50nmの第3の低屈折率膜とがこの順番で積層された積層体を含み、色調補正膜3の総物理膜厚が275〜325nmであるものとすることが好ましい。
(実施例1)
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
透明結晶化ガラス基板2(日本電気硝子株式会社製ネオセラムN−0)の上に、スパッタリング法を用いて、下記の表1に示す膜構成の色調補正膜3を形成した。その上に、酸化チタンの白色顔料を50重量%含有したシリコーン樹脂からなり、膜厚が10μmの白色の反射膜4をスクリーン印刷法によって形成することにより、上記実施形態と同様の構成を有する調理器用トッププレートを作製した。
なお、本実施例1において用いた透明結晶化ガラス基板2は、β−石英固溶体を主結晶とするものであった。また、本実施例1において用いた透明結晶化ガラス基板における酸化チタンの含有量は、1.9質量%であった。
Figure 2011208820
(実施例2)
金属Tiからなり、膜厚が100nmのシルバーメタリック色の反射膜4をスパッタ法により形成した以外は、実施例1と同様の構成を有する調理器用トッププレートを作製した。
上記実施例1,2において作製した調理器用トッププレートの色調を、透明結晶化ガラス基板の主面側から、HunterLab社製Ultrascanを用いて反射光により計測した。また、反射膜4単体の色調を、反射膜4の裏面側から、HunterLab社製Ultrascanを用いて、反射光により計測した。その結果、本実施例1及び2において作製した調理器用トッププレートの色調は、それぞれの反射膜4単体の色調とほぼ同様であった。
次に、HunterLab社製Ultrascanを用いて、透明結晶化ガラス基板2単体の可視波長域における光透過率を測定した。また、実施例1と同様の手順で、実施例1において用いたものと同様の透明結晶化ガラス基板の上に、実施例1と同様の膜構成を有する色調補正膜3を形成し、色調補正膜3と透明結晶化ガラス基板との全体の光透過率を、HunterLab社製Ultrascanを用いて測定した。
上記測定の透明結晶化ガラス基板の光透過率と、色調補正膜3と透明結晶化ガラス基板との全体の光透過率とから、色調補正膜3単体の光透過率を算出した。図3に結果を示す。なお、図3において、一点破線で示すグラフが透明結晶化ガラス基板の光透過率を表す。二点破線で示すグラフが色調補正膜3の光透過率を表す。実線で示すグラフが、色調補正膜3と透明結晶化ガラス基板との全体の光透過率を表す。
図3に示す結果から、透明結晶化ガラス基板2の可視波長域における光透過率は、波長が短くなるに従って漸減していることが分かる。一方、色調補正膜3の可視波長域における光透過率は、波長が短くなるに従って漸増していることが分かる。また、透明結晶化ガラス基板及び色調補正膜全体の可視波長域における光透過率は、波長にかかわらず略一定であることが分かる。
1…調理器用トッププレート
2…透明結晶化ガラス基板
3…色調補正膜
3H…高屈折率膜
3L…低屈折率膜
4…反射膜
10…入射光
12…反射光

Claims (7)

  1. 酸化チタンを含む透明結晶化ガラス基板と、前記透明結晶化ガラス基板の裏面に形成されており、可視波長域における少なくとも一部の波長域の光を反射させる反射膜とを備える調理器用トッププレートであって、
    前記透明結晶化ガラス基板と前記反射膜との間に形成されており、可視波長域において、波長が長くなるに従って光透過率が漸減する色調補正膜をさらに備え、
    前記反射膜と前記色調補正膜とは、可視波長域において、前記色調補正膜と前記透明結晶化ガラス基板との間の界面における平均光反射率が、前記色調補正膜と前記反射膜との間の界面における平均光反射率よりも低くなるように構成されている調理器用トッププレート。
  2. 前記色調補正膜は、前記透明結晶化ガラス基板の光透過率と、前記色調補正膜の光透過率とを乗算して得られる値が可視波長域において一定となるように構成されている請求項1に記載の調理器用トッププレート。
  3. 前記透明結晶化ガラス基板の色調と、前記色調補正膜の色調とが補色関係にある請求項1または2に記載の調理器用トッププレート。
  4. 前記色調補正膜は、相対的に屈折率が低い低屈折率膜と、相対的に屈折率が高い高屈折率膜とが交互に積層された積層膜である請求項1〜3のいずれか一項に記載の調理器用トッププレート。
  5. 前記反射膜は、Ti、Nb及びSiからなる群から選ばれた金属、またはTi、Nb及びSiからなる群から選ばれた一種以上の金属を含む合金からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の調理器用トッププレート。
  6. 前記透明結晶化ガラス基板の可視波長域における光透過率は、波長が長くなるに従って漸増する請求項1〜5のいずれか一項に記載の調理器用トッププレート。
  7. 前記色調補正膜は、可視波長域において、前記色調補正膜と前記透明結晶化ガラス基板との間の界面における平均光反射率が20%以下となるように構成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の調理器用トッププレート。
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