JP2011185150A - ラッシュアジャスタおよび摺動部のシール構造 - Google Patents

ラッシュアジャスタおよび摺動部のシール構造 Download PDF

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Abstract

【課題】シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを抑制することができるラッシュアジャスタおよび摺動部のシール構造を提供する。
【解決手段】ラッシュアジャスタ100は、第1ボディ1とプランジャ2との摺動方向に平行する断面の形状が摺動方向に直交する軸に対して対称形状である第1シール部材5と、第1ボディ1とプランジャ2との摺動方向に平行する断面の形状が摺動方向に直交する軸に対して非対称形状である第2シール部材20と、を備えることにより、ラッシュアジャスタ100の封入油が外部へ流出すること、および外部油がラッシュアジャスタ100の内部へ流入することを適切に抑制することができる。よって、シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを抑制することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ラッシュアジャスタおよび摺動部のシール構造に関する。
従来、内燃機関の吸排気弁とロッカーアーム、或いはロッカーアームとシリンダヘッド、さらには吸排気弁とカムシャフトとの間に設けられたバルブクリアランスを自動的に略零に調整するラッシュアジャスタが実用化されている。このラッシュアジャスタには具体的には、エンジンオイルを利用する外部給油型ラッシュアジャスタのほか、作動油が密封された密封型ラッシュアジャスタがある。
密封型ラッシュアジャスタとしては、例えば特許文献1で開示されているものがある。特許文献1が開示するラッシュアジャスタは、ボディと、プランジャと、プランジャに装着される第1のシール部材と、ボディから露出しているプランジャの一部をシールすると共にボディの開口端部とプランジャとの間に形成される隙間を覆う第2のシール部材とを備えている。この密封型ラッシュアジャスタでは、第1のシール部材が装着されたプランジャ2がボディに嵌挿され、プランジャが上下に摺動する。プランジャとボディとがそれぞれシール部材を備えており、これにより作動油の外部漏れを防止している。
第1シール部材の摺動接触面の圧力分布とボディ及びプランジャの間の油膜の厚さとの関係は、流体潤滑逆理論によって、下記式(1)、(2)のようになる。
Figure 2011185150
ここで、hopは、プランジャの押し工程時の油膜の厚さを示し、hoMは、プランジャの引き工程時の油膜の厚さを示す。また、|dp/dx|maxPは、プランジャの押し工程時の油圧側の最大接触圧力勾配を示し、|dp/dx|maxMは、プランジャの引き工程時の油圧側の最大接触圧力勾配を示す。Uは、プランジャの速度(cm/s)を示し、μは油の粘度(pa・s)を示す。このように、油膜の厚さhop,hoMは、油の粘度、プランジャの速度、及び最大接触圧力勾配で決定される。
密封型ラッシュアジャスタの速度関係は、伸び上がり速度>縮み速度であり、プランジャの速度関係は、引き工程の速度>押し工程の速度である。封入油の粘度>外部油の粘度となるように封入油及び外部油は決定される。従って、この密封型ラッシュアジャスタでは、プランジャの引き工程時の油膜の厚さ(hoM)がプランジャの押し工程時の油膜の厚さ(hop)よりも大きくなる(hoM>hop)。
更に、その他本発明と関連性があると考えられる技術が特許文献2および3に開示されている。
特開2008−223489号公報 特開昭63−269753号公報 特開2002−285808号公報
特許文献1の技術では、上記の流体潤滑逆理論によって油膜の厚さを制御することで、封入油が外部に流出すること及び外部油が内部に流入することを抑制している。しかしながら、内燃機関が高速運転の場合、リフトロス(縮み量)は数10μmと僅かであり、第1のシール部材は微少変形しか生じない。このため、上記流体潤滑逆理論におけるプランジャの速度差を利用した油膜の厚さの制御が実行しがたく、封入油が外部に流出するおそれ及び外部油が内部に流入するおそれがある。
上記課題を解決すべく、本願発明者らは鋭意研究を重ねた結果、油の吐き出し側が肉盗みされ且つ断面の形状が非対称形状である第1シール部材及び第2シール部材が、油の吐き出し側が互いに逆向きになるようにボディ及びプランジャの摺動部分に配置されることで、シール構造の両端で互いに異なる流体(即ち、プランジャの外部のオイル及び高圧室に封入されるオイル)が利用される場合に、双方の流体が混ざることを抑制することができる「摺動部のシール構造及びラッシュアジャスタ」に係る発明を見出した(未公開,特願2009−095356)。
本発明は、このような知見に鑑みてなされたものであり、シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを抑制することができるラッシュアジャスタおよび摺動部のシール構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のラッシュアジャスタは、筒状のボディと、前記ボディに摺動自在に嵌挿され、前記ボディの底部との間に高圧室を形成するプランジャと、前記プランジャに設けられ、前記ボディと摺接し、前記プランジャと前記ボディとの摺動方向に平行する断面の形状が前記摺動方向に直交する軸に対して対称形状である第1シール部材と、前記ボディに設けられ、前記プランジャと摺接し、前記ボディと前記プランジャとの摺動方向に平行する断面の形状が前記摺動方向に直交する軸に対して非対称形状である第2シール部材と、を備えることを特徴とする。
上記の構成により、摺動方向に平行する断面の形状が摺動方向に直交する軸に対して対称形状である第1シール部材によって、ラッシュアジャスタの封入油が外部へ流出するのを抑制することができる。更に、摺動方向に平行する断面の形状が摺動方向に直交する軸に対して非対称形状である第2シール部材によって、外部油がラッシュアジャスタの内部へ流入するのを抑制することができる。よって、シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを抑制することができる。
特に、本発明のラッシュアジャスタは、前記第2シール部材が、前記プランジャが前記ボディの高圧室側に摺動する間に前記プランジャとの接触圧力が最大値をとる構成とすることができる。
上記の構成により、プランジャがボディの高圧室側に摺動する間に第2シール部材によって外部油が内部へ流入するのを抑制することができる。よって、シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを抑制することができる。
また、本発明のラッシュアジャスタは、前記第1シール部材が、前記第2シール部材よりも高圧室側に設けられ、前記ボディと摺接する突起を有する断面形状であり、前記第2シール部材が、前記第1シール部材よりも大気側に設けられ、前記プランジャと摺接する側の大気側の一部が肉盗みされた断面形状である構成とすることができる。
上記の構成により、第2シール部材よりも高圧室側に設けられ、ボディと摺接する突起を有する断面形状である第1シール部材によって、封入油が外部へ流出するのを抑制することができる。更に、第1シール部材よりも大気側に設けられ、プランジャと摺接する側の大気側の一部が肉盗みされた断面形状である第2シール部材によって、外部油が内部へ流入するのを抑制することができる。よって、シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを抑制することができる。
そして、本発明のラッシュアジャスタは、前記第2シール部材が、前記プランジャと摺接する側の高圧室側の一部が高圧室側に向けて連続的に減少する断面形状である構成とすることができる。
上記の構成により、プランジャがボディの大気側に摺動する際のフリクションを低減させることができるために、例えば冷間始動時のプランジャの伸び上がり性能が改善されることから動弁系の騒音を抑制することができる。
更に、本発明の摺動部のシール構造は、対向する第1面および第2面からなる摺動部にて流体を封止する摺動部のシール構造であって、前記第1面に設けられ、前記第2面と摺接し、前記第1面と前記第2面との摺動方向に平行する断面の形状が前記摺動方向に直交する軸に対して対称形状である第1シール手段と、前記第2面に設けられ、前記第1面と摺接し、前記第2面と前記第1面との摺動方向に平行する断面の形状が前記摺動方向に直交する軸に対して非対称形状である第2シール手段と、を備えることを特徴とする。
上記の構成により、摺動方向に平行する断面の形状が摺動方向に直交する軸に対して対称形状である第1シール手段、および摺動方向に平行する断面の形状が摺動方向に直交する軸に対して非対称形状である第2シール手段によって、シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを抑制することができる。
本発明のラッシュアジャスタおよび摺動部のシール構造によれば、シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを抑制することができる。
実施例のラッシュアジャスタの一構成例を示した図である。 (A)〜(C)は従来のシール部材の断面形状を示している。 実施例の第1シール部材および第2シール部材の断面形状を示している。 プランジャが高圧室側に摺動する際の第1シール部材及び第2シール部材の面圧分布を示している。 (A)は第1シール部材の面圧分布を示しており、(B)は第2シール部材の面圧分布を示している。 第1シール部材と第1ボディ、および第2シール部材とプランジャとが接触する際の摩擦力と圧力との相関を示している。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明のラッシュアジャスタの一構成例を示した図である。
図1に示すラッシュアジャスタ100は、基本構成として第1ボディ1と、第2ボディ7と、プランジャ2と、チェック弁3と、プランジャスプリング4と、第1シール部材5と、ボールプラグ6と、第2シール部材20とを有している。
第1ボディ1は円筒状の部材で構成されており、第1ボディ1にはプランジャ2が中心軸線と平行な方向で摺動自在に嵌挿されている。本実施例におけるラッシュアジャスタ100は、プランジャ2を大気側から第1ボディ1に嵌挿する構成である。第1ボディ1の先端部には第2ボディ7が圧入されており、第2ボディ7にはプランジャ2の突出を規制するための引っかかり部22が配設されている。この引っかかり部22がプランジャ2の抜け止めとして機能する。また、第2ボディ7は、かしめや溶接によって第1ボディ1に保持されてもよい。
プランジャ2は、略円柱状の部材で構成されており、その内部にはリザーバ室10が形成されている。なお、リザーバ室10は適宜の形状に形成されていてよい。プランジャ2の先端側にはオイル(流体)を注入するための注入孔2aが形成されており、さらにこの注入孔2aには注入したオイルや気体を密封するためのボールプラグ6が圧入されている。オイルは規定量注入されており、リザーバ室10の残りの空間には気体(例えば製造雰囲気から得た空気など)が存在する。密封するオイルとしては、例えばシリコンオイルが適用される。
プランジャ2の後端部には、高圧室11と連通する連通孔2bが形成されており、さらにこの連通孔2bにはチェック弁3が配設されている。プランジャ2の後端側には高圧室11が形成され、この高圧室11にはプランジャスプリング4が配設されている。チェック弁3は、プランジャスプリング4がプランジャ2をその大気側(図1の上方向)へ突出するように付勢する際に開いて、リザーバ室10から高圧室11へのオイルの移動のみを許容し、その逆方向のオイルの移動を遮断する。
また、プランジャ2には、摺動面12からリザーバ室10に通じるリサイクル孔2cが、リザーバ室10側の開口部2fが使用状態で常にオイルの油面Lよりも高圧室11側になるように形成されている。なお、本実施の形態に係るラッシュアジャスタ100は、鉛直方向に対して45度傾斜した状態で内燃機関(図示しない)に取り付けられるため、図1では油面Lを45度傾斜した状態で示している。
リサイクル孔2cは、中心軸線に向かって中心軸線と直交するように形成されており、プランジャ2の摺動面12には、リサイクル孔2cと同じ高さ(摺動方向における位置)で一周に亘って溝部2dが形成されている。さらに、プランジャ2の先端側の摺動面12には溝部2eが一周に亘って形成されており、この溝部2eには外部からのオイルの進入を防止するための第1シール部材5が設けられている。第1シール部材5は、第1ボディ1とプランジャ2との間の隙間をリサイクル孔2cの位置よりもプランジャ2の先端(大気側)に近い位置でシールしている。第1シール部材5には、例えばXシール(具体的には、断面がX文字状である複数のリップを有するオイルシール)を適用できるが、これに限られずその他のシール用部品など適宜のシール手段を適用してよい。尚、Xシールの具体例は、特公昭62−29605号公報に開示されている。
第1ボディ1の内周面には、一周に亘って溝部1aが形成されており、この溝部1aには外部からのオイルの流入を防止するための第2シール部材20が設けられている。第2シール部材20の材質としては、例えばゴムが適用されるが、これに限らず、適宜の材質が適用されてもよい。
ラッシュアジャスタ100では、まず、第1シール部材5を組み付けたプランジャ2を第1ボディ1に嵌挿し、つづいて、溝部1aに第2シール部材20を組み付けた後に、第2ボディ7を圧入する構成である。このように、ラッシュアジャスタ100の筐体を第1ボディ1および第2ボディ7に別体化したことにより、ラッシュアジャスタ100の組立て時に第1シール部材5及び第2シール部材20が互いに接触せずに、プランジャ2を第1ボディ1に嵌挿することができる。よって、ラッシュアジャスタ100の組立て時に第1シール部材5及び/又は第2シール部材20が破損することを回避することができる。また、ラッシュアジャスタ100の筐体を別体化したことにより、溝部1aの加工も容易となる。
図2(A)〜(C)は従来のシール部材の断面形状を示しており、図3は実施例の第1シール部材5及び第2シール部材20の断面形状を示している。
図2(A)〜(C)に示すように、従来のシール部材の断面形状は、円形、D字形、又は、プランジャの摺動面に接触する突起を有する矩形のいずれかで構成されており、各断面形状は、第1ボディ1とプランジャ2との摺動方向に直交する軸(即ち、中心線C)に対して対称形状である。
一方、図3に示すように、第1シール部材5の断面形状は図2(C)と類似し、第1ボディ1の摺動面に接触する突起を有する(又は、第1ボディ1と摺接する側の大気側および高圧部11側が部分的に肉盗みされた)矩形であり、中心線Cに対して対称形状である。これに対して、第2シール部材20は、プランジャ2と摺接する側の大気側(即ち、面圧を高める側であって、オイルの吐き出し側21)が部分的に肉盗みされた断面形状であり、中心線Cに対して非対称形である。また、第2シール部材20は、プランジャ2と摺接する側の高圧室11側(面圧を低下させる側)の一部が高圧室11側に向けて連続的に(テーパ状に)減少する断面形状である。そして、図3に示すように、第2シール部材20の油の吐き出し側21が第1シール部材5の方向と反対向きになるように、第1シール部材5及び第2シール部材20が配置されている。
図4は、プランジャ2が高圧室11側に摺動する際の第1シール部材5及び第2シール部材20の面圧分布を示している。
図4に示すように、第1シール部材5はその断面形状が中心線Cに対して対称形状であるために、第1ボディ1との接触面積を充分に確保することができる。そのため、第1シール部材5と第1ボディ1との接触圧力(面圧)分布は、プランジャ2の摺動方向に関わらず半楕円形状になる。これにより、第1シール部材5は、プランジャ2の摺動によって生じる高圧室11側の流体の圧力と、第1シール部材5及び第2シール部材20の距離変化に伴う圧力との両方に耐えることができる。そのため、ラッシュアジャスタ100の内部に封入されたオイル(流体)が外部へ流出することをより適切に抑制することができる。
一方、図4に示すように、第2シール部材20はその断面形状が中心線Cに対して非対称形状であるために、オイルの吐き出し側21の面圧が高くなる。即ち、プランジャ2が第1ボディ1の高圧室11側に摺動する間に第2シール部材20とプランジャ2との接触圧力が最大値を示すことから、吐き出し側21の最大接触圧力勾配が上がる。これにより、オイルの吐き出し側21の油膜の厚さは薄くなり、プランジャ2が高圧室11側に摺動する過程でオイル(即ち、プランジャ2の外部のオイル)をラッシュアジャスタ100の外部へより適切に掻き出すことができる。
図5(A)は第1シール部材5の面圧分布を示しており、(B)は第2シール部材20の面圧分布を示している。
図5(A),(B)に示すように、第1シール部材5の面圧分布は、半楕円形状であるが、第2シール部材20の面圧分布は偏りを有する半徳利形状である。このため、第2シール部材20の面圧は、第1シール部材5の面圧よりも吐き出し側21の最大接触圧力勾配が上がる。
図6は、第1シール部材5と第1ボディ1、および第2シール部材20とプランジャ2とが接触する際の摩擦力と圧力との相関を示している。
図3に示すように、第2シール部材20は、プランジャ2と摺接する側の高圧室11側(面圧を低下させる側)の一部が高圧室11側に向けて連続的に(テーパ状に)減少する断面形状である。そのため、図6に示すように、第2シール部材20とプランジャ2とが摺接する際の摩擦力は、プランジャ2が第1ボディ1の大気側に摺動する際のフリクションが大幅に低減するために、第1シール部材5と第1ボディ1とが摺接する際の摩擦力よりも7〜12%低下する。従って、図3に示すような断面形状を有する第1シール部材5及び第2シール部材20を利用したラッシュアジャスタ100は、図2(C)の従来のシール部材を利用したラッシュアジャスタよりも伸び上がり性に優れ、ゼロラッシュ機能が保たれ、動弁系の騒音を抑制することができる。
以上のように、本実施例のラッシュアジャスタは、第1ボディとプランジャとの摺動方向に平行する断面の形状が摺動方向に直交する軸に対して対称形状である第1シール部材と、第1ボディとプランジャとの摺動方向に平行する断面の形状が摺動方向に直交する軸に対して非対称形状である第2シール部材と、を備えることにより、ラッシュアジャスタの封入油が外部へ流出すること、および外部油がラッシュアジャスタの内部へ流入することを適切に抑制することができる。よって、シール構造の両端で互いに異なる流体が利用される場合に、双方の流体が混ざることを抑制することができる。
また、本実施例のラッシュアジャスタは、第1シール部材が、第2シール部材よりも高圧室側に設けられ、ボディと摺接する突起を有する断面形状であることにより、第1ボディとの接触面積を充分に確保することができることから、プランジャの摺動によって生じる高圧室側の流体の圧力と、第1シール部材及び第2シール部材の距離変化に伴う圧力との両方に耐えることができる。よって、ラッシュアジャスタの封入油が外部へ流出することをより適切に抑制することができる。
そして、本実施例のラッシュアジャスタは、第2シール部材が、第1シール部材よりも大気側に設けられ、プランジャと摺接する側の大気側の一部が肉盗みされた断面形状であることにより、プランジャがボディの高圧室側に摺動する間に第2シール部材とプランジャとの接触圧力が最大値をとる。よって、プランジャが高圧室側に摺動する過程でプランジャの外部のオイルをラッシュアジャスタの外部へより適切に掻き出すことができる。
更に、本実施例のラッシュアジャスタは、第2シール部材20が、プランジャと摺接する側の高圧室側の一部が高圧室側に向けて連続的に減少する断面形状であることにより、プランジャがボディの大気側に摺動する際のフリクションを低減させることができる。よって、例えば冷間始動時のプランジャの伸び上がり性能が改善されるために、動弁系の騒音をより抑制することができる。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、本実施例のラッシュアジャスタ100の筐体は、第1ボディ1と第2ボディ7とを組み合わせる別体型としたが、これに限られず一体型であってもよい。
また、本実施例のラッシュアジャスタ100の筐体を、ボディおよび蓋部からなる筐体として、プランジャ2を高圧室11側からボディに嵌挿した後に蓋部をボディに圧入し、溶接により蓋部およびボディを合体させる構成としてもよい。これにより、第1シール部材及び第2シール部材が互いに接触せずに、プランジャ2をボディに嵌挿することができることから、第1シール部材5及び/又は第2シール部材20の破損を回避することができる。
更に、本発明はラッシュアジャスタに限定されるものではなく、2つのシール部材を用いるシール構造の両側で異なる流体を使用する構成物に使用されてもよい。
1 第1ボディ
2 プランジャ
3 チェック弁
4 プランジャスプリング
5 第1シール部材
6 ボールプラグ
7 第2ボディ
11 高圧室
20 第2シール部材
21 吐き出し側
22 引っかかり部
100 ラッシュアジャスタ

Claims (5)

  1. 筒状のボディと、
    前記ボディに摺動自在に嵌挿され、前記ボディの底部との間に高圧室を形成するプランジャと、
    前記プランジャに設けられ、前記ボディと摺接し、前記プランジャと前記ボディとの摺動方向に平行する断面の形状が前記摺動方向に直交する軸に対して対称形状である第1シール部材と、
    前記ボディに設けられ、前記プランジャと摺接し、前記ボディと前記プランジャとの摺動方向に平行する断面の形状が前記摺動方向に直交する軸に対して非対称形状である第2シール部材と、
    を備えることを特徴とするラッシュアジャスタ。
  2. 前記第2シール部材は、前記プランジャが前記ボディの高圧室側に摺動する間に前記プランジャとの接触圧力が最大値をとることを特徴とする請求項1記載のラッシュアジャスタ。
  3. 前記第1シール部材は、前記第2シール部材よりも高圧室側に設けられ、前記ボディと摺接する突起を有する断面形状であり、
    前記第2シール部材は、前記第1シール部材よりも大気側に設けられ、前記プランジャと摺接する側の大気側の一部が肉盗みされた断面形状であることを特徴とする請求項1または2記載のラッシュアジャスタ。
  4. 前記第2シール部材は、前記プランジャと摺接する側の高圧室側の一部が高圧室側に向けて連続的に減少する断面形状であることを特徴とする請求項3記載のラッシュアジャスタ。
  5. 対向する第1面および第2面からなる摺動部にて流体を封止する摺動部のシール構造であって、
    前記第1面に設けられ、前記第2面と摺接し、前記第1面と前記第2面との摺動方向に平行する断面の形状が前記摺動方向に直交する軸に対して対称形状である第1シール手段と、
    前記第2面に設けられ、前記第1面と摺接し、前記第2面と前記第1面との摺動方向に平行する断面の形状が前記摺動方向に直交する軸に対して非対称形状である第2シール手段と、
    を備えることを特徴とする摺動部のシール構造。

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