JP2011114073A - Cmp研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】少なくともパラジウム層の研磨速度を、従来のCMP研磨液を用いた場合よりも向上させることができるパラジウム研磨用CMP研磨液を用いた研磨方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、パラジウム層を有する基板の該パラジウム層側に研磨パッドを対向配置し、パラジウム層と研磨パッドの間にCMP研磨液を供給しながら、基板をパラジウム層と反対の側から研磨パッドに向けて加圧し、パラジウム層の少なくとも一部を研磨パッドで研磨する研磨工程を備え、上記CMP研磨液は、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有するCMP研磨液であり、上記研磨工程は、研磨パッドによる研磨開始から研磨終了までの時間Tの間に、Tの10%以上の時間、研磨パッドについて目立てを行うドレス工程を含むことを特徴とするCMP研磨方法を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、パラジウム層を有する基板の該パラジウム層側に研磨パッドを対向配置し、パラジウム層と研磨パッドの間にCMP研磨液を供給しながら、基板をパラジウム層と反対の側から研磨パッドに向けて加圧し、パラジウム層の少なくとも一部を研磨パッドで研磨する研磨工程を備え、上記CMP研磨液は、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有するCMP研磨液であり、上記研磨工程は、研磨パッドによる研磨開始から研磨終了までの時間Tの間に、Tの10%以上の時間、研磨パッドについて目立てを行うドレス工程を含むことを特徴とするCMP研磨方法を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、CMP研磨方法に関し、より詳しくは、パラジウム研磨用CMP研磨方法に関する。
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、高性能化に伴って、新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(CMP)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜層の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成において頻繁に利用される技術となっている(例えば、特許文献1参照)。
CMPに用いられる金属用の研磨液は、一般に酸化剤及び固体砥粒を有しており、必要に応じてさらに酸化金属溶解剤、保護膜形成剤(金属防食剤)が添加される。研磨は、まず、酸化剤によって金属層表面を酸化し、その酸化層を固体砥粒によって削り取るのが基本的なメカニズムであると考えられている。
溝(凹部)上に堆積した金属層表面の酸化層は、研磨パッドにあまり触れず、固体砥粒による削り取りの効果が及ばないが、研磨パッドに触れる凸部上に堆積した金属層表面の酸化層では、削り取りが進む。従って、CMPの進行とともに、凸部上の金属層が除去されて基板表面は平坦化される(例えば、非特許文献1参照)。
一方、半導体素子の高集積化に伴い多ピン化、狭ピッチ化、さらに薄型実装化が要求されている。さらに、半導体素子と配線基板間での配線遅延やノイズ防止も重要な課題となっている。このために、半導体素子と配線基板との接続方式は、従来のワイヤボンディングを主体とした実装方式に替わりフリップチップ実装方式が広く採用されてきている。
そして、このフリップチップ実装方式においては、半導体素子の電極端子上に突起電極を形成し、この突起電極を介して配線基板上に形成された接続端子に一括して接合するはんだバンプ接続法が広く使用されている。
また、ワイヤボンディングを用いた実装方式においても、コスト低減を目的として、これまで用いられてきた金ワイヤに変わって、銅ワイヤが採用される動きがある。その際には信頼性を向上させるため、ボンディングパッドにパラジウムやパラジウム合金が用いられる見込みである。
CMP研磨液としては、基板に形成された窒化チタン又は窒化タンタル等からなる層を研磨対象とするものとして、保護膜形成剤、有機酸を添加した研磨液が知られている(特許文献2参照)。
また、銅からなる層にCMPを適用する試みは、例えば、2−キノリンカルボン酸を添加した研磨液を用いる方法が知られている(特許文献3参照)。また、ニッケル層にCMPを適用する試みは、例えばHDD磁気ヘッド用研磨液として砥粒、有機酸、酸化剤を添加した研磨液を用いる方法が知られている(特許文献4参照)。
ところで、パラジウムは、一般に白金やルテニウム等と共に「貴金属」に分類される。このような貴金属層にCMPを適用する試みは、例えば、硫黄化合物を添加した研磨液や、ジケントン、窒素含有複素環化合物、又は両性イオン化合物の何れかを添加した研磨液、白金族系金属の酸化物を添加した研磨液を用いる方法が知られている(特許文献5、6、7参照)。
ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌、第138巻11号(1991年発行)、3460〜3464頁
しかし、これまではパラジウムをCMPによって研磨することについての十分な検討はなされていない。本発明者らの知見によれば、上記特許文献2、3、4の研磨液では、酸化されにくい上に硬度が高いパラジウムを研磨することが非常に困難であることが判明した。また上記特許文献5、6、7の研磨液では、白金やルテニウムが研磨できるとされるが、パラジウムを同じ研磨液で研磨しても研磨の進行が非常に困難であることが判明した。
そこで、本発明は、パラジウム層の研磨速度を、従来の研磨液を用いた場合よりも向上させ、なおかつ長時間連続、もしくは複数枚連続で研磨しても安定した研磨速度で研磨することができるパラジウム層のCMP研磨方法を提供することを目的とする。
本発明は、パラジウム層を有する基板の該パラジウム層側に研磨パッドを対向配置し、パラジウム層と研磨パッドの間にCMP研磨液を供給しながら、基板をパラジウム層と反対の側から研磨パッドに向けて加圧し、パラジウム層の少なくとも一部を研磨パッドで時間T研磨する研磨工程を備え、上記CMP研磨液は、a)1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有してなるパラジウム研磨用CMP研磨液であり、上記研磨工程は、研磨パッドによる研磨開始から研磨終了までの時間Tの間に、Tの10%以上の時間、研磨パッドについて目立てを行うドレス工程を含むことを特徴とするCMP研磨方法を提供する。
また、CMP研磨液は、b)有機溶剤、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有してなるパラジウム研磨用CMP研磨液であってもよい。
また、CMP研磨液は、b)有機溶剤、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有してなるパラジウム研磨用CMP研磨液であってもよい。
このようなパラジウム研磨用CMP研磨方法によれば、パラジウム層を、従来のCMP研磨液を用いた場合よりも向上させ、所望の研磨速度で研磨することができる。a)1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有してなるパラジウム研磨用CMP研磨液、もしくは、b)有機溶剤、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有してなるパラジウム研磨用CMP研磨液を用いることでパラジウムの研磨の進行が容易となるが、研磨の進行に伴い研磨パッドにパラジウム含有化合物が付着し、パラジウムの研磨が阻害される。さらに、この付着物は、酸、アルカリ等による洗浄では除去できず、その結果パラジウムの研磨速度が低下し、安定して研磨することができないという問題があった。
これに対し、上記構成のパラジウム研磨用CMP研磨方法によれば、複数枚連続もしくは/かつ長時間連続でパラジウム層を研磨する際に、研磨において生成する化合物を研磨パッドのドレスによって研磨パッド上から除去することで、従来のCMP研磨液を用いた場合よりも安定した研磨速度で研磨することができる。
これに対し、上記構成のパラジウム研磨用CMP研磨方法によれば、複数枚連続もしくは/かつ長時間連続でパラジウム層を研磨する際に、研磨において生成する化合物を研磨パッドのドレスによって研磨パッド上から除去することで、従来のCMP研磨液を用いた場合よりも安定した研磨速度で研磨することができる。
このような特性は、国際公開第2003/038883号パンフレットや国際公開第2000/039844号パンフレット等において具体的に開示されているCMP研磨液を使用した場合に比較しても、格段に優れるものである。
酸化剤としては、過酸化水素、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩及び過硫酸塩から選ばれる少なくとも一種がよく、砥粒としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア及びセリアから選ばれる少なくとも一種がよい。
砥粒の濃度は、パラジウム研磨用CMP研磨液の全量基準で0.1〜10質量%であるとよい。パラジウム研磨用CMP研磨液中の砥粒の濃度をこの範囲とすることで、削り取り作用を保持すると同時に、粒子が凝集沈降するのを抑制することができる。
本発明のパラジウム研磨用CMP研磨方法によれば、パラジウム層の研磨速度を、従来のCMP研磨液を用いた場合よりも向上させ、所望の研磨速度で研磨することができる。また、本発明のパラジウム研磨用CMP研磨方法によれば、パラジウム層を長時間連続、もしくは複数枚連続で研磨する際に、従来のCMP研磨方法を用いた場合よりも安定した研磨速度で研磨することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明のCMP研磨方法は、パラジウム層を有する基板の該パラジウム層側に研磨パッドを対向配置し、パラジウム層と研磨パッドの間にCMP研磨液を供給しながら、基板をパラジウム層と反対の側から研磨パッドに向けて加圧し、パラジウム層の少なくとも一部を研磨パッドで時間T研磨する研磨工程を備え、CMP研磨液は、a)1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有してなるパラジウム研磨用CMP研磨液であり、上記研磨工程は、研磨パッドによる研磨開始から研磨終了までの時間Tの間に、Tの10%以上の時間、研磨パッドについて目立てを行うドレス工程を含む。
前記目立てには、公知のパッドドレッサーを使用することができる。パッドドレッサーとしては、研磨パッドの表面を削り取る又は荒らすことのできるものが好ましい。一般に砥石が付着されてなるドレッサーが用いられることが多く、砥石部分はダイヤモンド砥粒を使用した電着層、又は、ダイヤモンド砥粒を分散させたボンド層(メタルボンド、ビトリファイドボンド又はレジンボンド)より構成される。ダイヤモンド砥粒の粒度、集中度、砥石部分の幅、等は研磨パッドの材質等に合わせて適宜の値が採用できる。また、場合によってはダイヤモンド以外の砥粒を使用してもよい。
パッドドレッサーを研磨パッド上で移動させる手段としては、例えば、図5に示されるような、従来と同様の構成が使用できる。図5の構成において、研磨定盤21は軸22に固定され、駆動装置(図示せず)によりAに示す方向に回転させることができる。研磨定盤21上には、研磨パッド23が貼り付けられている。パッドドレッサー26は、揺動腕24により回動支点25に結合されており、回動支点に動力を与える駆動装置(図示せず)により、Bの矢印の方向に、研磨パッドの内周部と外周部との間を揺動移動させることができる。これにより研磨パッドのドレッシングを行う。
揺動腕の揺動速度は、研磨パッドの内周部と外周部とで適正な値を選択し、研磨パッド表面の仕上がり状態が最適状態となるように設定することが好ましい。また、パッドドレッサーは、自転させなくともよいが、駆動手段を設け自転できるようにすることが、研磨パッド表面の目立ての点では好ましい。
揺動腕の揺動速度は、研磨パッドの内周部と外周部とで適正な値を選択し、研磨パッド表面の仕上がり状態が最適状態となるように設定することが好ましい。また、パッドドレッサーは、自転させなくともよいが、駆動手段を設け自転できるようにすることが、研磨パッド表面の目立ての点では好ましい。
研磨パッドのドレスは、基体の研磨を行っている間に行う。これによって、研磨中に研磨パッドに付着する物質(例えば、パラジウムの錯体等)の除去と、研磨パッドの目立てとを同時に行いながら研磨することができるため、長時間及び/又は複数枚連続で基板を研磨する場合にも、研磨速度が低下するのを抑制することが可能となる。
研磨パッドのドレス時間は、前記研磨時間をTとすると、研磨パッド上のパラジウム含有化合物を効率的に除去できる点で研磨時間Tの10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることが特に好ましい。研磨パッドのドレスは、連続して1回で行う必要は無く、研磨中に2回、もしくは3回以上に分けて行ってもよい。
研磨パッドのドレス圧力は、研磨パッド上のパラジウム含有化合物を効率的に除去できる点で1kPa以上であることが好ましく、2kPa以上であることがより好ましく、3kPa以上であることが特に好ましい。また、目立ての圧力の上限としては、研磨パッドの過剰な削りこみを防ぐことが出来る点で、150kPa以下であることが好ましく、120kPa以下であることがより好ましく、100kPa以下であることが特に好ましい。上記研磨方法を使用することにより、難水溶性のパラジウム含有化合物をより効率的に研磨パッド上から除去し、パラジウム層の研磨速度を従来のCMP研磨方法を用いた場合よりも向上させ、所望の研磨速度で研磨することが出来る。本発明のパラジウム研磨用CMP研磨方法によれば、パラジウム層を長時間連続、もしくは複数枚連続で研磨する際に、従来のCMP研磨方法を用いた場合よりも安定した研磨速度で研磨することができる。
この研磨方法を適用するに当たり、基板の被研磨面を研磨定盤の研磨パッドに押しあて、被研磨面と研磨パッドとの間にCMP研磨液を供給しながら、基板の裏面(被研磨面と反対の面)に所定の圧力を加えた状態で、基板を研磨定盤に対して相対的に動かすことによって被研磨面を研磨することが好ましい。
研磨装置としては、例えば、回転数を変更可能なモータ等が取り付けてあり、研磨パッドを貼り付け可能な定盤と、基板を保持するホルダーとを有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、特に制限はないが、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用できる。研磨条件には、特に制限はないが、基板が飛び出さないように定盤の回転速度を、200rpm以下の低回転にすることが好ましい。
研磨パッドに押しあてた基板へ加える圧力(研磨圧力)は、4〜100kPaであることが好ましく、基板面内の均一性及びパターンの平坦性の見地から、6〜60kPaであることがより好ましい。上記CMP研磨液を用いることにより、低研磨圧力において高い研磨速度でパラジウム層を研磨することができる。低い研磨圧力で研磨が可能であるということは、研磨層の剥離、チッピング、小片化、クラッキング等の防止や、パターンの平坦性の観点から重要である。
研磨している間、研磨パッドには、CMP研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常にCMP研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤなどを用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
研磨されるパラジウム層は、パラジウムを含む層であればよく、パラジウム層中のパラジウム含有量は、パラジウム層の全質量に対し、通常40〜100質量%、好ましくは60〜100質量%の範囲である。
CMP研磨液の効果が最も発揮される基板は、パラジウム層を有する基板であり、好ましくは、シリコン等の半導体ウエハ上に、少なくとも絶縁膜層、ニッケル層(ニッケルを含有する層をいう)、パラジウム層がこの順に形成された基板である。なお、絶縁膜層とニッケル層の間には、下地金属層が形成されていてもよい。
パラジウム層を形成する材料としては、パラジウム、パラジウム合金、その他のパラジウム化合物などが挙げられる。
ニッケル層を形成する材料としては、ニッケル、ニッケル合金、その他のニッケル化合物などが挙げられる。
下地金属層は、層間絶縁膜へ導電性物質が拡散するのを防ぐ層である。下地金属層を形成する材料としては、タンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物、チタン、チタン合金、窒化チタン、その他のチタン化合物、タングステン、窒化タングステン、タングステン合金又はその他のタングステン化合物などが挙げられる。
絶縁膜層は、SiO2膜及びSiN膜、SiON膜などが挙げられる。
以下、CMP研磨液を用いる研磨方法を、図面を参照しながら説明する。図1は、突起電極を有する基板の製造方法の第1実施形態を示す断面図であり、この製造方法の工程の一部に上記研磨方法が適用される。
図1(a)に示す基板は、シリコンウエハ1と、シリコンウエハ1上に形成された凹凸を有する絶縁膜2と、絶縁膜2の凹凸面を被覆するアンダーバリアメタル層3とを備えている。なお、このアンダーバリアメタル層3がパラジウム層に相当する。このような基板のアンダーバリアメタル層3をCMP研磨液を用いて研磨する。すなわち、アンダーバリアメタル層3と研磨パッドの間に、a)1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有してなるパラジウム研磨用CMP研磨液、もしくは、b)有機溶剤、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有してなるパラジウム研磨用CMP研磨液を供給しながら、基板を研磨パッドで研磨して、絶縁膜2の凸部を露出させる。
このような研磨により、絶縁膜2の凸部上に形成されたアンダーバリアメタル層3が除去される。図1(b)は、このような研磨で得られる基板を示す断面図である。
次に、絶縁膜2の凹部上に形成されたアンダーバリアメタル層3が露出するように、アンダーバリアメタル層3が除去された絶縁膜2の凸部上に、レジストパターン4を形成する。図1(c)は、レジストパターン4が形成された基板を示す断面図である。
次に、電界メッキ法等の方法により、レジストパターン4が形成された基板における凹部に、突起電極5を形成し、絶縁膜2の表面から突出させる。図1(d)は、突起電極5が形成された基板を示す断面図である。最後に、レジストパターン4を除去することにより、シリコンウエハ1上に突起電極5が形成された基板を得ることができる。図1(e)は、このようにして得られた突起電極を有する基板を示す断面図である。なお、突起電極5としては、一般的に金、銀、銅、ニッケルやはんだ等の材料が使用される。
図2は、突起電極を有する基板の製造方法の第2実施形態を示す断面図であり、この製造方法の工程の一部においても上記研磨方法が適用される。但し、図2においては、研磨方法適用前の基板と(図2(a))と、最終的に得られる突起電極を有する基板(図2(b))のみを示しており、この間のCMP研磨、レジストパターン形成、突起電極形成、レジストパターン除去の各工程は、第1実施形態と同様に行なわれる。
図2(a)に示す基板は、シリコンウエハ1と、シリコンウエハ1上に形成された凹凸を有する絶縁膜2と、絶縁膜2の凹凸面を被覆する下地金属膜6と、下地金属膜6上に形成されたアンダーバリアメタル層3と、を備えている。なお、このアンダーバリアメタル層3がパラジウム層に相当する。なお、下地金属膜6の形成は、シリコンウエハ1へのアンダーバリアメタル層3の成分の拡散抑制や、シリコンウエハ1とアンダーバリアメタル層3の密着性向上を目的として行なわれる。
このような基板のアンダーバリアメタル層3及び下地金属膜6を、CMP研磨液を用いて研磨する。すなわち、アンダーバリアメタル層3と研磨パッドの間に、a)1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有してなるパラジウム研磨用CMP研磨液、もしくは、b)有機溶剤、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有してなるパラジウム研磨用CMP研磨液を供給しながら、基板を研磨パッドで研磨して、絶縁膜2の凸部を露出させる。このような研磨により、絶縁膜2の凸部上に形成されたアンダーバリアメタル層3及び下地金属膜6が除去される。そして、このようにして得られた基板に対して、第1実施形態と同様に、レジストパターン形成、突起電極形成、レジストパターン除去を行なうことで、図2(b)に示す、シリコンウエハ1上に突起電極5が形成された基板を得ることができる。
図3は、突起電極を有する基板の製造方法の第3実施形態を示す断面図であり、この製造方法の工程の一部においても上記研磨方法が適用される。但し、図3においては、研磨方法適用前の基板と(図3(a))と、最終的に得られる突起電極を有する基板(図3(b))のみを示しており、この間のCMP研磨、レジストパターン形成、突起電極形成、レジストパターン除去の各工程は、第1実施形態と同様に行なわれる。
図3(a)に示す基板は、シリコンウエハ1と、シリコンウエハ1上に形成された凹凸を有する絶縁膜2と、絶縁膜2の凹凸面を被覆する下地金属膜6と、下地金属膜6上に形成された第1のアンダーバリアメタル層3bと、第1のアンダーバリアメタル層3b上に形成された第2のアンダーバリアメタル層3aと、を備えている。なお、この第1のアンダーバリアメタル層3b又は第2のアンダーバリアメタル層3aがパラジウム層に相当する。
このような基板の第1のアンダーバリアメタル層3b、第2のアンダーバリアメタル層3a及び下地金属膜6をCMP研磨液を用いて研磨する。すなわち、第2のアンダーバリアメタル層3aと研磨パッドの間に、a)1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有してなるパラジウム研磨用CMP研磨液、もしくは、b)有機溶剤、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有してなるパラジウム研磨用CMP研磨液を供給しながら、基板を研磨パッドで研磨して、絶縁膜2の凸部を露出させる。このような研磨により、絶縁膜2の凸部上に形成された第1のアンダーバリアメタル層3b、第2のアンダーバリアメタル層3a及び下地金属膜6が除去される。そして、このようにして得られた基板に対して、第1実施形態と同様に、レジストパターン形成、突起電極形成、レジストパターン除去を行なうことで、図3(b)に示す、シリコンウエハ1上に突起電極5が形成された基板を得ることができる。
図3における第1のアンダーバリアメタル層をニッケル層、第2のアンダーバリアメタル層をパラジウム層とした例(アンダーバリアメタルが2層からなる構造)を図4に示す。
図4(a)に示す基板は、シリコン基板11上に設けられた絶縁膜12の凹凸部上に、下地金属層15、ニッケル層14及びパラジウム層13がこの順に形成されてなるものである。CMP研磨液を用いて、パラジウム層13、ニッケル層14及び下地金属層15を研磨し、図4(b)に示すように、絶縁膜12の凸部を露出させることができる。
CMP研磨液を用いる研磨方法の他の例としては、絶縁膜12の凸部上に存在するパラジウム層13を研磨してニッケル層14を露出させる第1の研磨工程と、絶縁膜層12の凸部上に存在するニッケル層14、下地金属層15、及び絶縁膜12の凹部を埋め込んでいるパラジウム層13の一部を研磨して、絶縁膜の凸部を露出させる第2の研磨工程とを含む研磨方法であって、この2つの研磨工程のうち、少なくとも第1の研磨工程で、CMP研磨液が用いる方法が挙げられる。
(1,2,4−トリアゾール)
本発明に係る研磨方法に用いるCMP研磨液は、錯化剤として1,2,4−トリアゾールを含有する。錯化剤は、金属に配位し錯体を形成することができる物質であるが、1,2,4−トリアゾールについても、後述するリン酸類と共に、パラジウムに対して錯体を形成すると考えられ、ここで形成された錯体が研磨されやすいために良好な研磨速度が得られるものと推定される。また、含窒素化合物であればパラジウムと錯体を形成できると考えられるが、本発明者らの検討によれば、1,2,4−トリアゾール以外の化合物では、パラジウム層に対する研磨速度を向上させることはできない。例えば、1,2,4−トリアゾールに代えて、構造の類似する1,2,3−トリアゾールや、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールを使用しても、パラジウム層に対する良好な研磨速度を得ることは難しい。
本発明に係る研磨方法に用いるCMP研磨液は、錯化剤として1,2,4−トリアゾールを含有する。錯化剤は、金属に配位し錯体を形成することができる物質であるが、1,2,4−トリアゾールについても、後述するリン酸類と共に、パラジウムに対して錯体を形成すると考えられ、ここで形成された錯体が研磨されやすいために良好な研磨速度が得られるものと推定される。また、含窒素化合物であればパラジウムと錯体を形成できると考えられるが、本発明者らの検討によれば、1,2,4−トリアゾール以外の化合物では、パラジウム層に対する研磨速度を向上させることはできない。例えば、1,2,4−トリアゾールに代えて、構造の類似する1,2,3−トリアゾールや、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールを使用しても、パラジウム層に対する良好な研磨速度を得ることは難しい。
1,2,4−トリアゾールの含有量は、CMP研磨液全質量に対して、0.001〜20質量%であることが好ましい。この含有量が、0.001質量%未満になると、CMPによるパラジウム層の研磨速度が小さくなる傾向があり、下限値としては、0.01質量%であることがより好ましく、0.05質量%であることが特に好ましい。また、20質量%を超えると、パラジウム層の研磨速度は飽和する傾向があり、上限値としては、15質量%であることがより好ましく、12質量%であることが更に好ましく、10質量%であることが特に好ましい。
(リン酸類)
本発明に係る研磨方法に用いるCMP研磨液は、リン酸類を含有する。リン酸類は、後述する酸化剤によって酸化された金属を、錯化及び/又は溶解することによって金属膜の研磨を促進すると考えられ、パラジウムに対する酸化金属溶解剤としての機能を有するものと推定される。
本発明に係る研磨方法に用いるCMP研磨液は、リン酸類を含有する。リン酸類は、後述する酸化剤によって酸化された金属を、錯化及び/又は溶解することによって金属膜の研磨を促進すると考えられ、パラジウムに対する酸化金属溶解剤としての機能を有するものと推定される。
パラジウムに対する酸化金属溶解剤としての機能を有する化合物としては、種々の無機酸、有機酸等が考えられるが、本発明者らの検討によれば、リン酸類以外の酸では、パラジウムに対する良好な研磨速度を得ることは難しい。
リン酸類とは、リン酸、亜リン酸及び次亜リン酸、これらの縮合体、並びにこれらの誘導体(塩を含む)を意味する(例えば、リン酸、リン酸誘導体、ピロリン酸、ピロリン酸誘導体、ポリリン酸、ポリリン酸誘導体、これらの塩等)。リン酸類の具体的例としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ピロ亜リン酸、ポリリン酸などが挙げられる。また、リン酸類の塩の例としては、リン酸類の陰イオンと、陽イオンとの塩であり、陽イオンの例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、パラジウム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、錫、アンモニウムなどのイオンがある。これらの塩は、分子内に1個の金属と2個の水素を有する第一塩、2個の金属と1個の水素を有する第二塩、3個の金属を有する第三塩のいずれでもよく、酸性塩、アルカリ性塩、中性塩のいずれでもよい。これらのリン酸類は、1種類を単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。
上記リン酸類の含有量は、CMP研磨液全質量に対して、0.001〜20質量%であることが好ましい。この含有量が、0.001質量%未満になると、CMPによるパラジウム層、ニッケル層、下地金層の研磨速度が小さくなる傾向があり、下限値としては、0.01質量%であることがより好ましく、0.02質量%であることが特に好ましい。また、20質量%を超えると、パラジウム層の研磨速度は飽和する傾向があり、上限値としては、15質量%であることがより好ましく、10質量%であることが特に好ましい。
(酸化剤)
本発明に係る研磨方法に用いるCMP研磨液に含まれる酸化剤は、層形成用等として基板に用いられる金属の酸化剤である。酸化剤としては、過酸化水素(H2O2)、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩、過硫酸塩等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。これらは、1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
本発明に係る研磨方法に用いるCMP研磨液に含まれる酸化剤は、層形成用等として基板に用いられる金属の酸化剤である。酸化剤としては、過酸化水素(H2O2)、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩、過硫酸塩等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。これらは、1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
基板が、集積回路用素子を含むシリコン基板である場合は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染が望ましくないので、不揮発成分を含まない酸化剤が望ましい。但し、適用対象の基板が、半導体素子を含まないガラス基板等である場合は、不揮発成分を含む酸化剤であっても差し支えない。
酸化剤の含有量は、CMP研磨液全質量に対して、0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜15質量%であることがより好ましく、0.1〜10質量%であることが特に好ましい。この含有量が、0.05質量%未満では、金属の酸化が不充分でパラジウム層、ニッケル層、下地金属層の研磨速度が低くなる傾向があり、20質量%を超えると、研磨面に荒れが生じる傾向がある。
(砥粒)
砥粒としては、具体的には、ヒュームドアルミナ、遷移アルミナ、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、ジルコニア、チタニア、セリア等を挙げることができ、中でもヒュームドアルミナ、遷移アルミナ、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカが好ましく、研磨速度を高速に保ちながら研磨傷の発生を抑制できる点で、コロイダルシリカがさらに好ましい。
砥粒としては、具体的には、ヒュームドアルミナ、遷移アルミナ、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、ジルコニア、チタニア、セリア等を挙げることができ、中でもヒュームドアルミナ、遷移アルミナ、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカが好ましく、研磨速度を高速に保ちながら研磨傷の発生を抑制できる点で、コロイダルシリカがさらに好ましい。
砥粒の含有量は、CMP研磨液全質量に対して0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.2質量%〜8.0質量%の範囲であることがより好ましい。この含有量が、0.1質量%以上であれば物理的な削り取り作用を得ることができ、CMPによる研磨速度が大きくなる傾向がある。また、10質量%以下であれば粒子が凝集沈降するのを抑制できる傾向にある。また、10質量%を超える量を含有しても、含有に見合った研磨速度の増加が見られない傾向がある。このような傾向は、パラジウム層の研磨速度により顕著に見られる傾向がある。
砥粒の平均一次粒子径は、平坦性が向上し、かつ研磨後の被研磨面に残る傷の発生を抑制できる点で、300nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることが特に好ましく、100nm以下であることが極めて好ましい。また、平均一次粒子径の下限としては、特に制限はないが、充分な物理的な削り取り作用を得ることができる点で、1nmであることがより好ましく、3nmであることが特に好ましく、5nmであることが極めて好ましい。
砥粒の平均二次粒子径は、5〜500nmであることが好ましい。平坦性が向上する点で、上記平均二次粒子径は、上限値が、300nmであることが好ましく、200nmであることがより好ましく、100nmであることが特に好ましい。また、砥粒によるメカニカルな反応層(酸化層)除去能力を確保でき、研磨速度が速くなる点で、上記平均二次粒子径は、下限値が、5nmであることがより好ましく、10nmであることが特に好ましい。
CMP研磨液中の砥粒の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(例えば株式会社日立製作所製のS4700)を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、例えば、上記の二種の砥粒を含む複合粒子と、そのほかの成分を混合して試験液を作製し、この試験液を適量採取する。採取量としては、砥粒含有量を考慮して決定し、例えば砥粒含有量1質量%の時は0.2cc程度採取する。採取した試験液を乾燥し、観察する。
また、上記砥粒の平均二次粒子径とは、CMP研磨液中の砥粒の平均二次粒子径をいい、例えば、光回折散乱式粒度分布計(例えば、COULTER Electronics社製の COULTER N4SD)を用いて測定することができる。
(有機溶媒)
CMP研磨液には、有機溶媒をさらに含有することも出来る。
(有機溶媒)
CMP研磨液には、有機溶媒をさらに含有することも出来る。
有機溶媒としては、水と任意で混合できるものが好ましい。
例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の炭酸エステル;ブチロラクトン、プロピロラクトン等のラクトン;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール;グリコール誘導体として、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルやエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルやエチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルやエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルやエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテルやエチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジプロピルエーテルやエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のグリコールジエーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレンオキサイド、エチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル;メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、イソプロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチル、乳酸エチル等のカルボン酸エステル;その他フェノール、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、スルホラン等が挙げられる。これらの中でも好ましい有機溶媒は、グリコール、グリコール誘導体、アルコール、炭酸エステル、カルボン酸エステルであり、より好ましい有機溶媒は、グリコール、カルボン酸エステルである。
例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の炭酸エステル;ブチロラクトン、プロピロラクトン等のラクトン;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール;グリコール誘導体として、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルやエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルやエチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルやエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルやエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテルやエチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジプロピルエーテルやエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のグリコールジエーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレンオキサイド、エチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル;メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、イソプロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチル、乳酸エチル等のカルボン酸エステル;その他フェノール、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、スルホラン等が挙げられる。これらの中でも好ましい有機溶媒は、グリコール、グリコール誘導体、アルコール、炭酸エステル、カルボン酸エステルであり、より好ましい有機溶媒は、グリコール、カルボン酸エステルである。
上記有機溶媒の含有量は、CMP研磨液全質量に対して、0.1〜95質量%であることが好ましい。この含有量が、0.1質量%未満になると、連続してパラジウム層を研磨したときのパラジウム層に対する研磨速度が徐々に低下する傾向があり、下限値としては、0.2質量%であることがより好ましく、0.5質量%であることが特に好ましい。また、95質量%を超えると、CMP研磨液成分の溶解性が悪化したり、砥粒の凝集が促進されたりする傾向があり、上限値としては、50質量%であることがより好ましく、20質量%であることが特に好ましい。
(金属防食剤)
CMP研磨液には、金属防食剤をさらに含有させることもできる。金属防食剤は、金属層のエッチングを抑止し、ディッシングに対する特性を向上させる化合物である。
CMP研磨液には、金属防食剤をさらに含有させることもできる。金属防食剤は、金属層のエッチングを抑止し、ディッシングに対する特性を向上させる化合物である。
金属防食剤としては、具体的には例えば、イミン、1,2,4−トリアゾール以外のアゾール、メルカプタン及び糖類等を挙げることができ、上記の中でも金属層のエッチング速度の抑制と金属層の研磨速度の両立の観点で含窒素環状化合物が好適である。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
イミンは、具体的には、ジチゾン、ロイン(2,2’−ビキノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等を挙げることができる。
アゾールは、具体的には、ベンズイミダゾール−2−チオ−ル、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3−トリアゾール、2−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールメチルルエステル、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールブチルエステル、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールオクチルエステル、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、[1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル][1,2,4−トリアゾリル−1−メチル][2−エチルヘキシル]アミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸、テトラゾール、5−アミノ−テトラゾール、5−メチル−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプトテトラゾール及び1−N,N−ジメチルアミノエチル−5−テトラゾール等を挙げることができる。
メルカプタンは、具体的には、ノニルメルカプタン及びドデシルメルカプタン等を挙げることができる。
糖類は、具体的には、グルコース、セルロース等挙げることができる。糖類としては、多糖類を使用することが好ましい。
前記金属防食剤を含有する場合、その含有量は、1,2,4−トリアゾールとリン酸類による研磨速度向上効果を損なわない範囲であることが好ましく、エッチング抑制機能と研磨速度との両立を図る点で、CMP研磨液全質量に対して、0.005〜2.0質量%とすることが好ましい。より高いエッチング性能を得ることができる点で、0.01質量%以上とすることがより好ましく、0.02質量%以上とするが更に好ましい。また、好適な研磨速度を得やすくなる点で、1.0質量%以下とすることがより好ましく、0.5質量%以下とすることが特に好ましい。
(水溶性ポリマ)
CMP研磨液には、研磨後の平坦性を向上出来る点で、水溶性ポリマを含有させることができる。上記の観点では、水溶性ポリマの重量平均分子量としては、500以上とすることが好ましく、1500以上とすることがより好ましく、5000以上とすることが特に好ましい。重量平均分子量の上限は、特に規定するものではないが、溶解性の観点から、500万が好ましい。重量平均分子量が、500未満では高い研磨速度が発現しない傾向にある。
CMP研磨液には、研磨後の平坦性を向上出来る点で、水溶性ポリマを含有させることができる。上記の観点では、水溶性ポリマの重量平均分子量としては、500以上とすることが好ましく、1500以上とすることがより好ましく、5000以上とすることが特に好ましい。重量平均分子量の上限は、特に規定するものではないが、溶解性の観点から、500万が好ましい。重量平均分子量が、500未満では高い研磨速度が発現しない傾向にある。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができ、より具体的には下記のような条件で測定することができる。
使用機器:日立L−6000型〔株式会社日立製作所製〕
カラム:ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440〔日立化成工業株式会社製 計3本〕
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:1.75ml/min.
検出器:L−3300RI〔株式会社日立製作所製〕
使用機器:日立L−6000型〔株式会社日立製作所製〕
カラム:ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440〔日立化成工業株式会社製 計3本〕
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:1.75ml/min.
検出器:L−3300RI〔株式会社日立製作所製〕
重量平均分子量が500以上の水溶性ポリマとしては、CMP研磨液の成分の溶解性が低下せず、砥粒が凝集しなければ特に制限はないが、具体的には、多糖類、ポリカルボン酸化合物、ビニルポリマ、グリコールポリマ等を挙げることができ、これらは単独で又は2種類以上混合して用いることができる。なお、水溶性ポリマは単一のモノマーからなるホモポリマーであっても、2つ以上のモノマーからなる共重合体(コポリマー)であってもよい。
上記水溶性ポリマとして使用する多糖類の具体例としては、例えばアルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等を挙げることができる。また、上記水溶性ポリマとして使用するポリカルボン酸化合物の具体例としては、例えば、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル及びポリカルボン酸塩を挙げることができる。
さらに、上記水溶性ポリマとして使用するビニルポリマの具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等を挙げることができる。また、ポリエチレングリコール等を使用することもできる。
上記水溶性ポリマの化合物を使用するときは、適用する基板が半導体集積回路用シリコン基板等の場合は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。基板が、ガラス基板等である場合はその限りではない。
上記水溶性ポリマの化合物の中でも、高平坦化が可能である点で、プルラン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、それらのエステル及びそれらのアンモニウム塩が好ましい。
水溶性ポリマを含有する場合、水溶性ポリマの含有量は、CMP研磨液全質量に対して5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。この含有量が、5質量%以下であれば砥粒の凝集を抑えることが出来る。
(CMP研磨液)
CMP研磨液は、上記化合物を混合することにより得ることができる。CMP研磨液を構成する化合物の割合は、上述した各化合物の好適な含有量になるように調整することが好ましい。パラジウム研磨用CMP研磨液を構成する化合物の割合が上記の範囲にし、この研磨液を用いたCMP研磨中に、研磨パッドを研磨時間の20%以上の時間、目立て(ドレス)を行うことで、パラジウム層の研磨速度を向上でき、複数枚連続で研磨しても安定した研磨速度で研磨することができる。
CMP研磨液は、上記化合物を混合することにより得ることができる。CMP研磨液を構成する化合物の割合は、上述した各化合物の好適な含有量になるように調整することが好ましい。パラジウム研磨用CMP研磨液を構成する化合物の割合が上記の範囲にし、この研磨液を用いたCMP研磨中に、研磨パッドを研磨時間の20%以上の時間、目立て(ドレス)を行うことで、パラジウム層の研磨速度を向上でき、複数枚連続で研磨しても安定した研磨速度で研磨することができる。
(pH)
CMP研磨液のpHは、パラジウム層のCMP研磨速度が大きくなるという観点から、1〜12であることが好ましい。pHが1〜6であれば、所定のCMPによる研磨速度が確保できる傾向があり、実用的なCMP研磨液となりうる。pHは、1〜5であることがより好ましく、1〜4であることが特に好ましい。
CMP研磨液のpHは、パラジウム層のCMP研磨速度が大きくなるという観点から、1〜12であることが好ましい。pHが1〜6であれば、所定のCMPによる研磨速度が確保できる傾向があり、実用的なCMP研磨液となりうる。pHは、1〜5であることがより好ましく、1〜4であることが特に好ましい。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、本発明はこれらの実施例に制限するものではない。
(CMP研磨条件)
実施例1〜3及び比較例1〜7で用いるCMP研磨は、下記の装置及び条件を用いて非研磨基板の研磨を行った。
研磨装置:Mirra(APPLIED MATERIALS社製)
CMP研磨液流量:200mL/分
被研磨基板:厚さ0.3μmのパラジウム層をスパッタ法で形成したシリコン基板
研磨パッド:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製、型番IC1000)
研磨圧力:29.4kPa(4psi)
基板と研磨定盤との相対速度:68m/分
研磨時間:1〜3分
研磨パッドドレス条件:表1に示す(研磨中:In−situ、研磨前:Ex−situ)
研磨パッドドレス時間:表1に示す
洗浄:CMP処理後、超音波水による洗浄を行った後、スピンドライヤで乾燥させた。
実施例1〜3及び比較例1〜7で用いるCMP研磨は、下記の装置及び条件を用いて非研磨基板の研磨を行った。
研磨装置:Mirra(APPLIED MATERIALS社製)
CMP研磨液流量:200mL/分
被研磨基板:厚さ0.3μmのパラジウム層をスパッタ法で形成したシリコン基板
研磨パッド:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製、型番IC1000)
研磨圧力:29.4kPa(4psi)
基板と研磨定盤との相対速度:68m/分
研磨時間:1〜3分
研磨パッドドレス条件:表1に示す(研磨中:In−situ、研磨前:Ex−situ)
研磨パッドドレス時間:表1に示す
洗浄:CMP処理後、超音波水による洗浄を行った後、スピンドライヤで乾燥させた。
(CMP研磨液作製方法)
実施例1〜3及び比較例1〜7で用いるCMP研磨液は、CMP研磨液全質量に対して、砥粒としてコロイダルシリカ(平均二次粒子径43nm)を10質量%、酸化剤として30%過酸化水素水を10質量%、表1に示す酸化金属溶解剤を0〜5質量%、表1に示す錯化剤を0〜0.5質量%、残部に純水を含有して調製した。
実施例1〜3及び比較例1〜7で用いるCMP研磨液は、CMP研磨液全質量に対して、砥粒としてコロイダルシリカ(平均二次粒子径43nm)を10質量%、酸化剤として30%過酸化水素水を10質量%、表1に示す酸化金属溶解剤を0〜5質量%、表1に示す錯化剤を0〜0.5質量%、残部に純水を含有して調製した。
(液状特性評価)
測定温度:25±5℃
pH:HORIBA製、型番F−51で測定した。
測定温度:25±5℃
pH:HORIBA製、型番F−51で測定した。
(研磨品評価項目)
研磨速度:上記条件で研磨および洗浄したパラジウム層の研磨速度を次式より((PdRR)=(研磨前後でのパラジウム層の膜厚差)/(研磨時間(分)))求めた。研磨前後での膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。
研磨速度:上記条件で研磨および洗浄したパラジウム層の研磨速度を次式より((PdRR)=(研磨前後でのパラジウム層の膜厚差)/(研磨時間(分)))求めた。研磨前後での膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。
実施例1〜3及び比較例1〜7における1分間と2分間及び3分間研磨でのパラジウム研磨速度及び1分研磨に対する3分研磨のパラジウム研磨速度低下率を表1に示す。
以下、表1に示す結果について詳しく説明する。実施例1では、研磨パッドのドレスを基板の研磨中に研磨初期33%の時間行った。CMP研磨液には、酸化金属溶解剤をリン酸5質量%、錯化剤を1,2,4−トリアゾール0.5質量%としたものを用いた。実施例1は、1分間、3分間のパラジウム研磨速度がそれぞれ、65nm/分、58nm/分と、比較例1〜7より高い値を示し、1分間研磨に対する3分間研磨のパラジウム研磨速度低下率が、11%と、比較例1より低い値を示した。
実施例2では、研磨パッドのドレスを基板の研磨中に研磨初期66%の時間行った。CMP研磨液には、酸化金属溶解剤をリン酸5質量%、錯化剤を1,2,4−トリアゾール0.5質量%としたものを用いた。実施例2は、1分間、3分間のパラジウム研磨速度がそれぞれ、68nm/分、66nm/分と、比較例1〜7より高い値を示し、1分間研磨に対する3分間研磨のパラジウム研磨速度低下率が、3%と、比較例1より低い値を示した。
実施例3では、研磨パッドのドレスを基板の研磨中に常に行った。CMP研磨液には、酸化金属溶解剤をリン酸5質量%、錯化剤を1,2,4−トリアゾール0.5質量%としたものを用いた。実施例3は、1分間、2分間、及び3分間のパラジウム研磨速度がそれぞれ、70nm/分、71nm/分、70nm/分と、比較例1〜7より高い値を示し、1分間研磨に対する3分間研磨のパラジウム研磨速度低下率が、0%と、比較例1より低い値を示した。
比較例5及び7ではCMP研磨液に、酸化金属溶解剤として、リン酸を含有するが、研磨速度は非常に低い。しかし、比較例2のようにリン酸に加えて、錯化剤として1,2,4−トリアゾールを含有することにより、研磨速度が大きく向上していることがわかる。しかしながら、研磨速度低下率が非常に大きかった。実施例6〜10では、比較例2で用いられているリン酸、1,2,4−トリアゾールに加えて、有機溶媒を含有することにより、高いパラジウム研磨速度を維持しつつ、パラジウム研磨速度低下率を大きく低減することができた。
比較例4、6ではCMP研磨液に、酸化金属溶解剤として、リン酸を含有するが、研磨速度は非常に低い。しかし、比較例1のようにリン酸に加えて、錯化剤として1,2,4−トリアゾールを含有することにより、研磨速度が向上していることがわかる。実施例1〜3では、比較例1で用いられているEx−situのドレスに変えて、In−situのドレスを用いた研磨方法にすることにより、高いパラジウム研磨速度を維持しつつ、パラジウム研磨速度低下率を大きく低減することができた。
1…シリコンウエハ、2,12…絶縁膜、3…アンダーバリアメタル層、3a…第2のアンダーバリアメタル層、3b…第1のアンダーバリアメタル層、4…レジストパターン、5…突起電極、6,15…下地金属膜、11…シリコン基板、13…パラジウム層、14…ニッケル層。21…研磨定盤、22…軸、23…研磨パッド、24…揺動腕、25…回動支点、26…パッドドレッサー、A…研磨定盤の回転方向、B…パッドドレッサーの振動方向
Claims (6)
- パラジウム層を有する基板の該パラジウム層側に研磨パッドを対向配置し、前記パラジウム層と前記研磨パッドの間にCMP研磨液を供給しながら、前記基板を前記パラジウム層と反対の側から前記研磨パッドに向けて加圧し、前記パラジウム層の少なくとも一部を前記研磨パッドで研磨する研磨工程を備え、
前記CMP研磨液は、1,2,4−トリアゾール、リン酸類、酸化剤及び砥粒を含有するCMP研磨液であり、
前記研磨工程は、前記研磨パッドによる研磨開始から研磨終了までの時間Tの間に、前記Tの10%以上の時間、前記研磨パッドについて目立てを行うドレス工程を含む
ことを特徴とするCMP研磨方法。 - 前記酸化剤は、過酸化水素、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩及び過硫酸塩から選ばれる少なくとも一種である請求項1記載のCMP研磨方法。
- 前記砥粒は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア及びセリアから選ばれる少なくとも一種からなる砥粒である請求項1または2に記載のCMP研磨方法。
- 前記砥粒の含有量は、CMP研磨液全質量基準で0.1〜10質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のCMP研磨方法。
- 前記CMP研磨液は、有機溶媒を更に含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のCMP研磨方法。
- 前記有機溶媒は、グリコール、グリコール誘導体、アルコール、炭酸エステル及びカルボン酸エステルから選ばれる少なくとも一種である、請求項5記載のCMP研磨方法。
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