JP2011093040A - 面削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】切屑及び被削材への余分な切削液の付着を抑制でき、必要最低限の切削液を必要な箇所に対して局所的に供給可能な面削装置を提供する。
【解決手段】被削材2を面削するための複数の切削刃1が表面に設けられた切削工具10と、切削工具10を被削材2の表面上で回転駆動させる駆動手段と、切削工具10の切削刃1が被削材2と接触する前に、切削刃1の刃先11、切削刃1のすくい面13における被削材2との接触領域R2および切削刃1の逃げ面12における被削材1との接触領域R1に切削液を局所的に付着させる供給機構3a、3bとを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、被削材の表面を切削する面削装置に関する。
面削装置を用いた被削材の面削においては、一般に切削液が用いられる。切削液は、切削工具の刃先の冷却、潤滑作用、切屑排出、洗浄等を目的として供給される。従来、面削を行う場合には、被削材及び切削工具に対して切削液を大量に浴びせるようにして供給していたが、大量の切削液を使用すると切削液の費用がかさむだけでなく、例えば以下の問題も生じる。
切削により発生した切屑を溶解原料として再利用する場合に、濡れた切屑を溶解することにより、水蒸気爆発を起こす場合がある。生乾きの状態では炉材を痛めることになる。そのため切屑を乾燥して使用する必要があるが、大気乾燥する場合は、乾燥のための場所と時間を要する。また、乾燥により水分は取り除けても、切削液中に通常含まれる硫黄成分が切屑に付着したまま残存するため、切屑を再利用した場合に、製造される製品の特性を害する場合もある。更に、被削材に大量の切削液が付着することにより、被削材から切削液を除去するための処理工程と時間を要する。
切削工具として一般的に使用されている超硬工具等では、切削熱による加熱と切削液供給による冷却の繰り返しによる熱サイクル疲労により、刃先のチッピングを起こす問題も懸念されている。一方、近年の切削工具の耐熱性向上により、被削材の種類や切削条件によっては必ずしも切削工具の冷却を必要としない場合もある。また、切削形状や切削条件によっては、切削液の機能として切屑排出や洗浄作用が要求されない場合もある。すなわち、近年切削液は高い潤滑機能のみが要求され、切削液の大量供給による切削工具の冷却等を必要としない場合もある。
切削液供給を少なくする方法として、例えば、窒素、アルゴン、酸素等を供給しながら加工を行うドライ加工、あるいは、切削液の液滴を空気で送るMQL(Minimal Quantity Lubrication)が一部で実用化されている。また、特許文献1では、切削液充填容器で切削加工面を覆い、切削充填容器と切削加工面との間の微小空間に切削液を満たしながら切削を行う方法が開示されている。
特開2008−859号公報
しかしながら、ドライ加工は、適用分野が非常に狭い範囲に限られている。MQL加工は、余分なミストが作業環境等に飛散し、作業者の健康上の問題を引き起こすことが懸念されている。このため、生分解性が高いと言われる植物油由来合成エステルが切削液として使用されているが、植物油由来合成エステルは一般の切削液に対して価格が数倍もするため、製造コストの高騰に繋がっている。さらに、MQL加工は、切削液のミスト噴霧量に対して、実際に加工点に付着する切削液の比率が小さいため、必要な厚さの液膜が常に形成される確証もない。また、特許文献1は、被削材と加工点付近を切削液で満たしながら切削を行っているため、余分な切削液が切屑及び被削材に付着しやすくなる。
上記問題点を鑑み、本発明は、切屑及び被削材への余分な切削液の付着を抑制でき、必要最低限の切削液の液膜を必要な箇所に対して局所的に形成可能な面削装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明者は、従来のように、被削材と加工点の双方に切削液を供給しながら切削するのではなく、あらかじめ、切削刃の加工に関与する部分に対して局所的に切削液の液膜を形成するような態様で面削を行う必要があると考えた。このような観点から、切削液の供給機構を見直した結果、切削刃が非切削となる際に、切削刃の刃先を囲む加工関与領域(切刃、すくい面及び逃げ面の一部)に対して局所的に切削液の液滴を付着させる供給機構を用いることが有効であることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明は、一側面において、被削材を面削するための複数の切削刃が表面に設けられた切削工具と、切削工具を被削材上で駆動させる駆動手段と、切削工具の切削刃が被削材と接触する前に、切削刃の刃先、切削刃のすくい面における被削材との接触領域、および切削刃の逃げ面における被削材との接触領域に切削液を局所的に付着させる供給機構とを備える面削装置である。
本発明に係る面削装置は、一実施態様において、供給機構が、切削刃の刃先、すくい面の接触領域及び逃げ面の接触領域の少なくともいずれかに切削液の液滴を吐出させる機構を有する。
本発明に係る面削装置は、一実施態様において、供給機構が、切削液の液滴を帯電させ、帯電した液滴を吐出させる機構を有する。
本発明に係る面削装置は、一実施態様において、供給機構が、ピエゾ素子アクチュエーター方式の供給機構を有する。
本発明に係る面削装置は、一実施態様において、供給機構が、電磁バルブ方式の供給機構を有する。
本発明に係る面削装置は、一実施態様において、供給機構が、切削刃の刃先、すくい面の接触領域及び逃げ面の接触領域の少なくともいずれかに液滴径10μm〜2mmの切削液の液滴を着滴させる機構を有する。
本発明に係る面削装置は、一実施態様において、供給機構が、切削工具の内部に配置されている機構を有する。
本発明に係る面削装置は、一実施態様において、切削工具が被削材の幅方向に平行な中心軸を有する円柱状のスラブカッターであり、駆動手段が切削工具を被削材上で回転駆動させる。
本発明によれば、加工点に到達した切削刃の刃先には常に必要な厚さの液膜が形成されるため、切削時には十分な潤滑効果が発揮される。また、切屑または被削材に直接付着する余分な切削液も少なくて済むため、切削液除去の為の前処理が不要となる。環境に排出される切削液の量も少なくなるため、リサイクルコストの削減も期待される。切削刃の急激な冷却も抑制されるため、熱サイクル疲労による切削刃のチッピングを防ぎ、切削工具の寿命を延長できる。
本発明の実施の形態に係る面削装置の一例を示す概略図である。 図1に示すスラブカッターの周辺構造の詳細を例示する側面図である。 図3(a)〜図3(c)は、液滴の配列方法の例を示す模式図である。 図4(a)及び図4(b)は、液膜の形成範囲を例示する模式図である。 切削加工における切削液の供給が必要な領域を模式的に表す側面図である。
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための方法を例示するものであり、この発明の技術的思想を下記のものに制限するものではない。
金属板等の被削材2を熱間圧延等により製造する場合、長尺状の被削材2の両面には酸化膜や汚れが生じる。酸化膜や汚れを削り落とすために、例えば、図1に示すような両面面削装置を用いて被削材2の両面及び側面の表層部が切削される。
図1に示す例では、長尺状の被削材2を図1の矢印方向に走行させ、ミーリングカッター30により被削材2の両側面を切削する。その後、被削材2の下面側に設けられたスラブカッター10、上面側に設けられたスラブカッター10によりそれぞれ被削材2の表面(上面)と裏面(下面)を切削する。スラブカッター10は、それぞれバックアップロール16と対向配置されている。スラブカッター10の前後には、被削材2を連続的に搬送するためのフィードロール31が設置される。面削時に発生する切屑は吸引により集積され、溶解用の原料として再利用される。
図2は、被削材2の表面(上面)側を削るためのスラブカッター10の周辺構造の一例である。上流側から下流側(図2の紙面左側から右側)へ走行する被削材2は、上下対になって配置される入側ガイドローラ7を通過した後、互いに対向するスラブカッター10とバックアップロール16の間を通過する際に、上面の面削を受ける。面削を受けた被削材2は、上下対になって配置される出側ガイドローラ8を通過し、次工程へ送られる。
被削材2の材質に特に制限はないが、例えば、銅、銅合金、高ニッケル合金、アルミニウム合金などが挙げられる。典型的な例では、被削材2は熱間圧延後の銅又は銅合金の厚板である。面削される被削材2の厚みや幅にも特に制限はないが、銅合金の熱間圧延板の場合、厚みは5〜20mm程度、幅は500〜1000mmであるのが一般的である。
面削時に発生する切屑5は、吸塵フード6の上方に連結される吸塵ダクト(図示せず)へ送られる。
入側ガイドローラ7はパスラインを調整する。入側ガイドローラ7は金属板の幅方向に伸びたシャフト(図示せず)を介して入側ガイド17に回転自在に支持され、被削材2の走行に伴って回転する筒状(円柱状)の部材である。1本のシャフトに支持される入側ガイドローラ7は、短軸の円柱状にして一定間隔でシャフトの軸に沿って複数本配置するようにすることができ、被削材2の幅全体に伸びる長軸の円柱状にして1本配置することもできる。入側ガイドローラ7の材質は限定的ではないが、メンテナンスとコストの観点から一般にはオーステナイト系のステンレスであり、入側ガイド17の材質は限定的ではないが剛性の観点から一般にはダイス鋼である。
スラブカッター10は、複数の切削刃1を表面に有し、長尺状の被削材2の幅方向に実質的に平行な中心軸をもつ筒形状(円柱状)である。スラブカッター10は、カッタースタンド(図示せず)によって支持され、モーター等の駆動手段(図示せず)によって所定の回転数で回転させることで、被削材2を連続的に面削する。スラブカッター10の回転方向に特に制限はない。切削刃1を被削材2の走行方向に逆らって回転させるとアッパーカットになり、切削刃1を被削材2の走行方向に回転させるとダウンカットになる。ただし、ダウンカットの場合は、被削材2が必要以上に速く走行しないように、スラブカッター10の前後に配置されるフィードロール(図示せず)に適度なブレーキ機構が付加される。ダウンカットの場合は、切削時に発生した切屑5が出側ガイド18と被削材2との間に詰まりやすくなるので、一般には、アッパーカットの方が好まれる。図2は、アッパーカットによって面削する場合を示している。
スラブカッター10の表面に取り付けられる複数の切削刃1は切削効率と表面品質の観点から、一般には、スラブカッター10の表面全体に螺旋状に固定されている。切削刃1の配列の具体例は、例えば特開平7−276126号公報に記載されており、その全内容を本明細書に援用できる。切削刃1は当業者に知られた公知の任意の材料を使用すればよいが、切削性能及び耐久性の観点からタングステンカーバイドを主成分とする超硬刃を使用するのが一般的である。
スラブカッター10の周囲は、吸塵フード6により包囲され、発生した切屑5を吸引する仕組みになっている。吸塵フード6中に導かれた切屑は、吸塵フード6の上方に連結した吸塵ダクト(図示せず)に供給される。その後、切屑5は、遠心分離機や乾燥機等を経由して水分、油分等を取り除いた後、プレス成形機により空間密度を高くされ、最終的には、溶解原料用工程返り材となる。吸塵フード6の材質は限定的ではないが、メンテナンスの観点から一般にはオーステナイト系のステンレスである
スラブカッター10の下流には、切削後のパスラインを安定させるための出側ガイド18が隣接している。出側ガイド18は、出側ガイドローラ8を支持している。面削を終えて走行する被削材2は出側ガイドローラ8に挟まれながら、その間を通過する。出側ガイドローラ8の材質、形状及び配列は、入側ガイドローラ7と同様である。
スラブカッター10及びスラブカッター10と隣接する出側ガイド18(上面側)の内部には、切削刃1に対して切削液を供給するための供給機構3a、3bを設けることができる。供給機構3a、3bは、いずれか一方の備えでもよい。なお、供給機構3aは必ずしも出側ガイド18の内部に設けられている必要はなく、図2に示す構成に限定されない。すなわち、供給機構3aは、スラブカッター10の外側から切削刃1に対して所定の角度で切削液の液滴を着滴できる位置が確保できれば、いずれの場所でもかまわない。
供給機構3bとしては、例えば、各切削刃1の間にある溝に供給口(図示省略)を設け、供給口から直接切削液を供給してもよい。切削刃1と切削刃1との間の溝に供給口を設けることにより、切削液の供給が、加工具10の回転による周囲の空気抵抗等の影響を受けにくくなるため、切削刃1の所定の範囲に対して高精度で切削液を供給できる。供給機構3bとしてスラブカッター10の内部に切削液を供給するための通路(図示省略)を設けてもよい。
供給機構3a、3bとしては、切削液の液滴を連続的に吐出する吐出装置が利用可能である。このような吐出装置としては、電磁バルブ方式、ピエゾ素子アクチュエーター方式、遠心力方式等のノズルを有する装置が利用可能である。または、吐出された液滴を帯電させる機構と切削液の液滴の投射方向を定めるための偏向電極とを含む吐出装置等も利用可能である。このような装置としては、例えば、インクジェットヘッド等に用いられるピエゾ素子アクチュエーター等が利用可能である。液滴を帯電させ、偏向電極等によって液滴の投射方向を定めることにより、所定の大きさの液滴を所定の位置に局所的に着滴できる。
供給機構3a、3bは、加工具10の回転速度、切削刃1の形状等に応じて、吐出される液滴の吐出液滴径、吐出速度、吐出範囲をそれぞれ制御することにより、切削刃1の刃先を含む加工関与領域に着滴させる液滴の径(着滴径)を制御できる。例えば、スラブカッター10の回転が低速である場合には、例えば電磁バルブ方式のノズルを有する供給機構3a、3bが好適である。電磁バルブ方式のノズルを用いた場合、吐出液滴の最大吐出周波数を1kHz程度とすることができる。
スラブカッター10の回転が高速である場合は、インクジェットヘッド等に用いられるピエゾ素子アクチュエーター方式のノズルを有する供給機構3a、3bが好適である。ピエゾ素子アクチュエーター方式のノズルは、吐出液滴の最大速度が約10m/s程度と高速であり、吐出液滴径が数十μm〜数百μm程度とすることができる。ピエゾ素子アクチュエーター方式のノズルを用いた場合、吐出液滴の最大吐出周波数は1〜50kHz程度とすることができる。
電磁バルブ方式のノズル又はピエゾ素子アクチュエーター方式のノズルを用いた供給機構3a、3bは、液滴を、切削刃1の特定領域のみに対して所定の間隔で配列させることができる。このため、ミスト状の液滴を大気中に噴出させる従来方式とは異なり、吐出面に対して液滴が分散することがない。また、切削刃1の刃幅あるいは切削刃1の加工関与領域の面積に応じて角度や液滴径、液滴数を調整することにより、動作中の加工具10に対しても、加工に必要な最小限の切削液の液滴を必要な箇所にのみに配列できる。
例えば、図3(a)に示すように、切削刃の刃先11上に付着する液滴41は、刃先11の刃幅Wに沿って単層にピンポイントに配列できる。刃幅Wに沿って配列された液滴41は、表面張力等によって互いに連結され膜状(液膜)になる。また、図3(b)に示すように、液滴41の層を重ねて膜長L4の長さを調整してもよい。また、図3(c)に示すように、液滴41の一部を刃先11からはみ出させるように、液滴41の付着位置を調整することもできる。液膜4の膜長L3〜L5(刃先11から液滴41の最外層までの距離)は、切削刃1の回転速度や切削刃1の形状、刃幅Wなどの種々の特性等を総合的に勘案して設定される。刃先11付近に実際に着滴する液滴41の液滴径(着滴径)としては、例えば、10μm〜2mm程度、あるいは0.5〜1mm程度である。
供給機構3a、3bにより、液滴41の付着位置を制御することが可能である。例えば、図4(a)に示すように、刃先11付近(図5に示す切削刃1の逃げ面12又はすくい面13)に対して液滴41を膜長L6でピンポイントに配列させると、液滴の表面張力、加工具10の移動(回転)による慣性力、コアンダー効果等の相互作用によって、図3(b)に示すように、切削刃1に付着した複数の液滴41が連結されると同時に刃先11を囲うように液膜4が形成される。特に、供給機構3a、3bとしてピエゾ素子アクチュエーター方式のノズルを用いた場合、吐出される液滴が微小であるから、各種条件を適切に制御することにより、刃先11からはみ出した液滴41の一部をコアンダー効果により着滴面の裏側に回って付着させることができるため、液滴41の大気への放出を抑制できる。また、微小液滴では表面張力の支配力が大きいため、スラブカッター10に衝突する液滴41は周囲に飛散しにくい。
供給機構3a、3bの装置選択は、上述した電磁バルブやピエゾ素子アクチュエーターの他にも様々な別の吐出装置を利用してもよい。すなわち、切削刃1に必要な潤滑範囲と必要十分な液膜の膜厚を確保するために、被削材2の種類、加工条件等を総合的に考慮し、種々の吐出装置の中から最適な供給機構3a、3bを選択すればよい。供給機構3a、3bが切削液の液滴を供給するタイミングは非削時であり、特に、切削刃1が被削材2と接触する直前に行うことが好ましい。
図5は、本発明の実施の形態に係る面削装置の切削刃1に形成する液膜の形成範囲(加工関与領域)の例である。切削加工の場合は、切削刃1の刃先11を、被削材2の加工点21と接触させ、切削方向(図中矢印方向)に動かすことにより行われる。そのため、切削の際、被削材2の切屑5との接触面である切削刃1のすくい面13、被削材2の仕上げ面22との接触面である刃の逃げ面12、加工点21と接する刃先11には、それぞれ摩擦力が生じる。よって、刃先11、逃げ面12、すくい面13には、必要十分な量の液膜4を形成しておくことが好ましい。しかしながら、切削時には刃先11が被削材2の加工点21と直接接しているため、加工点21と接する刃先11を切削液で濡らすために、従来では、刃先11と被削材2の両方に切削液を付着させていた。
これに対し、実施の形態に係る面削装置においては、刃先11が加工点21に到達する前に、刃先11を含む加工関与領域に対して切削液の液滴41を配列させ、液膜4を形成させる。これにより、加工点21に到達した刃先11には常に必要な厚さを有する液膜4が形成されるため、切削加工に十分な潤滑効果が発揮される。その結果、切削刃1の摩耗も少なくなる。
切削加工の場合、切削刃1の加工関与領域は、切削刃1の刃先11、切削刃1のすくい面13における切屑5との接触領域R2及び切削刃1の逃げ面12における仕上げ面22との接触領域R1となる。なお、液膜4の膜長L1、L2、膜厚T、膜幅(図示せず)は、切削刃1の回転速度や切削刃1の形状、刃幅W、被削材2の材質、加工条件、形成条件などの種々の特性に応じて被削材2との接触範囲から決定され、供給機構3a、3b(図2参照)により制御される。例えば、膜長L1は、仕上げ面22との接触箇所により、0.1〜0.5mm程度とすることができる。膜長L2は、切屑5の大きさに応じて例えば1〜5mm程度とすることができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの考案を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者にはさまざまな代替実施の形態及び運用技術が明らかとなろう。
上述の実施の形態においては、図2に示すように、被削材2の上面を切削するスラブカッター10を用いた面削装置を例に説明している。しかしながら、被削材2の側面及び下面を切削するカッターに対しても、実質的に同様の機構が採用できることは勿論である。また、切削刃1からみて被削材2を断続的に切削する態様であれば、図2に示す面削装置の他にも様々な切削装置に応用可能であることは勿論である。また、スラブカッター10の他にも、フライス加工や旋盤加工に用いられる様々な工具が、本発明の実施の形態に係る「切削工具」として含まれ得ることは勿論である。具体的には、本発明の実施の形態に係る切削工具としては、フライス加工やエンドミル加工等があげられる。
下記の実施例においては切削液の一例として切削油を使用しているが、切削条件、切削形状等に応じて、水性、油性、エマルションタイプのいずれの切削液を利用しても構わないし、揮発性でも不揮発性でも構わない。また、上述の実施の形態においては、入側ガイド17及び吸塵フード6及び出側ガイド18及び吸塵フード6とがそれぞれ閉鎖的に連結される例を示しているが、吸塵フード6は切屑5を有効に加工点付近から除去できる構成であればよく、他にも様々な構成を採用することができる。このように、本発明はここでは明示的に記載していない様々な態様を含むことは勿論であり、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲で変形して具体化できる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明は実施例に限定されるものではない。
被削材として黄銅2種の板を使用し、被削材の削り代を厚さ0.5mm、幅10mmとし、フライスカッターによる被削材の側面切削を行った。フライスカッターのカッター径は100φ、刃数は6枚であり、回転数を955min-1(≒15.92sec-1)、切削速度を300m/min(=5m/sec)とした。切削油の動粘度は19mm2/secである。
フライスカッターの刃のすくい面には、膜厚T0.1μm、膜長L0.8mm、膜幅W10mmの油膜(液膜)を形成させるため、切削油の油滴を吐出させるピエゾ素子アクチュエーターを加工点直近のカッター外側に設置した。動粘度19mm2/secの切削油を用い、ピエゾ素子アクチュエーターのノズル位置を調整し、80pL(ピコリットル)の油滴をピエゾ素子アクチュエーターから吐出させ、油滴の中心が刃先部分から0.4mm離れた位置に来るように設定した。このようなノズルを幅方向0.6mm間隔で17個並べ、吐出周波数を約96Hz、吐出速度約5m/secで切削油を塗布したところ、被削材に切削油が付着することなく、すくい面の刃先にほぼ所望の油膜を形成することが出来た。
同様にして、フライスカッターの刃の逃げ面には、膜厚T0.1mm、膜長L0.3mm、膜幅W10mmの油膜(液膜)を形成させるため、すくい面用とは別に油滴を吐出させるピエゾ素子アクチュエーターを加工点直近のカッター外側に設置した。動粘度19mm2/secの切削油を用い、ピエゾ素子アクチュエーターのノズル位置を調整し、11pL(ピコリットル)の油滴をピエゾ素子アクチュエーターから吐出させ、油滴の中心が刃先部分から0.3mm離れた位置に来るように設定した。このようなノズルを幅方向0.25mm間隔で40個並べ、吐出周波数約96Hz、吐出速度約5m/secで切削油を塗布したところ、被削材に切削油が付着することなく、加工具逃げ面の刃先にほぼ所望の油膜を形成することが出来た。
1 切削刃
2 被削材
3a、3b 供給機構
4 液膜
5 切屑
6 吸塵フード
7 入側ガイドローラ
8 出側ガイドローラ
10 スラブカッター
11 刃先
12 逃げ面
13 すくい面
17 入側ガイド
18 出側ガイド
21 加工点
22 仕上げ面
30 ミーリングカッター
31 フィードロール
41 液滴

Claims (8)

  1. 被削材を面削するための複数の切削刃が表面に設けられた切削工具と、
    前記切削工具を前記被削材上で駆動させる駆動手段と、
    前記切削工具の切削刃が前記被削材と接触する前に、前記切削刃の刃先、前記切削刃のすくい面における前記被削材との接触領域、および前記切削刃の逃げ面における前記被削材との接触領域に切削液を局所的に付着させる供給機構と
    を備えることを特徴とする面削装置。
  2. 前記供給機構が、前記切削刃の刃先、前記すくい面の前記接触領域及び前記逃げ面の前記接触領域の少なくともいずれかに向けて前記切削液の液滴を吐出させる機構を有する請求項1に記載の面削装置。
  3. 前記供給機構が、前記切削液の液滴を帯電させ、帯電した前記液滴を吐出させる機構を有する請求項1又は2に記載の面削装置。
  4. 前記供給機構が、ピエゾ素子アクチュエーター方式の供給機構を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の面削装置。
  5. 前記供給機構が、電磁バルブ方式の供給機構を有する請求項1又は2に記載の面削装置。
  6. 前記供給機構が、前記切削刃の刃先、前記すくい面の前記接触領域及び前記逃げ面の前記接触領域の少なくともいずれかに液滴径10μm〜2mmの前記切削液の液滴を着滴させる機構を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の面削装置。
  7. 前記供給機構が、前記切削工具の内部に配置されている機構を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の面削装置。
  8. 前記切削工具が前記被削材の幅方向に平行な中心軸を有する円柱状のスラブカッターであり、前記駆動手段が前記切削工具を前記被削材上で回転駆動させる請求項1〜7のいずれか1項に記載の面削装置。
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