JP2011143442A - 高信頼はんだ接続部をもつパワーモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】基板のCuメタライズされた電極と、Cuメタライズされたリード端子あるいはCuメタライズされた半導体部品の端子の接続に、Pbフリーでかつ耐熱性を有するはんだ接続を可能にする。
【解決手段】Cuメタライズされた電極9とCuメタライズされた端子を、Cu:0.7〜2.5wt%、Ni:1.5〜9.8wt%、残部がSnであるはんだ7を用いて接続する。電極あるいは端子のメタライズ部9と半田7との間に合金層8が形成される。合金層8は、Cuメタライズ9の側には、Cu3Snが形成され、はんだ7の側には、Cu6Sn5が形成されている。合金層8のうち、機械的な信頼性が問題となるCu3Sn層は薄く形成されるので、接続部の信頼性を高く保つことが出来る。
【選択図】図4
【解決手段】Cuメタライズされた電極9とCuメタライズされた端子を、Cu:0.7〜2.5wt%、Ni:1.5〜9.8wt%、残部がSnであるはんだ7を用いて接続する。電極あるいは端子のメタライズ部9と半田7との間に合金層8が形成される。合金層8は、Cuメタライズ9の側には、Cu3Snが形成され、はんだ7の側には、Cu6Sn5が形成されている。合金層8のうち、機械的な信頼性が問題となるCu3Sn層は薄く形成されるので、接続部の信頼性を高く保つことが出来る。
【選択図】図4
Description
本発明は、基板に対し半導体部品やリード端子をはんだにより接続して構成する半導体パワーモジュールに関する。
従来、車載モジュールは車室内等の比較的高信頼化の要求の低い場所に搭載されていた。そして、エンジンルーム内に設置されているユニットに対して、ワイヤハーネスと呼ばれる電気的配線により接続され、そのユニットを制御していた。ところが、車室内からエンジンルーム内のユニットの近くに車載モジュールの搭載箇所を移し、軽量化や低コスト化をねらいとしたワイヤハーネスの省略が進められている。エンジンルーム環境では、最高温度が車室内に比べて高く、発熱部品を多く搭載する車載モジュールでは高放熱化や高耐熱化が重要である。
中でも電力の変換や制御を行うパワーモジュールでは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)チップやMOS(Metal-Oxide Semiconductor)チップなどの高発熱部品を数多く搭載する。ハイブリッドカーの例では、そのパワーモジュールにおいて数百V、数百Aの大電力を使用するようなインバータ等の需要が大きく、パワーモジュールの高耐熱化の要求がますます高まっている。
車載モジュールにおける一般的なパワーモジュール構造の模式図を図1に示す。パワーモジュールは、基板上の電極に半導体部品の端子やリード端子を接続して構成される。この半導体部品の端子やリード端子は、はんだを用いて接続される場合が主流である。モジュール構造により組立工程が複雑化した場合に、融点の異なる複数種のはんだによる温度階層接続を回避する目的で、超音波接合やレーザ溶着等のはんだ以外の接続方法が用いられる場合がある。ただし、これらの接続方法はプロセスの安定化や他の部材へのダメージを回避しなければならない等の課題がある。一方、はんだによる接続は、携帯電話やパソコン等の民生品で実績が多い。また、車室内に搭載される車載モジュールや、一部エンジンルームに搭載されるものにも用いられている。
ところで接続に用いられるはんだは種々あるが、従来多くの用途に用いられてきたのはSn-Pb系のはんだである。Sn-Pb系はんだの例としては、最も汎用的に用いられてきたSnPb共晶はんだ(Sn63wt%、PB37wt%)の他、Pbの割合が高く高融点である高Pbはんだがある。車載モジュールにおいても、高融点のはんだが必要な場合や高温環境での稼動が要求される場合には、この高Pbはんだが多く用いられてきた。ところが、Pbは人体に有害であることから、RoHS (Ristriction of Harzardous Substances)やELV(End of Life Vehcles)等の規制の対象となり、Pbフリーはんだの開発が進められている。SnPb共晶はんだに関しては、その融点が同程度であり接続プロセスにも問題が少なく比較的信頼性もよいSn3Ag0.5Cuが代替材として用いられている。
一方、高Pbはんだに関してはこれまで様々な研究がなされており、Sn-Sb等のSn系の他、Zn系やBi系等のはんだが開発されている。またこの他、特開2008-126272では、Alシートに対し両面にZnシートを供給したクラッド材による接続方法を提案している。また、特開2002-301588では、Cu粉とSn粉の混合物による接続方法、特開2006-41362ではナノサイズの微粒子を用いた接続方法を提案している。ただし、広く代替材として使用されるはんだは未だ開発されていない。
高Pbはんだの代替材の開発において、解決すべき課題の一つに接続界面の信頼性の確立が挙げられる。母材に対してはんだ接続を行う際、はんだと母材とはその界面において反応し、母材ははんだ中へ拡散し、あるいは接続界面で化合物を形成する。また、その後放置される環境が高温である場合には、この反応はさらに進行する。
一般的な基板の配線材料であるCuのパッドに対し、代表的なPbフリーはんだとしてSnPb共晶はんだの代替材であるSn3Ag0.5Cuはんだを接続したときの接続界面の断面SEM写真の例をトレースしたものを図2に示す。なお、ここで、Sn3Ag0.5Cuとは、母材であるSnの中に、Agが3wt%、Cuが0.5wt%存在しているという意味である。すなわち、各元素の前の通常の数字は、母材中におけるその元素のwt%を示す。一方、各元素における数字が下付になっている場合は、通常の化学式と同様の意味である。以下本明細書における定義は同じである。
図2において、はんだ中のSnとパッド(電極)のCuが反応し、接続界面にはCu-Sn化合物が形成されている。このCu-Sn化合物はCuパッド側にCu3Sn、はんだ側にCu6Sn5の2層に形成される。またこのとき、Cuパッドははんだとの反応により消費され、はんだ接続前に比べてパッド厚さが薄くなる。なお、図2において、Sn3Ag0.5Cuはんだ中には、小さな粒径のAg3SnがSn3Ag0.5Cuの粒界に沿って析出している。
このはんだ接続部に対し高温放置を行った場合、さらなるCuパッドの消費の他、2層に形成される化合物のうちCu3Snの厚さの割合が大きくなる。高温放置後の断面SEM写真の例をトレースしたものを図3に示す。図3において、特にCu3Snが厚く成長している。また、図3において、複数のAg3Snが融合して高温放置前よりもAg3Snは大きな結晶となっている。
このように、基板のCuパッドに対してSn系のPbフリーはんだを接続する場合、パッドが消費することと高温放置時にCu3Sn化合物の厚さの割合が大きくなるという特徴がある。はんだにより接続される母材の表層が消費されるという現象は表層の材料によらず一般的である。製品においては、部品や基板の電極が薄く、はんだとの反応に対して十分な厚さを確保できない場合にはこの反応を抑制、防止する手段が必要である。
また、Cu3Snの厚さの割合が大きくなる場合にはこの接続界面の強度が低下することが分かっている。この現象は、はんだ融点直下の高温にて放置され、固相拡散により反応が進行する場合に顕著であり、このCu3Snの成長についても抑制する必要がある。従来用いられていた高Pbはんだでは、母材と反応するSnの割合が少ないため、これらは問題となっていない。
上記の問題を解決する方法として、これまではCuパッド上にNiメタライズを施す方法が採用されていた。はんだとの反応の速度の遅いNiを表面に施すことにより、はんだとCuパッドとの反応を抑制することが目的である。ところが、(1)高耐熱化の要求からNiメタライズも従来用いられているような2〜3μm程度の厚さでは対応できなくなっていること、(2)基板の他、全ての部品に対してNiメタライズを施すことがコスト的に難しいこと、等から、量産に好適なメタライズ形成プロセスやコストを実現することが困難である。特開2009-76611では、Niメタライズに対してSn-Cuはんだを接続することにより、接続界面にCu-Sn系化合物を形成させることにより反応を抑制する方法を提案している。この方法も、Niメタライズが前提であるため、前述した理由により解決策としては不適当と考える。
本発明の課題は、Cuメタライズに対しPbフリーかつ耐熱性のあるはんだの接続部を得ることである。
Cuメタライズに対し、Snを主体とし、Cu及びNiを含むはんだを用いて接続することにより、はんだとCuメタライズとの反応を抑制し、接続界面の強度低下のない接続部を得ることができる。本発明のはんだをCuメタライズに対し接続した場合の接続界面の模式図を図4に示す。図4において、接続界面では、Cuメタライズ上に緻密な化合物が形成され、この化合物によりはんだとCuメタライズとの反応を抑制する。また、化合物の形成状態に関しても、Cu3Sn化合物の成長を抑制し接続界面の強度低下を防止している。図4における化合物8は、基板の電極のCuメタライズの側には、Cu3Snが形成され、はんだの側には、Cu6Sn5が形成されている。
Cuメタライズに対し、Sn4Cu(母材Sn中にCuが4wt%含まれている)はんだ、Sn1Ni(母材Sn中にNiが1wt%含まれている)はんだ、Sn2Cu1.5Ni(母材Sn中にCuが2wt%、Niが1.5wt%含まれている)はんだを接続した時の接続界面の断面SEM写真をトレースしたものを図5に示す。Sn4Cuはんだの場合、接続界面には厚さ10μm程度の大きな化合物が形成されている。また、Cuメタライズ表面に隙間なく緻密に化合物が形成されており、Cuメタライズの消費も抑制されている。ところが、Cuパッド側にCu3Sn、はんだ側にCu6Sn5の2層に形成されているCu-Sn化合物のうち、Cu3Snが約1μmと厚く形成されている。Cu3Snがこの程度まで厚く形成される場合には接続界面の強度が低下することが分かっている。Sn-Cuはんだでは、厚い化合物が形成されるものの、Cu3Snが厚く成長するため接続界面の信頼性が低下する。
Sn1Niはんだの場合では、Sn4Cuはんだの場合以上に化合物が多く形成されている。ところが、その個々の化合物は小さく、緻密に形成されていない。Cuメタライズが反応して消費されている量も多く、反応を抑制する効果は無い。
一方Sn2Cu1.5Niはんだの場合、形成されている化合物は緻密であり10μm程度の厚さもあってCuメタライズの消費も抑制されている。また、形成されている2層の化合物のうち(Cu,Ni)3Snの割合も小さく、接続界面強度の低下も無い。なお、(Cu,Ni)3Snは、Cu3SnにおけるCuの一部がNiで置き換わったものである。よって、Snを主体とし、Cu及びNiを含むはんだを用いることにより、はんだとCuメタライズとの反応を抑制し、かつ接続界面の強度低下の無いはんだ接続部を得ることができる。
Cuメタライズに対し、Snを主体とし、Cu及びNiを含むはんだを用いることにより、はんだとCuメタライズとの反応を抑制し、かつ接続界面の強度低下の無いはんだ接続部を得ることができる。これにより、Pbフリーかつ耐熱性のある接続部を得ることができるため、パワーモジュールの高耐熱化を実現できる。
本発明を実施するための最良の形態について説明する。Cuメタライズに対し、Pbフリーかつ耐熱性のある接続部を得ることのできるはんだとして、Snを主体とし、Cu及びNiを含むはんだを提案しているが、このはんだ中に含まれる元素の組成に依存して、接続プロセスの難易度や接続信頼性の良否が変化するため、プロセスや信頼性に対して好適な組成を明確にすることが重要である。
前述のように、Sn中にCuを添加することによりCuメタライズの消費を抑制することができる。はんだ中へのCuメタライズの急速溶解を防止するためにもCu濃度はSn-Cuの共晶組成以上必要である。よって0.7wt%をCu濃度の下限とする。この範囲であれば、メタライズ中のCuが半田中に溶け込みにくいといえる。
一方、Cuのみでは接続界面に形成されるCu3Sn化合物の成長を抑制することができない。よってNi添加が必要である。Ni添加はCu3Sn化合物の成長抑制に重要な元素であり、また、このNiの供給源ははんだのみであるため、はんだ中に多く含まれることが望ましい。実施例2を参考に、1.5wt%をNi濃度の下限とする。
次に、Cu濃度及びNi濃度の上限値について説明する。高濃度のCuやNiははんだの液相線温度の上昇を伴い、はんだ中の固相成分が増加する。固相成分が増加した場合には、はんだの濡れ性低下に伴うボイドの形成等不具合発生の要因となる。ただし、固相成分全体の量は、はんだ接続時の加熱温度に依存する。はんだ接続時の加熱温度の上限は350℃程度であるが、この温度での固相成分の割合を約20wt%以下に抑える必要がある。これは経験的にボイド等の不具合発生を少なくできる割合である。
Sn-Cu二元系状態図からCuが15wt%、Sn-Ni二元系状態図からNiが6wt%の場合に固相成分の割合が20wt%となる。よって、Sn-Cu-Niはんだの場合には15wt%と6wt%のちょうど中間の10.5wt%近傍が固相成分20wt%となる組成であると推定できる。よって、Cu濃度+Ni濃度<10.5wt%程度となる組成を選択する必要がある。よって、Cu濃度が最低の0.7wt%の場合、Ni濃度は9.8wt%程度が上限値となる。
なお実用的には、ボイド等の不具合発生を少なくするために固相成分の量が少ない方が良い。Niに関しては、Cu3Snの成長を抑制するために多い方が良いが、Cuに関しては低減が可能である。また実施例2より、Cu濃度が高いほどCu3Snの成長速度が速くなることも分かっている。従って、(1)Sn-Cu二元系状態図から、はんだ接続時の加熱温度の上限である350℃にて完全に溶融する組成であること、(2)はんだ接続後の界面強度が低下しないこと、を満足する2.5wt%程度がCuの実質的な上限値である。
特許番号WO99/48639では、Cu:0.1〜2wt%、Ni:0.002〜1wt%、残部SnであるSn-Cu-Niはんだを提案している。これは、上記組成によりはんだのき裂進展速度を低下、信頼性を向上させることを目的としているはんだ組成である。本発明にて課題としている耐熱性のある接続界面を得るためにはNi濃度が低い。
特許番号WO99/48639では、Cu:0.1〜2wt%、Ni:0.002〜1wt%、残部SnであるSn-Cu-Niはんだを提案している。これは、上記組成によりはんだのき裂進展速度を低下、信頼性を向上させることを目的としているはんだ組成である。本発明にて課題としている耐熱性のある接続界面を得るためにはNi濃度が低い。
一方、米国特許第4758407号は、Sn:92.5〜96.9%、Cu:3〜5%、Ni:0.1〜2%、及びAg:0〜5%からなるろう組成物を提案している。しかしこの構成では、Cu濃度が高いため、接続界面にCu3Snが成長しやすく界面強度が低下する。
また、特開平10-193172では、Sn:91.5〜96.5wt%、Ag:2〜5wt%、Ni:0.1〜3wt%、およびCu:0〜2.9wt%を含む電気ろう組成物を提案している。これは、はんだ中にAgを含有させることによるはんだの低融点化を目的としている。ところがこの組成のはんだに関しては、はんだ中のAg濃度が高い場合、特にSn-Ag共晶組成である3.5wt%を超える場合、はんだ中にAg3Snが多量に存在することによりはんだが硬くなる。はんだ接続部は熱ストレスに対する応力緩衝の役割を担っており、線膨張係数差の大きいCu配線上へのベアチップ接続の場合には、ベアチップへのダメージが懸念される。また、このAg3Snが大きく成長し、隣接するはんだ接続と短絡するという不具合を発生する場合もある。このように、Ag濃度は低いほうが良い、あるいはAgは存在しない方が良いといえる。
しかし、車載モジュールでは、Agメタライズを有しているリードフレームやAg電極のあるセラミック基板を用いる場合がある。このような場合、半田接続したときに、AgメタライズのAgがはんだ中に拡散し、半田中の濃度を高くする。はんだ中にAgが存在していても、濃度が低ければ、Ag3Snは1μm以下の微粒子としてはんだ中に存在するため、接続界面への影響は無い。実験によれば、半田中のAgの濃度は、Ag濃度が2wt%未満、より好ましくはAg濃度が1.5wt%以下であれば、はんだ接続後においても、はんだ中におけるAgによる界面への影響を抑えることが出来る。
以上より、基板の電極と、リード端子あるいは半導体部品とを接続するはんだ中にAgを含む場合であっても、はんだ成分をCu:0.7〜2.5wt%、Ni:1.5〜9.8wt%、Ag:2wt%未満、残部Snであるようにする、また、より好ましくはCu:0.7〜2.5wt%、Ni:1.5〜9.8wt%、Ag:1.5wt%以下、残部Snであるようにすることより、Pbフリーかつ耐熱性のある接続部を得ることができ、パワーモジュールの高耐熱化を実現できる。
以下の実験により、はんだリフロー時のCuメタライズの消費量を定量化した。プリント基板のCuパッド上にSn4Cuはんだ、Sn1Niはんだ、Sn2Cu1.5Niはんだを接続し、断面観察によりCuメタライズの消費量を測定した。基板サイズ、リフローの加熱条件、はんだ供給量を図6に示す。リフローはフラックスを使用し、ホットプレート上大気中で行った。なお、フラックスははんだ表面の酸化膜を除去する役割を有する。はんだ接続後のサンプルに対しSEMにより断面観察を行った。Cuパッドの残存している部分の厚さを測定し、初期膜厚から残存部分の厚さを引くことによりCuメタライズの消費量を測定した。
測定結果を図7に示す。図7より、Sn1Niはんだの場合7μm以上Cuメタライズが消費しているのに対し、Sn4Cuはんだ、Sn2Cu1.5Niはんだの場合は2μm以下であり、Cuメタライズの消費が抑制されていた。よって、Sn-Cuはんだ、Sn-Cu-NiはんだによりCuメタライズの消費を抑制できることが分かった。
以下の実験により、はんだ接続部の界面強度を検討した。プリント基板のCuパッド上にSn4Cuはんだ、Sn2.5Cu1.5Niはんだ、Sn4Cu1.5Niはんだ、Sn2.5Cu0.1Niはんだを接続し、それぞれはんだバンプを形成させた。基板サイズ、リフローの加熱条件、はんだ供給量を図8に示す。リフローはフラックスを使用し、ホットプレート上大気中で行った。はんだ接続後のサンプルをステージに固定し、水平方向にせん断することによって接続界面の強度を検討した。界面強度低下の有無はその破壊モードにより判断し、接続界面破壊の多いものを界面強度が低下していると見なした。
せん断試験結果を図9に示す。Sn2.5Cu1.5Niはんだでは界面破壊が発生しなかった。ところが、Sn4CuはんだやSn4Cu1.5Niはんだの場合界面破壊が多く発生した。Sn2.5Cu0.1Niはんだに関しては、界面破壊は発生するものの、Sn4CuはんだやSn4Cu1.5Niはんだの場合に比べて界面破壊の発生する割合が少なかった。
はんだ接続後の各サンプルに対し、SEMにより断面観察を行い、Cu3Snあるいは(Cu,Ni)3Snの厚さを測定した結果を図10に示す。Sn4CuはんだやSn4Cu1.5Niはんだの場合に比べて、Sn2.5Cu1.5Niはんだの場合(Cu,Ni)3Snが薄かった。また、Sn2.5Cu0.1Niはんだに関しては、Sn2.5Cu1.5Niに比べて(Cu,Ni)3Snは厚かったが、Sn4CuはんだやSn4Cu1.5Niはんだの場合よりも薄かった。以上より、Sn-Cu-NiはんだによりCu3Snまたは(Cu,Ni)3Snの成長を抑制できることが分かった。ただし、Ni濃度の低いSn-Cu-Niはんだの場合には、界面強度低下を防止するために十分なCu3Snの成長抑制を達成できないことが分かった。
以上の例では、基板に形成された電極とはんだの間の界面、あるいは、リード端子または半導体部品の端子とはんだの間の界面のみについて説明したが、基板に形成された電極、あるいは、リード端子または半導体部品の端子のいずれもがCu端子を有する場合は、そのいずれにも適用することが出来る。
以上は、前記基板に形成された電極、あるいは、リード端子または半導体部品の端子の少なくとも表面にCuが形成された場合あり、前記電極、または、前記端子の内部がCu以外で形成されている場合にも本発明を適用することが出来る。
なお、今回検討したモジュールは車載用途であるが、本発明はこの他、高耐熱化の要求されるPbフリーはんだの接続部を有する全てモジュールに対し有効である。
1・・・金属ベース基板
2・・・配線
3・・・絶縁樹脂
4・・・ベース金属
5・・・チップ部品
6・・・リード端子
7・・・はんだ
8・・・化合物
9・・・Cuメタライズ
50・・・発熱部品。
2・・・配線
3・・・絶縁樹脂
4・・・ベース金属
5・・・チップ部品
6・・・リード端子
7・・・はんだ
8・・・化合物
9・・・Cuメタライズ
50・・・発熱部品。
Claims (11)
- 基板に形成された電極と電子部品の端子とをはんだによって接続した接続部を有するパワーモジュールであって、
前記接続部においては、前記電極と前記はんだとの間の第1の界面には、第1の合金が形成され、前記端子と前記はんだとの間に第2の界面には第2の合金が形成され、前記第1の合金と前記第2の合金との間にはんだ領域が存在し、
前記半田領域は、Cu:0.7〜2.5wt%、Ni:1.5〜9.8wt%、残部Snであるはんだであることを特徴とするパワーモジュール。 - はんだ接続前の前記電極あるは前記電子部品の端子の少なくとも一方の表面はCuで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
- 前記端子または、前記電極の表面より内側はCu以外の金属で形成されていることを特徴とする請求項2に記載のパワーモジュール。
- 基板に形成された電極と電子部品の端子とをはんだによって接続した接続部を有するパワーモジュールであって、
前記接続部においては、前記電極と前記はんだとの間の第1の界面には、第1の合金が形成され、前記端子と前記はんだとの間に第2の界面には第2の合金が形成され、前記第1の合金と前記第2の合金との間にはんだ領域が存在し、
前記半田領域は、Cu:0.7〜2.5wt%、Ni:1.5〜9.8wt%であって、Agを2wt%未満含み、残部Snであるはんだであることを特徴とするパワーモジュール。 - 前記電極あるは前記電子部品の端子の少なくとも一方の表面はAgで形成されていることを特徴とする請求項4に記載のパワーモジュール。
- 前記Agの量は、1.5wt%以下であることを特徴とする請求項4または5に記載のパワーモジュール。
- 前記半田領域において、Cu濃度+Ni濃度<10.5wt%であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のパワーモジュール。
- 基板に形成された電極と電子部品の端子とをはんだによって接続した接続部を有するパワーモジュールの製造方法であって、
前記電極あるは前記電子部品の端子の少なくとも一方の表面をCuで形成し
前記電極と前記端子とをCu:0.7〜2.5wt%、Ni:1.5〜9.8wt%、残部Snであるはんだを用いて接続することを特徴とするパワーモジュールの製造方法。 - 前記電極あるは前記電子部品の端子の双方の表面をCuで形成することを特徴とする請求項8に記載のパワーモジュールの製造方法。
- 基板に形成された電極と電子部品の端子とをはんだによって接続した接続部を有するパワーモジュールの製造方法であって、
前記電極あるは前記電子部品の端子の少なくとも一方の表面をAgで形成し
前記電極と前記端子とをCu:0.7〜2.5wt%、Ni:1.5〜9.8wt%、残部Snであるはんだを用いて接続することを特徴とするパワーモジュールの製造方法。 - 前記電極あるは前記電子部品の端子の双方の表面をAgで形成することを特徴とする請求項10に記載のパワーモジュールの製造方法。
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