JP2011135777A - イムノグロブリン結合タンパク質 - Google Patents

イムノグロブリン結合タンパク質 Download PDF

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Abstract

【課題】例えばアフィニティクロマトグラフィー用の目的物質捕捉用担体におけるリガンドとして機能することにより、当該担体への固定化量が多く、かつ、当該担体のイムノグロブリン保持能力を高めることができるイムノグロブリン結合タンパク質を提供する。
【解決手段】イムノグロブリン結合タンパク質は下記一般式(1)または(2)で表される。
−r−R・・・・・(1)
(式中、Rは4〜20個の連続したHisを含む4〜100個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し(ここで、前記連続したHisの末端がr(r=0の場合R)と結合する。)、RはプロテインAのイムノグロブリン結合ドメインを少なくとも1個含む50〜500個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し、rは0〜200個のアミノ酸からなる任意のアミノ酸配列を示す。)
−r−R・・・・・(2)
(式中、Rは4〜20個の連続したHisを含む4〜100個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し(ここで、前記連続したHisの先端がr(r=0の場合R)と結合する。)、RはプロテインAのイムノグロブリン結合ドメインを少なくとも1個含む50〜500個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し、rは0〜200個のアミノ酸からなる任意のアミノ酸配列を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、イムノグロブリン結合タンパク質に関する。
近年、医学、薬学、生物学などの分野において、純度が高いタンパク質試薬が求められている。また、抗体医薬の開発の活況に伴い、純度が高いタンパク質医薬を効率良く、低コストでかつ大量に得る方法が求められている。
純度の高いタンパク質を製造する方法の一つとして、アフィニティクロマトグラフィーが挙げられる。アフィニティクロマトグラフィーでは、目的タンパク質に特異的かつ可逆的な親和性を示す分子をリガンドとして結合させた目的物質捕捉用担体に目的タンパク質を吸着させることにより、目的タンパク質を夾雑物から分離させる。その際のリガンドとしてタンパク質が用いられることが多い。リガンドとして用いられるタンパク質としては、例えばプロテインAが挙げられる。
プロテインAは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)由来のタンパク質であり、Aドメイン、Bドメイン、Cドメイン、Dドメイン、およびEドメインと呼ばれる相同性を有する5つのイムノグロブリン結合ドメインの繰り返し構造を有する。
プロテインAのイムノグロブリン結合ドメインは、1個のドメインのみでイムノグロブリンに結合することが知られている(非特許文献1)。プロテインAについては、例えば、IgGとの結合の特異性を高めることを目的として、アミノ酸配列の改変が試みられている(特許文献1)。天然型のプロテインAだけでなく、アミノ酸配列が部分的に改変されたイムノグロブリン結合ドメインを含む組換え型のプロテインAも、アフィニティクロマトグラフィー用のリガンドとして広く利用されている。
米国特許第5151350号明細書 ニルソン・ビー(Nilsson B.)他、プロテイン・エンジニアリング(Protein engineering)、1987年、第1巻、2号、107−113頁
上述したように、近年、純度の高いタンパク質を効率良く、低コストでかつ大量に精製することが求められている。
本発明は、例えばアフィニティクロマトグラフィー用の目的物質捕捉用担体におけるリガンドとして機能することにより、当該担体への固定化量が多く、かつ、当該担体のイムノグロブリン保持能力を高めることができるイムノグロブリン結合タンパク質を提供する。
本発明の一態様にかかるイムノグロブリン結合タンパク質は、下記一般式(1)で表される。
−r−R ・・・・・(1)
(式中、Rは4〜20個の連続したHisを含む4〜100個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し(ここで、前記連続したHisの末端がr(r=0の場合R)と結合する。)、RはプロテインAのイムノグロブリン結合ドメインを少なくとも1個含む50〜500個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し、rは0〜200個のアミノ酸からなる任意のアミノ酸配列を示す。)
上記一般式(1)において、Rで表されるアミノ酸配列、rで表されるアミノ酸配列、およびRで表されるアミノ酸配列のうち少なくとも1つが、Lys、Arg、およびCysから選ばれる1種のアミノ酸を含む1〜50個のアミノ酸からなるドメインtを含むことができる。
本発明の他の一態様にかかるイムノグロブリン結合タンパク質は、下記一般式(2)で表される。
−r−R ・・・・・(2)
(式中、Rは4〜20個の連続したHisを含む4〜100個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し(ここで、前記連続したHisの先端がr(r=0の場合R)と結合する。)、RはプロテインAのイムノグロブリン結合ドメインを少なくとも1個含む50〜500個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し、rは0〜200個のアミノ酸からなる任意のアミノ酸配列を示す。)
なお、上記一般式(1)および一般式(2)において、左端がN末端を示し、右端がC末端を示すものとする。
上記一般式(2)において、Rで表されるアミノ酸配列、rで表されるアミノ酸配列、およびRで表されるアミノ酸配列のうち少なくとも1つが、Lys、Arg、およびCysから選ばれる1種のアミノ酸を含む1〜50個のアミノ酸からなるドメインtを含むことができる。
上記イムノグロブリン結合タンパク質において、前記プロテインAのイムノグロブリン結合ドメインが、Aドメイン、Bドメイン、Cドメイン、Dドメイン、およびEドメインから選ばれる少なくとも1種であることができる。
本発明の他の一態様にかかる核酸は、上記イムノグロブリン結合タンパク質またはその等機能変異体をコードする。
本発明の他の一態様にかかる遺伝子発現系は、上記核酸を含む。
上記イムノグロブリン結合タンパク質は、上記一般式(1)または上記一般式(2)で表されることにより、例えばアフィニティクロマトグラフィー用の目的物質捕捉用担体におけるリガンドとして機能することができる。すなわち、上記イムノグロブリン結合タンパク質を当該担体におけるリガンドとして使用することにより、当該担体への固定化量が多く、かつ、当該担体のイムノグロブリン保持能力を高めることができる。これにより、目的物質の捕捉量を高めることができるため、目的物質の結合容量を高めることができる。
以下、本発明の一実施形態に係るイムノグロブリン結合タンパク質、核酸、および遺伝子発現系について具体的に説明する。
1.イムノグロブリン結合タンパク質
本発明の一実施形態にかかるイムノグロブリン結合タンパク質(以下、「タンパク質1」ともいう。)は、下記一般式(1)で表される。
−r−R ・・・・・(1)
(式中、Rは4〜20個の連続したHisを含む4〜100個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し(ここで、前記連続したHisの末端がr(r=0の場合R)と結合する。)、RはプロテインAのイムノグロブリン結合ドメインを少なくとも1個含む50〜500個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し、rは0〜200個のアミノ酸からなる任意のアミノ酸配列を示す。)
本発明の他の一実施形態にかかるイムノグロブリン結合タンパク質(以下、「タンパク質2」ともいう。)は、下記一般式(2)で表される。
−r−R ・・・・・(2)
(式中、Rは4〜20個の連続したHisを含む4〜100個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し(ここで、前記連続したHisの先端がr(r=0の場合R)と結合する。)、RはプロテインAのイムノグロブリン結合ドメインを少なくとも1個含む50〜500個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し、rは0〜200個のアミノ酸からなる任意のアミノ酸配列を示す。)
上記一般式(1)および上記一般式(2)において、Rで表されるアミノ酸配列、rで表されるアミノ酸配列、およびRで表されるアミノ酸配列のうち少なくとも1つが、Lys、Arg、およびCysから選ばれる1種のアミノ酸を含む1〜50個のアミノ酸からなるドメインtを含むことが好ましい。この場合、上記アミノ酸配列中に同一または異なるドメインtが複数含まれていてもよい。
また、上記一般式(1)および上記一般式(2)において、rで表されるアミノ酸配列中に例えばTEVプロテアーゼなどのプロテアーゼ切断部位を含んでいてもよい。
本実施形態にかかるイムノグロブリン結合タンパク質を構成するアミノ酸の総個数は通常70〜1000であり、粒子に結合させる用途に使用する場合、80〜600であるのが好ましい。
本発明において、「タンパク質」とは、ペプチド構造単位を有するあらゆる分子をいい、例えば、天然型タンパク質の部分的断片や天然型タンパク質のアミノ酸配列を人為的に改変した変異体を含む概念である。また、「イムノグロブリン結合ドメイン」とは、単独でイムノグロブリン結合活性を有するポリペプチドの機能単位をいい、「イムノグロブリン結合タンパク質」とは、イムノグロブリンに特異的な親和性を有し、かつ、「イムノグロブリン結合ドメイン」を含むタンパク質をいう。
1.1.イムノグロブリン結合ドメイン
プロテインAのイムノグロブリン結合ドメインは、Aドメイン、Bドメイン、Cドメイン、Dドメイン、およびEドメインから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらのドメインのアミノ酸配列は例えば、Moks T, Abrahms L, et al.,Staphylococcal protein A consists of five IgG-binding domains, Eur J Biochem. 1986, 156, 637-643のFig.1に記載されている。本実施形態に係るイムノグロブリン結合タンパク質は、複数の同一または異なる種類のイムノグロブリン結合ドメインを有していてもよい。
また、プロテインAのイムノグロブリン結合ドメインは、天然型のイムノグロブリン結合ドメインであってもよいし、または、組換え型のイムノグロブリン結合ドメインであってもよい。ここで、組換え型のイムノグロブリン結合ドメインは、イムノグロブリン結合活性において、改変前のイムノグロブリン結合ドメインと同等のものとして扱うことができ、例えば、天然型のプロテインAのイムノグロブリン結合ドメインのアミノ酸配列と70%以上(好ましくは90%以上)の相同性を保持することが好ましい。
1.2.製造
本実施形態に係るイムノグロブリン結合タンパク質を製造するための標準技術としては、例えば、Frederick M. AusbelらによるCurrent Protocols In Molecular BiologyやSambrookら編集のMolecular Cloning (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 3rd edition, 2001)などに記載されている公知の遺伝子組換え技術を利用することができる。例えば、本実施形態に係るイムノグロブリン結合タンパク質は、米国特許第5,151,350号明細書に記載されている遺伝子組換え技術を用いて製造することができる。すなわち、目的の改変タンパク質をコードする核酸配列を含有させた発現ベクターを大腸菌などの宿主に形質転換し、当該細胞を適切な液体培地で培養することにより、培養後の細胞から、本実施形態に係るイムノグロブリン結合タンパク質を大量かつ経済的に取得することができる。
具体的には、プロテインAの1個のイムノグロブリン結合ドメインは約60個のアミノ酸からなる小さなタンパク質であるため、例えば、所望のアミノ酸配列をコードするDNAを数十塩基からなる合成オリゴヌクレオチドに分割して合成し、それらをDNAリガーゼによるライゲーション反応によって繋げてプラスミドベクターに挿入することにより、目的の発現ベクターを取得することができる。その際に、当該タンパク質を大腸菌で効率良く発現させる目的で、大腸菌の至適コドンを用いた核酸配列を採用することは、当業者によって一般的に行われる方法である。また、後述する本発明の実施例に示しているようにStraphylococcus aureusのゲノムDNAからPCR技術を用いて所望のアミノ酸配列をコードするDNA配列を構築することが可能である。
また、上述したように、本実施形態にかかるイムノグロブリン結合タンパク質は、イムノグロブリン結合ドメインを1個以上(好ましくは2〜5個)を含む多量体タンパク質であってもよい。この様な多量体タンパク質をコードするcDNAは、1個のイムノグロブリン結合ドメインをコードするcDNAを所定の個数、直列に連結することにより、容易に作成することができる。こうして作成したcDNAを適切な発現プラスミドに挿入して利用することにより、イムノグロブリン結合ドメインを2個以上含む多量体タンパク質を容易に製造することができる。
1.3.用途
本実施形態に係るイムノグロブリン結合タンパク質の用途の一例としては、例えば、アフィニティクロマトグラフィーにおいて、目的タンパク質を担体に結合させて精製するためのリガンドが挙げられる。本発明において、「リガンド」とは、アフィニティクロマトグラフィーにおいて、目的タンパク質に特異的にかつ可逆的に結合するタンパク質をいう。ここで、本実施形態に係るイムノグロブリン結合タンパク質をリガンドとして用いた担体は、アフィニティクロマトグラフィーにおいて、従来の担体と比較してイムノグロブリン結合タンパク質の保持量が多く、かつ、当該タンパク質の保持能に優れている。これにより、目的タンパク質の捕捉量を高めることができるため、目的タンパク質(抗体)の結合容量を増大させることができる。その結果、純度の高い目的タンパク質を効率良く、低コストでかつ大量に精製することができる。
2.核酸
本発明の他の一実施形態にかかる核酸は、上記イムノグロブリン結合タンパク質またはその等機能変異体をコードする。
本発明において、イムノグロブリン結合タンパク質の「等機能変異体(functional variant)」とは、部分的なアミノ酸の付加、削除、置換、アミノ酸残基の化学的修飾等により改変されたイムノグロブリン結合タンパク質であって、改変前のイムノグロブリン結合タンパク質のアミノ酸配列と70%以上、好ましくは90%以上の相同性を保持し、かつ、イムノグロブリン結合活性において、改変前のイムノグロブリン結合タンパク質と同等のものとして扱うことができるものを意味する。
3.遺伝子発現系
本発明の他の一実施形態にかかる遺伝子発現系は、上記イムノグロブリン結合タンパク質またはその等機能変異体をコードする核酸を含む。本実施形態にかかる遺伝子発現系として、例えば、細菌内で複製可能な既知のベクターのいずれをも用いることができる。好ましいベクターとしては、例えば、米国特許第5,151,350号明細書に記載されているプラスミドや、Sambrookら編集のMolecular Cloning (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 3rd edition, 2001)などに記載されているプラスミドが挙げられる。
また、細菌中に核酸を導入することにより細菌を形質転換させるためには、当該技術分野において知られるいずれの方法を用いてもよく、例えば、Sambrookら編集のMolecular Cloning (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 3rd edition, 2001)などに記載されている公知の方法を利用することができる。形質転換した細菌を培養して、発現されたタンパク質を回収する方法は、当業者によく知られている。
4.実施例
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の「%」および「部」は特記しない限り、それぞれ質量%および質量部であることを示している。
4.1.実施例1(イムノグロブリン結合タンパク質の調製)
後述する調製例1〜4により、図1および図2に示されるアミノ酸配列を有するイムノグロブリン結合タンパク質(SPAK(配列番号1)、SPAC(配列番号2)、SPAKK(配列番号3)、SPATK(配列番号4)、SPA2K(配列番号5)、SPA3K(配列番号6)、SPA−His−C(配列番号7)、SPA−His−N(配列番号8))を調製した。
なお、図1および図2において、R、Rおよびrは上記一般式(1)または上記一般式(2)におけるR、Rおよびrに対応し、r中の下線部はTEVプロテアーゼ切断部位を示し、R中の下線部はインタードメインリンカーまたはC末端リンカー(ドメインt)、表2参照)を示す。
これらのタンパク質は、MALDI−TOFマススペクトル分析により、それぞれアミノ酸配列が一致したことにより、図1および図2に示すアミノ酸配列を有することが確認された。
4.1.1.調製例1(PCR増幅および制限酵素の消化)
Straphylococcus aureus(ATCC, 10832)由来のプロテインA(Dドメイン+Aドメイン)のcDNAをPCRによって増幅した。プライマー(表2参照)は、後述するサブクローニングを補助するために対応する制限酵素部位を有するように設計された。
表1に示されるように、SPAK、SPAC、SPA2K、SPA3K、SPAKK、およびSPATKをそれぞれコードするDNAフラグメントは、制限酵素NcoIおよびHindIII(New-England Bio Lab製)によって消化されて、ベクターpETM−11(図3参照、kind gift of D. Shibly, EMBL Heidelberg, Heidelberg, Germanyから入手)に挿入された。
また、表1に示されるように、SPA−His−NをコードするDNAフラグメントは、制限酵素NcoIおよびHindIIIによって消化されて、ベクターpETM−10(図3参照、kind gift of D. Shibly, EMBL Heidelberg, Heidelberg, Germanyから入手)に挿入された。
さらに、表1に示されるように、C末端にヒスタグを有するイムノグロブリン結合タンパク質であるSPA−His−Cを形成するために、ベクターpET29(図3参照、Novagen社製)が用いられた。このベクターpET29に用いられる制限酵素はNdeI(New-England Bio Lab製)およびXhoI(New-England Bio Lab製)であった。
なお、図3に示される3種類の発現ベクターはすべて、選択マーカーとしてカナマイシン耐性遺伝子を含む。
また、図3に示されるイムノグロブリン結合タンパク質のアミノ酸配列において、「Tev」はTEV(Tobacco Etch Virus)プロテアーゼ認識部位(アミノ酸配列:ENLYFQG)を示す。TEVプロテアーゼはアミノ酸配列ENLYFQGを認識し、QとCの間を切断する。
上記制限酵素は、SPAKの挿入配列に基づく1対のプライマーを設計することにより導入された。また、PCR増幅は、表2に示されるプライマー(配列番号9〜17)を用いて行われた。
なお、SPA−His−NのDNAフラグメントは、SPAKを含むプラスミドを制限酵素(表1)で消化することにより直接得ることもできる。本実施例では、SPA−His−NのDNAフラグメントは、SPAKを含むプラスミドを制限酵素(表1)で消化することにより直接得た。
Figure 2011135777
Figure 2011135777
Straphylococcus aureusのgenomic DNAテンプレート(500ng/μl)0.5μl、各プライマー5pl、10×Pfu緩衝液(Fermentas製)5μl、およびPfuポリメラーゼ(Fermentas製)(5ユニット/μl)1μlを含むPCR増幅溶液に滅菌水を加えて、最終的な液の体積を50μlとした。PCR増幅の条件は以下の通りである:94℃で1分、次に94℃で30秒、56℃で1分、72℃で1分の30サイクル、最後に72℃で10分。このPCR反応をPX2 Thermal Cycler PCR装置(Thermo Electron Corporation製)にて行った。
4.1.2.調製例2(ライゲーションおよび形質転換)
制限酵素で消化されたDNAフラグメントのライゲーションは、T4DNAリガーゼ(New England Biolab製)100−200ユニット/mlおよび5×リガーゼ緩衝液(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolab)社製)を用いて12℃で12−16時間行われた。プラスミドの形質転換のために、E.coliDH5−α株細胞(New England Biolab製)を使用した。
4.1.3.調製例3(プラスミドDNAの調製および配列解析)
陽性コロニーを選択し、ミニプレップキット(Mini Prep Kit)(キアゲン(Qiagen)社製)によってプラスミドDNAを抽出した。このプラスミドDNAについて、挿入されたDNAフラグメントが正しい配列であるかどうかを確認するために、3730 NDA Sequencer(Applied Biosystems製)で配列解析を行った。
4.1.4.調製例4(イムノグロブリン結合タンパク質の発現および精製)
組み換え型イムノグロブリン結合タンパク質を、E.coli(BL21株)細胞(STRATAGENE製)内にて18℃で1mMのIPTG(Sigma−Aldrich製)を添加し、15時間発現させた。誘導に先立って、吸光度(OD600)が約0.6に到達するまで上記細胞を37℃でインキュベートした。タンパク質発現後、細胞を回収し、pH8.0のトリス緩衝液中で破砕した
得られた組み換え型イムノグロブリン結合タンパク質は、Niアフィニティクロマトグラフィー(Ni−NTA(ニトリロトリ酢酸)粒子、キアゲン社製)によって精製された。精製されたイムノグロブリン結合タンパク質は陰イオン交換クロマトグラフィー(Q−セファロースFF、GEバイオサイエンス社製)によって、pH7.5のHEPES緩衝液中でさらに精製された。
4.2.実施例2(イムノグロブリン結合タンパク質の粒子への固定化)
4.2.1.固定化例1
グリシジルメタクリレート・トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体からなる多孔質粒子(以下、PBと記す。)を懸濁重合により作製した。PBの平均粒径は33μm、比表面積は83m/gであった。400mgのPB、36mgのSPAKが16mLのホウ酸バッファー(pH8.5)に分散した混合液を調製し、4℃で24時間転倒混和し、SPAKをPBに結合させた。次いで、10%メルカプトエタノール水溶液0.8mLを添加して4℃で6時間転倒混和し、残余のエポキシ基をブロッキングし、20%エタノール水溶液で洗浄して、380mgのSPAK結合多孔質粒子(SPAK−PB)を得た。
4.2.2.比較固定化例1
50mM トリス塩酸、0.5mM EDTA、および1mM DTTのバーファー(pH8.0)中、TEVプロテアーゼで消化されたSPAKをNi−NATカラムに通過させて、SPAKのヒスタグ部位が切断された粗SPAKwoHisを回収した。この粗SPAKwoHisを10mM HEPESバーファー(pH7.5)中で12h透析して、粒子への結合実験用SPAKwoHisを調製した。SPAKwoHisのアミノ酸配列は以下の通りである。
SPAKwohis(全アミノ酸配列)(配列番号18)
GAMAKADAQQNNFNKDQQSAFYEILNMPNLNEAQRNGFIQSLKDDPSQSTNVLGEAKKLNESQAPKADNNFNKEQQNAFYEILNMPNLNEEQRNGFIQSLKDDPSQSANLLSEAKKLNESQAPKADNKFNKEGSK
次に、上記固定化例1で、SPAKの代わりにSPAKwoHisを使用した以外は、上記固定化例1と同様にして、380mgのSPAKwoHis結合多孔質粒子(SPAKwoHis−PB)を得た。
4.3.実施例3(イムノグロブリンG(IgG)結合量の測定)
4.3.1.測定例1
SPAK−PBを内径0.5cm、高さ5cmのカラムに充填し、GEヘルスケアバイオサイエンス社製AKTAprime plusを用いて、線流速300cm/hrにおけるヒトIgG抗体の結合容量を測定した。ヒトIgG抗体(ランパイアバイオロジカルラボラトリーズ(Lampire Biological Laboratories)社製)は25mMクエン酸バッファー(pH6.0)で1mg/mLに希釈したものを使用し、溶出先端10%ブレークスルーのときのヒトIgG抗体吸着量およびSPAK−PB体積から結合容量を求めたところ、30mg/mLであった。
4.3.2.比較測定例1
上記測定例1で、SPAK−PBの代わりにSPAKwoHis−PBを使用した以外は、測定例1と同様にして、SPAKwoHis−PBのヒトIgG抗体の結合容量を求めたところ、6mg/mLであった。
本実施形態に係る説明は以上である。本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらなる種々の変形が可能である。また本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
図1は、本発明の実施例1で調製されたイムノグロブリン結合タンパク質(SPAK、SPAC、SPAKK、SPATK)のアミノ酸配列を示す図である。 図2は、本発明の実施例1で調製されたイムノグロブリン結合タンパク質(SPA2K、SPA3K、SPA−His−C、SPA−His−N)のアミノ酸配列を示す図である。 図3は、3種類の発現ベクター(pETM−11、pETM−10およびpET29)にそれぞれ挿入された、本発明の実施例1に係るイムノグロブリン結合タンパク質をコードするDNAフラグメントの構成を説明する図である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されるイムノグロブリン結合タンパク質。
    −r−R ・・・・・(1)
    (式中、Rは4〜20個の連続したHisを含む4〜100個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し(ここで、前記連続したHisの末端がr(r=0の場合R)と結合する。)、RはプロテインAのイムノグロブリン結合ドメインを少なくとも1個含む50〜500個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し、rは0〜200個のアミノ酸からなる任意のアミノ酸配列を示す。)
  2. 上記一般式(1)において、Rで表されるアミノ酸配列、rで表されるアミノ酸配列、およびRで表されるアミノ酸配列のうち少なくとも1つが、Lys、Arg、およびCysから選ばれる1種のアミノ酸を含む1〜50個のアミノ酸からなるドメインtを含む、請求項1に記載のイムノグロブリン結合タンパク質。
  3. 下記一般式(2)で表されるイムノグロブリン結合タンパク質。
    −r−R ・・・・・(2)
    (式中、Rは4〜20個の連続したHisを含む4〜100個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し(ここで、前記連続したHisの先端がr(r=0の場合R)と結合する。)、RはプロテインAのイムノグロブリン結合ドメインを少なくとも1個含む50〜500個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を示し、rは0〜200個のアミノ酸からなる任意のアミノ酸配列を示す。)
  4. 上記一般式(2)において、Rで表されるアミノ酸配列、rで表されるアミノ酸配列、およびRで表されるアミノ酸配列のうち少なくとも1つが、Lys、Arg、およびCysから選ばれる1種のアミノ酸を含む1〜50個のアミノ酸からなるドメインtを含む、請求項3に記載のイムノグロブリン結合タンパク質。
  5. 前記プロテインAのイムノグロブリン結合ドメインが、Aドメイン、Bドメイン、Cドメイン、Dドメイン、およびEドメインから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載のイムノグロブリン結合タンパク質。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のイムノグロブリン結合タンパク質またはその等機能変異体をコードする核酸。
  7. 請求項6に記載の核酸を含む遺伝子発現系。
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