JP2011173739A - カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒金属を用いることなく、フラーレンを利用したカーボンナノチューブの成長ができるようにする。
【解決手段】基板101の上にフラーレン102を配置する。次に、基板101を酸素が含まれている雰囲気で加熱し、この処理が行われた前処理済みフラーレン103が、基板101の上に配置された状態とする。この加熱工程では、酸素が含まれている雰囲気による加熱で、フラーレン102の重量が減少し始める温度より高く、フラーレン102が消失する温度より低い温度範囲で加熱する。この後、加熱した基板101の上に原料ガスを導入してカーボンナノチューブの成長を行う。
【選択図】 図1B

Description

本発明は、炭化水素ガスを原料ガスとした気相成長法によるカーボンナノチューブの製造方法に関するものである。
カーボンナノチューブは、炭素で構成されたグラファイトのシート(グラフェン)を筒状に丸めた構造物であり、円筒の直径は最小で0.4nmである。また、カーボンナノチューブには、円筒が1原子層のシートで構成された単層ナノチューブから複数枚のシートで構成された多層ナノチューブが存在する。このような構造のカーボンナノチューブは、将来nmオーダーへと微細化する電子デバイスとして必要とされる高電流密度、バリステック伝導、高熱伝導度、細い線幅など優れた特性を備えている。
ところで、カーボンナノチューブでは、生成時に原子が結合する角度が決定され、結果的に形成される円筒部分の原子配列において、円筒の直径が同じものであっても、六員環の並ぶ方向とチューブの外周円方向とのなす角(カイラル角)が異なるものが生成される。カーボンナノチューブでは、このカイラル角と直径で決まる原子配列が、螺旋度(カイラリティ)として指数づけられている。また、この螺旋度に依存してカーボンナノチューブの電子物性が決まり、半導体や金属の性質を持つものが混在して生成される。
従って、電子デバイス材料としてのカーボンナノチューブの実用化には、螺旋度が同一のカーボンナノチューブを成長させることが重要であり、課題となっている。このような中で、同一螺旋度のカーボンナノチューブ成長を可能にするため、同じ炭素の同素体で中空構造をもつフラーレンの利用が期待されている。例えば、フラーレンをカーボンナノチューブの先端を閉じるキャップとすることにより、上述した螺旋度の均一化が達成できるのではないかと一般に期待されている。
J. Adelene Nisha, et al. "Studies of C60 Oxidation and Products", J. Phys. Chem. , vol.100, pp.4503-4506, 1996. 佐々木 朝照、中村 勝光、「フラーレンの昇華法による分離」、日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要、No.42、pp.229−235、2007年. M. Wohlers, et al, "Reaction of C60 and C70 with molecular oxygen", Synthetic Metals, vol.77,pp.299-302, 1996.
しかしながら、触媒金属を用いたCVD法によるカーボンナノチューブの成長において、フラーレンを原料として用いた報告はあるが、この場合、生成されたカーボンナノチューブの直径は、明らかに分布があり、特定の螺旋度のものだけの成長は達成されていない。これは、触媒金属法を用いる場合、カーボンナノチューブの成長時にはフラーレンの構造が維持されておらず、フラーレンは炭素源として機能しているだけに過ぎないことが原因と推論される。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、触媒金属を用いることなく、フラーレンを利用したカーボンナノチューブの成長ができるようにすることを目的とする。
本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法は、基板の上にフラーレンを配置する第1工程と、基板を酸素が含まれている雰囲気で加熱する第2工程と、加熱した基板の上に原料ガスを導入して基板の上にカーボンナノチューブを形成する第3工程とを少なくとも備え、第2工程では、酸素が含まれている雰囲気の加熱で、フラーレンの重量が減少し始める温度より高く、フラーレンが消失する温度より低い温度範囲で加熱する。
上記カーボンナノチューブの製造方法において、第2工程は、大気の雰囲気で340〜640℃の範囲に加熱すればよい。また、第2工程は、酸素ガスの雰囲気で220〜455℃の範囲に加熱すればよい。また、原料ガスは、炭化水素のガスであり、第3工程では、基板を700〜900℃の範囲に加熱すればよい。また、原料ガスは、炭素数が2の炭化水素のガスであればよい。例えば、原料ガスは、エタノールおよびアセチレンの少なくとも1つであればよい。また、フラーレンは、C60であればよい。
以上説明したように、本発明によれば、酸素が含まれている雰囲気による加熱で、フラーレンの重量が減少し始める温度より高く、フラーレンが消失する温度より低い温度範囲で、酸素が含まれている雰囲気でフラーレンを加熱してからカーボンナノチューブの成長を行うので、触媒金属を用いることなく、フラーレンを利用したカーボンナノチューブの成長ができるようになるという優れた効果が得られる。
図1Aは、本発明の実施の形態におけるカーボンナノチューブの製造方法を説明するための各段階(工程)における状態を示す説明図である。 図1Bは、本発明の実施の形態におけるカーボンナノチューブの製造方法を説明するための各段階(工程)における状態を示す説明図である。 図1Cは、本発明の実施の形態におけるカーボンナノチューブの製造方法を説明するための各段階(工程)における状態を示す説明図である。 図2は、フラーレンを大気の雰囲気で加熱したときの加熱温度に対する重量の変化を示す特性図である。 図3は、本発明の実施の形態におけるカーボンナノチューブの製造方法で製造したカーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真である。 図4は、本発明の実施の形態におけるカーボンナノチューブの製造方法で製造したカーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1A〜図1Cは、本発明の実施の形態におけるカーボンナノチューブの製造方法を説明するための、各段階(工程)における状態を示す説明図である。
本実施の形態におけるカーボンナノチューブの製造方法は、まず、図1Aに示すように、基板101の上にフラーレン102を配置する。次に、基板101を酸素が含まれている雰囲気で加熱し、図1Bに示すように、上記処理が行われた前処理済みフラーレン103が、基板101の上に配置された状態とする。この加熱工程では、酸素が含まれている雰囲気による加熱で、フラーレン102の重量が減少し始める温度より高く、フラーレン102が消失する温度より低い温度範囲で加熱する。この後、加熱した基板101の上に原料ガスを導入してカーボンナノチューブの成長を行い、図1Cに示すように、基板101の上にカーボンナノチューブ104を形成する。
例えば、基板101としては、熱酸化やスパッタ法などにより表面に酸化膜が形成されたシリコン基板を用いればよい。基板101には、この表面の活性が低いものがよく、例えば、石英基,ダイヤモンド基板,サファイア,グラファイト,MgO,CaF2,およびマイカなどが適用できる。また、基板上にゲル状のシリカを配した構成を用いてもよい。このような基板101を用いれば、加熱により、フラーレン102が基板101と炭化物を形成することが抑制される。基板としては、温度を上げることによって、フラーレンと基板とが炭化物を形成しないことが重要となる。
また、例えば、複数のフラーレンを分散させたエタノールを、基板101の上に滴下して塗布し、この後、エタノールを気化させれば、基板101の上に、フラーレン102を配置することができる。
次に、酸素が含まれている雰囲気で加熱を行う前処理は、例えば、カーボンナノチューブを成長させる成長装置において、成膜室内に大気を導入して基板101を加熱すればよい。また、成膜室内に酸素を導入して基板101を加熱すればよい。ここで、酸素が含まれている雰囲気で加熱を行う前処理では、加熱の温度が高すぎると、フラーレンが燃焼して消失してしまうので、この温度より低くすることが重要となる。また、上記前処理においては、後述するように、低くても200℃程度に加熱しないと、この後の工程で、カーボンナノチューブの成長が起こらないことが確認されている。
例えば、フラーレン102としてC60を用い、大気の雰囲気で加熱すると、図2に示すように、加熱温度に対して重量が変化する。この場合、340℃程度より重量の変化(減小)がはじまり、640℃を超えると重量がなくなる。このようにフラーレン102(前処理済みフラーレン103)の重量が変化する中で、重量の変化がはじまる340℃以上の条件で前処理を行うと、この後のカーボンナノチューブ成長工程で、カーボンナノチューブの成長が確認されている。当然ながら、640℃を超えて加熱するとフラーレンが消失し、この後の成長工程においてはカーボンナノチューブが成長しない。従って、大気を用いて前処理を行う場合、340〜640℃の範囲の条件で加熱を行えばよい。
ところで、前処理において酸素ガスを用いる場合、上述した加熱に対する重量の変化が220℃ではじまり、455℃を超えると重量がなくなることが報告されている(非特許文献1参照)。従って、前処理において酸素ガスを用いる場合、220〜455℃の範囲の条件で加熱を行えばよいものと考えられる。これらの大気の場合と酸素ガスの場合との違いは、酸素の分圧が異なることに起因しているものと考えることができる。いずれにおいても、前処理においては、酸素が存在する雰囲気での加熱を、フラーレンの重量が減少し始める温度より高く、フラーレンが消失する温度より低い温度範囲で行えばよい。
以上の前処理を行った後、カーボンナノチューブの成長温度まで昇温する。この昇温においては、フラーレンの蒸発を抑制するために、大気圧に近い圧力のガス雰囲気とすることが重要となる。ここで、圧力上限は、成長装置(成膜室)からのガスの漏れのない与圧限界とすればよい。与圧限界は、成長装置に依存するが、典型的には、147099.75Pa(1.5気圧)程度である。また、C60を用いた場合には、基板温度900℃で蒸気圧が3013.0772Pa(22.6Torr)と推定される(非特許文献2参照)。従って、すぐにはフラーレンを蒸発させない(フラーレンが蒸発しにくい状態とする)ためには、3013.0772Pa(22.6Torr)以上の圧力に設定する必要がある。また、昇温時の雰囲気に供給するガスとしては、不活性ガスまたは還元性のガスが適当であり、例えばArガスやArに水素を添加したガスが適当である。
以上のようにして基板101を成長温度にまで昇温した後、カーボンナノチューブの成長工程では、成膜室において、基板101の温度を成長温度に維持しつつ、ここに炭化水素ガスを供給して設定された時間保持すればよい。成長材料(原料ガス)である炭化水素ガスについては、成長するカーボンナノチューブの収量を多くするために、エタノールおよびアセチレンが挙げられる。これらは、少ない量でカーボンナノチューブを製造できるガスであり、2つの炭素原子が結合したC2構造を分子構造に含むことが効率よく成長できる原因と推察している。この観点より、他にもエチレンもよい成長材料ガスである。また、成長温度については、700℃以上900℃以下で成長が確認され、この範囲を外れると成長が認められていないので、この範囲に設定することが重要となる。
以下、実験例を説明する。
[実験1]
まず、フラーレン102としてC60を用い、前処理においては、基板101を、大気中,550℃・10分の条件で加熱する。次に、成長工程では、成膜室内をアルゴン95%,水素5%の混合ガス雰囲気で圧力93325.4Pa(700Torr)に設定して基板101を850℃まで加熱し、基板101が850℃に加熱された状態で、成膜室内にエタノールのガスを導入する。成膜室としては、管径36mmの石英管を用いる。また、エタノールは、流量1〜10sccmで導入し、成膜室内の圧力(成長圧力)は、1.33322〜93325.4Pa(10-2〜700Torr)とし、成長時間は30分とする。上述した条件で各ガスを導入している状態で、排気調製することで上記圧力に制御する。なお、sccmは流量の単位であり、0℃・1気圧の流体が1分間に1cm3流れることを示す。
以上の条件による実験の結果、図3の走査型電子顕微鏡写真に示すように、カーボンナノチューブが形成される。白く長い紐状に見えるものがカーボンナノチューブである。また、同様な製造工程を経て、成長工程に関しては、エタノール流量1〜10sccm,成長圧力1.33322〜93325.4Paの範囲で、異なる成長条件とした場合においても、カーボンナノチューブの成長が確認されている。
[実験例2]
また、原料ガスとしてアセチレンを用いた場合においても、カーボンナノチューブが成長する。まず、フラーレン102としてC60を用い、前処理においては、基板101を、大気中,550℃・10分の条件で加熱する。次に、成長工程では、成膜室内をアルゴン95%,水素5%の混合ガス雰囲気で圧力93325.4Pa(700Torr)に設定して基板101を700〜850℃まで加熱し、基板101が設定温度に加熱された状態で、成膜室内にアセチレンのガスを導入する。また、アセチレンは、流量2sccmで導入し、成膜室内の圧力(成長圧力)は、0.00133322〜13.3322Pa(10-5Torr〜10-1Torr)とし、成長時間は30分とする。この場合、成長温度は、700℃から850℃までを試みた。この実験においても、図4の走査型電子顕微鏡写真に示すように、カーボンナノチューブが形成される。白く長い紐状に見えるものがカーボンナノチューブである。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、触媒金属を用いることなく、フラーレンを利用したカーボンナノチューブの成長ができるようになる。本実施の形態によれば、フラーレンがほぼこの構造または一部分が残った構造の状態で存在している状態で、カーボンナノチューブ成長が行えるものと考えられ、フラーレンを核としたカーボンナノチューブの成長による特性の揃った同じ螺旋度のカーボンナノチューブ形成が期待できる。
以下、上述したカーボンナノチューブの製造方法について検討する。前述したように、フラーレンを用いることで、カーボンナノチューブの均一化の達成が期待されている中で、例えば、フラーレンをキャップとしてカーボンナノチューブを成長する技術が試みられている。フラーレンをキャップとして成長するには、フラーレンの一部分を触媒金属に溶融させ、キャップとする部分だけについてフラーレンの構造を維持した状態で残して触媒金属の上に配置する必要がある。
しかしながら、フラーレン構造が触媒金属に溶解することにより壊れる場合には、フラーレン構造全体が壊れて触媒金属に溶解するものと予測され、期待するように、一部分だけ溶融させてフラーレン構造の一部分だけを残すようなことは極めて困難と考えられる。従って、従来の典型的なカーボンナノチューブの製造方法に必要な触媒金属の使用を前提とした上では、フラーレンを利用したカーボンナノチューブの均一化は実現できていないと推察される。
このため、触媒金属を用いる方法ではなく、フラーレン構造の一部分を分解して(壊して)化学的に活性な部分を露出させ、露出した箇所に成長材料を供給することで、カーボンナノチューブがフラーレンを核構造として成長の基点とすることができるのではないかと着想した。この方法は、従来の触媒金属とフラーレンを用いてカーボンナノチューブを成長する方法と対比させると、従来の方法では成長用の炭素材料がフラーレンであるのに対し、成長用の炭素材料に炭化水素のガスを用いる点が、根本的に異なる。
また、上述した着想は、発明者らが、ダイヤモンドやSiCなどを成長核としてカーボンナノチューブの成長に成功し、この成果から提唱している独自の成長機構を基本になされたものである。カーボンナノチューブの成長時に、通常用いられる触媒能のある金属を用いる一般的な発想にとらわれていては容易に着想できなかったものである。
フラーレンの一部を分解することは、非特許文献3に報告されており、酸素が含まれている雰囲気で加熱すること(酸化反応)により可能なものと考えられる。ただし、フラーレンの一部を分解し、単純に開口部のあるフラーレンを形成するだけでは、カーボンナノチューブの成長に用いることは容易ではない。フラーレンの蒸気圧は比較的高いため、カーボンナノチューブ成長に必要な高温に至る前にまでフラーレンが蒸発し、基板上に留めておくことが困難なためである。
従って、フラーレンを利用する場合、この一部を分解するだけではなく、一部を分解したフラーレンを、カーボンナノチューブの成長温度まで基板上に留めておく工夫も重要となる。このために、フラーレンが蒸発してしまう温度より低温でフラーレン同士が結合することにより分子量を大きくすれば、蒸発を防ぐことができると考えた。これに関連し、非特許文献1には、200℃程度の低温で酸素を介してフラーレンが結合することが、酸化反応によって引き起こされることが報告されている。
これらの知見により、発明者らは、酸素の存在する雰囲気でフラーレンを加熱することで発生するものと考えられる上記2つの原料を利用すれば、前述したカーボンナノチューブの成長のための核となり得るフラーレンの構造を形成することが可能なものと考えた。
上述した実施の形態において、前処理として、酸素が存在する雰囲気での加熱を、フラーレンの重量が減少し始める温度より高く、フラーレンが消失する温度より低い温度範囲で行うことで、まず、基板の上に配置したフラーレンの一部が分解して籠構造の一部が壊れ、化学的に活性な部分を露出するものと考えられる。このことが、図2を用いて説明した重量の変化に関連するものと考えられる。また、この前処理により、一部が分解しているフラーレン同士が結合し、大きな分子量の状態となるものと考えられる。
実際に、基板の上にフラーレンを配置することなく、前処理を行った後に成長温度にまで昇温し、この温度を維持して原料ガスを導入しても、基板の上にはカーボンナノチューブが成長しない。これに対し、基板の上にフラーレンを配置しておけば、前処理を行った後に成長温度にまで昇温し、この温度を維持して原料ガスを導入すれば、カーボンナノチューブが成長する。これら結果が、フラーレンがほぼこの構造の状態で存在している状態で、カーボンナノチューブ成長が行われていることを示し、フラーレンを核としたカーボンナノチューブの成長が行われていることを示しているものといえる。このため、本発明によれば、特性の揃った同じ螺旋度のカーボンナノチューブ形成が期待できる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形が実施可能であることは明白である。例えば、フラーレンはC60に限るものではなく、炭素数が70,74,76,78などの高次フラーレンであっても用いることが可能である。用いるフラーレンに対応し、酸素が含まれている雰囲気での加熱処理の条件、カーボンナノチューブの成長条件などを適宜に設定すればよい。また、カーボンナノチューブ成長においては、複数の炭化水素ガスを混合して原料ガスとして用いるようにしてもよい。
101…基板、102…フラーレン、103…前処理済みフラーレン、104…カーボンナノチューブ。

Claims (7)

  1. 基板の上にフラーレンを配置する第1工程と、
    前記基板を酸素が含まれている雰囲気で加熱する第2工程と、
    加熱した前記基板の上に原料ガスを導入して前記基板の上にカーボンナノチューブを形成する第3工程と
    を少なくとも備え、
    前記第2工程では、酸素が含まれている雰囲気による加熱で、前記フラーレンの重量が減少し始める温度より高く、前記フラーレンが消失する温度より低い温度範囲で加熱することを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  2. 請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記第2工程は、大気の雰囲気で340〜640℃の範囲に加熱することを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  3. 請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記第2工程は、酸素ガスの雰囲気で220〜455℃の範囲に加熱することを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記原料ガスは、炭化水素のガスであり、前記第3工程では、前記基板を700〜900℃の範囲に加熱することを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  5. 請求項4記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記原料ガスは、炭素数が2の炭化水素のガスであることを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  6. 請求項5記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記原料ガスは、エタノールおよびアセチレンの少なくとも1つであることを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記フラーレンは、C60であることを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
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Liu et al. Layered growth of aligned carbon nanotubes arrays on silicon wafers

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