JP2011143335A - 水素分離装置及び水素分離装置の製造方法 - Google Patents

水素分離装置及び水素分離装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011143335A
JP2011143335A JP2010004982A JP2010004982A JP2011143335A JP 2011143335 A JP2011143335 A JP 2011143335A JP 2010004982 A JP2010004982 A JP 2010004982A JP 2010004982 A JP2010004982 A JP 2010004982A JP 2011143335 A JP2011143335 A JP 2011143335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
layer
porous
gas
hydrogen permeable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010004982A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5155343B2 (ja
Inventor
Hideaki Hikosaka
英昭 彦坂
Toru Shimamori
融 島森
Kohei Mitsuya
耕平 三矢
Isamu Yasuda
勇 安田
Yoshinori Shirasaki
義則 白崎
Hideto Kurokawa
英人 黒川
Takumi Nishii
匠 西井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Gas Co Ltd
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd, Tokyo Gas Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2010004982A priority Critical patent/JP5155343B2/ja
Publication of JP2011143335A publication Critical patent/JP2011143335A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5155343B2 publication Critical patent/JP5155343B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】原料ガスのリークを抑制するとともに高純度の水素ガスが得られる水素分離装置を提供する。
【解決手段】水素を含有するガスから水素ガスを分離させるための水素分離筒3を改質触媒兼支持体である多孔質支持体60及び水素透過膜10で形成する。多孔質支持体60は、多孔質支持層50の外側表面を覆う反応防止層(第1多孔質層)40、反応防止層40の外側表面を覆うように形成された水素透過層30及び水素透過層30の外側を覆う反応防止層20で構成されている。水素分離膜10は、反応防止層20を覆うように形成されている。水素透過層30は、多孔質支持体60中に層を形成するように、水素透過性金属材料Pdが充填された層であり、水素透過膜10はPd薄膜である。このように水素分離層を二重にすることで、一方の水素透過層30でリークが発生しても他方でリークを抑止できるので、純度の高い水素ガスを安定して供給することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、水素含有ガスから水素を選択して分離することができる水素分離装置に関し、特に、水素以外のガスのリークを防止し、得られる水素ガスの純度を高める構造を有する水素分離装置に関する。
従来、水素分離装置は、水素含有ガスから水素を分離するための水素分離体を有しており、水素分離体は、その本体となる多孔質基体と水素分離層から構成されている。水素分離層は、本体となる多孔質基体の表面に対して所定の深さの部位から他方の表面側に向かって所定の厚さで多孔質基体中に水素透過性金属が充填されて構成されている。
このような水素分離体では、多孔質基体の内部に水素透過性金属が充填された層として水素分離層が形成されているので、熱サイクルを負荷しても水素透過層の剥離や欠陥が生ずるのを抑制できるという特徴がある(例えば特許文献1参照)。
特開2005−13853号公報
ところが、この水素分離体を用いて、炭化水素ガスを改質した水素を含有するガスから水素ガスの分離を行う際、改質時に発生する水素ガス以外のガスを供給側に完全に密封することができず、水素ガス以外のガスのリークが発生する。例えば、特許文献1に記載の水素分離体では、Heを用いた場合のリーク量は、0.54mL/cm2・minである。したがって、水素含有ガスから得られる水素純度が低下してしまうという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、水素ガス以外のガスのリークを抑制するとともに高純度の水素ガスが得られる水素分離装置を提供することを目的とする。
かかる問題を解決するためになされた本発明に係る水素分離装置(1:この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための形態」欄において用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、水素を選択的に透過させる水素透過膜(10)と水素透過膜(10)を支持するための多孔質支持体(60)とを備え、水素を水素透過膜(10)の片面側から他面側に透過させることで水素を選択的に取り出す水素分離装置であって、多孔質支持体(60)中に水素透過性金属材料が充填された層(30)を有することを特徴とする。
本発明に係る水素分離装置(1)では、多孔質支持体(60)中に水素透過性金属材料が充填された層(30)を有している。水素透過性金属材料は、水素のみを透過するので、水素透過性金属材料が充填された層(30)は水素透過層として機能する。
つまり、例えば、炭化水素ガスを改質した水素を含有するガス(以下、原料ガスと呼ぶ)は、水素透過性金属材料が充填された層(30)で水素が分離される。水素透過性金属材料が充填された層(30)で分離されたガスは、さらに水素透過膜(10)で高純度水素として分離される。
つまり、水素分離を行う層を、多孔質支持体(60)上に設けられた水素透過膜(10)と水素金属材料が充填された層(30)との二重構造にすることで、水素透過膜(10)及び水素金属材料が充填された層(30)により、原料ガスから二重に水素を分離することができるので高純度の水素ガスを得ることができる。
また、水素分離を行う層を、水素透過膜(10)と水素金属材料が充填された層(30)との二重構造にすることで、何れか一方の層でピンホールの生成等による原料ガスリークが発生しても、他方の層で、リークしたガスから水素ガスを分離することができるので、得られる水素ガスの純度が低下することがなくなり、耐久性を向上させることができる。
また、水素金属材料が充填された層(30)は、多孔質層中に水素透過性金属材料を充填することにより形成されている。
このようにすると、水素透過性金属材料が充填された層(30)は、多孔質支持体(60)上に形成された水素透過膜(10)に比べ、圧力に対して強くなる。したがって、水素透過性金属材料が充填された層(30)で内圧を受ける構造とすれば、単に、多孔質支持体(60)上に水素透過膜(10)を形成した層を形成したものに比べ耐久性が向上する。
逆に、水素分離装置(1)全体として、内圧に対する強度が同じ程度とするのであれば、多孔質支持体(60)上に設ける水素透過膜(10)を薄くすることができるので、水素透過膜(10)全体の厚さを抑制することができる。
さらに、水素透過性金属材料は、多孔質中に層を形成するように充填されている。このように、多孔質中に水素透過性金属材料を層状に充填する方法は、本出願人が以前に出願した技術(例えば特願2009−273573や特願2009−273574)を用いれば容易に実現することができる。
・ところで、従来の水素分離装置では、メタン等の原料ガスを改質して水素を取り出すために、別途燃料改質のための触媒を設置しているので、装置が小型化できないという問題があった。
この問題を解決するため、本発明において、多孔質支持層(50)が改質触媒機能を有するようにすると、多孔質支持層(50)で原料ガスの改質が行われるので、別途改質触媒を設置する必要がない。したがって、水素分離装置(1)として小型化が可能となる。
なお、改質触媒機能は、多孔質支持層(50)中に改質触媒を含有させることにより実現させることができる。
・また、本発明において、多孔質支持層(50)の改質触媒と、水素透過性金属材料が充填された層(30)の水素透過性金属材料との反応を防止する、改質触媒を有しない反応防止層(40)と、改質触媒及び/又は水素透過性金属材料が充填された層(30)の水素透過性金属材料と、水素透過膜(10)の水素透過性金属材料との反応を防止する、改質触媒を有しない反応防止層(20)と、を備えるようにするとよい。
このようにすると、各反応防止層(20,40)によって、水素透過性金属材料が充填された層(30)及び水素透過膜(10)における改質触媒と水素透過性金属材料又は水素透過性金属材料同士の反応によるピンホール形成を抑制することができるので、より優れた水素分離装置(1)とすることができる。
・本発明に係る水素分離装置(1)の製造方法は、水素透過性金属材料が充填された層(30)は、多孔質層中にパラジウムを充填した後、パラジウムを充填した多孔質層表面に銀を被覆し、その銀を被覆した多孔質層上に再度パラジウムを形成することを特徴としている。
このようにすると、触媒作用のない銀表面においては無電解めっき法ではパラジウムが成長しないため、パラジウムを充填した多孔質層表面と銀層を介して形成したパラジウム層との間には、必ず空隙を形成することができる。したがって、水素透過膜(10)と水素透過性金属材料が充填された層(30)とを形成することができる。
水素分離装置1の概略の構造を示す構造図である。 水素分離筒3の概略の構造を示すための水素分離筒3の一部の断面図である。 第1実施形態における水素分離筒3の概略の製造方法を示す図である。 第3実施形態における水素分離筒3の概略の製造方法を示す図である。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
(全体構成)
まず、本実施形態の水素分離装置1の全体構成について説明する。図1は、本発明が適用された水素分離装置1の概略の構造を示す構造図である。
図1に示すように、本実施形態の水素分離装置(水素分離モジュール)1は、一端が閉そくされた試験管状の水素分離筒3と、水素分離筒3の開放端側が挿入された筒状の取付金具5と、水素分離筒3の外周面と取付金具5の内周面との間に配置された円筒形のシール部材7と、水素分離筒3を覆う試験管状の外筒11と、筒状部15と、水素分離筒3に原料ガスを供給するための内挿管17と、を備えている。
水素分離筒3は、その軸中心の中心孔13に導入された原料ガス(例えばメタンなどの炭化水素ガスと水蒸気の混合ガス)から、水素を選択的に分離して、水素分離筒3の外周側に供給する部材である。この水素分離筒3については詳細を後述する。
取付金具5は、水素分離装置1の基部を構成する筒状金具であり、軸中心には、原料ガスの流路となる貫通孔(中空部)が形成され、その貫通孔には、水素分離筒3の基端側(図1中右側)の端部が収容されている。詳しくは、貫通孔の内径は、水素分離筒3の外径より大きく設定されており、貫通孔の内周面と水素分離筒3の外周面とにより形成される空間にシール部材7が挿入されることによって、貫通孔に水素分離筒3が内嵌されている。
シール部材7は、膨張黒鉛からなる円筒状の気密部材であり、取付金具5の内周面と水素分離筒3の外周面との間の空間内に挿入されている。このシール部材7は、前述の空間内にて、圧縮された状態、したがって、周囲を押圧した状態に保持されているので、この空間における原料ガスの漏出を防止している。
外筒11は、試験管状に形成された例えばSUS316等のステンレスなどの金属筒であり、水素分離筒3の収納容器である。外筒11の開口部にはフランジが形成されており、そのフランジを溶接や図示しないボルトなどで取付金具5に密着させて固定する。
また、水素分離筒3の外周面と外筒11の内周面との間に空間を設けるため、外筒11の筒部の直径は、水素分離筒3の直径より大きく設定されている。この空間には、水素分離筒3で分離された水素ガスが一時的に滞留する。
さらに、外筒11の側面部には、水素分離筒3で分離された水素ガスを導出するための水素ガス導出管8が設けられており、空間に一時的に滞留している水素ガスを外部へ導出する。
筒状部15は、円筒状に形成された例えばSUS316等のステンレスなどの金属筒であり、底部の軸中心部分に貫通孔が設けられ、内挿管17が嵌挿されている。また、側面部に水素分離筒3での反応後のオフガス(CO、CO2、H2、メタン、水蒸気)を外部に導出するためのオフガス導出管9が設けられている。
また、内挿管17は、原料ガスを、水素分離装置1の基端側から水素分離筒3の先端側に供給する部材であり、反応後のオフガスは、内挿管17の外周に沿って水素分離装置1の基端側へ導かれ、筒状部15に設けられているオフガス導出管9から外部へ排出される。
(水素分離筒3の構成)
次に図2に基づいて水素分離筒3の構造について説明する。図2は、水素分離筒3の概略の構造を示すための水素分離筒3の一部の断面図である。
水素分離筒3は、一端が閉塞された試験管状に形成されており(図1参照)、図2に示すように複数の機能層から構成されている。
水素分離筒3は、(改質触媒兼支持体である)多孔質支持体60及び水素分離膜10から構成されている。
多孔質支持体60は、多孔質支持層50と、多孔質支持層50の外側表面を覆う反応防止層(第1多孔質層)40と、反応防止層(第1多孔質層)40の外側表面を覆うように形成された水素透過層30と、水素透過層30の外側を覆う反応防止層(第2多孔質層)20と、から構成されている。
上記多孔質支持層50は、改質触媒としての役割と水素透過膜10等を支持する役割とを有する通気性を有する試験管状の支持体であり、この多孔質支持層50では、原料ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する。
多孔質支持層50の気孔率及び気孔径を制御することにより、強度及び気体透過性等を調節することができる。多孔質支持層50の気孔率は、10〜85%であることが好ましい。
気孔率が10%未満であると、多孔質支持層50中を原料ガスが速やかに流れず、圧力損失が大きくなることがあり、特に炭化水素の水蒸気改質をすることのできる触媒機能を備えた多孔質支持層50を用いる場合には、炭化水素を十分に改質して必要な水素ガスを充分に生成させることができないことがある。一方、気孔率が85%を超えると、多孔質支持層50の強度が低下することがある。
多孔質支持層50の平均気孔径は0.05〜30μmであることが好ましい。平均気孔径が0.05μm未満であると、多孔質支持層50中を原料ガスが速やかに流れず、圧力損失が大きくなることがあるからである。
特に炭化水素の水蒸気改質をすることのできる触媒機能を備えた多孔質支持層50を用いる場合には、原料ガスを十分に改質して必要な水素ガスを充分に生成させることができないことがある。一方、平均気孔径が30μmを超えると、多孔質支持層50の十分な強度が保たれないおそれがある。
また、多孔質支持層50は、気体が多孔質支持層50を流通することのできる気体透過性及び前述の水素透過膜10等を支持することのできる膜支持性を有している材料であれば良く、例えば、酸化アルミニウム、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニア、安定化ジルコニア、多孔質ガラス等が挙げられる。更に、材料を単一で用いることもでき、混合して、又は複合して用いることもできる。
改質触媒機能を有する改質触媒兼支持体としては、例えばニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物の焼結体、ニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物を主体とする焼結体(Ni−YSZサーメット等)等の、支持体としての機能と改質触媒としての機能とを合わせ持つ多孔質セラミックや多孔質サーメットが挙げられる。
上記反応防止層(第1多孔質層)40は、多孔質支持層50の改質媒体金属成分(例えばNi)と水素透過層30の成分(例えば、パラジウム、以下Pdと略称する。)とが互いに交じり合う(拡散する)ことにより、水素透過層30の水素選択分離性が劣化することを防止するための相互拡散防止層である。
この反応防止層(第1多孔質層)40は、多孔質支持層50に含まれる成分と水素透過層30を形成する成分が相互に拡散しない程度であれば、その層厚は特に限定されず、例えば、1〜100μmに調整される。
反応防止層(第1多孔質層)40の層厚が1μm未満であると、多孔質支持層50と水素透過層30とを形成する材料成分の相互拡散を防ぐことができないことがあり、一方、100μmを越えると、圧力損失が大きくなり水素透過性を妨げてしまうことがある。
また、反応防止層(第1多孔質層)40は、水素透過層30を形成する成分と反応しない材料で、かつ、気体が流通することのできる多孔質材料で形成されていればよく、例えばジルコニア、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、ランタンカルシウム、ランタンクロマイト、ランタンストロンチウム又はこれらの材料の混合物若しくは化合物を用いることができる。
上記水素透過層30は、多孔質支持層50と水素透過膜10の間の反応防止層(第1多孔質層)40と反応防止層(第2多孔質層)20との間に積層された層であり、多孔質支持体60中に層を形成するように、水素透過性金属材料であるPdが充填された層である。
充填される水素透過性金属材料は、水素を選択的に透過する材料であればよく、例えばPd、Pd合金、5族金属(V、Nb、Ta)、5族金属合金あるいは、5族金属又は5族金属合金とPd又はPd合金との多層構造が挙げられる。
上記反応防止層(第2多孔質層)20は、水素透過層30の上に反応防止層(第1多孔質層)40と同じ材質及び製法で形成された層である。
反応防止層(第2多孔質層)20は、水素透過層30を形成する成分と水素透過膜10を形成する成分が相互に拡散しない程度であれば、その層厚は特に限定されず、例えば、0.1〜100μmに調整される。
反応防止層(第2多孔質層)20の層厚が0.1μm未満であると、水素透過層30と水素透過膜10とを形成する材料成分の相互拡散を防ぐことができないことがあり、一方、100μmを越えると、圧力損失が大きくなり水素透過性を妨げてしまうことがある。
水素透過膜10は、多孔質支持層50内で改質された改質ガスから水素を選択的に透過して精製する薄膜であり、本第1実施形態ではPdの薄膜である。
上記水素透過膜10は、反応防止層(第2多孔質層)20の外側を覆うように形成されている。水素透過膜10は、水素を選択的に透過する材料であればよく、例えばPd膜、Pd合金膜、5族金属(V、Nb、Ta)膜、5族金属合金膜、あるいは、5族金属膜又は5族金属合金膜とPd膜又はPd合金膜との多層膜が挙げられる。
(水素分離筒3の製造方法)
次に、図3に基づいて水素分離筒3の製造方法について説明する。図3は水素分離筒3の概略の製造方法を示す図である。
まず、図3(a)に示すように、酸化ニッケル、イットリア安定化ジルコニアの各粉末と有機バインダを混合した後、押出成形法により、試験管状の円筒有底管形状に成形する。
この成形体を、1400℃で焼結することにより、外径10mm×長さ100mmの多孔質支持層50(多孔質改質触媒層兼支持体)を作製した。
これとは別に、イットリア安定化ジルコニアの混合粉末を有機溶媒中に分散させたスラリーを作製し、図3(a)に示すように、ディップコーティング法(又はスプレー吹き付け法、印刷法等)により多孔質支持層50の上に形成した後、1300℃に加熱して焼付けを行い、反応防止層(第1多孔質層)40を形成した。
上述のようにして作製したものを、塩化スズ二水和物の塩酸水溶液中に浸漬し、その後塩化パラジウムの塩酸水溶液中に浸漬した。この作業を3回繰り返した後、還元処理によりパラジウム核を形成した。(図3(a)参照)。このパラジウム核の層が水素透過層30となる。その後、反応防止層(第1多孔質層)40と同じプロセスで反応防止層(第2多孔質層)20を形成した(図3(b)参照)。
このようにして形成したものをパラジウム錯体、ヒドラジン、アンモニア水を含むめっき液に浸漬することにより、パラジウム核を成長させ、多孔質層中に充填した(図3(c)参照)。このようにしてパラジウム核を成長させ、多孔質中に充填した部分が水素透過層30となる。水素透過層30は、10μm厚に形成した。
そして、このようにして形成したものを、塩化スズ二水和物の塩酸水溶液中に浸漬し、その後塩化パラジウムの塩酸水溶液中に浸漬した。この作業を3回繰り返した後、パラジウム錯体、ヒドラジン、アンモニア水を含むめっき液に浸漬することにより、Pd膜を形成した(図3(d)参照))。このようにして形成したPd膜が水素透過膜10である。Pd膜は、3μm厚に形成した。
この水素分離筒3を用いた水素分離装置1を600℃にて、水素ガスの流量50cc/min/cm2水素透過試験を行うと、14cc/min/cm2の水素透過量が得られた。20hの水素透過試験を実施した後、圧力0.9kgf/cm2でHeリークチェックを行ったが、リークは全く見られなかった。
(水素分離装置1の作動)
以上のような水素分離装置で1では、原料ガスは、内挿管17から中心孔13に供給され、中心孔13から水素分離筒3へ供給される。水素分離筒3に供給された原料ガスは、水素分離筒3の多孔質支持層50で改質される。
多孔質支持層50で改質された改質ガスは、水素透過層30及び水素透過膜10で水素が分離されて、高濃度の水素ガスとなって水素ガス導出管8から外部の機器、例えば、燃料電池などへ供給される。
一方、水素分離筒3での反応後のオフガスは、中心孔13から筒状部15を通って、オフガス導出管9から外部へ排出される。
(水素分離装置1の特徴)
以上のような水素分離装置1では、多孔質支持層50と水素透過膜10の間に水素透過性金属材料(Pd)が充填された水素透過層30を有している。この水素透過層30の水素透過性金属材料(Pd)は、水素のみを透過する。
つまり、原料ガスは、多孔質支持層50を透過した後、水素透過層30で水素が分離され水素ガスとなる。その水素ガスは、さらに水素透過膜10で水素が分離され、純度の高い水素ガスとなる。
換言すれば、水素分離を行う層を、多孔質支持体60中に設けられた水素透過層30と水素透過膜10との二重構造にすることで、水素透過層30及び水素透過膜10により、原料ガスから二重に水素を分離することができるので高純度の水素ガスを得ることができるのである。
また、水素透過層30と水素透過膜10との二重構造にすることで、何れか一方の層で原料ガスのリークが発生しても、他方の層でリークした原料ガスから水素ガスを分離することができるので、高純度の水素ガスを得ることができる。
さらに、水素透過層30と水素透過膜10との二重構造にすることで、何れか一方の層で原料ガスのリークが発生しても、全体としては、気密性を確保することができ、耐久性を向上させることができる。
また、水素透過層30は、多孔質支持体60中に水素透過性金属材料を充填した層となっているので、多孔質支持体60上に水素透過膜10を形成する従来の水素分離装置に比べ圧力に対して強い。したがって、多孔質支持体60上に水素透過膜を形成した層を複数層重ねたものに比べ、水素分離装置1は、水素透過層30で内圧を受けるため圧力に対して強くなる。
このため、多孔質支持体60中に設ける水素透過層30を薄くすることができるので、水素透過層30全体の厚さを抑制することができる。
さらに、多孔質支持層50が改質触媒機能を有しているので、多孔質支持層50で原料ガスの改質が行われる。したがって、別途改質触媒を設置する必要がないので、水素分離装置1として小型化が可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態として、水素分離筒3の他の製法について説明する。この製造方法では、円筒有底管形状の水素分離筒3を以下の手法により作製した。
まず、第1実施形態と同様に、酸化ニッケル、イットリア安定化ジルコニアの各粉末と有機バインダを混合した後、押出成形法により、円筒有底管形状に成形した。
この成形体を、1300℃で焼結することにより、外径10mm×長さ100mmの水素分離筒3(多孔質改質触媒層兼支持体)を作製した。イットリア安定化ジルコニア粉末を有機溶媒中に分散させたスラリーを作製し、ディップコーティング法により支持体の上に多孔質層として形成した後、1300℃に加熱して焼き付けを行った。
Pdを核付け処理した後、塩酸と硝酸と水の混合溶液により表面及び細孔内の表面から所定深さまでのPd核を除去した。(反応防止層(第1多孔質層)40中のパラジウム核のみ残す作業である。パラジウム核を除去された表面からの所定深さが反応防止層(第2多孔質層)20の厚みとなる。)めっき法によりPdを多孔質内に充填し水素透過層30を形成した後、Pd表面にめっき法によりAgを合計膜厚5μmとなるよう形成した。その後、めっき法によりPdを反応防止層(第2多孔質層)20上に3μm厚に形成した。その後、600℃で還元及び合金化処理を実施した。
この水素分離筒3を用いた水素分離装置1に対して、圧力0.9kgf/cm2でHeリークチェックを実施したがリークは全く見られなかった。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態として、図4に基づいて水素分離筒3の他の製造方法について説明する。
この製造方法では、第1実施形態と同様に多孔質支持層50及び反応防止層(第1多孔質層)40を製造した後、多孔質支持層50を、塩化スズ二水和物の塩酸水溶液中に浸漬し、その後塩化パラジウムの塩酸水溶液中に浸漬した。この作業を3回繰り返した後、還元処理によりパラジウム核を形成した。
その後、多孔質支持層50を塩酸と硝酸の混合溶液中に浸漬し、反応防止層(第1多孔質層)40表面のパラジウム核を除去した後、純水にて洗浄した。その後、パラジウム錯体、ヒドラジン、アンモニア水を含むめっき液に浸漬することにより、パラジウム核を成長させ、多孔質層中に充填した(図4(a)参照)。
次に、銀錯体、アンモニア、還元剤を含むめっき液に浸漬し、パラジウム上に銀を析出させた(図4(b)参照)。
次に、再度塩化スズ二水和物の塩酸水溶液中に浸漬し、その後塩化パラジウムの塩酸水溶液中に浸漬する、核付け処理を行った後、パラジウム錯体、ヒドラジン、アンモニア水を含むめっき液に浸漬することにより、パラジウム膜を形成した(図4(c)参照)。
このようにすると、銀表面には、パラジウムメッキを施すことができないので、パラジウムを充填した多孔質層表面と銀層を介して形成したパラジウム層との間には、必ず空隙を形成することができる。したがって、二層の水素透過層、つまり、水素透過層30と水素透過膜10とを形成することができる。
1…水素分離装置、3…水素分離筒、5…取付金具、7…シール部材、8…水素ガス導出管、9…オフガス導出管、10…水素透過膜、11…外筒、13…中心孔、15…筒状部、17…内挿管、20…反応防止層(第2多孔質層)、30…水素透過層、40…反応防止層(第1多孔質層)、50…多孔質支持層、60…多孔質支持体。

Claims (4)

  1. 水素を選択的に透過させる水素透過膜と、
    前記水素透過膜を支持するための多孔質支持体と、
    を備え、
    水素を前記水素透過膜の片面側から他面側に透過させることで水素を選択的に取り出す水素分離装置であって、
    前記多孔質支持体中に水素透過性金属材料が充填された層を有することを特徴とする水素分離装置。
  2. 前記多孔質支持体が改質触媒機能を有することを特徴とする請求項1に記載の水素分離装置。
  3. 前記多孔質支持体の改質触媒と前記水素透過性金属材料が充填された層の水素透過性金属材料との反応を防止する、改質触媒を有しない反応防止層と、
    前記多孔質支持体の改質触媒及び/又は前記水素透過性金属材料が充填された層の水素透過性金属材料と、前記水素透過膜の水素透過性金属材料との反応を防止する、改質触媒を有しない反応防止層と、
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の水素分離装置。
  4. 請求項2に記載の水素分離装置の製造方法であって、
    水素透過性金属材料が充填された層は、
    多孔質層中にパラジウムを充填した後、前記パラジウムを充填した前記多孔質層表面に銀を被覆し、
    該銀を被覆した多孔質層上に再度パラジウムを形成することにより形成することを特徴とする水素分離装置の製造方法。
JP2010004982A 2010-01-13 2010-01-13 水素分離装置及び水素分離装置の製造方法 Expired - Fee Related JP5155343B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010004982A JP5155343B2 (ja) 2010-01-13 2010-01-13 水素分離装置及び水素分離装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010004982A JP5155343B2 (ja) 2010-01-13 2010-01-13 水素分離装置及び水素分離装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011143335A true JP2011143335A (ja) 2011-07-28
JP5155343B2 JP5155343B2 (ja) 2013-03-06

Family

ID=44458670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010004982A Expired - Fee Related JP5155343B2 (ja) 2010-01-13 2010-01-13 水素分離装置及び水素分離装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5155343B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014007962A1 (en) * 2012-07-05 2014-01-09 Praxair Technology, Inc. Method of making a hydrogen transport membrane and article
JP2015016419A (ja) * 2013-07-10 2015-01-29 日本特殊陶業株式会社 水素分離体及びその製造方法
WO2017154582A1 (ja) * 2016-03-09 2017-09-14 日本特殊陶業株式会社 触媒担持型水素透過膜及びその製造方法、触媒担持型水素透過膜モジュール、水素添加装置、潤滑油再生装置
JP2018062602A (ja) * 2016-10-14 2018-04-19 日本特殊陶業株式会社 有機化合物の還元装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6208067B2 (ja) * 2014-03-31 2017-10-04 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 多孔質基材の内部に薄膜化した金属充填層を有する複合体の製造方法および複合体

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06277472A (ja) * 1993-03-31 1994-10-04 Ngk Insulators Ltd ガス分離体及びその製造方法
JPH11267477A (ja) * 1998-03-25 1999-10-05 Tokyo Gas Co Ltd 水素透過膜及びその作製方法
JP2005013853A (ja) * 2003-06-25 2005-01-20 Ngk Insulators Ltd 水素分離体及びその製造方法
JP2005066427A (ja) * 2003-08-21 2005-03-17 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 水素分離シート及びその製造方法
JP2005279536A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Toyota Motor Corp 水素透過膜
JP2006314875A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Ngk Spark Plug Co Ltd 水素分離装置
JP2008253932A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Dainippon Printing Co Ltd 水素精製フィルタおよびその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06277472A (ja) * 1993-03-31 1994-10-04 Ngk Insulators Ltd ガス分離体及びその製造方法
JPH11267477A (ja) * 1998-03-25 1999-10-05 Tokyo Gas Co Ltd 水素透過膜及びその作製方法
JP2005013853A (ja) * 2003-06-25 2005-01-20 Ngk Insulators Ltd 水素分離体及びその製造方法
JP2005066427A (ja) * 2003-08-21 2005-03-17 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 水素分離シート及びその製造方法
JP2005279536A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Toyota Motor Corp 水素透過膜
JP2006314875A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Ngk Spark Plug Co Ltd 水素分離装置
JP2008253932A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Dainippon Printing Co Ltd 水素精製フィルタおよびその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014007962A1 (en) * 2012-07-05 2014-01-09 Praxair Technology, Inc. Method of making a hydrogen transport membrane and article
US9084970B2 (en) 2012-07-05 2015-07-21 Praxair Technology, Inc. Method of making a hydrogen transport membrane, and article
US9868671B2 (en) 2012-07-05 2018-01-16 Praxait Technology, Inc. Method of making a hydrogen transport membrane and article
JP2015016419A (ja) * 2013-07-10 2015-01-29 日本特殊陶業株式会社 水素分離体及びその製造方法
WO2017154582A1 (ja) * 2016-03-09 2017-09-14 日本特殊陶業株式会社 触媒担持型水素透過膜及びその製造方法、触媒担持型水素透過膜モジュール、水素添加装置、潤滑油再生装置
JPWO2017154582A1 (ja) * 2016-03-09 2019-01-17 日本特殊陶業株式会社 触媒担持型水素透過膜及びその製造方法、触媒担持型水素透過膜モジュール、水素添加装置、潤滑油再生装置
JP2018062602A (ja) * 2016-10-14 2018-04-19 日本特殊陶業株式会社 有機化合物の還元装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5155343B2 (ja) 2013-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6913736B2 (en) Metal gas separation membrane module design
JP5057685B2 (ja) 水素分離装置および水素製造装置
JP5155343B2 (ja) 水素分離装置及び水素分離装置の製造方法
JP2007301514A (ja) 水素分離材及びその製造方法
JP5888188B2 (ja) 水素分離体
EP2554247A1 (en) Defectless hydrogen separation membrane, production method for defectless hydrogen separation membrane and hydrogen separation method
JP6219625B2 (ja) 水素分離体及びその製造方法
JP4347129B2 (ja) 水素製造用反応筒及び反応板
US9272269B2 (en) Catalytic hollow fibers
JP5342750B2 (ja) 水素分離装置及び燃料電池
JP5606792B2 (ja) ガス分離装置及びその製造方法
JP5149026B2 (ja) 水素分離装置
JP5410937B2 (ja) 水素製造装置
JP2014114179A (ja) 成形触媒及び水素製造装置
JP2010094655A (ja) 水素分離装置
JP4911916B2 (ja) 水素分離装置
JP6358839B2 (ja) 水素製造装置及びその製造方法
JP5410936B2 (ja) 水素製造装置
JP2006314876A (ja) 水素分離装置
JP2008246314A (ja) 水素分離装置及び燃料電池
JP5149050B2 (ja) 水素分離装置
JP5057684B2 (ja) 水素製造装置
JP6668115B2 (ja) アンモニア製造装置、NOx浄化装置
JP2011116603A (ja) 円筒形水素分離型改質器における水素分離膜用保護膜及びその形成方法
JP4898725B2 (ja) 水素分離装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121206

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151214

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees