JP2011112359A - SnO2ガスセンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスセンサとして成膜後も結晶子径が小さく、結晶成長が緩やかなSnO2ナノクリスタルが得られ、VOCに高感度であるガスセンサの製造方法を提供する。
【解決手段】スズの有機化合物を有機溶媒中に界面活性剤と共に溶解し、加熱してスズの有機化合物を熱分解することで、SnO2ナノクリスタル表面に界面活性剤を吸着ないしは配位され、SnO2ナノクリスタルを有機溶媒中に分散させると共に、焼成時の結晶成長を妨げることにより、VOCに高感度なガスセンサが得られる。
【選択図】図2

Description

この発明は、VOCに高感度なSnOガスセンサの製造方法に関する。
発明者らは、Sn(OH) 2−を内包する逆ミセル溶液に硝酸の逆ミセル溶液を混合し、Sn(OH)を析出させ、焼成してSnOとすることを提案した(特許文献1:特開2004-64674)。発明者はさらに、微細なSnO粒子を調製することにより、VOC(揮発性有機化合物)への感度を増し、かつガスセンサでのSnO膜の成膜を容易にすることを検討した。即ち、SnOの粒径がnmオーダーになると、酸素イオンの吸着による電子欠乏層がSnO粒子の全体に及び、周囲の有機物ガスへの感度が増すと考えられる。また有機溶媒中に懸濁した状態で安定なSnOナノクリスタルが得られると、この溶液を基板に塗布し焼成することにより、簡単にSnO膜を成膜できる。
特開2004-64674
この発明の課題は,VOCに高感度でかつ成膜が容易なSnOガスセンサの製造方法を提供することにある。
この発明のSnOガスセンサの製造方法では、スズの有機化合物を、水に不溶な有機溶媒中に界面活性剤と共に溶解した溶液を調製し、次いで前記溶液を加熱することによりスズの有機化合物を熱分解して、SnO微粒子の懸濁液を調製すると共に、前記懸濁液から得られたSnOによりガスセンサを製造する。
この発明では、ガスセンサとして成膜後も結晶子径が小さく、結晶成長が緩やかなSnOナノクリスタルが得られる。そしてこのSnOナノクリスタルを用いたガスセンサは、結晶子径が小さいため、VOCに高感度である。これは、有機溶媒中でスズの有機化合物を熱分解してSnOナノクリスタルとし、その表面に界面活性剤を吸着ないしは配位させるためで、界面活性剤はSnOナノクリスタルを有機溶媒中に分散させると共に、焼成時の結晶成長を妨げる。
好ましくは、熱分解前の前記溶液が、スズの有機化合物と、水に不溶な有機溶媒と、界面活性剤と、酸素供与性の有機化合物とからなる。酸素供与性の有機化合物はスズの有機化合物の熱分解時に酸素を供与し、SnOナノクリスタルの生成を容易にする。
また好ましくは、界面活性剤が、脂肪酸と脂肪族アミン化合物との混合物である。脂肪族アミン化合物は脂肪酸から水素を引き抜き、脂肪酸のSnOナノクリスタルへの配位〜吸着を容易にする。
特に好ましくは、前記懸濁液に極性の有機溶媒を加えてSnO微粒子を沈殿させた後に、SnO微粒子を遠心分離し、次いで電子供与性基を備えた有機溶媒と混合する。生成したSnOナノクリスタルは有機物の残査を含んでおり、極性溶媒に不溶で、非極性溶媒に可溶である。生成したSnOナノクリスタルは、コロイド溶液として長期間保存しにくい。そこで遠心分離により不純物を除き、電子供与性基を備えた有機溶媒と混合すると極性溶媒に可溶となり、かつ長期間保存できる。
実施例でのSnOガスセンサの製造工程を示す図 図1に続く工程図 貴金属触媒の担持工程を示す工程図 実施例で調製したSnOのX線回折図で、(a)は調製後で焼成前のパターンを、(b)は空気中600℃3時間焼成後のパターンを示す。 ピリジンで処理後のSnOの透過電子顕微鏡画像で、(a)は低倍率画像を、(b)は高倍率画像を示し、(a)のサンプル瓶はピリジンで処理したSnOナノクリスタルのTHF溶液(褐色)を示す。 SnOガスセンサ(a)と、SnO膜(b)〜(d)とを示し、(b)は低分解能原子間力顕微鏡画像を示し、(c)は低分解能のSEM画像を、(d)は高分解能のSEM画像を示す。 SnOナノクリスタルのFT−IRスペクトルを示し、(a)は調製後で焼成前の、(b)は600℃焼成後の、(c)ピリジンで処理後の、(d)は比較用の試薬のスペクトルを示す。 焼成前のSnOナノクリスタル(4.5mg)の、熱重量分析(TG)と示差熱分析(DTA)結果を示す図 SnOナノクリスタルに対し10mol%のPdを担持させた試料の透過電子顕微鏡画像 実施例のガスセンサの、350℃でのVOCへの感度を示す特性図 実施例のガスセンサの、350℃でのトルエンへの応答特性を示す特性図 実施例のガスセンサの、350℃でのH2への感度を示す特性図 実施例のガスセンサの、350℃でのCOへの感度を示す特性図 実施例のガスセンサの、350℃でのVOCへの検出下限を示す特性図
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
図1〜図14に、実施例のSnOガスセンサとその特性とを示す。図1,図2にSnOの調製を示し、図3に貴金属触媒の担持を示す。SnOの調製では、スズの有機化合物としてSn(IV)アセチルアセトナト2塩化物(Sn(C)Cl2)を用い、アセチルアセトンの沸点は約140℃である。有機スズ化合物は、上記のものに限らず、無水酢酸スズ(II),ステアリン酸スズ,オクタン酸スズ,オクチル酸スズ,ラウリル酸スズ,オレイン酸スズ,酢酸トリフェニルスズ,塩化トリフェニルスズなどでもよく、実質上任意の有機スズ化合物を用いることができる。
水に不溶性の高沸点有機溶媒として、ジベンジルエーテル(C65-CH2-O-CH2-C65)を用い、沸点は約295℃である。ジベンジルエーテルに代えて、テトラフェニルエーテル(C65-O-C64-O-C64-O-C65),ペンタフェニルエーテル(C65-O-C64-O-C64-O-C64-O-C65)などでもよく、これらの沸点は300℃以上である。これらのフェニルエーテルを用いると、後述のように、スズの有機化合物を例えば280℃などで熱分解する際に、還流下で反応させることができる。沸点がスズの有機化合物の熱分解温度よりも低い場合、例えばオートクレーブ中で熱分解する。有機溶媒の沸点は200℃以上が好ましく、より好ましくは250℃以上とする。
界面活性剤として、オレイン酸とオレイルアミンとの等モル混合物を用い、これらのモル比は好ましくは2:1〜1:2とする。オレイン酸とオレイルアミンの組み合わせは脂肪酸と脂肪族アミンとの混合物の例で、脂肪酸と脂肪族アミンとの間で炭素数が異なっていても良い。脂肪酸並びに脂肪族アミンの好ましい炭素数は、例えば10〜25、好ましくは12〜20、より好ましくは15〜18で、オレイン酸とオレイルアミンは炭素数がいずれも18である。また脂肪酸や脂肪族アミンは不飽和もしくは飽和を問わない。オレイン酸とオレイルアミンの混合物の役割は、オレイン酸がスズの有機化合物にカルボキシル基により配位することで、熱分解後にもSnOのナノクリスタルにオレイン酸が吸着していた。そして吸着ないし配位したオレイン酸は、焼成などの過程でSnOの結晶成長を妨げる。オレイン酸は電子供与性基として熱分解後のSnOナノクリスタルに配位ないしは吸着するものと考えられ、オレイルアミンの役割は、オレイン酸から水素を引き抜き、オレイン酸イオンを形成させて配位を容易にすることにある。
界面活性剤としては、オレイン酸,ステアリン酸、メリスチル酸などの脂肪酸あるいはこれらと脂肪族アミンとの組合せの他に、テトラエチレングリコール,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,フェニルホスホン酸,ドデカンチオール,ドデシルアミンなどがある。実施例では、スズアセチルアセトナト2塩化物を0.4mmol,ジベンジルエーテルを7ml,オレイン酸とオレイルアミンとを共に各0.6ml用いた(ステップ1)。
上記の溶液を例えば140℃で1時間N中で加熱した。この温度はアセチルアセトンの沸点にほぼ等しく、アセチルアセトンと塩素とが一部失われて、スズ原子にオクチル酸が配位することが考えられる(ステップ2)。熱処理後の溶液を冷却し、酸素の供与剤としてトリメチルアミンオキシド(C39NO)を例えば0.15ml添加した(ステップ3)。次いで例えば還流下に280℃に30分間溶液を加熱し、スズの有機化合物を熱分解し、SnOナノクリスタルを生成させた(ステップ4)。SnOのコロイドは通常白色であるが、得られた溶液は褐色で、これは熱分解による有機物の残渣が含まれていることを示唆している。酸素供与性の有機化合物は、オクタデカノール,ペンタデカノール,ヘキサデカノール,ヘプタデカノールなどの、炭素数12〜20程度の脂肪族アルコールでもよく、これらは酸素を含む弱い酸化剤で、脂肪族のアルデヒドなどでも良い。なおアセチルアセトンあるいはオレイン酸も、酸素の供給源として作用することが考えられ、トリメチルアミンオキシドを添加しないでも、SnOナノクリスタルが生成することがあった。従って酸素供与性の有機化合物は、添加しなくても良い。
SnOナノクリスタルに貴金属触媒を添加する場合、結合子Aから図3の処理に移り、添加しない場合にはステップ5〜ステップ9を実行する。生成したSnOナノクリスタルはエタノール、テトラヒドロフラン等の極性溶媒には不溶で、n-ヘキサンあるいはベンゼンなどの非極性溶媒に可溶である。SnOナノクリスタルの懸濁液に例えばエタノールを加えて沈殿させ、遠心分離後にn-ヘキサンを加えてSnOナノクリスタルを抽出し、再度エタノールを加えて沈殿させ遠心分離した。遠心分離による洗浄を例えば3回行い、n-ヘキサンに分散させて保存した(ステップ5)。
ステップ4で得られたSnOナノクリスタルをn-ヘキサン等の非極性溶媒に分散させて保存すると、1〜2日で沈殿の生成が見られた。このことはSnOナノクリスタルが凝集しやすいことを示唆している。そこで電子供与性基を備えた有機溶媒、ここではピリジン10mlを加え、還流下にN2雰囲気で例えば110℃に12時間加熱した(ステップ6)。電子供与性基を備えた有機溶媒としては、ピリジンの他に、プロピルアミン,ブチルアミン,ペンチルアミン,へキシルアミンなどのアミン化合物、チオフェン,フェニレンジアミン,アニリン,トリブチルホスホン,1,6ジアミノヘキサンなどがある。これらの化合物はアミン類等の配位子ということができ、配位は非共有電子対で行われる。
ピリジンと反応させると、SnOナノクリスタルは非極性溶媒に不溶となり、例えばn-ヘキサンを加えて沈殿させ、遠心分離により洗浄し、例えばTHF(テトラヒドロフラン)によりSnOナノクリスタルを抽出し、ヘキサンで再度沈殿させて遠心分離した。遠心分離を例えば3回繰り返して、SnOナノクリスタルを洗浄した(ステップ7)。この洗浄により過剰のピリジンが除かれるが、ステップ5でSnOナノクリスタル自体は洗浄済みなので、ステップ7を省略しても良い。
遠心分離により洗浄したSnOナノクリスタルを、テトラヒドロフランにより抽出しコロイド溶液として保存した(ステップ8)。このコロイド溶液は安定で、基板上に塗布し、乾燥後に焼成することにより、SnO膜が得られる(ステップ9)。実施例では、SnOナノクリスタルのTHF溶液をアルミナ基板に5回塗布・乾燥し、空気中600℃で3時間焼成して膜厚約7μmのSnO膜とした。
上記の工程を整理する。スズの有機化合物を界面活性剤と共に高沸点の水に不溶な有機溶媒中に溶解させる。次いで、好ましくは酸素の供給源の存在下に、スズの有機化合物を熱分解し、SnOナノクリスタルとする。このSnOナノクリスタルにはオレイン酸などの界面活性剤が吸着ないし配位しており、SnOナノクリスタルは褐色で非極性溶媒に可溶であるが、1〜2日程度で沈殿する。SnOナノクリスタルの調製後に直ちにガスセンサを製造する場合、例えば上記の溶液をエタノールなどの極性溶媒と遠心分離などにより洗浄し、基板上に塗布乾燥した後に焼成してSnO膜を成膜する。SnOナノクリスタルの保存性を高める場合、ピリジン等の配位子とSnOナノクリスタルとを反応させ、THF,エタノールなどの極性溶媒に可溶で、非極性溶媒に不溶にする。そして好ましくは遠心分離などにより洗浄した後、THF中などで保存し、基板上に塗布・乾燥して焼成する。
SnOナノクリスタルに貴金属を担持する場合、図3のステップ10を実行する。例えばPdやAgの場合、それらのアセチルアセトナトを、ステップ4で得られた懸濁液に添加し、例えば150〜180℃で、N2気流下に10分〜1時間程度加熱すると、PdあるいはAgのアセチルアセトナト化合物が分解し、SnOナノクリスタルにPdあるいはAgを担持させることができる。
Pt,Auを担持する場合、例えばヘキサクロロ白金酸,塩化金酸を例えばオレイルアミンとn-ヘキサンの混合溶媒などに溶かし、加熱してn-ヘキサンを蒸発させ、ステップ4で得られた溶液に加える。次いで例えばN2気流下に120〜180℃に10分〜1時間程度加熱する。この過程でヘキサクロロ白金酸,塩化金酸などが分解し、SnOナノクリスタルにPtあるいはAuを担持することができる。貴金属触媒の担持後、図1のステップ5に戻り、図2のステップ9までを実行してSnOガスセンサを製造する。
得られたSnOナノクリスタル(貴金属触媒無担持)の性状を図4〜図7に示す。図4の下側の(a)は、ピリジンと接触させ、THF中に保存したSnOナノクリスタルのX線回折パターンである。また上側の(b)は600℃で焼成後のSnOのX線回折パターンである。両者とも明瞭なSnOの結晶を示し、600℃で焼成しても回折パターンのピークの半値幅が余り減少していない。このことは、得られたSnOナノクリスタルは結晶成長が遅く、高温で焼成してもガス感度を保つことができることを示している。
図5の(a),(b)は、ピリジンで処理後のSnOナノクリスタルの透過電子顕微鏡画像を示し、(a)は低倍率画像で、(b)は高倍率画像である。また(a)には図2のステップ8で得られた懸濁液を示し、溶液は褐色である。(b)ではSnO(110)に対応する格子が見え、結晶は単分散して凝集しておらず、平均結晶子径は3.5nmである。
図6はSnOガスセンサとSnO膜とを示し、(a)はガスセンサの構造を示し、アルミナ基板2上に櫛の歯状の金電極4を設け、電極4を覆うようにSnO膜6を成膜してある。実施例では、SnO溶液の塗布と乾燥を5回繰り返し、600℃で焼成することにより、膜厚7μmのSnO膜6を得た。(b)〜(d)は600℃で焼成後のSnO膜を示し、(b)は原子間力顕微鏡画像を示し、(c)と(d)は2次電子顕微鏡画像で、(c)は低倍率画像で、(d)は高倍率画像である。別の高倍率原子間力電子顕微鏡画像並びに2次電子顕微鏡画像から、SnOの平均結晶子径は約9nmであることが分かった。
図7はSnOナノクリスタルのFT−IRスペクトルを示し、(a)はピリジン処理前のスペクトルを、(b)は600℃焼成後(ピリジン無添加)のスペクトルを、(c)はピリジン処理後で焼成前のスペクトルを示している。(d)は市販のSnOのスペクトルである。
焼成前の(a)のスペクトルでは、C=O並びにC=Cの吸収が1700cm−1及び1630cm−1に見られ、アミノ基に関する吸収が見られない点から、オレイン酸がSnOナノクリスタルに吸着していることが分かる。(b)の600℃焼成後のスペクトル並びに(c)のピリジン処理後のスペクトルでも、C=Cの吸収が消えておらず、焼成後もオレイン酸がSnOナノクリスタル中に存在することが分かる。そしてこのことは、オレイン酸がSnOナノクリスタルの結晶成長を妨げ、600℃焼成でも9nm程度の結晶子径までしか成長しなかったことを説明している。
図8は、ピリジン処理前のSnOナノクリスタル4.5mgを焼成した際の、重量変化(TG)並びに示差熱(DTA)分析の結果を示す。600℃焼成によりSnOナノクリスタルは約20%減量し、示差熱分析は300℃強と400℃強とに吸熱のピークを示している。このことは焼成の過程でのオレイン酸の熱分解を示しているものと考えられる。
図9はPdを担持したSnOの2次電子顕微鏡画像を示し、見やすくするため白黒を反転してある。Pdの担持量はSnOに対し10mol%で、Pdのアセチルアセトナトを遠心分離前のSnOナノクリスタルの懸濁液(ジベンジルエーテル溶媒)に溶解させて、N2気流下170℃で30分加熱して担持させたものである。
図10〜図14は、得られたSnOガスセンサの特性を示し、周囲の環境は室温の空気で、図10,11,14では測定温度は350℃である。図10はトルエン,ホルムアルデヒド,エタノールに対する感度を示し、図11はトルエンへの応答パターンを示している。図12は水素への感度を、図13はCOへの感度を示している。図10から明らかなように、350℃で10ppmのエタノール及びホルムアルデヒドへの感度は、200ppmの水素あるいは200ppmのCOよりも充分に高い。また図10でトルエンの感度がホルムアルデヒド及びエタノールに対して小さいのは、SnO膜中でのトルエンの拡散が遅いことに起因するものと思われる。
図14は図10の特性を低濃度側へ外挿したもので、図での値が1となる濃度が理論的な検出下限である。この図から、実施例のSnOガスセンサはVOCを例えば1ppb程度の検出下限で検出できることが分かる。
実施例での好ましい配合比を以下に示し、単位はSnの有機化合物1mmol当たりの量である。
高沸点有機溶媒 5〜500mL 特に10〜100mL
オレイン酸等の配位化合物 0.1〜10mL 特に1〜5mL
トリメチルアミンオキシド等の酸素源 0〜10mL 特に0.1〜5mL
ピリジン等の配位子 5〜500mL 特に10〜100mL
2 アルミナ基板
4 櫛の歯金電極
6 SnO

Claims (4)

  1. スズの有機化合物を、水に不溶な有機溶媒中に界面活性剤と共に溶解した溶液を調製し、
    次いで前記溶液を加熱することによりスズの有機化合物を熱分解して、SnO微粒子の懸濁液を調製すると共に、
    前記懸濁液から得られたSnOによりガスセンサを製造する、SnOガスセンサの製造方法。
  2. 熱分解前の前記溶液が、スズの有機化合物と、水に不溶な有機溶媒と、界面活性剤と、酸素供与性の有機化合物とからなることを特徴とする、請求項1に記載のSnOガスセンサの製造方法。
  3. 前記界面活性剤が、脂肪酸と脂肪族アミン化合物との混合物であることを特徴とする、請求項1または2に記載のSnOガスセンサの製造方法。
  4. 前記懸濁液に極性の有機溶媒を加えてSnO微粒子を沈殿させた後に、SnO微粒子を遠心分離し、次いで電子供与性基を備えた有機溶媒と混合することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のSnOガスセンサの製造方法。
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