JP2011110817A - インクジェットプリンタ及び印刷物の製造方法 - Google Patents

インクジェットプリンタ及び印刷物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011110817A
JP2011110817A JP2009269602A JP2009269602A JP2011110817A JP 2011110817 A JP2011110817 A JP 2011110817A JP 2009269602 A JP2009269602 A JP 2009269602A JP 2009269602 A JP2009269602 A JP 2009269602A JP 2011110817 A JP2011110817 A JP 2011110817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
head
color
main scanning
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009269602A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5656279B2 (ja
Inventor
Masaru Onishi
勝 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mimaki Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mimaki Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mimaki Engineering Co Ltd filed Critical Mimaki Engineering Co Ltd
Priority to JP2009269602A priority Critical patent/JP5656279B2/ja
Publication of JP2011110817A publication Critical patent/JP2011110817A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5656279B2 publication Critical patent/JP5656279B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】媒体の両面の観察画像となる画像を、低いコストで適切に印刷する。
【解決手段】インクジェットプリンタ10であって、カラー印刷用ヘッド14と、重層形成用ヘッドである白色層形成用ヘッド16及び遮光層用ヘッド20と、走査制御部12とを備え、媒体50は、透光性の媒体であり、ノズル選択部106は、カラー印刷用ヘッド14、白色層形成用ヘッド16、及び遮光層用ヘッド20に、カラー用ノズル選択領域202a、202b、白色層用ノズル選択領域204a、204b、及び遮光層用ノズル選択領域208を設定し、走査制御部12における主走査制御部102は、各ノズル選択領域内のノズルからインク滴を吐出させつつ、カラー印刷用ヘッド14、白色層形成用ヘッド16、及び紫外線照射部18を主走査方向へ移動させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェットプリンタ及び印刷物の製造方法に関する。
近年、インクジェットプリンタの用途の広がりにより、媒体の表面側から視認可能な画像に加え、裏面側から視認可能な画像を印刷することが求められる場合がある。この場合、従来、不透明の媒体の両面から印刷を行うことにより、媒体の表面及び裏面に対し、それぞれ画像を印刷することが一般的である。
特表2008−530619号公報
上記のように、媒体の表面及び裏面に対し、それぞれ画像の印刷を行おうとする場合、例えば、媒体の表面側及び裏面側の両方にインクジェットヘッドを配置する構成や、表面用のプリンタ及び裏面用のプリンタとして2台のインクジェットプリンタを連結して印刷を行う構成等を用いることが必要となる。そのため、この場合、装置が大型化し、かつ装置が高価になるという欠点がある。また、装置が高価になるため、印刷のコストも増大する。そのため、従来、媒体の表面側から視認される画像(以下、表面側の観察画像とする)、及び裏面側から視認される画像(以下、裏面側の観察画像とする)を、より簡単な構成により、低コストで印刷することが望まれていた。
これに対し、本願の発明者は、透明な媒体の一方の面に、間に遮光層等を挟んで、表面側の観察画像を表現する層と、裏面側の観察画像を表現する層を重ねて印刷することを考えた。このような多層印刷は、例えば、フラットベットタイプのインクジェットプリンタを用い、一の層を形成した後に、媒体とインクジェットヘッドとの相対位置を元の位置へ戻した後、次の層を形成することで行うことができる。
また、複数のインクの層を重ねて形成する多層印刷は、フラットベッドタイプのインクジェットプリンタに限らず、縦型のインクジェットプリンタ等により行うことも考えられる。この場合、例えば、下の層の印刷時にトンボ等のレジストマークを形成しておき、その後、媒体の巻き戻しと位置の補正をして、次の層の印刷を行うこととなる。また、媒体の引き戻し機構のないものを使用する場合には、例えば、重ねて形成する層に合わせ、専用のインクジェットヘッドを設けることも考えられる。
しかし、これらの方法は、トンボ検出機構や、特別な位置に設けられる専用のインクジェットヘッド及びそれを駆動する機構等の追加が必要となり、コストアップの要因となる問題がある。そのため、表面側及び裏面側の観察画像を、より適切な方法で印刷することが望まれる。
尚、本発明に関する先行技術を調査したところ、多重層のデジタルUVインクジェット印刷を行う特許文献1を発見した。しかし、引用文献1において、本願発明の構成は開示されていない。そこで、本発明は、上記の課題を解決できるインクジェットプリンタ及び印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
(構成1)予め設定された主走査方向へ媒体に対して相対的にインクジェットヘッドを移動させる主走査動作と、主走査方向と直交する副走査方向へ媒体に対して相対的にインクジェットヘッドを移動させる副走査動作とを行って、媒体の各位置への印刷を行うインクジェットプリンタであって、カラー印刷がされたカラー印刷層を形成するインク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、副走査方向と平行なノズル列方向へ複数のノズルが並ぶノズル列を有し、主走査動作が行われる場合に主走査方向へ移動しつつ複数のノズルからインク滴を吐出することにより、各回の主走査動作毎に、カラー印刷層において当該主走査動作に対応する部分を形成するカラー印刷用ヘッドと、カラー印刷層の上又は下に重ねて印刷がされたインクの層である重層印刷層を形成するインク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、ノズル列方向へ複数のノズルが並ぶノズル列を有し、カラー印刷用ヘッドと副走査方向における位置を揃え、かつ、主走査方向の位置をずらして設けられ、主走査動作が行われる場合に主走査方向へ移動しつつ複数のノズルからインク滴を吐出することにより、各回の主走査動作毎に、重層印刷層において当該主走査動作に対応する部分を形成する重層形成用ヘッドと、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドの主走査動作及び副走査動作を制御する走査制御部とを備え、媒体は、一方の面である被印刷面に印刷された画像を被印刷面の裏面側から視認可能な透光性の媒体であり、走査制御部は、主走査動作においてインク滴を吐出すべきノズルを、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドのそれぞれから選択するノズル選択部と、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドに主走査動作を行わせる主走査制御部と、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドに副走査動作を行わせる副走査制御部とを有し、ノズル選択部は、カラー印刷用ヘッドのノズル列の一部に、ノズル列方向へ連続して並ぶ複数のノズルをそれぞれ含む第1のカラー用ノズル選択領域と、第2のカラー用ノズル選択領域とを、ノズル列方向に間隔を空けて設定し、第1のカラー用ノズル選択領域、及び第2のカラー用ノズル選択領域内のノズルを、カラー印刷用ヘッドにおいて主走査動作時にインク滴を吐出すべきノズルとして選択し、かつ、重層形成用ヘッドのノズル列のうち、副走査方向の位置が第1のカラー用ノズル選択領域と、第2のカラー用ノズル選択領域とに挟まれる位置となる部分に、ノズル列方向へ連続して並ぶ複数のノズルを含む重層用ノズル選択領域を設定し、重層用ノズル選択領域内のノズルを、重層形成用ヘッドにおいて主走査動作時にインク滴を吐出すべきノズルとして選択し、主走査制御部は、主走査動作において、カラー印刷用ヘッドにおける第1のカラー用ノズル選択領域内のノズル、及び第2のカラー用ノズル選択領域内のノズルと、重層形成用ヘッドにおける重層用ノズル選択領域内のノズルとからインク滴を吐出させつつ、媒体に対して相対的に、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドを主走査方向へ移動させ、副走査制御部は、副走査動作において、主走査動作の合間に、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドを副走査方向へ移動させる。
このように構成すれば、例えば、副走査方向における媒体の位置を戻す工程を行うことなく、複数のインクの層を重ねて形成する多層印刷を適切に行うことができる。副走査方向における媒体の位置を戻す工程とは、例えば、一の層の印刷を行った後、次の層の印刷を行う前に、副走査方向における媒体に対するインクジェットヘッドの相対位置を一の層の印刷開始前の位置へ戻す工程である。
また、この場合、副走査方向における媒体の位置を戻す工程が必要ないため、トンボ検出機構等を設ける必要はない。また、重層形成用ヘッドは、例えば、従来の一般的なインクジェットプリンタにおいて白インク用又はクリアインク用等のインクジェットヘッドを設ける位置と同様に、カラー印刷用ヘッドと主走査方向において隣接する位置に設けることができる。そのため、例えば、重層形成用ヘッドを特別な位置に設ける必要はない。また、その結果、それを駆動する特別な機構等の追加も必要ない。従って、このように構成すれば、例えば、多層印刷を低いコストで行うことができる。また、例えば、従来の縦型のインクジェットプリンタと同様の構成により、より適切に多層印刷を行うことが可能となる。
更には、このように構成した場合、例えば、透光性の媒体への多層印刷において、副走査方向における媒体の位置を戻す工程を行うことなく、間に重層印刷層を挟む複数のカラー印刷層を適切に形成できる。そのため、このように構成すれば、例えば、媒体の一方の面である被印刷面上に、複数のカラー印刷層のそれぞれにより、媒体の表面側及び裏面側のそれぞれの観察画像に対応する画像を、低いコストで適切に印刷できる。また、これにより、例えば、媒体の片側にのみ印刷を行うことで、擬似的な両面印刷を適切に行うことができる。
尚、ノズル選択部は、複数の重層用ノズル選択領域を設定してもよい。この場合、それぞれの重層用ノズル選択領域に対応して形成される重層印刷層は、例えば、重ねて形成される。インクジェットプリンタは、例えば、複数のカラー印刷層の間に、複数の重層印刷層を形成してもよい。また、インクジェットプリンタは、複数の重層形成用ヘッドを備えてよい。この場合、ノズル選択部は、例えば、それぞれの重層形成用ヘッドに、重層用ノズル選択領域を設定する。
重層形成用ヘッドについて、カラー印刷用ヘッドと副走査方向における位置を揃えて設けられるとは、例えば、それぞれのインクジェットヘッドにおけるノズル列の副走査方向における位置を揃えて設けられることである。ノズル列の副走査方向における位置を揃えて設けられるとは、例えば、印刷の解像度に応じて許容される範囲内の精度で、ノズル列の先頭及び最後部の位置を揃えて設けられることである。
インクジェットプリンタは、例えば、カラー印刷用の各色のインクにそれぞれ対応する複数のカラー印刷用ヘッドを備える。この場合、各カラー印刷用ヘッドは、例えば、YMCKインクの各色のインク滴を吐出する。また、複数のカラー印刷用ヘッドは、例えば、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並べて設けられる。
重層印刷用ヘッドは、例えば、不透明でカラー印刷用のインクと同時に使用できないインクを吐出する。このようなインクとしては、例えば、不透明な黒インクのインク、白色のインク、又はメタリック色等の特色のインク等を用いることが考えられる。また、重層形成用ヘッドとして、複数のカラー印刷用ヘッドの一部又は全てを兼用して用いることも考えられる。この場合、重層印刷層も、カラー印刷がされた層であってもよい。
また、第1のカラー用ノズル選択領域、第2のカラー用ノズル選択領域、及び重層用ノズル選択領域のそれぞれのノズル列方向における長さ(以下、ノズル選択幅とする)は、同一であってよい。例えば、第1のカラー用ノズル選択領域のノズル選択幅と、第2のカラー用ノズル選択領域のノズル選択幅は、同一であることが好ましい。また、重層用ノズル選択領域のノズル選択幅も、第1及び第2のカラー用ノズル選択領域のノズル選択幅と同一であってよい。ノズル選択幅は、例えば、重ねて形成する層数に応じて設定される。
副走査制御部は、例えば、1回の副走査動作あたり、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドを、ノズル選択幅に対応して設定される距離だけ、媒体に対して相対的に移動させる。ノズル選択幅に対応して設定される距離とは、例えば、ノズル選択幅を、印刷のスキャン数(パス数)Nで除した距離である。
(構成2)カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドは、紫外線の照射により硬化するインクである紫外線硬化型インクのインク滴をそれぞれ吐出し、インクジェットプリンタは、媒体に向けて紫外線を照射する紫外線照射部であって、主走査動作時に主走査方向においてカラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドの移動の後ろ側になる位置に設けられる紫外線照射部を更に備え、主走査制御部は、主走査動作時において、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドから吐出されて媒体へ着弾したインクへ紫外線照射部に紫外線を照射させつつ、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドと、紫外線照射部とを、媒体に対して相対的に、主走査方向へ移動させる。
このように構成すれば、例えば、媒体上の各位置において、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドの一方から吐出されて着弾したインクに対し、他方から吐出されるインクが着弾する前に、紫外線を適切に照射できる。また、これにより、例えば、複数のインクの層を適切に形成できる。
尚、インクジェットプリンタは、複数の紫外線照射部を備えてよい。複数の紫外線照射部は、例えば、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドを、主走査方向の両側から挟む位置に設けられる。このように構成すれば、例えば、主走査方向への移動の往路及び復路の両方において、適切に印刷を行うことができる。
(構成3)重層形成用ヘッドとして、遮光性のインクを吐出するインクジェットヘッドである遮光層用ヘッドを備え、主走査制御部及び副走査制御部は、カラー印刷用ヘッド及び遮光層用ヘッドに主走査動作及び副走査動作を行わせることにより、第1のカラー用ノズル選択領域内のノズルにより媒体の被印刷面に形成される第1のカラー印刷層と、重層用ノズル選択領域内のノズルにより形成される遮光性のインクの層であり、第1のカラー印刷層の少なくとも一部を覆う領域に形成される遮光層と、第2のカラー用ノズル選択領域内のノズルにより、少なくとも一部が遮光層の上に重なる領域に形成される第2カラー印刷層とを形成する。遮光層は、例えば、第1のカラー印刷層と、第2のカラー印刷層との間で、印刷される画像が異なる部分と重なる領域に形成される。
このように構成した場合、第1及び第2のカラー印刷層の間に遮光層を形成することにより、例えば、両層に異なる画像が印刷される場合にも、他の画像が透けて見えることを適切に防ぐことができる。そのため、このように構成すれば、例えば、第1及び第2のカラー印刷層において印刷される画像が異なる場合にも、媒体の両面の観察画像を、より適切に得ることができる。
(構成4)重層形成用ヘッドとして、遮光層と重ねて形成された場合に光反射性となる層を形成するインクである光反射性のインクを吐出するインクジェットヘッドである光反射層用ヘッドを更に備え、ノズル選択部は、遮光層用ヘッドに対し、重層用ノズル選択領域として、ノズル列方向へ連続して並ぶ複数のノズルを含む遮光層用ノズル選択領域を設定し、かつ、光反射層用ヘッドに対し、重層用ノズル選択領域として、ノズル列方向へ連続して並ぶ複数のノズルをそれぞれ含む第1光反射層用ノズル選択領域と、第2光反射層用ノズル選択領域とを設定し、遮光層用ノズル選択領域、第1光反射層用ノズル選択領域、及び第2光反射層用ノズル選択領域は、副走査方向において、第1光反射層用ノズル選択領域と第2光反射層用ノズル選択領域との間に遮光層用ノズル選択領域が挟まれる位置関係で並び、主走査制御部及び副走査制御部は、カラー印刷用ヘッド、遮光層用ヘッド、及び光反射層用ヘッドに主走査動作及び副走査動作を行わせることにより、第1のカラー印刷層と、第1光反射層用ノズル選択領域内のノズルにより形成される光反射性のインクの層であり、少なくとも第1のカラー印刷層の一部の領域上に形成される第1光反射層と、第1光反射層を挟んで第1のカラー印刷層上に形成される遮光層と、第2光反射層用ノズル選択領域内のノズルにより形成される光反射性のインクの層であり、少なくとも遮光層を覆う領域に形成される第2光反射層と、第2光反射層上に形成される第2のカラー印刷層とを形成する。光反射性のインクとしては、例えば白色等の淡色のインクを好適に用いることができる。
このように構成した場合、裏面側の観察画像は、第1光反射層からの反射画像となる。表面側の観察画像は、第2光反射層からの反射画像となる。また、この場合、第1、第2光反射層の間に遮光層があるため、第1、第2光反射層は、より適切に光を反射する。そのため、このように構成すれば、媒体の両面の観察画像として、より鮮明な画像を得ることができる。
(構成5)第1のカラー印刷層は、予め設定された第1の画像が印刷された層であり、遮光層は、第1の画像の少なくとも一部を覆い、第2のカラー印刷層は、予め設定された第2の画像が印刷された層であり、第1の画像は、第2の画像において遮光層と重なる部分の少なくとも一部を鏡像反転させた画像である。第1の画像は、例えば、第2の画像において文字を含む部分を鏡像反転させた画像であってよい。第1の画像は、第2の画像の全体を鏡像反転させた画像であってもよい。
例えば、自然物の写真等のように、鏡像反転が視認結果に余り大きな影響を与えない画像であれば、第1及び第2の画像として、同じ画像を印刷することも考えられる。この場合、表面側及び裏面側の一方の観察画像は、他方の観察画像を鏡像反転させた画像となる。しかし、例えば文字等を含む画像の場合、観察画像が鏡像反転した画像になると、文字を読めなくなる等の問題が生じる。
これに対し、このように構成すれば、例えば、第1及び第2の画像の一方の少なくとも一部を予め鏡像反転させることにより、文字等の鏡像反転が視認結果に影響を与える部分について、表面側及び裏面側の観察画像を共に正像とできる。また、これにより、媒体の表面側及び裏面側のそれぞれの観察画像に対応する画像を、より適切に印刷できる。
尚、第1光反射層及び第2光反射層を形成する場合、第1光反射層は、例えば、第1の画像の全体を覆う。第1光反射層は、第1の画像の一部を覆ってもよい。遮光層は、例えば、第1光反射層を挟んで、第1の画像の少なくとも一部を覆う。第2光反射層は、遮光層を挟んで、例えば第1光反射層の全体と重なる。
(構成6)ノズル選択部は、カラー印刷用ヘッドのノズル列に対し、第1のカラー用ノズル選択領域と第2のカラー用ノズル選択領域に挟まれる領域に、ノズル列内において第1のカラー用ノズル選択領域、及び第2のカラー用ノズル選択領域のそれぞれとそれぞれ隣接して設定される隙間の領域であり、1個以上のノズルをそれぞれ含む複数の隙間領域を更に設定し、かつ、重層形成用ヘッドのノズル列に対し、副走査方向の位置が複数の隙間領域に挟まれる位置となる部分に、重層用ノズル選択領域を設定する。
第1及び第2のカラー用ノズル選択領域、及び重層用ノズル選択領域は、例えば、ノズル列方向における長さが予め設定されたノズル選択幅の領域である。ノズル選択部は、複数の隙間領域を、例えば、ノズル列方向において少なくともこのノズル選択幅以上の間隔を空けて設定する。また、ノズル選択部は、重層用ノズル選択領域を、例えば、副走査方向においてカラー用ノズル選択領域及び隙間領域と重ならない位置に設定する。
このように構成した場合、隙間領域を設定することにより、例えば、後で印刷される層のインクが先に印刷された層のインクと混じることを適切に防ぐことができる。そのため、このように構成すれば、例えば、多層印刷をより適切に行うことができる。また、これにより、例えば、媒体の片側にのみ印刷を行うことで、擬似的な両面印刷をより適切に行うことができる。
ここで、隙間領域のノズル列方向における長さは、例えば、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドから吐出されるインク滴の着弾位置の副走査方向におけるバラツキの最大値よりも大きい。インク滴の着弾位置の副走査方向におけるバラツキの最大値とは、例えば、正常なノズルに対して設計上許容されるバラツキの最大値である。このように構成すれば、例えば、後で印刷される層のインクが先に印刷された層のインクと混じることをより適切に防ぐことができる。
また、副走査制御部は、例えば、1回の副走査動作あたり、ノズル選択幅の1/N(Nは、2以上の整数)の距離だけ、媒体に対して相対的に、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドを副走査方向へ移動させ、インクジェットプリンタは、カラー印刷層及び重層印刷層のそれぞれについての媒体上の各位置への印刷を、各回の合間に副走査動作を挟んで行うN回の主走査動作により形成し、隙間領域のノズル列方向における長さは、1回の副走査動作においてカラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドを副走査方向へ移動させる距離と等しい。
このように構成した場合、インクジェットプリンタは、媒体の各位置に対する印刷のスキャン数(パス数)をN回とし、カラー印刷層及び重層印刷層のそれぞれを、媒体上の各箇所に対してN回の主走査動作を行うNスキャン印刷(Nパス印刷)により形成する。そのため、このように構成すれば、高精細な印刷を適切に行うことができる。
また、この場合、副走査方向への隙間領域の長さが、副走査動作における1回の移動距離であるパス送り幅と等しくなっている。そのため、インクジェットプリンタの印刷動作を制御するデータにおいて、隙間領域の影響を考慮するためには、媒体の各位置に対応する主走査を、カラー印刷層形成用のデータと、重層印刷層形成用のデータとの間で、パス送り幅相当分だけシフトすればよい。従って、このように構成すれば、例えば、カラー印刷層及び重層印刷層のそれぞれについて、媒体の各位置と主走査動作との対応が考えやすくなる。また、これにより、例えば、インクジェットプリンタの動作をより容易に制御できる。
また、隙間領域のノズル列方向における長さは、例えば、1回の副走査動作においてカラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドを副走査方向へ移動させる距離よりも小さくてもよい。このように構成すれば、例えば、隙間領域を設けることによる印刷速度への影響を低減できる。また、これにより、例えば、より高速に印刷を行うことが可能となる。隙間領域は、例えば、ノズル列方向へ並ぶ1〜3個のノズルを含む領域であってよい。また、ノズル列方向における隙間領域の長さは、例えば、インクジェットヘッドの制御における機械的な精度で許容される最小幅であってよい。
(構成7)予め設定された主走査方向へ媒体に対して相対的にインクジェットヘッドを移動させる主走査動作と、主走査方向と直交する副走査方向へ媒体に対して相対的にインクジェットヘッドを移動させる副走査動作とを行って、媒体の各位置への印刷をインクジェット方式で行い、印刷物を製造する印刷物の製造方法であって、カラー印刷がされたカラー印刷層を形成するインク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、副走査方向と平行なノズル列方向へ複数のノズルが並ぶノズル列を有し、主走査動作が行われる場合に主走査方向へ移動しつつ複数のノズルからインク滴を吐出することにより、各回の主走査動作毎に、カラー印刷層において当該主走査動作に対応する部分を形成するカラー印刷用ヘッドと、カラー印刷層の上又は下に重ねて印刷がされたインクの層である重層印刷層を形成するインク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、ノズル列方向へ複数のノズルが並ぶノズル列を有し、カラー印刷用ヘッドと副走査方向における位置を揃え、かつ、主走査方向の位置をずらして設けられ、主走査動作が行われる場合に主走査方向へ移動しつつ複数のノズルからインク滴を吐出することにより、各回の主走査動作毎に、重層印刷層において当該主走査動作に対応する部分を形成する重層形成用ヘッドとに対し、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドの主走査動作及び副走査動作を制御する走査制御を行い、媒体は、一方の面である被印刷面に印刷された画像を被印刷面の裏面側から視認可能な透光性の媒体であり、走査制御において、主走査動作においてインク滴を吐出すべきノズルを、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドのそれぞれから選択するノズル選択段階と、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドに主走査動作を行わせる主走査制御段階と、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドに副走査動作を行わせる副走査制御段階とを行い、ノズル選択段階は、カラー印刷用ヘッドのノズル列の一部に、ノズル列方向へ連続して並ぶ複数のノズルをそれぞれ含む第1のカラー用ノズル選択領域と、第2のカラー用ノズル選択領域とを、ノズル列方向に間隔を空けて設定し、第1のカラー用ノズル選択領域、及び第2のカラー用ノズル選択領域内のノズルを、カラー印刷用ヘッドにおいて主走査動作時にインク滴を吐出すべきノズルとして選択し、かつ、重層形成用ヘッドのノズル列のうち、副走査方向の位置が第1のカラー用ノズル選択領域と、第2のカラー用ノズル選択領域とに挟まれる位置となる部分に、ノズル列方向へ連続して並ぶ複数のノズルを含む重層用ノズル選択領域を設定し、重層用ノズル選択領域内のノズルを、重層形成用ヘッドにおいて主走査動作時にインク滴を吐出すべきノズルとして選択し、主走査制御段階は、主走査動作において、カラー印刷用ヘッドにおける第1のカラー用ノズル選択領域内のノズル、及び第2のカラー用ノズル選択領域内のノズルと、重層形成用ヘッドにおける重層用ノズル選択領域内のノズルとからインク滴を吐出させつつ、媒体に対して相対的に、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドを主走査方向へ移動させ、副走査制御段階は、副走査動作において、主走査動作の合間に、カラー印刷用ヘッド及び重層形成用ヘッドを副走査方向へ移動させる。印刷物とは、例えば、印刷がされた媒体のことである。このようにすれば、例えば、構成1と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、例えば、媒体の両面の観察画像となる画像を、低いコストで適切に印刷できる。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ10の第1の例を示す図である。図1(a)は、インクジェットプリンタ10の構成の一例を示す。図1(b)は、インクジェットプリンタ10におけるカラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16の構成の一例を示す。 各回の主走査動作において形成されるカラー印刷層及び白色インク層の一例を示す図である。 3層の多層印刷を行う場合の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ10の第2の例を示す図である。図4(a)は、インクジェットプリンタ10の構成の一例を示す。図4(b)は、インクジェットプリンタ10におけるインクジェットヘッドの構成の一例を示す。 インクジェットプリンタ10による印刷動作について説明する図である。図5(a)は、印刷動作の途中段階において形成されている複数のインクの層の状態の一例を示す。図5(b)は、多層印刷が行われた後の媒体50の状態の一例を示す。 図5(b)に示した各層の第1の具体例を示す図である。図6(a)は、第1カラー印刷層602の一例を示す。図6(b)は、第1光反射層604の一例を示す。図6(c)は、遮光層606の一例を示す。 図5(b)に示した各層の第1の具体例を示す図である。図7(a)は、第2光反射層608の一例を示す。図7(b)は、第2カラー印刷層610の一例を示す。 各層の第2の具体例を示す図である。図8(a)は、第1カラー印刷層602の一例を示す。図8(b)は、第1光反射層604の一例を示す。図8(c)は、遮光層606の一例を示す。 遮光層606を形成する領域の形を変形した例を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。先ず、本発明の理解をしやすくするために、図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ10により、本発明よりも層数が少ない多層印刷を行う場合について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ10の第1の例を示す。図1(a)は、インクジェットプリンタ10の構成の一例を示す。図1(b)は、インクジェットプリンタ10におけるカラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16の構成の一例を示す。本例において、インクジェットプリンタ10は、縦型のインクジェットプリンタであり、走査制御部12、複数のカラー印刷用ヘッド14、白色層形成用ヘッド16、及び複数の紫外線照射部18を備える。
尚、インクジェットプリンタ10は、例えば、主走査動作及び副走査動作とを行って、媒体50の各位置への印刷を行う。主走査動作とは、例えば、インクジェットヘッドであるカラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16にインク滴を吐出させつつ、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16を予め設定された主走査方向へ媒体50に対して相対的に移動させる動作である。また、副走査動作とは、例えば、主走査動作の合間に、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16を、主走査方向と直交する副走査方向へ媒体50に対して相対的に移動させる動作である。縦型のインクジェットプリンタとは、例えば、副走査動作において、媒体50の側を移動させるインクジェットプリンタである。
また、図示は省略したが、インクジェットプリンタ10は、例えば、媒体50を搬送するローラ、カラー印刷用ヘッド14、白色層形成用ヘッド16、及び紫外線照射部18を駆動する駆動装置等の、印刷動作に必要な各種の構成を更に備える。本例において、インクジェットプリンタ10は、主走査方向における媒体50の位置を固定し、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16の側を移動させることにより、主走査動作を行う。また、副走査方向におけるカラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16の位置を固定し、搬送により媒体50の側を移動させることにより、副走査動作を行う。また、インクジェットプリンタ10は、フラットベッド型のインクジェットプリンタであってもよい。この場合、副走査動作において、インクジェットプリンタ10は、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16の側を移動させる。
走査制御部12は、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16の主走査動作及び副走査動作を制御する制御部であり、主走査制御部102、副走査制御部104、及びノズル選択部106を有する。主走査制御部102は、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16に主走査動作を行わせる。本例において。主走査制御部102は、主走査方向への移動の往路及び復路の両方において、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16にインク滴を吐出させる。また、副走査制御部104は、例えばローラ等に媒体50を搬送させて媒体50の側を移動させることにより、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16に副走査動作を行わせる。
ノズル選択部106は、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16のそれぞれにおける複数のノズルから、主走査動作においてインク滴を吐出すべきノズルを選択する。主走査動作においてインク滴を吐出すべきノズルとは、例えば、印刷すべき画像に応じて、必要に応じてインク滴を吐出すべきノズルである。ノズルの選択の詳細については、後に更に詳しく説明する。
カラー印刷用ヘッド14は、カラー印刷がされたカラー印刷層を形成するインク滴を吐出するインクジェットヘッドである。複数のカラー印刷用ヘッド14のそれぞれは、例えば、YMCKインクの各色のインク滴を吐出する。また、本例において、カラー印刷用ヘッド14は、YMCKインクの各色のインク滴として、紫外線の照射により硬化するインクである紫外線硬化型インクのインク滴を吐出する。
また、それぞれのカラー印刷用ヘッド14は、例えば、副走査方向と平行なノズル列方向へ複数のノズル304が並ぶノズル列302を有し、主走査動作が行われる場合に主走査方向へ移動しつつ、ノズル選択部106により選択されている複数のノズル304からインク滴を吐出する。これにより、カラー印刷用ヘッド14は、各回の主走査動作毎に、カラー印刷層において当該主走査動作に対応する部分を形成する。また、本例において、複数のカラー印刷用ヘッド14は、例えば、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並べて設けられる。
白色層形成用ヘッド16は、重層形成用ヘッドの一例のインクジェットであり、白色インクのインク滴を吐出することにより、重層印刷層の一例である白色インク層を形成する。重層形成用ヘッドとは、例えば、重層印刷層を形成するインク滴を吐出するインクジェットヘッドである。重層印刷層とは、例えば、カラー印刷層の上又は下に重ねて印刷がされたインクの層である。本例において、白色層形成用ヘッド16は、白色インクとして、紫外線硬化型インクのインク滴を吐出する。また、白色層形成用ヘッド16は、カラー印刷用ヘッド14と、副走査方向における位置を揃え、かつ、主走査方向の位置をずらして設けられる。
また、白色層形成用ヘッド16は、ノズル列方向へ複数のノズル304が並ぶノズル列302を有し、主走査動作が行われる場合に主走査方向へ移動しつつ、ノズル選択部106により選択されている複数のノズル304からインク滴を吐出する。これにより、白色層形成用ヘッド16は、各回の主走査動作毎に、白色インク層において当該主走査動作に対応する部分を形成する。
ここで、インクジェットプリンタ10は、重層形成用ヘッドとして、白色以外の色のインクを吐出するインクジェットヘッドを備えてもよい。例えば、重層印刷用ヘッドは、クリアインク等のインク滴を吐出してもよい。また、重層印刷用ヘッドは、不透明でカラー印刷用のインクと同時に使用できないインク、例えば不透明な黒インクや、例えばメタリック色等の特色のインク等のインク滴を吐出してもよい。
更には、インクジェットプリンタ10は、複数種類の重層形成用ヘッドを備えてもよい。また、重層形成用ヘッドとしては、複数のカラー印刷用ヘッド14の一部又は全てを兼用して用いることも考えられる。この場合、重層印刷層も、カラー印刷がされた層であってもよい。
紫外線照射部18は、インクを硬化させる紫外線を媒体50に向けて照射する光源部である。紫外線照射部18は、例えば、主走査動作時に主走査方向においてカラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16の移動の後ろ側になる位置に設けられる。紫外線照射部18としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、キセノンランプ、ブラックライト、水銀灯、又はUVLED等を用いることができる。
本例において、インクジェットプリンタ10は、複数の紫外線照射部18を備える。複数の紫外線照射部18は、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16を主走査方向の両側から挟む位置に設けられる。また、主走査動作時において、主走査制御部102は、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16と共に、複数の紫外線照射部18を、主走査方向へ移動させる。これにより、主走査制御部102は、主走査方向への移動の往路及び復路の両方において、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16から吐出されて媒体50へ着弾したインクへ、紫外線照射部18に紫外線を照射させる。
ここで、ノズル選択部106によるノズルの選択について、更に詳しく説明する。以下の説明は、一層のカラー印刷層と一層の白色インク層とを重ねて形成する場合のノズルの選択の一例についての説明である。
本例において、複数のカラー印刷用ヘッド14、及び白色層形成用ヘッド16のそれぞれは、有効長Lのノズル列302を有する。そして、ノズル選択部106は、カラー印刷用ヘッド14のノズル列302の一部に、カラー用ノズル選択領域202及び隙間領域206を設定する。カラー用ノズル選択領域202は、カラー印刷に用いるノズルとして選択するノズルが並ぶ領域であり、ノズル列方向へ連続して並ぶ複数のノズル304を含む。本例において、カラー用ノズル選択領域202は、図中に矢印L1で示したような、ノズル列方向における長さが予め設定されたノズル選択幅の領域である。
隙間領域206は、本例の方法により多層印刷を行う場合において、後で印刷される層のインクが先に印刷された層のインクと混じることを避けるためのスペースとなる領域である。本例において、隙間領域206は、図中に矢印B1で示したような、ノズル列302内においてカラー用ノズル選択領域202と隣接して設定される隙間の領域であり、1個以上のノズル304を含む。
また、ノズル選択部106は、複数のカラー印刷用ヘッド14のそれぞれに対し、副走査方向の位置を揃えて、同じ幅のカラー用ノズル選択領域202及び隙間領域206を設定する。これにより、ノズル選択部106は、それぞれのカラー印刷用ヘッド14におけるカラー用ノズル選択領域202内のノズル304を、それぞれのカラー印刷用ヘッド14において主走査動作時にインク滴を吐出すべきノズル304として選択する。
更に、ノズル選択部106は、白色層形成用ヘッド16のノズル列302のうち、副走査方向の位置がカラー用ノズル選択領域202及び隙間領域206と重ならない部分に、白色層用ノズル選択領域204を設定する。白色層用ノズル選択領域204は、白色のインクによる印刷に用いるノズル304として選択するノズル304が並ぶ領域であり、ノズル列方向へ連続して並ぶ複数のノズル304を含む。本例において、白色層用ノズル選択領域204は、図中に矢印L2で示したような、ノズル列方向における長さがカラー用ノズル選択領域202と同じノズル選択幅の領域である。また、白色層用ノズル選択領域204は、重層用ノズル選択領域の一例である。これにより、ノズル選択部106は、白色層用ノズル選択領域204内のノズル304を、白色層形成用ヘッド16において主走査動作時にインク滴を吐出すべきノズル304として選択する。また、本例において、ノズル選択部106は、白色層形成用ヘッド16のノズル列302のうち、カラー印刷用ヘッド14の隙間領域206と副走査方向の位置が重なる部分に、カラー印刷用ヘッド14の隙間領域206と同じ長さの隙間領域206を設定する。
ここで、本例のように、一層のカラー印刷層と一層の白色インク層とを重ねて形成する場合、ノズル選択部106は、副走査方向の位置を順次隣接させて、カラー用ノズル選択領域202、隙間領域206、及び白色層用ノズル選択領域204を設定する。また、主走査制御部102は、主走査動作において、各カラー印刷用ヘッド14におけるカラー用ノズル選択領域202内のノズル304、及び白色層形成用ヘッド16における白色層用ノズル選択領域204内のノズル304からインク滴を吐出させつつ、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16を主走査方向へ移動させる。これにより、各回の主走査動作毎に、カラー印刷用ヘッド14は、カラー用ノズル選択領域202の幅であるノズル選択幅で、カラー印刷層を形成する。また、同じ主走査動作時に、カラー印刷用ヘッド14により形成されるカラー印刷層に対して隙間領域206の長さ分の距離を副走査方向へ空けた位置において、白色層形成用ヘッド16は、白色層用ノズル選択領域204の幅であるノズル選択幅で、白色インク層を形成する。
また、各回の主走査動作の合間に、副走査制御部104は、媒体50の搬送により、媒体50に対して相対的に、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16を、副走査方向へ移動させる。また、副走査制御部104は、1回の副走査動作あたりのパス送り幅を、ノズル選択幅に対応して設定される距離に設定する。これにより、主走査制御部102は、次の主走査動作において、前回の主走査動作時と副走査方向の位置が異なる位置へ、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16に、カラー印刷層及び白色インク層を形成させる。
尚、ノズル選択幅に対応して設定される距離とは、例えば、1回の主走査動作により形成されるカラー印刷層及び白色インク層の幅であるノズル選択幅に応じて決定される媒体50の送り量である。ノズル選択幅に対応して設定される距離は、例えば、ノズル選択幅を、印刷のスキャン数(パス数)Nで除した距離であってよい。
図2は、各回の主走査動作において形成されるカラー印刷層及び白色インク層の一例を示す図であり、各回の主走査動作で印刷される領域(パス)の媒体50における位置を、印刷の工程に従い、時系列的に示す。また、図において、符号T1〜T9は、印刷の工程において時系列に従って並ぶ各タイミングを示す。
ここで、以下に説明する例は、媒体50の各位置に対する印刷のスキャン数(パス数)を2回とする2スキャン印刷(2パス印刷)を行う場合の例である。この場合、副走査制御部104は、パス送り幅を、ノズル選択幅の1/2の距離に設定する。これにより、インクジェットプリンタ10は、カラー印刷層及び白色インク層のそれぞれを、媒体50上の各箇所に対して2回の主走査動作を行うことで形成する。
より具体的には、例えば、主走査動作において、図示のようにカラー印刷用ヘッド14のカラー用ノズル選択領域202を2分割した領域L11、L12のそれぞれにより、カラー印刷層について、1スキャン目、及び2スキャン目の印刷を行う。また、白色層形成用ヘッド16の白色層用ノズル選択領域204を2分割した領域L21、L22のそれぞれにより、白色インク層404について、1スキャン目、及び2スキャン目の印刷を行う。また、副走査動作において、領域L11、L12、L21、L22の長さ分のパス送り幅の副走査動作を行う。
また、本例において、ノズル選択部106は、隙間領域206のノズル列方向における長さを、ノズル選択幅の1/2の距離に設定する。これにより、ノズル選択部106は、副走査方向において、隙間領域206の長さと、副走査動作時のカラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16の移動距離とを等しく設定する。
尚、図においては、図示の便宜上、複数のカラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16をまとめて、一つのインクジェットヘッドで示している。図中のインクジェットヘッドのうち、カラー用ノズル選択領域202は、それぞれのカラー印刷用ヘッド14におけるカラー用ノズル選択領域202を示す。白色層用ノズル選択領域204は、白色層形成用ヘッド16における白色層用ノズル選択領域204を示す。隙間領域206は、それぞれのカラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16における隙間領域206を示す。
また、本例において、ノズル選択部106は、図1(b)において矢印B1で示した隙間領域206と同じ隙間領域206の他に、カラー用ノズル選択領域202から遠い側において白色層用ノズル選択領域204と隣接する位置に、矢印B2で示した隙間領域206を更に設定する。このように構成すれば、例えば、カラー用ノズル選択領域202及び白色層用ノズル選択領域204のそれぞれに対応する隙間領域206を設けることになり、副走査動作の制御がより行いやすくなる。
以下、各タイミングT1〜T9毎の状態を説明する。タイミングT1は、印刷開始前に媒体50が初期位置にある状態を示す。この状態において、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16のノズル列は、例えば、媒体50の被印刷領域の外側にある。以降のタイミングT2〜T8は、前のタイミングの後、1回の副走査状態を行った状態におけるタイミングである。また、タイミングT9は、全ての印刷が完了した状態におけるタイミングである。
尚、以下の各タイミングにおいて行う主走査動作において、紫外線照射部18(図1参照)は、紫外線を照射しつつ、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16と共に主走査方向へ移動する。主走査制御部102は、例えば、主走査方向においてカラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16の移動の後ろ側になる紫外線照射部18に対し、紫外線の照射を行わせる。これにより、紫外線照射部18は、各回の主走査動作により形成されるカラー印刷層及び白色インク層を、次の主走査動作が行われる前に硬化させる。
タイミングT2において、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16は、カラー印刷用ヘッド14において1スキャン目の印刷を行うための領域L11が媒体50における先頭の主走査領域502aと重なる位置にある。この状態で主走査動作を行うことにより、カラー印刷用ヘッド14は、領域L11の幅で、媒体50における主走査領域502aに、1スキャン目のカラー印刷層402aを形成する。
タイミングT3において、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16は、カラー印刷用ヘッド14の領域L11が次の主走査領域502bと重なる位置にある。また、この状態において、カラー印刷用ヘッド14において2スキャン目の印刷を行うための領域L12は、主走査領域502aと重なる。この状態で主走査動作を行うことにより、カラー印刷用ヘッド14は、主走査領域502bに、1スキャン目のカラー印刷層402aを形成する。また、領域L11の幅と同じL12の幅で、主走査領域502aに、2スキャン目のカラー印刷層402bを形成する。
タイミングT4において、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16は、カラー印刷用ヘッド14の領域L11が次の主走査領域502cと重なる位置にある。この状態において、カラー印刷用ヘッド14の領域L12は、主走査領域502bと重なる。この状態で主走査動作を行うことにより、カラー印刷用ヘッド14は、主走査領域502cに、1スキャン目のカラー印刷層402aを形成する。また、主走査領域502bに、2スキャン目のカラー印刷層402bを形成する。
また、このタイミングT4において、主走査領域502aは、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16の隙間領域206と重なる。そのため、タイミングT4においては、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16のいずれも、主走査領域502aに対して印刷を行わない。
タイミングT5において、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16は、カラー印刷用ヘッド14の領域L11が次の主走査領域502dと重なる位置にある。この状態において、カラー印刷用ヘッド14の領域L12は、主走査領域502cと重なる。更に、白色層形成用ヘッド16において1スキャン目の印刷を行うための領域L21は、主走査領域502aと重なる。
この状態で主走査動作を行うことにより、カラー印刷用ヘッド14は、主走査領域502dに、1スキャン目のカラー印刷層402aを形成し、主走査領域502cに、2スキャン目のカラー印刷層402bを形成する。また、白色層形成用ヘッド16は、主走査領域502aに、領域L11の幅と同じL21の幅で、1スキャン目の白色インク層404aを形成する。
タイミングT6において、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16は、カラー印刷用ヘッド14の領域L11が次の主走査領域502eと重なる位置にある。この状態において、カラー印刷用ヘッド14の領域L12は、主走査領域502dと重なる。更に、白色層形成用ヘッド16の領域L21は、主走査領域502bと重なる。また、白色層形成用ヘッド16において2スキャン目の印刷を行うための領域L22は、主走査領域502aと重なる。
この状態で主走査動作を行うことにより、カラー印刷用ヘッド14は、主走査領域502eに、1スキャン目のカラー印刷層402aを形成し、主走査領域502dに、2スキャン目のカラー印刷層402bを形成する。また、白色層形成用ヘッド16は、主走査領域502bに、1スキャン目の白色インク層404aを形成する。更に、白色層形成用ヘッド16は、主走査領域502aに、領域L11の幅と同じL22の幅で、2スキャン目の白色インク層404bを形成する。
以降、タイミングT7、T8のように、同様の動作を繰り返すことにより、各回の主走査動作において、カラー印刷用ヘッド14は、媒体50において印刷がされていない領域へ、カラー用ノズル選択領域202内のノズルのみを用いて、YMCKインクにより、多層印刷の1層目となるカラー印刷層402a、402bを形成する。また、白色層形成用ヘッド16は、先の主走査動作により形成されているカラー印刷層402a、402bの上に、白色層用ノズル選択領域204のノズルのみを用いて、白色インクにより、多層印刷の2層目となる白色インク層404a、404bを形成する。これにより、インクジェットプリンタ10は、タイミングT9の状態のように、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16により、媒体50上に、カラー印刷層402a、402bと、裏打ち層となる白色インク層404a、404bとを重ねた2層の多層印刷を行う。
本例によれば、例えば、副走査方向における媒体50の位置を戻す工程(媒体50の巻き戻し)を行うことなく、多層印刷を適切に行うことができる。また、これにより、例えば、このような工程を行う場合に必要となる各種の構成を設ける必要がなくなる。そのため、本例によれば、例えば、多層印刷を低いコストで行うことが可能になる。
また、本例のインクジェットプリンタ10においては、例えば多層印刷を行わず、通常の1層のカラー印刷をしようとする場合、隙間領域206や白色層用ノズル選択領域204を設定せずに、カラー印刷用ヘッド14におけるノズル列の全体(全ノズル幅)を使って印刷を行うこともできる。そのため、本例によれば、多層印刷を行わない場合において、通常のインクジェットプリンタと同様の高速の印刷を適切に行うことができる。
また、多層印刷を行う場合においても、カラー印刷層及び白色インク層のそれぞれについて1回の主走査動作で印刷を行う領域は全ノズル幅よりも小さくなるものの、媒体50の巻き戻しを行う必要がなくなるため、例えば、媒体50を巻き戻して時分割で多層印刷を行う場合と比べ、同等又はそれ以上の速度で印刷を行うことができる。そのため、本例によれば、例えば、低コストかつ適切な速度での多層印刷が可能となる。
更には、本例においては、副走査方向においてカラー用ノズル選択領域202と白色層用ノズル選択領域204との間に隙間領域206を設定することにより、カラー印刷層と白色インク層との間でインクの色の混ざりが生じることを適切に防ぐことができる。そのため、本例によれば、多層印刷をより適切に行うことができる。
また、本例においては、副走査方向への隙間領域206の長さが、副走査動作におけるパス送り幅と等しくなっている。この場合、例えば、カラー印刷層及び重層印刷層のそれぞれについて、媒体50の各位置と主走査動作との対応が考えやすくなる。また、これにより、例えば、インクジェットプリンタ10の動作をより容易に制御できる。
尚、インクジェットプリンタ10は、媒体50の各位置に対する印刷のスキャン数(パス数)を、より一般的に、N回(Nは、2以上の整数)としてもよい。この場合、副走査制御部104は、例えば、副走査動作におけるパス送り幅を、ノズル選択幅の1/Nの距離に設定する。インクジェットプリンタ10は、カラー印刷層及び白色インク層のそれぞれについての媒体50上の各位置への印刷を、各回の合間に副走査動作を挟んで行うN回の主走査動作により形成する。また、ノズル選択部106は、隙間領域206のノズル列方向における長さを、ノズル選択幅の1/Nの距離に設定する。このように構成すれば、例えば、スキャン数を更に多くして、例えば4スキャン印刷(4パス印刷)、8スキャン印刷(8パス印刷)等を同様に適切に実施できる。
ここで、隙間領域206のノズル列方向における長さは、例えば、副走査動作におけるパス送り幅よりも小さくすることも考えられる。このように構成すれば、例えば、隙間領域206を設けることによる印刷速度への影響を低減できる。また、これにより、例えば、より高速に印刷を行うことが可能となる。
この場合、インクジェットプリンタ10は、例えば、各回の主走査動作において印刷する画像を、例えば、パス送り量と隙間領域206の差分に応じた調整を行って設定する。隙間領域206の副走査方向における長さは、ドットピッチの整数倍とすることが好ましく、例えば1mm以下であってよい。また、隙間領域206は、例えば、ノズル列方向へ並ぶ1〜3個のノズルを含む領域であってよい。また、ノズル列方向における隙間領域206の長さは、例えば、インクジェットヘッドの制御における機械的な精度で許容される最小幅であってよい。
また、隙間領域206のノズル列方向における長さは、例えば、インク滴の着弾位置の副走査方向におけるバラツキの最大値よりも大きくすることが好ましい。インク滴の着弾位置の副走査方向におけるバラツキの最大値とは、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16等のインクジェットヘッドから吐出されるインク滴の着弾位置の精度について、例えば、正常なノズルに対して設計上許容されるバラツキの最大値である。
また、先に説明したように、本発明の変形例においては、重層形成用ヘッドとして、白色層形成用ヘッド16に変えて、例えば、白インク以外のインク用のインクジェットヘッドを用いてもよい。このようなインクとしては、例えば、クリアインク、又は不透明でカラー印刷用のインクと同時に使用できないインク(不透明な黒インク、又はメタリック色等の特色のインク)等を適切に用いることができる。
続いて、本発明について、図1を用いて説明したインクジェットプリンタ10により、更に多くの層を含む多層印刷を行う場合について説明する。図3は、3層の多層印刷を行う場合の例を示す図であり、2層のカラー印刷層の間に白色インク層を形成する場合の様子の一例を時系列的に示す。
尚、以下の説明において、矢印L1で示したカラー用ノズル選択領域202は、第1のカラー用ノズル選択領域の一例である。矢印L3で示したカラー用ノズル選択領域202は、第2のカラー用ノズル選択領域の一例である。また、カラー印刷層402a、402bは、第1のカラー印刷層の一例である。、カラー印刷層406a、406bは、第2のカラー印刷層の一例である。また、媒体50としては、例えば、一方の面である被印刷面に印刷された画像を被印刷面の裏面側から視認可能な透光性の媒体50を用いる。媒体50は、例えば素通し状の透明な媒体であってよい。媒体50としては、例えば透明なフィルム等を好適に用いることができる。
本例において、ノズル選択部106は、カラー印刷用ヘッド14に対し、図中に矢印L1、L3で示したような、複数のカラー用ノズル選択領域202を設定する。また、この場合、ノズル選択部106は、2個のカラー用ノズル選択領域202の間に、2個の隙間領域206と、1個の白色層用ノズル選択領域204分の距離を空ける。そして、2個のカラー用ノズル選択領域202の間において、矢印B1、B2で示したような複数の隙間領域206を、それぞれの隙間領域206をそれぞれのカラー用ノズル選択領域202に隣接させて設定する。また、ノズル選択部106は、2個の隙間領域206の間に、矢印L2で示したような白色層用ノズル選択領域204を設定する。
また、図において、タイミングT1は、印刷開始前に媒体50が初期位置にある状態を示す。また、タイミングT2〜T10は、前のタイミングの後、1回の副走査状態を行った状態におけるタイミングである。タイミングT11は、全ての印刷が完了した状態におけるタイミングである。
また、以下に説明する点を除き、図3におけるインクジェットプリンタ10の構成及び動作は、図2の場合と同一又は同様である。例えば、本例においても、隙間領域206の長さは、例えば、パス送り幅と等しく設定される。また、矢印L3で示したカラー用ノズル選択領域202が媒体50と重なる以前の状態であるタイミングT7までの間、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16は、先に媒体50と重なるカラー用ノズル選択領域202と、白色層用ノズル選択領域204とにより、図2に示した場合と同様にして、媒体50の主走査領域502a〜502fに対し、各タイミングにおける動作に応じて、カラー印刷層402a、402bと、白色インク層404a、404bとを形成する。
また、タイミングT8において、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16は、カラー印刷用ヘッド14の領域L11が次の主走査領域502gと重なる位置にある。この状態において、カラー印刷用ヘッド14の領域L12は、主走査領域502fと重なる。白色層形成用ヘッド16の領域L21は、主走査領域502dと重なる。また、白色層形成用ヘッド16の領域L22は、主走査領域502cと重なる。更に、カラー印刷用ヘッド14において白色インク層404a、404bの上に1スキャン目の印刷を行うための領域L31は、主走査領域502aと重なる。
この状態で主走査動作を行うことにより、カラー印刷用ヘッド14は、主走査領域502gに、1スキャン目のカラー印刷層402aを形成し、主走査領域502fに、2スキャン目のカラー印刷層402bを形成する。また、白色層形成用ヘッド16は、主走査領域502dに、1スキャン目の白色インク層404aを形成し、主走査領域502cに、2スキャン目の白色インク層404bを形成する。更に、カラー印刷用ヘッド14は、主走査領域502aにおいて、先に形成された白色インク層404a、404bの上へ、領域L11の幅と同じL31の幅で、1スキャン目のカラー印刷層406aを形成する。
また、タイミングT9において、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16は、カラー印刷用ヘッド14の領域L11が次の主走査領域502hと重なる位置にある。この状態において、カラー印刷用ヘッド14の領域L12は、主走査領域502gと重なる。白色層形成用ヘッド16の領域L21は、主走査領域502eと重なる。白色層形成用ヘッド16の領域L22は、主走査領域502dと重なる。更に、カラー印刷用ヘッド14の領域L31は、主走査領域502bと重なる。また、白色層形成用ヘッド16において白色インク層404a、404bの上に2スキャン目の印刷を行うための領域L32は、主走査領域502aと重なる。
この状態で主走査動作を行うことにより、カラー印刷用ヘッド14は、主走査領域502hに、1スキャン目のカラー印刷層402aを形成し、主走査領域502gに、2スキャン目のカラー印刷層402bを形成する。また、白色層形成用ヘッド16は、主走査領域502eに、1スキャン目の白色インク層404aを形成し、主走査領域502dに、2スキャン目の白色インク層404bを形成する。更に、カラー印刷用ヘッド14は、主走査領域502bにおいて、白色インク層404a、404bの上へ、1スキャン目のカラー印刷層406aを形成する。また、主走査領域502aにおいて、白色インク層404a、404bの上へ、領域L11の幅と同じL32の幅で、2スキャン目のカラー印刷層406bを形成する。
そして、タイミングT10以降も同様の動作を繰り返し、タイミングT11の状態のように、2層のカラー印刷層の間に白色インク層を挟んだ多層印刷を行う。本例においても、例えば、副走査方向における媒体50の位置を戻す工程を行うことなく、多層印刷を適切に行うことができる。また、例えば、カラー用ノズル選択領域202と白色層用ノズル選択領域204との間に隙間領域206を設定することにより、カラー印刷層と白色インク層との間でインクの色の混ざりが生じることを適切に防ぐことができる。
尚、本例においても、隙間領域206の長さを、例えば、パス送り幅よりも小さく設定してもよい。このように構成すれば、例えば、印刷速度を向上させることができる。また、本発明の更なる変形例において、ノズル選択部106は、カラー印刷用ヘッド14に、3以上のカラー用ノズル選択領域202を設定してもよい。この場合、ノズル選択部106は、例えば、隣接するカラー用ノズル選択領域202の間に、2個の隙間領域206のノズル列方向の長さと、白色層用ノズル選択領域204のノズル列方向の長さとの和以上の幅を少なくとも空けて設定する。また、それぞれのカラー用ノズル選択領域202に対して、他のカラー用ノズル選択領域202が設定される側に隣接してそれぞれ設けられる複数の隙間領域206を設定する。そして、白色層形成用ヘッド16のノズル列のうち、複数の隙間領域206に挟まれている領域と副走査方向の位置が重なる部分に、白色層用ノズル選択領域204を設定する。
インクジェットプリンタ10は、重層形成用ヘッドとして、白色層形成用ヘッド16に代えて、白色以外のインク用のインクジェットヘッドを備えてもよい。また、インクジェットプリンタ10は、複数種類の重層形成用ヘッドを備えてもよい。この場合、ノズル選択部106は、例えば、一又は複数の重層形成用ヘッドに対し、上記において説明した白色層用ノズル選択領域204と同様の重層用ノズル選択領域を、副走査方向の位置をずらして複数設定してよい。また、この場合、それぞれの重層用ノズル選択領域に対応して形成される重層印刷層は、それぞれの重層用ノズル選択領域が設定される副走査方向における位置に応じて、重ねて印刷される。
これらの場合も、例えばN層の多層印刷において、カラー印刷用ヘッド14及び重層形成用ヘッドの全ノズル幅Aに対し、隙間領域206に対応する幅Kを考え、各層を(A/N−K)の幅の領域で印刷することにより、適切に多層印刷を行うことができる。また、通常の1層のカラー印刷のみを行う場合には、例えば、全ノズル幅を用いて印刷を行うことにより、高速な印刷を適切に行うことができる。
続いて、本発明に関し、より多くの層を含む多層印刷を行う構成について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ10の第2の例を示す。図4(a)は、インクジェットプリンタ10の構成の一例を示す。図4(b)は、インクジェットプリンタ10におけるインクジェットヘッドの構成の一例を示す。尚、以下に説明する点を除き、図4に図示した各構成は、図1〜3において同じ符号を付した構成と同一又は同様である。また、本例において、インクジェットプリンタ10は、媒体50として、図3を用いて説明した場合と同様に、透光性の媒体50を用いる。
また、インクジェットプリンタ10は、図1を用いて説明したインクジェットプリンタ10の構成と比べ、重層形成用ヘッドとして、白色層形成用ヘッド16に加え、遮光層用ヘッド20を更に備える。遮光層用ヘッド20は、遮光性のインクのインク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16と主走査方向へ並べて設けられることにより、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16と副走査方向における位置を揃え、かつ、主走査方向の位置をずらして設けられる。本例において、遮光層用ヘッド20は、例えば、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16と共に、複数の紫外線照射部18の間に設けられる。更に、本例において、走査制御部12における主走査制御部102、副走査制御部104、及びノズル選択部106は、カラー印刷用ヘッド14及び白色層形成用ヘッド16に対する制御に加え、遮光層用ヘッド20に対して、主走査動作、副走査動作、及びノズルの選択の制御をそれぞれ行う。
尚、遮光層用ヘッド20において用いる遮光性のインクは、例えば、紫外線硬化型のインクである。また、遮光性のインクとしては、例えば、印刷によりそのインクで塗りつぶされた領域の光の透過率が25%未満となるインクを用いることが好ましく、例えば光の吸収係数や反射率の高いメタリックインクや、不透明な黒インク等を好適に用いることができる。メタリックインクとは、例えば、金属の顔料を含むインクである。このメタリックインクは、例えば非光沢のメタリック色のインクであってもよい。遮光性のインクは、光を通さないナノサイズ金属粉を顔料とするインクであってよい。また、遮光性のインクとしては、例えば青色、灰色等の、黒色以外の濃い色のインクを用いることも考えられる。
また、本例において、白色層形成用ヘッド16は、光反射性のインクを吐出するインクジェットヘッドである光反射層用ヘッドの一例である。光反射性のインクとは、例えば、遮光層用ヘッド20により形成される遮光層と重ねて形成された場合に光反射性となる層を形成するインクである。光反射性のインクとしては、例えば、印刷によりそのインクで塗りつぶされた領域の光の反射率が50%を超えるインクを用いることが好ましい。
光反射性のインクとしては、例えば白色以外の淡色のインクを用いることもできる。この場合、インクジェットプリンタ10は、光反射層用ヘッドとして、例えば、白色層形成用ヘッド16に代えて、その淡色のインクを吐出するインクジェットヘッドを備える。
また、本例において、ノズル選択部106は、主走査動作時にインク滴を吐出すべきノズルを含む領域として、図4(b)に示すように、カラー印刷用ヘッド14、白色層形成用ヘッド16、及び遮光層用ヘッド20に対し、複数のカラー用ノズル選択領域202a、202b、複数の白色層用ノズル選択領域204a、204b、及び遮光層用ノズル選択領域208を設定する。また、これらの各ノズル選択領域の間に、隙間領域206を設定する。
カラー用ノズル選択領域202aは、第1のカラー用ノズル選択領域の一例である。カラー用ノズル選択領域202bは、第2のカラー用ノズル選択領域202の一例である。白色層用ノズル選択領域204a、204b、及び遮光層用ノズル選択領域208は、重層用ノズル選択領域の一例である。また、白色層用ノズル選択領域204aは、第1光反射層用ノズル選択領域の一例である。白色層用ノズル選択領域204bは、第2光反射層用ノズル選択領域の一例である。
より具体的には、例えば、ノズル選択部106は、カラー印刷用ヘッド14のノズル列302の一部に、カラー用ノズル選択領域202aと、カラー用ノズル選択領域202bとをノズル列方向に間隔を空けて設定する。また、この間隔を、複数の白色層用ノズル選択領域204a、204b、遮光層用ノズル選択領域208、及び各ノズル選択領域の間の隙間領域206とを合わせた幅に設定する。
また、ノズル選択部106は、白色層形成用ヘッド16及び遮光層用ヘッド20のノズル列302のうち、副走査方向の位置がカラー用ノズル選択領域202aと、カラー用ノズル選択領域202bとに挟まれる位置となる部分に、白色層用ノズル選択領域204a、204b、及び遮光層用ノズル選択領域208を設定する。また、この設定において、ノズル選択部106は、白色層形成用ヘッド16のノズル列302に対し、副走査方向においてカラー用ノズル選択領域202aと隙間領域206を挟んで隣接する位置に、白色層用ノズル選択領域204aを設定する。また、副走査方向においてカラー用ノズル選択領域202bと隙間領域206を挟んで隣接する位置に、白色層用ノズル選択領域204bを設定する。
更に、ノズル選択部106は、副走査方向において白色層用ノズル選択領域204a、204bのそれぞれと隙間領域206を挟んで隣接する位置に、遮光層用ノズル選択領域208を設定する。これにより、遮光層用ノズル選択領域208、白色層用ノズル選択領域204a、204bは、副走査方向において、白色層用ノズル選択領域204aと白色層用ノズル選択領域204bとの間に遮光層用ノズル選択領域208が挟まれる位置関係で並ぶ。
そして、以上のような各ノズル選択領域の設定が行われた状態で、主走査制御部102は、例えば、主走査動作において、カラー印刷用ヘッド14におけるカラー用ノズル選択領域202a、202b内のノズル、白色層形成用ヘッド16における白色層用ノズル選択領域204a、204b内のノズル、及び遮光層用ヘッド20における遮光層用ノズル選択領域208内のノズルからインク滴を吐出させつつ、媒体50に対して相対的に、カラー印刷用ヘッド14、白色層形成用ヘッド16、及び遮光層用ヘッド20を主走査方向へ移動させる。また、副走査制御部104は、副走査動作において、主走査動作の合間に、カラー印刷用ヘッド14、白色層形成用ヘッド16、及び遮光層用ヘッド20を副走査方向へ移動させる。これにより、本例のインクジェットプリンタ10は、図2及び図3を用いて説明した印刷動作を上記の各ノズル選択領域に応じて変形した動作で、媒体50上に多層印刷を行う。
尚、本例においても、図1〜図3を用いて説明した例と同様に、カラー印刷用ヘッド14、白色層形成用ヘッド16、及び遮光層用ヘッド20に設定される各ノズル選択領域のノズル選択幅は、同一である。また、インクジェットプリンタ10は、媒体50の各位置に対する印刷のスキャン数(パス数)を2回とする2スキャン印刷(2パス印刷)を行う。そのため、副走査制御部104は、パス送り幅を、ノズル選択幅の1/2の距離に設定する。
また、ノズル選択部106は、副走査方向への隙間領域206の長さを、パス送り幅と等しく設定する。そのため、隙間領域206の副走査方向における長さは、各ノズル選択領域の1/2である。ノズル選択部106は、隙間領域206の副走査方向における長さを、パス送り幅よりも小さく設定してもよい。
また、インクジェットプリンタ10は、より一般的に、印刷のスキャン数(パス数)をN回とするNスキャン印刷(Nパス印刷)を行ってもよい。この場合、ノズル選択部106は、パス送り幅を、ノズル選択幅の1/Nの距離に設定する。
また、インクジェットプリンタ10は、インクジェットヘッドとして遮光層用ヘッド20を別途に設ける代わりに、例えば、複数のカラー印刷用ヘッド14の一部又は全体を遮光層用ヘッドとして兼用してもよい。例えば、黒色(K)インクを吐出するカラー印刷用ヘッド14を、遮光層用ヘッド20として兼用することが考えられる。また、複数色のインクを混ぜて遮光層を形成する場合、複数色分のカラー印刷用ヘッド14を、遮光層用ヘッド20として兼用することが考えられる。これらの場合、ノズル選択部106は、遮光層用ヘッドとして兼用されるカラー印刷用ヘッド14のノズル列302に対し、遮光層用ノズル選択領域208を設定する。
また、カラー印刷用ヘッド14、白色層形成用ヘッド16、及び遮光層用ヘッド20のそれぞれで用いるインクとしては、複数の層を重ねて形成できるインクであれば、紫外線硬化型のインク以外のインクを用いることも考えられる。複数の層を重ねて形成できるインクとは、例えば、先に印刷を行った画像の上に更に印刷を行って次の画像を形成する場合に、混合や溶解により滲みや破壊が起こらず、かつ、インク自体で再溶解しないように定着できるインクである。このようなインクとしては、例えば熱硬化型のインク等を用いることも考えられる。
図5は、図4を用いて説明したインクジェットプリンタ10による印刷動作について説明する図である。図5(a)は、印刷動作の途中段階において形成されている複数のインクの層の状態の一例を示す。
本例において、インクジェットプリンタ10は、図2及び図3を用いて説明した印刷動作と同様に、主走査動作と副走査動作を繰り返すことにより、多層印刷を行う。例えば、インクジェットプリンタ10は、カラー印刷用ヘッド14におけるカラー用ノズル選択領域202aのノズルにより、媒体50上に先に印刷されるカラー印刷層である第1カラー印刷層602を形成する。また、本例において、インクジェットプリンタ10は、カラー用ノズル選択領域202aの主走査方向における前半部分及び後半部分のそれぞれのノズルにより、間に1回の副走査動作を挟んで2回の主走査動作を行う2スキャン印刷で、1スキャン目及び2スキャン目の第1カラー印刷層602を形成する。
同様に、インクジェットプリンタ10は、白色層形成用ヘッド16における白色層用ノズル選択領域204aのノズルにより、第1カラー印刷層602上に、1スキャン目及び2スキャン目の第1光反射層604を形成する。また、遮光層用ヘッド20における遮光層用ノズル選択領域208のノズルにより、第1光反射層604上に、1スキャン目及び2スキャン目の遮光層606を形成する。
更に、インクジェットプリンタ10は、白色層形成用ヘッド16における白色層用ノズル選択領域204bのノズルにより、遮光層606上に、1スキャン目及び2スキャン目の第2光反射層608を形成する。また、カラー印刷用ヘッド14におけるカラー用ノズル選択領域202bのノズルにより、第2光反射層608上に、1スキャン目及び2スキャン目の第2カラー印刷層610を形成する。第2カラー印刷層610は、第1光反射層604、遮光層606、及び第2光反射層608を挟んで第1カラー印刷層602の上に形成されるカラー印刷層である。
図5(b)は、多層印刷が行われた後の媒体50の状態の一例を示す。本例において、インクジェットプリンタ10は、上記で説明したように、被印刷面に印刷された画像を裏面側から視認可能な透光性の媒体50上に、第1カラー印刷層602、第1光反射層604、遮光層606、第2光反射層608、及び第2カラー印刷層610を重ねて形成する。
このうち、一番下に形成される第1カラー印刷層602は、媒体50の裏面側の観察画像となる画像である第1の画像が印刷された層である。また、一番上に形成される第2カラー印刷層610は、媒体50の表側の観察画像となる画像である第2の画像が印刷された層である。
また、第1カラー印刷層602と第2カラー印刷層610との間に形成される中間の層のうち、第1光反射層604は、光反射性のインクにより一定の領域を塗りつぶした層であり、第1カラー印刷層602における画像を媒体50の裏面側から観察する場合に光を反射する。また、第1光反射層604は、更に、その上に形成される遮光層606での光吸収による色への影響を軽減する働きをする。第1光反射層604は、少なくとも反射率が50%を超える厚みで形成されることが好ましい。
また、第1光反射層604は、例えば、少なくとも、後に遮光層606が形成される領域を覆う領域に形成される。本例において、第1光反射層604は、例えば、第1カラー印刷層602における第1の画像の全体を覆う領域に形成される。第1の画像の全体を覆う領域とは、例えば、第1カラー印刷層602において、実際のインクが吐出されている領域の全体を覆うことである。第1光反射層604は、例えば、第1カラー印刷層602の一部の領域上に形成されてもよい。
遮光層606は、遮光性のインクにより一定の領域を塗りつぶした層であり、第1光反射層604を挟んで第1カラー印刷層602上に形成される。これにより、遮光層606は、例えば、第1カラー印刷層602において印刷する画像を表面側から見えなくする。また、後に第2カラー印刷層610において印刷する画像を裏面側から見えなくする。
遮光層606については、その機能を発揮できるのであれば、色や厚みを限定するものではない。遮光層606における光の透過率は、25%未満とすることが好ましい。また、本例において、遮光層606は、例えば、第1カラー印刷層602の少なくとも一部を覆う領域に形成されることにより、第1カラー印刷層602における第1の画像の少なくとも一部を、間に第1光反射層604を挟んで覆う。
第2光反射層608は、光反射性のインクにより一定の領域を塗りつぶした層であり、その上に形成される第2カラー印刷層610における画像を媒体50の表面側から観察する場合に光を反射する。また、第2光反射層608は、更に、遮光層606での光吸収による色への影響を軽減する働きをする。第2光反射層608は、少なくとも反射率が50%を超える厚みで形成されることが好ましい。
また、第2光反射層608は、例えば、少なくとも、遮光層606を覆う領域に形成される。本例において、第2光反射層608は、例えば、遮光層606を挟んで、第1光反射層604の全体と重なる。第1光反射層604の全体と重なるとは、例えば、位置合わせの精度に応じた誤差を除き、第1光反射層604の全体と重なることである。
このように構成した場合、第1カラー印刷層602において印刷される第1の画像は、媒体50を通して、媒体50の裏面側から観察される画像となる。また、第2カラー印刷層610において印刷される第2の画像は、媒体50の表面側から観察される画像となる。そのため、本例によれば、例えば、媒体50の一方の面にのみ印刷を行うことにより、擬似的な両面印刷を行うことが可能になる。
尚、第1の画像は、媒体50の裏面側から観察されるため、媒体50の被印刷面側から見た場合、裏面側の観察画像の鏡像画像となる。また、第2の画像は、媒体50の被印刷面である表面側から観察されるため、媒体50の被印刷面側から見た場合、表面側の観察画像の正像画像となる。そのため、媒体50の被印刷面側から見た場合、第1の画像と、第2の画像は、異なる画像であってよい。
ここで、本例において、遮光層606は、例えば、第1カラー印刷層602における第1の画像と、第2カラー印刷層610における第2の画像との間で、印刷される画像が異なる部分と重なる領域に形成される。このように構成すれば、例えば、第1カラー印刷層602と第2カラー印刷層610との間で、両層に異なる画像が印刷される場合にも、他の画像が透けて見えることを適切に防ぐことができる。そのため、本例によれば、第1の画像と第2の画像とが異なる場合にも、媒体50の両面の観察画像を、適切に得ることができる。
また、第1の画像は、例えば、第2カラー印刷層610における第2の画像において、遮光層606と重なる部分を鏡像反転させた画像であってよい。より具体的には、例えば、第1の画像は、第2の画像において文字を含む部分を鏡像反転させた画像であってよい。また、第1の画像は、第2の画像の全体を鏡像反転させた画像であってもよい。
このように構成すれば、例えば、第1の画像及び第2の画像として、文字等の鏡像反転が視認結果に影響を与える部分を含む画像を用いる場合であっても、例えば少なくともその部分を第1の画像において予め鏡像反転させることにより、表面側及び裏面側の両方において、その部分を適切に正像画像とできる。そのため、本例によれば、例えば、媒体50の表面側及び裏面側のそれぞれの観察画像に対応する画像を、より適切に印刷できる。
尚、第1の画像、及び第2の画像は、例えばインクジェットプリンタ10の動作を制御するホストPCにおいて、印刷データに基づく画像処理により、予め生成する。ホストPCは、例えば、印刷データが示す画像の一部を鏡像反転することにより、第1の画像を生成する。ホストPCは、例えば、印刷データが示す画像の全体を鏡像反転することにより、第1の画像を生成してもよい。また、鏡像反転を行わない画像を、第2の画像として生成する。
図6及び図7は、図5(b)に示した各層の第1の具体例を示す。図6(a)は、第1カラー印刷層602の一例を示す。図6(b)は、第1光反射層604の一例を示す。図6(c)は、遮光層606の一例を示す。図7(a)は、第2光反射層608の一例を示す。図7(b)は、第2カラー印刷層610の一例を示す。
尚、図6及び図7は、説明の便宜上、それぞれの層が露出している状態を示している。実際の印刷動作において、インクジェットプリンタ10は、例えば、図5を用いて説明したように、各回の主走査動作において、各層を重ねて印刷する。また、紫外線硬化型のインクを用い、紫外線照射部18により紫外線を照射しつつ主走査動作を行うことにより、形成される各層を、各回の主走査動作の中で硬化させ、媒体50に定着させる。
本例において、インクジェットプリンタ10は、透明な媒体50における一方の面に対し、カラー印刷用ヘッド14により、第1カラー印刷層602を形成する。また、第1カラー印刷層602において、印刷画像として、観察者に視認されるべき画像を鏡像反転した鏡像画像を印刷する。これにより、インクジェットプリンタ10は、媒体50の裏面側から観察した場合に正像となる画像を、第1カラー印刷層602において印刷する。
また、インクジェットプリンタ10は、白色層形成用ヘッド16により、第1カラー印刷層602における鏡像画像を覆う位置に、第1光反射層604を形成する。本例において、インクジェットプリンタ10は、例えば、少なくとも、第1カラー印刷層602及び第2カラー印刷層610において画像が印刷される領域を共に包含する領域に、第1光反射層604を形成する。インクジェットプリンタ10は、例えば媒体50の全面に第1光反射層604を形成してもよい。
また、インクジェットプリンタ10は、遮光層用ヘッド20により、第1光反射層604の上に、遮光層606を形成する。本例において、インクジェットプリンタ10は、例えば、少なくとも、第1カラー印刷層602及び第2カラー印刷層610において画像が印刷される領域を共に包含する領域に、遮光層606を形成する。インクジェットプリンタ10は、例えば媒体50の全面に遮光層606を形成してもよい。
また、インクジェットプリンタ10は、白色層形成用ヘッド16により、遮光層606の上に、第2光反射層608を形成する。本例において、インクジェットプリンタ10は、例えば、少なくとも、第1カラー印刷層602及び第2カラー印刷層610において画像が印刷される領域を共に包含する領域に、第2光反射層608を形成する。インクジェットプリンタ10は、例えば媒体50の全面に第2光反射層608を形成してもよい。
また、インクジェットプリンタ10は、カラー印刷用ヘッド14により、第2光反射層608の上に、第2カラー印刷層610を形成する。また、第2カラー印刷層610において、印刷画像として、観察者に視認されるべき画像をそのまま示す正像画像を印刷する。
以上のような印刷を行った場合、媒体50の片側の面(表面)からのみ印刷を行うことにより、媒体50の表面側及び裏面側の両方から観察される画像を適切に印刷できる。また、第1カラー印刷層602において印刷する画像を鏡像画像とすることにより、媒体50の表面側及び裏面側のいずれの方向から観察した場合にも、常に正像を観察可能となる。そのため、本例によれば、例えば、媒体50の片側の面にのみ印刷を行うことにより、両面印刷と同様の印刷結果を得ることができる。これにより、インクジェットプリンタ10に対し、例えば、擬似的な両面印刷の機能持たせることができる。また、インクジェットプリンタ10により、極めて効果的な表示物を作成することが可能になる。
更には、本例においては、副走査方向における媒体50の位置を戻す工程等を行うことなく、複数の層の印刷を適切に行うことができる。そのため、本例によれば、例えば、擬似的な両面印刷を、低コストで適切に行うことができる。
尚、媒体50の表面側において、第2カラー印刷層610の上には、更に保護層を形成することも考えられる。この保護層は、例えば、クリアインクを用いた印刷をインクジェットプリンタ10で行うことや、スプレーによるコーティング等で形成できる。
このように構成すれば、透明な媒体50により保護される裏面側に加え、表面側においても、印刷された画像がそのまま露出することを防ぐことができる。また、これにより、表面の汚れ、傷、外光、ガス、雨水等による劣化を適切に防ぐことができる。
図8は、各層の第2の具体例を示す。図8(a)は、第1カラー印刷層602の一例を示す。図8(b)は、第1光反射層604の一例を示す。図8(c)は、遮光層606の一例を示す。尚、以下に説明する点を除き、第2の具体例に係る印刷は、上記第1の具体例に係る印刷と同一又は同様に行う。
本例においては、第1カラー印刷層602において印刷する第1の画像として、第2カラー印刷層610において印刷する第2の画像の一部のみを鏡像反転させた画像を印刷する。より具体的には、例えば、インクジェットプリンタ10は、第2の画像として印刷する画像の文字の部分を鏡像反転させた画像を、第1の画像として印刷する。
また、インクジェットプリンタ10は、上記第1の具体例と同様に、第1カラー印刷層602における第1の画像と重なる位置に、第1光反射層604を形成する。また、本例において、インクジェットプリンタ10は、上記第1の具体例とは異なり、第1の画像と重なる位置の全体ではなく、一部のみに遮光層606を形成する。より具体的には、例えば、インクジェットプリンタ10は、第1の画像と第2の画像とが異なる部分である文字の部分のみに、遮光層606を形成する。
尚、第1の画像と第2の画像とが異なる部分とは、例えば、厳密に両画像が異なる部分のみではなく、異なる部分を含む一定の領域であってよい。また、本例において、インクジェットプリンタ10は、更に、第2光反射層608及び第2カラー印刷層610として、上記第1の具体例と同じ第2光反射層608及び第2カラー印刷層610を形成する。
以上のようにして、第2の具体例において、インクジェットプリンタ10は、正像と鏡像とを区別して印刷を行う必要のある領域のみを鏡像反転により異ならせた第1の画像及び第2の画像を印刷する。そして、その領域のみに、遮光層606を形成する。また、遮光層606を形成しない領域においては、第1の画像及び第2の画像において、同じ正像の画像を印刷する。
このようにすれば、例えば、少なくとも鏡像反転が視認結果に影響を与える部分を、第1の画像と第2の画像との間で適切に鏡像反転させることができる。また、これにより、例えば、観察画像においてその部分が正像として適切に観察されるようにできる。そのため、この場合も、媒体50の両面の観察画像に対応する画像を適切に印刷できる。
尚、更なる変形例においては、例えば、第1の画像と重なる位置の全体ではなく、一部のみに第1光反射層604及び第2光反射層608を形成することも考えられる。例えば、インクジェットプリンタ10は、第1の画像と第2の画像とが異なる部分のみに第1光反射層604及び第2光反射層608を形成してもよい。この場合、インクジェットプリンタ10は、例えば、遮光層606と同じく、第1の画像の文字の部分の上のみに、第1光反射層604及び第2光反射層608を形成する。
また、上記の第1及び第2の具体例は、以下のように更に変更することも可能である。図9は、遮光層606を形成する領域の形を変形した例を示す図であり、上記第1の具体例についての図7(b)に対応する図により、遮光層606上に更に第2光反射層608及び第2カラー印刷層610が形成されている状態を示す。
遮光層606を形成する領域の形は、第1の画像と第2の画像とが異なる部分等の必要な領域のみを覆うのではなく、例えば楕円や所定の形状等とすることも可能である。また、第1光反射層604及び第2光反射層608の形も、同様に変形可能である。このようにすれば、例えば、印刷結果の視認性をより優れたものにできる。また、更には、例えば、第1光反射層604、遮光層606、及び遮光層606に、特定の地色や地模様を付加してもよい。このようにすれば、例えば、印刷結果の視認性を更に優れたものにできる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、例えばインクジェットプリンタに好適に利用できる。
10・・・インクジェットプリンタ、12・・・走査制御部、14・・・カラー印刷用ヘッド、16・・・白色層形成用ヘッド、18・・・紫外線照射部、20・・・遮光層用ヘッド、102・・・主走査制御部、104・・・副走査制御部、106・・・ノズル選択部、202、202a、202b・・・カラー用ノズル選択領域、204、204a、204b・・・白色層用ノズル選択領域、206・・・隙間領域、208・・・遮光層用ノズル選択領域、302・・・ノズル列、304・・・ノズル、402a、402b・・・カラー印刷層、404a、404b・・・白色インク層、406a、406b・・・カラー印刷層、502a〜502i・・・主走査領域、602・・・第1カラー印刷層、604・・・第1光反射層、606・・・遮光層、608・・・第2光反射層、610・・・第2カラー印刷層

Claims (7)

  1. 予め設定された主走査方向へ媒体に対して相対的にインクジェットヘッドを移動させる主走査動作と、前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記媒体に対して相対的に前記インクジェットヘッドを移動させる副走査動作とを行って、前記媒体の各位置への印刷を行うインクジェットプリンタであって、
    カラー印刷がされたカラー印刷層を形成するインク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、前記副走査方向と平行なノズル列方向へ複数のノズルが並ぶノズル列を有し、前記主走査動作が行われる場合に前記主走査方向へ移動しつつ前記複数のノズルからインク滴を吐出することにより、各回の前記主走査動作毎に、前記カラー印刷層において当該主走査動作に対応する部分を形成するカラー印刷用ヘッドと、
    前記カラー印刷層の上又は下に重ねて印刷がされたインクの層である重層印刷層を形成するインク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、前記ノズル列方向へ複数のノズルが並ぶノズル列を有し、前記カラー印刷用ヘッドと前記副走査方向における位置を揃え、かつ、前記主走査方向の位置をずらして設けられ、前記主走査動作が行われる場合に前記主走査方向へ移動しつつ前記複数のノズルからインク滴を吐出することにより、各回の前記主走査動作毎に、前記重層印刷層において当該主走査動作に対応する部分を形成する重層形成用ヘッドと、
    前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドの前記主走査動作及び前記副走査動作を制御する走査制御部と
    を備え、
    前記媒体は、一方の面である被印刷面に印刷された画像を前記被印刷面の裏面側から視認可能な透光性の媒体であり、
    前記走査制御部は、
    前記主走査動作においてインク滴を吐出すべき前記ノズルを、前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドのそれぞれから選択するノズル選択部と、
    前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドに前記主走査動作を行わせる主走査制御部と、
    前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドに前記副走査動作を行わせる副走査制御部と
    を有し、
    前記ノズル選択部は、
    前記カラー印刷用ヘッドの前記ノズル列の一部に、前記ノズル列方向へ連続して並ぶ複数の前記ノズルをそれぞれ含む第1のカラー用ノズル選択領域と、第2のカラー用ノズル選択領域とを、前記ノズル列方向に間隔を空けて設定し、前記第1のカラー用ノズル選択領域、及び前記第2のカラー用ノズル選択領域内の前記ノズルを、前記カラー印刷用ヘッドにおいて前記主走査動作時にインク滴を吐出すべき前記ノズルとして選択し、
    かつ、
    前記重層形成用ヘッドの前記ノズル列のうち、前記副走査方向の位置が前記第1のカラー用ノズル選択領域と、前記第2のカラー用ノズル選択領域とに挟まれる位置となる部分に、前記ノズル列方向へ連続して並ぶ複数の前記ノズルを含む重層用ノズル選択領域を設定し、前記重層用ノズル選択領域内の前記ノズルを、前記重層形成用ヘッドにおいて前記主走査動作時にインク滴を吐出すべき前記ノズルとして選択し、
    前記主走査制御部は、前記主走査動作において、前記カラー印刷用ヘッドにおける前記第1のカラー用ノズル選択領域内の前記ノズル、及び前記第2のカラー用ノズル選択領域内の前記ノズルと、前記重層形成用ヘッドにおける前記重層用ノズル選択領域内の前記ノズルとからインク滴を吐出させつつ、前記媒体に対して相対的に、前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドを前記主走査方向へ移動させ、
    前記副走査制御部は、前記副走査動作において、前記主走査動作の合間に、前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドを前記副走査方向へ移動させることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドは、紫外線の照射により硬化するインクである紫外線硬化型インクのインク滴をそれぞれ吐出し、
    前記インクジェットプリンタは、前記媒体に向けて紫外線を照射する紫外線照射部であって、前記主走査動作時に前記主走査方向において前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドの移動の後ろ側になる位置に設けられる紫外線照射部を更に備え、
    前記主走査制御部は、前記主走査動作時において、前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドから吐出されて前記媒体へ着弾したインクへ前記紫外線照射部に紫外線を照射させつつ、前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドと、前記紫外線照射部とを、前記媒体に対して相対的に、前記主走査方向へ移動させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記重層形成用ヘッドとして、遮光性のインクを吐出するインクジェットヘッドである遮光層用ヘッドを備え、
    前記主走査制御部及び前記副走査制御部は、前記カラー印刷用ヘッド及び前記遮光層用ヘッドに前記主走査動作及び前記副走査動作を行わせることにより、
    第1のカラー用ノズル選択領域内の前記ノズルにより前記媒体の前記被印刷面に形成される第1の前記カラー印刷層と、
    前記重層用ノズル選択領域内の前記ノズルにより形成される前記遮光性のインクの層であり、前記第1のカラー印刷層の少なくとも一部を覆う領域に形成される遮光層と、
    第2のカラー用ノズル選択領域内の前記ノズルにより、少なくとも一部が前記遮光層の上に重なる領域に形成される第2のカラー印刷層と
    を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記重層形成用ヘッドとして、前記遮光層と重ねて形成された場合に光反射性となる層を形成するインクである光反射性のインクを吐出するインクジェットヘッドである光反射層用ヘッドを更に備え、
    前記ノズル選択部は、
    前記遮光層用ヘッドに対し、前記重層用ノズル選択領域として、前記ノズル列方向へ連続して並ぶ複数の前記ノズルを含む遮光層用ノズル選択領域を設定し、
    かつ、
    前記光反射層用ヘッドに対し、前記重層用ノズル選択領域として、前記ノズル列方向へ連続して並ぶ複数の前記ノズルをそれぞれ含む第1光反射層用ノズル選択領域と、第2光反射層用ノズル選択領域とを設定し、
    前記遮光層用ノズル選択領域、前記第1光反射層用ノズル選択領域、及び前記第2光反射層用ノズル選択領域は、前記副走査方向において、前記第1光反射層用ノズル選択領域と前記第2光反射層用ノズル選択領域との間に前記遮光層用ノズル選択領域が挟まれる位置関係で並び、
    前記主走査制御部及び前記副走査制御部は、前記カラー印刷用ヘッド、前記遮光層用ヘッド、及び前記光反射層用ヘッドに前記主走査動作及び前記副走査動作を行わせることにより、
    前記第1のカラー印刷層と、
    前記第1光反射層用ノズル選択領域内の前記ノズルにより形成される前記光反射性のインクの層であり、少なくとも前記第1のカラー印刷層の一部の領域上に形成される第1光反射層と、
    前記第1光反射層を挟んで前記第1のカラー印刷層上に形成される前記遮光層と、
    前記第2光反射層用ノズル選択領域内の前記ノズルにより形成される前記光反射性のインクの層であり、少なくとも前記遮光層を覆う領域に形成される第2光反射層と、
    前記第2光反射層上に形成される前記第2のカラー印刷層と
    を形成することを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記第1のカラー印刷層は、予め設定された第1の画像が印刷された層であり、
    前記遮光層は、前記第1の画像の少なくとも一部を覆い、
    前記第2のカラー印刷層は、予め設定された第2の画像が印刷された層であり、
    前記第1の画像は、前記第2の画像において前記遮光層と重なる部分の少なくとも一部を鏡像反転させた画像であることを特徴とする請求項3又は4に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記ノズル選択部は、
    前記カラー印刷用ヘッドの前記ノズル列に対し、前記第1のカラー用ノズル選択領域と前記第2のカラー用ノズル選択領域に挟まれる領域に、前記ノズル列内において前記第1のカラー用ノズル選択領域、及び前記第2のカラー用ノズル選択領域のそれぞれとそれぞれ隣接して設定される隙間の領域であり、1個以上のノズルをそれぞれ含む複数の隙間領域を更に設定し、
    かつ、
    前記重層形成用ヘッドの前記ノズル列に対し、前記副走査方向の位置が前記複数の隙間領域に挟まれる位置となる部分に、前記重層用ノズル選択領域を設定することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  7. 予め設定された主走査方向へ媒体に対して相対的にインクジェットヘッドを移動させる主走査動作と、前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記媒体に対して相対的に前記インクジェットヘッドを移動させる副走査動作とを行って、前記媒体の各位置への印刷をインクジェット方式で行い、印刷物を製造する印刷物の製造方法であって、
    カラー印刷がされたカラー印刷層を形成するインク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、前記副走査方向と平行なノズル列方向へ複数のノズルが並ぶノズル列を有し、前記主走査動作が行われる場合に前記主走査方向へ移動しつつ前記複数のノズルからインク滴を吐出することにより、各回の前記主走査動作毎に、前記カラー印刷層において当該主走査動作に対応する部分を形成するカラー印刷用ヘッドと、
    前記カラー印刷層の上又は下に重ねて印刷がされたインクの層である重層印刷層を形成するインク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、前記ノズル列方向へ複数のノズルが並ぶノズル列を有し、前記カラー印刷用ヘッドと前記副走査方向における位置を揃え、かつ、前記主走査方向の位置をずらして設けられ、前記主走査動作が行われる場合に前記主走査方向へ移動しつつ前記複数のノズルからインク滴を吐出することにより、各回の前記主走査動作毎に、前記重層印刷層において当該主走査動作に対応する部分を形成する重層形成用ヘッドと
    に対し、前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドの前記主走査動作及び前記副走査動作を制御する走査制御を行い、
    前記媒体は、一方の面である被印刷面に印刷された画像を前記被印刷面の裏面側から視認可能な透光性の媒体であり、
    前記走査制御において、
    前記主走査動作においてインク滴を吐出すべき前記ノズルを、前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドのそれぞれから選択するノズル選択段階と、
    前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドに前記主走査動作を行わせる主走査制御段階と、
    前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドに前記副走査動作を行わせる副走査制御段階と
    を行い、
    前記ノズル選択段階は、
    前記カラー印刷用ヘッドの前記ノズル列の一部に、前記ノズル列方向へ連続して並ぶ複数の前記ノズルをそれぞれ含む第1のカラー用ノズル選択領域と、第2のカラー用ノズル選択領域とを、前記ノズル列方向に間隔を空けて設定し、前記第1のカラー用ノズル選択領域、及び前記第2のカラー用ノズル選択領域内の前記ノズルを、前記カラー印刷用ヘッドにおいて前記主走査動作時にインク滴を吐出すべき前記ノズルとして選択し、
    かつ、
    前記重層形成用ヘッドの前記ノズル列のうち、前記副走査方向の位置が前記第1のカラー用ノズル選択領域と、前記第2のカラー用ノズル選択領域とに挟まれる位置となる部分に、前記ノズル列方向へ連続して並ぶ複数の前記ノズルを含む重層用ノズル選択領域を設定し、前記重層用ノズル選択領域内の前記ノズルを、前記重層形成用ヘッドにおいて前記主走査動作時にインク滴を吐出すべき前記ノズルとして選択し、
    前記主走査制御段階は、前記主走査動作において、前記カラー印刷用ヘッドにおける前記第1のカラー用ノズル選択領域内の前記ノズル、及び前記第2のカラー用ノズル選択領域内の前記ノズルと、前記重層形成用ヘッドにおける前記重層用ノズル選択領域内の前記ノズルとからインク滴を吐出させつつ、前記媒体に対して相対的に、前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドを前記主走査方向へ移動させ、
    前記副走査制御段階は、前記副走査動作において、前記主走査動作の合間に、前記カラー印刷用ヘッド及び前記重層形成用ヘッドを前記副走査方向へ移動させることを特徴とする印刷物の製造方法。
JP2009269602A 2009-11-27 2009-11-27 インクジェットプリンタ及び印刷物の製造方法 Active JP5656279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009269602A JP5656279B2 (ja) 2009-11-27 2009-11-27 インクジェットプリンタ及び印刷物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009269602A JP5656279B2 (ja) 2009-11-27 2009-11-27 インクジェットプリンタ及び印刷物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011110817A true JP2011110817A (ja) 2011-06-09
JP5656279B2 JP5656279B2 (ja) 2015-01-21

Family

ID=44233522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009269602A Active JP5656279B2 (ja) 2009-11-27 2009-11-27 インクジェットプリンタ及び印刷物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5656279B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013035130A (ja) * 2011-08-03 2013-02-21 Seiko Epson Corp 液体吐出装置、及び、画像形成方法
JP2013158954A (ja) * 2012-02-02 2013-08-19 Seiko Epson Corp 印刷装置、印刷方法、及び、印刷物
JP2014144195A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 装飾用シールおよび装飾用シールの製造方法
WO2015194462A1 (ja) * 2014-06-19 2015-12-23 シャープ株式会社 透明フィルム、印刷物、印刷装置、及び、印刷ユニット
JP2019045835A (ja) * 2017-08-30 2019-03-22 株式会社ミマキエンジニアリング 多層印刷物および多層印刷方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002038063A (ja) * 2000-07-31 2002-02-06 Seiko Epson Corp 白色インクを含むインクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法
JP2002086732A (ja) * 2000-09-12 2002-03-26 Canon Inc インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置および電子機器
JP2002166578A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Canon Inc インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
WO2005105452A1 (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. インクジェット記録装置
US20060158481A1 (en) * 2005-01-19 2006-07-20 Vutek, Incorporated Method and system for multi-channel ink-jet printing
JP2008530619A (ja) * 2005-02-21 2008-08-07 コントラ ヴィジョン リミテッド 視覚制御パネルのuvインクジェット印刷
JP2009234170A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Seiko Epson Corp 印刷装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002038063A (ja) * 2000-07-31 2002-02-06 Seiko Epson Corp 白色インクを含むインクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法
JP2002086732A (ja) * 2000-09-12 2002-03-26 Canon Inc インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置および電子機器
JP2002166578A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Canon Inc インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
WO2005105452A1 (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. インクジェット記録装置
US20060158481A1 (en) * 2005-01-19 2006-07-20 Vutek, Incorporated Method and system for multi-channel ink-jet printing
JP2008530619A (ja) * 2005-02-21 2008-08-07 コントラ ヴィジョン リミテッド 視覚制御パネルのuvインクジェット印刷
JP2009234170A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Seiko Epson Corp 印刷装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013035130A (ja) * 2011-08-03 2013-02-21 Seiko Epson Corp 液体吐出装置、及び、画像形成方法
JP2013158954A (ja) * 2012-02-02 2013-08-19 Seiko Epson Corp 印刷装置、印刷方法、及び、印刷物
JP2014144195A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 装飾用シールおよび装飾用シールの製造方法
WO2015194462A1 (ja) * 2014-06-19 2015-12-23 シャープ株式会社 透明フィルム、印刷物、印刷装置、及び、印刷ユニット
JPWO2015194462A1 (ja) * 2014-06-19 2017-04-27 シャープ株式会社 印刷物
US10195887B2 (en) 2014-06-19 2019-02-05 Sharp Kabushiki Kaisha Transparent film, printed matter, printing device, and printing unit
JP2019045835A (ja) * 2017-08-30 2019-03-22 株式会社ミマキエンジニアリング 多層印刷物および多層印刷方法
JP7023661B2 (ja) 2017-08-30 2022-02-22 株式会社ミマキエンジニアリング 多層印刷物および多層印刷方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5656279B2 (ja) 2015-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011110818A (ja) インクジェットプリンタ及び印刷方法
JP5211891B2 (ja) 記録方法、記録装置及び動作制御プログラム
US8833892B2 (en) Printing apparatus and printing method
EP2692529A1 (en) Inkjet recording device and image forming method
US8506034B2 (en) Printing apparatus
US8070256B2 (en) Ink jet head
JP5656279B2 (ja) インクジェットプリンタ及び印刷物の製造方法
JP2009113284A (ja) インクジェット記録装置
JP2009234170A (ja) 印刷装置
JP2011183715A (ja) 印刷装置及び印刷方法
US20090251499A1 (en) Liquid ejecting apparatus and liquid ejecting method
US11712855B2 (en) Shaping system, and shaping apparatus
WO2014125679A1 (ja) 記録装置及び記録方法
JP2011215202A (ja) インクジェットプリンタおよび印刷物
JP5668462B2 (ja) 印刷装置及び印刷方法
US8960841B2 (en) Printing apparatus and printing method
JP2018144236A (ja) 造形装置及び造形方法
JP5678683B2 (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2011189592A (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法
JP7345977B2 (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2010221718A (ja) 印刷装置
US20100141695A1 (en) Ink-jet recording device and ink-jet recording method
JP2021045913A (ja) 印刷装置及び印刷方法
WO2021053970A1 (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2014166762A (ja) 記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5656279

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250