JP2011131997A - エレベータ運転制御装置及びエレベータ運転制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホールで待機する利用者の待機時間が極端に長くなることを有効に防止して、エレベータの利便性を向上させることができるエレベータ運転制御装置及びエレベータ運転制御方法を提供する。
【解決手段】ホール呼びが登録された順番を記憶しておくとともに、ホール呼びが入力された階床に乗りかごが着床せずに通過した場合にその階床を通過階として記憶しておく。そして、前の周回において通過階が発生した場合には、次の周回において、通過階となった階床のうちでホール呼びの登録順序が最も早い階床を、乗りかごを最初に着床させる階床として決定する。
【選択図】図2
【解決手段】ホール呼びが登録された順番を記憶しておくとともに、ホール呼びが入力された階床に乗りかごが着床せずに通過した場合にその階床を通過階として記憶しておく。そして、前の周回において通過階が発生した場合には、次の周回において、通過階となった階床のうちでホール呼びの登録順序が最も早い階床を、乗りかごを最初に着床させる階床として決定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、エレベータ運転制御装置及びエレベータ運転制御方法に関し、特に、ホールでの利用者の待機時間を低減させる技術に関するものである。
従来、エレベータの運転方式としては、セレクティブコレクティブ(以下、セレコレと略称する。)と呼ばれる運転方式が広く採用されている。セレコレは、乗りかごの移動方向前方側の呼びに対して、乗りかごの現在位置から近い順に順次応答し、同一方向の呼びに全て応答すると乗りかごの移動方向を反転させて、反対方向の呼びに順次応答していく運転方式である。
また、乗りかごに荷重検出器を設けて乗りかごの積載荷重を監視し、積載荷重が所定値を超えると乗りかごが満員状態となったと判定して、乗りかご内の利用者が降りることで満員状態が解消されるまで、乗りかごの移動方向前方側に同一方向のホール呼びが入力された階床があっても、その階床を通過させることで無駄な停止による時間的なロスを低減させる技術が広く知られている。
運転方式としてセレコレを採用しているエレベータにおいて、以上のような乗りかご満員時にホール呼びが入力された階床を通過させる技術を適用した場合の問題点として、ホールで待機する利用者の待機時間が極端に長くなってしまう場合があることが指摘されている。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、上方向のホール呼びを行った利用者が2階と3階でそれぞれ待機しており、乗りかごが1階から上昇運転をしようとしているシーンにおいて、3階の利用者が2階の利用者よりも先にホール呼びを行っており、ホール呼びの登録順序としては2階よりも3階のほうが早いとする。この場合、乗りかごはセレコレの運転方式に従ってまず2階に着床するが、2階で乗りかご内に多数の利用者が乗り込んだ結果、乗りかごが満員状態となると、かご呼びの行き先階として3階が指定されていない限り、2階よりも3階のほうが先にホール呼び登録されているにも関わらず、乗りかごは3階を通過してしまうことになる。
その後、かご呼びへの応答により乗りかごの満員状態が解消されると、乗りかごは上方向のホール呼びやかご呼びに順次応答し、上方向のホール呼びやかご呼びへの応答が全て終了すると下降運転に切り替わり、下方向のホール呼びやかご呼びに順次応答していく。そして、下方向のホール呼びやかご呼びへの応答が全て終了すると、再度、上昇運転に切り替わる。このとき、新たに2階で利用者による上方向のホール呼びが行われていると、乗りかごはまず2階に着床し、2階で待機している利用者を先に乗りかごに乗り込ませる。ここで、前記と同様に、2階で乗りかご内に多数の利用者が乗り込んだ結果、乗りかごが満員状態となると、かご呼びの行き先階として3階が指定されていない限り、乗りかごは再び3階を通過してしまうことになり、3階で待機している利用者の待機時間は極端に長くなってしまう。
ホールで待機する利用者の待機時間を低減させる技術としては、特許文献1に記載された技術が知られている。この特許文献1に記載の技術では、利用者のホールでの待ち時間を計測して、所定時間以上ホールで待機している利用者がいる場合には、当該利用者が待機している階床に乗りかごが到着するまでの間、満員判定のための閾値を下げることで乗りかご内のスペースを確保し、待機時間が長くなっている利用者を乗りかご内に確実に乗り込ませるようにしている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ホールで待機する利用者の待機時間が所定時間以上となった段階で満員判定の閾値を下げることによって、当該利用者が乗りかご内に確実に乗り込めるようにしているため、当該利用者がいる階床よりも乗りかごの現在位置に近い階床でのホール呼びの状況や、乗りかご内の空きスペースの状態によっては、当該利用者がいる階床に乗りかごが到着するまでの間にさらに時間がかかり、当該利用者の待機時間がさらに長くなることが懸念される。すなわち、所定時間以上待機している利用者がいる階床よりも乗りかごの現在位置に近い多数の階床で同一方向のホール呼びがあり、乗りかご内に多数の利用者が乗り込めるだけの十分なスペースが確保されている場合には、乗りかごは満員状態とは判定されず、乗りかごの現在位置に近い多数の階床でのホール呼びに順次応答した後に、所定時間以上待機している利用者がいる階床に到着することになる。このため、すでに所定時間以上待機している利用者は、乗りかごが到着するまでさらに長時間待機しなければならない場合があり、利用者の待機時間が極端に長くなってしまう懸念がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ホールで待機する利用者の待機時間が極端に長くなることを有効に防止して、エレベータの利便性を向上させることができるエレベータ運転制御装置及びエレベータ運転制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかるエレベータ運転制御装置は、エレベータの利用者がホール呼びボタンを操作することで入力されるホール呼び及びかご呼びボタンを操作することで入力されるかご呼びを登録する呼び登録手段と、前記ホール呼びの登録順序を記憶するホール呼び登録順序記憶手段と、登録された前記ホール呼び及び前記かご呼びと、乗りかごの現在位置及び移動方向と、前記乗りかご内の利用者収容状況とに基づいて、前記乗りかごを次に着床させる階床を決定する応答階床決定手段と、前記乗りかごを前記応答階床決定手段により決定された階床に移動させるための制御指令を出力する制御指令出力手段と、前記ホール呼びが入力された階床に前記乗りかごが着床せずに通過した場合に、通過階が発生したこと及び通過階となった階床を記憶する通過階記憶手段と、を備え、前記応答階床決定手段は、前の周回において前記通過階が発生した場合は、次の周回において、前記通過階となった階床のうちで前記ホール呼びの登録順序が最も早い階床を、前記乗りかごを最初に着床させる階床として決定することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明にかかるエレベータ運転制御方法は、エレベータの利用者がホール呼びボタンを操作することで入力されるホール呼び及びかご呼びボタンを操作することで入力されるかご呼びを登録するステップと、前記ホール呼びの登録順序を記憶するステップと、登録した前記ホール呼び及び前記かご呼びと、乗りかごの現在位置及び移動方向と、前記乗りかご内の利用者収容状況とに基づいて、前記乗りかごを次に着床させる階床を決定するステップと、次に着床させる階床として決定した階床に前記乗りかごを移動させるための制御指令を出力するステップと、前記ホール呼びが入力された階床に前記乗りかごが着床せずに通過した場合に、通過階が発生したこと及び通過階となった階床を記憶するステップと、を備え、前記乗りかごを次に着床させる階床を決定するステップでは、前の周回において前記通過階が発生した場合は、次の周回において、前記通過階となった階床のうちで前記ホール呼びの登録順序が最も早い階床を、前記乗りかごを最初に着床させる階床として決定することを特徴とする。
本発明によれば、ホールで待機する利用者の待機時間が極端に長くなることを有効に防止することができ、エレベータの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるエレベータ運転制御装置及びエレベータ運転制御方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は本発明の一適用例を例示的に示したものであり、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態の構成要素は、当業者が容易に置換可能なもの或いは実質的に同一のものに適宜変更することができる。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明が適用されるエレベータの一例を示す概略構成図である。図1に示すエレベータは、建物の1階から5階の間で乗りかご1を昇降させて利用者を搬送するものであり、乗りかご1とつり合おもり2とをメインロープ3で連結し、電動機Mに連結された駆動綱車4およびそらせ車5にメインロープ3を架け渡して、電動機Mにより回転駆動される駆動綱車4とメインロープ3との間の摩擦力を利用して乗りかご1を昇降路6内で昇降させる、いわゆるトラクション方式のエレベータである。
図1は、本発明が適用されるエレベータの一例を示す概略構成図である。図1に示すエレベータは、建物の1階から5階の間で乗りかご1を昇降させて利用者を搬送するものであり、乗りかご1とつり合おもり2とをメインロープ3で連結し、電動機Mに連結された駆動綱車4およびそらせ車5にメインロープ3を架け渡して、電動機Mにより回転駆動される駆動綱車4とメインロープ3との間の摩擦力を利用して乗りかご1を昇降路6内で昇降させる、いわゆるトラクション方式のエレベータである。
建物の1階から5階の各階床の乗り場(ホール)H1〜H5には、ホール呼びボタン7a〜7eがそれぞれ設置されている。これらホール呼びボタン7a〜7eは、各階床のホールで利用者が方向を指定したホール呼びを行うために操作するボタンである。したがって、建物の最下階となる1階のホールH1に設置されるホール呼びボタン7aは、利用者の行き先の方向が上方向のみとなるため上方向のホール呼びを行うボタンのみで構成され、建物の最上階となる5階のホールH5に設置されるホール呼びボタン7eは、利用者の行き先の方向が下方向のみとなるため下方向のホール呼びを行うボタンのみで構成される。また、中間階となる2階から4階のホールH2〜H4に設置されるホール呼びボタン7b〜7dは、上方向のホール呼びを行うためのボタンと、下方向のホール呼びを行うためのボタンとを組み合わせて構成される。
乗りかご1の内部には、乗りかご1内に乗り込んだ利用者がかご呼びを行うために操作するかご呼びボタン8が設置されている。かご呼びボタン8は、乗りかご1内に乗り込んだ利用者が行き先階を指定したかご呼びを行えるようにするために、1階から5階の各階床に対応したボタンを組み合わせて構成される。また、乗りかご1には、乗りかご1の積載荷重を検知する荷重センサ9と、乗りかご1の現在位置を検出する位置検出器10とが設置されている。位置検出器10は、例えば、図示しないガイドレールに沿って転動するローラの回転に応じてエンコーダから出力されるパルスをもとに乗りかご1の位置を検出する検出器など、乗りかご1の位置を検出する検出器として公知のものをいずれも利用可能である。
乗りかご1が昇降する昇降路6の上部には、機械室11が設けられている。この機械室11内には、上記の電動機Mや駆動綱車4、そらせ車5などとともにエレベータ制御盤12が設置されている。エレベータ制御盤12は、エレベータ全体の動作を統括的に制御するものであり、上述したホール呼びボタン7a〜7eやかご呼びボタン8、荷重センサ9、位置検出器10は、このエレベータ制御盤12に接続されている。本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置は、このエレベータ制御盤12の一機能として実現される。
図2は、本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置100の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置100は、図2に示すように、ホール呼びボタン制御部101、かご呼びボタン制御部102、呼び登録部103、ホール呼び登録順序記憶部104、満員状態判定部105、かご位置・方向認識部106、応答階床決定部107、制御指令出力部108、通過階記憶部109の各機能構成を備える。これらの機能構成は、例えば、エレベータ制御盤12のプログラムROMなどに格納されたプログラムが演算装置(CPU)によって読み出され、エレベータ制御盤12のメインメモリ上にロードされることによって実現される。
ホール呼びボタン制御部101は、利用者によりホール呼びボタン7a〜7eのいずれかが操作されたときに、操作されたホール呼びボタンに対応するホール呼びを受け付けて呼び登録部103に出力するとともに、操作されたホール呼びボタンを点灯させることで、ホール呼びが登録されたことを利用者に報知する制御を行う。また、ホール呼びボタン制御部101は、ホール呼びへの応答により乗りかご1がホール呼びのあった階床に着床した場合には、操作された当該階床のホール呼びボタンを消灯させる制御を行う。
かご呼びボタン制御部102は、乗りかご1内に乗り込んだ利用者によりかご呼びボタン8が操作されたときに、かご呼びを受け付けて呼び登録部103に出力するとともに、かご呼びボタン8を点灯させることで、かご呼びが登録されたことを利用者に報知する制御を行う。また、かご呼びボタン制御部102は、かご呼びへの応答により乗りかご1がかご呼びで指定された階床に着床した場合には、かご呼びボタン8を消灯させる制御を行う。
呼び登録部103は、ホール呼びボタン制御部101から利用者のボタン操作に応じたホール呼びが入力されるたびに、このホール呼びを登録するとともに、かご呼びボタン制御部102から利用者のボタン操作に応じたかご呼びが入力されるたびに、このかご呼びを登録する。ここで、ホール呼びやかご呼びの登録とは、ホール呼びであればホール呼びのあった階床と呼びの方向、かご呼びであれば指定された行き先階をそれぞれ記憶する処理をいう。また、呼びへの応答とは、ホール呼びのあった階床やかご呼びで指定された行き先階に乗りかご1を着床させることをいう。呼び登録部103により登録されたホール呼び及びかご呼びは、呼びに対して応答が行われた時点で消去される。
ホール呼び登録順序記憶部104は、呼び登録部103に登録されたホール呼びの登録順序、つまり、未応答の状態にあるホール呼びが入力された順番を記憶する。
満員状態判定部105は、荷重センサ9により検出される乗りかご1の積載荷重を、乗りかご1の許容積載荷重に基づいて予め定められた閾値と比較し、乗りかご1の積載荷重が閾値を超えたか否かにより、乗りかご1が満員状態であるか否かを判定する。
かご位置・方向認識部106は、位置検出器10からの出力に基づいて、乗りかご1が現在、建物の1階から5階のいずれの階床に着床しているかを認識するとともに、直前の着床階床と現在の着床階床との位置関係および未応答の呼びの有無に基づいて、乗りかご1の移動方向を認識する。
応答階床決定部107は、呼び登録部103に登録されている未応答のホール呼び及びかご呼びと、かご位置・方向認識部106により認識された乗りかご1の現在位置及び移動方向と、満員状態判定部105による判定結果(乗りかご1が満員状態となっているか否か)とに基づいて、乗りかご1を次に着床させる階床(以下、応答階床という。)を決定する。具体的には、応答階床決定部107は、乗りかご1が満員状態ではない場合には、呼び登録部103に登録されている未応答のホール呼び及びかご呼びを確認し、乗りかご1の現在位置よりも移動方向前方側の階床であって、且つ、乗りかご1の移動方向と同一方向のホール呼びが入力された階床、或いは、かご呼びの行き先階として指定された階床のうち、乗りかご1の現在位置に最も近い階床を応答階床として決定する。なお、乗りかご1の移動方向前方側の階床とは、乗りかご1が上昇運転をしている場合は現在位置よりも上の階床であり、乗りかご1が下降運転をしている場合には現在位置よりも下の階床である。また、応答階床決定部107は、乗りかご1が満員状態となっている場合には、呼び登録部103に登録されている未応答のかご呼びを確認し、乗りかご1の現在位置よりも移動方向前方側の階床であって、かご呼びの行き先階として指定された階床のうちで乗りかご1の現在位置に最も近い階床を応答階床として決定する。
乗りかご1が満員状態となっている場合には、ホール呼びが入力された階床に乗りかご1を着床させても、ホールで待機する利用者を乗りかご1に乗り込ませることはできず、無駄な停止による時間的なロスが発生してしまう。そこで、応答階床決定部107は、乗りかご1が満員状態となっている場合には、かご呼びへの応答を優先的に行って乗りかご1の満員状態を解消させるべく、未応答のかご呼びの行き先階として指定された階床のうち、乗りかご1の現在位置に最も近い階床を応答階床として決定するようにしている。
このとき、応答階床として決定された階床よりも乗りかご1の現在位置に近い階床で乗りかご1の移動方向と同一方向のホール呼びが入力されており、このホール呼びが未応答のホール呼びとして呼び登録部103に登録されている場合、当該階床には乗りかご1が着床せずに、ホール呼びに未応答のまま通過することになる。乗りかご1が通過した階床での未応答のホール呼びに対しては、次の周回において応答することになるが、前の周回で通過した階床に次の周回において到達するまでの間に乗りかご1が再度満員状態となると、次の周回においても当該階床でのホール呼びに応答できずに、乗りかご1が当該階床を再度通過することになる。その結果、当該階床にてホール呼びを行った利用者の待機時間が極端に長くなってしまい、エレベータの利便性を著しく低下させる要因となる。
そこで、応答階床決定部107は、前の周回において未応答のホール呼びに応答せずに乗りかご1が通過した階床(以下、通過階という。)が発生した場合には、次の周回において、通過階となった階床のうちで、ホール呼びの登録順序が最も早い階床を、乗りかご1を最初に着床させる階床(最初の応答階床)として決定するようにしている。具体的には、応答階床決定部107は、ある周回において通過階が発生した場合、通過階が発生した旨の情報と通過階となった階床の階床番号とを、通過階記憶部109に記憶させておく。そして、応答階床決定部107は、次の周回において最初の応答階床を決定するときに、通過階記憶部109に記憶されている情報を確認して前の周回で通過階が発生しているか否かを判断し、前の周回で通過階が発生している場合には、その通過階を最初の応答階床として決定する。このとき、前の周回で複数の通過階が発生している場合には、応答階床決定部107は、ホール呼び登録順序記憶部104に記憶されている情報を確認してこれら複数の通過階でのホール呼びの登録順序を判断し、複数の通過階のうちで最も登録順序が早い階床を最初の応答階床として決定する。なお、エレベータの周回とは、乗りかご1の上昇と下降とを組み合わせた運転サイクルの1単位をいい、例えば、乗りかご1が上昇した後に運転方向を切替えて下降し、その後、運転方向が再度上昇に切り替わるまでの間の期間をいう。
制御指令出力部108は、応答階床決定部107により決定された応答階床に乗りかご1を移動させるための制御指令を出力する。具体的には、制御指令出力部108は、応答階床決定部107によって応答階床が決定されたときに、乗りかご1の現在位置から応答階床までの距離に応じて、乗りかご1の加速度及び減速度と乗りかご1の最高速度とを決定する。そして、これら乗りかご1の加速度、減速度、最高速度と移動距離から定まる移動パターンを求め、この移動パターンに従って乗りかご1が現在位置から応答階床へと移動するように、電動機Mに対して制御指令を出力する。
通過階記憶部109は、上述したように、ホール呼びが入力された階床に乗りかご1が着床せずに通過した場合に、通過階が発生した旨の情報と通過階となった階床の階床番号とを記憶する。
図3は、以上のように構成されるエレベータ運転制御装置100による一連の処理の概要を示すフローチャートである。以下、この図3のフローチャートに沿って、本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置100の動作について簡単に説明する。
まず、呼び登録部103が、ホール呼びボタン制御部101により入力されたホール呼びや、かご呼びボタン制御部102により入力されたかご呼びを登録する(ステップS1)。この呼び登録部103によるホール呼びやかご呼びの登録は、利用者によってホール呼びボタン7a〜7eのいずれかが操作された場合、あるいは、乗りかご1に乗り込んだ利用者によってかご呼びボタン8が操作された場合に、随時実行される処理である。
次に、ホール呼び登録順序記憶部104が、呼び登録部103に登録されたホール呼びの登録順序を記憶する(ステップS2)。このホール呼び登録順序記憶部104によるホール呼び登録順序の記憶は、呼び登録部103によってホール呼びが登録されるたびに実行される。
次に、応答階床決定部107が、呼び登録部103に登録されている未応答のホール呼び及びかご呼びと、かご位置・方向認識部106により認識された乗りかご1の現在位置及び移動方向と、満員状態判定部105による判定結果(乗りかご1が満員状態となっているか否か)とに基づいて、乗りかご1を次に着床させる応答階床を決定する(ステップS3)。なお、この応答階床決定部107による処理の具体的な内容については、詳細を後述する。
次に、制御指令出力部108が、応答階床決定部107により決定された階床に乗りかご1を移動させるための制御指令を生成して、生成した制御指令を電動機Mに対して出力する(ステップS4)。
図4及び図5は、図3のステップS3で実行される応答階床決定部107による処理の詳細を示すフローチャートであり、ある周回において乗りかご1の最初の応答階床を決定する際の処理の流れを図5、2回目以降の応答階床を決定する際の処理の流れを図4にそれぞれ示している。ここで、最初の応答階床を決定する処理は、前の周回での2回目以降の応答階床を決定する処理の結果と関連性を持つため、以下では、まず、図4のフローチャートに沿って2回目以降の応答階床を決定する際の応答階床決定部107による処理を説明した後、図5のフローチャートに沿って最初の応答階床を決定する際の応答階床決定部107による処理を説明する。
応答階床決定部107は、2回目以降の応答階床を決定する際には、図4に示すように、まずステップS101において、呼び登録部103に登録されている未応答のホール呼び及びかご呼びを確認し、ステップS102において、かご位置・方向認識部106により認識された乗りかご1の現在位置及び移動方向を確認する。
次に、応答階床決定部107は、ステップS103において、満員状態判定部105により乗りかご1が満員状態と判定されたかどうかを確認する。そして、乗りかご1が満員状態でないと判定されている場合はステップS104に進み、乗りかご1が満員状態と判定されている場合にはステップS105に進む。
乗りかご1が満員状態でないと判定されてステップS104に進んだ場合、応答階床決定部107は、ステップS104において、ステップS101で確認した未応答のホール呼びのうち、ステップS102で確認した乗りかご1の移動方向と同じ方向のホール呼びが入力された階床と、ステップS101で確認した未応答のかご呼びの行き先階として指定されている階床とを、応答階床の候補として選択する。そして、これらの候補の中から、ステップS102で確認した乗りかご1の現在位置よりも移動方向前方側の階床であって乗りかご1の現在位置に最も近い階床を応答階床として決定する。
一方、乗りかご1が満員状態と判定されてステップS105に進んだ場合、応答階床決定部107は、ステップS105において、ステップS101で確認した未応答のかご呼びの行き先階として指定されている階床を応答階床の候補として選択し、これらの候補の中から、ステップS102で確認した乗りかご1の現在位置よりも移動方向前方側の階床であって乗りかご1の現在位置に最も近い階床を応答階床として決定する。
次に、応答階床決定部107は、ステップS106において、ステップS105で未応答のかご呼びの行き先階として指定されている階床を応答階床に決定したことによって、未応答のホール呼びが入力された階床のいずれかが、乗りかご1が着床せずに通過する通過階となったかどうかを判定する。そして、応答階床決定部107は、未応答のホール呼びが入力された階床のいずれかが通過階となったと判定した場合には、ステップS107において、通過階が発生した旨の情報と、通過階となった階床の階床番号とを、通過階記憶部109に記憶させる処理を行う。
以上説明した図4のフローチャートで示す処理は、1つの周回の中で通過階でのホール呼びを除く全ての呼びに対する応答が終了して次の周回へと移行するまでの間、応答階床決定部107によって繰り返し実行される。そして、次の周回へと移行すると、応答階床決定部107は、図5のフローチャートで示す処理を実行して最初の応答階床を決定し、その後は再び図4のフローチャートで示す処理を繰り返し実行する。
最初の応答階床を決定する際には、応答階床決定部107は、図5に示すように、まずステップS201において、通過階記憶部109に記憶されている情報を確認し、前の周回において通過階が発生しているか否かを判定する。そして、前の周回において通過階が発生していないと判定した場合はステップS202に進み、前の周回において通過階が発生していると判定した場合にはステップS205に進む。
前の周回において通過階が発生していないと判定してステップS202に進んだ場合、応答階床決定部107は、ステップS202において、呼び登録部103に登録されている未応答のホール呼び及びかご呼びを確認し、ステップS203において、かご位置・方向認識部106により認識された乗りかご1の現在位置及び移動方向を確認する。
次に、応答階床決定部107は、ステップS204において、ステップ202で確認した未応答のホール呼びのうち、ステップS203で確認した乗りかご1の移動方向と同じ方向のホール呼びが入力された階床と、ステップS202で確認した未応答のかご呼びの行き先階として指定されている階床とを、応答階床の候補として選択する。そして、これらの候補の中から、ステップS203で確認した乗りかご1の現在位置よりも移動方向前方側の階床であって乗りかご1の現在位置に最も近い階床を最初の応答階床として決定する。
一方、ステップS201で前の周回において通過階が発生していると判定してステップS205に進んだ場合、応答階床決定部107は、ステップS205において、前の周回において複数の通過階が発生しているか否かを確認する。そして、前の周回において発生した通過階が1つであればステップS206に進み、前の周回において複数の通過階が発生している場合にはステップS207に進む。
前の周回において発生した通過階が1つであると判定してステップS206に進んだ場合、応答階床決定部107は、ステップS206において、当該通過階を最初の応答階床として決定する。
一方、前の周回において複数の通過階が発生していると判定してステップS207に進んだ場合、応答階床決定部107は、ステップS207において、ホール呼び登録順序記憶部104に記憶されているホール呼びの登録順序の情報を確認し、これら複数の通過階のうちで、ホール呼びの登録順序が最も早い階床を特定する。そして、応答階床決定部107は、ステップS208において、ステップS207で特定したホール呼びの登録順序が最も早い階床を、最初の応答階床として決定する。
次に、応答階床決定部107は、ステップS209において、ステップS206又はステップS208で前の周回の通過階を最初の応答階床に決定したことによって新たな通過階が発生するかどうかを判定する。そして、応答階床決定部107は、新たな通過階が発生すると判定した場合には、ステップS210において、通過階が発生した旨の情報と、通過階となった階床の階床番号とを、通過階記憶部109に記憶させる処理を行う。
その後、制御指令出力部108から出力される制御指令に従って電動機Mが駆動制御され、乗りかご1が最初の応答階床に着床すると、応答階床決定部107は、その周回の中で通過階でのホール呼びを除く全ての呼びに対する応答が終了して次の周回へと移行するまでの間、図4のフローチャートで示す処理を繰り返し実行する。そして、次の周回へと移行すると、応答階床決定部107は、再度図5のフローチャートで示す処理を実行して、次の周回における最初の応答階床を決定する。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置100によれば、前の周回において乗りかご1が満員状態となったために通過階が発生した場合に、次の周回においては前の周回での通過階を最初の応答階床として決定するようにしており、特に、前の周回において複数の通過階が発生した場合には、これら複数の通過階のうちでホール呼びの登録順序が最も早い階床を次の周回の最初の応答階床として決定して、乗りかご1を優先的に着床させるようにしている。したがって、ホールで待機する利用者の待機時間が極端に長くなることを有効に防止することができ、エレベータの利便性を向上させることができる。
<変形例>
上述したエレベータ運転制御装置100では、満員状態判定部105が、荷重センサ9により検出される乗りかご1の積載荷重を所定の閾値と比較することによって、乗りかご1が満員状態であるか否かを判定するようにしている。しかしながら、例えば、車椅子を使用する利用者が乗りかご1に乗り込んだ場合や、大きな荷物を持った利用者が乗りかご1に乗り込んだ場合などにおいては、乗りかご1の積載荷重が閾値未満であっても乗りかご1に新たに利用者が乗り込むスペースがない場合があり、このような場合には、乗りかご1が満員状態であると判定されることが望ましい。
上述したエレベータ運転制御装置100では、満員状態判定部105が、荷重センサ9により検出される乗りかご1の積載荷重を所定の閾値と比較することによって、乗りかご1が満員状態であるか否かを判定するようにしている。しかしながら、例えば、車椅子を使用する利用者が乗りかご1に乗り込んだ場合や、大きな荷物を持った利用者が乗りかご1に乗り込んだ場合などにおいては、乗りかご1の積載荷重が閾値未満であっても乗りかご1に新たに利用者が乗り込むスペースがない場合があり、このような場合には、乗りかご1が満員状態であると判定されることが望ましい。
そこで、図6に模式的に示すように、乗りかご1内の空きスペースを検知するための検知器13を乗りかご1に設置して、この検知器13の検知信号が満員状態判定部105に入力されるようにし、満員状態判定部105が、荷重センサ9により検出される乗りかご1の積載荷重と、検知器13により検知される乗りかご1内の空きスペースの有無とに基づいて、乗りかご1が満員状態であるか否かを判定するようにしてもよい。ここで、乗りかご1内の空きスペースを検知するための検知器13としては、例えばカメラや赤外線センサなど、空間を検知可能な公知のセンサを用いることができる。
以上のように、乗りかご1内の空きスペースを検知するための検知器13を設け、満員状態判定部105が、荷重センサ9により検出される乗りかご1の積載荷重と、検知器13により検知される乗りかご1内の空きスペースの有無とに基づいて、乗りかご1が満員状態であるか否かを判定するようにした場合には、乗りかご1の満員状態をより正確に判定することが可能となり、乗りかご1の無駄な停止による時間的なロスをさらに有効に低減させることができ、エレベータの利便性をさらに向上させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置について説明する。図7は、本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置200の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置200は、図7に示すように、第1の実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置100の構成(図2参照)に対して待機人数予測部201を付加した構成となっており、応答階床決定部107において応答階床を決定する具体的な処理の内容が、第1の実施の形態とは相違している。以下、第1の実施形態と共通する部分については重複した説明を省略し、本実施の形態に特徴的な部分についてのみ説明する。
次に、第2の実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置について説明する。図7は、本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置200の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置200は、図7に示すように、第1の実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置100の構成(図2参照)に対して待機人数予測部201を付加した構成となっており、応答階床決定部107において応答階床を決定する具体的な処理の内容が、第1の実施の形態とは相違している。以下、第1の実施形態と共通する部分については重複した説明を省略し、本実施の形態に特徴的な部分についてのみ説明する。
待機人数予測部201は、ホール呼びが入力された階床で待機する利用者の人数を予測する。具体的には、待機人数予測部201は、例えば、ホール呼び登録時からの経過時間とホールで待機する利用者の人数との関係を記述したテーブルを用いて、実際のホール呼びからの経過時間に応じた利用者の人数を予測する。待機人数の予測に用いるテーブルは、過去のホール呼び登録時からホール呼び応答までの経過時間と、ホール呼びの応答によって乗りかご1内に乗り込んだ利用者の人数(荷重センサ9の検出値から推定)とをそれぞれの階床ごとに集計することで作成されている。待機人数予測部201は、ある階床でホール呼びが入力された場合に、当該ホール呼びが呼び登録部103に登録されてからの経過時間を計測し、当該経過時間に対応する人数をテーブルから特定して、ホール呼びが入力された階床で待機する利用者の人数を予測する。なお、待機人数の予測に用いられるテーブルは、ホール呼びへの応答が行われるたびに、その情報を用いて随時更新されることが望ましい。
本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置200において、応答階床決定部107は、呼び登録部103に登録されている未応答のホール呼び及びかご呼びと、かご位置・方向認識部106により認識された乗りかご1の現在位置及び移動方向と、満員状態判定部105による判定結果(乗りかご1が満員状態となっているか否か)に加えて、ホール呼び登録順序記憶部104に記憶されている情報と、待機人数予測部201により予測されるホールでの利用者待機人数の情報も用いて、乗りかご1の応答階床を決定する。すなわち、応答階床決定部107は、乗りかご1が満員状態となっている場合には第1の実施の形態と同様に応答階床を決定するが、乗りかご1が満員状態ではない場合には、第1の実施の形態と同様に決定される応答階床がホール呼びが入力された階床であり、その階床で待機する利用者が乗りかご1に乗り込むと乗りかご1が満員状態となることが予測され、且つ、その階床よりもホール呼びの登録順序が早い他の階床が存在する場合は、その階床を前記通過階として、ホール呼びの登録順序が早い階床を優先的に応答階床として決定するようにしている。
図8は、本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置200において、応答階床決定部107により実行される処理の詳細を示すフローチャートであり、1つの周回において2回目以降の応答階床を決定する際の処理を示したものである。以下、この図8のフローチャートに沿って、応答階床決定部107により実行される処理の流れを説明する。なお、1つの周回における最初の応答階床を決定する処理については、第1の実施の形態で説明した処理(図5参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
応答階床決定部107は、まず、ステップS301において、呼び登録部103に登録されている未応答のホール呼び及びかご呼びを確認し、ステップS302において、かご位置・方向認識部106により認識された乗りかご1の現在位置及び移動方向を確認する。
次に、応答階床決定部107は、ステップS303において、満員状態判定部105により乗りかご1が満員状態と判定されたかどうかを確認する。そして、乗りかご1が満員状態でないと判定されている場合はステップS304に進み、乗りかご1が満員状態と判定されている場合にはステップS311に進む。
乗りかご1が満員状態でないと判定されてステップS304に進んだ場合、応答階床決定部107は、ステップS304において、乗りかご1の移動方向と同一方向の未応答のホール呼びが入力されている階床と、未応答のかご呼びの行き先階として指定されている階床のうちで、乗りかご1の現在位置よりも移動方向前方側の階床であって乗りかご1の現在位置に最も近い階床を、応答階床の候補として選択する。
次に、応答階床決定部107は、ステップS305において、ステップS304で応答階床の候補として選択した階床が、未応答のホール呼びが入力されている階床であるか、或いは、未応答のかご呼びの行き先階として指定されている階床であるかを判定する。そして、応答階床の候補として選択した階床が未応答のかご呼びの行き先階として指定される階床である場合には、ステップS310に進んで、応答階床の候補として選択した階床を応答階床として決定する。
一方、応答階床の候補として選択した階床が未応答のホール呼びが入力されている階床である場合には、応答階床決定部107は、ステップS306において、待機人数予測部201からの情報を用いて、応答階床の候補として選択した階床で待機する利用者が乗りかご1に乗り込むことによって、乗りかご1が満員状態になるか否かを判定する。そして、乗りかご1が満員状態にならないと判定した場合には、ステップS310に進んで、応答階床の候補として選択した階床を応答階床として決定する。
一方、応答階床の候補として選択した階床で利用者が乗りかご1に乗り込むと乗りかご1が満員状態になると判定した場合には、応答階床決定部107は、ステップS307において、ホール呼び登録順序記憶部104に記憶されているホール呼びの登録順序の情報を確認し、乗りかご1の移動方向前方側に、応答階床の候補として選択した階床でのホール呼びよりも登録順序の早い同一方向のホール呼びが入力されている階床があるかどうかを判定する。そして、このような階床が他になければステップS310に進み、応答階床の候補として選択した階床を応答階床として決定する。
一方、応答階床の候補として選択した階床でのホール呼びよりも登録順序の早いホール呼びが入力されている階床がある場合には、応答階床決定部107は、ステップS308において、応答階床の候補として選択した階床を通過階に決定し、ステップS309において、通過階が発生した旨の情報と、通過階となった階床の階床番号とを、通過階記憶部109に記憶させる処理を行う。そして、ステップS304に戻って、通過階に決定した階床を除く他の階床の中から、新たな応答階床の候補を選択する。そして、上記のステップS305以降の処理を繰り返し実行することで、ホール呼びの登録順序が早い階床が通過階とならないようにしながら、応答階床を決定する。
また、応答階床決定部107は、ステップS303で乗りかご1が満員状態と判定されてステップS311に進んだ場合、ステップS311において、ステップS301で確認した未応答のかご呼びの行き先階として指定されている階床の中から、ステップS302で確認した乗りかご1の現在位置よりも移動方向前方側の階床であって乗りかご1の現在位置に最も近い階床を応答階床として決定する。
次に、応答階床決定部107は、ステップS312において、ステップS311で未応答のかご呼びの行き先階として指定されている階床を応答階床に決定したことによって、未応答のホール呼びが入力された階床のいずれかが、乗りかご1が着床せずに通過する通過階となったかどうかを判定する。そして、応答階床決定部107は、未応答のホール呼びが入力された階床のいずれかが通過階となったと判定した場合には、ステップS313において、通過階が発生した旨の情報と、通過階となった階床の階床番号とを、通過階記憶部109に記憶させる処理を行う。
以上説明した図8のフローチャートで示す処理は、1つの周回の中で通過階でのホール呼びを除く全ての呼びに対する応答が終了して次の周回へと移行するまでの間、応答階床決定部107によって繰り返し実行される。そして、次の周回へと移行すると、応答階床決定部107は、第1の実施の形態で説明したように、図5のフローチャートで示した処理を実行して最初の応答階床を決定し、その後は再び図8のフローチャートで示す処理を繰り返し実行する。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置200によれば、第1の実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置100と同様に、前の周回において乗りかご1が満員状態となったために通過階が発生した場合に、次の周回においては前の周回での通過階を最初の応答階床として決定するようにしており、特に、前の周回において複数の通過階が発生した場合には、これら複数の通過階のうちでホール呼びの登録順序が最も早い階床を次の周回の最初の応答階床として決定して、乗りかご1を優先的に着床させるようにしている。したがって、ホールで待機する利用者の待機時間が極端に長くなることを有効に防止することができ、エレベータの利便性を向上させることができる。
また、特に本実施の形態にかかるエレベータ運転制御装置200では、ホール呼びの登録順序が遅い階床で乗りかご1に利用者が乗り込むことにより乗りかご1が満員状態となり、その結果、ホール呼びの登録順序が早い階床が通過階となってしまうことが予測される場合には、ホール呼びの登録順序が遅い階床を通過階として、ホール呼びの登録順序が早い階床に乗りかご1を優先的に着床させるようにしているので、ホールで待機する利用者の待機時間をより平準化させることができ、エレベータの利便性をさらに向上させることができる。
<変形例>
上述したエレベータ運転制御装置200では、待機人数予測部201が、ホール呼び登録時からの経過時間とホールで待機する利用者の人数との関係を記述したテーブルを用いて待機人数を予測するようにしている。しかしながら、この待機人数の予測に用いるテーブルは、過去のホール呼び登録時からホール呼び応答までの経過時間と、ホール呼びの応答によって乗りかご1内に乗り込んだ利用者の人数をそれぞれの階床ごとに集計することによって作成されているため、予測の誤差が比較的大きくなる傾向にある。
上述したエレベータ運転制御装置200では、待機人数予測部201が、ホール呼び登録時からの経過時間とホールで待機する利用者の人数との関係を記述したテーブルを用いて待機人数を予測するようにしている。しかしながら、この待機人数の予測に用いるテーブルは、過去のホール呼び登録時からホール呼び応答までの経過時間と、ホール呼びの応答によって乗りかご1内に乗り込んだ利用者の人数をそれぞれの階床ごとに集計することによって作成されているため、予測の誤差が比較的大きくなる傾向にある。
そこで、図9に模式的に示すように、各階床のホールに設置するホール呼びボタン7a〜7eとして、行き先階を指定するための複数のボタンを組み合わせたものを用い、待機人数予測部201が、それぞれの階床ごとに、ホール呼びから応答までの間のホール呼びボタン7a〜7eの操作回数を集計することによって、待機人数を予測するようにしてもよい。つまり、ホール呼びボタンとして行き先階を指定するための複数のボタンを組み合わせたものを用いた場合、先にホール呼びを行って待機している別の利用者がいる場合でも、後からホールに到着した利用者が行き先階に対応したボタンを操作することになり、ボタンの操作回数が待機人数とほぼ一致することとなる。したがって、待機人数予測部201は、ホール呼びボタン制御部101によって受け付けられた各階床におけるホール呼びボタン7a〜7eを集計することで、各階床における待機人数を正確に予測することが可能となる。
以上のように、ホール呼びボタン7a〜7eとして行き先階を指定するための複数のボタンを組み合わせたものを用い、待機人数予測部201が、ホール呼びボタン7a〜7eの操作回数を集計することで各階床における待機人数を予測するようにした場合には、各階床における待機人数を正確に予測できるので、ホール呼びの登録順序が遅い階床を通過階とするかどうかの判断をより適切に行うことが可能となり、エレベータの利便性をさらに向上させることができる。
以上のように、本発明にかかるエレベータ運転制御装置及びエレベータ運転制御方法は、ホールで待機する利用者の待機時間を低減させる技術として有用である。
1 乗りかご
7a〜7e ホール呼びボタン
8 かご呼びボタン
9 荷重センサ
10 位置検出器
12 エレベータ制御盤
13 検知器
100 エレベータ運転制御装置
103 呼び登録部
104 ホール呼び登録順序記憶部
105 満員状態判定部
106 かご位置・方向認識部
107 応答階床決定部
108 制御指令出力部
200 エレベータ運転制御装置
201 待機人数予測部
7a〜7e ホール呼びボタン
8 かご呼びボタン
9 荷重センサ
10 位置検出器
12 エレベータ制御盤
13 検知器
100 エレベータ運転制御装置
103 呼び登録部
104 ホール呼び登録順序記憶部
105 満員状態判定部
106 かご位置・方向認識部
107 応答階床決定部
108 制御指令出力部
200 エレベータ運転制御装置
201 待機人数予測部
Claims (8)
- エレベータの利用者がホール呼びボタンを操作することで入力されるホール呼び及びかご呼びボタンを操作することで入力されるかご呼びを登録する呼び登録手段と、
前記ホール呼びの登録順序を記憶するホール呼び登録順序記憶手段と、
登録された前記ホール呼び及び前記かご呼びと、乗りかごの現在位置及び移動方向と、前記乗りかご内の利用者収容状況とに基づいて、前記乗りかごを次に着床させる階床を決定する応答階床決定手段と、
前記乗りかごを前記応答階床決定手段により決定された階床に移動させるための制御指令を出力する制御指令出力手段と、
前記ホール呼びが入力された階床に前記乗りかごが着床せずに通過した場合に、通過階が発生したこと及び通過階となった階床を記憶する通過階記憶手段と、を備え、
前記応答階床決定手段は、前の周回において前記通過階が発生した場合は、次の周回において、前記通過階となった階床のうちで前記ホール呼びの登録順序が最も早い階床を、前記乗りかごを最初に着床させる階床として決定することを特徴とするエレベータ運転制御装置。 - 前記乗りかごが満員状態であるか否かを判定する満員判定手段をさらに備え、
前記応答階床決定手段は、前記乗りかごが満員状態と判定された場合に、前記乗りかごの移動方向前方側の階床であって前記かご呼びの行き先階として指定された階床のうちで前記乗りかごの現在位置に最も近い階床を、前記乗りかごを次に着床させる階床として決定し、前の周回において前記乗りかごが満員状態となったことにより前記ホール呼びが入力された階床を前記通過階とした場合は、次の周回において、前記通過階となった階床のうちで前記ホール呼びの登録順序が最も早い階床を、前記乗りかごを最初に着床させる階床として決定することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ運転制御装置。 - 前記乗りかごの積載荷重を検知する荷重検知手段をさらに備え、
前記満員判定手段は、前記乗りかごの積載過重に基づいて前記乗りかごが満員状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のエレベータ運転制御装置。 - 前記乗りかご内の空きスペースを検知する空きスペース検知手段をさらに備え、
前記満員判定手段は、前記乗りかごの積載荷重と空きスペースの有無とに基づいて前記乗りかごが満員状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載のエレベータ運転制御装置。 - 前記ホール呼びが入力された階床で待機する利用者の人数を予測する待機人数予測手段をさらに備え、
前記応答階床決定手段は、前記乗りかごの移動方向前方側の階床であって前記乗りかごの移動方向と同一方向のホール呼びが入力された階床のうちで前記乗りかごの現在位置に最も近い階床を、前記乗りかごを次に着床させる階床とした場合に、当該階床で待機する利用者が前記乗りかごに乗り込むことにより前記乗りかごが満員状態となることが予測され、且つ、当該階床よりも前記ホール呼びの登録順序が早い他の階床が存在する場合は、当該階床を前記通過階とし、前の周回において前記乗りかごが満員状態となると予測されたことにより前記ホール呼びが入力された階床を前記通過階とした場合は、次の周回において、前記通過階となった階床のうちで前記ホール呼びの登録順序が最も早い階床を、前記乗りかごを最初に着床させる階床として決定することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ運転制御装置。 - 前記待機人数予測手段は、前記ホール呼びが登録されたときからの経過時間に基づいて、前記ホール呼びが入力された階床で待機する利用者の人数を予測することを特徴とする請求項5に記載のエレベータ運転制御装置。
- 前記ホール呼びボタンは、行き先階を指定するための複数のボタンを組み合わせて構成されており、
前記待機人数予測手段は、前記ホール呼びボタンの操作回数を集計することで、前記ホール呼びが入力された階床で待機する利用者の人数を予測することを特徴とする請求項5に記載のエレベータ運転制御装置。 - エレベータの利用者がホール呼びボタンを操作することで入力されるホール呼び及びかご呼びボタンを操作することで入力されるかご呼びを登録するステップと、
前記ホール呼びの登録順序を記憶するステップと、
登録した前記ホール呼び及び前記かご呼びと、乗りかごの現在位置及び移動方向と、前記乗りかご内の利用者収容状況とに基づいて、前記乗りかごを次に着床させる階床を決定するステップと、
次に着床させる階床として決定した階床に前記乗りかごを移動させるための制御指令を出力するステップと、
前記ホール呼びが入力された階床に前記乗りかごが着床せずに通過した場合に、通過階が発生したこと及び通過階となった階床を記憶するステップと、を備え、
前記乗りかごを次に着床させる階床を決定するステップでは、前の周回において前記通過階が発生した場合は、次の周回において、前記通過階となった階床のうちで前記ホール呼びの登録順序が最も早い階床を、前記乗りかごを最初に着床させる階床として決定することを特徴とするエレベータ運転制御方法。
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JP2009293123A JP2011131997A (ja) | 2009-12-24 | 2009-12-24 | エレベータ運転制御装置及びエレベータ運転制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112566860A (zh) * | 2018-08-06 | 2021-03-26 | 三菱电机株式会社 | 运行管理装置以及运行管理程序 |
KR20210055500A (ko) * | 2019-11-07 | 2021-05-17 | 현대엘리베이터주식회사 | 선입선출 방식에 기초한 엘리베이터 제어 방법 |
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-
2009
- 2009-12-24 JP JP2009293123A patent/JP2011131997A/ja active Pending
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