JP5527618B2 - ワイヤーソー切断装置 - Google Patents

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本発明は、シリコン、ガラス、サファイア等の硬脆性材料を切断するワイヤーソー切断装置に関し、例えば、固定砥粒ワイヤーに対して、ワークを上から下に向けて移動させることによりワークを切断するワイヤーソー切断装置に関する。
従来から、SiC、ガラス、サファイア等の硬脆性材料のインゴットからウェハーを切り出すワイヤーソー切断装置が用いられている。このワイヤーソー切断装置は、一般的に、固定砥粒ワイヤーソーと遊離砥粒ワイヤーソーの2種類のタイプに大別される。
前記固定砥粒ワイヤーソーは、主にステンレス線ワイヤーの外周面にダイヤモンド砥粒やSiC等の固定砥粒を固着させたワイヤーソーである。一方、前記遊離砥粒ワイヤーソーは、ワイヤーには砥粒は固定されておらず、砥粒が含まれる加工液をワイヤーに吹き付けながらワーク(被加工物)を切断するワイヤーソーである。
上記いずれのタイプも、ワイヤーをガイドローラ(キャプスタンローラー,ワークローラーとも呼ぶ)に一定間隔で巻き掛けることで平行な列状に配置し、多数のワイヤーを同時にインゴットに押し付け、切削油(クーラント液)や加工液を切削部へ供給しながらワイヤーを走行させることによって多数枚のウェハーに切断するように構成されている。また、上記の固定砥粒ワイヤーソー及び遊離砥粒ワイヤーソーのいずれも、ノズルから噴出するクーラント液(或いは加工液)を如何に確実に切削界面(ワークとワイヤーが当接し、ワークの切削が進行する面)に供給するかが重要な課題になっている。
そして、上記課題を解決するため、出来るだけ切断溝にクーラント液を供給できるようにワーク上面から切断する方法、より具体的にはワイヤーに対し、ワークを鉛直方向に下部から上部に移動させる、いわゆるアッパーカットが提案されている。
また、特許文献1には、複数のグルーブローラ(上記ガイドローラに相当する溝付きローラ)にワイヤーを巻き掛けてワイヤー列を形成し、走行するワイヤー列にワーク(インゴッド)を押し当てると共に、当該ワークの切断上流側でノズルから前記ワイヤー列にクーラント液を噴出してワークを多数枚のウェハーに切断する固定砥粒ワイヤーソーが提案されている。この固定砥粒ワイヤーソーは、前記ワイヤー列を垂直方向に対して傾斜させている。また、前記固定砥粒ワイヤーソーは、前記ノズルから噴出されたクーラント液の噴出方向に略直交するようにエアーを噴出するエアーノズルを配設し、当該エアーノズルにより前記ワイヤー列に対してカーテン状のエアー流を形成するようになされている。
また、特許文献2には、砥液を供給しながらワイヤーソーのワイヤー列によりインゴットを切断するワイヤーソーのインゴット切断方法において、インゴット切断直後、比較的低粘度のクーラント液を、圧縮空気の圧力により霧状にしてインゴットの切断溝へ噴出する方法が提案されている。
特開平11−151656号公報 特開平10−296719号公報
しかしながら、上述した従来技術は以下に示す技術的課題を有している。
具体的には、上述したワーク上面から切断するアッパーカットは、直径が6インチ以上のウェハーになると、図3に示すように、インゴット100の切断が進むと、その切断したウェハーが重力によって開いてしまい、当該切断したウェハーに対して十分な平坦度が得られないという欠点がある。なお、図3では、切断が進んだ段階のインゴット100をワイヤーの走行方向から見た図を示している。
また、特許文献1に記載の固定砥粒ワイヤーソーは、切削界面より上方(鉛直方向における上方)において、ワイヤー列にクーラント液を吹き付け、その切削界面より上方(鉛直方向における上方)に設置されたエアーノズルによりエアーを吹き付けている。
そして、特許文献1に記載の技術のように、前記切削界面より上方からエアーを吹き付けても、ワイヤー列に吹き付けられたクーラント液が切削界面に達する前に重力によって滴り落ちることを防ぐことができない。すなわち、特許文献1に記載の固定砥粒ワイヤーソーは、エアーノズルの構成(設置位置、エアー吹出方向等)上、クーラント液が切削界面に達する前に重力によって滴り落ちるため、クーラント液を十分に切削界面に供給することができない。その結果、特許文献1に記載されて固定砥粒ワイヤーソーは、十分な潤滑性、冷却能力を保持できなかった。
また、特許文献2に記載の方法は、ウェハー間に付着した砥粒やインゴットの切り粉を切削溝の外に吹き出すことはできるが、切削界面にクーラント液(或いは加工液)を留まらせるものではない。すなわち、特許文献2に記載された方法は、上記の技術的課題を解決するものではない。
なお、遊離砥粒ワイヤーソーに使用される加工液は、砥粒を懸濁させるために油性分を含んで粘性が高いのでワイヤーに付着しやすいばかりでなく、切削界面でも加工液が保持され易いという特性を備えている。一方、固定砥粒ワイヤーソーに使用されるクーラント液は、水性であり粘性が低いためワイヤーに付着しにくいうえ、切削部でもクーラント液が保持されにくいという特性を備えている。そのため、切削界面にクーラント液(或いは加工液)を留まらせることは、上記2種類のタイプのなかで、特に固定砥粒ワイヤーソーにとり困難な課題となっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、粘性の低いクーラント液を切削界面に供給できる、十分な潤滑性と冷却能力を備えているワイヤーソー切断装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、2個以上のガイドローラにワイヤーを巻き付けてワイヤー列を形成し、該ガイドローラを回転させ該ワイヤー列を双方向又は一方向に走行させながら該ワイヤー列にワークを押し当て当接させ、該ワークにクーラント液を吹き付けて該ワークを鉛直方向に上から下に移動させることにより、該ワークを多数枚のウェハーに切断するワイヤーソー切断装置において、前記ワークに向けてエアーを吹き付けるエアーノズルを有し、前記エアーノズルは、前記ワイヤー列と前記ワークとが当接する切削界面よりも前記鉛直方向の下側に配置され、前記切削界面に向けて上方或いは斜め上方にエアーを噴出するようになされていることを特徴としている。
このように、本発明では、ワイヤー列とワークとが当接する切削界面よりも下側にエアーノズルが配置され、そのエアーノズルが切削界面に向けて上方或いは斜め上方にエアーを噴出するようになされている。そのため、本発明によれば、重力によって滴り落ちるクーラント液を切削界面に押し戻すことができ、その結果、切削における潤滑性や冷却能力が損なわれることが防止される。
本発明によれば、粘性の低いクーラント液を切削界面に供給できる、十分な潤滑性と冷却能力を備えているワイヤーソー切断装置を提供することができる。
本発明の実施形態のワイヤーソー切断装置の構成を説明するための模式図であり、ワイヤーソー切断装置を側面から見た模式図を示している。 図1に示したワイヤーソー切断装置の主要部の動作を説明するための模式図である。 ワークを上向きに移動させて切断するアッパーカット方式のワイヤーソー切断装置における切断時のワークの側面図である。
以下、本発明の実施形態について図1及び図2に基づいて説明する。なお、図1は、本実施形態のワイヤーソー切断装置の構成を説明するための模式図である。また、図2は、図1に示したワイヤーソー切断装置の主要部の動作を説明するための模式図である。
なお、本実施形態のワイヤーソー切断装置Zは、粘性の低いクーラント液を切削部(切削界面)3に供給するために設けたエアー供給ユニット9に特徴があり、エアー供給ユニット9以外の構成は既存の技術により実願可能になっている。そのため、以下では、エアー供給ユニット9について詳細に説明し、それ以外の構成の説明は簡略化する。また、本実施形態では、ワイヤーソー切断装置Zが固定砥粒ワイヤーソーである場合を例にしている。
具体的には、図1に示すように、本実施形態のワイヤーソー切断装置Zは、中空箱状の加工室1を備えている。この加工室1の内部には、略円柱状の結晶インゴッド(ワーク)Wを切断する切断ユニット10と、結晶インゴッドWを保持し且つ上下方向(Y方向)に移動させるワーク送りユニット20と、結晶インゴッドWの切削部(切削界面)3を冷却するクーラント液8を噴射するクーラント液噴射ユニット4と、結晶インゴッドWに向けてエアー7(図2参照)を吹き付けるエアーノズル9aを有するエアー供給ユニット9とが配置されている。また、ワイヤーソー切断装置Zは、装置全体の動作を制御する制御ユニット(図示せず)を備えており、当該制御ユニットからの制御信号にしたがい、駆動するようになっている。
ここで、前記加工室1の大きさや形状は、適宜設計されるものであり特に限定されるものではない。また、前記制御ユニットは、例えば、CPU及びメモリを備える専用回路により構成されている。そして、前記CPUが前記メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、ワイヤーソー切断装置Zの動作が制御される。以下、本実施形態のワイヤーソー切断装置Zの各構成を順に説明する。
先ず、切断ユニット10について説明する。
切断ユニット10は、加工室1の内部において、左右にそれぞれ1個づつ配置された一対のガイドローラ12A、12Bと、前記1対のガイドローラ12A、12Bに巻き掛けられたワイヤーにより形成されたワイヤー列15(ワイヤーを紙面に垂直方向に並ぶ、紙面に平行な列状に配置して形成されたワイヤー列15)と、ガイドローラ12A、12Bを回転駆動させる駆動モータ等で構成される駆動機構(図示せず)とを備えている。また、切断ユニット10は、図示しない架台により支持されている。
また、一対のガイドローラ12A、12Bは、回転軸12A1、12B1により回転自在に支持されており、前記駆動機構により、回転軸12A1、12B1を中心に時計周り及び反時計周りのいずれにも回転できるようになっている。また、ガイドローラ12A、12Bは、所定間隔で平行に配置され、それぞれ複数のワイヤー溝が一定間隔で平行に形成されている。なお、前記駆動機構は、前記制御ユニットからの制御信号にしたがい駆動するようになっている。
また、前記ワイヤーは、その外周面にダイヤモンド砥粒等の固定砥粒が固着されたもの(例えば、芯線径φ180μmの金属製ワイヤーに、粒径30〜40μmのダイヤモンド砥粒が固着されたワイヤー)が用いられる。そして、前記ワイヤーは、ガイドローラ12A、12Bの表面に施された所定間隔で平行に配置され、複数の平行なワイヤー溝に沿ってガイドローラ12A(もしくは12B)に順次巻き取られるようになされている。すなわち、前記ワイヤーは、ガイドローラ12A、12Bの回転により、ガイドローラ12A(もしくは12B)に順次巻き取られ、これにより、ガイドローラ12A、12Bに巻き掛けられて形成されたワイヤー列15が走行(図示するX1方向、X2方向のいずれにも走行)するようになっている。なお、ワイヤー列15は、例えば、ガイドローラ12A、12Bの回転により、毎分400〜500mで走行する。
次に、ワーク送りユニット20について説明する。
ワーク送りユニット20は、図示しない支持ユニットにより保持されていると共に、前記制御ユニットからの制御信号に基づいて、上下方向(図1に示すY方向)に移動可能に構成された移動コラム21と、移動コラム21の自由端(下端)に取付けられたチルチングユニット22とを備えている。そして、チルチングユニット22のワーク保持部に結晶インゴッドWが保持されるようになっている。そして、ワーク送りユニット20は、走行しているワイヤー列15に、保持している結晶インゴッドWを下降させて押し当て、さらに、その結晶インゴッドWを鉛直方向(Y方向)に上から下に向けて移動させることにより、結晶インゴッドWを多数枚のウェハーに同時切断できるようになっている。
次に、クーラント液供給ユニット4について説明する。
クーラント液供給ユニット4は、ワイヤー列15の走行面の上側に配置したクーラント液ノズル4aと、水溶性クーラント液(以下、単に「クーラント液」という)8が貯留されたタンク(図示せず)と、当該タンクに貯留されたクーラント液をクーラント液ノズル4aに供給するポンプ(図示せず)とを備えている。また、クーラント液ノズル4aは、スロット状(細い長孔状)の吹出口が複数、ワイヤー列15の走行方向に直交する紙面に垂直な向きに配設されると共に、その横幅がワイヤー列15の幅より大きくなるように形成される。なお、図示する例では、2つのクーラント液ノズル4aが、結晶インゴッドWの外周部を挟んで、互いに対向して配置されている(左右対称に配置されている)。また、クーラント液ノズル4aは、切断ユニット10を支持する架台(図示せず)に、ブラケット等で固定されている。
そして、クーラント液ノズル4aは、前記制御ユニットからの制御信号にしたがい動作する前記ポンプからクーラント液を供給され、その供給されたクーラント液を噴射する。より具体的には、クーラント液ノズル4aは、「ワイヤー列15」および「ワイヤー列15に当接する結晶インゴッドWの外周面」に向けて斜め下向きにクーラント液8を噴出する。
次に、エアー供給ユニット9について説明する。
エアー供給ユニット9は、結晶インゴッドWに向けてエアー7(図2参照)を吹き付けるエアーノズル9aと、エアーノズル9aにエアーを供給するエアーポンプ(図示せず)とを備えている。また、エアーノズル9aは、ワイヤー列15と結晶インゴッドWとが当接する切削部(切削界面)3よりも下側(鉛直方向(Y方向)において下側)に配置されており、結晶インゴッドWの切削界面3に向かって上方或いは斜め上方にエアーを噴出するようになされている。なお、前記エアーポンプは、前記制御ユニットからの制御信号にしたがい動作して、エアーノズル9aにエアーを供給するようになっている。
具体的には、エアーノズル9aは、円筒状に形成されており、結晶インゴッドWの長手方向に沿って配置されている。また、エアーノズル9aは、ワイヤー列15の下部(切削部(切削界面)3)から所定寸法(例えば、30mm)離れた位置(又は、結晶インゴッドW6が下降した際に接触しない位置)に、左右にそれぞれ1個づつ設置されている(左右対称にエアーノズル9aが配置されている)。また、エアーノズル9aには、所定径寸法(例えば、直径2mm)の穴が所定ピッチ(例えば、5mmピッチ)で、複数設けられている(例えば、60個設けられている)。なお、エアーノズル9aは、切断ユニット10を支持する架台(図示せず)に、ブラケット等で固定されている。
上記構成により、エアーノズル9aは、結晶インゴッドWの切断部中心に向かって斜め上方にエアー7を噴出させることができるため、結晶インゴッドWの切断溝に粘性の低いクーラント液8が重力によって滴り落ちず、クーラント液8が切削界面3に残りやすくなる。
次に、本実施形態のワイヤーソー切断装置Zの動作を説明する。
具体的には、本実施形態のワイヤーソー切断装置Zにより、結晶インゴッドWを切断する場合、先ず、ワーク送りユニット20のチルチングユニット22(ワーク保持部)に結晶インゴッドWをセットする(チルチングユニット22に、結晶インゴッドWを取付けて保持させる)。なお、この場合、ワーク送りユニット20は、ホームポジションに配置されている(保持している結晶インゴットWの下端部が、ワイヤー列15よりも上方に配置されている)。
次に、作業者が前記制御ユニットを操作し、ワイヤーソー切断装置Zに駆動指示を入力すると、切断ユニット10のガイドローラ12A、12Bが回転を開始し、ガイドローラ12A、12Bに巻き掛けられたワイヤーにより形成されたワイヤー列15が走行する(例えば、X1方向に走行する)。
また、前記ワイヤー列15の走行動作に連動し、ワーク送りユニット20の下降動作(Y方向における下降動作)が開始される。これにより、ワーク送りユニット20が保持している結晶インゴッドWは、走行しているワイヤー列15に押し当てられて切断されていく。
また、図2に示すように、前記ワイヤー列15の走行動作に連動して、クーラント液ノズル4aから「ワイヤー列15」および「ワイヤー列15に当接する結晶インゴッドWの外周面」に向かって斜め下向きにクーラント液8が噴出されると共に、エアーノズル9aから結晶インゴッドWの切削界面3に向かって上方(或いは斜め上方)にエアー7が吹き付けられる。
そして、本実施形態によれば、切削部(切削界面)3よりも下側にエアーノズル9aが
配置されているため、切削部(切削界面)3よりも下側からエアー7が吹き付けられる(図2参照)。そのため、本実施形態によれば、エアー7により、重力によって滴り落ちるクーラント液8(図2において波線で示したクーラント液8)を切削界面3に押し戻すことができ、その結果、切削界面3の全体にわたってクーラント液が供給されるようになる。
また、本実施形態では、エアーノズル9aが、切削界面3よりも下側において、左右対称に配置されているため、ワイヤーの走行方向を前進・後退交互に運転した場合でも、より確実に、切削界面3にクーラント液を供給することができる。
以上、説明したとおり、本実施形態によれば、粘性の低いクーラント液8を切削界面3に供給できる、十分な潤滑性と冷却能力を備えているワイヤーソー切断装置Zを提供することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、エアーノズル9a及びクーラント液ノズル4aは、いずれも、所定位置に固定されているが、あくまでも、これは一例に過ぎない。ワーク送りユニット20の下降動作(Y方向における下降動作)に連動して、例えば、エアーノズル9a及びクーラント液ノズル4aがX方向に往復移動できるように構成されていてもよい。すなわち、エアーノズル9a(又はクーラント液ノズル4a)が、下降する結晶インゴッドWに衝突しない範囲で、結晶インゴッドWに接近して、エアー7(又はクーラント液8)を吹き付けるようにしてもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、2つのエアーノズル9aが設けられていたが特にこれに限定されるものではない。下降する結晶インゴッドWに衝突しない位置であれば、エアーノズル9aを設置することが可能であるため、3つ以上のエアーノズル9aを設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、切断ユニット10は、1対のガイドローラ12A、12Bと、1対のガイドローラ12A、12Bに巻き掛けられたワイヤーにより形成されたワイヤー列15とを有する構成を採用していたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、3個以上のガイドローラを備え、3個以上のガイドローラにワイヤーを巻き掛けてワイヤー列15が形成されるようになっていてもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、ワイヤーソー切断装置Zが、固定砥粒ワイヤーソーである場合について示したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、遊離砥粒ワイヤーソーであっても本発明を適用することができる。
〈実施例・比較例〉
続いて、本発明のワイヤーソー切断装置の性能について、図1に示すワイヤーソー切断装置Zを用いた切断試験(実施例及び比較例)に基づいて検証する。
実施例及び比較例では、切断対象の結晶インゴットWとして、「直径150mm(6インチ)、長さ150mm」の結晶サファイアインゴットを用いた。また、加工室1は、「縦950mm、横900mm、奥行630mm」の中空箱状に形成されているものを用いた。また、ワイヤー列15を形成するワイヤーには、「芯線径φ180μm、ダイヤモンド粒径30〜40μm」からなる固定砥粒ワイヤーを用いた。また、ワイヤー列15は、毎分500mで走行させた。また、ワーク送りユニット20は、「分速0.125から0.24mm」で結晶インゴットWを下降させ、前記走行しているワイヤー列15に結晶インゴットWを押し当てることによって多数枚のウェハーに同時に切断した。また、クーラント液噴射ユニット4から水溶性クーラント液8を毎分50L吐出させた。
また、エアーノズル9aには、長手方向の長さが「300mm」の円筒状に形成され、且つ直径2mmの穴が5mmピッチで60個開いているものを用いた。また、エアーノズル9aは、ワイヤー列15の下部(切削界面3)から「30mm」離れた位置に、左右にそれぞれ1個ずつ設置した。
そして、実施例として、エアーノズル9aから噴出されるエアーの圧力が「0.2MPa」での切断試験(実施例1)と、当該圧力が「0.5MPa」での切断試験(実施例2)とを行った。また、比較例として、エアーノズル9aからのエアーを吹き付けないで切断試験を行った。なお、実施例1、2では、結晶インゴットWの切削界面3に向かって斜め上方に、エアーノズル9aからのエアー7を吹き付けた。
そして、切断試験(実施例1、2及び比較例)によるワイヤー列15のダイヤ摩耗量の評価は以下のように行った。まず、使用前ワイヤーのダイヤ突き出し量を「測定子φ6mmのマイクロメーター」を用いてあらかじめ測定した。なお、測定は1m置きに50点測定してその平均を使用前のダイヤ突き出し量とした。そして、上記切断試験を行った後に再度、同様の方法でダイヤ突き出し量を測定しその平均を算出し、ワイヤーの使用前後の差をダイヤ摩耗量として求めると以下の「表1」に示す結果が得られた。
《表1》
Figure 0005527618
上記の表1に示すように、実施例1による「圧力0.2MPa」のときのダイヤ摩耗量(8μm)よりも、実施例2による「圧力0.5MPa」のときのダイヤ摩耗量(5μm)の方が小さくなった。すなわち、エアー吹き付けの圧力を大きくする方が、ダイヤ摩耗量が小さかった。また、比較例によるエアー無しのときのダイヤ摩耗量は「19μm」となり、実施例1、2よりも大きかった。
これにより、切削部(切削界面)3よりも下側に配置されたエアーノズル9aから結晶インゴットWに向かって斜め上方にエアーを噴射しながら切断することにより、ワイヤー列15のワイヤーに固着しているダイヤの摩耗量が小さくなることが確認された。すなわち、切削部(切削界面)3よりも下側に配置されたエアーノズル9aから結晶インゴットWに向かって斜め上方にエアーを噴射することにより、クーラント液8を切削界面3に効果的に供給できることが推認された。
なお、上記の加工条件と、結晶インゴットWに圧力「0.5MPa」のエアーを吹き付けたスライス加工によれば、厚さのバラツキが小さく、かつ、面内平行度の優れたウェハーを得ることができた。
W…結晶インゴッド(ワーク)、Z…ワイヤーソー切断装置、1…加工室、3…切削部(切削界面)、4…クーラント液供給ユニット、4a…クーラント液供給ノズル(クーラント液供給ユニット)、7…エアー、8…クーラント液、9…エアー供給ユニット、9a…エアーノズル(エアー供給ユニット)、10…切断ユニット10、12A…ガイドローラ(切断ユニット)、12B…ガイドローラ(切断ユニット)、15…ワイヤー列(切断ユニット)、20…ワーク送りユニット、21…移動コラム(ワーク送りユニット)、22…チルチングユニット(ワーク送りユニット)

Claims (1)

  1. 2個以上のガイドローラにワイヤーを巻き付けてワイヤー列を形成し、該ガイドローラを回転させ該ワイヤー列を双方向又は一方向に走行させながら該ワイヤー列にワークを押し当て当接させ、該ワークにクーラント液を吹き付けて該ワークを鉛直方向に上から下に移動させることにより、該ワークを多数枚のウェハーに切断するワイヤーソー切断装置において、
    前記ワークに向けてエアーを吹き付けるエアーノズルを有し、
    前記エアーノズルは、前記ワイヤー列と前記ワークとが当接する切削界面よりも前記鉛直方向の下側に配置され、前記切削界面に向けて上方或いは斜め上方にエアーを噴出するようになされていることを特徴とするワイヤーソー切断装置。
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