JP2011108873A - In−Ga−Zn系酸化物焼結体スパッタリングターゲット及び薄膜トランジスタ - Google Patents

In−Ga−Zn系酸化物焼結体スパッタリングターゲット及び薄膜トランジスタ Download PDF

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Abstract

【課題】大面積で均一な薄膜トランジスタパネルの製造が可能なIn−Gn−Zn系酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)及びSn(錫)を含有し、Sn(錫)の原子比が下記式を満たす酸化物焼結体。
0.01<Sn/(In+Ga+Zn+Sn)<0.10
【選択図】図1

Description

本発明は、In−Ga−Zn系酸化物焼結体、それからなるスパッタリングターゲット、In−Ga−Zn系酸化物焼結体の製造方法、酸化物薄膜、薄膜トランジスタの製造方法、薄膜トランジスタパネル、及び液晶ディスクプレイ用パネルに関する。
酸化インジウム、酸化亜鉛及び酸化ガリウムからなる酸化物膜は、可視光透過性を有しかつ導電体、半導体から絶縁体まで広い電気特性を有するため、透明導電膜や(薄膜トランジスタ等に用いる)半導体膜として着目されている。
前記酸化物膜の成膜方法としては、スパッタリング、パルスレーザーデポジション(PLD)、蒸着等の物理的な成膜や、ゾルゲル法等の化学的な成膜があるが、比較的低温で大面積に均一に成膜できる方法としてスパッタリング法等の物理的成膜が中心に検討されている。
スパッタリング等の物理的成膜で酸化物薄膜を成膜する際は、均一に、安定して、効率よく(高い成膜速度で)成膜するために、酸化物焼結体からなるターゲットを用いることが一般的である。
酸化インイジウム、酸化ガリウム及び酸化亜鉛からなる酸化物半導体膜を薄膜トランジスタとして駆動させる方法が検討されている。しかし、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛からなる酸化物半導体膜を薄膜トランジスタとして用いた場合、無機酸系ウェットエッチング液(例えばリン酸/硝酸/酢酸の混酸ウェットエッチング液)でウェットエッチングしてバックチャンネルエッチ型のフラットパネルディスプレイを製造した際に、大面積で閾値電圧等の薄膜トランジスタ特性の均一性が悪く、実用上の課題となっていた。そのため、アルカリ系のエッチング液(NHOH/H系エッチング液等)を用いる、ドライエッチングを用いる等の検討が行われている。しかし、アルカリ系エッチング液は寿命が短く、ドライエッチングはエッチングレートが遅く時間が掛かる等の問題点があった(非特許文献1)。
また、酸化インジウム、酸化亜鉛及び酸化ガリウムからなる酸化物膜を作製するためのスパッタリングターゲットとしては、InGaZnO、InGaZnO等の公知の結晶型の組成又はそれと近い組成のものが中心に検討されている。例えば、特許文献1には、InGaZnOやInGaZnOの六方晶層状化合物の結晶構造(ホモロガス結晶構造)を示すターゲットが開示されている。
また、特許文献1及び2には、酸化インジウム、酸化亜鉛及び酸化ガリウムに、全金属元素に対して錫を1原子%以下加えたターゲットが開示されている。特許文献3には、錫を10原子%以上含み、GaInSn16等の酸化物結晶を含むターゲットが開示されている。しかし、ターゲット中の錫の含有量や、そのターゲットを用いてスパッタリングによって成膜した酸化物薄膜を用いて作製された薄膜トランジスタ(TFT)を用いたTFTパネルの特性(面内均一性)への影響は検討されていない。特に、特許文献2に示されているように、錫の含有量が1原子%(10000ppm)を超えると、薄膜特性の安定性等に問題が発生すると思われていたため、1原子%以上加えた場合の効果は調べられていなかった。従って、錫を1原子%超10原子%未満の量で含むターゲットの製造に関する検討もなされていなかった。また、薄膜トランジスタ作製用ターゲットとしての検討もなされていなかった。
特許文献4、5及び6には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムに酸化錫を加えた酸化物を活性層にする薄膜トランジスタが開示されている。しかし、錫の含有量の調整によるTFTパネルの特性(面内均一性)への影響は検討されていない。
一方、酸化インイジウム、酸化ガリウム及び酸化亜鉛からなる酸化物半導体膜の検討は、主にIn,Ga,Znが原子比で40:40:20、あるいは1:1:1のスパッタリングターゲットを用いて行われてきた(非特許文献1、2)。しかし、前記のターゲットを用いて薄膜トランジスタを作製すると、移動度が8cm/Vs程度と不十分であり、またMo等の金属とのウェットエッチングの選択比が小さく、作製した半導体膜上で金属電極のウェットエッチングによる加工が困難であるという課題があった(非特許文献1)。
特開平8−245220号公報 特開2008−214697号公報 特開2008−280216号公報 特開2007−123699号公報 国際公開第2007/139009号パンフレット 特開2007−281409号公報
Je−hun Lee et al.SID 08 DIGEST,42−2(625頁),2008年 Jin−Seong Pa et al., APPLIED PHYSICS LETTERS 92, 072104(2008)
本発明の目的は、大面積で均一な薄膜トランジスタパネルの製造が可能なIn−Gn−Zn系酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲット(以下、単にターゲットということがある)を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を行い、In(インジウム)、Zn(亜鉛)及びGa(ガリウム)に、所定範囲の原子比となるようにSn(錫)を含ませた酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲットを用いたスパッタリングにより得られた酸化物薄膜を用いると、作製されたバックチャンネルエッチ型の薄膜トランジスタパネルの面内均一性が良好になることを見出した。さらに、バックチャンネルエッチ型の薄膜トランジスタの製造が容易となることを見出し、本発明を完成させた。
これは、Sn(錫)が適量含まれることにより、ソース電極・ドレイン電極をウェットエッチングする際に用いる無機酸系ウェットエッチング液(例えばリン酸/硝酸/酢酸の混酸ウェットエッチング液)に対して耐性が高まるため、半導体層が侵食されて特性が劣化することが抑制されたためと推察される。また、Sn(錫)が適量含まれることにより、非晶質酸化物をウェットエッチングする際に用いる有機酸系エッチング液(例えば蓚酸エッチング液)で従来通りウェットエッチングが可能なため、バックチャンネルエッチ型の薄膜トランジスタの製造が容易となる。
さらに、Sn(錫)が適量含まれることにより、Sn(錫)が多量に含まれることによる錫の低級酸化物の生成や錫系化合物の生成によるターゲット性状の変化が少なく、新たな製造方法を検討しなくとも従来のIn−Ga−Zn−O系とほぼ同様に製造することができる利点がある。
さらに、In,Ga,Zn及びSnの組成比が特定の範囲にあるターゲットを用いると、既存のIn,Ga及びZnが原子比で40:40:20、あるいは1:1:1のものに比べ、Moとのウェットエッチングの選択比が十分高い半導体膜が得られ、かつIn,Ga及びZnが原子比で40:40:20、あるいは1:1:1のものに比べ、移動度が高くS値が小さいTFTが作製できることを見出した。
本発明によれば、以下の酸化物焼結体、スパッタリングターゲット、酸化物焼結体の製造方法、酸化物薄膜、薄膜トランジスタの製造方法、薄膜トランジスタパネル及び液晶ディスク用パネルが提供される。
1.In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)及びSn(錫)を含有し、
Sn(錫)の原子比が下記式を満たす酸化物焼結体。
0.01<Sn/(In+Ga+Zn+Sn)<0.10
2.前記In(インジウム)、Zn(亜鉛)及びGa(ガリウム)の原子比が下記式を満たす、上記1に記載の酸化物焼結体。
0.10≦In/(In+Ga+Zn)≦0.85
0.05≦Ga/(In+Ga+Zn)≦0.50
0.10≦Zn/(In+Ga+Zn)≦0.85
3.前記In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)及びSn(錫)の原子比が下記式を満たす、上記1に記載の酸化物焼結体。
0.40≦In/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.60
0.20≦Ga/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.40
0.10≦Zn/(In+Ga+Zn+Sn)
Sn/(In+Ga+Zn+Sn)<0.10
0.05≦Sn/Zn
4.前記In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)及びSn(錫)の原子比が下記式を満たす、上記1に記載の酸化物焼結体。
0.40≦In/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.50
0.30≦Ga/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.40
0.15≦Zn/(In+Ga+Zn+Sn)
Sn/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.08
0.10≦Sn/Zn
5.InGaZnOで表されるホモロガス構造化合物又はInGaZnOで表されるホモロガス構造化合物を含む、上記1〜4のいずれかに記載の酸化物焼結体。
6.Inで表されるビックスバイト構造化合物を含む、上記1〜5のいずれかに記載の酸化物焼結体。
7.ZnGaで表されるスピネル構造化合物とInで表されるビックスバイト構造化合物とを含む、上記3又は4に記載の酸化物焼結体。
8.電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)にて観測したSn(錫)原子の凝集体の平均径が5μm以下である、上記1〜7のいずれかに記載の酸化物焼結体。
9.上記1〜8のいずれかに記載の酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲット。
10.1100〜1600℃で焼結する工程を含む、上記1〜8のいずれかに記載の酸化物焼結体の製造方法。
11.1350〜1540℃で2〜48時間焼結する工程を含む、上記5に記載の酸化物焼結体の製造方法。
12.1160〜1350℃で4〜96時間焼結する工程を含む、上記7に記載の酸化物焼結体の製造方法。
13.Sn(錫)を固溶した酸化インジウム粉体を原料の一部とした成形体を成形する工程を含む上記1〜8のいずれかに記載の酸化物焼結体の製造方法。
14.In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)及びSn(錫)の原子比が下記式を満たす酸化物薄膜。
0.10≦In/(In+Ga+Zn)≦0.85
0.05≦Ga/(In+Ga+Zn)≦0.50
0.10≦Zn/(In+Ga+Zn)≦0.85
0.01<Sn/(In+Ga+Zn+Sn)<0.10
15.上記9に記載のスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングにより酸化物薄膜を成膜する工程、
前記酸化物薄膜を酸系エッチング液でウェットエッチングする工程、
前記ウェットエッチングされた酸化物薄膜上に金属薄膜を成膜する工程、
前記金属薄膜をウェットエッチングによりパターニングする工程、
とを含む薄膜トランジスタの製造方法。
16.上記15に記載の方法により製造された薄膜トランジスタを有する薄膜トランジスタパネル。
17.上記15に記載の方法により製造された薄膜トランジスタを有する液晶ディスプレイ用パネル。
本発明によれば、バックチャンネルエッチ型であっても、大面積で均一なトランジスタ特性を示す薄膜トランジスタの作製が可能な酸化物焼結体スパッタリングターゲット、及び大面積で均一なトランジスタ特性を示す薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタパネルを提供できる。
本発明に係るバックチャンネルエッチ型(逆スタガ型)薄膜トランジスタの構成を示す模式図である。 実施例3及び比較例1で製造した薄膜トランジスタパネルのTFT特性の面内均一性(ばらつき)を示すグラフである。
本発明の酸化物焼結体は、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)及びSn(錫)を含有し、Sn(錫)の原子比が下記式を満たすことを特徴とする。
0.01<Sn/(In+Ga+Zn+Sn)<0.10
Snの原子比は、より好ましくは、下記式を満たす。
0.015≦Sn/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.080
より好ましくは、下記式を満たす。
0.017≦Sn/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.060
さらに好ましくは、下記式を満たす。
0.020≦Sn/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.050
特に好ましくは、下記式を満たす。
0.025≦Sn/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.045
Snの原子比が0.01超であると、無機酸系ウェットエッチング液を用いたウェットエッチングでソース電極及びドレイン電極を形成しバックチャンネルエッチ型の薄膜トランジスタを作成した際に、面内均一性が良好となる。また、焼結温度が低く(例えば1450℃以下)ても、焼結体の相対密度を上げることが容易になる。
Snの原子比が0.10未満であると、薄膜トランジスタを作製する際に有機酸系エッチング液によるウェットエッチングの速度が早く、タクトタイムを短くできる。また、有機酸系エッチング液によるウェットエッチングを行った際に残渣が残るおそれが少ない。即ち、Snの原子比が0.1以上であると、蓚酸等の有機酸系エッチング液によるウェットエッチングが遅くなったり、困難となったりするおそれがある。また、0.10未満であると、低級酸化物の生成によりターゲットの抵抗が高くなったり、ノジュールが発生したりするおそれが少ない。
また、下記式を満たすとInGaZnO以外の結晶型を含まない(InGaZnO以外の金属酸化物のXRDピークが観測されない)酸化物焼結体の製造が容易となる。
0.010<Sn/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.045
InGaZnO以外の結晶型を含まないと、ターゲット製造時の管理が容易となる(XRDによる不純物の有無の判定が容易)、DCスパッタが安定しやすいという利点がある。
本発明の酸化物焼結体は、In(インジウム)、Zn(亜鉛)及びGa(ガリウム)の原子比が、下記式を満たすことが好ましい。
0.10≦In/(In+Ga+Zn)≦0.85
0.05≦Ga/(In+Ga+Zn)≦0.50
0.10≦Zn/(In+Ga+Zn)≦0.85
より好ましくは下記式を満たす。
0.20≦In/(In+Ga+Zn)≦0.75
0.11≦Ga/(In+Ga+Zn)≦0.45
0.15≦Zn/(In+Ga+Zn)≦0.70
特に好ましくは下記式を満たす。
0.30≦In/(In+Ga+Zn)≦0.60
0.20≦Ga/(In+Ga+Zn)≦0.40
0.20≦Zn/(In+Ga+Zn)≦0.50
In/(In+Ga+Zn)が0.10以上であると、酸化物焼結体の密度を上げやすく、抵抗を下げやすい。また、ターゲットとして使用して薄膜トランジスタを作製した際に移動度が向上する。
In/(In+Ga+Zn)が0.85以下であると、ターゲットの密度を上げやすく、抵抗を下げやすい。
Ga/(In+Ga+Zn)が0.05以上であると、薄膜トランジスタとした際に耐湿性や保存安定性が向上する。
Ga/(In+Ga+Zn)が0.50以下であると、ターゲットの密度を上げやすく、抵抗を下げやすい。また、成膜時の酸素分圧依存性を低減し、成膜の再現性を高めることができる。
Zn/(In+Ga+Zn)が0.10以上であると、安定して非晶質膜が得られる。また、有機酸系エッチング液によるウェットエッチングが容易になる。また、ウェットエッチングした際に残渣の発生が抑制できる。
Zn/(In+Ga+Zn)が0.85以下であると、耐薬品性や耐湿性が向上する。また、Moとの選択比が向上する。
Moとのウェットエッチングの選択比(以下、「Moとの選択比」という)とは、リン酸を含むウェットエッチング液でエッチングした際のMoとのエッチング速度の比をいい、下記式から求められる。
Moとの選択比=Moのエッチング速度÷酸化物膜のエッチング速度
Moとの選択比は、10.0以上が好ましく、15.0以上がより好ましく、20.0以上がさらに好ましく、30.0以上が特に好ましい。10.0以上であると酸化物膜(酸化物半導体膜)上でのMoの加工が容易に精度よく行える。Moとの選択比に上限はないが、通常1000以下であり、好ましくは500以下である。
また、酸化物膜(酸化物半導体膜)上でのMoのウェットエッチングを行う前に酸化物膜(酸化物半導体膜)を熱処理することが好ましい。熱処理を行うと選択比が向上する。熱処理の条件としては、通常150〜450℃、5分〜10時間である。好ましくは、200〜350℃、20分〜3時間である。450℃以上であると酸化物膜の比抵抗が高くなりすぎるおそれがある。150℃以下であると、Moとの選択比が十分向上しないおそれがある。10時間以上であると酸化物膜の比抵抗が高くなりすぎるおそれがある。5分以下であると、Moとの選択比が十分向上しないおそれがある。
エッチング選択比及びエッチング液
本発明の酸化物焼結体からなるターゲットを用いて作製した酸化物膜上で金属薄膜をウェットエッチングする際のエッチング液組成物は、通常りん酸を含み、好ましくはりん酸及び硝酸を含み、さらに好ましくはりん酸、硝酸、酢酸を含有してなる。尚、硝酸の代わりに硝酸塩(アンモニウム塩、アミン塩、アルカリ金属塩等)、酢酸の代わりに他の有機酸(蟻酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等)あるいはスルホン酸化合物(硫酸、硫酸アンモニウム等)を用いてもよい。
金属薄膜は、特にモリブデンあるいはモリブデン合金とアルミニウムあるいはアルミニウム合金の積層膜、モリブデン、モリブデン合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金を含有する膜に用いるのが好適であり、モリブデン合金としては、モリブデン(Mo)−ネオジム(Nd)が、アルミニウム合金としては、アルミニウム(Al)−ネオジム(Nd)、アルミニウム(Al)−チタン(Ti)が、銀合金としては、銀(Ag)−パラジウム(Pd)−銅(Cu)、銀(Ag)−パラジウム(Pd)、銀(Ag)−銅(Cu)−金(Au)、銀(Ag)−ルテニウム(Ru)−銅(Cu)、銀(Ag)−ルテニウム(Ru)−金(Au)合金が好ましい。尚、これらの金属薄膜は、Mo−Nd/Al−Nd/Mo−Nd積層膜やMo/Al積層膜のように適宜積層膜として用いてもよい。
Moとの選択比を求めるために使用するエッチング液組成物のりん酸、硝酸及び酢酸の組成比は、りん酸の濃度が、好ましくは50.0〜95.0重量%、さらに好ましくは50.0〜85.0重量%、硝酸の濃度が、好ましくは1.0〜4.0重量%、さらに好ましくは2.0〜3.0重量%、酢酸の濃度が、好ましくは3.0〜35.0重量%、さらに好ましくは5.0〜33.0重量%である。尚、りん酸、硝酸及び酢酸の他に水や添加剤(界面活性剤等)を含んでいてもよい。
りん酸、硝酸、酢酸の濃度が、上記範囲内であれば、サイドエッチングが抑制され、かつエッチング残渣、エッチングむらが生ずることがなく、好ましい。上述のりん酸、硝酸、酢酸の組成は、積層膜に応じて適宜変更し、最適化を行っても構わない。
また、Moとの選択比を求めるために使用するエッチング液組成物には、エッチングを行なう薄膜表面に対するぬれ性を改善するため、さらに界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、アニオン系又はノニオン系が好ましく、さらに好ましくはアニオン系界面活性剤である。
アニオン系界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤としてフタージェント110(株式会社ネオス)、EF−104(三菱マテリアル株式会社)、非フッ素系界面活性剤としてパーソフトSF−T(日本油脂株式会社)、等が挙げられる。また、ノニオン系界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤としてEF−122A(三菱マテリアル株式会社)、非フッ素系界面活性剤としてフタージェント250(株式会社ネオス)、等が挙げられる。
エッチング条件としての温度範囲は35〜45℃が好ましい。
エッチング液組成物に使用する薬品は、りん酸、硝酸、及び酢酸であり、一般に半導体用薬品として広く用いられており、高純度な製品が安価で容易に入手できるものである。そのため、薬液中の不純物によるデバイスの汚染の心配もなく、なおかつ、低コストというメリットがある。
尚、短波長の透過率を向上させたり、光電流を減らしたい場合は、Gaの原子比を下記式の範囲とすることが好ましい。
0.36≦Ga/(In+Ga+Zn)
また、移動度を向上させたり、成膜時の酸素分圧による変動を減少させたい場合には、Gaの原子比を下記式の範囲とすることが好ましい。
0.36>Ga/(In+Ga+Zn)
スパッタリングターゲットを構成する酸化物焼結体に含まれる各元素の原子比は、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)により含有元素を定量分析して求めることができる。
具体的には、ICP−AESを用いた分析では、溶液試料をネブライザーで霧状にして、アルゴンプラズマ(約6000〜8000℃)に導入すると、試料中の元素は熱エネルギーを吸収して励起され、軌道電子が基底状態から高いエネルギー準位の軌道に移る。この軌道電子は10−7〜10−8秒程度で、より低いエネルギー準位の軌道に移る。この際にエネルギーの差を光として放射し発光する。この光は元素固有の波長(スペクトル線)を示すため、スペクトル線の有無により元素の存在を確認できる(定性分析)。
また、それぞれのスペクトル線の大きさ(発光強度)は試料中の原子数に比例するため、既知濃度の標準液と比較することで試料中における元素の濃度を求めることができる(定量分析)。
定性分析で含有されている元素を特定後、定量分析で含有量を求め、その結果から各元素の原子比を求める。
別の態様として、本発明の酸化物焼結体は、前記In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)及びSn(錫)の原子比が下記式を満たすことが好ましい。
0.40≦In/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.60
0.20≦Ga/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.40
0.10≦Zn/(In+Ga+Zn+Sn)
Sn/(In+Ga+Zn+Sn)<0.10
0.05≦Sn/Zn
各元素の原子比が上記式を満たす場合、既存のIn,Ga及びZnが原子比で40:40:20、あるいは1:1:1のものに比べ、Moとのウェットエッチングの選択比が高い半導体膜が得られ、かつIn,Ga及びZnが原子比で40:40:20、あるいは1:1:1のものに比べ、移動度が比較的高くS値が小さいTFTが作製できる効果が得られる。
また、40:40:20、あるいは1:1:1のものに比べ、移動度が比較的高くS値が小さいTFTを作製するためには、ターゲットの組成(原子比)が下記式を満たすことがさらに好ましく、
In/(In+Ga)>0.50
下記式を満たすことが特に好ましい。
In/(In+Ga)>0.55
また、さらに別の態様として、本発明の酸化物焼結体は、前記In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)及びSn(錫)の原子比が下記式を満たすことが好ましい。
0.40≦In/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.50
0.30≦Ga/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.40
0.15≦Zn/(In+Ga+Zn+Sn)
Sn/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.08
0.10≦Sn/Zn
各元素の原子比が上記式を満たす場合、既存のIn,Ga及びZnが原子比で40:40:20、あるいは1:1:1のものに比べ、熱処理を行わなくともMoとのウェットエッチングの選択比が十分高い半導体膜が得られ、かつIn,Ga及びZnが原子比で40:40:20、あるいは1:1:1のものに比べ、移動度が高いTFTが作製できる効果が得られる。
本発明のスパッタリングターゲットを構成する酸化物焼結体には、本発明の効果を損なわない範囲で、In、Ga、Zn及びSn以外の他の金属元素、例えば、Al、Zr、Hf、Ti、Cu等を含有していてもよい。
また、本発明のスパッタリングターゲットを構成する酸化物焼結体に含有される金属元素は、実質的にIn、Ga、Zn及びSnのみであってもよい。尚、「実質的に」とは、原料や製造工程等により不可避的に含まれる不純物等以外の元素を含まないことを意味する。
尚、不可避的に含まれる不純物等以外の元素を含まないとターゲット製造の品質管理において管理が容易になるという利点がある。
本発明の酸化物焼結体は、InGaZnOで表されるホモロガス構造化合物又はInGaZnOで表されるホモロガス構造化合物を含むことが好ましい。
InGaZnOで表されるホモロガス構造化合物又はInGaZnOで表されるホモロガス構造化合物を含んでいることにより、還元雰囲気での熱処理で比抵抗が下げられるという効果が得られる。
InGaZnO又はInGaZnOで表される結晶構造は、「六方晶層状化合物」又は「ホモロガス相の結晶構造」と呼ばれ、異なる物質の結晶層を何層か重ね合わせた長周期を有する「自然超格子」構造から成る。結晶周期又は各薄膜層の厚さが、ナノメーター程度である場合、これら各層の化学組成や層の厚さの組み合わせによって、単一の物質又は各層を均一に混ぜ合わせた混晶の性質とは異なる固有の特性が得られる。そして、ホモロガス相の結晶構造は、例えばターゲットを粉砕したパウダー又は切削した片から測定したX線回折パターンが、組成比から想定されるホモロガス相の結晶構造X線回折パターンと一致することから確認できる。具体的には、JCPDS(Joint Committee of Powder Diffraction Standards)カードから得られるホモロガス相の結晶構造X線回折パターンと一致することから確認することができる。
X線回折の測定条件は、例えば以下の通りである。
装置:(株)リガク製Ultima−III
X線:Cu−Kα線(波長1.5406Å、グラファイトモノクロメータにて単色化)
2θ−θ反射法、連続スキャン(1.0°/分)
サンプリング間隔:0.02°
スリット DS、SS:2/3°、RS:0.6mm
結晶構造X線回折パターンで構造が判断されれば、酸素が過剰であっても不足(酸素欠損)であっても構わない(化学量論比通りでもよいし、ずれていてもよい)が、酸素欠損を持っていることが好ましい。酸素が過剰であるとターゲットとした時抵抗が高くなりすぎるおそれがある。
本発明の酸化物焼結体に含まれる各元素の原子比は、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)により含有元素を定量分析して求めることができる。
具体的に、ICP−AESを用いた分析では、溶液試料をネブライザーで霧状にして、アルゴンプラズマ(約6000〜8000℃)に導入すると、試料中の元素は熱エネルギーを吸収して励起され、軌道電子が基底状態から高いエネルギー準位の軌道に移る。この軌道電子は10−7〜10−8秒程度で、より低いエネルギー準位の軌道に移る。この際にエネルギーの差を光として放射し発光する。この光は元素固有の波長(スペクトル線)を示すため、スペクトル線の有無により元素の存在を確認できる(定性分析)。
また、別の様態として、本発明の酸化物焼結体は、Inで表されるビックスバイト構造化合物を含んでいることが好ましい。
Inで表されるビックスバイト構造化合物を含んでいることにより、不活性雰囲気下での熱処理等の還元処理を行わなくとも比抵抗の低いターゲットの製造が期待できる。また、Snを含有した際の比抵抗の低下が効率的に行えることが期待できる。
さらに、別の態様として、本発明の酸化物焼結体は、ZnGaで表されるスピネル構造化合物とInで表されるビックスバイト構造化合物とを含むことが好ましい。
Inで表されるビックスバイト構造化合物を含んでいることにより、還元雰囲気での熱処理を行わなくとも比抵抗が下げられるという効果が得られる。また、Snを含有させた際の比抵抗を効率的に低下させられることが期待できる。また、ZnGaで表されるスピネル構造化合物を含んでいることで比較的低い温度で焼結して作製しても相対密度を上げやすいという利点や高抵抗の化合物であるGaの生成を抑制するという利点がある。
本発明の酸化物焼結体の相対密度は、通常90%以上であり、好ましくは94%以上、より好ましくは96%以上、特に好ましくは98%以上である。酸化物焼結体の相対密度が向上すると、異常放電が減少する、成膜速度が向上する等の効果が期待できる。
本発明の酸化物焼結体の抵抗は、通常20mΩcm以下であり、好ましくは10mΩcm以下、より好ましくは5mΩcm以下、特に好ましくは4mΩ以下である。抵抗が20mΩcm以下であると、ターゲットが割れる危険性が少ない。
本発明の酸化物結晶の粒径は、それぞれ通常200μm以下であり、20μm以下が好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下が特に好ましい。酸化物結晶の粒径は電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)で測定した平均粒径である。粒径に下限はないが、通常0.1μm以上である。粒径は、例えば、原料である各酸化物の粉体の配合比や原料粉体の粒径、純度、昇温時間、焼結温度、焼結時間、焼結雰囲気、降温時間を調整することにより制御できる。粒径が200μmより大きいとスパッタ時にノジュールが発生するおそれがある。また、ターゲット表面に凹凸が発生し、成膜時の異常放電の原因となりやすい。
本発明の酸化物焼結体においては、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)にて観測したSn(錫)原子の凝集体の平均径が5μm以下であることが好ましい。
Sn(錫)原子の凝集体の平均径が5μm以下であることにより、異常放電の発生頻度を抑制する効果が得られる。
本発明のスパッタリングターゲット(以下、本発明のターゲットという)は、前記本発明の酸化物焼結体からなることを特徴とする。
本発明のターゲットは、薄膜トランジスタ以外の半導体素子の作製や透明導電膜等の酸化膜の作製に用いることができる。
本発明のターゲットによれば、長期に渡る成膜を行った際も、安定した特性を有する酸化物薄膜が得られる。
本発明の酸化物焼結体の製造方法は、1100〜1600℃で焼結する工程を含むことを特徴とする。
また、別の態様として、本発明の酸化物焼結体の製造方法は、1350〜1540℃で2〜48時間焼結する工程を含むことを特徴とする。
上記条件で焼結を行うことにより、前記InGaZnO又はInGaZnOで表される結晶構造を含む酸化物焼結体を得ることができる。
さらに別の態様として、本発明の酸化物焼結体の製造方法は、1160〜1350℃で4〜96時間焼結する工程を含むことを特徴とする。
上記条件で焼結を行うことにより、前記ZnGaで表されるスピネル構造化合物とInで表されるビックスバイト構造化合物とを含む酸化物焼結体を得ることができる。
さらに別の態様として、本発明の酸化物焼結体の製造方法は、Sn(錫)を固溶した酸化インジウム粉体を原料の一部とした成形体を成形する工程を含むことを特徴とする。
ここで、Sn(錫)を固溶した酸化インジウム粉体としては、酸化インジウム粉と酸化錫粉を混合し仮焼・粉砕したものやITOから回収・リサイクルした酸化インジウム粉等が挙げられる。Sn(錫)を固溶した酸化インジウム粉体を含むことはXRDで酸化インジウムの格子定数が変化していることから確認できる。
Sn(錫)の添加量が少ない場合は、いったん酸化錫と酸化インジウムの仮焼粉末又は化合物粉末を作り原料としたり、ITOターゲットからの回収等により錫を含有した酸化インジウム粉末等を原料とすると、錫の分散が容易になり好ましい。
以下、本発明の酸化物焼結体の製造方法を工程毎に説明する。
(1)配合工程
配合工程は、酸化物焼結体の原料である金属酸化物を混合する工程である。
原料としては、インジウム化合物の粉末、ガリウム化合物の粉末、亜鉛化合物の粉末、錫酸化物の粉末等の粉末を用いる。
インジウムの化合物としては、例えば、酸化インジウム、水酸化インジウム等が挙げられる。ガリウムの化合物としては、例えば、酸化ガリウム、水酸化ガリウム等が挙げられる。亜鉛の化合物としては、例えば、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等が挙げられる。錫の化合物としては、例えば、酸化錫、水酸化錫等が挙げられる。各々の化合物として、焼結のしやすさ、副生成物の残存のし難さから、酸化物が好ましい。
また、原料の純度は、通常2N(99質量%)以上、好ましくは3N(99.9質量%)以上、特に好ましくは4N(99.99質量%)以上である。純度が2Nより低いと耐久性が低下する、液晶側に不純物が入り、焼き付けが起こるおそれがある。
原料の一部として金属亜鉛(亜鉛末)を用いることが好ましい。原料の一部に亜鉛末を用いるとホワイトスポットの生成を低減することができる。
尚、一旦、複合酸化物を合成して原料としてもよい。また、ITO(酸化インジウム−酸化錫)ターゲットのリサイクル原料を原料すると、錫の分散がよくなり好ましい。
また、複合酸化物を合成し原料とする例として、ZnGaで表されるスピネル構造化合物とInで表されるビックスバイト構造化合物とを含む酸化物焼結体を得たい場合は、別途合成したZnGaで表されるスピネル構造化合物と、別途合成したSnを含有するInで表されるビックスバイト構造化合物とを原料とすると所望の結晶構造が均一に得られて好ましい。
金属酸化物等の酸化物焼結体の製造に用いる原料を混合し、通常の混合粉砕機、例えば、湿式ボールミルやビーズミル又は超音波装置を用いて、均一に混合・粉砕することが好ましい。
(2)仮焼工程
仮焼工程は、酸化物焼結体の原料である化合物の混合物を得た後、この混合物を仮焼する、必要に応じて設けられる工程である。
仮焼を行うと、密度を上げることが容易になり好ましいが、コストアップになるおそれがある。そのため、仮焼を行わずに密度を上げられることがより好ましい。
仮焼工程においては、500〜1200℃で、1〜100時間の条件で金属酸化物の混合物を熱処理することが好ましい。500℃未満又は1時間未満の熱処理条件では、インジウム化合物や亜鉛化合物、錫化合物の熱分解が不十分となる場合がある。一方、熱処理条件が、1200℃を超えた場合又は100時間を超えた場合には、粒子の粗大化が起こるおそれがあるためである。
従って、特に好ましいのは、800〜1200℃の温度範囲で、2〜50時間の条件で、熱処理(仮焼)することである。
尚、ここで得られた仮焼物は、下記の成形工程の前に粉砕するのが好ましい。
また、仮焼を前述の複合酸化物の合成方法として利用することもできる。
(3)成形工程
成形工程は、金属酸化物の混合物(上記仮焼工程を設けた場合には仮焼物)を加圧成形して成形体とする工程である。この工程により、ターゲットとして好適な形状に成形する。仮焼工程を設けた場合には得られた仮焼物の微粉末を造粒した後、プレス成形により所望の形状に成形することができる。
本工程で用いることができる成形方法としては、例えば、金型成形、鋳込み成形、射出成形等が挙げられるが、焼結密度の高い焼結体(ターゲット)を得るためには、冷間静水圧(CIP)、熱間静水圧(HIP)等が好ましい。
また、プレス成形(一軸プレス)後に、冷間静水圧(CIP)、熱間静水圧(HIP)等を行い2段階以上の成形工程を設けてもよい。
CIP(冷間静水圧、あるいは静水圧加圧装置)を用いる場合、面圧800〜3000kgf/cmで0.5〜20分保持することが好ましい。また、面圧が800kgf/cm以下であると、焼結後の密度が上がらないあるいは抵抗が高くなるおそれがある。面圧3000kgf/cm以上であると装置が大きくなりすぎ不経済となるおそれがある。保持時間が0.5分以下であると焼結後の密度が上がらないあるいは抵抗が高くなるおそれがある。20分以上であると時間が掛かりすぎ不経済となるおそれがある。
尚、成形処理に際しては、ポリビニルアルコールやメチルセルロース、ポリワックス、オレイン酸等の成形助剤を用いてもよい。
(4)焼結工程
焼結工程は、上記成形工程で得られた成形体を焼結する工程である。
焼結は、熱間静水圧(HIP)焼結等によって行うことができる。
この場合の焼結条件としては、通常は酸素ガス雰囲気又は酸素ガス加圧下に、通常1100〜1600℃、好ましくは1200〜1450℃において、通常30分〜360時間、好ましくは8〜180時間、より好ましくは12〜96時間焼結する。焼結温度が1100℃未満であると、ターゲットの密度が上がり難くなったり、焼結に時間がかかり過ぎるおそれがあり、1600℃を超えると成分の気化により、組成がずれたり、炉を傷めたりするおそれがある。本発明では、1450℃以下の低温でも高温で焼結したものと同等以上のターゲットが得られるため、組成ずれや炉を傷める危険性がより少ない。
また、In:Ga:Zn=0.4:0.4:0.2付近の組成において、焼結温度によって結晶型を作り分けることができる。
ZnGaで表されるスピネル構造化合物とInで表されるビックスバイト構造化合物とを含む酸化物焼結体を得たい場合は、1160〜1350℃で焼結することが好ましく、1200〜1340℃で焼結することがより好ましい。
InGaZnO又はInGaZnOで表される結晶構造を含む酸化物焼結体を得たい場合は、1350〜1540℃で焼結することが好ましく、1400〜1520℃で焼結することがより好ましい。
また、焼結時間が30分未満であると、ターゲットの密度が上がり難く、360時間より長いと、製造時間がかかり過ぎコストが高くなるため、実用上採用できない。
一方、粉末混合物からなる成形体を、酸素ガスを含有しない雰囲気で焼結したり、1600℃を超える温度において焼結したりすると、得られるターゲットの密度を十分に向上させることができず、スパッタリング時の異常放電の発生を十分に抑制できなくなる場合がある。
また、焼結時の昇温速度は、通常8℃/分以下、好ましくは4℃/分以下、より好ましくは2℃/分以下、さらに好ましくは1℃/分以下、特に好ましくは0.7℃/分以下である。また、通常0.3℃/分以上である。8℃/分以下であると、本発明において好ましい結晶型が得られやすい。また、降温時にクラックが発生しにくい。通常0.3℃/分未満であると、焼結時間が掛かりすぎる。
また、焼結時の降温速度は、通常4℃/分以下、好ましくは2℃/分以下、より好ましくは1℃/分以下、さらに好ましくは0.8℃/分以下、特に好ましくは0.5℃/分以下である。また、通常0.2℃/分以上である。4℃/分以下であると、本発明において好ましい結晶型が得られやすい。また、降温時にクラックが発生しにくい。通常0.2℃/分未満であると、焼結時間が掛かりすぎる。
(5)還元工程
還元工程は、上記焼結工程で得られた焼結体のバルク抵抗を、ターゲット全体として均一化するために還元処理を行う、必要に応じて設けられる工程である。
本工程で適用することができる還元方法としては、例えば、還元性ガスによる方法や真空焼成又は不活性ガスによる還元等が挙げられる。
還元性ガスによる還元処理の場合、水素、メタン、一酸化炭素や、これらのガスと酸素との混合ガス等を用いることができる。
不活性ガス中での焼成による還元処理の場合、窒素、アルゴンや、これらのガスと酸素との混合ガス等を用いることができる。
尚、還元処理時の温度は、通常100〜800℃、好ましくは200〜800℃である。また、還元処理の時間は、通常0.01〜10時間、好ましくは0.05〜5時間である。
ただし、還元処理を行うと手間が係り、かつターゲットが割れる等のトラブルが発生するおそれがあり、還元処理を行わず低抵抗化できる方が好ましい。
(6)加工工程
加工工程は、上記のようにして焼結して得られた焼結体を、さらにスパッタリング装置への装着に適した形状に切削加工し、またバッキングプレート等の装着用治具を取り付けるための、必要に応じて設けられる工程である。
酸化物焼結体をターゲット素材とするには、該焼結体を、例えば、平面研削盤で研削して表面粗さRaが5μm以下の素材とする。ここで、さらにターゲット素材のスパッタ面に鏡面加工を施して、平均表面粗さRaが1000オングストローム以下としてもよい。この鏡面加工(研磨)は機械的な研磨、化学研磨、メカノケミカル研磨(機械的な研磨と化学研磨の併用)等の、公知の研磨技術を用いることができる。例えば、固定砥粒ポリッシャー(ポリッシュ液:水)で#2000以上にポリッシングしたり、又は遊離砥粒ラップ(研磨材:SiCペースト等)にてラッピング後、研磨材をダイヤモンドペーストに換えてラッピングすることによって得ることができる。このような研磨方法には特に制限はない。
ターゲット素材の表面は200〜10,000番のダイヤモンド砥石により仕上げを行うことが好ましく、400〜5,000番のダイヤモンド砥石により仕上げを行うことが特に好ましい。200番より小さい、又は10,000番より大きいダイヤモンド砥石を使用するとターゲット素材が割れやすくなるおそれがある。
ターゲット素材の表面粗さRaが0.5μm以下であり、方向性のない研削面を備えていることが好ましい。Raが0.5μmより大きかったり、研磨面に方向性があると、異常放電が起きたり、パーティクルが発生するおそれがある。
次に、得られたターゲット素材を清浄処理する。清浄処理にはエアーブロー又は流水洗浄等を使用できる。エアーブローで異物を除去する際には、ノズルの向い側から集塵機で吸気を行なうとより有効に除去できる。尚、以上のエアーブローや流水洗浄では限界があるので、さらに超音波洗浄等を行なうこともできる。この超音波洗浄は周波数25〜300KHzの間で多重発振させて行なう方法が有効である。例えば周波数25〜300KHzの間で、25KHz刻みに12種類の周波数を多重発振させて超音波洗浄を行なうのが良い。
ターゲット素材の厚みは通常2〜20mm、好ましくは3〜12mm、特に好ましくは4〜6mmである。
上記のようにして得られたターゲット素材をバッキングプレートへボンディングすることによって本発明の酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲットを得ることができる。また、複数のターゲット素材を一つのバッキングプレートに取り付け、実質一つのターゲットとしてもよい。
本発明の酸化物薄膜は、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)及びSn(錫)の原子比が下記式を満たすことを特徴とする。
0.10≦In/(In+Ga+Zn)≦0.85
0.05≦Ga/(In+Ga+Zn)≦0.50
0.10≦Zn/(In+Ga+Zn)≦0.85
0.01<Sn/(In+Ga+Zn+Sn)<0.10
スパッタリングに用いるターゲットを構成する酸化物焼結体の元素の原子比と得られる酸化物薄膜を構成する元素の原子比はほぼ一致するため、上記原子比を有する酸化物薄膜は、上記本発明のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリングによって得ることができる。
本発明の酸化物薄膜は、薄膜トランジスタのチャンネル層(半導体層)として有用である。
特に、本発明の酸化物薄膜を用いて作製されたバックチャンネルエッチ型の薄膜トランジスタパネルの面内均一性が良好になる。本発明の酸化物薄膜は、ウェットエッチングの際、MoやAl等の金属を含む金属薄膜との選択比が高いためである。Snが適量含まれていることにより、ソース電極・ドレイン電極をウェットエッチングする際に用いるウェットエッチング液(例えば、リン酸系ウェットエッチング液)に対しては耐性が高く、本発明の酸化物薄膜からなる半導体層が侵食され特性が劣化することが抑制されると同時に、別の酸系エッチング液(例えば、蓚酸)でのウェットエッチングが可能なためである。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、
上記本発明のスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングにより酸化物薄膜を成膜する工程、
前記酸化物薄膜を酸系エッチング液でウェットエッチングする工程、
前記ウェットエッチングされた酸化物薄膜上に金属薄膜を成膜する工程、
前記金属薄膜をウェットエッチングによりパターニングする工程、
とを含むことを特徴とする。
酸化物薄膜を酸系エッチング液でウェットエッチング際の酸系ウェットエッチング液は、蓚酸系のものが好ましい。例えば、ITO−06N(関東化学(株)製)やITO−07N(関東化学(株)製)等を用いることができる。
金属薄膜をウェットエッチングするエッチング液は、経時変化の少ない酸系のものが好ましい。酸系のエッチング液としては、オキソ酸を含むものがより好ましい。オキソ酸としてはリン酸が好ましい。リン酸を含むエッチング液としては、例えばリン酸が20〜95wt%、硝酸0.5〜5wt%、酢酸3〜50wt%の範囲にあるものが用いられる。
また、エッチング液には界面活性剤を含んでいることが好ましい。界面活性剤はアニオン系又はノニオン系が好ましい。界面活性剤を含んでいると、エッチング残渣を低減できる場合がある。
また、エッチングを行う際のエッチング液の温度は5〜80℃が好ましく、20〜50℃がより好ましく、30〜45℃がより好ましい。
5℃以下であると、装置周りに結露が発生するおそれがあり、またエッチング速度が遅くなるおそれがある。80℃以上であると、水分の揮発により濃度変化が起きる可能性があり、またTFTの均一性が悪くなる(ばらつきが大きくなる)おそれがある。
以下、薄膜トランジスタの構成及び薄膜トランジスタの製造方法について説明する。
1.基板
特に制限はなく、本技術分野で公知のものを使用できる。例えば、ケイ酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラス基板、シリコン基板、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の高分子フィルム基材等が使用できる。
2.半導体層
上述したように、本発明のスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングすることによって得られる酸化物薄膜を使用する。半導体層は非晶質膜であることが好ましい。非晶質膜であることにより、絶縁膜や保護層との密着性が改善でき、大面積でも均一なトランジスタ特性が容易に得られることとなる。ここで、半導体層が非晶質膜であるか否かは、X線結晶構造解析により確認できる。明確なピークが観測されない場合が非晶質である。
3.保護層
保護層を形成する材料には特に制限はない。本発明の効果が損なわれない範囲で一般に用いられているものを任意に選択できる。例えば、SiO,SiN,Al,Ta,TiO,MgO,ZrO,CeO,KO,LiO,NaO,RbO,Sc,Y,Hf,CaHfO,PbTi,BaTa,SrTiO,AlN等を用いることができる。これらのなかでも、SiO,SiN,Al,Y,Hf,CaHfOを用いるのが好ましく、より好ましくはSiO,SiN,Y,Hf,CaHfOであり、特に好ましくはSiO,Y,Hf,CaHfO等の酸化物である。これらの酸化物の酸素数は、必ずしも化学量論比と一致していなくともよい(例えば、SiOでもSiOでもよい)。また、SiNは水素元素を含んでいてもよい。
保護膜は、異なる2層以上の絶縁膜を積層した構造でもよい。
4.ゲート絶縁膜
ゲート絶縁膜を形成する材料にも特に制限はなく、一般に用いられているものを任意に選択できる。例えば、SiO,SiN,Al,Ta,TiO,MgO,ZrO,CeO,KO,LiO,NaO,RbO,Sc,Y,Hf,CaHfO,PbTi,BaTa,SrTiO,AlN等を用いることができる。これらのなかでも、SiO,SiN,Al,Y,Hf,CaHfOを用いるのが好ましく、より好ましくはSiO,SiN,Y,Hf,CaHfOである。これらの酸化物の酸素数は、必ずしも化学量論比と一致していなくともよい(例えば、SiOでもSiOでもよい)。また、SiNは水素元素を含んでいてもよい。
ゲート絶縁膜は、異なる2層以上の絶縁膜を積層した構造でもよい。また、ゲート絶縁膜は、結晶質、多結晶質、非晶質のいずれであってもよいが、工業的に製造しやすい多結晶質又は非晶質であるのが好ましい。
また、ゲート絶縁膜としては、ポリ(4−ビニルフェノール)(PVP)、パリレン等の有機絶縁膜を用いてもよい。さらに、ゲート絶縁膜は無機絶縁膜及び有機絶縁膜の2層以上の積層構造を有してもよい。
ゲート絶縁層の成膜はスパッタ法でもよいが、TEOS−CVD法やPECVD法等のCVD法で形成することが好ましい。スパッタ法ではオフ電流が高くなるおそれがある。
5.電極
ゲート電極、ソ−ス電極及びドレイン電極の各電極を形成する材料には特に制限はなく、一般に用いられているものを任意に選択することができる。
例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、ZnO、SnO等の透明電極や、Al,Ag,Cr,Ni,Mo,Au,Ti,Ta、Cu等の金属電極、又はこれらを含む合金の金属電極、又はこれらの積層膜による電極を用いることができる。
本発明の半導体膜を用いバックチャンネルエッチ型の薄膜トランジスタを作製する際は、MoあるいはMo合金、AlあるいはAl合金、CuあるいはCu合金、インジウム亜鉛酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)がより好ましく、MoあるいはMo合金、AlあるいはAl合金、インジウム亜鉛酸化物が特に好ましい。
薄膜トランジスタ(電界効果型トランジスタ)及び薄膜トランジスタパネルの製造において、薄膜トランジスタの各構成部材(層)は、本技術分野で公知の手法で形成できる。
具体的に、成膜方法としては、スプレー法、ディップ法、CVD法等の化学的成膜方法、又はスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、パルスレーザーデポジション法等の物理的成膜方法を用いることができる。キャリア密度が制御し易く、膜質向上が容易であることから、物理的成膜方法を用いることが好ましい。より好ましくは生産性が高いことからスパッタ法を用いる。
形成した膜は、各種エッチング法によりパターニングできる。
本発明の薄膜トランジスタでは、半導体層を、本発明の酸化物焼結体からなるターゲットを用い、DC又はACスパッタリングにより成膜することが好ましい。DC又はACスパッタリングを用いることにより、RFスパッタリングの場合と比べて、成膜時のダメージを低減できる。このため、電界効果型トランジスタにおいて、移動度の向上等の効果が期待できる。
また、本発明の薄膜トランジスタでは、半導体層と半導体の保護層を形成した後に、70〜350℃で熱処理することが好ましい。70℃より低いと得られるトランジスタの熱安定性や耐熱性が低下したり、移動度が低くなったり、S値が大きくなったり、閾値電圧が高くなるおそれがある。一方、350℃より高いと耐熱性のない基板が使用できなかったり、熱処理用の設備費用がかかるおそれがある。
熱処理は、不活性ガス中で酸素分圧が10−3Pa以下の環境下で行うか、又は半導体層を保護層で覆った後に行うことが好ましい。上記条件下であると再現性が向上する。
本発明の薄膜トランジスタは、移動度が通常6cm/Vs以上、9cm/Vs以上であることが好ましく、10cm/Vs以上がより好ましく、12cm/Vs以上が特に好ましい。3cm/Vsより小さいと、スイッチング速度が遅くなり大画面高精細のディスプレイに用いることができないおそれがある。また、10cm/Vs以上であると、ドライバ回路等の周辺回路への適用が容易となる。
S値は、通常0.5V/dec以下、0.4V/dec以下が好ましく、0.3V/dec以下がより好ましい。0.5V/dec以下であると消費電力が低減できる。尚、S値に下限は無いが、0.06V/decが理論限界と言われており、通常0.06V/dec以上である。
オンオフ比は、10以上が好ましく、10以上がより好ましく、10以上が特に好ましい。
本発明の薄膜トランジスタパネルは、上記本発明の薄膜トランジスタの製造方法により製造された薄膜トランジスタを有することを特徴とする。
本発明の薄膜トランジスタパネルは、バックチャンネルエッチ型であっても、大面積で均一なトランジスタ特性を示す薄膜トランジスタを有している。
本発明の液晶ディスクパネルは、上記本発明の薄膜トランジスタの製造方法により製造された薄膜トランジスタを有することを特徴とする。
大面積に移動度の高いTFTを工程数の少ないバックチャンネルエッチ型で作製することができる。
実施例1
(1)酸化物焼結体の作製
(a)原料
In、純度4N(アジア物性材料(株))
Ga、純度4N(高純度化学(株))
ZnO、純度4N(高純度化学(株))
SnO、純度4N(高純度化学(株))
(b)混合:上記原料をボールミルで24時間混合後、自然乾燥した。
(c)成形:
CIP(静水圧加圧装置)を用い、面圧1800kgf/cmにて1分保持した。
(d)焼結:上記成形体を、電気炉を用い下記条件で焼結した。
昇温速度 2.5℃/分
焼結温度 1400℃
焼結時間 20時間
焼結雰囲気 大気下
降温時間(冷却速度) 自然冷却
(e)後処理:還元条件下での熱処理は行わなかった。
(f)加工:上記で得られた厚さ6mmの焼結体を、厚さ5mm、直径2インチに研削・研磨した。
(2)酸化物焼結体の評価
評価は下記の方法で行った。結果を表1−1に示す。
(a)相対密度
原料粉の密度から計算した理論密度とアルキメデス法で測定した焼結体の密度から下記式によって算出した。
相対密度(%)=(アルキメデス法で測定した密度)÷(理論密度)×100
(b)抵抗率
抵抗率計(三菱化学(株)製、ロレスタ)を使用し四探針法(JIS R 1637)に基づき抵抗率を測定し、10箇所の平均値を抵抗率値とした。
(c)元素組成比(原子比)
誘導プラズマ発光分析装置(ICP−AES)により測定した。
(d)焼結体中の化合物の結晶系
上記のようにして得られた焼結体からターゲット用焼結体を切り出した。ターゲット用焼結体の側辺をダイヤモンドカッターで切断して、表面を平面研削盤で研削して表面粗さRaが5μm以下のターゲット素材とした。次に、表面をエアーブローし、さらに周波数25〜300kHzの間で25kHz刻みに12種類の周波数を多重発振させて3分間超音波洗浄を行なった。直径4インチ、厚み5mmの円形の焼結体(ターゲット素材)を得た。
この焼結体(ターゲット素材)の表面を下記のX線回折測定(XRD)で測定し、焼結体中の化合物の結晶系を確認した。
化合物の結晶系は、X線回折測定とJCPDSカードにより求めた。結晶系とJCPDSカードの対応は、以下の通りである。
In:JCPDSカードNo.06−0416
ZnGa:JCPDSカードNo.38−1240
InGaZnO:JCPDSカードNo.38−1104
InGaZnO:JCPDSカードNo.38−1097
尚、表1−1の化合物結晶系において、「その他」とは、帰属が特定できないピークが存在することを意味する。
また、表1−1中、「1」は含有量が一番多い成分、「2」は二番目に多い成分、「3」は三番目に多い成分を意味する。含有量は最大ピークのピーク高さで判断する。
X線回折測定(XRD)
・装置:(株)リガク製Ultima−III
・X線:Cu−Kα線(波長1.5406Å、グラファイトモノクロメータにて単色化)
・2θ−θ反射法、連続スキャン(1.0°/分)
・サンプリング間隔:0.02°
・スリット DS、SS:2/3°、RS:0.6mm
(e)Sn(錫)原子の凝集体の平均径(μm)
電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いたSnの分散MAPにより、平均径が5μm以下であることを確認した。EPMAの測定条件は下記の通りである。
装置名:日本電子株式会社
JXA−8200
測定条件
加速電圧:15kV
照射電流:50nA
照射時間(1点当りの):50mS
(3)ターゲットの作製
上記のようにして得られたターゲット素材をインジウム半田にて無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングしてターゲットとした。ターゲットの表面粗さRaは0.5μm以下であり、方向性のない研削面を備えていた。
(4)薄膜トランジスタの作製
図1に示すバックチャンネルエッチ型薄膜トランジスタ(逆スタガ型薄膜トランジスタ)1を作製した。
基板10として、300×400mmのガラス基板(Corning 1737)を用いた。まず、基板10上にスパッタリング法によりMo(モリブデン)を成膜し、フォトリソグラフィー法を用いて、ゲート電極12を形成した。
ゲート電極12及び基板10上に、厚さ450nmのSiN膜をPECVD法により成膜し、ゲート絶縁層14を形成した。
続いて、RFスパッタ法により、上記で作製したターゲットを使用してスパッタリング成膜後、フォトリソグラフィー法(蓚酸系のウェットエッチング液(ITO−06N(関東化学(株)を用いた)により厚さ70nmの半導体膜(チャネル層)16を形成した。大気中250℃で熱処理を行った後、半導体膜(チャネル層)16とゲート絶縁膜14上にスパッタリング法によりMo(モリブデン)を成膜し、約40℃のリン酸系エッチング液(リン酸73質量%、硝酸3質量%、酢酸7質量%、水17%)を用いたウェットエッチングにより、ソース電極18a及びドレイン電極18bを形成した。PECVDによりSiO保護膜20を成膜後、コンタクトホール22を形成し外部電極24a,24bとのコンタクトをとった。
その後、大気中250℃で熱処理し、チャネル長が20μmで、チャネル幅が20μmのトランジスタ1を得た。
(5)薄膜トランジスタの評価
薄膜トランジスタの評価は、以下のように実施した。結果を表1−1に示す。
(a)移動度(電界効果移動度(μ))、S値及びオンオフ比
半導体パラメーターアナライザー(ケースレー社製、ケースレー4200)を用い、室温、遮光環境下で測定した。
(b)TFT特性の均一性(ばらつき)
ガラス基板上の5箇所(図2に図示)のVon値の最大値と最小値の差をTFT特性の均一性(ばらつき)として評価した。
(c)TFT特性の再現性
連続5バッチ分における第1バッチと第5バッチの平均電界効果移動度の比(第1バッチ/第5バッチ)を測定した。平均電界効果移動度の比を以下の基準で分類し、評価した。
A:1.00以内
B:1.00を超え1.20以内
C:1.20を超え1.50以内
D:1.50超
(6)薄膜の加工性
上記ターゲットを用いたスパッタリングによって得られた酸化物薄膜の加工性を次のように評価した。
修酸系エッチング液ITO−06N(関東化学(株))を用い、35℃でのエッチング速度を測定した。50nm/分以上のものを「可」、20nm/分以上50nm/分未満のものを「困難」、20nm/分未満のものを「不可」とした。結果を表1−1に示す。
尚、X線回折による解析で、得られた膜は非晶質であった。
実施例2〜16、及び比較例1〜8
表1−1及び1−2に示す条件で作製した酸化物焼結体からなるターゲットを用いた以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1−1及び1−2に示す。
実施例17〜26
表2に示す条件で作製した酸化物焼結体からなるターゲットを用いた以外は実施例1と同様にして薄膜トランジスタを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
尚、ターゲットの焼結は、1000℃で一旦保持時間を設ける2段階焼結で行った。
表2中、Moとの選択比は、スパッタリングで200nm成膜した膜を混酸(リン酸73質量%、硝酸3質量%、酢酸7質量%、水17%)でエッチングし、エッチング前後の膜厚の変化を測定し、下記式で求めた。
Moとの選択比=Moのエッチング速度÷酸化物膜のエッチング速度
尚、熱処理温度は280℃、熱処理時間は1時間とした。
Figure 2011108873
Figure 2011108873
Figure 2011108873
表1−1及び1−2の結果から、錫を適正量含んだターゲットを用いて作製した半導体膜を有するバックチャンネルエッチ型薄膜トランジスタは、TFT特性のばらつきが小さくなっていることがわかる。これは、適正量の錫の添加により酸系エッチング液による浸食による半導体膜の劣化が抑えられたため、又は膜厚のばらつきが押さえられたためと推定される。
表2の結果から、本発明の酸化物薄膜は、Moとの選択比が高く、酸化物薄膜上でのMoの加工が容易に精度よく行えることがわかる。また、従来のIn:Ga:Zn比が40:40:20や1:1:1のもの(比較例1や比較例5)に比べ移動度が高くS値が小さいことがわかる。
本発明の酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲットによれば、バックチャンネルエッチ型であっても、大面積で均一なトランジスタ特性を示す薄膜トランジスタの作製が可能となる。大面積に移動度の高いTFTを工程数の少ないバックチャンネルエッチ型で作製することができるため、産業経済上有用である。
本発明によれば、大面積で均一なトランジスタ特性を示す薄膜トランジスタパネルを提供できる。
1 バックチャンネルエッチ型薄膜トランジスタ
10 基板
12 ゲート電極
14 ゲート絶縁膜
16 半導体膜(チャンネル層)
18a ソース電極
18b ドレイン電極
20 保護膜
22 コンタクトホール
24a,24b 外部電極

Claims (17)

  1. In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)及びSn(錫)を含有し、
    Sn(錫)の原子比が下記式を満たす酸化物焼結体。
    0.01<Sn/(In+Ga+Zn+Sn)<0.10
  2. 前記In(インジウム)、Zn(亜鉛)及びGa(ガリウム)の原子比が下記式を満たす、請求項1に記載の酸化物焼結体。
    0.10≦In/(In+Ga+Zn)≦0.85
    0.05≦Ga/(In+Ga+Zn)≦0.50
    0.10≦Zn/(In+Ga+Zn)≦0.85
  3. 前記In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)及びSn(錫)の原子比が下記式を満たす、請求項1に記載の酸化物焼結体。
    0.40≦In/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.60
    0.20≦Ga/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.40
    0.10≦Zn/(In+Ga+Zn+Sn)
    Sn/(In+Ga+Zn+Sn)<0.10
    0.05≦Sn/Zn
  4. 前記In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)及びSn(錫)の原子比が下記式を満たす、請求項1に記載の酸化物焼結体。
    0.40≦In/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.50
    0.30≦Ga/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.40
    0.15≦Zn/(In+Ga+Zn+Sn)
    Sn/(In+Ga+Zn+Sn)≦0.08
    0.10≦Sn/Zn
  5. InGaZnOで表されるホモロガス構造化合物又はInGaZnOで表されるホモロガス構造化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化物焼結体。
  6. Inで表されるビックスバイト構造化合物を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸化物焼結体。
  7. ZnGaで表されるスピネル構造化合物とInで表されるビックスバイト構造化合物とを含む、請求項3又は4に記載の酸化物焼結体。
  8. 電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)にて観測したSn(錫)原子の凝集体の平均径が5μm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の酸化物焼結体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲット。
  10. 1100〜1600℃で焼結する工程を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の酸化物焼結体の製造方法。
  11. 1350〜1540℃で2〜48時間焼結する工程を含む、請求項5に記載の酸化物焼結体の製造方法。
  12. 1160〜1350℃で4〜96時間焼結する工程を含む、請求項7に記載の酸化物焼結体の製造方法。
  13. Sn(錫)を固溶した酸化インジウム粉体を原料の一部とした成形体を成形する工程を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の酸化物焼結体の製造方法。
  14. In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)及びSn(錫)の原子比が下記式を満たす酸化物薄膜。
    0.10≦In/(In+Ga+Zn)≦0.85
    0.05≦Ga/(In+Ga+Zn)≦0.50
    0.10≦Zn/(In+Ga+Zn)≦0.85
    0.01<Sn/(In+Ga+Zn+Sn)<0.10
  15. 請求項9に記載のスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングにより酸化物薄膜を成膜する工程、
    前記酸化物薄膜を酸系エッチング液でウェットエッチングする工程、
    前記ウェットエッチングされた酸化物薄膜上に金属薄膜を成膜する工程、
    前記金属薄膜をウェットエッチングによりパターニングする工程、
    とを含む薄膜トランジスタの製造方法。
  16. 請求項15に記載の方法により製造された薄膜トランジスタを有する薄膜トランジスタパネル。
  17. 請求項15に記載の方法により製造された薄膜トランジスタを有する液晶ディスプレイ用パネル。
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