JP2011158546A - 光スキャナ、及び光スキャナを用いた画像表示装置 - Google Patents

光スキャナ、及び光スキャナを用いた画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】固定位置ずれによる光スキャナの特性のバラツキを低減した光スキャナを提供する。
【解決手段】光スキャナ1は、可動部2と外板3と一対の基台4とを備える。可動部2は、ミラー部5と、一対の支持梁6と、振動部材7と、駆動部8A、8Bとを備える。ミラー部5は、入射した光線束を反射する反射面51を備える。一対の基台4は、一対の支持梁6を結ぶ延長線AXに垂直なY軸方向に延出する。一対の基台4は、延長線AXに平行なX軸方向において互いに離間する。一対の基台4は、外板3の下面に接着されて設けられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザプリンタや投影型表示装置などに用いられる光スキャナ、及び光スキャナを用いた画像表示装置に関する。
従来より、レーザプリンタや投影型表示装置などに光スキャナが使用されている。光スキャナのなかでもMEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)ミラーを用いた光スキャナは、ミラー部と、ミラー部を支持し、ミラー部に駆動力を伝達する梁と、梁に連結し、ミラー部と梁とを囲う固定枠との一体成形により製造されることなどから、軽量・小型の光スキャナとして近年注目されている。
図22は、特許文献1に開示されているMEMSミラーを用いた光スキャナ101の斜視図である。光スキャナ101は、振動体102と基台103とを備える。振動体102は、ミラー部104と、梁105A、105Bと、駆動部106A、106B、106C、106Dと、外枠107と、を備える。基台103は、支持枠109と、凹部110と、を備える。
梁105A、105Bは、各々、ミラー部104に連結する支持梁105C、105Dを有する。梁105Aと梁105Bとは、ミラー部104を挟んで互いに対向している。梁105A、105Bは、外枠107に連結する。駆動部106A、106Cは、梁105Aと外枠107とに跨って設けられる。駆動部106B、106Dは、梁105Bと外枠107とに跨って設けられる。外枠107は、ミラー部104と、梁105A、105Bとの外周を囲う。外枠107は、基台103の支持枠109上に設けられる。
駆動部106A、106B、106C、106Dは、圧電体と圧電体を挟む2枚の電極とから構成される。駆動部106A、106B、106C、106Dの圧電体は、駆動部106A、106B、106C、106Dの電極に電圧が印加されることで分極する。駆動部106A、106B、106C、106Dの分極した圧電体は、梁105A、105Bの長手方向に伸縮する。周期性をもった電圧が駆動部106A、106B、106C、106Dの電極に印加されることで、梁105A、105Bが軸線AX回りに捻れ振動される。この捻れ振動により、ミラー部104は、軸線AX回りに揺動する。ミラー部104が揺動することで、反射面108が揺動する。反射面108は、揺動しながら入射した光線束を反射する。以上のようにして、光スキャナ101は反射面108に入射した光線束を走査する。
支持枠109は、基台103の上面に形成されている。凹部110は支持枠109により囲まれた領域に形成されている。振動体102の外枠107が基台103の支持枠109上に接着、レーザ溶接、またはクランプ固定などにより固定される。外枠107が支持枠109上に固定されることで、振動体102が、基台103上に配置される。光スキャナ101は、以上のようにして構成される。外枠107が支持枠109上に固定されていることで、ミラー部104の揺動以外の不要な動きを軽減できる。従って、光スキャナ101の高精度な走査が可能である。
特開2003−57586号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているような光スキャナは非常に小型であるため、振動体と基台とを固定する際に固定位置の位置ずれが起き易い。この固定位置ずれが起きると、光スキャナの特性に影響が出る。例えば、光スキャナの特性への影響として回転誤差が生ずるなどの問題が生ずる。なお、回転誤差とは、図23に示すような支持梁BMの延長線ELとミラー部MRの揺動軸線AXとの間の距離ERにより決定される値である。以上のように、固定位置ずれにより光スキャナの特性に影響が出ることで、光スキャナの特性にバラツキが生ずるという問題があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、固定位置ずれによる光スキャナの特性のバラツキを低減した光スキャナを提供することを目的とするものである。また、本発明は、固定位置ずれによる光スキャナの特性のバラツキが低減された光スキャナを用いた画像表示装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、入射した光線束を反射し、走査する光スキャナであって、入射した光線束を反射する反射面を有するミラー部と、前記ミラー部に連結し、前記反射面に平行な面上で前記ミラー部の両側から延出する一対の支持梁と、前記一対の支持梁に連結し、前記反射面に平行な面上で前記ミラー部から離れる延出方向に延出し、前記一対の支持梁に振動を伝達する振動部材と、前記振動部材に設けられ、前記ミラー部を揺動させるための駆動部と、を有する可動部と、前記振動部材に連結し、前記反射面に平行な面上で、且つ前記振動部材の延出方向に垂直方向に延出する第1連結板と、前記反射面に平行な面上で前記第1連結板に交差して連結し、前記第1連結板を挟んで各々位置する一対の第2連結板とを有し、前記可動部を囲う外板と、前記一対の支持梁を結ぶ延長線に垂直な方向に延出し、前記延長線に平行な方向において互いに離間し、前記反射面に平行に延びる前記外板の一方の面に固定されて設けられる一対の基台と、を備えることを特徴とするものである。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記振動部材は、前記ミラー部と前記一対の支持梁とを囲い、前記一対の支持梁の各々に連結し、前記反射面に平行な面上で、且つ前記延長線に垂直な方向において、前記一対の支持梁との連結部分から前記一対の支持梁の一方向側に延出する一対の第1板部分と、前記一対の第1板部分の両方に連結し、前記反射面に平行な面上において延出する第2板部分と、を有し、前記一対の第1板部分と前記第2板部分とを前記反射面に平行な面上で、且つ前記延長線に垂直な方向において前記一対の支持梁の他方向側にも備え、前記外板は、一方向側の前記第2板部分、及び他方向側の前記第2板部分に各々連結し、前記延長線に平行な方向に延出する一対の前記第1連結板と、前記延長線に平行な方向において前記可動部から離間して前記ミラー部の前記両側に各々位置し、前記一対の第1連結板の両方に連結し、前記延長線に垂直な方向に延出する前記一対の第2連結板と、を有し、前記駆動部は、前記一方向側の前記第2板部分、及び前記他方向側の前記第2板部分に各々設けられる一対の駆動部であることを特徴とするものである。
請求項3記載の本発明は、請求項2記載の発明において、前記延長線に平行な方向における前記一対の基台の離間間隔は、前記延長線に平行な方向における前記第2板部分の寸法以上、且つ前記第1連結板の寸法以下であることを特徴とするものである。
請求項4記載の本発明は、請求項3記載の発明において、前記延長線に平行な方向における前記一対の基台の離間間隔は、前記延長線に平行な方向における前記第1連結板の寸法と等しく、前記延長線に垂直な方向における前記一対の基台の寸法は、前記延長線に垂直な方向における前記一対の第2連結板の寸法と等しいことを特徴とするものである。
請求項5記載の本発明は、画像表示装置であって、請求項1〜4のいずれかに記載の光スキャナと、前記光スキャナに光を供給する光源部と、前記光スキャナにより走査された走査光を使用者の目に導く光学系と、を備えることを特徴とするものである。
本発明者が光スキャナに対し、数値解析を行うことにより、基台が互いに離間して位置する一対の基台である場合に、固定位置ずれによる回転誤差などの光スキャナの特性のバラツキが低減されることを確認した。上記解析結果が確認されたことを基に、請求項1〜4記載の光スキャナによれば、一対の基台が、外板の一方の面側で互いに離間して位置し、外板の一方の面に固定されて設けられる。従って、固定位置ずれによる光スキャナの特性のバラツキが低減される。また、一対の基台の離間間隔が、第2板部分の寸法以上、且つ第1連結板の寸法以下である場合に、顕著に固定位置ずれによる光スキャナの特性のバラツキが低減されることを確認した。従って、請求項3、及び4記載の光スキャナによれば、固定位置ずれによる光スキャナの特性のバラツキが低減される。また、一対の基台の離間間隔が、第1連結板の寸法と等しく、一対の基台の寸法が、一対の第1連結板の間隔と等しい場合に、最も固定位置ずれによる光スキャナの特性のバラツキが低減されることを確認した。従って、請求項4記載の光スキャナによれば、固定位置ずれによる光スキャナの特性のバラツキが最大限に低減される。
請求項5記載の画像表示装置によれば、固定位置ずれによる光スキャナの特性のバラツキが低減された光スキャナが用いられている。従って、高精度な光走査を行うことができるため、高画質な画像表示を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る光スキャナ1の外観を示す斜視図である。 上記光スキャナ1の上面図である。 上記光スキャナ1の下面図である。 上記光スキャナ1の電気的構成を示す図である。 上記光スキャナ1のミラー部5の揺動を説明するための説明図である。 シミュレーションに際して用いた従来の光スキャナ1の構造を示す下面図である。 シミュレーションに際して用いた本発明の第1の実施形態に係る光スキャナ1の一実施例の構造を示す下面図である。 シミュレーションに際して用いた本発明の第1の実施形態に係る光スキャナ1の一実施例の構造を示す下面図である。 シミュレーションに際して用いた本発明の第1の実施形態に係る光スキャナ1の一実施例の構造を示す下面図である。 シミュレーションに際して用いた本発明の第1の実施形態に係る光スキャナ1の一実施例の構造を示す下面図である。 シミュレーションに際して用いた本発明の第1の実施形態に係る光スキャナ1の一実施例の構造を示す下面図である。 図6〜図11において示した各光スキャナ1の回転誤差を示す図である。 図6〜図11において示した各光スキャナ1の共振周波数差を示す図である。 図6〜図11において示した各光スキャナ1の最大応力差を示す図である。 接着ずれGPを説明するための説明図である。 上記光スキャナ1の網膜走査ディスプレイ201における使用例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る光スキャナ1の外観を示す斜視図である。 シミュレーションに際して用いた従来の光スキャナ301の構造を示す下面図である。 シミュレーションに際して用いた光スキャナ301の比較例の構造を示す下面図である。 シミュレーションに際して用いた本発明の第2の実施形態に係る光スキャナ301の一実施例の構造を示す下面図である。 図18〜図20において示した各光スキャナ301の回転誤差を示す図である。 従来の光スキャナ101を示す斜視図である。 回転誤差ERを説明するための説明図である。 回転誤差ERを説明するための説明図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
[光スキャナ外観]
以下、図面を用いて本実施形態の光スキャナ1の外観について説明する。図1は、本実施形態の光スキャナ1の外観を示す斜視図である。図2は、光スキャナ1の上面図である。光スキャナ1は、図1、及び図2に示すように、可動部2と外板3と一対の基台4とを備える。本実施形態における可動部2が、本発明の可動部の一例である。本実施形態における外板3が、本発明の外板の一例である。本実施形態における基台4が、本発明の基台の一例である。
可動部2は、ミラー部5と、一対の支持梁6と、振動部材7と、駆動部8A、8Bとを備える。ミラー部5は、反射面51を備える。反射面51は、入射した光線束を反射する。本実施形態におけるミラー部5が、本発明のミラー部の一例である。本実施形態における反射面51が、本発明の反射面の一例である。
一対の支持梁6は、反射面51に平行な面上でミラー部5の両側から延出する。以後、図1、及び図2に示す一対の支持梁6を結ぶ延長線AXに平行な方向をX軸方向、反射面51に平行な面上で、且つ延長線AXに垂直な方向をY軸方向、反射面51に垂直な方向をZ軸方向として定義する。従って、例えば、反射面51に平行な面は、XY平面である。ただし、「平行」、及び「垂直」とは厳密な意味での平行、及び垂直ではない。即ち、例えば、以後「反射面51に平行な面」と記した場合、反射面51に略平行な平面を示す。以後、記す「上」、及び「下」等も同様である。なお、以後、「上」と記した場合、図1、及び図2に示すZ軸の正方向を意味し、「下」と記した場合、図1に示すZ軸の負方向を意味するものとする。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の定義は他の図面においても共通のものとする。なお、延長線AXは、図23において示したように、回転誤差などが生じた場合に揺動軸線からずれる。しかし、簡略化のため、以後、延長線AXを揺動軸線と同一の軸線として記す。本実施形態における支持梁6が、本発明の支持梁の一例である。
振動部材7は、一対の支持梁6に連結する。振動部材7は、XY平面においてミラー部5から離れる方向に延出する。振動部材7は、ミラー部5と一対の支持梁6とを囲う。振動部材7は、一対の支持梁6に振動を伝達する。本実施形態における振動部材7が、本発明の振動部材の一例である。
振動部材7は、一対の第1板部分71と一対の第2板部分72とを備える。第1板部分71は、図2に示すように、Y軸方向において、支持梁6との連結部分CPから支持梁の一方向側OSに延出する。第1板部分71は、図2に示すように、Y軸方向において、支持梁6との連結部分CPから支持梁の他方向側ASにも延出する。一対の第2板部分72の各々は、一対の第1板部分71の両方に連結する。第2板部分72は、XY平面において延出する。本実施形態における第1板部分71が、本発明の第1板部分の一例である。本実施形態における第2板部分72が、本発明の第2板部分の一例である。
駆動部8A、8Bは、各々、Y軸正方向側の第2板部分72、Y軸負方向側の第2板部分72に設けられる。駆動部8A、8Bは、圧電体と、圧電体を挟むように圧電体の上下に設けられる上部電極、及び下部電極とを含む。駆動部8A、8Bの圧電体は、圧電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(以下、「PZT」と記す)により形成される。駆動部8A、8Bの上部電極、及び下部電極は、金属により形成される。本実施形態における駆動部8A、8Bが、本発明の駆動部の一例である。
外板3は、一対の第1連結板31と一対の第2連結板32とを備える。一対の第1連結板31は、振動部材7の第2板部分72に連結する。一対の第1連結板31は、X軸方向に延出する。一対の第1連結板31は、図2において一対の二点鎖線と双方向二点鎖線矢印とにより示す領域RGに位置する。一対の第2連結板32は、XY平面において、一対の第1連結板31の両方に交差して連結し、本実施形態では、一対の第1連結板31の両方に垂直に連結する。一対の第2連結板32は、一対の第1連結板31を挟んで各々位置する。なお、領域RGは、図2に示すように、一対の第2連結板32間の領域である。Z軸方向に貫通している貫通孔33が、一対の第2連結板32と可動部2との間に位置する。そのため、一対の第2連結板32は、X方向において可動部2から離間して位置する。一対の第2連結板32は、X方向においてミラー部5の両側に各々位置する。一対の第2連結板32は、Y軸方向に延出する。外板3は、可動部2を囲っている。本実施形態における第1連結板31が、本発明の第1連結板の一例である。本実施形態における第2連結板32が、本発明の第2連結板の一例である。
図1、及び図3を用いて基台4について説明する。図3は、光スキャナ1の下面図である。一対の基台4は、Y軸方向に延出する。一対の基台4は、X軸方向において互いに離間する。一対の基台4は、外板3の下面に接着されて設けられる。本実施形態における基台4が、本発明の基台の一例である。
[電気的構成]
以下、図4を用いて光スキャナ1の電気的構成について説明する。光スキャナ1は、図4に示す制御部9を備える。制御部9は、駆動電圧生成部91と駆動制御部92と、を備える。駆動電圧生成部91は、調整可能な駆動電圧を生成するものである。駆動電圧生成部は、駆動部8A、8Bの上部電極、及び下部電極に接続される。駆動制御部92は、駆動電圧生成部91に接続される。駆動制御部92は、駆動電圧生成部91を制御する。駆動制御部92は、駆動電圧生成部91に駆動電圧を生成させる。駆動電圧生成部91により生成された駆動電圧が駆動部8A、8Bの上部電極と下部電極との間に印加される。この駆動電圧の印加により、駆動部8A、8Bが駆動される。駆動部8A、8Bが駆動されることで、可動部2が駆動される。
[動作説明]
図5を用いて光スキャナ1の動作について説明する。駆動電圧生成部91は、駆動部8Aの上部電極と下部電極との間、及び駆動部8Bの上部電極と下部電極との間に逆位相の駆動電圧を供給する。駆動電圧は、時間とともに周期的に変化する。この電圧印加により、駆動部8Aの圧電体がY軸方向に縮んだ場合、駆動部8Bの圧電体はY軸方向に伸びる。駆動部8Aの圧電体がY軸方向に伸びた場合、駆動部8Bの圧電体はY軸方向に縮む。
この圧電体の変位により、Y軸の正方向側の第2板部分72とY軸の負方向側の第2板部分72とは、Z軸の相反する方向側に屈曲する。即ち、図5に示すように、Y軸の正方向側の第2板部分72が、Z軸の正方向側に屈曲した際には、Y軸の負方向側の第2板部分72は、Z軸の負方向側に屈曲する。Y軸の正方向側の第2板部分72が、Z軸の負方向側に屈曲した際には、Y軸の負方向側の第2板部分72は、Z軸の正方向側に屈曲する。このようにして、第2板部分72が周期的に屈曲し、延長線AXを節とする定在的な波形の変形が振動部材7に発生する。振動部材7に発生した変形は、支持梁6の延長線AXを中心とした捻れ振動を誘起する。この結果、ミラー部5は延長線AX回りに揺動する。ミラー部5が揺動することで、ミラー部5の反射面51が延長線AX回りに揺動する。この反射面51の揺動により、反射面51に入射した光線束が走査される。
[製造方法]
本実施形態に係る光スキャナ1の製造方法について説明する。先ず、弾性を有する基板が被エッチング材として準備される。次に、被エッチング材にエッチング処理が施され、可動部2、及び外板3が形成される。可動部2、及び外板3が形成されると、可動部2の表面のうち下部電極が設けられる箇所を除いた領域にレジスト膜が形成される。レジスト膜が形成されると、白金(Pt)や金(Au)等の金属が、表面にレジスト膜が形成された可動部2に蒸着される。この処理により、可動部2に金属の下部電極が積層される。下部電極が積層されると、レジスト膜が可動部2の表面から除去される。次に圧電体が下部電極上に設けられる。この圧電体設置の処理では、先ず可動部2と下部電極との表面のうち、下部電極上に圧電体が設けられる箇所を除いた領域に、レジスト膜が形成される。レジスト膜が形成されると、圧電材料であるPZTのエアロゾルが、表面にレジスト膜が形成された可動部2と下部電極とに吹き付けられる。この処理により、下部電極に、PZTの圧電膜が成膜され、圧電体が形成される。圧電体が形成されると、レジスト膜が可動部2と下部電極との表面から除去される。圧電体設置の処理が行われると、上部電極が、圧電体上に設けられる。上部電極積層の処理では、上述の下部電極積層処理と同様の金属蒸着が用いられる。上部電極が圧電体上に積層されると、基板のうちのミラー部5が形成される領域にアルミニウム(Al)や金(Au)等の金属膜の反射面51が形成される。反射面51の形成には、上述の金属蒸着が用いられる。反射面51が形成されると、可動部2と一対の基台4とが接着剤により接着される。接着剤としては、例えばエポキシ系の接着剤が用いられる。以上の製造方法により、光スキャナ1が製造される。
[解析結果]
図6〜図11を用いて、光スキャナ1、401の離間間隔SDに依存した各種特性値についてのシミュレーションによる解析結果を説明する。図6は、本実施形態の光スキャナ1と構造の異なる比較例の光スキャナ401の下面図である。図7〜図11は、各々、本実施形態に係る光スキャナ1の一実施例を示す下面図である。図12〜図14において、図6〜図11の各図面に示すモデルに対応して記載されている、最大応力差の数値は、光スキャナ1、401の光学振れ角を46度と設定した際の数値である。回転誤差、及び共振周波数差の数値は、光スキャナ1、401の光学振れ角の設定値によらず一定である。離間間隔SDとは、図7〜図11に示す、X軸方向における一対の基台4の第1連結板31下における離間間隔である。図6に示す光スキャナ401は、離間間隔SD=0μmである。図6に示す光スキャナ401は、この離間距離SDが零の値であるという点において、図7〜図11に示す本実施形態の光スキャナ1と異なる。図10、及び図11に示す光スキャナ1は、図10、及び図11に示すように同じ離間間隔SDを有する。ただし、図10に示す一対の基台4のY軸方向における寸法DAは、Y軸方向における一対の第2連結板の寸法DBと等しい。即ち、図10に示す一対の基台4の寸法DA=DBである。一方、図11に示す一対の基台4のY軸方向における寸法DAは、Y軸方向における一対の第2連結板の寸法DBから、Y軸方向における第1連結板の寸法DCの2倍の寸法を引いた寸法に等しい。即ち、図11に示す一対の基台4の寸法DA=DB−2DCである。なお、図示していないが、図6〜図9に示す一対の基台4のY軸方向における寸法DAは、いずれも図10に示す一対の基台4のY軸方向における寸法DAと等しい。
図10を用いて、シミュレーションに際して設定した光スキャナ1の各部の寸法について説明する。Y軸方向における一対の第2連結板の寸法DBは、寸法DB=21.0μmである。Y軸方向における第1連結板の寸法DCは、寸法DC=1.0μmである。X軸方向における外板3の寸法DDは、寸法DD=11.8μmである。X軸方向における第2板部分72の寸法DEは、寸法DE=6.4μmである。X軸方向における第1連結板31の寸法DFは、寸法DF=9.8μmである。以上の寸法DB、寸法DC、寸法DD、寸法DE、及び寸法DFは、図6〜9、及び図11に示す光スキャナ1、401においても同じ寸法を有する。図6〜図11に示す光スキャナ1、401の離間間隔SDは、各々、SD=0.0、3.0、6.4、8.3、9.8、9.8μmである。前述のように、図10、及び図11に示す光スキャナ1の離間間隔SDは、いずれも離間間隔SD=9.8μmと共通の値である。
図12は、図15に示すようなY軸方向の接着ずれGPが起きた場合に図6〜図11に示す各光スキャナ1、401に生ずる回転誤差の解析結果を示す。本実施形態において、一対の基台4は、外板3の下面に接着されて設けられているため、固定位置ずれを接着ずれと記す。なお、本実施形態において回転誤差は、図24に示すミラー部MRの一端部AEの揺動時Z軸変位を変位PA、ミラー部MRの他端部BEの揺動時Z軸変位を変位PBとした場合に、(回転誤差)={(PA+PB)/PA}×100の関係式により定義されるものとする。図24は、図23に示すミラー部MRをY軸方向、即ち揺動軸線AX方向から見た場合の側面図である。図24において実線により示すミラー部MRは静止時のミラー部MRを示す。図24において二点鎖線により示すミラー部MRは、揺動時のある時間におけるミラー部MRを示す。例えば、変位PA=1μm、変位PB=−0.5μmの場合、回転誤差は、(回転誤差)={(1−0.5)/1}×100=50%である。Y軸方向の接着ずれGPは、接着ずれGP=250μmとして設定して解析を行った。図12に示すように、図7〜図11に示す本実施形態に係る光スキャナ1の回転誤差は、図6に示す従来の光スキャナ401の回転誤差と比較して小さい。従って、本実施形態に係る光スキャナ1は、Y軸方向、即ち延長線AXに垂直な方向に接着ずれが起きた場合に生ずる回転誤差が小さい。また、図12に示すように、図7、及び図8に示す光スキャナ1の回転誤差と図9、図10、及び図11に示す光スキャナ1の回転誤差とを比較すると、図9、図10、及び図11に示す光スキャナ1の回転誤差は非常に小さい。従って、X軸方向における一対の基台4の離間間隔SDは、X軸方向における第2板部分72の寸法DE以上、且つX軸方向における第1連結板31の寸法DF以下であることが望ましい。また、図12に示すように、図7〜図11に示す光スキャナ1のうち、図10に示す光スキャナ1の回転誤差が最も小さい。従って、X軸方向における一対の基台4の離間間隔SDは、X軸方向における第1連結板31の寸法DFと等しく、Y軸方向における一対の基台4の寸法DAは、Y軸方向における一対の第2連結板の寸法DBと等しいことが望ましい。なお、X軸方向の接着ずれが起きた場合の図6〜図11に示す光スキャナ1、401の回転誤差の解析も行ったが、いずれの光スキャナ1、401の回転誤差も0.0%であった。
図13は、Y軸方向の接着ずれGPが起きた場合に図6〜図11に示す各光スキャナ1、401に生ずる共振周波数差の解析結果を示す。光スキャナ1、401の共振周波数差とは、接着ずれGPが起きた場合の共振周波数と接着ずれGPが起きなかった場合の共振周波数との差である。図13に示すように、図7〜図11に示す本実施形態に係る光スキャナ1の共振周波数差は、図6に示す従来の光スキャナ401の共振周波数差と比較して小さい。従って、本実施形態に係る光スキャナ1は、Y軸方向、即ち延長線AXに垂直な方向に接着ずれが起きた場合に生ずる共振周波数の変化量が小さい。なお、X軸方向の接着ずれが起きた場合の図6〜図11に示す光スキャナ1、401の共振周波数差の解析も行ったが、各々、0.0、−0.23、0.28、−0.64、0.57、0.24Hzといずれも非常に小さかった。
図14は、Y軸方向の接着ずれGPが起きた場合に図6〜図11に示す各光スキャナ1、401に生ずる最大応力差の解析結果を示す。光スキャナ1、401の最大応力差とは、接着ずれGPが起きた場合の最大応力と接着ずれGPが起きなかった場合の最大応力との差である。図14に示すように、図7〜図11に示す本実施形態に係る光スキャナ1の最大応力差は、図6に示す従来の光スキャナ401の最大応力差と比較して小さい。従って、本実施形態に係る光スキャナ1は、Y軸方向、即ち延長線AXに垂直な方向に接着ずれが起きた場合に生ずる最大応力の変化量が小さい。なお、X軸方向の接着ずれが起きた場合の図6〜図11に示す光スキャナ1、401の最大応力差の解析も行ったが、各々、0.0、1.22、6.56、6.49、10.73、10.14MPaといずれも非常に小さかった。
以上、図12〜図14に示す解析結果をまとめると、本実施形態に係る光スキャナ1は、従来の光スキャナと比較して、接着ずれによる回転誤差などの光スキャナの特性のバラツキが低減される。また、X軸方向における一対の基台4の離間間隔SDは、X軸方向における第2板部分72の寸法DE以上、且つX軸方向における第1連結板31の寸法DF以下である場合に、顕著に接着ずれによる光スキャナ1の特性のバラツキが低減される。また、X軸方向における一対の基台4の離間間隔SDは、X軸方向における第1連結板31の寸法DFと等しく、Y軸方向における一対の基台4の寸法DAは、Y軸方向における一対の第2連結板の寸法DBと等しい場合に、最も接着ずれによる光スキャナ1の特性のバラツキが低減される。
[光スキャナ使用例]
本実施形態に係る光スキャナ1の網膜走査ディスプレイ201における使用例について、図16を用いて説明する。網膜走査ディスプレイ201とは、ヘッドマウントディスプレイ装置(以後、「HMD」と記す。)の一形態である。網膜走査ディスプレイ201は、装着者の頭部およびその近辺に装着され、画像光を装着者の眼に導き、装着者の網膜上で2次元方向に走査することにより、画像情報に対応する画像が装着者により視認されるように構成されたものである。本実施形態に係る光スキャナ1は、図16に示した共振型偏向素子261に用いられる。ただし、制御部9は、水平走査制御回路262に対応するものである。
網膜走査ディスプレイ201は、光線束生成部220と、水平走査部260と、垂直走査部280とを備えている。
光線束生成部220は、外部から供給される画像情報Sに基づいて画像光を生成し、生成された画像光を水平走査部260に供給する。水平走査部260は、光線束生成部220により生成された画像光を水平方向に走査し、水平方向に走査された画像光をリレー光学系270を介して、垂直走査部280に供給する。垂直走査部280は、リレー光学系270を介して、水平走査部260から供給された画像光を垂直方向に走査し、垂直方向に走査された画像光をリレー光学系290を介して、装着者の瞳孔Eaに供給する。
光線束生成部220は、信号処理回路221と、光源部230と、光合成部240と、を備えている。本実施形態における光線束生成部220が、本発明の光源部の一例である。
信号処理回路221は、外部から供給された画像データSを受信する。信号処理回路221は、画像データSに基づいて、画像を合成するための要素となる青、赤、緑の各画像信号であるB映像信号、R映像信号、G映像信号を生成し、光源部230に供給する。信号処理回路221は、水平走査部260を駆動するための水平同期信号を水平走査部260に供給し、垂直走査部280を駆動するための垂直同期信号を垂直走査部280に供給する。
光源部230は、信号処理回路221から供給されるB映像信号、R映像信号、G映像信号をそれぞれ画像光にする画像光出力部として機能する。光源部230は、青色の画像光を発生するBレーザ234及びBレーザ234を駆動するBレーザドライバ231と、赤色の画像光を発生するRレーザ235及びRレーザ235を駆動するRレーザドライバ232と、緑色の画像光を発生するGレーザ236及びGレーザ236を駆動するGレーザドライバ233と、を備えている。
光合成部240は、光源部230から出力された3つの画像光を供給され、3つの画像光を1つの画像光に合成して任意の画像光を生成する。光合成部240は、コリメート光学系241、242、243と、このコリメートされた画像光を合成するためのダイクロイックミラー244、245、246と、合成された画像光を伝送ケーブル250に導く結合光学系247とを備えている。各レーザ234、235、236から出射したレーザ光は、コリメート光学系241、242、243によってそれぞれ平行光化された後に、ダイクロイックミラー244、245、246に入射される。その後、これらのダイクロイックミラー244、245、246により、各画像光が波長に関して選択的に反射または透過される。コリメート光学系251は、伝送ケーブル250を介して出射される画像光を平行光化し、水平走査部260に導く。
平行光化された画像光は、水平走査部260、リレー光学系270、垂直走査部280、及びリレー光学系290により、2次元的に走査された画像光に変換される。水平走査部260は、コリメート光学系251で平行光化された画像光を画像表示のために水平方向に往復走査する。リレー光学系270は、水平走査部260と垂直走査部280との間に設けられ、水平走査部260により走査された画像光を、垂直走査部280に導く。垂直走査部280は、水平走査部260で水平方向に走査された画像光を垂直方向に往復走査する。リレー光学系290は、水平方向と垂直方向とに走査(2次元的に走査)された画像光を瞳孔Eaへ出射する。本実施形態におけるリレー光学系270、及びリレー光学系290等が、本発明の光学系の一例である。
水平走査部260は、共振型偏向素子261と、水平走査制御回路262と、を備えている。第2の実施形態に係る光スキャナ101は、共振型偏向素子261に用いられる。共振型偏向素子261は、画像光を水平方向に走査するための反射面を有する。水平走査制御回路262は、信号処理回路221から供給される水平同期信号に基づいて、共振型偏向素子261を共振させる。リレー光学系270は、水平走査部260と垂直走査部280との間で画像光を中継する。共振型偏向素子261によって水平方向に走査された光は、リレー光学系270によって垂直走査部280内の偏向素子281の反射面に収束される。
垂直走査部280は、偏向素子281と、垂直走査制御回路282と、を備えている。偏向素子281は、リレー光学系270により導かれた画像光を垂直方向に走査する。垂直走査制御回路282は、信号処理回路221から供給される垂直同期信号に基づいて、偏向素子281を揺動させる。共振型偏向素子261により水平方向に走査され、偏向素子281によって垂直方向に走査された画像光は、2次元的に走査された走査画像光としてリレー光学系290へ出射される。
リレー光学系290は、垂直走査部280と装着者の瞳孔Eaとの間で画像光を中継する。共振型偏向素子261により水平方向に走査され、偏向素子281によって垂直方向に走査された画像光は、リレー光学系290によって装着者の瞳孔Eaに収束される。このようにして、装着者は画像情報に対応する画像を視認することができる。
網膜走査ディスプレイ201は、光スキャナ1である共振型偏向素子261を供えている。光スキャナ1は、接着ずれによる光スキャナの特性のバラツキが低減されている。従って、網膜走査ディスプレイ201は、高精度な光走査を行うことができるため、高画質な画像表示を行うことができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
[光スキャナ外観]
以下、図面を用いて本実施形態の光スキャナ301の外観について説明する。図17は、本実施形態の光スキャナ301の外観を示す斜視図である。光スキャナ301は、図1に示すように、可動部302と外板303と一対の基台304とを備える。本実施形態における可動部302が、本発明の可動部の一例である。本実施形態における外板303が、本発明の外板の一例である。本実施形態における基台304が、本発明の基台の一例である。
可動部302は、ミラー部305と、一対の支持梁306と、振動部材307と、駆動部308とを備える。ミラー部305は、反射面351を備える。反射面351は、入射した光線束を反射する。本実施形態におけるミラー部305が、本発明のミラー部の一例である。本実施形態における反射面351が、本発明の反射面の一例である。
一対の支持梁306は、反射面351に平行な面上でミラー部305の両側から延出する。以後、図17に示す一対の支持梁306を結ぶ延長線AXに平行な方向をX軸方向、反射面351に平行な面上で、且つ一対の支持梁306に垂直な方向をY軸方向、反射面351に垂直な方向をZ軸方向として定義する。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の定義は他の図面においても共通のものとする。本実施形態における支持梁306が、本発明の支持梁の一例である。
振動部材307は、一対の支持梁306に連結する。振動部材307は、XY平面においてミラー部305から離れる方向に延出する。振動部材307は、一対の支持梁6に振動を伝達する。本実施形態における振動部材307が、本発明の振動部材の一例である。
駆動部308は、振動部材307と外板303とにまたがって設けられる。駆動部308は、圧電体と、圧電体を挟むように圧電体の上下に設けられる上部電極、及び下部電極とを含む。本実施形態における駆動部308が、本発明の駆動部の一例である。
外板303は、一対の第1連結板331と一対の第2連結板332とを備える。一対の第1連結板331は、振動部材307に連結する。一対の第1連結板331は、Y軸方向に延出する。一対の第2連結板332は、XY平面において、一対の第1連結板331の両方に交差して連結し、本実施形態では、一対の第1連結板331の両方に垂直に連結する。一対の第2連結板332は、一対の第1連結板331を挟んで各々位置する。Z軸方向に貫通している貫通孔333が、一対の第2連結板332と可動部302との間に位置する。そのため、一対の第2連結板332は、X方向において可動部302から離間して位置する。一対の第2連結板332は、Y軸方向においてミラー部305の両側に各々位置する。一対の第2連結板332は、X軸軸方向に延出する。外板303は、可動部302を囲っている。本実施形態における第1連結板331が、本発明の第1連結板の一例である。本実施形態における第2連結板332が、本発明の第2連結板の一例である。
一対の基台304は、Y軸方向に延出する。一対の基台304は、X軸方向において互いに離間する。一対の基台304は、外板303の下面に接着されて設けられる。本実施形態における基台304が、本発明の基台の一例である。
光スキャナ301は、第1の実施形態に係る光スキャナ1と同様に駆動される。即ち、駆動部308の上部電極と下部電極との間に周期的に変化する駆動電圧が印加されることで、駆動部308の圧電体が変位する。この変位により可動部302が駆動される。可動部302が駆動されることで、ミラー部305が延長線AXの回りに揺動する。
図18〜図21を用いて、シミュレーションによる解析結果を説明する。図18及び図19に示す光スキャナ501、601は、図20に示す第2の実施形態に係る光スキャナ301と異なる構造を有する。図18に示す光スキャナ501のX軸正方向側の基台504は、図20に示す光スキャナ301の基台304と異なり、第1連結板531下においてX軸負方向側の基台504と連結している。即ち、X軸方向において、X軸正方向側の基台504とX軸負方向側の基台504とが互いに離間していない。また、図19に示す光スキャナ601の基台604は、Y軸方向において互いに離間している。一方、図20に示す本実施形態の光スキャナ301の基台304は、X軸方向において互いに離間している。
図21は、Y軸方向の接着ずれが起きた場合に図18〜図20に示す各光スキャナに生ずる回転誤差の解析結果を示す。本実施形態において、一対の基台304は、外板303の下面に接着されて設けられているため、固定位置を接着ずれと記す。なお、シミュレーションに際して、本実施形態の光スキャナのモデルとして、図20に示したモデルを用いたが、このモデルは図17に示した光スキャナ301とミラー部の形状等の点において構造上異なる点がある。しかし、おおよその構造は図17に示した光スキャナ301と等しいため、以後に示す解析結果は、図17に示した光スキャナ301においても同様のことが言える。図21に示すように、図20に示す光スキャナ301の回転誤差は、図18、及び図19に示す光スキャナ501、601の回転誤差と比較して非常に小さい。従って、図20に示す本実施形態に係る光スキャナ301のように、一対の基台304が、延長線AXに平行なX軸方向において互いに離間している場合に、Y軸方向の接着ずれによる回転誤差が小さいことが分かる。また、図19に示す光スキャナ601の回転誤差は、図18に示す光スキャナ501の回転誤差と比較して、ほぼ同程度に大きな値であることが分かる。従って、一対の基台304が、延長線AXに垂直なY軸方向において互いに離間している場合に、Y軸方向の接着ずれによる回転誤差が大きいことが分かる。
以上、図21に示す解析結果をまとめると、図20に示す本実施形態に係る光スキャナ301は、図18及び図19に示す他のタイプの光スキャナ501、601と比較して、接着ずれによる回転誤差などの光スキャナの特性のバラツキが低減される。
(変形例)
第1、及び第2の実施形態において、基台4、304は、延長線AXに平行な方向において互いに離間する一対の基台4、304であった。しかし、これに限らず、例えば、一対の基台の下側に一対の基台間を結ぶ板状部材を有する構造のものであってもよい。
第1、及び第2の実施形態において、駆動部は、圧電体と、圧電体を挟むように圧電体の上下に設けられる上部電極及び下部電極とを含む。しかし、これに限らず、駆動部が圧電体と圧電体の上部に設けられる上部電極とを含み、下部電極を有しない構成でもよい。この場合、可動部に相当する部材などがステンレス等の金属により形成され、下部電極を兼ねる必要がある。
第1、及び第2の実施形態において、可動部、及び外板を形成する処理には、エッチングが用いられていたが、これに限らず例えばプレス加工、及び放電加工が用いられても良い。また、圧電体の積層処理にエアロゾルデポジション法が用いられていたが、これに限らず、圧電体の設置処理として、真空蒸着法、物理気相成長法、または化学気相成長法などが用いられても良い。また、エアロゾルデポジション法等により積層される圧電体の代わりに、圧電体にバルク圧電素子が用いられてもよい。また、上部電極、下部電極積層処理に真空蒸着法が用いられていたが、これに限らず、例えば物理気相成長法や化学気相成長法などが用いられても良い。
第1、及び第2の実施形態において、一対の基台4、304は、外板303の下面に接着されて設けられていた。しかし、これに限らず、一対の基台は、外板の下面にレーザ溶接、またはクランプ固定などにより固定されて設けられてもよい。
1 光スキャナ
2 可動部
3 外板
31 第1連結板
32 第2連結板
4 基台
5 ミラー部
51 反射面
6 支持梁
7 振動部材
71 第1板部分
72 第2板部分
8 駆動部
SD 離間間隔

Claims (5)

  1. 入射した光線束を反射し、走査する光スキャナであって、
    入射した光線束を反射する反射面を有するミラー部と、
    前記ミラー部に連結し、前記反射面に平行な面上で前記ミラー部の両側から延出する一対の支持梁と、
    前記一対の支持梁に連結し、前記反射面に平行な面上で前記ミラー部から離れる延出方向に延出し、前記一対の支持梁に振動を伝達する振動部材と、
    前記振動部材に設けられ、前記ミラー部を揺動させるための駆動部と、
    を有する可動部と、
    前記振動部材に連結し、前記反射面に平行な面上で、且つ前記振動部材の延出方向に垂直方向に延出する第1連結板と、前記反射面に平行な面上で前記第1連結板に交差して連結し、前記第1連結板を挟んで各々位置する一対の第2連結板とを有し、前記可動部を囲う外板と、
    前記一対の支持梁を結ぶ延長線に垂直な方向に延出し、前記延長線に平行な方向において互いに離間し、前記反射面に平行に延びる前記外板の一方の面に固定されて設けられる一対の基台と、を備えることを特徴とする光スキャナ。
  2. 前記振動部材は、前記ミラー部と前記一対の支持梁とを囲い、
    前記一対の支持梁の各々に連結し、前記反射面に平行な面上で、且つ前記延長線に垂直な方向において、前記一対の支持梁との連結部分から前記一対の支持梁の一方向側に延出する一対の第1板部分と、
    前記一対の第1板部分の両方に連結し、前記反射面に平行な面上において延出する第2板部分と、を有し、
    前記一対の第1板部分と前記第2板部分とを前記反射面に平行な面上で、且つ前記延長線に垂直な方向において前記一対の支持梁の他方向側にも備え、
    前記外板は、
    一方向側の前記第2板部分、及び他方向側の前記第2板部分に各々連結し、前記延長線に平行な方向に延出する一対の前記第1連結板と、
    前記延長線に平行な方向において前記可動部から離間して前記ミラー部の前記両側に各々位置し、前記一対の第1連結板の両方に連結し、前記延長線に垂直な方向に延出する前記一対の第2連結板と、を有し、
    前記駆動部は、前記一方向側の前記第2板部分、及び前記他方向側の前記第2板部分に各々設けられる一対の駆動部であることを特徴とする請求項1に記載の光スキャナ。
  3. 前記延長線に平行な方向における前記一対の基台の離間間隔は、前記延長線に平行な方向における前記第2板部分の寸法以上、且つ前記第1連結板の寸法以下であることを特徴とする請求項2に記載の光スキャナ。
  4. 前記延長線に平行な方向における前記一対の基台の離間間隔は、前記延長線に平行な方向における前記第1連結板の寸法と等しく、前記延長線に垂直な方向における前記一対の基台の寸法は、前記延長線に垂直な方向における前記一対の第2連結板の寸法と等しいことを特徴とする請求項3に記載の光スキャナ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光スキャナと、
    前記光スキャナに光を供給する光源部と、
    前記光スキャナにより走査された走査光を使用者の目に導く光学系と、を備えることを特徴とする画像表示装置。
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