JP2011086844A - 発光ダイオード用ダイボンド材 - Google Patents

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篤 柳沼
Toshiyuki Kozai
利之 小材
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秀樹 菅原
Shinji Kimura
真司 木村
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Abstract

【課題】高硬度で、耐熱性、透明性及び低波長領域での光透過性が優れた硬化物を与えることができ、かつ信頼性の高いワイヤーボンディングを安定して行なうことが可能であるダイボンド材を提供する。
【解決手段】硬化物中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量が300ppm以下である付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物からなることを特徴とする発光ダイオード用ダイボンド材。
【選択図】なし

Description

本発明は、発光ダイオード(以下、「LED」という)素子のダイボンディングに有用なダイボンド材に関する。
従来、LED素子の封止材及びダイボンド材(即ち、LED素子等のダイとパッケージ等の基体とを接着させる接着剤)にはエポキシ樹脂が使用されている。特にダイボンド材においては樹脂が軟らかすぎると、ダイボンド工程の後に行なわれるワイヤーボンディング工程において、ボンディングができないという不具合が発生するため、従来、このダイボンド材としては、高硬度の接着剤であるエポキシ樹脂が使用されてきた。しかし、エポキシ樹脂からなる封止材及びダイボンド材は、青色LED、白色LED等に用いると、強い紫外線により黄変し光を吸収することがあるので、LEDの輝度の低下を招く等、耐久性に問題がある。
近年、LEDの耐久性に対する期待は更に高まり、LED素子の封止材はエポキシ樹脂から耐久性が良好なシリコーン樹脂に代わってきている。封止材と同様に、ダイボンド材にも耐久性が求められている。また、ダイボンド材には輝度の向上と共に耐熱性の向上が一層求められることが予想される。艶色性の観点から紫外光を発するLEDが将来より多く使用される可能性もある。
そのような観点から、シリコーン樹脂を使用したダイボンド材が開発されてきた。しかし、シリコーンダイボンド材には、通常低分子シロキサンが含有されている。シリコーンダイボンド材では半導体素子を基板に装着後、加熱硬化させる必要があるが、この時にこの低分子シロキサンが揮散し半導体素子表面に付着し薄く覆う。そのために、次工程のワイヤーボンディング工程において不具合が生じ易く、信頼性の高いワイヤーボンディングを安定して行なうことが困難である。
なお、本発明に関連する従来技術として、下記文献が挙げられる。
特開2006−342200号公報 特開2007−63299号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、高硬度で、耐熱性、透明性及び低波長領域での光透過性が優れた硬化物を与えることができ、かつ信頼性の高いワイヤーボンディングを安定して行なうことが可能であるダイボンド材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物の硬化物中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン(重合度10以下の環状又は直鎖状のシロキサン)含有量が300ppm以下であるシリコーン樹脂組成物をダイボンド材として用いることにより、高硬度で、耐熱性、透明性及び低波長領域での光透過性が優れた硬化物を与えることができ、かつ信頼性の高いワイヤーボンディングを安定して行なうことが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、下記発光ダイオード用ダイボンド材を提供する。
〔請求項1〕
硬化物中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量が300ppm以下である付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物からなることを特徴とする発光ダイオード用ダイボンド材。
〔請求項2〕
付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物が、
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、25℃における粘度が1,000mPa・s以下である直鎖状オルガノポリシロキサン:50〜10質量部
(B)下記平均組成式(1):
(R2 3SiO1/2k(R12 2SiO1/2m(R12SiO)n(R2 2SiO)p
(R1SiO3/2q(R2SiO3/2r(SiO4/2s (1)
(式中、R1は独立にアルケニル基を表し、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、但し、全R2の少なくとも80モル%はメチル基であり、k、m、n、p、q、r及びsは、それぞれ、k≧0、m≧0、n≧0、p≧0、q≧0、r≧0及びs≧0を満たす数であり、但し、m+n+q>0、q+r+s>0であり、かつ、k+m+n+p+q+r+s=1を満たす数である。)
で表され、23℃において蝋状もしくは固体である、三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂:50〜90質量部
(但し、(A)成分と(B)成分との合計は100質量部である。)
(C)下記平均組成式(2):
3 abSiO(4-a-b)/2 (2)
(式中、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、但し、全R3の少なくとも50モル%はメチル基であり、aは0.7≦a≦2.1、bは0.001≦b≦1.0を満たす数であり、但し、a+bは0.8≦a+b≦3.0を満たす数である。)
で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分及び(B)成分中の全ケイ素原子結合アルケニル基に対して(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量、並びに
(D)白金族金属系触媒:有効量
を含有することを特徴とする請求項1記載のダイボンド材。
本発明のダイボンド材は、硬化物中に150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量が300ppm以下であり、半導体素子表面の汚染を抑制でき、信頼性の高いワイヤーボンディングを安定して行なうことが可能である。
本発明に用いられるダイボンド材は、硬化物中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量が300ppm以下である付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物からなるものである。この場合、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物としては、下記(A)〜(D)成分を含有するものが好ましく使用される。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、25℃における粘度が1,000mPa・s以下である直鎖状オルガノポリシロキサン:50〜10質量部
(B)下記平均組成式(1):
(R2 3SiO1/2k(R12 2SiO1/2m(R12SiO)n(R2 2SiO)p
(R1SiO3/2q(R2SiO3/2r(SiO4/2s (1)
(式中、R1は独立にアルケニル基を表し、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、但し、全R2の少なくとも80モル%はメチル基であり、k、m、n、p、q、r及びsは、それぞれ、k≧0、m≧0、n≧0、p≧0、q≧0、r≧0及びs≧0を満たす数であり、但し、m+n+q>0、q+r+s>0であり、かつ、k+m+n+p+q+r+s=1を満たす数である。)
で表され、23℃において蝋状もしくは固体である、三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂:50〜90質量部
(但し、(A)成分と(B)成分との合計は100質量部である。)
(C)下記平均組成式(2):
3 abSiO(4-a-b)/2 (2)
(式中、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、但し、全R3の少なくとも50モル%はメチル基であり、aは0.7≦a≦2.1、bは0.001≦b≦1.0を満たす数であり、但し、a+bは0.8≦a+b≦3.0を満たす数である。)
で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分及び(B)成分中の全ケイ素原子結合アルケニル基に対して(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量、並びに
(D)白金族金属系触媒:有効量
以下、上記組成物の各成分について詳細に説明する。なお、本明細書において、「Me」はメチル基を表し、「Vi」はビニル基を表す。
<(A)成分>
(A)成分は、組成物の硬化後に応力緩和をもたらすための成分である。(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個、好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜5個有し、25℃における粘度が1,000mPa・s以下(通常、1〜1,000mPa・s)、好ましくは700mPa・s以下(例えば、5〜700mPa・s)の、通常、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、基本的に直鎖状の分子構造を有するオルガノポリシロキサンである。粘度が1,000mPa・sを超える場合には、本成分が必要以上にソフトセグメントとして働くために目標とする高硬度を得ることが困難となる。
なお、本発明において、粘度は回転粘度計により測定した値である(以下、同じ)。
前記ケイ素原子に結合したアルケニル基は、炭素原子数が、通常、2〜8、好ましくは2〜4のものである。その具体例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。
このケイ素原子に結合したアルケニル基は、(A)成分のオルガノポリシロキサンの分子中において、分子鎖末端及び分子鎖非末端(即ち、分子鎖側鎖)のいずれかに存在しても、あるいはこれらの両方に存在してもよいが、少なくとも分子鎖両末端に存在することが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサン分子中において、前記アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基は、脂肪族不飽和結合を有しないものであれば特に限定されず、例えば、非置換又は置換の、炭素原子数が、通常、1〜12、好ましくは1〜10の1価炭化水素基である。この非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換された、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基であり、アルケニル基以外の置換基の80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、特に好ましくは98モル%以上がメチル基であることが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、例えば、下記平均組成式(3)で表される。
4 c5 dSiO(4-c-d)/2 (3)
(式中、R4は独立に脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R5は独立にアルケニル基であり、cは1.9〜2.1の数、dは0.005〜1.0の数であり、但し、c+dは1.95〜3.0を満たす。)
上記平均組成式(3)中、R4で表される脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基は、前記アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基として例示したものと同種のものである。また、R5で表されるアルケニル基は、前記ケイ素原子に結合したアルケニル基として例示したものと同種のものである。
cは1.95〜2.00の数であることが好ましく、dは0.01〜0.5の数であることが好ましく、c+dは1.98〜2.5を満たすことが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記一般式(4)〜(10)で表されるもの等が例示される。
ViR6 2SiO(R6 2SiO)eSiR6 2Vi (4)
ViR6 2SiO(R6ViSiO)f(R6 2SiO)gSiR6 2Vi (5)
Vi26SiO(R6 2SiO)eSiR6Vi2 (6)
Vi3SiO(R6 2SiO)eSiVi3 (7)
Vi26SiO(R6ViSiO)f(R6 2SiO)gSiR6Vi2 (8)
Vi3SiO(R6ViSiO)f(R6 2SiO)gSiVi3 (9)
6 3SiO(R6ViSiO)f(R6 2SiO)gSiR6 3 (10)
(式中、R6は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、eは0〜200、好ましくは3〜120の整数、fは1〜10、好ましくは1〜5の整数、gは0〜200、好ましくは3〜110の整数である。)
上記一般式(4)〜(10)中、R6で表される非置換又は置換の1価炭化水素基は、炭素原子数が、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6のものである。その具体例としては、好ましくは前記アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基として例示した中でアリール基、アラルキル基以外のものと同種のものが挙げられるが、硬化物の耐光性及び耐熱性が優れるので、より好ましくはアルキル基、特に好ましくはメチル基である。
(A)成分の具体例としては、
Figure 2011086844

等が挙げられる。
(A)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
この(A)成分は、通常シクロポリシロキサンを水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラアルキルフォスフォニウムハイドロオキサイド等の強塩基性触媒もしくはこれらのシリコネート化合物を用いて平衡化、次いでこれら触媒の中和、失活によって重合体を得ており、この際生じる低分子シロキサン(重合度(即ち、1分子中のケイ素原子の数)10以下の環状又は直鎖状のシロキサン)副生成物は、通常減圧下ストリップによって除去されている。これらの除去レベルは経済性によって左右されるが、現在一般市販レベルの材料は、分子中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量が、数千から数万ppmの範囲にある。この無官能低分子シロキサン含有量を、300ppm以下、好ましくは200ppm以下に低減することにより、組成物の硬化物中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量が、300ppm以下となることを確認した。そのため、本発明においては、ストリップの強化や溶剤による洗浄等により(A)成分中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量は、300ppm以下、より好ましくは200ppm以下になるように調製することが推奨される。
<(B)成分>
(B)成分は、硬化物の透明性を維持したまま、補強性を得るための成分である。(B)成分は、下記平均組成式(1)で表され、23℃において蝋状もしくは固体である、分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基と、三官能性シロキサン単位及び/又はSiO4/2単位とを必須に含有する、三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂である。「蝋状」とは、23℃において、10,000,000mPa・s以上、特に100,000,000mPa・s以上の、ほとんど自己流動性を示さないガム状(生ゴム状)であることを意味する。
(R2 3SiO1/2k(R12 2SiO1/2m(R12SiO)n(R2 2SiO)p
(R1SiO3/2q(R2SiO3/2r(SiO4/2s (1)
(式中、R1は独立にアルケニル基を表し、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、但し、全R2の少なくとも80モル%はメチル基であり、k、m、n、p、q、r及びsは、それぞれ、k≧0、m≧0、n≧0、p≧0、q≧0、r≧0及びs≧0を満たす数であり、但し、m+n+q>0、q+r+s>0であり、かつ、k+m+n+p+q+r+s=1を満たす数である。)
上記平均組成式(1)中、R1で表されるアルケニル基は、(A)成分においてケイ素原子に結合したアルケニル基として例示したものと同種のものであるが、入手のし易さ及び価格面からビニル基が好ましい。
2で表される脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基は、(A)成分においてアルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基として例示したものと同種のものであるが、全R2の少なくとも80モル%(80〜100モル%)、典型的には90〜100モル%、より典型的には98〜100モル%はメチル基である。メチル基の割合が全R2の80モル%未満の場合には、(A)成分との相溶性に劣るため、組成物が白濁してしまい、目的とする高透明性の硬化物が得られないことがある。
kは0〜0.65、mは0〜0.65、nは0〜0.5、pは0〜0.5、qは0〜0.8、rは0〜0.8、sは0〜0.6の数であることが好ましい。また、m+n+qは0.1〜0.8、特に0.2〜0.65の数であることが好ましく、q+r+sは0.1〜0.8、特に0.2〜0.6の数であることが好ましい。
(B)成分中、ケイ素原子に結合したアルケニル基の含有量は、(B)成分100g当たり、0.01〜1molの範囲であることが好ましく、0.05〜0.5molの範囲であることがより好ましい。アルケニル基の含有量が0.01〜1molの範囲を満たすと、架橋反応が十分に進行し、より高硬度の硬化物が得られる。
(B)成分のオルガノポリシロキサン樹脂は、例えば、
(R2 3SiO1/2k(R12 2SiO1/2m(SiO4/2s
(R12 2SiO1/2m(SiO4/2s
(R12SiO)n(R2 2SiO)p(R2SiO3/2r
(R12 2SiO1/2m(R2 2SiO)p(R1SiO3/2q
(R12 2SiO1/2m(R2 2SiO)p(R2SiO3/2r
(R2 3SiO1/2k(R12 2SiO1/2m(R2 2SiO)p(R2SiO3/2r
(R2 3SiO1/2k(R12 2SiO1/2m(R2 2SiO)p(R12SiO)n(R2SiO3/2r
(式中、R1、R2、k、m、n、p、q、r及びsは、前記平均組成式(1)で定義したとおりである。)
で表されるものが好ましい。
(B)成分の具体例としては、
(Me3SiO1/20.4(ViMe2SiO1/20.1(SiO4/20.5
(ViMeSiO)0.4(Me2SiO)0.15(MeSiO3/20.45
(ViMe2SiO1/20.2(Me2SiO)0.25(MeSiO3/20.55
等が挙げられる。
(B)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(A)成分の(B)成分に対する比率は、上記の組成物において重要なファクターの一つである。(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して(B)成分の配合量は50〜90質量部((A)成分としては50〜10質量部)とすることが好ましく、より好ましくは60〜80質量部((A)成分としては40〜20質量部)、更に好ましくは65〜75質量部((A)成分としては35〜25質量部)である。(B)成分の配合量が50質量部未満((A)成分が50質量部以上)の場合には、目標とする高硬度が得られないことがあり、90質量部を超える((A)成分が10質量部未満)場合には、組成物の粘度が著しく高くなり、組成物をLED素子のダイボンド材として用いることが困難となる場合がある。
なお、(B)成分は、それ自体は23℃において蝋状もしくは固体であるが、(A)成分と混合することにより相溶し、均一の液状となる。また、作業性のため、(B)成分を可溶な溶媒、例えばトルエンやキシレン等に溶解させたものを用いてもよい。
(B)成分は、原料となるクロロシランあるいはアルコキシシランを加水分解して製造されることから、この際生じる低分子シロキサン(重合度10以下の環状又は直鎖状のシロキサン)副生成物は、通常減圧下ストリップによって除去されている。これらの除去レベルは経済性によって左右されるが、現在一般市販レベルの材料は、分子中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量が、数千から数万ppmの範囲にある。この無官能低分子シロキサン含有量を、300ppm以下、好ましくは200ppm以下に低減することにより、硬化物中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量が、300ppm以下となることを確認した。そのため、本発明においては、(A)成分と同様に(B)成分中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量を300ppm以下、より好ましくは200ppm以下になるように調製することが推奨される。
<(C)成分>
(C)成分は、(A)成分及び(B)成分中のアルケニル基とヒドロシリル化反応により架橋する架橋剤として働くと共に、組成物を希釈して使用用途に適した粘度にする反応性希釈剤としても働く成分である。(C)成分は、下記平均組成式(2)で表され、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を1分子中に少なくとも2個(通常、2〜200個)、好ましくは3個以上(例えば、3〜100個程度)有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
3 abSiO(4-a-b)/2 (2)
(式中、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、但し、全R3の少なくとも50モル%はメチル基であり、aは0.7≦a≦2.1、bは0.001≦b≦1.0を満たす数であり、但し、a+bは0.8≦a+b≦3.0を満たす数である。)
上記平均組成式(2)中、R3で表される脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基は、(A)成分においてアルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基として例示したものと同種のものであるが、全R3の少なくとも50モル%、典型的には60〜100モル%はメチル基である。メチル基の割合が全R3の50モル%未満の場合には、(A)成分及び(B)成分との相溶性に劣り、白濁もしくは組成物が相分離したりするという問題が発生する場合がある。
aは1.0〜2.0、bは0.01〜1.0、a+bは1.1〜2.6の数であることが好ましい。
(C)成分中、前記ケイ素原子に結合した水素原子の含有量は、(A)成分1g当たり、0.001〜0.02molの範囲であることが好ましく、0.002〜0.017molの範囲であることがより好ましい。
1分子中に2個以上、好ましくは3個以上含有されるケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、またこの両方に位置するものであってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は、通常、2〜400個、好ましくは3〜200個、より好ましくは4〜100個程度のものが望ましい。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、25℃における粘度が、好ましくは1,000mPa・s以下(通常、1〜1,000mPa・s)、より好ましくは5〜200mPa・sである。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO1/2単位とからなる共重合体等が挙げられるほか、下記一般式(11),(12):
3 3SiO[SiR3(H)O]tSiR3 3 (11)
環状の[SiR3(H)O]u (12)
(式中、R3は前記のとおりであり、tは2〜30、好ましくは2〜25の整数であり、uは4〜8の整数である。)
で表されるもの、下記一般式:
Figure 2011086844

(式中、R3は前記のとおりであり、hは5〜40の整数、iは5〜20の整数、jは2〜30の整数である。)
で表されるもの等が例示される。
(C)成分の具体例としては、下記一般式(13):
Me3SiO[SiMe(H)O]tSiMe3 (13)
(式中、tは前記のとおりである。)
で表されるもの、下記平均構造式で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2011086844
Figure 2011086844

(C)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分中の全ケイ素原子に結合したアルケニル基に対して(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量であることが好ましく、より好ましくは0.7〜3.0倍モルとなる量である。かかる配合量が0.5〜5.0倍モルとなる量を満たさない場合には、架橋のバランスが不適切なものとなることがある。
好ましい実施形態では、この(C)成分の配合量が、更に、組成物中の全ケイ素原子に結合したアルケニル基に対して(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.6〜3.0倍モルとなる量であることが好ましく、0.7〜2.0倍モルとなる量であることがより好ましい。かかる範囲を満たすと、使用に適した粘度範囲の組成物で、かつ、目的とする高硬度の硬化物を得ることができる。
<(D)成分>
(D)成分である白金族金属系触媒は、前記(A)〜(C)成分のヒドロシリル化反応を進行及び促進させるための成分である。
白金族金属系触媒は特に限定されず、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属;塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物等の白金化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物等が挙げられるが、(A)〜(C)成分との相溶性が良好であり、クロル不純物をほとんど含有しないので、好ましくは塩化白金酸をシリコーン変性したものである。
(D)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(D)成分の配合量は、触媒としての有効量であればよいが、通常、(A)〜(C)成分の合計に対して、白金族金属元素の質量換算で3〜100ppm、好ましくは5〜40ppmである。この配合量を適切なものとすると、ヒドロシリル化反応をより効果的に促進させることができる。
<その他の成分>
上記の組成物は、上記(A)〜(D)成分以外にも、本発明の目的を損なわない限り、以下に例示するその他の成分を配合してもよい。
その他の成分としては、例えば、ヒュームドシリカ等のチクソ性制御剤;結晶性シリカ等の光散乱剤;ヒュームドシリカ、結晶性シリカ等の補強材;酸化チタン等の着色剤;アルミナ、結晶性シリカ等の熱伝導性付与充填剤;蛍光体;石油系溶剤、反応性官能基を有しない非反応性シリコーンオイル等の粘度調整剤;シランカップリング剤、エポキシ基、アルコキシ基、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)及びケイ素原子に結合したビニル基等のアルケニル基の少なくとも一種を有する(A)〜(C)成分以外のシリコーン化合物等の接着性向上剤;銀、金等の金属粉等の導電性付与剤;着色のための顔料及び染料;テトラメチルテトラビニルテトラシクロシロキサン、アセチレンアルコール等の反応抑制剤等が挙げられる。
これらのその他の成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
これらの中で、シランカップリング剤、エポキシ基、アルコキシ基、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)及びケイ素原子に結合したビニル基等のアルケニル基の少なくとも一種を有する(A)〜(C)成分以外のシリコーン化合物等の接着性向上剤は、接着性向上のために配合することが好ましく、配合する場合の配合量は、通常(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部である。
上記の組成物中の脂肪族不飽和結合以外のケイ素原子に結合した全1価炭化水素基((A)成分、(B)成分、(C)成分の全1価炭化水素基)の80モル%以上(80〜100モル%)、特に90モル%以上(90〜100モル%)がメチル基であることが、耐熱性、耐光性(耐紫外線性)に優れるため、熱的及び紫外線等のストレスによる変色を含んだ劣化に対する耐性に優れることから好ましい。
<組成物の調製・硬化>
・調製方法
上記の組成物は、(A)〜(D)成分及び場合によってはその他の成分を混合して調製することができるが、例えば、(A)成分及び(B)成分からなるパートと、(C)成分、(D)成分及び場合によってはその他の成分からなるパートとを別個に調製した後、それら2パートを混合して調製することもできる。
・硬化条件
組成物の硬化は、公知の条件で行なえばよく、室温でも硬化するが、加熱硬化させることが好ましく、例えば、60〜180℃で10分〜5時間加熱することにより行なうことができる。特に、組成物を硬化させて得られる硬化物のショアD硬度は30以上、とりわけ50以上であることが好ましく、該ショアD硬度を30以上とするための硬化条件は、通常、上記の組成物を120〜180℃にて例えば30分〜5時間の条件で加熱し、硬化させることにより得ることができる。
−ダイボンディング−
本発明においては、上記で得られたシリコーン樹脂組成物(ダイボンド材)を基板に塗布し、光半導体素子を前記基板上の被塗布面に配置し、次に前記ダイボンド材を加熱して硬化させる。
用いられる基板としては、例えば、リードフレーム、パッケージ等が挙げられる。
光半導体素子としては、LED素子、受光素子等を挙げることができる。
ダイボンド材を用いて光半導体素子をダイボンディングする方法の一例としては、ダイボンド材をシリンジに充填し、ディスペンサを用いてパッケージ等の基体上に乾燥状態で5〜100μmの厚さとなるように塗布した後、塗布したダイボンド材上に素子を配し、該ダイボンド材を硬化させることにより、光半導体素子を基体上にダイボンディングする方法が挙げられる。
−ワイヤーボンディング−
ワイヤーボンディングの方法自体は特に制限されず通常公知のいずれの方法でもよい。
本発明においては、上記ダイボンド材、即ち上記シリコーン樹脂組成物の硬化物中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン(重合度(即ち、1分子中のケイ素原子の数)10以下の環状又は直鎖状のシロキサン)含有量が300ppm以下、好ましくは200ppm以下のものである。かかる無官能低分子シロキサン含有量が300ppmを超えるとワイヤーボンディングの際に低分子シロキサンがLEDに悪影響を及ぼす。
なお、本発明において、『無官能』とは、ケイ素原子に結合する有機基が非反応性のもの、例えばアルキル基、アリール基、アラルキル基であるものを指し、代表的には低分子量の環状又は直鎖状のジメチルポリシロキサンである。アルケニル基は付加反応性であるため、『無官能』には含まれない。
かかる無官能低分子シロキサン量が300ppm以下の硬化物は、上述したように、(A)、(B)成分として分子中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量を300ppm以下、好ましくは200ppm以下に低減した成分を使用することにより達成し得る。ここで、上記(A)、(B)成分として分子中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量を上記のように低減する方法としては、溶媒抽出法、減圧ストリップ法、薄膜蒸留法やこれらの2種以上の操作の組合せ等が採用される。
なお、無官能低分子シロキサン含有量は、シリコーン樹脂組成物の硬化物を約2mm3に切断し、アセトン溶媒中にて16時間抽出し、このアセトン溶媒をFIDガスクロマトグラフィーにて測定、同定した値である。
また、(A)成分、(B)成分中の無官能低分子シロキサン含有量は、試料1gをアセトン溶媒中にて1時間抽出し、このアセトンをFIDガスクロマトグラフィーにて測定、同定した値である。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、下記例における部は質量部を示し、粘度は回転粘度計による25℃における粘度である。また、Meはメチル基、Viはビニル基を示す。
[実施例1]
Me3SiO1/2、ViMe2SiO1/2、SiO4/2単位で構成され、SiO4/2に対してMe3SiO1/2及びViMe2SiO1/2の合計のモル比が0.8で、固形分に対するビニル基量が0.074モル/100gであり、23℃において固体であるシリコーンレジンのトルエン溶液と、両末端がビニル基で封鎖された25℃における粘度が50mPa・sである直鎖状のジメチルポリシロキサンを固形分換算にて75対25(質量基準)で混合した。得られた混合物を120℃、10mmHg以下の減圧下で処理してトルエンを除去し、更に、減圧ストリップ法により150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサンの含有量が100ppmに低減したベースコンパウンドAを得た。
このベースコンパウンドA100gに対して、塩化白金酸から誘導したテトラメチルビニルジシロキサンを配位子として有する白金触媒のトルエン溶液を白金原子換算で10ppm(質量基準)添加し、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1g、テトラメチルテトラビニルテトラシクロシロキサン3g、及び下記構造式(14):
Figure 2011086844

で示されるエポキシ基含有シロキサン化合物5gを混合し、構造中にSiH基を0.013mol/g有する25℃における粘度が5mPa・sである両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたメチルハイドロジェンシロキサン10gを添加し、透明の液状混合物を得た。更に、この混合物100質量部に対し、ヒュームドシリカを5質量部混合し、ダイボンディング用組成物Aを得た。
このダイボンディング用組成物Aを150℃、2時間の条件で硬化した硬化物の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量は80ppmであった。
(1)ダイボンディング
厚み0.3mmのシリコーンウエハーを1mm角にダイシングし、ダミーチップを作製した。FR−4基板上に銀メッキにてパターンを作製した基板の上に、ダイボンド材(上記で得られたダイボンディング用組成物A)を適当量塗布し、この上にダミーチップを配置し、100℃で1時間加熱し、次に150℃で3時間加熱してダイボンド材を硬化させた。この時、揮散するシロキサンの量を多くし、ダイボンディング工程への影響を確実に与えるために、金属の平板上に基板を置き、直径6cmのアルミニウムシャーレーにダイボンド材を1g均一に塗布したものを3つ用意し基板周辺に配置し、更にこれを直径18cm、高さ4cmの金属缶を被せることにより、密閉空間を作製した。
(2)ワイヤーボンディング
上記のようにしてダイボンディングを行なった半導体素子にワイヤーボンディングを試みたところ、20個の試行中、ワイヤーボンディングの不良は無かった。
[比較例1]
Me3SiO1/2、ViMe2SiO1/2、SiO4/2単位で構成され、SiO4/2に対してMe3SiO1/2及びViMe2SiO1/2の合計のモル比が0.8で、固形分に対するビニル基量が0.074モル/100gであり、23℃において固体であるシリコーンレジンのトルエン溶液と、両末端がビニル基で封鎖された25℃における粘度が50mPa・sである直鎖状のジメチルポリシロキサンを固形分換算にて75対25(質量基準)で混合した。得られた混合物を120℃、10mmHg以下の減圧下で処理してトルエンを除去し、ベースコンパウンドBを得た。このベースコンパウンド中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサンの含有量は、2,200ppmであった。
このベースコンパウンドB100gに対して、実施例1と同様の成分を配合し、ダイボンディング用組成物Bを得た。
得られたダイボンディング用組成物Bを実施例1と同様の条件で硬化した硬化物の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量は2,100ppmであった。
実施例1と同様に、ダイボンディング、ワイヤーボンディングを行なった結果、20個の試行中、16個でワイヤーボンディングが不良であった。

Claims (2)

  1. 硬化物中の150℃で0.5mmHg以上の蒸気圧を有する無官能低分子シロキサン含有量が300ppm以下である付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物からなることを特徴とする発光ダイオード用ダイボンド材。
  2. 付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物が、
    (A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、25℃における粘度が1,000mPa・s以下である直鎖状オルガノポリシロキサン:50〜10質量部
    (B)下記平均組成式(1):
    (R2 3SiO1/2k(R12 2SiO1/2m(R12SiO)n(R2 2SiO)p
    (R1SiO3/2q(R2SiO3/2r(SiO4/2s (1)
    (式中、R1は独立にアルケニル基を表し、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、但し、全R2の少なくとも80モル%はメチル基であり、k、m、n、p、q、r及びsは、それぞれ、k≧0、m≧0、n≧0、p≧0、q≧0、r≧0及びs≧0を満たす数であり、但し、m+n+q>0、q+r+s>0であり、かつ、k+m+n+p+q+r+s=1を満たす数である。)
    で表され、23℃において蝋状もしくは固体である、三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂:50〜90質量部
    (但し、(A)成分と(B)成分との合計は100質量部である。)
    (C)下記平均組成式(2):
    3 abSiO(4-a-b)/2 (2)
    (式中、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、但し、全R3の少なくとも50モル%はメチル基であり、aは0.7≦a≦2.1、bは0.001≦b≦1.0を満たす数であり、但し、a+bは0.8≦a+b≦3.0を満たす数である。)
    で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分及び(B)成分中の全ケイ素原子結合アルケニル基に対して(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量、並びに
    (D)白金族金属系触媒:有効量
    を含有することを特徴とする請求項1記載のダイボンド材。
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