JP5369597B2 - Cmp研磨液及び研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体デバイスの配線形成工程等において好適に用いられるCMP研磨液及びそれを用いた研磨方法に関する。
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(CMP)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜層の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成において頻繁に利用される技術である(例えば、特許文献1参照)。
最近は、LSIを高集積化、高性能化するために、配線材料として従来のアルミニウム合金に代え、銅又は銅合金の利用が試みられている。しかし、銅又は銅合金は、アルミニウム合金配線の形成において頻繁に用いられるドライエッチング法による微細加工が困難である。そこで、あらかじめ溝(凹部)を形成した絶縁膜層上に、銅又は銅合金の層(以下、単に「銅層」という場合がある。)を電気メッキによって堆積して溝を埋め込み、溝部以外(凸部)に堆積された銅層をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン法が主に採用されている(例えば、特許文献2参照)。
銅層が形成された半導体基板のCMPの一般的な方法では、まず、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッド(研磨布)を貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸す。次いで、基板の銅層面を研磨パッドに押し付けて、基板の裏面から所定の圧力(研磨圧力又は研磨荷重)を基板に加えた状態で研磨定盤を回し、研磨液と、絶縁膜層の凸部上に堆積された銅層との機械的摩擦によって凸部上の銅層を除去する。
CMPに用いられる銅等の金属配線用の研磨液は、一般には酸化剤及び固体砥粒からなっており、必要に応じてさらに酸化金属溶解剤、保護膜形成剤(金属防食剤)が添加される。まず、酸化剤によって銅層表面を酸化し、その酸化層を固体砥粒によって削り取るのが基本的なメカニズムであると考えられている。
溝(凹部)上に堆積した銅層表面の酸化層は、研磨パッドにあまり触れず、固体砥粒による削り取りの効果が及ばないが、研磨パッドに触れる凸部上に堆積した銅層表面の酸化層では、削り取りが進む。したがって、CMPの進行とともに凸部上の銅層が除去されて基板表面は平坦化される(例えば、非特許文献1参照)。
銅層の下層には、層間絶縁膜中への銅拡散防止のためのバリア導体層(以下、「バリア層」という。)として、例えば、タンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物等の層が物理気相成長(PVD)等で形成される。また、銅層はバリア層との密着性が低いため、2層の間に銅シード層と呼ばれる銅又は銅合金の薄膜層がPVD等によって形成されるのが一般的である。
このような構成を有する基板の断面模式図を図1(a)に示す。この基板においては、金属配線を形成するための溝や孔に起因する凹部及び凸部を有する絶縁膜層3上に、絶縁膜層3の表面の凹部及び凸部に沿って、バリア層1及び銅シード層2がこの順で積層されており、さらに銅層(金属配線層)4が絶縁膜層3の凹部に起因する凹部を銅又は銅合金を充填した形で、銅シード層2を被覆している。
バリア層や銅シード層の形成に用いられるPVDでは、成膜時に絶縁膜層に形成された溝の上部を狭めてしまうという問題があり、配線の微細化が進むにつれ、この傾向は顕著となる。このため、配線の微細化が進むにつれ、電気メッキによる銅又は銅合金の埋め込み性が悪化し、空孔(ボイド)の発生が顕著になることが問題となっていた。
この問題の解決手段として、銅シード層に代え、若しくは銅シード層とバリア層の間に、銅との密着性に優れるルテニウム、ルテニウム合金、又はルテニウム化合物からなる層(以下、単に「ルテニウム層」という場合がある。)を用いる手法が検討されている。このような構成を有する基板の模式断面図を図1(b)に示す。この基板においては、図1(a)の銅シード層2に代えて、ルテニウム層5が用いられている。ルテニウム層5は、化学気相成長法(CVD)や原子層堆積法(ALD)による成膜が可能であり、微細配線の形成にも対応可能である。
一方、銅又は銅合金を埋め込んだ配線部分以外の配線間(凸部)では、露出したルテニウム層及びバリア層をCMPにより取り除く必要がある。
ルテニウム層をCMPにより研磨する試みとしては、例えばキャパシタの下部電極に用いられるルテニウム層を、硝酸セリウムアンモニウムを添加した研磨液を用いて研磨する方法が知られている(特許文献3参照)。
また、銅配線に用いられたルテニウム層をCMPにより研磨する試みとしては、例えばリン酸、有機酸、導体金属防食剤やアルミナ砥粒を添加した研磨液を用いる方法が知られている(特許文献4参照)。
米国特許第4944836号明細書 特開平02−278822号公報 特開2000−167764号明細書 米国特許第7265055号明細書 ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌、第138巻11号(1991年発行)、3460〜3464頁
しかしながら、特許文献3等に記載の方法においては、研磨対象がルテニウム層のみであり、半導体素子の銅配線を研磨する用途のように、銅層やバリア層、絶縁膜層等の異なる研磨対象をも研磨することは想定されておらず、平坦性を維持しながら複数の研磨対象を研磨することは困難である。
また、特許文献4等に記載の方法では、絶縁膜層の研磨速度が十分でなく、必ずしも要求される性能を満足するものではなかった。
したがって、本発明の目的は、少なくともルテニウム層の研磨速度を従来の研磨液を用いた場合よりも向上させることができ、かつ銅又は銅合金層、バリア層及び絶縁膜層等の層を所望の研磨速度で研磨することができるCMP研磨液及びこれを用いた研磨方法を提供することである。
上記事情に鑑み本発明は、第1の無機砥粒の表面の少なくとも一部に第2の無機砥粒が付着した複合粒子を含有してなるCMP研磨液であって、複合粒子の平均二次粒子径は20〜800nmであり、第1の無機砥粒の第2の無機砥粒に対する質量比が1/10〜10/1(1:10〜10:1)であるCMP研磨液を提供する。
かかるCMP研磨液によれば、少なくともルテニウム層の研磨速度を従来の研磨液を用いた場合よりも向上させることができ、かつ銅又は銅合金層、バリア層及び層間絶縁膜層の各層を所望の研磨速度で研磨することができる。
第1の無機砥粒はアルミナであると好ましく、第2の無機砥粒はシリカであると好ましい。
本発明のCMP研磨液は、酸化金属溶解剤をさらに含有してなることが好ましい。
第1の無機砥粒の平均一次粒子径は10〜500nmであると好ましく、第1の無機砥粒の濃度は、CMP研磨液全体に対して0.1〜10質量%であると好ましい。
第2の無機砥粒の平均一次粒子径は5〜200nmであると好ましく、第2の無機砥粒の濃度は、CMP研磨液全体に対して0.1〜15質量%であると好ましい。
本発明のCMP研磨液は、酸化剤をさらに含有してなることが好ましい。また、本発明のCMP研磨液は、金属防食剤をさらに含有してなることが好ましい。
上記酸化剤は、過酸化水素、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩、及び過硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明のCMP研磨液は、有機溶剤をさらに含有してなることが好ましい。また、本発明のCMP研磨液は、界面活性剤をさらに含有してなることが好ましい。
また本発明は、研磨する膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押しあて加圧し、上記本発明のCMP研磨液を膜と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を動かして膜を研磨する基板の研磨方法を提供する。
かかる研磨方法によれば、上記本発明のCMP研磨液を用いているので、少なくともルテニウム層の研磨速度を従来の研磨液を用いた場合よりも向上させることができ、かつ銅又は銅合金層、バリア層及び層間絶縁膜層の各層を所望の研磨速度で研磨することができる。
本発明の研磨液及び研磨方法によれば、少なくともルテニウム層、銅又は銅合金層、バリア層及び層間絶縁膜層の各層を所望の研磨速度で研磨することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
(複合粒子)
本発明のCMP用研磨液は、第1の無機砥粒の表面の少なくとも一部に第2の無機砥粒が付着した複合粒子を含有してなる。
上記複合粒子における無機砥粒の付着形態としては、具体的には例えば、図3に示すように(a)単独の第1の無機砥粒の表面に、単独の第2の無機砥粒が付着する形態、(b)単独の第1の無機砥粒の表面に、会合した第2の無機砥粒が付着する形態、(c)会合した第1の無機砥粒の表面に、単独の第2の無機砥粒が付着する形態、(d)会合した第1の無機砥粒の表面に、会合した第2の無機砥粒が付着する形態等を挙げる事ができ、これらのうちいずれの形態をとってもよく、また、研磨液中でこれらの状態が混在していてもよい。
本発明において、複合粒子の付着状態は、透過型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製のS4700)を用いて観察することができる。具体的な測定方法としては、例えば、上記の2種の無機砥粒を含む複合粒子と、その他の成分を混合して研磨液を作成し、この研磨液を適量採取する。採取量としては、砥粒濃度を考慮して決定し、例えば砥粒濃度1質量%の時は0.2cc程度採取する。採取した研磨液を乾燥し、透過型電子顕微鏡で観察する。
第1の無機砥粒としては、硬度が高いものが好ましく具体的には例えば、アルミナ、炭化珪素、セリア等を挙げることができ、中でもアルミナが好ましく、αアルミナがさらに好ましい。
第1の無機砥粒の添加量は、研磨液全体に対して0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.2質量%〜8.0質量%の範囲であることがより好ましい。この添加量が0.1質量%以上であれば物理的な削り取り作用を得ることができ、CMPによる研磨速度が大きくなる傾向がある。また、10質量%以下であれば粒子が凝集沈降するのを抑制できる傾向にある。また、10質量%を超える量添加しても、添加に見合った研磨速度の増加が見られない傾向がある。また、これらの傾向はルテニウム層の研磨速度について、より顕著に見られる傾向がある。
第2の無機砥粒としては、シラノール基を有しているものが好ましく、具体的には例えば、シリカ等があげられ、中でもヒュームドシリカ、コロイダルシリカが好ましく、コロイダルシリカであることが特に好ましい。
第2の無機砥粒の添加量は、研磨液全体に対して0.1質量%〜15質量%であることが好ましく、0.5質量%〜12質量%であることがより好ましい。この添加量が0.1質量%以上であれば充分な物理的な削り取り作用を得ることができ、CMPによる研磨速度が大きくなる傾向がある。また、15質量%を超える量を添加しても、添加に見合った研磨速度の増加が見られない傾向がある。また、これらの傾向はバリア層、層間絶縁膜層の研磨速度により顕著に見られる傾向がある。
第1の無機砥粒の一次粒子径は、平坦性及び研磨後に被研磨面に残る傷を抑制できる点で、500nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが特に好ましく、150nm以下であることが極めて好ましい。また、一次粒子径の下限としては、特に制限はないが、充分な物理的な削り取り作用を得ることができる点で、10nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることが特に好ましく、50nm以上であることが極めて好ましい。
第2の無機砥粒の一次粒子径は、平坦性の点で200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、130nm以下であることが特に好ましい。また、一次粒子径の下限としては、特に制限はないが、充分な物理的な削り取り作用を得ることができる点で、5nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることが特に好ましい。
第1の無機砥粒の一次粒子径は、第2の無機砥粒の一次粒子径よりも大きいことが好ましい。
第1の無機砥粒の第2の無機砥粒に対する質量比は、1/10〜10/1である。ルテニウム層の研磨速度が大きくなる傾向がある点で、上記質量比の下限は0.2以上であることがより好ましい。また、砥粒の沈降の抑制が容易になる点で、上記質量比の上限としては5以下であることがより好ましく、3以下であることが特に好ましい。この質量比が0.1未満であると、ルテニウム層の研磨速度が小さくなる傾向にあり、10を超えると研磨液中に二塩基有機酸が存在する場合に砥粒の凝集沈降が顕著になる傾向がある。
複合粒子の平均二次粒子径は、20〜800nm以下であることが好ましい。平坦性が向上する点で、上記平均二次粒子径は500nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましく、300nm以下であることが特に好ましい。また、複合粒子によるメカニカルな反応層(酸化層)除去能力を確保でき、研磨速度が速くなる点で、上記平均二次粒子径は、20以上であることがより好ましく、50以上であることが特に好ましい。
本発明において、CMP研磨液中の複合粒子の一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製のS4700)を用いて測定することができる。具体的な測定方法としては、例えば、上記の2種の無機砥粒を含む複合粒子と、その他の成分を混合して研磨液を作成し、この研磨液を適量採取する。採取量としては、砥粒濃度を考慮して決定し、例えば砥粒濃度1質量%の時は0.2cc程度採取する。採取した研磨液を乾燥し、観察する。
また、本発明において、上記の複合粒子の平均二次粒子径とは、CMP研磨液中の複合粒子の二次粒子径をいい、例えば、光回折散乱式粒度分布計(例えば、COULTER Electronics社製の COULTER N4SD)を用いて測定することができる。
(酸化剤)
本発明のCMP研磨液には、酸化剤を添加することもできる。酸化剤としては、過酸化水素(H)、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩、過硫酸塩等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。これらは1種を単独で、若しくは2種以上混合して用いることができる。
研磨対象の基体が集積回路用素子を含むシリコン基板である場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物などによる汚染は望ましくないので、不揮発成分を含まない酸化剤が望ましい。但し、研磨対象の基体が半導体素子を含まないガラス基板などである場合は不揮発成分を含む酸化剤であっても差し支えない。
酸化剤を添加する場合のその添加量は、研磨液全体に対して、0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、0.1〜5質量%であることが特に好ましい。
この添加量を0.05質量%以上とすることにより、十分に金属を酸化することが可能となり、ルテニウム層、バリア層、金属配線層の研磨速度が大きくなる傾向があり、20質量%以下とすることにより、研磨面の荒れを特に防止することができる。
(酸化金属溶解剤)
本発明のCMP研磨液には、金属膜の研磨を促進する目的で、酸化金属溶解剤を添加することもできる。酸化金属溶解剤は、酸化剤によって酸化された金属を、溶解する作用を有する。酸化金属溶解剤として、酸もしくはアルカリを用いることが好ましい。
酸化金属溶解剤としては、水溶性のものであれば特に制限はなく、上記酸化剤とは異なる化合物が用いられる。例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコ−ル酸、乳酸、グリオキシル酸、3−ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシ酢酸、ヒドロアクリル酸、ピルビン酸、クロトン酸、グルコン酸、マンデル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸及びクエン酸等の有機酸、これらの有機酸エステル並びにこれら有機酸のアンモニウム塩等が挙げられる。また、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、これら無機酸のアンモニウム塩、例えば過硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム等、クロム酸等が挙げられる。また、アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピレンジアミン、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム及びキトサン等が挙げられる。これらは1種を単独で、若しくは2種以上混合して用いることができる。
また、これらの中では、実用的な研磨速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという点で、ギ酸、グリコール酸、乳酸、グリオキシル酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、リン酸、及び硝酸が、ルテニウム層に対して好適である。
酸化金属溶解剤を添加する場合のその添加量は、研磨液全体に対して0.001〜10質量%であることが好ましい。この添加量を0.001質量%以上とすることにより、CMPによるルテニウム層、バリア層、金属配線層の研磨速度が大きくなる傾向があり、下限としては0.01質量%以上であることがより好ましく、0.02質量%以上であることが特に好ましい。また、10質量%を超えると、研磨する際に金属配線層のエッチング抑制が困難となる傾向があり、上限としては、8質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。
(金属防食剤)
本発明のCMP研磨液には、金属防食剤(導体金属防食剤)を添加することもできる。金属防食剤は、金属層、特に金属配線層のエッチングを抑止し、ディッシング特性を向上させる化合物である。
金属防食剤としては、具体的には例えば、イミン、アゾール、メルカプタン及び多糖類等を挙げることができ、上記の中でも金属層のエッチング速度の抑制と金属層の研磨速度の両立の観点でイミンのうち環を形成しているものや、アゾールが好適である。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
イミンとしては、具体的には例えば、ジチゾン、ロイン(2,2’−ビキノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等を挙げることができる。
アゾールは、銅に対する良好な防食能を示す。その具体例としては、ベンズイミダゾール−2−チオ−ル、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、2−メルカプトベンゾチアゾール)、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、2−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールメチルルエステル、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールブチルエステル、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールオクチルエステル、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、[1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル][1,2,4−トリアゾリル−1−メチル][2−エチルヘキシル]アミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸、テトラゾール、5−アミノ−テトラゾール、5−メチル−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプトテトラゾール、1−N,N−ジメチルアミノエチル−5−テトラゾール等を挙げることができる。
メルカプタンとしては、具体的には例えば、ノニルメルカプタン及びドデシルメルカプタン等を挙げることができる。
多糖類としては、具体的には例えば、グルコース、セルロース等挙げることができる。
金属防食剤を添加する場合のその添加量は、エッチング抑制機能と研磨速度との両立を図る点で、研磨液全体に対して0.005〜2.0%とすることが好ましい。より高いエッチングよく性能を得ることができる点で0.01%以上とすることが好ましく、0.02%以上とするがよりこのましい。また、好適な研磨速度を得やすくなる点で、1.0%以下とすることがより好ましく、0.5%以下とすることが特に好ましい。
(界面活性剤)
本発明のCMP研磨液には、界面活性剤を添加することもできる。本発明において用いる界面活性剤は、金属膜層、層間絶縁膜層に吸着し、膜表面の濡れ性を変化させることのできる化合物であれば特に制限なく使用することができ、特にLow−k膜の表面に吸着し、研磨速度を制御することができる。界面活性剤は、一般に、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の四種類に分類される。
また、本発明における界面活性剤には、疎水性基として炭素−フッ素鎖を有するフッ素系界面活性剤を使用することもできる。例えば、パーフルオロアルカンスルホン酸とその誘導体が例示される。好ましくはパーフルオロオクタンスルホン酸とその誘導体である。フッ素系界面活性剤も上記と同様の四種類に分類される。
非イオン性界面活性剤としては、具体的には例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンプロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピル−2−ヒドロキシエチルパーフルオロオクタンスルホンアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等及びその誘導体を挙げることができる。また、アセチレンジオール及びそのエチレンオキシド付加物等のグリコール類を挙げることができる。なお、上記「ポリオキシエチレン」は、付加したエチレンオキシドの数(n)が2つ以上のものだけでなく、1つ付加したものも含む概念である。
陰イオン性界面活性剤としては、具体的には例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パーフルオロオクタンスルホン酸、リン酸ビス[2−(N−プロピルパーフルオロオクタンスルホニルアミノ)エチル]エステル、アルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等及びその誘導体が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、具体的には例えば、脂肪族アルキルアミン塩、脂肪族第4級アンモニウム塩等が、また両性界面活性剤としては、例えばアミノカルボン酸塩等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用される。
界面活性剤としては、砥粒の沈降を防止できる点で非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤が好ましく、特にアルカリ金属を含まないものが好ましい。さらに好ましくは、ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンプロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド、グリコール類、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤が好ましい。
ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤としては、例えばポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
界面活性剤を添加する場合のその添加量は、分散性及び沈降防止、さらに研磨傷との関係から、研磨液全体に対して0.00001〜20質量%が好ましく、研磨液の基体の被研磨面に対する濡れ性を得やすくなる点で0.0001質量%以上であることが好ましい。また、界面活性剤を添加しすぎると研磨速度が低下する傾向があるので、このような傾向を抑制するためには10質量%以下とすることがより好ましく、5.0質量%以下とすることが特に好ましい。
(有機溶剤)
本発明のCMP研磨液には、有機溶剤を添加することもできる。有機溶剤を添加することによって、金属膜層、層間絶縁膜層に吸着し、膜表面の濡れ性を変化させることができる。特にLow−k膜の表面に吸着し、研磨速度を制御することができる。
有機溶剤としては、上記のような機能を有するものであれば特に制限はないが、CMP研磨液が水系分散体であることが多いため、水と任意で混合できるものが好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、ラクトン類、グリコール類、エーテル類、アルコール類、ケトン類、炭酸エステル類を挙げることができ、中でも、Low−k膜の研磨速度を向上できる点で、グリコール類及びその誘導体、アルコール類、炭酸エステル類から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの有機溶剤は、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記ラクトン類としては、具体的には例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の炭酸エステル類;ブチロラクトン、プロピロラクトン等を挙げることができる。
上記グリコール類及びその誘導体としては、具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルやエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルやエチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルやエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルやエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテルやエチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジプロピルエーテルやエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のグリコールジエーテル類などのグリコール類の誘導体を挙げることができる。
エーテル類としては、具体的には例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレンオキサイド、エチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
アルコール類としては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、イソプロパノール等を挙げることができる。
ケトン類としては具体的には例えば、アセトン、メチルエチルケトン等を挙げることができる。
炭酸エステル類としては具体的には例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
その他、フェノール、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、酢酸エチル、乳酸エチル、スルホラン等を挙げることができる。
有機溶剤を添加する場合のその添加量は、研磨液の基板に対する濡れ性を向上させ、かつ研磨液成分の溶解性が低下しない程度であれば特に制限はないが、具体的には、研磨液全体に対して0.1〜95質量%含有するのが好ましい。研磨液の基板に対する濡れ性を得るという観点では、0.2質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることが特に好ましい。また、研磨液成分の溶解性を維持するという観点では、50質量%以下とすることがより好ましく、10質量%以下とすることが特に好ましい。
(水溶性ポリマ)
本発明のCMP研磨液には、研磨後の平坦性を向上できる点で水溶性ポリマを添加することができる。上記の観点では、水溶性ポリマの重量平均分子量としては500以上とすることが好ましく、1500以上とすることがより好ましく、5000以上とすることが特に好ましい。重量平均分子量の上限は特に規定するものではないが、溶解性の観点から500万以下が好ましい。重量平均分子量が500未満では高い研磨速度が発現しない傾向にある。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができ、より具体的には下記のような条件で測定することができる。
使用機器:日立L−6000型〔(株)日立製作所〕
カラム :ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440(計3本)〔日立化成工業(株)製商品名〕
溶離液 :テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量 :1.75ml/min.
検出器 :L−3300RI〔(株)日立製作所〕
重量平均分子量が500以上の水溶性ポリマとしては、研磨液の成分の溶解性が低下せず、砥粒が凝集しなければ特に制限はないが、具体的には例えば、多糖類、ポリカルボン酸系化合物、ビニルポリマ、グリコール化合物等を挙げることができ、これらは1種を単独で、又は2種以上混合して用いることができる。上記ポリカルボン酸系化合物としては、ポリカルボン酸又はその塩、ポリカルボン酸エステル又はその塩が挙げられる。
上記多糖類の具体例としては、例えばアルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等を挙げることができる。また、上記ポリカルボン酸系化合物の具体例としては、例えば、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル及びその塩を挙げることができる。
さらに、上記ビニル系ポリマの具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等を挙げることができる。また、ポリエチレングリコール等を使用することもできる。
上記化合物を使用するときは、適用する基体が半導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。基体がガラス基板等である場合はその限りではない。
上記の化合物の中でも、高平坦化が可能である点で、プルラン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、それらのエステル及びそれらのアンモニウム塩が好ましい。
(pH)
本発明のCMP研磨液のpHは、ルテニウム層のCMP研磨速度が大きくなるという観点から、2〜12であることが好ましい。pHが2以上またはpHが12以下であれば、研磨速度がより向上する傾向がある。pHは、2〜11であることがより好ましく、2〜10であることが特に好ましい。
本発明のCMP研磨液は、第1の無機砥粒の表面の少なくとも一部に第2の無機砥粒が付着した複合粒子を含有してなるものであるが、この複合粒子と、上述の各成分とを組み合わせて使用することで、上記無機砥粒の特性を活かしたより好ましい研磨特性を得ることができる。例えば、複合粒子と酸化剤もしくは/及び酸化金属溶解剤とを併用することにより、ルテニウム層、バリア層及び銅層の研磨速度をさらに向上させる効果を得ることができる。また、複合粒子と金属防食剤とを併用することにより、ルテニウム層及びバリア層の研磨速度を維持しながら、銅膜の研磨速度を抑制する効果を得ることができる。
(研磨方法)
次に本発明の研磨方法について説明する。
本発明の研磨方法は、基板の被研磨面を研磨定盤の研磨布に押しあて、被研磨面と研磨布との間に本発明のCMP研磨液を供給しながら、基板の裏面(被研磨面と反対の面)に所定の圧力を加えた状態で、基板を研磨定盤に対して相対的に動かすことによって被研磨面を研磨する研磨方法である。
研磨装置としては、例えば、回転数を変更可能なモータ等が取り付けてあり、研磨布(パッド)を貼り付け可能な定盤と、基板を保持するホルダーとを有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、特に制限はないが、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用できる。研磨条件には、特に制限はないが、基板が飛び出さないように定盤の回転速度を200rpm以下の低回転にすることが好ましい。
研磨布に押しあてた基板へ加える圧力(研磨圧力)は4〜100kPaであることが好ましく、基板面内の均一性及びパターンの平坦性の見地から、6〜50kPaであることがより好ましい。本発明のCMP研磨液を用いることにより低研磨圧力において高い研磨速度でルテニウム層を研磨することができる。低い研磨圧力で研磨が可能であるということは、研磨層の剥離、チッピング、小片化、クラッキング等の防止や、パターンの平坦性の観点から重要である。
研磨している間、研磨布にはCMP研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤなどを用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
本発明のCMP研磨液の効果が最も発揮される基板は、バリア膜又はルテニウムを含有する層を有する基板であり、好ましくは、シリコンなどの半導体ウエハ上に、少なくとも絶縁膜層、バリア層、ルテニウム層、金属配線層がこの順に形成された基板である。
その一般例としては、図1(b)に示される基板が挙げられる。この基板においては、金属配線を形成するための溝や孔に起因する凹部及び凸部を有する絶縁膜層3上に、バリア層1及びルテニウム層5がこの順で、絶縁膜層3の表面の凹部及び凸部に沿って積層されており、さらに金属配線層(導電性物質層)4が絶縁膜層3の凹部に起因する凹部を金属で充填した形で、ルテニウム層5を被覆している。
金属配線層4を形成する金属は、銅、銅合金、銅の酸化物、又は銅合金の酸化物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。金属配線層4は、公知のスパッタ法、メッキ法により成膜することができる。
ルテニウム層5を形成する材料としては、ルテニウム、ルテニウム合金、その他のルテニウム化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
また、バリア層1は、絶縁膜層へ導電性物質が拡散するのを防ぐ層である。バリア層を形成する材料としては、タンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物、チタン、チタン合金、窒化チタン、その他のチタン化合物、タングステン、窒化タングステン、タングステン合金、又はその他のタングステン化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
絶縁膜層3は、SiO膜、若しくはSiO膜よりも素子間や配線間の寄生容量を低下させることのできる絶縁膜(Low−k膜)からなる。そのような絶縁膜としては、SiOF、Si−H含有SiOといった無機系被膜、カーボン含有SiO(SiOC)、メチル基含有SiOといった有機無機ハイブリッド膜、又はテフロン(登録商標)系ポリマ、ポリイミド系ポリマ、ポリアリルエーテル系ポリマやパレリン系ポリマといった有機ポリマ膜から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。一方で、これらの絶縁膜は従来のSiOよりも機械強度が劣る。これらをポーラス化させることで絶縁膜の誘電率をより低下させることができる。ただしが、それに伴って機械的強度がさらに低下することが知られているので適宜選択することが好ましい(例えば、IEDM Tech.Digest誌、(1999年発行)、619〜622頁参照)。
上述の基板は、本発明のCMP研磨液を用いて一工程で研磨をすることもできるが、各層の硬度等を考慮して二工程又は三工程で研磨をすることが好ましい。
例えば、図1(b)に示す基板を、図2(a)に示すように、ルテニウム層5の凸部上にわずかの金属配線層4を残すまで、又は図2(b)に示すようにルテニウム層5あるいはバリア層1が露出するまで、金属配線層4を研磨する第1研磨工程と、図2(c)に示すようにルテニウム層5、バリア層1を研磨して、少なくとも絶縁膜層3の凸部上のバリア層1を全て研磨する第2研磨工程とからなる二段階研磨により、研磨を行うことができる。
なお、さらなる高平坦化を目的として、第1工程を第1A工程と第1B工程とに分けて、三段階研磨とすることもできる。すなわち、金属配線層4の研磨速度が高い条件で例えば金属配線層4の膜厚が200〜300nmになるまで荒削りする第1A工程と、平坦性のよい条件で図2(b)又は図2(c)に示すような状態まで研磨する第1B工程とに第1工程を分けることもできる。
このような二段階、三段階研磨を行う場合には、少なくとも最後の研磨工程において、本発明のCMP研磨液が用いられると好ましい。
以上のような本発明の研磨液を、上述の基板の化学機械研磨(CMP)に使用する場合には、同一条件下のCMPにおいて金属配線層/ルテニウム層又はバリア層/絶縁膜は研磨速度比1/0.01〜20/0.01〜20で研磨されるのが好ましい。研磨速度比を決定する際の研磨条件としては、例えば、研磨装置はMirra(APPLIED MATERIALS社製)、研磨パッドは独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂、研磨圧力は13.7kPa、研磨液流量は200mL/分、基体と研磨定盤との相対速度:70m/分研磨するといった方法が挙げられる。
金属配線層/ルテニウム層又はバリア層/層間絶縁膜は研磨速度比1/0.05〜10/0.05〜10で研磨されることがより好ましく、1/0.1〜10/0.01〜10で研磨されることが特に好ましい。この比(金属配線層/ルテニウム層又はバリア層/層間絶縁膜)を10以下とすることにより、金属配線層が過度に研磨され、ディッシングが発生することをより高度に防止することが可能となり、良好なダマシン配線の形成が可能となる。また、この比が10を超えると、ルテニウム層、バリア層、層間絶縁膜層が充分な速度で研磨されず、第2の研磨工程において不要部の層の除去に長時間を要する傾向がある。
一方、金属配線層/ルテニウム層又はバリア層、金属配線層/絶縁膜が0.05未満の場合は、金属配線層が充分な速度で研磨されず、二段階研磨における第1研磨工程において、絶縁膜層上の溝又は孔部以外の金属配線層の除去が不完全であった場合、第2研磨工程において不要部の金属配線層の除去に長時間を要する傾向がある。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(砥粒分散性)
実施例1〜4で用いるCMP研磨液は、研磨液重量に対して、マレイン酸を0.5質量%、コロイダルシリカ(一次粒子径30nm,二次粒子径68nm)を4質量%、残部に純水を含有させて調製した。実施例1、3ではさらにαアルミナ(一次粒子径100nm,二次粒子径120nm)を0.2質量%、実施例2、4ではさらにαアルミナ(一次粒子径100nm,二次粒子径120nm)を0.4質量%添加した。また、比較例1で用いるCMP研磨液は、マレイン酸を0.5質量%、αアルミナ(一次粒子径100nm,二次粒子径120nm)を0.2質量%、残部に純水を含有させて調製した。比較例2で用いるCMP研磨液は、マレイン酸を0.5質量%、コロイダルシリカ(一次粒子径30nm,二次粒子径68nm)を2質量%、残部に純水を含有させて調製した。研磨液のpHはアンモニアの添加量によって調整した。実施例3、4は常温(25℃)で研磨液を60日間保管した後に測定した。
これらの研磨液中の砥粒のゼータ電位及び二次粒子径を測定した。この結果を表1に示す。
(液状特性評価)
測定温度:25±5℃
ゼータ電位、二次粒子径測定装置:Malvern Instruments Ltd.製ゼータ電位・粒子径測定システムZetasizer3000HSに、20倍に希釈した上記実施例1〜4並びに比較例1及び2のCMP研磨液を1ml供給し、ゼータ電位、二次粒子径を求めた。
pH測定:電気化学計器社製型番PHL−40を用いて、測定開始1分後の数値を読み取って測定した。
Figure 0005369597
以下、表1に示す結果について詳しく説明する。
実施例1の研磨液は、比較例2と同一の第1の無機砥粒及び酸を添加しているが、さらに第2の無機砥粒として、コロイダルシリカを4質量%添加したものである。第1の無機砥粒はαアルミナ、酸はマレイン酸である。実施例1は、比較例1とは異なり、ゼータ電位が負の値を示した。また、比較例2と同じく優れた砥粒分散性を示した。また、砥粒の砥粒付着形態を電子顕微鏡で確認したところ、図3(a)のような単独の第1の無機砥粒の表面に単独の第2の無機砥粒が付着する形態であった。
実施例2の研磨液は、比較例2と同一の第1の無機砥粒及び酸を添加しているが、さらに第2の無機砥粒として、コロイダルシリカを4質量%添加したものである。第1の無機砥粒はαアルミナ、酸はマレイン酸である。実施例2は、比較例1とは異なり、ゼータ電位が負の値を示した。また、比較例2と同じく優れた砥粒分散性を示した。また、砥粒の砥粒付着形態を電子顕微鏡で確認したところ、図3(a)のような形態であった。
実施例3の研磨液は、実施例1と同一の第1、第2の無機砥粒及び酸を添加した液を、常温で60日間保管したものである。第1の無機砥粒はαアルミナ、第2の無機砥粒はコロイダルシリカ、酸はマレイン酸である。実施例3は、比較例1とは異なり、ゼータ電位が負の値を示した。また、比較例2と同じく優れた砥粒分散性を示した。また、砥粒の砥粒付着形態を電子顕微鏡で確認したところ、図3(a)のような形態であった。
実施例4の研磨液は、実施例2と同一の第1、第2の無機砥粒及び酸を添加した液を、常温で60日間保管したものである。第1の無機砥粒はαアルミナ、第2の無機砥粒はコロイダルシリカ、酸はマレイン酸である。実施例4は、比較例1とは異なり、ゼータ電位が負の値を示した。また、比較例2と同じく優れた砥粒分散性を示した。また、砥粒の砥粒付着形態を電子顕微鏡で確認したところ、図3(a)のような形態であった。
(研磨液作製方法)
実施例5〜8及び比較例3で用いるCMP研磨液は、研磨液重量に対して、表2に示す第1の無機砥粒を0〜0.4質量%、第2の無機砥粒を1.0質量%、過酸化水素水を3.0質量%、酸を0.5質量%、ベンゾトリアゾール(BTA)を0.2質量%、残部に純水を含有させて調製した。なお、研磨液のpHは、アンモニアの添加量によって調整した。
これらの研磨液を用いて下記の研磨条件で被研磨基板の研磨を行った。
Figure 0005369597
(液状特性評価)
測定温度:25±5℃
pH:電気化学計器社製型番PHL−40で測定した。
(CMP研磨条件)
研磨装置:卓上ラッピング装置(ナノファクター社製)
研磨液流量:11mL/分
基体:厚さ0.3μmのルテニウム膜をスパッタ法で形成したシリコン基板。
研磨パッド:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂(ロデール社製型番IC1000)
研磨圧力:29.4kPa
基体と研磨定盤との相対速度:25m/分
研磨液の供給量:11ml/分
研磨時間:1分
洗浄:研磨後ウエハを流水で良く洗浄後、水滴を除去し、乾燥させた。
(研磨品評価項目)
研磨速度:上記条件で研磨及び洗浄したルテニウム膜の研磨速度を研磨前後での膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。
実施例5〜8及び比較例3のCMP研磨液を用いた場合のRu研磨速度(RuRR)を表3に示す。
Figure 0005369597
以下、表3に示す結果について詳しく説明する。
実施例5では、比較例3と同一の第2の無機砥粒、酸化剤、酸、金属防食剤を添加しているが、さらに第1の無機砥粒としてαアルミナを0.1質量%添加したものである。第2の無機砥粒はコロイダルシリカ、酸化剤は過酸化水素水、酸はリンゴ酸、金属防食剤はBTAである。実施例5は、ルテニウム研磨速度が32nm/分と、比較例3より速い値を示した。
実施例6では、比較例3と同一の第2の無機砥粒、酸化剤、酸、金属防食剤を添加しているが、さらに第1の無機砥粒としてαアルミナを0.2質量%添加したものである。第2の無機砥粒はコロイダルシリカ、酸化剤は過酸化水素水、酸はリンゴ酸、金属防食剤はBTAである。実施例6は、ルテニウム研磨速度が38nm/分と、比較例3より速い値を示した。
実施例7では、比較例3と同一の第2の無機砥粒、酸化剤、酸、金属防食剤を添加しているが、さらに第1の無機砥粒としてαアルミナを0.3質量%添加したものである。第2の無機砥粒はコロイダルシリカ、酸化剤は過酸化水素水、酸はリンゴ酸、金属防食剤はBTAである。実施例7は、ルテニウム研磨速度が42nm/分と、比較例3より速い値を示した。
実施例8では、比較例3と同一の第2の無機砥粒、酸化剤、酸、金属防食剤を添加しているが、さらに第1の無機砥粒としてαアルミナを0.4質量%添加したものである。第2の無機砥粒はコロイダルシリカ、酸化剤は過酸化水素水、酸はリンゴ酸、金属防食剤はBTAである。実施例8は、ルテニウム研磨速度が44nm/分と、比較例3より速い値を示した。
実施例9〜11及び比較例4〜6で用いるCMP研磨液は、研磨液全量に対して、表4に示す第1の無機砥粒を0〜1.0質量%、第2の無機砥粒を0.1〜5.0質量%、表4に示す酸化剤を1.5〜3質量%、酸を0.5質量%、BTAを0.2質量%、残部に純水を含有させて調製した。また、実施例10ではさらに有機溶剤としてプロピルプロピレングリコール(PG)を8質量%含有させて調製した。なお、研磨液のpHは、アンモニアの添加量によって調整した。
これらの金属用研磨液を用いて下記の研磨条件で被研磨基板の研磨を行った。
Figure 0005369597
(液状特性評価)
測定温度:25±5℃
pH:電気化学計器社製型番PHL−40で測定した。
(CMP研磨条件)
研磨装置:Mirra(APPLIED MATERIALS社製)
研磨液流量:200mL/分
基体:(1)厚さ1.5μmの銅膜(Cu膜)をスパッタ法で形成したシリコン基板。
(2)厚さ0.3μmのルテニウム膜(Ru膜)をスパッタ法で形成したシリコン基板。
(3)厚さ0.2μmの窒化タンタル膜(TaN膜)をスパッタ法で形成したシリコン基板。
(4)厚さ1μmの二酸化ケイ素膜(SiO膜)をCVD法で形成したシリコン基板。
(5)厚さ1μmのオルガノシリケートグラス(SiOC膜)をCVD法で形成したシリコン基板。
研磨パッド:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂(ロデール社製型番IC1010)
研磨圧力:13.7kPa
基体と研磨定盤との相対速度:70m/分
研磨時間:1分
(CMP後洗浄)
CMP処理後は、PVAブラシ、超音波水による洗浄を行った後、スピンドライヤにて乾燥を行った。
CMP後の基板の目視、光学顕微鏡観察及び電子顕微鏡観察により研磨傷発生の有無を確認した。その結果、すべての実施例及び比較例において顕著な研磨傷の発生は認められなかった。
(研磨品評価項目)
研磨速度:上記条件で研磨及び洗浄した(1)〜(4)のブランケット基板のうち、銅膜(1)、ルテニウム膜(2)及び窒化タンタル膜(3)の研磨前後での膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。また、二酸化ケイ素(4)の研磨前後での膜厚差を、大日本スクリーン製造株式会社製膜厚測定装置(製品名ラムダエースVLM8000LS)を用いて測定し求めた。
実施例9〜11及び比較例4〜6における銅研磨速度(CuRR)、ルテニウム研磨速度RuRR)、窒化タンタル研磨速度(TaNRR)、SiO研磨速度(SiORR)、SiOC研磨速度(SiOCRR)を表5に示す。
Figure 0005369597
以下、表5に示す結果について詳しく説明する。
実施例9では、比較例4、5と同一の酸化剤、酸、金属防食剤を添加しているが、砥粒にαアルミナを1質量%、コロイダルシリカ5.0質量%添加したものである。酸化剤は過酸化水素、酸はリンゴ酸、金属防食剤はBTAである。実施例9では、銅研磨速度、SiOC研磨速度は比較例4、5と同等の研磨速度が得られた。一方、ルテニウム研磨速度は28nm/分と、比較例4より速い研磨速度が得られ、窒化タンタル研磨速度は65nm/分、SiO研磨速度は29nm/分と、比較例5より速い研磨速度が得られた。
実施例10では、比較例4、5と同一の酸、金属防食剤を添加しているが、砥粒としてαアルミナを1質量%、コロイダルシリカ5.0質量%、有機溶剤としてPGを8質量%、酸化剤として過酸化水素を1.5質量%添加したものである。酸はリンゴ酸、金属防食剤はBTAである。実施例10では、銅研磨速度は比較例4、5と同等の研磨速度が得られた。一方、ルテニウム研磨速度は20nm/分と、比較例4より速い研磨速度が得られ、窒化タンタル研磨速度は59nm/分、SiO研磨速度は35nm/分と、比較例5より速い研磨速度が得られた。また、SiOC研磨速度は36nm/分と、比較例4,5より速い研磨速度が得られた。
実施例11では、比較例4、5と同一の酸化剤、酸、金属防食剤を添加しているが、砥粒にαアルミナを1質量%、コロイダルシリカを0.1質量%添加したものである。酸化剤は過酸化水素、酸はリンゴ酸、金属防食剤はBTAである。実施例11では、銅研磨速度、SiOC研磨速度は比較例4、5と同等の研磨速度が得られた。一方、ルテニウム研磨速度は26nm/分と、比較例4より速い研磨速度が得られたものの、窒化タンタル研磨速度は35nm/分、SiO研磨速度は10nm/分と、比較例4より遅く、比較例5と同等の研磨速度であった。
図1は、本発明の研磨の対象となる基板の一例を示す断面図である。(a)は導体膜とバリア層の密着性を保つために銅シード層を用いた基板の断面図、(b)は銅シード層をルテニウム層で置き換えた基板の断面図である。 図2は、本発明に係る研磨方法の一例を示す概略図である。(a)、(b)は図1(b)に示す研磨対象体の第1研磨工程後における状態を示す断面図、(c)は本発明に係る研磨方法により形成されたダマシン配線を示す断面図である。 図3は、本発明に係る複合粒子の一例を示す概略図である。(a)は単独の第1の無機砥粒の表面に、単独の第2の無機砥粒が付着する状態を示す概略図、(b)は単独の第1の無機砥粒の表面に、会合した第2の無機砥粒が付着する状態を示す概略図、(c)は会合した第1の無機砥粒の表面に、単独の第2の無機砥粒が付着する状態を示す概略図、(d)は会合した第1の無機砥粒の表面に、会合した第2の無機砥粒が付着する状態を示す概略図である。
符号の説明
1…バリア層、2…銅シード層、3…絶縁膜層、4…金属配線層、5…ルテニウム層。

Claims (12)

  1. 第1の無機砥粒の表面の少なくとも一部に第2の無機砥粒が付着した複合粒子を含有してなるCMP研磨液であって、
    前記複合粒子の平均二次粒径は20〜800nmであり、
    前記第1の無機砥粒の平均一次粒子径が10〜500nmであり、
    前記第1の無機砥粒の前記第2の無機砥粒に対する質量比が1/10〜10/1であるCMP研磨液。
  2. 第1の無機砥粒の表面の少なくとも一部に第2の無機砥粒が付着した複合粒子を含有してなるCMP研磨液であって、
    前記複合粒子の平均二次粒径は20〜800nmであり、
    前記第1の無機砥粒の濃度が、CMP研磨液全体に対して0.1〜10質量%であり、
    前記第1の無機砥粒の前記第2の無機砥粒に対する質量比が1/10〜10/1であるCMP研磨液。
  3. 第1の無機砥粒の表面の少なくとも一部に第2の無機砥粒が付着した複合粒子を含有してなるCMP研磨液であって、
    前記複合粒子の平均二次粒径は20〜800nmであり、
    前記第2の無機砥粒の平均一次粒子径が5〜200nmであり、
    前記第1の無機砥粒の前記第2の無機砥粒に対する質量比が1/10〜10/1であるCMP研磨液。
  4. 第1の無機砥粒の表面の少なくとも一部に第2の無機砥粒が付着した複合粒子を含有してなるCMP研磨液であって、
    前記複合粒子の平均二次粒径は20〜800nmであり、
    前記第2の無機砥粒の濃度が、CMP研磨液全体に対して0.1〜15質量%であり、
    前記第1の無機砥粒の前記第2の無機砥粒に対する質量比が1/10〜10/1であるCMP研磨液。
  5. 第1の無機砥粒の表面の少なくとも一部に第2の無機砥粒が付着した複合粒子と、金属防食剤を含有してなるCMP研磨液であって、
    前記複合粒子の平均二次粒径は20〜800nmであり、
    前記第1の無機砥粒の前記第2の無機砥粒に対する質量比が1/10〜10/1であるCMP研磨液。
  6. 第1の無機砥粒の表面の少なくとも一部に第2の無機砥粒が付着した複合粒子と、有機溶剤を含有してなるCMP研磨液であって、
    前記複合粒子の平均二次粒径は20〜800nmであり、
    前記第1の無機砥粒の前記第2の無機砥粒に対する質量比が1/10〜10/1であるCMP研磨液。
  7. 前記第1の無機砥粒がアルミナである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のCMP研磨液。
  8. 前記第2の無機砥粒がシリカである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のCMP研磨液。
  9. 酸化金属溶解剤をさらに含有してなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のCMP研磨液。
  10. 酸化剤をさらに含有してなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のCMP研磨液。
  11. 前記酸化剤が、過酸化水素、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩、及び過硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項10に記載のCMP研磨液。
  12. 研磨する膜を形成した基板を研磨定盤の研磨布に押しあて加圧し、請求項1〜11のいずれか一項に記載のCMP研磨液を前記膜と前記研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を動かして膜を研磨する基板の研磨方法。
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