JP2011197243A - 故障診断装置、及び、その故障診断装置を備えた定着装置、画像形成装置 - Google Patents

故障診断装置、及び、その故障診断装置を備えた定着装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】定着部材と加圧部材とを回転させるギアの磨耗を起因とした定着装置の故障の特定または故障の予測が可能な故障診断装置を提供すること。
【解決手段】駆動モータ1n、3hの動作時間を第1の特徴量として算出して記憶する第1の特徴量算出手段と、駆動モータ1n、3hの電流値を第2の特徴量として算出して記憶する第2の特徴量算出手段と、第1の特徴量と第2の特徴量との夫々に対してスタンプ弱判別器による予備的な判別を行い、その予備的な判別に対し重み付き多数決判別を行って故障の予測または特定を判別処理する診断手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置の故障診断装置、及び、その故障診断装置を備えた定着装置、画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置において、故障を推定する技術手段として、例えば、以下のものが知られている。
分離差電流調整不良、分離帯電器不良、転写材不良の率を、温度と湿度から混合比(絶対湿度)を求め、情報量の一つとして、分離差電流出力値、分離差電流調整値と共に利用し、ファジィ推論により推定するもの(特許文献1参照)、動作状態特徴量や用紙搬送時間特徴量からベイジアンネットワークを利用してノードの故障確立を特定し、その故障確立に基づいて故障している箇所や故障を起す可能性のある箇所の候補を抽出するもの(特許文献2参照)、複数種類の装置の運転制御情報を勘案した総合的な指標値を算出して、その指標値に基づき装置の異常状態の有無を判別したり、装置の故障の発生を予測したりするもの(特許文献3参照)などが知られている。
ところで、電子写真方式の画像形成装置の構成体の一つとして定着装置がある。この定着装置は、ギアトレーンを介して駆動モータで回転する定着部材と加圧部材とからなる一対の回転体を圧接して形成された定着ニップに、未定着のトナー像を担持したシート状の記録材を通して、熱と圧力でトナー像を記録材に溶融定着させるものである。
このように定着部材と加圧部材は、駆動モータで回転するギアトレーンを介して回転するようにしているため、ギアの磨耗を起因とした定着装置の故障が発生する虞があった。
しかしながら、電子写真方式の画像形成装置において、故障を推定する技術手段として、上述した故障を推定する技術手段は知られているものの、定着装置の駆動系の故障を推定する故障診断装置は本件発明者が知り得る範囲において存在しない。
そこで本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決できる故障診断装置、及び、その故障診断装置を備えた定着装置、画像形成装置を提供することを課題とする。
本件発明者は、鋭意研究した結果、定着装置の故障の起因となるギアの磨耗がギアに塗布されるグリスの量と密接に関係し、そのグリスの量に応じて駆動モータの電流値(換言すれば駆動トルク)が変化する点、駆動モータの使用情報(駆動モータの動作時間(経過時間)、駆動モータの回転軸の動作距離の積算値、記録材の定着枚数、定着装置の通電時間など)に着目し、これら情報を用いて、故障箇所の特定(定着装置が故障している)、または、定着装置の故障の予測が可能であることを知見した。
上記知見に基づき、本発明にかかる故障診断装置、及び、その故障診断装置を備えた定着装置、画像形成装置は、上記課題を解決するために下記の技術的手段を講じた。
請求項1にかかる発明は、グリスが塗布されたギアトレーンを介して駆動モータで回転可能な定着部材及び加圧部材とからなる一対の回転体を圧接して定着ニップが形成され、該定着ニップに未定着のトナー像を担持したシート状の記録材を通して、熱と圧力でトナー像を記録材に溶融定着させる定着装置の故障診断装置であって、前記駆動モータの使用情報を第1の特徴量として算出して記憶する第1の特徴量算出手段と、前記駆動モータの電流値を第2の特徴量として算出して記憶する第2の特徴量算出手段と、前記第1の特徴量と、前記第2の特徴量とを用いて、前記ギアトレーンを構成するギアの磨耗を起因とした故障の予測または特定を判別処理して故障情報として出力する診断手段とを備えた故障診断装置を特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1において、前記故障情報は、故障レベルに応じて段階化されていることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項2において、前記故障レベルが軽度と重度との段階的に構成され、前記診断手段は、軽度の故障レベルが前記ギアトレーンに塗布された前記グリスの量不足とし、重度の故障レベルが前記ギアトレーンを構成する前記ギアの磨耗と判断可能に構成されていることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3の何れか1項において、前記使用情報が、前記駆動モータの動作時間であることを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至3の何れか1項において、前記使用情報が、前記駆動モータの回転軸の動作距離であることを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至3の何れか1項において、前記使用情報が、前記記録材の定着枚数であることを特徴とする。
請求項7にかかる発明は、請求項1乃至3の何れか1項において、前記使用情報が、前記定着装置の通電時間であることを特徴とする。
請求項8にかかる発明は、請求項1乃至7の何れか1項において、前記診断手段は、ブースティングを用いて作成されたスタンプ弱判別器を備え、前記第1の特徴量と前記第2の特徴量との夫々に対して前記スタンプ弱判別器による予備的な判別を行い、その予備的な判別に対し重み付き多数決判別を行って、前記故障の予測または特定を判別処理することを特徴とする。
請求項9にかかる発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の故障診断装置を備えた定着装置を特徴とする。
請求項10にかかる発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の故障診断装置と、該故障診断装置で診断される前記定着装置とを備えた画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、定着部材と加圧部材とを回転させるギアの磨耗を起因とした故障の特定または故障の予測ができる。
本実施の形態にかかる故障診断装置で故障診断を実行する定着装置の概略図である。 第1の定着手段のギアトレーンまわりの概略図である。 第2の定着手段のギアトレーンまわりの概略図である。 グリスの量と駆動モータの平均電流値との関係を示した線図である。 ギアの磨耗量と駆動モータの平均電流値との関係を示した線図である。 駆動モータの平均電流値と駆動モータの駆動時間と故障との関係を示した線図である。 F値(重み付き多数決判別結果の投票結果値)と駆動モータの動作時間との関係を示した線図である。
本発明にかかる定着装置の故障診断装置の実施の形態を説明する。
先ず、図示しない電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる定着装置の概略を、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、画像形成装置は、スキャナやパーソナルコンピュータ等から送信された画像情報に基づいて、フルカラーまたは単色のトナー像を形成し、そのトナー像をシート状の記録材に転写し、定着装置へ搬送可能に構成されており、それらの機構部は周知であるため、その詳細な説明は省略する。
定着装置は、第1の定着手段1と、中間ガイド部2と、第2の定着手段3とを備えてなる。
第1の定着手段1は、第1の定着部と、第1の加圧部と、第1の回転駆動部とを備えてなる。
第1の定着部は、回転可能に設けられた第1の定着ローラ1aと、図1において第1の定着ローラ1aの左下方に回転可能に設けられた分離ローラ1bと、図1において第1の定着ローラ1aの左上方に回転可能に設けられたテンションローラ1cと、内部にヒータWが設けられると共に第1の定着ローラ1aより若干小径に形成され、図1において第1の定着ローラ1aの右方に回転可能に設けられた加熱ローラ1dと、これらのローラに掛け渡され、ポリイミドから成る基材の上にフッ素樹脂の表層を設けたシリコーンゴムを設けてなる定着ベルト1e(定着部材)と、その定着ベルト1eの、加熱ローラ1dに掛け渡されている部分の温度を検知して温度制御するための温度センサ1fとを備え、加熱ローラ1dにより所定温度に昇温された定着ベルト1eが、後述する第1の回転駆動部によって、時計回りに回転するように構成されている。
第1の加圧部は、第1の定着ローラ1aの下方に横方向に延びるように且つ図1において第1の定着ローラ1aの左下方を回転中心となるように設けられ、上縁の中途部に凹状の軸受け部が形成された第1のリンク1gと、その第1のリンク1gの先端に一端側が固着され他端側が機枠mに固着された第1の圧縮バネ1hと、第1のリンク1gの先端に接するように設けられ回転により第1のリンク1gを上下方向に揺動させる第1の板カム1kと、第1のリンク1gの軸受け部に回転可能に支持され、第1の定着ローラ1aから分離ローラ1bに至る定着ベルト1eの一部が周面に沿うように第1の定着ローラ1aと分離ローラ1bとに押し当てた第1の加圧ローラ1m(加圧部材)とを備え、後述する第1の回転駆動部によって、加圧ローラ1mが反時計回りに回転するように構成されている。
この第1の加圧ローラ1mと第1の定着ローラ1aとで一対の回転体が構成され、第1の加圧ローラ1mの周面の一部と第1の定着ローラ1aから分離ローラ1bに至る定着ベルト1eの一部とが接する領域を「第1の定着ニップN1」と言う。
第1の回転駆動部は、図2に示すように、第1の駆動モータ1nと、その第1の駆動モータ1nの回転軸1pに固着された第1のギア1qと、その第1のギア1qに噛み合って回転可能に設けられた第2のギア1rと、その第2のギア1rに噛み合って回転可能に設けられた第3のギア1sと、第1の加圧ローラ1mの中心軸に固着され第3のギア1sに噛み合って回転可能に設けられた第4のギア1tと、第3のギア1sに噛み合って回転可能に設けられた第5のギア1uと、第1の定着ローラ1aの中心軸に固着され第5のギア1uに噛み合って回転可能に設けられた第6のギア1wとを備える。
この第1〜第6のギアで第1のギアトレーンが構成され、各ギアにグリスが塗布されている。
このように構成された第1の定着手段1は、第1の駆動モータ1nの回転軸1pが図2において時計回りに回転することで、第1のギアトレーンによって、第1の定着ローラ1a時計回りに回転すると共に第1の加圧ローラ1mが反時計回りに回転する。そして、トナー像を載せた記録材が、そのトナー像側を定着ベルト1e側にして第1の定着ニップN1に通過することで、トナー像が熱により溶融し圧力により記録材へ密着する。第1の定着ニップN1を通過した記録材上のトナー層は、外力により変形可能な状態になっている。
中間ガイド部2は、第1の定着ニップN1から出てきた記録材を第1の加圧ローラ1mから剥離させる爪部材2aと、第1の定着ニップN1から出てきた記録材を後述の第2の定着ニップN2へガイドする上下一対の板状の中間ガイド部材2bとを備える。
第2の定着手段3は、第2の定着部と、第2の加圧部と、第2の回転駆動部とを備え、中間ガイド部2を挟んで第1の定着手段1に連なるように設けられてなる。
第2の定着部は、中間ガイド部材2bの終端部の近傍に第1の定着ローラ1aと対峙するように且つ回転可能に設けられ、内部にヒータWが設けられた第2の定着ローラ3a(定着部材)と、その第2の定着ローラ3aから所要の間隔をおいて設けられ、第2の定着ローラ3aの外周面の温度を検知して温度制御するための温度センサ3bとを備えて構成される。上述した第2の定着ローラ3aは、中空軸状の芯金と、その芯金の上に形成されたシリコーンゴム層と、その上に形成されたフッ素樹脂またはその変性樹脂からなる表層とで構成されている。この第2の定着ローラ3aは、トナーのフローテスターによる軟化温度以上1/2流出開始温度以下にて制御されている。
第2の加圧部は、第2の定着ローラ3aの下方に横方向に延びるように且つ図1において第2の定着ローラ3aの右下方を回転中心となるように設けられ、上縁の中途部に凹状の軸受け部が形成された第2のリンク3dと、その第2のリンク3dの先端に一端側が固着され他端側が機枠mに固着された第2の圧縮バネ3eと、第2のリンク3dの先端に接するように設けられ回転により第2のリンク3dを上下方向に揺動させる第2の板カム3fと、第2のリンク3dの軸受け部に回転可能に支持され第2の定着ローラ3aに押し当てた第2の加圧ローラ3g(加圧部材)とを備える。
この第2の加圧ローラ3gと第2の定着ローラ3aとで一対の回転体が構成され、その両者が接する領域を「第2の定着ニップN2」と言う。
第2の回転駆動部は、図3に示すように、第2の駆動モータ3hと、その第2の駆動モータ3hの回転軸3kに固着された第7のギア3mと、その第7のギア3mに噛み合って回転可能に設けられた第8のギア3nと、その第8のギア3nに噛み合って回転可能に設けられた第9のギア3pと、第2の加圧ローラ3gの中心軸に固着され第9のギア3pに噛み合って回転可能に設けられた第10のギア3qと、第9のギア3pに噛み合って回転可能に設けられた第11のギア3rと、第2の定着ローラ3aの中心軸に固着され第11のギア3rに噛み合って回転可能に設けられた第12のギア3sとを備える。
この第7〜第12のギアで第2のギアトレーンが構成され、各ギアにグリスが塗布されている。
このように構成された第2の定着手段3は、第2の駆動モータ3hの回転軸3kが図3において時計回りに回転することで、第2のギアトレーンによって、第2の定着ローラ3aが時計回りに回転すると共に第2の加圧ローラ3gが反時計回りに回転する。そして、第1の定着ニップN1を通過した記録材が、その記録材のトナー像側を第2の定着ローラ3a側にして第2の定着ニップN2を通過することで、第1の定着手段1により外力で変形可能な状態のトナー層に平滑性を付与し、トナー像が固化して記録材に定着するようになっている。
以上のように、定着装置は、第1の定着手段1で、トナー像を溶融して記録材に密着し、第2の定着手段3で、記録材に密着したトナー像に平滑性を付与して定着するようになっている。
次に、各ギアに塗布されたグリスの量と駆動モータ1n、3hの平均電流値との関係、各ギアの磨耗量と駆動モータ1n、3hの平均電流値との関係、駆動モータ1n、3hの平均電流値と駆動モータ1n、3hの駆動時間と定着装置の故障との関係を説明する。
ギアトレーンを構成する各ギアに塗布されたグリスの量(ギア1個あたりのグリスの量)と、駆動モータ1n、3hの平均電流値との関係を図4に示す。
図4に示すように、グリスの量が0の場合、ギアトレーンを構成する各ギアの摩擦力が大きく、所定の回転速度を維持するために駆動トルクが大きくなり、したがって、駆動モータ1n、3hの平均電流値が大きい。グリスの量を足していくと、各ギアの摩擦力が少なくなっていく。これに対応して、所定の回転速度を維持するために駆動トルクが徐々に小さくなっていき、駆動モータ1n、3hの平均電流値が小さくなっていく。ギアの大きさにもよるが、この種の定着装置の駆動系に用いられる一般的なギアトレーンの場合、グリスを約2.5グラムの塗布を境に各ギアの摩擦力が一定となり、駆動モータ1n、3hの平均電流値が安定してくる。
したがって、駆動モータ1n、3hの平均電流値の情報から第1ギアトレーンと第2のギアトレーンに塗布されたグリスの量が減ってきたことが把握可能となる。
ギアトレーンを構成する各ギアの磨耗量と、駆動モータ1n、3hの平均電流値との関係を図5に示す。
図5に示すように、各ギアにほとんど磨耗が生じていない場合、駆動モータ1n、3hの平均電流値が安定し、各ギアの磨耗量が進むにつれて、各ギアの摩擦力が徐々に大きくなり、駆動モータ1n、3hの平均電流値が上昇していく。
このようにして、駆動モータ1n、3hの平均電流値の情報から、第1ギアトレーンと第2のギアトレーンとを構成する各ギアの磨耗状況が把握可能となる。
グリスの量が適正な量から外れると、駆動モータ1n、3hの平均電流値は急激に上昇するものの(図4)、ギアの磨耗は、図5に示すように、図4と比較して曲線が緩やか、すなわち、ギアの磨耗は、グリス不足が生じてもギアの機械的強度によって急激な磨耗が生じない。もっとも、グリスの量の有無にかかわらず、ギアの動作時間が進むにつれてギアの磨耗が徐々に進む。すなわち、ギアの動作時間、すなわち、駆動モータ1n、3hの使用情報としての駆動モータ1n、3hの動作時間(経過時間)も、ギアの磨耗を起因とした定着装置の故障の把握をするために重要な要素となる。
このように、駆動モータ1n、3hの平均電流値が急激に上昇した場合、グリス不足か、定着装置を故障原因であるギアの磨耗かのいずれかであるが、そのいずれかを予測するのに駆動モータ1n、3hの動作時間を用いる。
この駆動モータ1n、3hの動作時間と、駆動モータ1n、3hの平均電流値と、ギアの磨耗を起因とした定着装置の故障の発生の関係を図6に示す。
図6に示すように、駆動モータ1n、3hの動作時間が進むと、駆動モータ1n、3hの平均電流値が急激に上昇して、第1ギアトレーンと第2のギアトレーンとを構成する各ギアに塗布されたグリスの量が所定量より下回って異常が生じる(第1段階故障発生)。このときは、定着装置の故障に至るようなギアの磨耗が発生しておらず、グリスを補充することで、駆動モータ1n、3hの平均電流値が下がって安定する。図6では、この状態があと2回繰り返される。その一方で、駆動モータ1n、3hの動作時間が進むにつれてギアの磨耗が徐々に進行し、駆動モータ1n、3hの平均電流値が緩やかな右肩上がりとなる。駆動モータ1n、3hの平均電流値の急激な上昇が4回目のとき、これまで徐々に進行してきたギアの磨耗が限界に達し、定着部材と加圧部材とによる回転に異常が生じる(第2段階故障発生)。
以上の知見に基づき、本実施の形態にかかる故障診断装置を説明する。
本実施の形態にかかる故障診断装置は、第1の特徴量算出手段と、第2の特徴量算出手段と、診断手段と、監視結果通知手段とを備えて構成される。
第1の特徴量算出手段は、駆動モータ1n、3hの動作時間(駆動モータ1n、3hの使用情報)を第1の特徴量として適宜算出してメモリに記憶する。このメモリは装置電源のOFFでも消去されないようになっている。
本実施の形態では、駆動モータ1n、3hの使用情報として、駆動モータ1n、3hの動作時間を例示しているが、駆動モータ1n、3hの回転軸の動作距離の積算値(駆動モータ1n、3hの動作回転数と動作時間から動作距離を算出。所定の回転速度が複数の場合に特に有効)、記録材の定着枚数、定着装置の通電時間などでも代用できる。
第2の特徴量算出手段は、任意の単位時間当たりの駆動モータ1n、3hの電流値の平均、すなわち平均電流値を第2の特徴量として適宜算出してメモリに記憶する。このメモリは装置電源のOFFでも消去されないようになっている。
この第1の特徴量と、第2の特徴量の算出は、駆動モータ1n、3hの動作開始(定着枚数1枚目)から、所定時間ごとに、第1の特徴量と第2の特徴量とによって構成される2つの特徴量からなるデータ組Cとなるように適宜算出して、その都度メモリに記憶する。
診断手段は、上述した複数のデータ組C1〜Cn個々の第1の特徴量と第2の特徴量とについて、スタンプ弱判別器で予備的な判別を行い、その予備的な判別に対し、重み付き多数決判別を行って、故障の予測または特定を判別処理するようになっている。
以下、上述の診断手段の判別処理について詳述する。
[状態判別方法の説明]
算出された各特徴量に対し、ブースティング法という教師付き学習アルゴリズムにより、故障診断に寄与するための重み付け値を算出すると共に閾値を決定する。
まず、複数種類のデータ(第1の特徴量と第2の特徴量)からなるデータ組について、正常な状態から、第1段階故障状態と第2段階故障状態に変化するまでの履歴を予め複数用意する。各種のデータの履歴についてそれぞれ、経時変動グラフの形状から、故障期間を目視で推定し、その故障期間内に相当するデータの例えば平均値にマイナス極性のラベルを付す一方で、それ以外のデータの平均値(正常期間内のデータの例えば平均値)にプラス極性のラベルを付す。これをブースティングによる繰り返し学習を行わせ、各種のデータについて、例えば、第1段階故障に至ったときまで及び第2段階故障に至ったときまでの時系列順に対応して(例えば100回)、それぞれ閾値b1〜b100(bi)、判別極性sgn1〜sgn100(sgni)、重み付け値α1〜α100(αi)を決定する。
次に、算出された各特徴量に対して、それぞれのデータについて正常であるか、異常であるかを判別する。この判別は、故障予測をする上で決定的な要素にはならないので、この時の判別は弱判別処理と呼ばれる。なお、ブースティング法については数理科学、No.489,MARCH、2004「統計的パタン識別の情報幾何」に詳しい説明が記載されている。
スタンプ弱判別器はCPU演算が極めて高速に行えるメリットを有し、更に重みつき多数決を用いる本方法では十分な精度がえられるので精度良くコストを掛けずに故障診断技術を実現するには大変好適な弱判別器である。弱判別器としてスタンプ弱判別器を用いたときの状態判別計算方法は以下のようになる。
Figure 2011197243
例えば、データ組C1における第1の特徴量について、1回目の第1の特徴量に対応する1回目の閾値b1、判別極性sgn1、重み付け値α1を用いて上述の数1の計算式で計算する。これと同様に、データ組C1における第2の特徴量について、1回目の第2の特徴量に対応する1回目の閾値b1(このb1は、上記した第1の特徴量に対応したb1とは異なる)、判別極性sgn1(このsgn1は、上記した第1の特徴量に対応したsgn1とは異なる)、重み付け値α1(このα1は、上記した第1の特徴量に対応したα1とは異なる)を用いて上述の数1の計算式で計算する。そして、データ組C1における第1の特徴量と第2の特徴量について夫々予備的な判別情報Out1(Out1は、データ組C1における第1の特徴量と第2の特徴量に対応して2つある)を算出する。
データ組C1における第1の特徴量と第2の特徴量とに対応して2つのOut1を用い、以下の式による重み付き多数決判別を行って、重み付き多数決判別結果の投票結果値であるF値の算出をする。なお、上述した予備的な判別と、重み付き多数決判別は、取得されたデータ組の数だけ繰り返し実行される。
Figure 2011197243
こうして得られた現在(最新のデータ組)のF値が0より小さければ、第1段階故障状態または第2段階故障状態である、または、これらの故障発生の可能性大と予測して後述する監視結果通知手段へ出力する。なお、予備的な判別と、重み付き多数決判別は、取得されたデータ組の数だけ繰り返し実行されることで、過去に発生した第1段階故障状態とその復帰の回数、時期も把握可能である。
F値の経時変化を図7に示す。図7に示すように、グリス不足、ギアの磨耗による故障がおきる時期にF値はマイナスの値を示しており、故障を精度よく捕らえていることが分かる。また、重み付けによるF値のマイナス値の変化に応じて、故障レベルが軽度である第1段階故障状態と、故障レベルが重度である第2段階故障状態とに段階化され、さらに故障レベルが軽度である第1段階故障状態も第2段階故障状態に向かって段階化されている。
監視結果通知手段は、こうして得られた故障予測または故障情報を画像形成装置本体の液晶操作パネルに表示するようになっている。また画像形成装置本体が、通信網と接続されている場合は、サービスエンジニアやユーザーへメールを送るなどのアラーム通報をするようになっている。
例えば、図7に示すように、重み付き多数決判別結果の投票結果値であるF値が−1の場合、最初のアラームを発報してグリス不足であるとし、F値が−2の場合、2回目のアラームを発報してグリス不足であるとし、F値が−3の場合、3回目のアラームを発報してグリス不足であるとし、これらのアラームで、グリスの追加注油のみのメンテナンスを促す。F値が−4の場合、4回目のアラームを発報して、ギアの磨耗による故障がおきる時期、あるいは故障の発生であるとして、ユニット交換修理を促す。
このように本実施の形態にかかる故障診断装置は、定着部材と加圧部材とを回転させるギアの磨耗を起因とした故障の特定または故障の予測ができる。しかも、グリス不足、ギアの磨耗による故障であることを段階的に通報することで、サービスエンジニアやユーザーは、異変を確実に気づくことができ、これにより、メンテナンス時間の短縮と、過剰なユニット交換周期を抑制することが可能となり、メンテナンスコストの低減を実現することができる。
以上、本実施の形態にかかる定着装置の故障診断装置を説明したが、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。例えば、故障診断装置を組み込んだ定着装置または画像形成装置でも良い。
また、本実施の形態では、診断手段として、夫々のスタンプ弱判別器からの判別情報に対し重み付き多数決を行って、故障の予測または特定を判別処理したものを例示したが、重み付きを行わない多数決判別でも良い。また、第1の特徴量と第2の特徴量とを用い、他の予測技術を用いて診断手段を構成しても良い。
1‥第1の定着手段 1a‥第1の定着ローラ 1b‥分離ローラ 1c‥テンションローラ 1d‥加熱ローラ 1e‥定着ベルト 1f‥温度センサ 1g‥第1のリンク 1h‥第1の圧縮バネ 1k‥第1の板カム 1m‥第1の加圧ローラ 1n‥第1の駆動モータ 1p‥回転軸 1q‥第1のギア 1r‥第2のギア 1s‥第3のギア 1s‥第3のギア 1t‥第4のギア 1u‥第5のギア 1w‥第6のギア 2‥中間ガイド部 2a‥爪部材 2b‥中間ガイド部材 3‥第2の定着手段 3a‥第2の定着ローラ 3b‥温度センサ 3c‥光学センサ 3d‥第2のリンク 3e‥第2の圧縮バネ 3f‥第2の板カム 3g‥第2の加圧ローラ 3h‥第2の駆動モータ 3k‥回転軸 3m‥第7のギア 3n‥第8のギア 3p‥第9のギア 3q‥第10のギア 3r‥第11のギア 3s‥第12のギア W‥ヒータ N1‥第1の定着ニップ N2‥第2の定着ニップ
特開平06−208265号公報 特開2005−309077号公報 特開2008−102474号公報

Claims (10)

  1. グリスが塗布されたギアトレーンを介して駆動モータで回転可能な定着部材及び加圧部材とからなる一対の回転体を圧接して定着ニップが形成され、該定着ニップに未定着のトナー像を担持したシート状の記録材を通して、熱と圧力でトナー像を記録材に溶融定着させる定着装置の故障診断装置であって、
    前記駆動モータの使用情報を第1の特徴量として算出して記憶する第1の特徴量算出手段と、
    前記駆動モータの電流値を第2の特徴量として算出して記憶する第2の特徴量算出手段と、
    前記第1の特徴量と、前記第2の特徴量とを用いて、前記ギアトレーンを構成するギアの磨耗を起因とした故障の予測または特定を判別処理して故障情報として出力する診断手段と
    を備えたことを特徴とする故障診断装置。
  2. 前記故障情報は、故障レベルに応じて段階化されていることを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
  3. 前記故障レベルが軽度と重度との段階的に構成され、前記診断手段は、軽度の故障レベルが前記ギアトレーンに塗布された前記グリスの量不足とし、重度の故障レベルが前記ギアトレーンを構成する前記ギアの磨耗と判断可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の故障診断装置。
  4. 前記使用情報が、前記駆動モータの動作時間であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の故障診断装置。
  5. 前記使用情報が、前記駆動モータの回転軸の動作距離であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の故障診断装置。
  6. 前記使用情報が、前記記録材の定着枚数であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の故障診断装置。
  7. 前記使用情報が、前記定着装置の通電時間であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の故障診断装置。
  8. 前記診断手段は、ブースティングを用いて作成されたスタンプ弱判別器を備え、前記第1の特徴量と前記第2の特徴量との夫々に対して前記スタンプ弱判別器による予備的な判別を行い、その予備的な判別に対し重み付き多数決判別を行って、前記故障の予測または特定を判別処理することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の故障診断装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の故障診断装置を備えたことを特徴とする定着装置。
  10. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の故障診断装置と、該故障診断装置で診断される前記定着装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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