JP2011123091A - 直線駆動装置および光学素子駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない部品点数で、横振れなどが発生しにくく、かつ、付勢部材に起因するストロークの制限を最小限に抑えることのできる直線駆動装置、および光学素子駆動装置を提供すること。
【解決手段】直線駆動装置1は、固定体2と、固定体2に対して移動方向Lに沿って直線的に往復移動する可動体3を備える。可動体3は、固定体2における移動方向Lの両端に形成されている支持部5、6の間に配置され、一方の端面3Aが、2枚の板バネ部7A、7Bを断面V字状に接合したV字状弾性部7Cを備える第1付勢部材7を介して支持部5に固定され、他方の端面3bが、第1付勢部材7と同一構成の第2付勢部材8を介して支持部6に固定される。第2付勢部材8は、移動方向Lと直交する対称軸M1に対して第1付勢部材と対称に配置される。第1付勢部材7のV字状弾性部7CにおけるV字開口と、第2付勢部材8の弾性部8CにおけるV字開口とが同一の側を向いている。
【選択図】図1
【解決手段】直線駆動装置1は、固定体2と、固定体2に対して移動方向Lに沿って直線的に往復移動する可動体3を備える。可動体3は、固定体2における移動方向Lの両端に形成されている支持部5、6の間に配置され、一方の端面3Aが、2枚の板バネ部7A、7Bを断面V字状に接合したV字状弾性部7Cを備える第1付勢部材7を介して支持部5に固定され、他方の端面3bが、第1付勢部材7と同一構成の第2付勢部材8を介して支持部6に固定される。第2付勢部材8は、移動方向Lと直交する対称軸M1に対して第1付勢部材と対称に配置される。第1付勢部材7のV字状弾性部7CにおけるV字開口と、第2付勢部材8の弾性部8CにおけるV字開口とが同一の側を向いている。
【選択図】図1
Description
本発明は、固定体に対して可動体を直線的に移動させる直線駆動装置、および当該直線駆動装置を備えた光学素子駆動装置に関するものである。
ズームレンズやコリメータレンズ等の光学素子を保持した可動体を直線的に往復動作させる光学素子駆動装置等に用いられる直線駆動装置として、モータを利用したものを挙げることができる(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の直線駆動装置では、モータの出力軸と並列するようにガイド軸および回り止め軸を設け、可動体は、モータの出力軸と係合するラック部、ガイド軸と係合するガイド軸受部、回り止め軸と係合する回り止め軸受け部、およびレンズ保持枠を備えている。ここで、回り止め軸には、コイルバネが同軸状に取り付けられている。コイルバネは、回り止め軸受け部を回り止め軸の一端側に向けて付勢することにより、レンズ保持部に回転モーメントを発生させる。従って、コイルバネの付勢力により、ガイド軸受け部とガイド軸とは一定の接触状態を保って摺動し、回り止め軸受け部と回り止め軸とは一定の接触状態を保って摺動する。
しかしながら、特許文献1に記載のステッピングモータを用いた直線駆動装置(光学素子駆動装置)では、部品点数が多いため、小型化や低コスト化等が困難であるという問題点がある。
ここに本発明者は、可動体および固定体のうちの一方に設けた磁石と、他方に設けたコイルとを対向させた磁気駆動機構によって可動体を駆動する方式を提案するものである。また、可動体に対して、磁気駆動機構の推力に抗する付勢力を発生させる付勢部材を設け、磁気駆動機構の推力と付勢部材の付勢力とが釣り合った位置で可動体を停止させることを提案するものである。
しかしながら、このような方式を採用するにあたって、付勢部材として、特許文献1に記載されているようなコイルバネを用いると、可動体が移動方向に交差する横方向の変位を避けることができず、特許文献1に記載されているように、ガイド軸を利用したガイド機構が必要となる。その結果、装置の部品点数が多くなってしまうという問題点がある。さらに、コイルバネは、最大限まで圧縮したときでも、巻き数×線径を超える長さ寸法を有することになるため、その分、可動体のストロークが削られてしまい、ストロークを大きくできないという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、少ない部品点数で、横振れが発生しにくく、かつ、付勢部材に起因するストロークの制限を最小限に抑えることのできる直線駆動装置、および当該直線駆動装置を備えた光学素子駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、可動体を固定体に対して直線的に移動させる直線駆動装置であって、前記固定体側および前記可動体側のうちの一方側に設けられた永久磁石体、および他方側に設けられた駆動コイルを備えた磁気駆動機構と、前記可動体の移動方向に弾性変形可能な板バネ部をもって、前記移動方向の一方側で前記可動体に一方側端部が固定され、前記固定体に他方側端部が固定された第1付勢部材と、前記移動方向に弾性変形可能な板バネ部をもって、前記移動方向の他方側で前記可動体に一方側端部が固定され、前記固定体に他方側端部が固定された第2付勢部材と、を有していることを特徴とする。
本発明では、可動体および固定体のうちの一方に設けた永久磁石体と、他方に設けたコイルとを対向させた磁気駆動機構によって可動体を駆動するため、モータを用いた場合と比較して、部品点数が少なく済む。従って、小型化や低コスト化等を図ることができる。また、可動体に対して、第1付勢部材および第2付勢部材を設け、かかる付勢部材は、磁気駆動機構の推力に抗する付勢力を発生させる。このため、磁気駆動機構の推力と付勢部材の付勢力とが釣り合った位置で可動体を停止させることができる。また、可動体には付勢部材の付勢力が作用しているため、可動体は不用意に移動方向に変位することがない。さらに、第1付勢部材および第2付勢部材は、板バネ部を備えており、かかる板バネ部は、可動体の移動方向に弾性変形し、移動方向と直交する方向には変形しにくい。このため、可動体に対してガイド機構を設けなくても、可動体に移動方向と直交する方向への変位や傾きが発生しにくい。さらにまた、第1付勢部材および第2付勢部材は、板バネ部の板厚に相当する厚さ寸法まで縮まるため、付勢部材に起因する可動体のストロークの制限を最小限に抑えることができる。
本発明において、前記第1付勢部材および前記第2付勢部材は各々、2つの前記板バネ部が一方の端部同士で連結されてなるV字状弾性部を備えていることが好ましい。かかる構成を採用すると、可動体を駆動した際、可動体が移動方向と直交する方向に変位する量を小さくすることができる。すなわち、可動体を駆動した際、板バネ部が変形するとともに、V字状弾性部の折り返し部分は、移動方向と直交する方向に変位して可動体を移動方向と直交する方向に変位させようとする力や可動体を傾かせようとする力を吸収する。このため、可動体を駆動した際、可動体に移動方向と直交する方向への変位や傾きが発生しにくい。この場合でも、第1付勢部材および第2付勢部材は、板バネ部の板厚の総和に相当する厚さ寸法まで縮まるため、付勢部材に起因する可動体のストロークの制限を最小限に抑えることができる。それ故、コイルバネを用いた場合よりも可動体のストロークを格段に延長することができる。
本発明において、前記V字状弾性部は、前記2つの板バネ部を構成する2枚の板状部材の一方の端部同士を接合してなることが好ましい。このように構成すると、1枚の板状部材を折り曲げてV字状弾性部を形成する場合よりもV字状弾性部を備えた付勢部材を効率よく製作することができると共に、鋭角になったV字状弾性部の根元部分を塑性変形しにくくすることができる。
本発明において、前記第1付勢部材は、前記可動体と、前記固定体において当該可動体に対して前記移動方向の一方側で対向する部分との間に設けられ、前記第2付勢部材は、前記可動体と、前記固定体において当該可動体に対して前記移動方向の他方側で対向する部分との間に設けられている構成を採用することができる。第1付勢部材および第2付勢部材は、バネ部分の板厚の総和に相当する厚さ寸法まで縮まるため、可動体と、固定体において可動体に対して移動方向で対向する部分との間に設けた場合でも、可動体に長いストロークを確保することができる。
本発明において、前記第1付勢部材と前記第2付勢部材とは、前記移動方向と直交する仮想線を中心にして対称に構成されていることが好ましい。例えば、前記第1付勢部材および前記第2付勢部材は各々、前記V字状弾性部を1箇所備え、前記第1付勢部材における前記V字状弾性部のV字開口と、前記第2付勢部材における前記V字状弾性部のV字開口は、前記移動方向に交差する方向において同一の側を向いていることが好ましい。可動体を駆動した際、第1付勢部材および第2付勢部材の一方は伸長し、他方は収縮する。その際、V字状弾性部の折り返し部分は、移動方向と直交する方向に変位して可動体を移動方向と直交する方向に変位させようとする力を吸収するが、V字状弾性部の折り返し部分が変位する方向は、第1付勢部材と第2付勢部材との間で逆となる。このため、可動体が移動方向と直交する方向に変位しようとするのを確実に抑制することができる。
本発明において、前記板バネ部の長さ方向の中心位置は、前記可動体が前記移動方向の原点位置にある状態で、前記可動体の中心位置を通って前記移動方向と平行に延在する仮想線上に位置することが好ましい。このように構成すると、可動体を駆動した際、可動体に移動方向と直交する方向への変位や傾きが発生しにくい。
本発明において、前記第1付勢部材の前記可動体に対する固定部、および前記第2付勢部材の前記可動体に対する固定部は、前記移動方向と平行な共通の仮想線上に位置することが好ましい。このように構成すると、可動体を傾かせるようなモーメントが発生しにくい。また、このとき、前記共通の仮想線は、前記可動体の中心から一方にずれており、前記可動体に対する部材の搭載部は、前記可動体の中心に対して、前記共通の仮想線が位置する側に設けられていることが望ましい。例えば、前記第1付勢部材におけるV字状弾性部と前記第2付勢部材におけるV字状弾性部とが同一の側を向いている場合には、前記可動体に対する部材の搭載部が、各付勢部材の板バネ部における前記可動体に対する固定部側の付け根の方向に配置されていることが望ましい。このように構成すると、可動体と両側の付勢部材との固定部である両側の板バネ部の付け根を支点として、可動体と可動体に対する部材の搭載部との重量の偏りが抑えられる。よって、可動体を傾かせるようなモーメントが発生しにくい。
本発明において、前記板バネ部には、前記移動方向で貫通する貫通穴が形成されており、前記駆動コイルは、前記可動体の側において前記移動方向に開口を向ける筒状コイルであり、前記永久磁石体は、前記駆動コイルの内側および前記貫通穴を通って前記移動方向に延在して、前記駆動コイルの端部から前記移動方向で突出した部分が前記固定体に保持されていることが好ましい。このように構成すると、永久磁石体を駆動コイルの内側に配置して駆動コイルに鎖交する磁界を効率よく発生させることができるとともに、このように磁気駆動機構を構成しても、可動体の移動方向の両側に第1付勢部材および第2付勢部材を設けることができる。
本発明において、前記板バネ部の長さ方向の中心は、前記可動体が前記移動方向の原点位置にある状態で、前記筒状コイルの中心軸線上に位置していることが好ましい。このように構成すると、可動体を駆動した際、可動体に移動方向と直交する方向への変位や傾きが発生しにくい。
本発明において、前記第1付勢部材および前記第2付勢部材は各々、導電性を備え、前記駆動コイルに対する給電部材として用いられていることが好ましい。このように構成すると、新たな部材を設けることなく、可動体に設けた駆動コイルに給電を行うことができる。
本発明を適用した直線駆動装置は、例えば光学素子駆動装置に用いることができ、この場合、前記可動部には、光学素子を保持する部材保持部が設けられていることになる。
本発明では、可動体および固定体のうちの一方に設けた永久磁石体と、他方に設けたコイルとを対向させた磁気駆動機構によって可動体を駆動するため、モータを用いた場合と比較して、部品点数が少なく済む。従って、小型化や低コスト化等を図ることができる。また、可動体に対して、第1付勢部材および第2付勢部材を設け、かかる付勢部材は、磁気駆動機構の推力に抗する付勢力を発生させる。このため、磁気駆動機構の推力と付勢部材の付勢力とが釣り合った位置で可動体を停止させることができる。また、可動体には付勢部材の付勢力が作用しているため、可動体は不用意に移動方向に変位することがない。さらに、第1付勢部材および第2付勢部材は、板バネ部を備えており、かかる板バネ部は、可動体の移動方向に弾性変形し、移動方向と直交する方向には変形しにくい。このため、可動体に対してガイド機構を設けなくても、可動体に移動方向と直交する方向への変位や傾きが発生しにくい。さらにまた、第1付勢部材および第2付勢部材は、板バネ部の板厚に相当する厚さ寸法まで縮まるため、付勢部材に起因する可動体のストロークの制限を最小限に抑えることができる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、本発明を適用した直線駆動装置を光学素子駆動装置に用いた場合を中心に説明する。また、以下の説明では、互いに直交する3方向をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向とし、X軸方向を可動体の移動方向Lとして説明する。
[直線駆動装置]
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る直線駆動装置の基本的な構成を模式的に示す説明図である。図1に示す直線駆動装置1は、固定体2と、可動体3と、可動体3を固定体2に対して移動方向L(X軸方向)に沿って直線的に往復移動させる磁気駆動機構(矢印Fで示す)とを備えており、本形態において、磁気駆動機構は、固定体2および可動体3のうちの一方に設けられた永久磁石体(図示せず)と、他方に設けられた駆動コイル(図示せず)とを備えている。
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る直線駆動装置の基本的な構成を模式的に示す説明図である。図1に示す直線駆動装置1は、固定体2と、可動体3と、可動体3を固定体2に対して移動方向L(X軸方向)に沿って直線的に往復移動させる磁気駆動機構(矢印Fで示す)とを備えており、本形態において、磁気駆動機構は、固定体2および可動体3のうちの一方に設けられた永久磁石体(図示せず)と、他方に設けられた駆動コイル(図示せず)とを備えている。
固定体2は、移動方向Lに沿って延在する本体部4と、本体部4において移動方向L(X軸方向)の両端に設けられた支持部5、6とを備えている。本体部4は、可動体3に対してY軸方向およびZ軸方向で隣り合う位置でX軸方向に延在する枠体であり、この枠体の両端に設けられた端板が支持部5、6として利用されている。可動体3は、移動方向Lにおいて支持部5、6の間に配置されており、移動方向Lに沿って、支持部5、可動体3および支持部6がこの順に配置されている。
本形態の直線駆動装置1において、可動体3は、移動方向Lの一方側に位置する端面3Aが第1付勢部材7を介して支持部5に支持され、他方側の端面3Bは、第2付勢部材8を介して支持部6に支持されている。
(付勢部材の構成)
図2は、本発明の実施形態に係る直線駆動装置に用いた付勢部材の説明図であり、図2(a)、(b)、(c)は、付勢部材の斜視図、付勢部材を構成する金属板の説明図、および付勢部材の機能を示す説明図である。
図2は、本発明の実施形態に係る直線駆動装置に用いた付勢部材の説明図であり、図2(a)、(b)、(c)は、付勢部材の斜視図、付勢部材を構成する金属板の説明図、および付勢部材の機能を示す説明図である。
本形態の直線駆動装置1において、第1付勢部材7は、移動方向Lに対して交差する方向に延在する2つの板バネ部7A、7Bの一方の端部同士が連結されてなるV字状弾性部7Cを備えている。板バネ部7A、7Bは、移動方向Lに板厚方向を向けている。このため、板バネ部7A、7Bは、可動体3の移動方向L(板厚方向)に弾性変形可能であり、可動体3の移動方向Lに対して直交する方向(面内方向)へは弾性変形しにくい。かかる第1付勢部材7において、板バネ部7A、7Bの一方の端部同士の連結部分は折り返し部分7Dになっており、板バネ部7A、7Bは、折り返し部分7Dから互いに離間する方向に延在している。第1付勢部材7において、板バネ部7A、7BのV字開口側(開放端側)の先端部分には移動方向Lに直交する方向に屈曲した固定部7S、7Mが形成されており、固定部7S、7Mは平行である。
第1付勢部材7において一方の端部を構成する固定部7M(板バネ部7Aの先端部)は、可動体3の端面3Aのうち、Z軸方向の端部分(図1では左端部分)に固定され、第1付勢部材7において他方の端部を構成する固定部7S(板バネ部7Bの先端部)は、固定体2において端面3Aに対して移動方向Lで対向する支持部5の内面に固定されている。このようにして、第1付勢部材7は、V字状弾性部7Cの弾性変形方向と可動体3の移動方向Lとを一致させた状態で、可動体3と支持部5との間に取り付けられている。
なお、図1に示す形態では、端面3A、3Bおよび支持部5、6が、いずれも移動方向Lに対して垂直な面をなすように形成されているため、固定部7S、7Mを一対の平行な板状に形成したが、固定部7S、7Mはこのような形状に限定されない。すなわち、取り付け相手である端面3Aおよび支持部5の形状を変更した場合には、これに合わせて、適宜、固定部7S、7Mの形状を変更することができる。あるいは、固定部7Sを可動体3の側面に固定し、固定部7Mを本体部4の先端部分や側面などに固定してもよい。この場合には、支持部5を省略することもできる。
このような構成の第1付勢部材7は、図2(a)、(b)に示すように、板バネ部7B、7Aを構成する2枚の金属板91、92(板状部材)の両側の端部911、912、921、922を端部911、912同士および端部921、922同士が平行になるように折り曲げた後、金属板91の一方の端部911と金属板92の一方の端部921とをスポット溶接あるいはレーザー溶接などにより接合することにより、製造される。すなわち、金属板92の端部922によって固定部7Mが形成され、金属板91の端部912によって固定部7Sが形成される。また、金属板91、92の一方の端部911、921同士の接合部分によって折り返し部分7Dが形成される。また、金属板91、92において端部911、912、921、922の間に相当する部分によって板バネ部7B、7Aが構成される。
再び図1において、第2付勢部材8は、第1付勢部材7と同一の構成の部材であり、第2付勢部材8は、可動体3の中心を通って移動方向Lと直交する対称軸M1に対して第1付勢部材と対称となるように配置されている。より具体的には、第2付勢部材8は、移動方向Lに対して交差する方向に延在する2つの板バネ部8A、8Bの一方の端部同士が連結されてなるV字状弾性部8Cを備えている。板バネ部8A、8Bは、移動方向Lに板厚方向を向けている。このため、板バネ部8A、8Bは、可動体3の移動方向L(板厚方向)に弾性変形可能であり、可動体3の移動方向Lに対して直交する方向(面内方向)へは弾性変形しにくい。かかる第2付勢部材8において、板バネ部8A、8Bの一方の端部同士の連結部分は折り返し部分8Dになっており、板バネ部8A、8Bは、折り返し部分8Dから互いに離間する方向に延在している。第2付勢部材8において、板バネ部8A、8BのV字開口側(開放端側)の先端部分には移動方向Lに直交する方向に屈曲した固定部8S、8Mが形成されており、固定部8S、8Mは平行である。
第2付勢部材8において一方の端部を構成する固定部8M(板バネ部8Aの先端部)は、可動体3の端面3Bのうち、Z軸方向の端部分(図1では左端部分)に固定され、第2付勢部材8において他方の端部を構成する固定部8S(板バネ部8Bの先端部)は、固定体2において端面3Bに対して移動方向Lで対向する支持部6の内面に固定されている。このようにして、第2付勢部材8は、V字状弾性部8Cの弾性変形方向と可動体3の移動方向Lとを一致させた状態で、可動体3と支持部6との間に取り付けられている。
このような構成の第2付勢部材8は、第1付勢部材7と同様、図2(a)、(b)に示すように、板バネ部8A、8Bを構成する2枚の金属板91、92の両側の端部911、912、921、922を端部911、912同士および端部921、922同士が平行になるように折り曲げた後、金属板91の一方の端部911と金属板92の一方の端部921とをスポット溶接あるいはレーザー溶接などにより接合することにより、製造される。すなわち、金属板92の端部922によって固定部8Sが形成され、金属板91の端部912によって固定部8Mが形成される。また、金属板91、92の端部911、921同士の接合部分によって折り返し部分8Dが形成される。また、金属板91、92において端部911、912、921、922の間に相当する部分によって板バネ部8A、8Bが構成される。
このように構成した第1付勢部材7および第2付勢部材8は、図2(c)に示すように、板バネ部7B、8Aからなるバネ96と、板バネ部7A、8Bからなるバネ97が直列に接続されたものと見なすことができる。
なお、第1付勢部材7および第2付勢部材8は、図8を参照して後述するように、板バネ部7A、7B、8A、8Bに一点鎖線で示す貫通穴が形成される場合があり、かかる構成の場合でも、板バネ部7A、7B、8A、8Bは、可動体3の移動方向L(板厚方向)に弾性変形可能、かつ、可動体3の移動方向Lに直交する方向(面内方向)には弾性変形しにくい構成となっている。
(動作)
図3は、本発明の実施形態に係る直線駆動装置1において可動体3を駆動した様子を示す説明図であり、図3(a)、(b)は各々、第1付勢部材7および第2付勢部材8においてV字開口を同一の側に向かせた場合の説明図、および第1付勢部材7および第2付勢部材8においてV字開口を互いに逆の側に向かせた場合の説明図である。
図3は、本発明の実施形態に係る直線駆動装置1において可動体3を駆動した様子を示す説明図であり、図3(a)、(b)は各々、第1付勢部材7および第2付勢部材8においてV字開口を同一の側に向かせた場合の説明図、および第1付勢部材7および第2付勢部材8においてV字開口を互いに逆の側に向かせた場合の説明図である。
図1に示す状態では、可動体3が支持部5、6の中間の位置(原点位置)に保持されている。この状態で、V字状弾性部7C、8Cは、例えばやや圧縮状態にあり、可動体3は、第1付勢部材7および第2付勢部材8によって移動方向Lの逆向きに付勢されて停止状態となる。なお、第1付勢部材7および第2付勢部材8は、原点位置において、V字状弾性部7C、8Cが無負荷状態となるように構成されることもある。また、V字状弾性部7C、8Cが伸長状態にあって、可動体3は、第1付勢部材7および第2付勢部材8によって移動方向Lの逆向きに付勢されて停止しているように構成されることもある。
この状態から、図3(a)に示すように、磁気駆動機構によって可動体3を移動方向L、例えば、支持部6が位置する側に向かって駆動すると、第2付勢部材8のV字状弾性部8Cがさらに圧縮された状態となり、板バネ部8A、8Bの弾性復帰力によって可動体3に移動方向Lに沿った付勢力(支持部5の側に向かう付勢力)が加わる。これに対して、第1付勢部材7のV字状弾性部7Cは伸長状態となり、板バネ部8A、8Bの弾性復帰力によって可動体3に移動方向Lに沿った上記と同一方向の付勢力(支持部5の側に向かう付勢力)が加わる。その結果、磁気駆動機構による推力と、第1付勢部材7および第2付勢部材8の付勢力(抗力)とが釣り合った位置で可動体3が停止する。
なお、図示を省略するが、図1に示す状態から、磁気駆動機構によって可動体3を支持部5の側に移動させた場合には、第1付勢部材7および第2付勢部材8から可動体3に、移動方向Lに沿った支持部6の側に向かう付勢力が加わる。その結果、磁気駆動機構による推力と、第1付勢部材7および第2付勢部材8の付勢力(抗力)とが釣り合った位置で可動体3が停止する。
また、磁気駆動機構による駆動が停止すると、第1付勢部材7および第2付勢部材8の付勢力によって、可動体3は、図1に示す原点位置に戻る。この状態で、振動や衝撃などの外力が可動体3に加わっても、可動体3は、第1付勢部材7および第2付勢部材8の付勢力によって原点位置に保持される。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の直線駆動装置1では、固定体2および可動体3のうちの一方に設けた永久磁石体と、他方に設けたコイルとを対向させた磁気駆動機構によって可動体を駆動するため、モータを用いた場合と比較して、部品点数が少なく済む。従って、小型化や低コスト化等を図ることができる。
以上説明したように、本形態の直線駆動装置1では、固定体2および可動体3のうちの一方に設けた永久磁石体と、他方に設けたコイルとを対向させた磁気駆動機構によって可動体を駆動するため、モータを用いた場合と比較して、部品点数が少なく済む。従って、小型化や低コスト化等を図ることができる。
また、可動体3に対して、第1付勢部材7および第2付勢部材8を設け、かかる第1付勢部材7および第2付勢部材8は、磁気駆動機構の推力に抗する付勢力を発生させる。このため、磁気駆動機構の推力と付勢部材(第1付勢部材7および第2付勢部材8)の付勢力とが釣り合った位置で可動体3を停止させることができる。また、可動体3には付勢部材(第1付勢部材7および第2付勢部材8)の付勢力が作用しているため、可動体3は不用意に移動方向Lに変位することがない。
さらに、第1付勢部材7および第2付勢部材8は、板バネ部7A、7B、8A、8Bを備えており、かかる板バネ部7A、7B、8A、8Bは、可動体3の移動方向Lには弾性変形するが、移動方向Lと直交する方向には変形しにくい。このため。可動体3に対してガイド機構を設けなくても、可動体3に移動方向Lと直交する方向への変位や傾きが発生しにくい。さらにまた、第1付勢部材7および第2付勢部材8は、板バネ部7A、7B、8A、8Bの板厚に相当する厚さ寸法まで縮まるため、付勢部材としてコイルバネを用いた場合と違って、第1付勢部材7および第2付勢部材8を可動体3の移動方向Lの両側に配置した場合でも、付勢部材に起因する可動体3のストロークの制限を最小限に抑えることができる。
また、第1付勢部材7および第2付勢部材8は各々、2つの板バネ部7A、7B、8A、8Bが一方の端部同士で連結されてなるV字状弾性部7C、8Cを備えている。このため、可動体3を駆動した際、可動体3が移動方向Lと直交する方向に変位する量を小さくすることができる。すなわち、可動体3を駆動した際、板バネ部7A、7B、8A、8Bが変形するとともに、V字状弾性部7C、8Cの折り返し部分7D、8Dは、移動方向Lと直交する方向に変位して可動体3を移動方向Lと直交する方向に変位させようとする力や可動体を傾かせようとする力を吸収する。このため、可動体3を駆動した際、可動体3に移動方向Lと直交する方向への変位や傾きが発生しにくい。この場合でも、第1付勢部材7および第2付勢部材8は、板バネ部7A、7Bの板厚の総和、もしくは、板バネ部8A、8Bの板厚の総和に相当する厚さ寸法まで縮まるため、第1付勢部材7および第2付勢部材8を可動体3の移動方向Lの両側に配置した場合でも、付勢部材に起因する可動体3のストロークの制限を最小限に抑えることができる。
さらに、第1付勢部材7および第2付勢部材8は各々、板バネ部7A、7B、8A、8Bを構成する2枚の金属板91、92の一方の端部同士を接合してなるため、1枚の金属板を折り曲げてV字状弾性部7C、8Cを形成する場合よりも、V字状弾性部7C、8Cを備えた第1付勢部材7および第2付勢部材8を効率よく作製することができると共に、鋭角になったV字状弾性部の根元部分を塑性変形しにくくすることができる。
さらに、第1付勢部材7および第2付勢部材8において、可動体3に連結される固定部7M、8Mは、移動方向Lに対して平行な同一軸線L1(共通の仮想線)上において可動体3に固定されている。すなわち、第1付勢部材7および第2付勢部材8から加わる付勢力の作用点(可動体3において固定部7Sおよび固定部8Sが接続されている位置)が、移動方向Lと平行な同一の軸線L1(図1参照)上にある。このため、可動体3に付勢力が加わっても可動体3を移動方向Lに対して傾けるモーメントが発生しない。よって、可動体3が移動時に傾くのを抑制することができる。
また、図1に示す可動体3の原点位置においては、第1付勢部材7および第2付勢部材8の各板バネ部7A、7B、8A、8Bの長手方向の中心P1、P2、P3、P4(図1参照)が、可動体3の中心(可動体3の重心位置)を通って移動方向Lに平行に延びる中心軸線L2(図1参照)上に位置する。このため、可動体3の傾きや軸ずれをより効果的に抑制できる。
ここで、第1付勢部材7と第2付勢部材8とは、移動方向Lと直交する仮想線(対称軸M1)に対して対称となるように配置されており、V字状弾性部7C、8CにおけるV字開口が同一の側を向くように第1付勢部材7および第2付勢部材8が取り付けられている。ここで、V字状弾性部7C、8Cは、一方が圧縮状態となった場合には他方が伸長状態となる。図3に示す状態では、圧縮状態となったV字状弾性部8Cおいて、2枚の板バネ部8A、8Bの折り返し部分8Dは、V字開口が向いている側とは反対側(図3の矢印A方向)に変位する。これに対して、伸長状態となったV字状弾性部7Cにおいて、2枚の板バネ部7A、7Bの折り返し部分7Dは、V字開口が向いている側(図3の矢印B方向)に変位する。すなわち、可動体3が移動方向Lに移動したときには、V字状弾性部7Cにおける2枚の板バネ部7A、7Bの折り返し部分7Dと、V字状弾性部8Cにおける2枚の板バネ部8A、8Bの折り返し部分8Dが、逆向きに変位する。その結果、第1付勢部材7および第2付勢部材8の変形に伴う可動体3の移動が互いに打ち消され、図3(b)を参照して以下に説明する構成(本発明の別の構成例)と比較して、可動体3の移動方向Lと直交する方向への軸ずれが抑制されることになる。
図3(b)に示す直線駆動装置1Aは、V字状弾性部7C、8CにおけるV字開口の向きを逆向きにした点を除いては、上記の直線駆動装置1と同一に構成されている。この構成のようにV字状弾性部7C、8CにおけるV字開口の向きを逆向きにすると、可動体3が移動方向Lに移動したときに、V字状弾性部7Cにおける2枚の板バネ部7A、7Bの折り返し部分7Dと、弾性部8Cにおける2枚の板バネ部8A、8Bの折り返し部分8Dが同一の向きに移動する。従って、直線駆動装置1Aでは、直線駆動装置1に比較して、V字状弾性部7C、8Cの変形に伴う可動体3の移動方向Lと直交する方向への移動を互いに打ち消すことができず、軸ずれを十分、抑制することができない。
(直線駆動装置1の他の実施形態)
上記形態では、第1付勢部材7および第2付勢部材8を2枚の板バネを断面V字状に接合したものを用いたが、V字開口側に伸びる板バネの一方の先端にもう1枚の板バネを接合することにより、V字状弾性部を逆向きに2つ形成した構成としてもよい。また、4枚以上の板バネを同様に互い違いに接合して、複数のV字状弾性部を板バネの積層方向に重ねて配置した構成としてもよい。また、上記実施の形態では、2枚の金属板91、92を接合して第1付勢部材7および第2付勢部材8を製造したが、1枚の金属板をV字形状に折り曲げて第1付勢部材7および第2付勢部材8を製造してもよい。
上記形態では、第1付勢部材7および第2付勢部材8を2枚の板バネを断面V字状に接合したものを用いたが、V字開口側に伸びる板バネの一方の先端にもう1枚の板バネを接合することにより、V字状弾性部を逆向きに2つ形成した構成としてもよい。また、4枚以上の板バネを同様に互い違いに接合して、複数のV字状弾性部を板バネの積層方向に重ねて配置した構成としてもよい。また、上記実施の形態では、2枚の金属板91、92を接合して第1付勢部材7および第2付勢部材8を製造したが、1枚の金属板をV字形状に折り曲げて第1付勢部材7および第2付勢部材8を製造してもよい。
[光学素子駆動装置への適用例1]
以下に、図1〜図3を参照して説明した直線駆動装置1を光学素子駆動装置に用いた例を説明する。図4および図5は、本発明の実施形態に係る光学素子駆動装置の全体構成を模式的に示す外観斜視図、およびその平面的な構成を模式的に示す説明図である。以下の説明でも、互いに直交する3方向をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向とし、X軸方向を可動体の移動方向Lとして説明する。また、本形態で用い直線駆動装置1の構成は、図1〜図3を参照して説明した形態と略同様であるため、共通する部分には同一を付して図示し、それらの詳細な説明を省略する。
以下に、図1〜図3を参照して説明した直線駆動装置1を光学素子駆動装置に用いた例を説明する。図4および図5は、本発明の実施形態に係る光学素子駆動装置の全体構成を模式的に示す外観斜視図、およびその平面的な構成を模式的に示す説明図である。以下の説明でも、互いに直交する3方向をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向とし、X軸方向を可動体の移動方向Lとして説明する。また、本形態で用い直線駆動装置1の構成は、図1〜図3を参照して説明した形態と略同様であるため、共通する部分には同一を付して図示し、それらの詳細な説明を省略する。
(全体構成)
図4、5に示す光学素子駆動装置100は、固定体20に対して可動体30をX軸方向(移動方向L)に沿って直線的に往復動作させる直線駆動装置1を備えており、可動体30には光学素子40が保持されている。かかる光学素子駆動装置100において、直線駆動装置1としては、図1〜図3を参照して説明した直線駆動装置が用いられており、直線駆動装置1によって可動体30を直線駆動すると、可動体30とともに光学素子40が直線駆動される。光学素子40は、光学素子駆動装置100を搭載した光学ユニットにおいて光学系を構成するレンズや偏向ミラー等であり、X軸方向に光軸を向けている。
図4、5に示す光学素子駆動装置100は、固定体20に対して可動体30をX軸方向(移動方向L)に沿って直線的に往復動作させる直線駆動装置1を備えており、可動体30には光学素子40が保持されている。かかる光学素子駆動装置100において、直線駆動装置1としては、図1〜図3を参照して説明した直線駆動装置が用いられており、直線駆動装置1によって可動体30を直線駆動すると、可動体30とともに光学素子40が直線駆動される。光学素子40は、光学素子駆動装置100を搭載した光学ユニットにおいて光学系を構成するレンズや偏向ミラー等であり、X軸方向に光軸を向けている。
固定体20は、薄板を箱形に折り曲げたベース21とカバー22とを備えている。ベース21は、底板部23と、底板部23から上方(Y軸方向)に起立する2枚の側板部24、25を備えている。側板部24、25の間には、後述する永久磁石体26が配置されている。なお、図4および図5はカバー22を外した状態を示しており、カバー22の取付位置を破線で示している。
(可動体30の構成)
図6は、本発明の実施形態に係る光学素子駆動装置に用いた可動体の主要部分を構成する部材の説明図であり、図6(a)は可動体の主要部分の分解斜視図、図6(b)は可動体の主要部分をさらに細かく分解した様子を示す分解斜視図である。
図6は、本発明の実施形態に係る光学素子駆動装置に用いた可動体の主要部分を構成する部材の説明図であり、図6(a)は可動体の主要部分の分解斜視図、図6(b)は可動体の主要部分をさらに細かく分解した様子を示す分解斜視図である。
図4〜図6に示すように、可動体30は、後述する磁気駆動機構(駆動機構)50によって推力を受ける角筒状の可動体本体部31を備えており、可動体本体部31は、後述する角筒状の駆動コイル32を備えている。駆動コイル32をX軸方向(移動方向L)に対して直交する方向で切断すると、Z軸方向で対向する一対の短辺32a、32bと、Y軸方向で対向する一対の長辺32c、32dを備えた断面形状を有している。
可動体30には、駆動コイル32の外側において、Z軸方向の一方側にホルダ部材33が設けられている。ホルダ部材33は、樹脂等の非磁性材料から形成されている。ホルダ部材33は、駆動コイル32の外周面のうち、短辺32bに相当する壁面に沿って延在している。ホルダ部材33は、X軸方向に延在する板状部34と、この板状部34からZ軸方向側(外側/短辺32bが位置する側とは反対側)に突出する素子保持部35(部材保持部)を備えており、素子保持部35に光学素子40が保持されている。
可動体本体部31は、X軸方向(移動方向L)に開口部を備えた略角筒状である。可動体本体部31は、駆動コイル32の内側のうち、Z軸方向の一方側に第1補強部材36を備え、Z軸方向の他方側には、第1補強部材36にZ軸方向で対向する第2補強部材37を備えている。第1補強部材36および第2補強部材37は、駆動コイル32の内周面のうち、短辺32a、32bに相当する壁面に沿って移動方向Lに延在している。
第1補強部材36および第2補強部材37は、樹脂等の非磁性材料から形成されている。本形態では、駆動コイル32を形成する際、第1補強部材36および第2補強部材37をコイルボビンとして利用する。すなわち、治具によって第1補強部材36および第2補強部材37を所定の間隔を介して対向するように保持した状態でコイル線を巻回し、駆動コイル32を形成する。
第1補強部材36のX軸方向の両側の端部は、駆動コイル32の両端部から移動方向Lに突出しており、この突出部分によって、Z軸方向に延びるフランジ部36a、36bが形成されている。同様に、第2補強部材37のX軸方向の両側の端部は、駆動コイル32の両端部から移動方向Lに突出しており、この突出部分によって、Z軸方向(フランジ部36a、36bの延出方向とは逆向きの方向)に延びるフランジ部37a、37bが形成されている。
(磁気駆動機構の構成)
図7は、本発明の実施形態に係る光学素子駆動装置100の内部構成を示す断面図(図4のX1−X1′線に沿って切断したときの断面図)である。光学素子駆動装置100および直線駆動装置1においては、固定体20と可動体30との間に、固定体20側に保持された永久磁石体26と、この永久磁石体26との間に隙間を隔てるように可動体30側に保持された駆動コイル32とを備えた磁気駆動機構50が構成されている。
図7は、本発明の実施形態に係る光学素子駆動装置100の内部構成を示す断面図(図4のX1−X1′線に沿って切断したときの断面図)である。光学素子駆動装置100および直線駆動装置1においては、固定体20と可動体30との間に、固定体20側に保持された永久磁石体26と、この永久磁石体26との間に隙間を隔てるように可動体30側に保持された駆動コイル32とを備えた磁気駆動機構50が構成されている。
磁気駆動機構50において、永久磁石体26は、Y軸方向(厚さ方向)に延在する薄い直方体形状を有している。永久磁石体26は、X軸方向の両端部が固定体20に用いたベース21の側板部24、25に固定されている。この状態で、永久磁石体26は、ベース21の底板部23からY軸方向に浮いた状態にあり、永久磁石体26とベース21の底板部23との間には隙間が介在する。また、永久磁石体26とカバー22との間にも隙間が介在する。
ここで、永久磁石体26は、X軸方向(可動体30の移動方向L)に沿って多極に着磁されている。また、永久磁石体26は、X軸方向に沿って配列された複数の磁石片を備えており、複数の磁石片は、隣り合う磁石片同士が同一極を相手側の磁石片に向けて配置されている。より具体的には、永久磁石体26は、2つの磁石片(第1磁石片26Aおよび第2磁石片26B)からなり、第1磁石片26Aおよび第2磁石片26Bは、同一極(例えば、N極)を相手側に向けている。また、第1磁石片26Aと第2磁石片26Bとの間には薄い磁性板26Cが配置されている。磁性板26Cのサイズは、第1磁石片26Aおよび第2磁石片26BのYZ平面におけるサイズと同一である。このため、永久磁石体26は、第1磁石片26A、磁性板26Cおよび第2磁石片26Bからなるが、全体として一体の直方体形状になっている。
かかる構成の永久磁石体26では、第1磁石片26Aおよび第2磁石片26Bの端面に磁性板26Cが重ねて配置されているため、第1磁石片26Aおよび第2磁石片26Bから磁性板26Cが位置する側に集中して磁力線が発生する。また、第1磁石片26Aおよび第2磁石片26Bが、同一極(例えば、N極)を相手側に向けているため、磁性板26Cから周辺(Y軸方向およびZ軸方向)に向けて効率よく磁力線が発生する。
駆動コイル32は、移動方向L(X軸方向)に開口を向けた角筒状のボイスコイルであり、この駆動コイル32の内側を通るように永久磁石体26が配置されている。このため、駆動コイル32は、永久磁石体26とベース21の底板部23との間に介在する隙間、および永久磁石体26とカバー22との間に介在する隙間を通って永久磁石体26の周りを巻回しており、駆動コイル32におけるX軸方向を向く開口部から外側に、永久磁石体26のX軸方向の両端部が突出している。本形態では、永久磁石体26において、駆動コイル32から突出している両端部分がベース21の側板部24、25に固定されている。
ベース21およびカバー22は、駆動コイル32に対して永久磁石体26とは反対側において駆動コイル32を覆っている。本形態では、ベース21およびカバー22を磁性板により構成し、ベース21およびカバー22については、光学素子駆動装置100および直線駆動装置1の筐体として用いるとともに、ヨークとしても利用している。
(付勢部材)
図8は、本発明の実施形態に係る光学素子駆動装置100において第1付勢部材7および第2付勢部材8を可動体3に取り付けた様子を示す説明図である。本形態の光学素子駆動装置100および直線駆動装置1では、可動体30をX軸方向(光軸方向)に駆動するにあたって磁気駆動機構50を用いるとともに、可動体30を所定位置(原点位置)に移動させて保持するために、磁気駆動機構50による推力と、付勢部材による付勢力とを利用する。また、振動や外部から衝撃等の外力に加わった際に可動体30が大きく変位することを防止するために、付勢部材として板バネ状のバネ部材を利用する。具体的には、固定体20と、可動体30に対して移動方向の両側には、図1〜図3を参照して説明した第1付勢部材7および第2付勢部材8が設けられている。
図8は、本発明の実施形態に係る光学素子駆動装置100において第1付勢部材7および第2付勢部材8を可動体3に取り付けた様子を示す説明図である。本形態の光学素子駆動装置100および直線駆動装置1では、可動体30をX軸方向(光軸方向)に駆動するにあたって磁気駆動機構50を用いるとともに、可動体30を所定位置(原点位置)に移動させて保持するために、磁気駆動機構50による推力と、付勢部材による付勢力とを利用する。また、振動や外部から衝撃等の外力に加わった際に可動体30が大きく変位することを防止するために、付勢部材として板バネ状のバネ部材を利用する。具体的には、固定体20と、可動体30に対して移動方向の両側には、図1〜図3を参照して説明した第1付勢部材7および第2付勢部材8が設けられている。
図5および図8に示すように、第1付勢部材7は、2枚の板バネ部7A、7Bの一方の端部を連結してなるV字状弾性部7Cを備えている。第1付勢部材7は、V字状弾性部7CのV字開口を駆動コイル32の一方の短辺32aが位置する側に向けると共に、板バネ部7A、7Bの折り返し部分7Dを他方の短辺32bが位置する側に向けた状態で、駆動コイル32とベース21の側板部24との間に配置されている。また、第1付勢部材7は、駆動コイル32の一方の開口側に設けられたフランジ部36aに板バネ部7Aの先端部分(固定部7M/第1付勢部材7の一方の端部)を固定し、かつ、フランジ部36aと対峙する側板部24に板バネ部7Bの先端部分(固定部7S/第1付勢部材7の他方の端部)を固定することにより、駆動コイル32とベース21を移動方向Lに沿って弾性的に連結している。
第2付勢部材8は、第1付勢部材7と同一構成の部材であり、移動方向Lと直交し、かつ、駆動コイル32の中心を通る対称軸M1に対して第1付勢部材7と対称となるように配置されている。すなわち、第2付勢部材8は、2枚の板バネ部8A、8Bの一方の端部を連結してなるV字状弾性部8Cを備えている。第2付勢部材8は、V字状弾性部8CのV字開口を、第1付勢部材7におけるV字状弾性部7CのV字開口と同一の側、すなわち、短辺32aと同じ側に向けると共に、板バネ部8A、8Bの折り返し部分8Dを他方の短辺32bに向けた状態で、駆動コイル32とベース21の側板部25との間に配置されている。第2付勢部材8は、駆動コイル32の他方の開口側に設けられたフランジ部36bに板バネ部8Aの先端部分(固定部8B/第2付勢部材8の一方の端部)を固定し、かつ、フランジ部36bと対峙する側板部25の部分に板バネ部8Bの先端部分(固定部8S/第2付勢部材8の他方の端部)を固定することにより、駆動コイル32とベース21を移動方向Lに沿って弾性的に連結している。
第1付勢部材7の板バネ部7A、7Bには、その外縁部分のみを残して内周部分を大きく切り取った貫通穴71A、71Bが形成されている。同様に、第2付勢部材8の板バネ部8A、8Bには、板バネ部7A、7Bと同様に、その外縁部分のみを残して内周部分を大きく切り取った貫通穴81A、81Bが形成されている。このように構成した場合でも、板バネ部7A、7B、8A、8Bは、矩形枠形状をもって移動方向Lに板厚方向を向けている。このため、板バネ部7A、7B、8A、8Bは、可動体3の移動方向L(板厚方向)のみに弾性変形可能であり、可動体3の移動方向Lに対して直交する方向(面内方向)へは弾性変形しにくくなっている。
ここで、貫通穴71A〜81Bは、移動方向L(X軸方向)にみたときに駆動コイル32の開口とほぼ重なる位置に形成されている。本形態では、駆動コイル32の両端から突出している永久磁石体26の一方の端部が、貫通穴71A、71Bを通って側板部24、25まで延在し、永久磁石体26の他方の端部が、貫通穴81A、81Bを通って側板部25まで延在している。従って、本形態では、駆動コイル32の移動方向の一方の側に第1付勢部材7を取り付け、かつ、他方の側に第2付勢部材8を取り付けた構成を採用しているが、第1付勢部材7および第2付勢部材8が永久磁石体26と干渉しないように構成されている。すなわち、貫通穴71A、71Bおよび貫通穴81A、81Bは、可動体3の移動時において永久磁石体26に接触しない程度の大きさの穴である。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学素子駆動装置100は、図1〜図3を参照して説明した直線駆動装置1を有しているため、直線駆動装置1に関して説明した作用、効果を奏する。例えば、駆動コイル32および素子保持部35が設けられた可動体30の移動方向の両端を、第1付勢部材7および第2付勢部材8を介して側板部24、25に連結している。このような構成により、可動体30が原点位置から離れたときには第1付勢部材7および第2付勢部材8によって可動体30に原点位置側への付勢力が加えられ、原点位置においては、無負荷状態となるか、もしくは、第1付勢部材7および第2付勢部材8から逆向きの互いに釣り合う付勢力が加えられた状態となる。よって、駆動コイル32への通電を停止した状態において、振動や外部からの衝撃等の外力が加わった場合の可動体30の変位を抑制でき、可動体30を原点位置に保持することができる。よって、素子保持部35に保持された光学素子40の変位を抑制して原点位置に保持することができる。
以上説明したように、本形態の光学素子駆動装置100は、図1〜図3を参照して説明した直線駆動装置1を有しているため、直線駆動装置1に関して説明した作用、効果を奏する。例えば、駆動コイル32および素子保持部35が設けられた可動体30の移動方向の両端を、第1付勢部材7および第2付勢部材8を介して側板部24、25に連結している。このような構成により、可動体30が原点位置から離れたときには第1付勢部材7および第2付勢部材8によって可動体30に原点位置側への付勢力が加えられ、原点位置においては、無負荷状態となるか、もしくは、第1付勢部材7および第2付勢部材8から逆向きの互いに釣り合う付勢力が加えられた状態となる。よって、駆動コイル32への通電を停止した状態において、振動や外部からの衝撃等の外力が加わった場合の可動体30の変位を抑制でき、可動体30を原点位置に保持することができる。よって、素子保持部35に保持された光学素子40の変位を抑制して原点位置に保持することができる。
また、本形態では、第1付勢部材7および第2付勢部材8において、可動体3に連結される固定部7M、8Mは、移動方向Lに対して平行な同一軸線L1(共通の仮想線)上において可動体3に固定されている。すなわち、第1付勢部材7および第2付勢部材8は、第1補強部材36の両端に形成されたフランジ部36a、36bに連結されている。このため、第1付勢部材7および第2付勢部材8からの付勢力が、可動体30を移動方向Lに対して傾けるモーメントを発生させないので、可動体30の傾きを抑制できる。また、V字状弾性部7C、8CにおけるV字開口が同一の側を向くように第1付勢部材7および第2付勢部材8が取り付けられているので、第1付勢部材7および第2付勢部材8の変形に起因する可動体30の軸ずれ(移動方向Lと直交する方向への移動)を抑制できる。
加えて、本形態では、貫通穴71A、71B、81A、81Bの中心が、貫通穴71A〜81Bが形成されている板バネ部7A、7B、8A、8Bの中心点P1〜P4と一致しており、かつ、これらの中心P1〜P4が、図5に示す可動体3の原点位置において、駆動コイル32の中心軸線L2上に位置している。このように、第1付勢部材7および第2付勢部材8における各板バネ部7A、7B、8A、8Bと駆動コイル32を同軸状に配置することにより、可動体30を移動方向Lに移動する際の第1付勢部材7および第2付勢部材8の変形に起因する可動体30の軸ずれや傾きを、より確実に抑制することができる。従って、可動体30に保持された光学素子40の光軸のずれを抑制でき、光学素子40を精度良く駆動することができる。また、軸ずれや傾きの抑制のために、可動体30を移動方向Lに沿ってガイドするホルダやガイド部材を設ける必要がなく、部品点数を削減できる。加えて、可動体30および第1付勢部材7および第2付勢部材8の各部分が、可動体30の移動に伴って固定体20の各部分に接触して摺動するのを抑制できるので、可動体30の移動に伴う摩擦力を考慮した駆動制御を行う必要がなく、制御を単純にすることができる。
また、本形態では、2枚の板バネ部を接合した第1付勢部材7および第2付勢部材8を用いたことにより、コイルバネなどを用いた場合と比べて、付勢部材の弾性方向の寸法が格段に薄くなっている。これにより、第1付勢部材7および第2付勢部材8によって可動体30のストロークが大きく削られることがなく、可動体30のストロークを確保しつつ、直線駆動装置1の薄型化および小型化を図ることができる。
[光学素子駆動装置への適用例2]
図9は、本発明の別の実施形態に係る光学素子駆動装置の構成を示す説明図であり、前記形態の説明した図5に対応する。なお、本形態の基本的な構成は、図4〜図8を参照して説明した形態と略同様であるため、共通する部分には同一を付して図示し、それらの説明を省略する。
図9は、本発明の別の実施形態に係る光学素子駆動装置の構成を示す説明図であり、前記形態の説明した図5に対応する。なお、本形態の基本的な構成は、図4〜図8を参照して説明した形態と略同様であるため、共通する部分には同一を付して図示し、それらの説明を省略する。
上記実施の形態では、可動体30において、可動体30の中心からみて、固定部7M、8Mが位置する軸線L1がずれている側とは反対側に素子保持部35(部材搭載部)が設けられていた。これに対して、本形態では、図9に示すように、第1付勢部材7および第2付勢部材8の固定部7M、8Mは、第2補強部材37の両端に形成されたフランジ部37a、37bに連結されており、可動体30の中心からみて、固定部7M、8Mを通る共通の軸線L1(仮想線)がずれている側に素子保持部35(部材搭載部)が設けられている。すなわち、本形態では、可動体30に対する部材の搭載部である素子保持部35が、可動体30の中心に対して、板バネ部7A、8Aにおける固定部7M、8M側の付け根の側に配置されている。このため、本形態では、可動体30の重心は素子保持部35(部材搭載部)が位置する側にずれているが、重心がずれている側で可動体30と第1付勢部材7および第2付勢部材8が接続されており、可動体30の両側の板バネ部7A、8Aの付け根に設けられた固定部7M、8Mを支点として、可動体30の中心側と、可動体30に対する部材の搭載部側との重量の偏りが少ない構成となっている。それ故、第1付勢部材7および第2付勢部材8の付勢力のバランスがくずれたときでも、可動体30に軸ずれを発生させるようなモーメントが発生しにくいという利点がある。
なお、本形態では、可動体30の素子保持部35(部材搭載部)の位置について規定したが、可動体30によって直線駆動力を出力する場合、かかる出力部については、可動体30の中心からみて、固定部7M、8Mが位置する軸線L1がずれている側に設けることが好ましい。
(光学素子駆動装置における他の実施形態)
上記形態では、駆動コイル32として筒状コイルを用いたが、永久磁石体26に開口部を向けた扁平コイル等を用いてもよい。また、上記形態では、永久磁石体26を固定体20の側に設け、駆動コイル32を可動体30の側に設けたが、永久磁石体を可動体30の側に設け、駆動コイルを固定体20の側に設けてもよい。また、直線駆動装置1についての説明で述べたように、第1付勢部材7および第2付勢部材8として、3枚以上の板バネを互い違いに接合して、複数の弾性部を弾性方向に重ねた形状とした付勢部材を用いても良い。
上記形態では、駆動コイル32として筒状コイルを用いたが、永久磁石体26に開口部を向けた扁平コイル等を用いてもよい。また、上記形態では、永久磁石体26を固定体20の側に設け、駆動コイル32を可動体30の側に設けたが、永久磁石体を可動体30の側に設け、駆動コイルを固定体20の側に設けてもよい。また、直線駆動装置1についての説明で述べたように、第1付勢部材7および第2付勢部材8として、3枚以上の板バネを互い違いに接合して、複数の弾性部を弾性方向に重ねた形状とした付勢部材を用いても良い。
上記実施の形態では、2枚の金属製の付勢部材(第1付勢部材7および第2付勢部材8)を用いていることから、かかる2つの付勢部材(第1付勢部材7および第2付勢部材8)を駆動コイル32の両端部に電気的に接続して付勢部材を駆動コイル32に対する給電部材として利用してもよい。この場合、付勢部材として、ベリリウム−銅やリン青銅などの銅系金属を用いれば、バネ性および導電性の双方において良好は性能を得ることができる。
1、1A 直線駆動装置
2、20 固定体
3、30 可動体
7 第1付勢部材
7A、7B 板バネ部
7C V字状弾性部
7D 折り返し部分
7M、7S 固定部
71A、71B 貫通穴
8 第2付勢部材
8A、8B 板バネ部
8C V字状弾性部
8D 折り返し部分
8M、8S 固定部
81A、81B 貫通穴
26 永久磁石体
26A 第1磁石片
26B 第2磁石片
26C 磁性板
32 駆動コイル(筒状コイル)
35 素子保持部(部材保持部)
40 光学素子
50 磁気駆動機構
100 光学素子駆動装置
L 移動方向
2、20 固定体
3、30 可動体
7 第1付勢部材
7A、7B 板バネ部
7C V字状弾性部
7D 折り返し部分
7M、7S 固定部
71A、71B 貫通穴
8 第2付勢部材
8A、8B 板バネ部
8C V字状弾性部
8D 折り返し部分
8M、8S 固定部
81A、81B 貫通穴
26 永久磁石体
26A 第1磁石片
26B 第2磁石片
26C 磁性板
32 駆動コイル(筒状コイル)
35 素子保持部(部材保持部)
40 光学素子
50 磁気駆動機構
100 光学素子駆動装置
L 移動方向
Claims (13)
- 可動体を固定体に対して直線的に移動させる直線駆動装置であって、
前記固定体側および前記可動体側のうちの一方側に設けられた永久磁石体、および他方側に設けられた駆動コイルを備えた磁気駆動機構と、
前記可動体の移動方向に弾性変形可能な板バネ部をもって、前記移動方向の一方側で前記可動体に一方側端部が固定され、前記固定体に他方側端部が固定された第1付勢部材と、
前記可動体の移動方向に弾性変形可能な板バネ部をもって、前記移動方向の他方側で前記可動体に一方側端部が固定され、前記固定体に他方側端部が固定された第2付勢部材と、
を有していることを特徴とする直線駆動装置。 - 前記第1付勢部材および前記第2付勢部材は各々、2つの前記板バネ部が一方の端部同士で連結されてなるV字状弾性部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の直線駆動装置。
- 前記V字状弾性部は、前記2つの板バネ部を構成する2枚の板状部材の一方の端部同士を接合してなることを特徴とする請求項2に記載の直線駆動装置。
- 前記第1付勢部材は、前記可動体と、前記固定体において当該可動体に対して前記移動方向の一方側で対向する部分との間に設けられ、
前記第2付勢部材は、前記可動体と、前記固定体において当該可動体に対して前記移動方向の他方側で対向する部分との間に設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の直線駆動装置。 - 前記第1付勢部材と前記第2付勢部材とは、前記移動方向と直交する仮想線を中心にして対称に構成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の直線駆動装置。
- 前記第1付勢部材および前記第2付勢部材は各々、前記V字状弾性部を1箇所備え、
前記第1付勢部材における前記V字状弾性部のV字開口と、前記第2付勢部材における前記V字状弾性部のV字開口は、前記移動方向に交差する方向において同一の側を向いていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の直線駆動装置。 - 前記板バネ部の長さ方向の中心位置は、前記可動体が前記移動方向の原点位置にある状態で、前記可動体の中心位置を通って前記移動方向と平行に延在する仮想線上に位置することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の直線駆動装置。
- 前記第1付勢部材の前記可動体に対する固定部、および前記第2付勢部材の前記可動体に対する固定部は、前記移動方向と平行な共通の仮想線上に位置することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の直線駆動装置。
- 前記共通の仮想線は、前記可動体の中心から一方にずれており、
前記可動体の中心に対して前記共通の仮想線が位置する側に前記可動体における部材の搭載部、あるいは前記可動体から外部への変位の主力部が位置することを特徴とする請求項8に記載の直線駆動装置。 - 前記板バネ部には、前記移動方向で貫通する貫通穴が形成されており、
前記駆動コイルは、前記可動体の側において前記移動方向に開口を向ける筒状コイルであり、
前記永久磁石体は、前記駆動コイルの内側および前記貫通穴を通って前記移動方向に延在して前記駆動コイルの端部から前記移動方向で突出した部分が前記固定体に保持されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の直線駆動装置。 - 前記板バネ部の長さ方向の中心は、前記可動体が前記移動方向の原点位置にある状態で、前記筒状コイルの中心軸線上に位置していることを特徴とする請求項10に記載の直線駆動装置。
- 前記第1付勢部材および前記第2付勢部材は各々、導電性を備え、前記駆動コイルに対する給電部材として用いられていることを特徴とする請求項11に記載の直線駆動装置。
- 請求項1乃至12の何れか一項に記載の直線駆動装置を備えた光学素子駆動装置であって、
前記可動部には、光学素子を保持する部材保持部が設けられていることを特徴とする光学素子駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009278264A JP2011123091A (ja) | 2009-12-08 | 2009-12-08 | 直線駆動装置および光学素子駆動装置 |
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CN115145089A (zh) * | 2021-03-31 | 2022-10-04 | 日本电产三协株式会社 | 带抖动修正功能的光学单元 |
-
2009
- 2009-12-08 JP JP2009278264A patent/JP2011123091A/ja active Pending
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CN115145089B (zh) * | 2021-03-31 | 2023-05-16 | 日本电产三协株式会社 | 带抖动修正功能的光学单元 |
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