JP2011165759A - Cmp研磨液及びこのcmp研磨液を用いた研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の研磨液を用いた場合よりも、少なくともパラジウム層の研磨速度を向上させることができるCMP研磨液及び研磨方法を提供する。
【解決手段】本発明のCMP研磨液は、アニオン性官能基を有する砥粒と、1,2,4−トリアゾールと、リン酸類と、酸化剤と、水とを含有し、pHが7以下である。本発明の研磨方法は、少なくとも一方面上にパラジウム層が形成された基板と研磨布との間にCMP研磨液を供給しながら、パラジウム層を研磨布で研磨する工程を備え、CMP研磨液が、アニオン性官能基を有する砥粒と、1,2,4−トリアゾールと、リン酸類と、酸化剤と、水とを含有し、CMP研磨液のpHが7以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、CMP研磨液及びこのCMP研磨液を用いた研磨方法に関する。
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、高性能化に伴って、新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(CMP)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜層の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成において頻繁に利用される技術となっている(例えば、特許文献1参照)。
CMPに用いられる金属用の研磨液は、一般に酸化剤及び固体砥粒を有しており、必要に応じて更に酸化金属溶解剤、保護膜形成剤(金属防食剤)が添加される。研磨は、まず、酸化剤によって金属層表面を酸化して酸化層を形成し、その酸化層を固体砥粒によって削り取るのが基本的なメカニズムであると考えられている。
溝(凹部)上に堆積した金層表面の酸化層は、研磨布(研磨パッド)にあまり触れず、固体砥粒による削り取りの効果が及ばないが、研磨布に触れる凸部上に堆積した金属層表面の酸化層では、削り取りが進む。従って、CMPの進行とともに、凸部上の金属層が除去されて基板表面は平坦化される(例えば、非特許文献1参照)。
一方、半導体素子の高集積化に伴い多ピン化、狭ピッチ化、更に薄型実装化が要求されている。さらに、半導体素子と配線基板間での配線遅延やノイズ防止も重要な課題となっている。このために、半導体素子と配線基板との接続方式は、従来のワイヤボンディングを主体とした実装方式に替わりフリップチップ実装方式が広く採用されてきている。
そして、このフリップチップ実装方式においては、半導体素子の電極端子上に突起電極を形成し、この突起電極を介して配線基板上に形成された接続端子に一括して接合するはんだバンプ接続法が広く使用されている。
CMP研磨液としては、基板に形成された窒化チタン又は窒化タンタル等からなる層を研磨対象とするものとして、保護膜形成剤、有機酸を添加した研磨液が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、銅からなる層にCMPを適用する試みは、例えば、2−キノリンカルボン酸を添加した研磨液を用いる方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。また、ニッケル層にCMPを適用する試みは、例えばHDD磁気ヘッド用研磨液として砥粒、有機酸、酸化剤を添加した研磨液を用いる方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
ところで、パラジウムは、一般に白金やルテニウム等と共に「貴金属」に分類される。このような貴金属層にCMPを適用する試みは、例えば、硫黄化合物を添加した研磨液や、ジケトン、窒素含有複素環化合物、又は両性イオン化合物の何れかを添加した研磨液、白金族系金属の酸化物を添加した研磨液を用いる方法が知られている(例えば、特許文献5、6、7参照)。
米国特許第4944836号明細書 特許第3780767号公報 特許第3192968号公報 特開2006−297501号公報 国際公開第01/44396号パンフレット 米国特許第6527622号明細書 特開平11−121411号公報
ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌、第138巻11号(1991年発行)、3460〜3464頁
しかし、これまではパラジウムをCMPによって研磨する検討はなされていない。本発明者らの知見によれば、上記特許文献2、3、4の研磨液では、酸化されにくい上に硬度が高いパラジウムを研磨することができない。また、上記特許文献5、6、7の研磨液では、白金やルテニウムが研磨できるとされるが、パラジウムを同じ研磨液で研磨しても研磨が進行しないことが判明した。
そこで、本発明は、従来の研磨液を用いた場合よりも、少なくともパラジウム層の研磨速度を向上させることができるCMP研磨液、及びこのCMP研磨液を用いた研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、これまでに1,2,4−トリアゾールを含有してなるCMP研磨液が、パラジウム層を効率よく研磨できることを見いだした。そして、本発明は、アニオン性官能基で修飾した砥粒を用いた場合に、パラジウム層の研磨速度がより一層向上することを見いだしたものである。
具体的には、本発明は、アニオン性官能基を有する砥粒と、1,2,4−トリアゾールと、リン酸類と、酸化剤と、水とを含有し、pHが7以下であるCMP研磨液に関する。
本発明のCMP研磨液によれば、従来の研磨液を用いた場合よりも、少なくともパラジウム層の研磨速度を向上させ、所望の研磨速度で研磨することができる。このような本発明のCMP研磨液は、パラジウム研磨用CMP研磨液として有用である。
砥粒は、アニオン性官能基としてアルミン酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、硝酸基、リン酸基、炭酸基及びヨウ素酸基から選ばれる少なくとも一種を有することが好ましい。この場合、パラジウム層に対する更に良好な研磨速度が得られる。
また、本発明者らは、アニオン性官能基で修飾された上で所定の粒子径を有する砥粒を使用することにより、アニオン性官能基(アニオン性置換基)の効果が顕著に現れ、パラジウム層の研磨速度を更に向上させることができることを見いだした。すなわち、砥粒の平均二次粒子径は、60nm以上であることが好ましい。
砥粒の会合度は1.7〜2.3であることが好ましい。この場合、パラジウム層の研磨速度を更に向上させることができる。
CMP研磨液は、砥粒としてアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア及びセリアから選ばれる少なくとも一種からなる砥粒を含有することが好ましい。この場合、パラジウム層の研磨速度を更に向上させることができる。
砥粒の含有量は、CMP研磨液全質量を基準として0.1〜10質量%であることが好ましい。CMP研磨液中の砥粒の含有量をこの範囲とすることで、削り取り作用を保持すると同時に、粒子が凝集沈降することを抑制することができる。
CMP研磨液は、酸化剤として過酸化水素、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩及び過硫酸塩から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。この場合、パラジウム層の研磨速度を更に向上させることができる。
また、本発明は、少なくとも一方面上にパラジウム層が形成された基板と研磨布との間にCMP研磨液を供給しながら、パラジウム層を研磨布で研磨する工程を備え、CMP研磨液が、アニオン性官能基を有する砥粒と、1,2,4−トリアゾールと、リン酸類と、酸化剤と、水とを含有し、CMP研磨液のpHが7以下である、研磨方法に関する。このような研磨方法によれば、従来の研磨液を用いた場合よりも、少なくともパラジウム層の研磨速度を向上させることができる。
本発明のCMP研磨液及びこのCMP研磨液を用いた研磨方法によれば、従来公知の金属用研磨液では研磨が困難であったパラジウム層を有する基板を、効率よく研磨することが可能となる。これにより、従来の研磨液を用いた場合よりも、少なくともパラジウム層の研磨速度を向上させ、所望の研磨速度で研磨することができる。
突起電極を有する基板の製造方法の第1実施形態を示す断面図である。 突起電極を有する基板の製造方法の第2実施形態を示す断面図である。 突起電極を有する基板の製造方法の第3実施形態を示す断面図である。 突起電極を有する基板の製造方法の第3実施形態の具体例を示す断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。本実施形態のCMP研磨液は、アニオン性官能基で修飾された砥粒(以下、「アニオン修飾砥粒」ということがある)、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び水を少なくとも含有する。
(アニオン修飾砥粒)
本実施形態のCMP研磨液は、アニオン修飾砥粒を含有する。アニオン修飾砥粒は、通常の砥粒と異なり、表面がアニオン処理されている。このような砥粒を使用することによって、パラジウム層の研磨速度を向上させることが可能となる。
この理由は、詳しくはわかっていないが、本発明者らは次のように考えている。すなわち、本実施形態のCMP研磨液に含まれる成分の作用によってパラジウム表面には何らかの「反応層」が形成される。例えば、酢酸パラジウムのゼータ電位が23.7mV、酸化パラジウムのゼータ電位は21.7mV(いずれも本発明者による測定値)であることから、前記「反応層」は「カチオン性」であると考えられる。従って、砥粒表面にアニオン処理を施して砥粒表面をマイナスイオンを形成しやすい構造にする、好ましくは砥粒表面をアニオン性にすることで、静電引力によって砥粒とパラジウム表面との接触頻度が高まり、研磨速度が向上する傾向があると考えられる。
本実施形態において「アニオン処理」とは、酸性又は中性領域においてマイナスイオンを形成しやすい構造を、前記砥粒の表面に付与する処理を意味する。別の観点では、pHが7以下であるCMP研磨液において、砥粒のゼータ電位がマイナス方向へ変化するように、砥粒にアニオン種を付加する処理を意味する。
砥粒としては、具体的には、アルミナ(ヒュームドアルミナ、遷移アルミナ、コロイダルアルミナ)、シリカ(ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ)、ジルコニア、チタニア、セリア等の砥粒を挙げることができ、中でもヒュームドアルミナ、遷移アルミナ、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナが好ましく、研磨速度を高速に保ちながら研磨傷の発生を抑制できる点で、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナがより好ましい。
前記アニオン処理について、シリカを砥粒として使用する場合を例に説明する。シリカは、一般式ではSiOであるが、その末端(表面)にはいくつかのシラノール基(Si−OH基)が存在している。このシラノール基における水素原子は、酸性領域においてほとんど解離しないため、通常のシリカの粒子は、酸性領域において、プラス又はゼロに近いゼータ電位を示す。ここで、前記シラノール基に、アニオン種を反応させることによって、表面に、シラノール基よりもマイナスイオンを生じやすい基が存在するシリカ粒子を得ることができる。
このようなアニオン種としては、例えば、アルミン酸カリウム[(AlO(OH)K]等のアルミニウム化合物を挙げることができる。より具体的には、例えば、コロイダルシリカの液の中に上記アルミン酸カリウムを添加し、60℃以上で還流することで、シラノール基を、よりイオン化しやすい「−Si−O−Al(OH)」基にすることができる。
修飾するアニオン性官能基としては、具体的には、アルミン酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、硝酸基、リン酸基、炭酸基及びヨウ素酸基等を挙げることができ、中でもスルホン酸基、アルミン酸基、硝酸基、カルボン酸基が好ましく、研磨速度を更に向上させることができる点で、スルホン酸基、アルミン酸基、硝酸基がより好ましい。
スルホン酸基としては、例えばスルホ基が挙げられ、アニオン種として例えばスルホン酸ナトリウムを用いることで得ることができる。カルボン酸基としては、例えばカルボキシル基が挙げられ、アニオン種として例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸等を用いることで得ることができる。硝酸基は、アニオン種として例えば硝酸カルシウムを用いることで得ることができる。リン酸基は、アニオン種として例えばリン酸三ナトリウムを用いることで得ることができる。炭酸基は、アニオン種として例えば炭酸マグネシウムを用いることで得ることができる。ヨウ素酸基としては、例えばヨウ素基が挙げられ、アニオン種として例えばヨウ素酸カリウムを用いることで得ることができる。
また、アニオン修飾の程度の指標として、砥粒表面のゼータ電位を用いることができる。アニオン修飾を行うと、砥粒表面のゼータ電位はマイナス方向へ変化する。そして、ゼータ電位が負である場合には、同じ平均二次粒子径の砥粒で比較するとパラジウム層の研磨速度の向上効果が高くなるため、ゼータ電位の絶対値は大きい方が好ましい。
砥粒表面のゼータ電位は、CMP研磨液(特にpHが1〜7のCMP研磨液)中において、−2mVより小さいことが好ましく、−5mVより小さいことがより好ましく、−10mVより小さいことが更に好ましい。ゼータ電位が−2mVより小さくなることで、砥粒とパラジウム表面との接触頻度が更に高まり、アニオン修飾砥粒を使用することによってパラジウム研磨速度が向上する効果を顕著に得ることができる。
なお、「ゼータ電位」とは、研磨液中に分散させた砥粒表面の表面電荷を意味する。ゼータ電位は、具体的には、Marvern Instruments社製のゼータ電位測定装置「Zetasizer 3000 HSA(商品名)」を用いて測定した値として得られる。
本実施形態のCMP研磨液に使用する砥粒は、その平均二次粒子径が60nm以上であることが好ましい。このような砥粒を使用することにより、アニオン修飾砥粒を使用することによってパラジウム研磨速度が向上する効果を顕著に得ることができる。
上述のように、パラジウム表面に形成される前記反応層がカチオン性であると考えられるため、アニオン修飾砥粒を使用することで、砥粒とパラジウム表面との接触頻度が高まり、研磨速度が向上する傾向があると考えられる。平均二次粒子径が60nm以上であると、このような現象が顕著に生じる傾向があるが、詳しい機構はよくわかっていない。この点、平均二次粒子径は62nm以上がより好ましく、64nm以上が更に好ましく、66nm以上が極めて好ましい。また、平均二次粒子径は、パラジウム層の研磨速度を更に向上させることができる傾向があることから、150nm以下が好ましく、140nm以下がより好ましい。
なお、「平均二次粒子径」とは、砥粒を水に分散させたサンプルの当該砥粒の粒子径を動的光散乱方式の粒度分布計を用いて測定し、測定結果から得られた平均粒子径を意味する。平均二次粒子径は、具体的には以下に示す方法により得られる。まず、サンプル4gに0.3%クエン酸水溶液50mlを加え、軽く振とうしたものを測定用試料とする。この試料を大塚電子(株)製のELS−8000を用いて測定した値を平均二次粒子径とする。
砥粒の会合度(平均二次粒子径を平均一次粒子径で除した値)は、1.7〜2.3であることが好ましい。会合度がこの範囲にあることによって、アニオン修飾砥粒を用いることによる顕著な研磨速度の向上効果が得られる。前記の観点で、前記会合度の下限値は1.8がより好ましく、1.9が更に好ましく、上限値は2.2がより好ましく、2.1が更に好ましい。
なお、前記会合度を求めるに当たって必要なCMP研磨液中の砥粒の「平均一次粒子径」とは、BET比表面積から算出できる粒子の平均直径をいい、ガス吸着法による吸着比表面積(BET比表面積という、以下同じ)の測定から、以下の式(1)により算出される。
D1=6/(ρ×V) ・・・(1)
式(1)において、D1は平均一次粒子径(単位:m)、ρは粒子の密度(単位:kg/m)、VはBET比表面積(単位:m/g)を示す。
より具体的には、まず砥粒を真空凍結乾燥機で乾燥し、この残分を乳鉢(磁性、100ml)で細かく砕いて測定用試料とし、これをユアサアイオニクス(株)製のBET比表面積測定装置(商品名:オートソーブ6)を用いてBET比表面積Vを測定し、平均一次粒子径D1を算出する。
なお、粒子がコロイダルシリカの場合には粒子の密度ρは、「ρ=2200(kg/m)」である。従って、以下の式(2)にBET比表面積V(m/g)を代入することにより平均一次粒子径D1を求めることができる。
D1=2.727×10−6/V (m)
=2727/V (nm)・・・(2)
砥粒の含有量は、CMP研磨液全質量を基準として0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜8.0質量%であることがより好ましい。この含有量が0.1質量%以上であれば、物理的な削り取り作用を得ることができ、CMPによる研磨速度が更に大きくなる傾向がある。また、10質量%以下であれば、粒子が凝集沈降するのを抑制できる傾向にあり、また、含有量に見合った研磨速度の増加が得られる傾向がある。このような傾向は、パラジウム層の研磨速度についてより顕著に見られる傾向がある。
(1,2,4−トリアゾール)
CMP研磨液は、1,2,4−トリアゾールを含有する。1,2,4−トリアゾールは、後述するリン酸と共に、パラジウムに対して錯体を形成すると考えられ、ここで形成された錯体が研磨されやすいために良好な研磨速度が得られるものと推定される。また、含窒素化合物であればパラジウムと錯体を形成できると考えられるが、本発明者らの検討によれば、1,2,4−トリアゾール以外の化合物では、パラジウム層の研磨速度を向上させることができないことがわかっている。例えば、1,2,4−トリアゾールと構造の類似する1,2,3−トリアゾールや、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールでは、パラジウム層に対する良好な研磨速度を得ることは難しい。
1,2,4−トリアゾールの含有量は、CMP研磨液全質量を基準として0.001〜20質量%であることが好ましい。この含有量が0.001質量%以上であれば、パラジウム層の研磨速度が更に大きくなる傾向があり、含有量の下限値は、0.01質量%であることがより好ましく、0.05質量%であることが更に好ましい。また、含有量が20質量%以下であれば、含有量に対してパラジウム層の研磨速度が飽和することを抑制可能な傾向があり、含有量の上限値は、15質量%であることがより好ましく、12質量%であることが更に好ましく、10質量%であることが特に好ましい。
(リン酸類)
CMP研磨液は、リン酸類を含有する。リン酸類は、後述する酸化剤によって酸化された金属を、錯化及び/又は溶解することによって金属膜の研磨を促進すると考えられ、パラジウムに対する酸化金属溶解剤としての機能を有するものと推定される。
パラジウムに対する酸化金属溶解剤としての機能を有する化合物としては、種々の無機酸、有機酸等が考えられるが、本発明者らの検討によれば、リン酸類以外の酸では、パラジウムに対する良好な研磨速度を得ることは難しい。
リン酸類とは、リン酸、亜リン酸及び次亜リン酸、並びにこれらの縮合体(塩を含む)を意味する。リン酸類としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ピロ亜リン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸、ポリリン酸、トリポリリン酸、その他の縮合リン酸、これらの塩等が挙げられる。これらのリン酸類は、1種類を単独で又は種類以上混合して用いてもよい。
また、リン酸類の塩の例としては、リン酸類の陰イオンと、陽イオンとの塩である。リン酸類の陰イオンの例としては、リン酸イオン、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオン、ピロリン酸イオン、ピロ亜リン酸イオン、トリメタリン酸イオン、テトラメタリン酸イオン、ヘキサメタリン酸イオン、ポリリン酸イオン、トリポリリン酸イオン、その他の縮合リン酸イオンを挙げることができる。陽イオンの例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、パラジウム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、錫、アンモニウム等のイオンを挙げることができる。これらの塩は、分子内に1個の金属と2個の水素を有する第一塩、2個の金属と1個の水素を有する第二塩、3個の金属を有する第三塩のいずれでもよく、酸性塩、アルカリ性塩、中性塩のいずれでもよい。
上記リン酸類の含有量は、CMP研磨液全質量を基準として0.001〜20質量%であることが好ましい。この含有量が0.001質量%以上であれば、パラジウム層の研磨速度が更に高くなる傾向があり、含有量の下限値は、0.01質量%であることがより好ましく、0.02質量%であることが更に好ましい。また、含有量が20質量%以下であれば、含有量に対してパラジウム層の研磨速度が飽和することを抑制可能な傾向があり、含有量の上限値は、15質量%であることがより好ましく、10質量%であることが更に好ましい。また、後述するようなパラジウム層の他に、ニッケル層、下地金属層等を有する基板を研磨する場合においても、上記含有量であることが好ましい。
(酸化剤)
CMP研磨液に含まれる酸化剤は、層形成用等として基板に用いられる金属に対する酸化剤である。酸化剤としては、過酸化水素(H)、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩、過硫酸塩等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。これらは、1種類を単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
酸化剤の含有量は、CMP研磨液全質量を基準として0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜15質量%であることがより好ましく、0.1〜10質量%であることが更に好ましい。この含有量が0.05質量%以上であれば、金属の酸化が充分となりパラジウム層の研磨速度が更に高くなる傾向があり、20質量%以下であれば、研磨面に荒れが生じにくくなる傾向がある。なお、過酸化水素は通常、過酸化水素水として入手可能である。従って、酸化剤として過酸化水素を使用する場合、実濃度に換算して、上記含有量になるようにする。また、後述するようなパラジウム層の他に、ニッケル層、下地金属層等を有する基板を研磨する場合においても、上記含有量であることが好ましい。
(有機溶媒)
CMP研磨液は、有機溶媒を更に含有することもできる。有機溶媒は、研磨中に生成する難水溶性のパラジウム含有化合物を溶解し、この化合物が研磨布へ付着するのを防ぐことから、パラジウム層の研磨速度の低下を抑制できると推定される。有機溶媒の中でも、還元力が低く、パラジウムイオンをパラジウム金属に還元しないものが好ましい。
有機溶媒としては、水と任意で混合できるものが好ましい。有機溶媒としては、炭酸エステル、ラクトン、グリコール、グリコール誘導体、エーテル、アルコール、ケトン、カルボン酸エステル等が挙げられる。
炭酸エステルとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等が挙げられる。
ラクトンとしては、例えばブチロラクトン、プロピロラクトン等が挙げられる。
グリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
グリコール誘導体としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルやエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルやエチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルやエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルやエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテルやエチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジプロピルエーテルやエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のグリコールジエーテルなどが挙げられる。
エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレンオキサイド、エチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、イソプロパノール等が挙げられる。
ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
カルボン酸エステルとしては、例えば酢酸エチル、乳酸エチル等が挙げられる。
有機溶媒としては、その他フェノール、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、スルホラン等が挙げられる。
これらの有機溶媒は、1種類を単独で又は2種類以上混合して用いることができる。上記有機溶媒の中でもグリコール、グリコール誘導体、アルコール、炭酸エステル、カルボン酸エステルが好ましく、グリコール、カルボン酸エステルがより好ましい。有機溶媒に、上記物質を使用することにより、難水溶性のパラジウム含有化合物をより効率的に溶解し、連続してパラジウム層を研磨したときのパラジウム層の研磨速度の低下を非常に小さくすることができる。
上記有機溶媒の含有量は、CMP研磨液全質量を基準として0.1〜95質量%であることが好ましい。この含有量が0.1質量%以上であると、連続してパラジウム層を研磨したときにパラジウム層の研磨速度が徐々に低下することを抑制することができる傾向がある。含有量の下限値は、0.2質量%であることがより好ましく、0.5質量%であることが更に好ましい。また、含有量が95質量%以下であると、CMP研磨液成分の溶解性が向上したり、砥粒の凝集が抑制されたりする傾向がある。含有量の上限値は、50質量%であることがより好ましく、30質量%であることが更に好ましい。
(金属防食剤)
CMP研磨液は、金属防食剤を更に含有することもできる。金属防食剤は、金属層のエッチングを抑止し、ディッシング特性を向上させる化合物である。
金属防食剤としては、具体的には例えば、1,2,4−トリアゾール以外のイミン、アゾール、メルカプタン等を挙げることができ、上記の中でも金属層のエッチング速度の抑制と金属層の研磨速度の向上とを両立できる観点で含窒素環状化合物が好適である。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
イミンは、具体的には、ジチゾン、ロイン(2,2’−ビキノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等を挙げることができる。
アゾールは、具体的には、ベンズイミダゾール−2−チオ−ル、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3−トリアゾール、2−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールメチルエステル、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールブチルエステル、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールオクチルエステル、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、[1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル][1,2,4−トリアゾリル−1−メチル][2−エチルヘキシル]アミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸、テトラゾール、5−アミノ−テトラゾール、5−メチル−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプトテトラゾール、1−N,N−ジメチルアミノエチル−5−テトラゾール等を挙げることができる。
メルカプタンは、具体的には、ノニルメルカプタン及びドデシルメルカプタン等を挙げることができる。
前記金属防食剤を添加する場合、その含有量は、1,2,4−トリアゾールとリン酸による研磨速度向上効果を損なわない範囲であることが好ましく、エッチング抑制機能と研磨速度との両立を図る点で、CMP研磨液全質量を基準として0.005〜2.0質量%とすることが好ましい。金属防食剤の含有量は、より高いエッチング性能を得ることができる点で、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上が更に好ましい。また、金属防食剤の含有量は、好適な研磨速度を得やすくなる点で、1.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。
(水溶性ポリマ)
CMP研磨液は、研磨後の平坦性を向上できる点で、水溶性ポリマを含有することができる。上記の観点では、水溶性ポリマの重量平均分子量を500以上とすることが好ましく、1500以上とすることがより好ましく、5000以上とすることが更に好ましい。重量平均分子量の上限値は、特に規定するものではないが、溶解性の観点から、500万以下が好ましい。重量平均分子量が500以上であると、更に高い研磨速度を得ることができる傾向にある。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができ、より具体的には下記のような条件で測定することができる。
使用機器:日立L−6000型〔株式会社日立製作所製〕
カラム:ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440〔日立化成工業株式会社 商品名、計3本〕
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:1.75ml/min.
検出器:L−3300RI〔株式会社日立製作所製〕
重量平均分子量が500以上の水溶性ポリマとしては、研磨液成分の溶解性が低下せず、砥粒が凝集しなければ特に制限はないが、具体的には、多糖類、ポリカルボン酸系化合物、ビニルポリマ、グリコールポリマ等を挙げることができ、これらは1種類を単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
上記水溶性ポリマとして使用する多糖類の具体例としては、例えばアルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等を挙げることができる。
ポリカルボン酸系化合物の具体例としては、例えば、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル及びその塩、及びこれらの共重合体を挙げることができる。
さらに、上記水溶性ポリマとして使用するビニルポリマの具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等を挙げることができる。また、グリコールポリマとしてポリエチレングリコール等を使用することもできる。
上記水溶性ポリマの化合物の中でも、適用する基板が半導体集積回路用シリコン基板等の場合は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。
上記水溶性ポリマの化合物の中でも、高平坦化が可能である点で、プルラン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、それらのエステル及びそれらのアンモニウム塩が好ましい。
(水)
CMP研磨液は、水を含有する。水としては、特に制限はないが、脱イオン水、超純水が好ましい。水の含有量は、他の含有成分の含有量の残部でよく、特に限定されない。
(pH)
CMP研磨液のpHは、7以下であり、パラジウム層のCMP研磨速度が大きくなる観点から、1以上であることが好ましい。また、CMP研磨液のpHは、7未満であることが好ましく、所望の研磨速度が容易に確保できる傾向があり、実用的な研磨液となりうる観点から、1〜6がより好ましく、1〜5が更に好ましく、1〜4が極めて好ましい。
CMP研磨液のpHは、pHメーター(例えば、電気化学計器株式会社製の型番PHL−40や、HORIBA製の型番F−51)で測定することができる。pHの測定値としては、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.01(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液pH6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極をCMP研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を採用する。
(研磨方法)
以上説明したCMP研磨液を用いることで、少なくとも一方面(表面)上にパラジウム層が形成された基板の研磨が可能となる。すなわち、本実施形態の基板の研磨方法は、アニオン修飾砥粒、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び水を少なくとも含有するCMP研磨液を基板と研磨布との間に供給しながら、パラジウム層の不要部を研磨布で研磨する研磨工程を備える。
この研磨方法を適用するに当たり、基板のパラジウム層が露出した被研磨面を研磨定盤の研磨布に押しあて、基板の裏面(被研磨面と反対の面)に所定の圧力を加えて被研磨面を研磨布に押圧した状態で、被研磨面と研磨布との間に上記CMP研磨液を供給しながら、基板を研磨定盤に対して相対的に動かすことによって被研磨面を研磨することが好ましい。本実施形態の研磨方法は、研磨工程の前に、上記基板を準備する準備工程を備えていてもよい。
研磨装置としては、例えば、回転数を変更可能なモータ等が取り付けてあり、研磨布(パッド)を貼り付け可能な定盤と、基板を保持するホルダーとを有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用できる。
研磨条件としては、基板が飛び出さないように定盤の回転速度を200rpm以下の低回転にすることが好ましい。研磨布に押しあてた基板へ加える圧力(研磨圧力)は、4〜100kPaであることが好ましく、基板面内の均一性及びパターンの平坦性に優れる見地から、6〜50kPaであることがより好ましい。本実施形態のCMP研磨液を用いることにより、低研磨圧力において高い研磨速度でパラジウム層を研磨することができる。低い研磨圧力で研磨が可能であるということは、研磨層の剥離、チッピング、小片化、クラッキング等の防止や、パターンの平坦性の観点から重要である。
研磨している間、研磨布の表面には、CMP研磨液をポンプ等で連続的に供給することが好ましい。この供給量としては、研磨布の表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤなどを用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
CMP研磨液の効果が最も発揮される基板は、パラジウム層(パラジウムを含有する層をいう)を有する基板である。本実施形態のCMP研磨液は、シリコン等の半導体ウエハ上に、少なくとも絶縁膜層、ニッケル層(ニッケルを含有する層をいう)、パラジウム層がこの順に形成された基板に対しても好適である。なお、絶縁膜層とニッケル層の間には、下地金属層が形成されていてもよい。
パラジウム層を形成する材料としては、パラジウム、パラジウム合金、その他のパラジウム化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
ニッケル層を形成する材料としては、ニッケル、ニッケル合金、その他のニッケル化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
下地金属層は、層間絶縁膜へ導電性物質が拡散するのを防ぐ層である。下地金属層を形成する材料としては、タンタル、タンタル合金、窒化タンタル等のタンタル化合物;チタン、チタン合金、窒化チタン等のチタン化合物;タングステン、窒化タングステン、タングステン合金等のタングステン化合物などが挙げられる。
絶縁膜層は、SiO膜、SiN膜等の無機絶縁膜、オルガノシリケートグラス、全芳香環系Low−k膜等のLow−k膜などが挙げられる。
以下、CMP研磨液を用いる研磨方法を、図面を参照しながら説明する。図1は、突起電極を有する基板の製造方法の第1実施形態を示す断面図であり、この製造方法の工程の一部に上記研磨方法が適用される。
図1(a)に示す基板は、シリコンウエハ1と、シリコンウエハ1上に形成された凹凸を有する絶縁膜2と、絶縁膜2の凹凸面を被覆するアンダーバリアメタル層3と、を備えている。なお、このアンダーバリアメタル層3がパラジウム層に相当する。このような基板のアンダーバリアメタル層3を本実施形態のCMP研磨液を用いて研磨する。すなわち、アンダーバリアメタル層3と研磨布の間に、砥粒、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び水を少なくとも含有するCMP研磨液を供給しながら、基板を研磨布で研磨して、絶縁膜2の凸部を露出させる。
このような研磨により、絶縁膜2の凸部上に形成されたアンダーバリアメタル層3が除去される。図1(b)は、このような研磨で得られる基板を示す断面図である。
次に、絶縁膜2の凹部上に形成されたアンダーバリアメタル層3が露出するように、アンダーバリアメタル層3が除去された絶縁膜2の凸部上に、公知の方法でレジストパターン4を形成する。図1(c)は、レジストパターン4が形成された基板を示す断面図である。
次に、電界メッキ法等の方法により、レジストパターン4が形成された基板における凹部に、突起電極5を形成し、絶縁膜2の表面から突出させる。図1(d)は、突起電極5が形成された基板を示す断面図である。最後に、レジストパターン4を除去することにより、シリコンウエハ1上に突起電極5が形成された基板を得ることができる。図1(e)は、このようにして得られた突起電極を有する基板を示す断面図である。なお、突起電極5としては、一般的に金、銀、銅、ニッケルや半田等の材料が使用される。
図2は、突起電極を有する基板の製造方法の第2実施形態を示す断面図であり、この製造方法の工程の一部においても上記研磨方法が適用される。但し、図2においては、研磨方法適用前の基板と(図2(a))と、最終的に得られる突起電極を有する基板(図2(b))のみを示しており、この間のCMP研磨、レジストパターン形成、突起電極形成、レジストパターン除去の各工程は、第1実施形態と同様に行なわれる。
図2(a)に示す基板は、シリコンウエハ1と、シリコンウエハ1上に形成された凹凸を有する絶縁膜2と、絶縁膜2の凹凸面を被覆する下地金属膜6と、下地金属膜6上に形成されたアンダーバリアメタル層3と、を備えている。なお、このアンダーバリアメタル層3がパラジウム層に相当する。なお、下地金属膜6の形成は、シリコンウエハ1へのアンダーバリアメタル層3の成分の拡散抑制や、シリコンウエハ1とアンダーバリアメタル層3の密着性向上を目的として行なわれる。
このような基板のアンダーバリアメタル層3及び下地金属膜6を本発明のCMP研磨液を用いて研磨する。すなわち、アンダーバリアメタル層3と研磨布の間に、砥粒、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び水を含有するCMP研磨液を供給しながら、基板を研磨布で研磨して、絶縁膜2の凸部を露出させる。このような研磨により、絶縁膜2の凸部上に形成されたアンダーバリアメタル層3及び下地金属膜6が除去される。そして、このようにして得られた基板に対して、第1実施形態と同様に、レジストパターン形成、突起電極形成、レジストパターン除去を行なうことで、図2(b)に示す、シリコンウエハ1上に突起電極5が形成された基板を得ることができる。
図3は、突起電極を有する基板の製造方法の第3実施形態を示す断面図であり、この製造方法の工程の一部においても上記研磨方法が適用される。但し、図3においては、研磨方法適用前の基板(図3(a))と、最終的に得られる突起電極を有する基板(図3(b))のみを示しており、この間のCMP研磨、レジストパターン形成、突起電極形成、レジストパターン除去の各工程は、第1実施形態と同様に行なわれる。
図3(a)に示す基板は、シリコンウエハ1と、シリコンウエハ1上に形成された凹凸を有する絶縁膜2と、絶縁膜2の凹凸面を被覆する下地金属膜6と、下地金属膜6上に形成された第1のアンダーバリアメタル層3bと、第1のアンダーバリアメタル層3b上に形成された第2のアンダーバリアメタル層3aと、を備えている。なお、この第1のアンダーバリアメタル層3b又は第2のアンダーバリアメタル層3aがパラジウム層に相当する。
このような基板の第1のアンダーバリアメタル層3b、第2のアンダーバリアメタル層3a及び下地金属膜6を本実施形態のCMP研磨液を用いて研磨する。すなわち、第2のアンダーバリアメタル層3aと研磨布の間に、砥粒、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び水を含有するCMP研磨液を供給しながら、基板を研磨布で研磨して、絶縁膜2の凸部を露出させる。このような研磨により、絶縁膜2の凸部上に形成された第1のアンダーバリアメタル層3b、第2のアンダーバリアメタル層3a及び下地金属膜6が除去される。そして、このようにして得られた基板に対して、第1実施形態と同様に、レジストパターン形成、突起電極形成、レジストパターン除去を行なうことで、図3(b)に示す、シリコンウエハ1上に突起電極5が形成された基板を得ることができる。
図3における第1のアンダーバリアメタル層3bをニッケル層、第2のアンダーバリアメタル層3aをパラジウム層とした例(アンダーバリアメタルが2層からなる構造)を図4に示す。
図4(a)に示す基板は、シリコン基板11上に設けられた絶縁膜12の凹凸部上に、下地金属層15、ニッケル層14及びパラジウム層13がこの順に形成されてなるものである。本実施形態のCMP研磨液を用いて、パラジウム層13、ニッケル層14及び下地金属層15を研磨し、図4(b)に示すように、絶縁膜12の凸部を露出させることができる。
CMP研磨液を用いる研磨方法の他の例としては、絶縁膜12の凸部上に存在するパラジウム層13を研磨してニッケル層14を露出させる第1の研磨工程と、絶縁膜12の凸部上に存在するニッケル層14、下地金属層15、及び絶縁膜12の凹部を埋め込んでいるパラジウム層13の一部を研磨して、絶縁膜12の凸部を露出させる第2の研磨工程とを含む研磨方法であって、この2つの研磨工程のうち、少なくとも第1の研磨工程で、CMP研磨液を用いる方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
<参考例及び参考比較例>
まず、参考例として、1,2,4−トリアゾールが、その他の添加剤と比較して、顕著なパラジウム研磨速度の向上効果を有することを示す。
(研磨液作製方法)
参考例1〜5及び参考比較例1〜16で用いるCMP研磨液は、CMP研磨液全質量を基準として、表1,2に示す砥粒を2質量%又は10質量%と、30%過酸化水素水を10質量%と、表1,2に示す酸化金属溶解剤を0〜5質量%と、表1,2に示す金属防食剤を0又は0.5質量%と、残部に純水とを含有して調製した。
(液状特性評価:pH測定)
CMP研磨液の測定温度を25±5℃の範囲とし、電気化学計器株式会社製、型番PHL−40でpHを測定した。
上記CMP研磨液を用いて下記の研磨条件で基板の研磨を行った。
(CMP研磨条件)
研磨装置:卓上ラッピング装置(株式会社ナノファクター製)
研磨液流量:11mL/分
基板:厚さ0.3μmのパラジウム膜をスパッタ法で形成したシリコン基板。
研磨布:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製、型番IC1000)
研磨圧力:29.4kPa
基板と研磨定盤との相対速度:25m/分
研磨液の供給量:11mL/分
研磨時間:1分
洗浄:研磨後基板を流水で良く洗浄後、水滴を除去し、乾燥させた。
(研磨品評価項目)
研磨速度:研磨前後での膜厚差を電気抵抗値から換算して、上記条件で研磨及び洗浄したパラジウム層の研磨速度(PdRR)を次式より求めた。
(PdRR)=(研磨前後でのパラジウム層の膜厚差(nm))/(研磨時間(分))
参考例1〜5及び参考比較例1〜16におけるCMP研磨液のpH、及び、パラジウム層の研磨速度(PdRR)を表1,2に示す。
Figure 2011165759
Figure 2011165759
以上からわかるように、添加剤として1,2,4−トリアゾールを用いた上で、リン酸類、酸化剤、砥粒を含む研磨液が、優れたパラジウム研磨速度を示すことがわかる。
<実施例及び比較例>
次に、1,2,4−トリアゾールを含む研磨液について、アニオン性官能基で修飾された砥粒や、砥粒の粒子径、会合度が研磨速度に与える効果を示す。
砥粒としては下記砥粒A〜Fを用意した。
砥粒A:平均一次粒子径35nm、平均二次粒子径67nmのコロイダルシリカ
砥粒B:平均一次粒子径55nm、平均二次粒子径114nmのコロイダルシリカ
砥粒C:平均一次粒子径35nm、平均二次粒子径55nmのコロイダルシリカ
砥粒D:平均一次粒子径15nm、平均二次粒子径39nmのコロイダルシリカ
砥粒E:平均一次粒子径24nm、平均二次粒子径64nmのコロイダルシリカ
砥粒F:平均一次粒子径31nm、平均二次粒子径87nmのコロイダルシリカ
さらに、これらの砥粒A〜Fを用いて、表面をアミノ基によりカチオン修飾した砥粒、表面をスルホン酸によりアニオン修飾した砥粒、及び、表面をアルミン酸によりアニオン修飾した砥粒を作製した。
表面を改質した砥粒の平均一次粒子径及び平均二次粒子径を次のように測定し、得られた平均一次粒子径及び平均二次粒子径の値から会合度を算出した。
(平均一次粒子径)
砥粒を真空凍結乾燥機で乾燥し、この残分を乳鉢(磁性、100ml)で細かく砕いて測定用試料とした。そして、ユアサアイオニクス(株)製のBET比表面積測定装置(商品名:オートソーブ6)を用いてこの試料のBET比表面積を測定し、平均一次粒子径を算出した。
(平均二次粒子径)
砥粒濃度12質量%になるように調整した分散液(媒体:水)をサンプルとして用いた。前記サンプル4gに0.3%クエン酸水溶液50mlを加え、軽く振とうしたものを測定用試料とした。この測定用試料を粒径測定装置(大塚電子(株)製のELS−8000(商品名))を用いて測定し、得られた平均粒子径の値を平均二次粒子径とした。
(比較例1)
砥粒として表面修飾を施していない砥粒Aを5.0質量%と、酸化剤として30%過酸化水素水を10質量%と、酸化金属溶解剤としてリン酸を5質量%と、金属防食剤として1,2,4−トリアゾールを0.5質量%と、有機溶媒としてプロピルプロピレングリコールを5.0質量%と、残部に純水を混合・攪拌して、CMP研磨液を調製した。
(比較例2)
表面をアミノ基によりカチオン修飾した砥粒Aを砥粒として用いたこと以外は比較例1と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(実施例1)
表面をアルミン酸によりアニオン修飾した砥粒Aを砥粒として用いたこと以外は比較例1と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(実施例2)
表面をスルホン酸によりアニオン修飾した砥粒Aを砥粒として用いたこと以外は比較例1と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(比較例3)
表面修飾を施していない砥粒Bを砥粒として用いたこと以外は比較例1と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(実施例3)
表面をスルホン酸によりアニオン修飾した砥粒Bを砥粒として用いたこと以外は比較例3と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(比較例4)
表面修飾を施していない砥粒Cを砥粒として用いたこと以外は比較例1と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(実施例4)
表面をスルホン酸によりアニオン修飾した砥粒Cを砥粒として用いたこと以外は比較例4と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(比較例5)
表面修飾を施していない砥粒Dを砥粒として用いたこと以外は比較例1と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(比較例6)
表面をアミノ基によりカチオン修飾した砥粒Dを砥粒として用いたこと以外は比較例5と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(実施例5)
表面をアルミン酸によりアニオン修飾した砥粒Dを砥粒として用いたこと以外は比較例5と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(実施例6)
表面をスルホン酸によりアニオン修飾した砥粒Dを砥粒として用いたこと以外は比較例5と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(比較例7)
表面修飾を施していない砥粒Eを砥粒として用いたこと以外は比較例1と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(実施例7)
表面をアルミン酸によりアニオン修飾した砥粒Eを砥粒として用いたこと以外は比較例7と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(比較例8)
表面修飾を施していない砥粒Fを砥粒として用いたこと以外は比較例1と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(実施例8)
表面をアルミン酸によりアニオン修飾した砥粒Fを砥粒として用いたこと以外は比較例8と同様にしてCMP研磨液を調製した。
(実施例9)
表面をスルホン酸によりアニオン修飾した砥粒Fを砥粒として用いたこと以外は比較例8と同様にしてCMP研磨液を調製した。
上記で調製した各CMP研磨液のpH及び砥粒のゼータ電位を次のようにして測定した。
(pH)
CMP研磨液の測定温度を25±5℃の範囲とし、HORIBA製、型番F−51を用いてpHを測定した。
(ゼータ電位)
Marvern Instruments社製のゼータ電位測定装置「Zetasizer 3000 HSA(商品名)」を用いてCMP研磨液に含まれる砥粒のゼータ電位を測定した。
上記で調製したCMP研磨液を用いて下記の研磨条件で被研磨基板の研磨を行った。
(CMP研磨条件)
研磨装置:Mirra(APPLIED MATERIALS社製)
CMP研磨液流量:200mL/分
被研磨基板:厚さ0.3μmのパラジウム層をスパッタ法で形成したシリコン基板
研磨布:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製、型番IC1000)
研磨圧力:29.4kPa(4psi)
基板と研磨定盤との相対速度:68m/分
研磨時間:1分
洗浄:CMP処理後、超音波水による洗浄を行った後、スピンドライヤで乾燥させた。
(研磨品評価項目)
研磨速度:研磨前後での膜厚差を電気抵抗値から換算して、上記条件で研磨及び洗浄したパラジウム層の研磨速度(PdRR)を次式より求めた。
(PdRR)=(研磨前後でのパラジウム層の膜厚差(nm))/(研磨時間(分))
また、表面修飾砥粒を使用した場合のPdRRと未修飾砥粒を使用した場合のPdRRとを比較して、PdRRの変化量を算出した。
砥粒の平均一次粒子径、平均二次粒子径、会合度、ゼータ電位、研磨液のpH、PdRR、及び、PdRRの変化量を表3に示す。なお、表3中、砥粒種の上付き記号は下記のものを示す。
0:表面修飾を施していない砥粒
+:アミノ基によりカチオン修飾した砥粒
−1:スルホン酸によりアニオン修飾した砥粒
−2:アルミン酸によりアニオン修飾した砥粒
Figure 2011165759
以下、表3に示す結果について詳しく説明する。表3からわかるように、1,2,4−トリアゾールに加えてリン酸類及び酸化剤を含む研磨液において、砥粒としてアニオン修飾した砥粒を用いることで、パラジウム層に対する研磨速度のより一層の向上効果が得られることがわかる。
特に、砥粒の平均二次粒子径が60nm以上である実施例1〜3、7〜9は、砥粒の平均二次粒子径が60nm未満である実施例4〜6と比較して、アニオン修飾した砥粒を添加することによる研磨速度の向上の程度が顕著である。
また、砥粒の会合度が2.0前後(1.8〜2.1)である場合には、表面修飾していない砥粒を用いた場合であっても研磨速度に優れるが、アニオン修飾した砥粒を用いる実施例1〜3では、研磨速度の向上の程度が大きく、更に優れた研磨速度が得られることがわかる。
本発明のCMP研磨液及びこのCMP研磨液を用いた研磨方法によれば、従来の研磨液を用いた場合よりも、少なくともパラジウム層の研磨速度を向上させ、所望の研磨速度で研磨することができる。
1…シリコンウエハ、2,12…絶縁膜、3…アンダーバリアメタル層、3a…第2のアンダーバリアメタル層、3b…第1のアンダーバリアメタル層、4…レジストパターン、5…突起電極、6…下地金属膜、11…シリコン基板、13…パラジウム層、14…ニッケル層、15…下地金属層。

Claims (14)

  1. アニオン性官能基を有する砥粒と、1,2,4−トリアゾールと、リン酸類と、酸化剤と、水とを含有し、pHが7以下である、CMP研磨液。
  2. 前記砥粒が前記アニオン性官能基としてアルミン酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、硝酸基、リン酸基、炭酸基及びヨウ素酸基から選ばれる少なくとも一種を有する、請求項1記載のCMP研磨液。
  3. 前記砥粒の平均二次粒子径が60nm以上である、請求項1又は2記載のCMP研磨液。
  4. 前記砥粒の会合度が1.7〜2.3である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のCMP研磨液。
  5. 前記砥粒としてアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア及びセリアから選ばれる少なくとも一種からなる砥粒を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のCMP研磨液。
  6. 前記砥粒の含有量がCMP研磨液全質量を基準として0.1〜10質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のCMP研磨液。
  7. 前記酸化剤として過酸化水素、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩及び過硫酸塩から選ばれる少なくとも一種を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のCMP研磨液。
  8. 少なくとも一方面上にパラジウム層が形成された基板と研磨布との間にCMP研磨液を供給しながら、前記パラジウム層を前記研磨布で研磨する工程を備え、
    前記CMP研磨液が、アニオン性官能基を有する砥粒と、1,2,4−トリアゾールと、リン酸類と、酸化剤と、水とを含有し、
    前記CMP研磨液のpHが7以下である、研磨方法。
  9. 前記砥粒が前記アニオン性官能基としてアルミン酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、硝酸基、リン酸基、炭酸基及びヨウ素酸基から選ばれる少なくとも一種を有する、請求項8記載の研磨方法。
  10. 前記砥粒の平均二次粒子径が60nm以上である、請求項8又は9記載の研磨方法。
  11. 前記砥粒の会合度が1.7〜2.3である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の研磨方法。
  12. 前記CMP研磨液が前記砥粒としてアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア及びセリアから選ばれる少なくとも一種からなる砥粒を含有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の研磨方法。
  13. 前記砥粒の含有量がCMP研磨液全質量を基準として0.1〜10質量%である、請求項8〜12のいずれか一項に記載の研磨方法。
  14. 前記CMP研磨液が前記酸化剤として過酸化水素、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩及び過硫酸塩から選ばれる少なくとも一種を含有する、請求項8〜13のいずれか一項に記載の研磨方法。
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