JP2011174110A - 立方晶窒化ホウ素を被覆した材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉄系金属を含まない基体、或いは鉄系金属の触媒作用を封じた鉄系金属を含む基体の表面に、一次元、或いは二次元規則性をもつ直線状の溝を複数形成し、その上に立方晶窒化ホウ素をコーティングすることで、溝の垂直方向に対する膜密着性を高めることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、耐摩耗性、低摩擦性、耐熱性、熱伝導性、電気絶縁性等に優れ、切削工具、金型、耐摩耗性治具等に応用可能な新規な材料であって、特に、立方晶窒化ホウ素を被覆した材料およびその製造方法に関する。
立方晶窒化ホウ素(cubic Boron Nitride:cBN)は、硬度、耐摩耗性、しゅう動性,熱伝導性,電気絶縁性に優れることから、難削材研削や高速切削のためのコーティング材、またヒートシンクや耐熱高絶縁性コーティングに使用される材料として期待されてきた。
cBNは、硬い基材の上にコーティングすることで、cBNの有する硬度を有効活用することができる。ここで、硬い材料であり工具に利用される部材として、鋼(例えば、高速度鋼(high−speed steel;ハイス))は、鉄、コバルト、ニッケルの鉄系金属(遷移金属)が主成分として含まれ、また、炭化タングステン(WC)に代表される超硬合金は、鉄系金属が結合相として含まれる。
これらの材料へ窒化ホウ素(Boron Nitride:BN)をコーティングする場合は、鉄系金属の触媒作用のため、sp2結合の窒化ホウ素(例えば、六方晶窒化ホウ素(hexagonal Boron Nitride;hBN)、乱層構造窒化ホウ素(turbostratic Boron Nitride;tBN)、非晶質窒化ホウ素(amorphous Boron Nitride;aBN))が生成しやすいことから、これらの材料へcBNをコーティングすることは困難であった。
しかし、鉄系金属を除去する方法では、当該酸処理後の表面は純炭化相のみとなり、表面近傍の強度が低下するという問題がある。また表面の鉄系金属が一旦除去された場合であっても、cBN膜を形成する際の高温化処理により、基体内部から結合相の鉄系金属が、基体表面へ拡散することとなり、触媒作用によりcBNの生成を妨害するという問題がある。
また、従来の立方晶窒化ホウ素コーティング法としては、ホウ素をコーティング後、熱拡散により鉄系金属をホウ化して、或いはホウ素を含むガスと反応させ基体をホウ化して(例えば、特許文献2)、或いはホウ素が十分に存在する状態からこれを溶融後、急冷して鉄系金属とホウ素の固溶体を生成して(例えば、特許文献3)、鉄系金属の触媒作用を封じ、超硬材料上でcBN膜の密着性を高める方法がある。
また、従来の立方晶窒化ホウ素コーティング法としては、ケイ素を含むガスと反応させ基体をケイ化して(例えば、特許文献4)、鉄系金属の触媒作用を封じ、超硬材料上でcBN膜の密着性を高める方法がある。
しかし、これらの鉄系金属の触媒作用を封じた基体の上でcBN膜を生成しても、膜密着性は十分に高くならない。これはcBN膜作製時に強いイオン衝撃を必要とするため、膜内部に生じる残留応力が高いためである。
本発明者らは、前記課題を解消するために、基体表面に一次元、或いは二次元規則性構造をもつ直線状の溝を複数形成し、その上にcBNを成膜することで、溝の構成面に垂直な方向の膜密着性を高められることを見出した。
本発明は、基体上に、立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜をコーティングする立方晶窒化ホウ素コーティング法において、基体表面に規則性をもつ直線状の溝から成る構造を形成する溝形成工程と、前記立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜を形成するコーティング工程とを備えるものである。また本発明は、鉄系金属を含む基体上に、立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜をコーティングする立方晶窒化ホウ素コーティング法において、前記基体表面の鉄系金属の触媒作用を封じるための触媒作用抑制工程と、基体表面に規則性をもつ直線状の溝から成る構造を形成する溝形成工程と、前記立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜を形成するコーティング工程とを備えるものである。
溝の方向、幅、深さ、間隔を制御することによって、被膜の利用用途に応じて、膜密着性、膜厚、コスト、を選択することができる。溝の方向、幅、深さ、間隔を精密に制御すれば、膜密着性と、密着性の面内均一性が高まる。
本発明者らは、これらの方法をもとに、さらに膜密着性を向上する術を鋭意研究した結果、基体表面に規則的で方向性をもつ溝を多数形成し、その後cBN膜を形成すれば、溝に平行な方向に従来水準の膜密着性を示す一方、溝に垂直な方向に高い膜密着性を示すことを発見して、本発明をなした。
その結果、本発明者らは、溝に垂直な方向に関して、従来よりも高い膜密着性を有する高品質cBN被覆超硬合金基体を提供することが可能となった。
(基体の種類)
本発明のコーティング法は、シリコン(ケイ素)をはじめとするあらゆる基体に適用されるが、最も有効に適用されるのは鉄系金属を結合相とする超硬合金基体である。ここで、鉄系金属としては、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)が挙げられる。これらの鉄系金属を主成分とする基体に有用であるが、cBNの特性を生かすためには特にハイス等の高硬度鋼に用いるのが好適である。超硬合金としては、WC−Co系合金、WC−TiC−Co系合金、WC−TaC−Co系合金、WC−Ni系合金、WC−Ni−Cr系合金、TiN−Ni系合金等の鉄、コバルト、ニッケルを結合相とする超硬合金の基体に対して好適である。
このうち、最も広く用いられている超硬合金はWC−Co系合金であるが、これはWCの硬度、高温強度等とCoのWCに対する良接着性により、合金としての硬度、靭性、対欠損性等の機械的特性が特に優れているからである。
このような高硬度基体にコートした場合、cBNの高硬度、耐熱性、耐酸化性、低摩擦性等を有効活用できる応用分野(例えば、切削工具、研削工具、ドリル等の加工工具、金型、ダイス、ボンディングツール等の対磨耗冶具等の高温・耐酸化性の低摩擦しゅう動部材)に用いることができる。
シリコン、SiC、Ta、サファイアなどの半導体、或いは金属、或いは絶縁体の基体へ適用した場合、cBN膜の密着性の向上によって膜厚を増加できるので、cBN本来の高絶縁性、高耐電圧、高耐熱耐酸化性、高熱伝導性を生かした高温対応、或いは低損失、或いは大容量の高性能電気電子材料素子に用いることができる。
図1に示すように、本発明の立方晶窒化ホウ素コーティング法は、まず鉄系金属の触媒作用を抑制する(S1)。その後溝の形成を行う(S2)。溝の形状次第では、S1とS2の順序を入れ替えて、S2の後にS1を行っても良い。なお鉄系金属を含まない基体の場合には、このS1の触媒作用抑制工程は不必要である。
例えば基体表面への金属中間層のコーティング、基体表面のホウ化或いはケイ化などの方法が存在する。これらの処理を行うための基体上への原料の供給は、化学気相成長法(CVD)、電子ビーム蒸着、イオンビーム蒸着、イオンプレーティング,スパッタリング,レーザーアブレーション等の物理的気相成長法(PVD)、或いは固体粉末の塗布のいずれか、或いは複合により行うことができる。
S1の触媒作用抑制後、一次元、或いは二次元規則性をもつ直線状の溝を形成する(S2)。溝の形成は、基体の硬度が低い場合は、エメリー紙を基体表面へ所定圧力で押し当て、定規等の直線部に沿って駆動して研磨することで可能である。基体の硬度が高い場合は、アルミナ、SiC、BN,或いはダイヤモンドパウダー等を用いた研磨で同様に可能である。これらの研磨を手作業で行った場合、得られる溝形状の均一性は高くないが、製造工程の簡素化と低コスト化が可能である。膜密着性を高めるには、溝の断面形状が長方形であることが最も望ましいが、アルファベットのVやUの形、あるいはそれらの形を変形したものでも良い。溝同士が交差したり、溝が不連続で途切れたり、溝が曲線を帯びていても、膜密着性は高められる。なお溝形状の均一性を高めるには、マスク蒸着等によるパターン形成後、或いはリソグラフィを用いてパターンを形成後、プラズマ、イオンビーム、化学エッチング等により選択的エッチングを行うことで可能である。
超硬合金基体上の膜密着性を高めるには、溝の深さ、幅、間隔はいずれも0.1〜100μmの範囲であることが望ましい。なお最適な溝の形状は、膜厚、膜質、cBN形成方法などによって異なるため、範囲外の値であっても、膜密着性を高められるが、その場合本発明者らが意図する切削工具等への利用には十分ではない。
cBNのコーティングは、これまで知られている立方晶窒化ホウ素の化学気相成長法(CVD)、および物理的気相成長法(PVD)のいずれかあるいはそれらの複合した方法を用いることにより行うことができる(S3)。すなわち、プラズマジェット、マイクロ波プラズマ,誘導結合型プラズマ,電子サイクロトロン共鳴プラズマなどのさまざまな高密度プラズマを用いるプラズマCVD法、バイアススパッタリング、イオンビーム蒸着、イオンビームアシスト蒸着等のPVD法を用いることができる。
高結晶性のcBNをコーティングする場合は、上記のように基体表面の触媒作用を抑制し、溝を形成した後、特にCVD法の中で、フッ素を含むガス系からのプラズマCVD法を使用する。
このプラズマCVD法において、ジボラン,三フッ化ホウ素等のホウ素源、窒素,アンモニア等の窒素源、及び三フッ化ホウ素,フッ素,フッ化水素等のフッ素源を気相中に供給し、気相をプラズマ化により活性化し、立方晶窒化ホウ素を基体上へ析出させる。このCVDの実施により、結晶性が良く、高い密着性を有するcBN膜をコーティングすることができる(S3)。
このS3において、反応とプラズマの制御のために水素、希ガスのうちどちらか単独を或いは両方を加えることができる。この場合、反応容器壁或いは反応容器内に設置した参照電極に対し、基体にバイアス電圧をかける。プラズマの種類としては、プラズマジェット、マイクロ波プラズマ、誘導結合型プラズマ、電子サイクロトロン共鳴プラズマなどのさまざまな高密度プラズマを利用できる。
基体バイアスには直流、交流、高周波、或いはそれらの重積、或いはそれらをパルス化した電源のいずれでも用いることができる。最適なバイアス電圧は、ガス圧、ガス組成、基体温度等により異なるが、0〜−200V程度、プラズマの種類によっては0〜+100V程度の正のバイアスを用いることも可能である。
また、薄膜X線回折で、前記表面膜の立方晶窒化ホウ素の(111)、(200)、(220)、(311)の内のいずれかの反射ピークの2θの半値幅が、それぞれ1.5、2.5、2.5、3度以下であるものとして得ることができる。さらに結晶性が良い場合は、上記ラマンピークの半値幅は25cm−1以下に、X線回折の(111)、(200)、(220)、(311)の内のいずれかの反射ピークの2θの半値幅が、それぞれ1、1.5、1.5、2度以下となる。
このように、従来のcBNコーティング法では、鉄系金属の触媒作用を封じた平坦な基体、あるいはランダムな方向に粗化した基体の表面に膜を形成するため、膜密着性を十分に高められない。しかし、本発明のcBNコーティング法では、例えば図2に示すように、規則的な方向性をもつ溝を形成した基体表面に膜を形成することで、溝に垂直な方向に対する膜密着性を高められる。
(実施例1)
6%Co含有の炭化タングステン(以下WC−6%Co)基体上に、厚さ3μmのジルコニウム(Zr)膜をスパッタリング法によりコーティングし、鉄系金属の触媒作用を封じた。その基体表面を600番のエメリー紙に押し当て、基体を定規の直線部に沿って手作業で駆動することで研磨し、前記Zr表面に多数の直線からなる一次元溝構造を形成した。この溝構造を形成された基体表面の原子間力顕微鏡像を図4に示すが、溝の平均深さ、幅、間隔はそれぞれ1.5μm、15μm、15μmであった。その後、前記基体上をCVD装置内に入れて、アルゴン−三フッ化ホウ素―水素―窒素ガス(20:0.003:0.005:1.5)からのアークジェットプラズマCVD法により基体温度850℃、圧力50Torr、基体バイアス−85Vにて20分間の反応によりcBN膜を堆積させた。
このcBN膜の膜厚は4μmであった。膜密着性をアコースティックエミッション付きスクラッチテスト機で調べたところ、溝に平行な方向1の剥れ加重は37Nであったのに対し、溝に垂直な方向2の剥れ加重は47Nであった。
この膜のラマン散乱スペクトルを図5に示すが、光学的縦波モードのフォノンによるラマン散乱(LOモード)又は光学的横波モードのフォノンによるラマン散乱(TOモード)のピークの半値幅はそれぞれ、23.3、38.4cm−1であった。
WC−6%Co基体上に、3μm厚のZr膜をスパッタリング法によりコーティングした後、エメリー紙を用いて碁盤目状の直線から成る二次元溝構造を形成した。この溝構造を形成された基体表面の原子間力顕微鏡像を図6に示す。方向1と方向2は、互いに直交する溝の向きをそれぞれ表わしている。その後、実施例1と同じアークジェットプラズマCVD法によりcBN膜を堆積させた。膜密着性をアコースティックエミッション付きスクラッチテスト機で調べたところ、方向1および方向2の剥れ加重はともに42Nであった。
WC−6%Co基体上に、3μm厚のZr膜をスパッタリング法によりコーティングした後、エメリー紙を用いた溝の形成をせずに、実施例1と同じアークジェットプラズマCVD法によりcBN膜を堆積させた。膜密着性をアコースティックエミッション付きスクラッチテスト機で調べたところ、剥れ加重は36Nであった。
WC−6%Co基体上に、Zr膜をコーティングせずに、エメリー紙を用いて多数の直線からなる一次元溝構造を形成し、実施例1と同じアークジェットプラズマCVD法によりcBN膜を堆積させたが、sp2BNを主成分とする膜であった。膜密着性をアコースティックエミッション付きスクラッチテスト機で調べたところ、剥れ加重は1N以下であった。
WC−6%Co基体表面に、エタノールに浸した平均粒径1μmのダイヤモンドパウダーを塗布した後、平板ガラスに押し当て、定規の直線部に沿って手作業で動かすことで研磨し、さらにエタノール中でパウダーを洗浄除去し、基体表面に多数の直線からなる一次元溝構造を形成した。溝の平均深さ、幅、間隔はそれぞれ1μm、10μm、10μmであった。その後、厚さ0.1μmのケイ素膜をスパッタリング法によりコーティングし、鉄系金属の触媒作用を封じた。これをヘリウム−窒素−三フッ化ホウ素−水素ガス(80:20:1.5:15)からの高周波誘導プラズマCVD法により基体温度700℃、圧力0.3Torr、基体バイアス+30Vにて45分間の反応によりcBNを主成分とする膜を堆積させた。
このcBN膜の膜厚は2μmであった。膜密着性をアコースティックエミッション付きスクラッチテスト機で調べたところ、溝に平行方向の剥れ加重は10Nであったのに対し、溝に垂直方向の剥れ加重は19Nであった。
WC−6%Co基体上に、ダイヤモンドパウダーを用いた溝の形成をせずに、厚さ0.1μmのケイ素膜をスパッタリング法によりコーティングし、鉄系金属の触媒作用を封じた。その後、実施例2と同じ高周波誘導プラズマCVD法によりcBN膜を堆積させた。膜密着性をアコースティックエミッション付きスクラッチテスト機で調べたところ、剥れ加重は10Nであった。
高硬度基体と高い密着性を示す高品質cBN膜被覆複合体は、高硬度、高耐磨耗性、高耐熱性、高熱伝導度を用いる切削工具、研削工具、ドリル、軸受け等のコーティング、または耐摩耗性コーティングへ等の応用が期待される。さらに、cBNは高絶縁性、高耐電圧、高耐熱耐酸化性、高熱伝導性であるため、高性能電気電子材料素子等への幅広い応用も期待される。工具としては、特定の運動方向への膜密着性が強く求められるドリルや軸受けなどへの応用に際してとりわけ有用性が高い。
Claims (6)
- 基体上に、立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜をコーティングする立方晶窒化ホウ素コーティング法において、
前記基体表面に一次元、或いは二次元規則性をもつ直線状の溝を形成する溝形成工程と、前記立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜を形成するコーティング工程とを備えることを特徴とする
立方晶窒化ホウ素コーティング法。 - 請求項1に記載の立方晶窒化ホウ素コーティング法において、
前記基体が、鉄系遷移金属を含む基体であり、
前記基体の表面にて前記基体を構成する鉄系遷移金属の触媒作用を封じる触媒作用抑制工程と、前記触媒作用抑制工程により改質した前記基体表面に前記溝形成工程により一次元、或いは二次元規則性をもつ直線状の溝を形成する溝形成工程と、前記溝形成工程により改質した前記基体表面に前記立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜を形成するコーティング工程とを備えることを特徴とする
立方晶窒化ホウ素コーティング法。 - 請求項1に記載の立方晶窒化ホウ素コーティング法において、
前記基体が、前記鉄系遷移金属を結合相とする超硬合金基体であり、
前記触媒作用抑制工程が、前記基体の表面にて前記基体を構成する鉄系遷移金属および超硬合金を改質し、
前記溝形成工程が、前記触媒作用抑制工程により改質した前記基体表面に前記溝形成工程により一次元、或いは二次元規則性をもつ直線状の溝を形成する溝形成工程と、前記溝形成工程により改質した前記基体表面に前記立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜を形成するコーティング工程とを備えることを特徴とする
立方晶窒化ホウ素コーティング法。 - 請求項2ないし請求項3に記載の立方晶窒化ホウ素コーティング法において、前期基体に前記溝形成工程を行い、しかる後に前記触媒抑制工程を行った後、前記立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜を形成するコーティング工程とを備えることを特徴とする
立方晶窒化ホウ素コーティング法。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の立方晶窒化ホウ素コーティング法において、
前記立方晶窒化ホウ素コーティング工程が、フッ素を含むガス系からの化学気相成長法(CVD)により立方晶窒化ホウ素を生成し、ラマンスペクトルでcBNの光学的縦波モードのフォノンによるラマン散乱又は光学的横波モードのフォノンによるラマン散乱のいずれか一方あるいは両方の半値幅が、50cm−1以下のピークを示す高結晶性の立方晶窒化ホウ素をコーティングすることを特徴とする
立方晶窒化ホウ素コーティング法。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかの立方晶窒化ホウ素コーティング法により得られ、基体上に立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜がコーティングされた立方晶窒化ホウ素コーティング材料、および当該材料が部材として構成されたことを特徴とする工具、機械部品、電気電子素子。
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