JP2011084811A - 溶銑の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多種多様な鉄スクラップを鉄源として、各種の高品位鋼の製造に使用できる銑鉄を製造する実用的なプロセスを提供する。
【解決手段】 上記課題を解決するための本発明に係る溶銑の製造方法は、鉄スクラップを鉄源として用いて炭素を含有する溶銑を電気炉にて製造する工程と、その後、該溶銑に対して脱銅処理を行う工程と、脱銅された溶銑と高炉にて製造された溶銑とを混合する工程と、混合した後の溶銑に対して脱硫処理を行う工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄スクラップを主たる鉄源として、主に電気エネルギーを使用して高効率に銑鉄を製造する方法に関し、詳しくは、含有成分の種類及び含有量が様々である鉄スクラップを有効に活用して、高品位の転炉鋼相当鋼や特殊鋼の製造に使用できる銑鉄を製造する方法に関するものである。
鉄スクラップの発生量は、鋼材蓄積量の増加に伴って年々100万トン程度の割合で増加すると予想され、2004年時点では市中の鉄スクラップ(「市中屑」と称す)の発生量は約5000万トン/年となり、2010年には6000万トン/年に達するという予測がある。鉄鋼製品の製造にあたり、高炉での溶銑の製造では、鉄鉱石を還元し且つ溶融するために多大なエネルギーを要するのに対し、鉄スクラップは溶解熱のみを必要としており、製鋼過程で鉄スクラップを利用した場合には、鉄鉱石の還元熱分のエネルギー使用量を少なくすることができるという利点がある。従って、省エネルギー及びCO2削減による地球温暖化防止の観点からも、鉄スクラップ利用の促進が望まれている。
現在、市中屑は大部分がアーク炉などの電気炉で消費され、棒鋼や形鋼といったいわゆる汎用鋼の製造に使用されている。また近年では、鉄鋼製品の種類の拡大とコスト低減とを図るべく、アーク炉で鉄スクラップと直接還元鉄とを併用して溶解する方法も行われている。
一方、銑鋼一貫製鉄所では、鉄スクラップを転炉などの製鋼炉へ直接投入して使用することが主体であるが、鉄源として多様な鉄スクラップを使用すると、製造される溶鋼の成分調整が難しいという問題がある上に、転炉では、鉄スクラップの溶解熱として溶銑に含有される炭素の燃焼熱を利用していることから、鉄スクラップの配合比率を極端に高めることができず、CO2削減の面で不利という欠点がある。
市中屑の約2/3は耐用年数経過後に回収された老廃屑であり、その割合は年々増加している。この老廃屑は、不純物の多いもの、或いは化学組成が不明なものが多い。また、消費される鋼材の高級化に伴って、例えば高合金鋼や表面処理鋼の市中屑も増加しつつある。その結果、鉄スクラップを再生利用する際に、これらの鉄スクラップに随伴する、銅、錫、ニッケルに代表されるトランプエレメントが、鉄スクラップの溶解過程で不可避的に溶鉄中に混入する。これらのトランプエレメントは、鋼の性質を損なう成分であり、一定の濃度以下に保つ必要がある。
そこで、不純物や合金元素含有量の高い鉄スクラップを鉄源とした場合であっても、所望の組成の銑鉄を製造する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、鉄スクラップを主な鉄源として溶解熱源に電力を用いず銑鉄を製造する方法であって、工程A:鉄以外の元素の含有量が高い鉄スクラップ、またはその鉄スクラップと鉱石とから溶銑を製造し、その溶銑成分を分析する工程と、工程B:鉄鉱石もしくは鉄以外の元素の含有量が低い鉄スクラップ、またはその鉄スクラップと鉄鉱石とから溶銑を製造し、その溶銑成分を分析する工程と、工程C:製造予定の鋼種に応じて許容される溶銑の化学組成範囲におさまるように、工程Aおよび工程Bで得られた溶銑の混合比を決めて、それらを合わせ湯する工程と、からなる3つの工程を有する、銑鉄の製造方法が開示されている。
この方法は、キュポラや転炉形式の溶解炉を用いることで、エネルギーコストの高い電力を使用しないというものであるが、電力を使用したアーク炉などの電気炉に対して溶解能力が少なく、大量に発生する市中屑を処理できない恐れがある。また、近年の技術開発により、アーク炉での電力原単位は低減し、アーク炉での電力を使用した溶解方法は必ずしもエネルギーコストの高いものではなくなっている。また更に、現在の鉄スクラップの発生形態は、工程Bで使用可能な鉄スクラップが少ないことが問題であり、現在の多様な鉄スクラップが発生するという状況には対応できない。
特許文献2には、アーク加熱源を有する溶解室と、この溶解室に直結し、溶解室で発生する排ガスにより予熱するシャフト型の予熱室とを有するアーク溶解設備を用いて、使用済み自動車または使用済み家電機器から得られた廃車プレス屑または廃家電屑を、炭材を吹き込みながらアーク加熱して溶解し、生成される溶融鉄を出湯した後、この溶融鉄に高炉溶銑を混合して、混合後の溶銑の銅濃度を規格に適合するように希釈・調製する溶銑製造方法が開示されている。
特許文献2では、生成される溶融鉄を高炉溶銑で希釈して銅濃度を調製するが、市中屑、特に使用済み自動車や使用済み家電機器を起源とする鉄スクラップは銅濃度が高く、高炉溶銑で希釈するだけでは大量に発生する市中屑を、高品位の転炉鋼相当鋼や特殊鋼の鉄源として消費することはできない。
特開平5−9600号公報 特開2002−173716号公報
上記のように、従来、銅や錫を含む恐れのある低級鉄スクラップを使用して高級鋼を安定して大量生産することは困難であった。しかしながら、近年の鉄スクラップ発生量の増加及びCO2発生量削減のための鉄スクラップ増使用の要請を勘案すると、低級鉄スクラップの再生利用を強力に進める必要がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、多種多様な鉄スクラップを鉄源として、各種の高品位鋼の製造に使用できる銑鉄を製造する実用的なプロセスを提供することであり、具体的には、エネルギーコストやCO2発生量の観点から最適エネルギーバランスを達成しながら、鉄スクラップ中の有害元素のうちで特に混入量の多い銅は溶銑から除去するともに希釈し、他の有害元素は有害とならないレベルまで稀釈し、各種の高品位鋼の製造に使用できる銑鉄を低コストで製造する方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る溶銑の製造方法は、鉄スクラップを鉄源として用いて炭素を含有する溶銑を電気炉にて製造する工程と、その後、該溶銑に対して脱銅処理を行う工程と、脱銅された溶銑と高炉にて製造された溶銑とを混合する工程と、混合した後の溶銑に対して脱硫処理を行う工程と、を有することを特徴とするものである。
第2の発明に係る溶銑の製造方法は、鉄スクラップを鉄源として用いて炭素を含有する溶銑を電気炉にて製造する工程と、その後、該溶銑と高炉にて製造された溶銑とを混合する工程と、混合した後の溶銑に対して脱銅処理を行う工程と、脱銅された溶銑に対して脱硫処理を行う工程と、を有することを特徴とするものである。
第3の発明に係る溶銑の製造方法は、第1または第2の発明において、前記脱硫処理後に、溶銑に対して更に脱燐処理を行う工程を有することを特徴とするものである。
第4の発明に係る溶銑の製造方法は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記脱銅処理を、硫黄含有フラックスを用いて行うことを特徴とするものである。
第5の発明に係る溶銑の製造方法は、第1ないし第4の発明の何れかにおいて、前記脱銅処理を機械攪拌式精練装置で行うことを特徴とするものである。
第6の発明に係る溶銑の製造方法は、第1ないし第5の発明の何れかにおいて、電気炉にて製造される溶銑の炭素濃度は1.5質量%以上であることを特徴とするものである。
第7の発明に係る溶銑の製造方法は、第1ないし第6の発明の何れかにおいて、前記脱硫処理に施される溶銑の硫黄濃度を分析し、該分析値に基づいて前記脱硫処理の処理時間を設定することを特徴とするものである。
第8の発明に係る溶銑の製造方法は、第1ないし第7の発明の何れかにおいて、電気炉から出湯後の溶銑の化学成分のうち、銅、ニッケル、クロム、錫、アンチモン、砒素のなかの少なくとも1種を分析し、製造予定の鋼種に応じて許容される化学成分範囲に収まるように、高炉にて製造された溶銑の混合量を設定することを特徴とするものである。
第9の発明に係る溶銑の製造方法は、第1ないし第8の発明の何れかにおいて、前記電気炉としてアーク炉を使用し、該アーク炉にて溶銑を製造する工程において、当該チャージで溶解予定の鉄スクラップの炭素濃度を1.5質量%以上増加させるに相当する質量の炭材を、前チャージの出湯後から当該チャージの出湯までの間に炉内に添加することを特徴とするものである。
第10の発明に係る溶銑の製造方法は、第9の発明において、前記アーク炉にて溶銑を製造する工程において、前チャージで製造した溶銑の一部を炉内に残留させ、残留させた溶銑の上に、当該チャージで溶解予定の鉄スクラップの炭素濃度を1.5質量%以上増加させるに相当する質量の炭材のうちの少なくとも一部を装入し、該炭材の上に鉄スクラップを装入し、炭材の上に装入した鉄スクラップをアーク熱で溶解することを特徴とするものである。
第11の発明に係る溶銑の製造方法は、第9または第10の発明において、前記アーク炉にて溶銑を製造する工程において、当該チャージで溶解予定の鉄スクラップの全量が溶け落ちて溶銑が製造されたなら、該溶銑の温度を測定し、溶銑の温度測定値と、出湯時の溶銑の予定化学成分から算出される液相線温度と、の差である過熱度が所定の範囲内にあることを出湯可能条件とすることを特徴とするものである。
第12の発明に係る溶銑の製造方法は、第9または第10の発明において、前記アーク炉にて溶銑を製造する工程において、当該チャージで溶解予定の鉄スクラップの全量が溶け落ちて溶銑が製造されたなら、該溶銑の温度を測定するともに溶銑から分析試料を採取し、溶銑の温度測定値と、分析試料の成分分析値から算出される液相線温度と、の差である過熱度が所定の範囲内にあることを出湯可能条件とすることを特徴とするものである。
第13の発明に係る溶銑の製造方法は、第11または第12の発明において、前記過熱度が所定の範囲よりも低い場合には、酸素ガス供給量1Nm3/minあたりの炭材吹き込み速度を1.1kg/min以上として、酸素ガス吹き込みと炭材吹き込みとを同時に行いながらアーク加熱して所定温度範囲まで昇温し、一方、前記過熱度が所定の範囲内の場合には、そのまま出湯のみを行い、前記過熱度が所定の範囲よりも高い場合には、そのまま出湯を行い且つ出湯中の受銑容器に炭材を添加することを特徴とするものである。
第14の発明に係る溶銑の製造方法は、第1ないし第13の発明の何れかにおいて、前記混合した後の溶銑は、温度が1200℃〜1500℃であることを特徴とするものである。
本発明によれば、鉄以外の元素の含有量が多い、或いはその含有量が不明な鉄スクラップを使用しても、目標組成の銑鉄が製造でき、結果として、これらの原料を一部使用しても高級鋼を製造することが可能となる。従って、出所不明の様々な鉄スクラップも利用でき、鉄スクラップ発生量の激増に対処し、低エネルギー且つ低コストで鉄鋼製品の製造を可能にするという大きな効果を発現する。
本発明を実施する場合の工程ブロック図である。 本発明を実施する場合の他の工程ブロック図である。 実施例1で使用した直流式アーク溶解設備の概略図である。 実施例2で使用した直流式アーク溶解設備の概略図である。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1及び図2は、本発明を実施する場合の工程ブロック図であり、図1と図2とで異なる点は、図1に示す工程では、電気炉で製造した溶銑を脱銅処理した後に高炉で製造された溶銑(以下「高炉溶銑」と記す)を混合するのに対し、図2に示す工程では、電気炉で製造した溶銑と高炉溶銑とを混合した後の溶銑を脱銅処理する点である。その他の工程は同一である。
本発明においては、図1に示すように、市中屑を主たる鉄源として電気炉で溶解して溶銑を製造し、この溶銑を受銑容器である溶銑鍋に出湯する。この溶銑を脱銅処理して溶銑中の銅を除去し、脱銅した溶銑に高炉溶銑を混合して、高炉溶銑で化学成分を希釈し、混合した後の溶銑に脱硫処理を施し、その後、脱硫処理した溶銑を転炉に装入し、転炉にて脱炭精錬を実施して溶鋼を製造する。図示はしないが、低燐鋼を製造する場合には、脱硫処理後に脱燐処理を施し、その後、転炉で脱炭精錬することが好ましい。転炉で製造された溶鋼は、RH真空脱ガス装置などで二次精錬が施され、次いで、連続鋳造機で鋳造されて連続鋳造鋳片が製造される。この場合、図2に示すように、電気炉で製造した溶銑に高炉溶銑を混合し、混合した溶銑に対して脱銅処理を実施することも可能である。また、図1及び図2に点線で示すように、電気炉にて高炉溶銑を鉄源として併用し、市中屑などの冷鉄源の溶解を促進させることも可能である。
本発明においては、市中屑などの鉄スクラップを溶解するための溶解炉として電気炉を使用する。電気炉には、アーク熱で鉄スクラップを溶解するアーク炉(「アーク溶解設備」ともいう)と、電磁誘導の渦電流によるジュール熱により鉄スクラップを溶解する誘導炉があり、本発明においては双方ともに使用可能であるが、一般的には、大量の鉄スクラップの溶解を可能とするアーク炉を使用する。
使用する溶解炉がアーク炉であろうとまた誘導炉であろうと、どのような型式であっても構わないが、本発明においては、鉄スクラップの溶解によって生成される溶湯(溶融鉄)は、炭素を含有する溶銑である。鉄スクラップから溶銑を溶製する方法としては、例えば、次のような溶解方法が好適である。
1つの方法は、電気炉内に溶銑を予め装入した後に鉄スクラップを装入し、アーク加熱或いは誘導加熱により鉄スクラップを昇温・溶解して溶銑を製造する方法であり、他の1つの方法は、電気炉内に鉄スクラップを装入し、この鉄スクラップを炭材添加により加炭しながら昇温・加熱して溶解し、溶銑を製造する方法である。溶銑を予め装入する方法の場合も、鉄スクラップの溶解に伴って炭素濃度が希釈されることから、これを防止するために、炭材添加により加炭しながら昇温・加熱することが好ましい。
また、炭材の添加によって溶融鉄を加炭する方法としては、以下の2つの方法がある。1つは、鉄スクラップの溶解によって生成される炉内の溶融鉄に炭材吹き込みランスなどのランスを浸漬させ、該ランスから溶融鉄中に炭材を吹き込んで加炭するという方法であり、他の1つは、炉内に炭材を装入し、この炭材の上面側に、溶解するための鉄スクラップを装入し、アーク熱による鉄スクラップの溶解によって生成する溶融鉄を炭材と接触させて加炭させるという方法である。
炭材をランスを介して溶融鉄に吹き込む方法では、炭材をできるだけ溶融鉄に接触しやすいように添加することを考えると、鉄スクラップの大半が溶解し、溶湯面が露出した状態となってから炭材の吹き込みを開始せざるを得ない。これに対して、炉内に炭材を予め装入して炭材と生成する溶融鉄とを接触させる方法では、鉄スクラップの溶解と、生成した溶融鉄への加炭とが同時に進行し、加炭が効率的に行われる。このように、加炭方法としては、炉内に炭材を予め装入して炭材と生成する溶融鉄とを接触させる方法が好ましい。つまり、装入した鉄スクラップ層内に炭材の層を形成しておくことである。
アーク炉においては、鉄スクラップは炉内上部のアークスポット(電極先端部)で溶解され、生成した溶融鉄は未溶解の鉄スクラップ層内を流下して炉底部に堆積するので、この流下する溶融鉄と炭材とが接触するように炭材の層を形成しておくと効率的に加炭が行われる。炭材層の配置位置は、炉内上方であると炭材にアークが直接当たって炭材の昇華や酸化ロスの可能性が高くなるので望ましくない。また、炭材が炉底耐火物と直接接触するような最下層とすると、流下してきた溶融鉄が炭材とともに凝固してしまう可能性、つまり凝固相が炭材と溶融鉄との接触を妨げる可能性が高く、これも望ましくない。好適な配置位置は、炉内の最下層を除いた、なるべく下方位置である。
具体的には、連続操業時に前チャージで製造した溶銑の一部を炉内に残留させ、残留させた溶銑の上に加炭用の炭材を装入し、この炭材の上に鉄スクラップを装入し、この鉄スクラップをアーク熱で溶解するという方法や、炉内に高炉溶銑を装入し、この高炉溶銑の上に炭材を装入し、この炭材の上に鉄スクラップを装入し、この鉄スクラップをアーク熱で溶解するという方法が好適である。
また、炉内に前チャージの溶銑が無い場合や高炉溶銑を使用しない場合には、少量の鉄スクラップを炉底部に敷き置き、その上に炭材を装入し、この炭材の上に鉄スクラップを装入することで、炭材層を炉内の最下層を除いた下方位置に形成することができる。一般的なアーク炉の場合には、鉄スクラップを底開きの装入バケットを介して炉内に装入することが多く、この場合には、装入バケットの最下部に鉄スクラップを装入し、その上に炭材を装入し、更に炭材の上に鉄スクラップを装入し、このように装入した装入バケットから装入することで、炭材層を炉内の最下層を除いた下方位置に形成することができる。
予め炉内に装入する炭材の質量は、当該チャージで溶解予定の鉄スクラップの炭素濃度を1.5質量%以上増加させるに相当する質量とすることが好ましい。但し、炉内に装入した炭材の100質量%が加炭に費やされるわけではなく、溶銑の炭素濃度を正確に把握するには、溶銑から分析用試料を採取し、化学分析を行うことが必要である。
本発明において、電気炉にて用いる鉄スクラップは、いわゆる老廃屑である市中屑を主体とし、この老廃屑としては、産業用機械、建築用鋼材、自動車外装鋼板などが該当する。一方、所内発生屑と称する、銑鋼一貫製鉄所で発生する不純物含有量の少ない鉄スクラップについては、市中屑に混合して電気炉で溶解してもよいが、不純物が少なく溶鋼を汚染することがないので、熱余裕度がある場合には次工程の転炉脱炭工程で鉄源として適宜使用することが望ましい。
尚、電気炉における鉄スクラップの溶解の際には、アーク炉の排ガス或いは加熱炉の排ガスなどを用いて鉄スクラップを予熱することが望ましい。また、電気炉としてアーク炉を使用する場合、使用するアーク炉の種類は特に限定する必要はないが、溶解エネルギー最小化のために、鉄スクラップの予熱効率を高めることが可能な炉である特許第3114713号に示されるアーク溶解設備が好適である。即ち、「冷鉄源を溶解するための溶解室と、その一方側の上部に直結し、冷鉄源を予熱する予熱シャフトと、溶解室内で冷鉄源を溶解するためのアーク電極と、冷鉄源が溶解室と予熱シャフトに連続して存在する状態を保つように予熱シャフトへ冷鉄源を連続的または断続的に供給する冷鉄源供給手段と、前記溶解室に突設され、出湯口を有する出湯部と、前記溶解室を前記出湯部側へ傾動させる傾動手段とを有し、溶解室内の冷鉄源をアークにより溶解する冷鉄源のアーク溶解設備であって、前記予熱シャフト内の冷鉄源は、溶解中に前記溶解室の予熱シャフトが設けられている一方側から他方側へ向けて供給され、前記出湯部は、その冷鉄源の供給方向とは異なる方向に設けられ、且つ前記溶解室の予熱シャフトが設けられた部分と出湯部が設けられた部分との間に、前記溶解室を傾動した際に冷鉄源が前記出湯部へ流出することを妨げることが可能なように離間部を有していることを特徴とするアーク溶解設備」を用いることが好ましい。
このように、電気炉では、老廃屑に代表される、鉄以外の元素の含有量が高い鉄スクラップ或いは化学組成が不明な鉄スクラップを主たる鉄源とする。場合により、このような鉄スクラップに、鉱石(鉄鉱石、Mn鉱石、Cr鉱石など)、冷銑、直接還元鉄或いはダストなどの冷鉄源を併用することも可能である。鉄スクラップの装入後、主に電気エネルギーにより溶解を図るが、同時に前述した2つの溶解方法の何れかにより、生成される溶融鉄の炭素濃度を高める。溶融鉄の炭素濃度を高めることにより、以下の効果が発現する。
1つは、溶融鉄中の炭素濃度を高めることで、鉄スクラップの溶解速度を高めることができ、溶解時間を短縮できる。他の1つは、溶融鉄中の炭素濃度を高めると同時に溶融鉄上に存在するスラグ中或いは溶融鉄中に酸素ガスを吹き込む精錬を実施することにより、生成するCOガスによって溶融鉄上に存在するスラグがいわゆるフォーミング状態となり、アークがフォーミングしたスラグに覆われることで、アーク加熱の効率が飛躍的に向上する。更に、溶融鉄中の炭素濃度が高いと、後述するように硫黄、銅などの溶融鉄中に含まれる不純物元素の精錬除去が熱力学的に有利となる。
電気炉で製造する溶銑の炭素濃度は、鉄スクラップの溶解速度を促進させる観点から1.5質量%以上であることが好ましい。一方、炭素濃度の上限については、鉄スクラップの溶解速度などからは特に制約する必要はないが、次工程の精錬時間が長くなってしまう或いは過剰な炭素を供給すると電気炉での使用エネルギーが過剰となるなどの理由から、およそ4質量%以下とすることが望ましい。
鉄スクラップの全量が溶け落ちた後、次工程とのマッチングを考慮して溶銑の温度及び炭素濃度を調整し、その後、電気炉から受銑容器である溶銑鍋に出湯する。尚、炭素含有量の低い溶銑と一般的な炭素含有量の高い溶銑とを混合(「合わせ湯」ともいう)すると、急激なCO発生反応による突沸が生ずるので、危険防止の観点からも、電気炉で製造する溶銑の炭素濃度は1.5質量%以上とするのが望ましい。一般的な製鋼用アーク炉においては、鉄スクラップを溶解した後、更に脱炭精錬する工程を有するが、本発明では生成される溶融鉄の炭素濃度が高い状態のまま電気炉から出湯する。
出湯時の電気炉出湯口での地金凝固や出湯後の低熱による溶銑鍋への地金付着などのトラブルを防止するために、出湯にあたり、出湯可能条件として溶銑の過熱度(スーパーヒート)を把握することが好ましい。即ち、当該チャージで溶解予定の鉄スクラップの全量が溶け落ちて溶銑が製造されたなら、炉内の溶銑の温度を測定し、溶銑の温度測定値と、出湯時の溶銑の予定化学成分から算出される液相線温度と、の差である過熱度が所定の範囲内にあることを確認することが好ましい。この場合に、出湯時の溶銑の予定化学成分から算出される液相線温度に替わって、溶銑から採取した分析試料の成分分析値から算出される液相線温度を用いることも可能である。溶銑の液相線温度は、例えば下記の(1)式で算出することができる。
T=1536-(78[C]+7.6[Si]+4.9[Mn]+34.4[P]+38[S]+4.7[Cu]+3.1[Ni]+1.3[Cr]+3.6[Al])…(1)
但し、(1)式において、TLは液相線温度、各元素記号は溶銑中の各成分の濃度(質量%)である。
尚、上述した「溶解予定の鉄スクラップの全量が溶け落ちた」状態とは、炉内に形成された溶銑の浴面上に未溶解の鉄スクラップが認められない状態を指し、溶銑浴面より下方に未溶解の鉄スクラップが沈んでいる場合も含む。
そして、過熱度(=測定温度−液相線温度)が目標とする温度範囲の場合は、そのまま出湯する。過熱度が目標とする温度範囲よりも高い場合にも、そのまま出湯するが、出湯中の受銑容器に炭材を添加して出湯中の溶銑を加炭することが好ましい。このようにすることにより、目標よりも過剰になった溶銑顕熱分を、受銑容器内での溶銑への浸炭熱として利用して、溶銑中の炭素濃度の増加を図る。尚、加炭用の炭材を炉内でなく受銑容器内に添加する理由は、受銑容器内の方が炭材の歩留りが良いからである。
一方、過熱度が目標とする温度範囲よりも低い場合には、酸素ガス供給量1Nm3/minあたりの炭材吹き込み速度を1.1kg/min以上として、酸素ガス吹き込みと炭材吹き込みとを同時に行いながら、つまり、溶銑中の炭素濃度の低下を抑えつつ、スラグフォーミングを促進させた状態でアーク加熱して所定温度範囲まで昇温し、昇温後に出湯することが好ましい。
本発明において、鉄スクラップを溶解する電気炉では、いわゆる精錬処理は行わないので、媒溶剤としては石灰などは用いず、いわゆる製鋼スラグ(転炉スラグ、脱硫スラグ)を再利用することが可能である。製鋼スラグは塩基度(質量%CaO/質量%SiO2)が3〜4程度と高いが、添加する炭材或いは冷鉄源から混入されるシリカ(%SiO2)によって塩基度は低下するので、炉内のスラグ設計はフォーミングも考慮して塩基度を1〜2に調整する。
特に、本発明では後述するように溶銑脱硫を行うので、いわゆる溶銑脱硫で生じる脱硫スラグを再使用するのが好適である。再使用される脱硫スラグ量は実施形態に伴い変化するが、脱硫スラグが十分存在する場合は脱硫スラグのみを使用してもよいし、脱硫スラグの量が十分でない場合は脱硫スラグと石灰、或いは脱燐スラグを混合することも可能である。電気炉に用いるスラグ原単位は、電気炉での脱硫量を勘案し20〜70kg/溶銑−t程度となる。
また、電気炉にて炭材添加により加炭しながら昇温・加熱する場合に、炭材として高炉プロセスで用いられるコークスの篩下や粉状の石炭などを用いるのが適当である。これらの炭材は、硫黄を0.1質量%以上(コークスの例でいえば0.5〜0.7質量%)含有しており、電気炉でこれらの炭材を使用することによって0.03〜0.05質量%程度の電気炉での溶銑の硫黄濃度増加を伴い、後工程の脱銅工程を容易とする。
本発明においては、電気炉から出湯される溶銑は、不純物を含めて鉄以外の元素の含有量が高く、通常はそのままでは転炉などで使用する溶銑には成り得ない。特に、溶銑中銅濃度は、使用する鉄スクラップの種類によって大きく変動する上に、転炉での脱炭工程では脱銅処理は困難となる。
そこで、電気炉で製造された溶銑或いはこの溶銑に高炉溶銑が合わせ湯された溶銑に対して脱銅処理を施す。尚、高炉溶銑を合わせ湯する理由は、銅を含めて不純物元素を希釈するためである。
溶銑の脱銅処理方法は、原理的に確認されている如何なる方法も取り得るが、例えば、本発明者らが提案した特願2009−6297に記載される、硫黄含有フラックス(Na2Sを主成分とするフラックス)による硫化脱銅方法が特に好ましい。これは、上記電気炉で製造される溶銑には、炭材や冷鉄源から持ち来される硫黄が多く含まれており、硫黄含有フラックスによる脱銅に好適な条件となっているからである。更に溶銑は、熱力学的には、炭素を含有していること(=溶銑中の銅の活量が高くなる)、溶鋼に比して温度が低いこと(=硫化脱銅平衡定数が大きい)も有利である。
このように、電気炉にて炭材添加による加炭をしながら鉄スクラップ溶解して製造された溶銑は、炭素及び硫黄を含み、鉄スクラップ由来の不純物成分である銅を精錬除去するのに好適な条件を有しており、低級鉄スクラップの再生利用を強力に進めるために有利なプロセスといえる。
溶銑の脱銅処理は、溶銑鍋(反応容器)内の溶銑に浸漬させたインジェクションランスまたは溶銑鍋の底部に設置した羽口から、攪拌用ガスを吹き込んで硫黄含有フラックスと溶銑とを撹拌する方法、溶銑に浸漬させたインジェクションランスまたは溶銑鍋の底部に設置した羽口から搬送用ガスとともに硫黄含有フラックスを吹き込む方法、溶銑に浸漬させたインペラを回転させて溶銑と硫黄含有フラックスとを撹拌する方法、受銑する前に溶銑鍋内に硫黄含有フラックスを前置きして落下する溶銑流の勢いで撹拌する方法などを採り得るが、本発明においては、良好な撹拌が得られることから、インペラによる機械撹拌方法、つまり機械攪拌式精練装置を用いて脱銅処理を行うことが好ましい。
硫黄含有フラックスとしては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫化物を主成分とするものが好適である。硫黄含有フラックス中の硫黄含有量を高めるためにFeS(硫化鉄)を混合してもよい。特に好適なのは、Na2Sを主成分とするフラックスである。Na2Sを主成分とするフラックスの場合、Na源として工業的に広く利用されているNa2CO3(ソーダ灰)を使用し、硫黄源として鉄−硫黄合金(フェロサルファー)を使用すれば、コスト面で有利である。
脱銅処理後の溶銑中銅濃度は、製造しようとする鋼材製品の銅の規格値を満足するように設定すればよい。脱銅後に高炉溶銑を混合する場合は、高炉溶銑の混合量を勘案して脱銅処理後の溶銑中銅濃度を設定し、高炉溶銑を合わせ湯した後の溶銑に脱銅処理する場合は、脱銅処理後の溶銑中銅濃度が鋼材製品の銅規格値を満足するように設定する。そのために、電気炉で製造される溶銑について、銅成分についての分析を行うことが好ましい。
また、本発明においては、銅を含めて不純物元素を希釈するために、前述したように、電気炉にて製造された溶銑と、高炉溶銑とを合わせ湯する工程を設けるとともに、溶銑の化学組成を確認するために成分分析を行う。合わせ湯は、不純物元素を希釈することを目的として行う工程であり、この目的を達成するためには、電気炉で製造された溶銑と高炉溶銑との混合比率を的確に制御する必要があり、従って、電気炉からの溶銑及び高炉溶銑の双方の化学成分をそれぞれ分析することが好ましい。合わせ湯後の溶銑の化学成分は、双方の溶銑の分析値と混合比率とで求めることができるが、合わせ湯後の溶銑を分析することもできる。分析する成分は、炭素、珪素、マンガン、燐、硫黄が一般であり、硫黄については、その分析結果に基づいて合わせ湯後の溶銑の脱硫処理時間や添加フラックス量を決定するので、特に、重要である。また、電気炉にて製造された溶銑については、これ以降の酸化精錬工程においては酸化除去が困難である、銅、ニッケル、クロム、錫、アンチモン、砒素の6元素についても、分析を行うことが好ましい。
特に、銅或いは錫は、薄鋼板製品等々、製造する製品によっては厳しく制約する必要があるので、その場合は、電気炉にて製造された溶銑及び高炉溶銑の成分分析値に基づいて、製造しようとする製品鋼材の不純物元素規格値、或いは合金元素含有量規格値を満足するように、合わせ湯比率を調整することが好ましい。
本発明では、鉄スクラップを鉄源として、自動車用鋼板、ブリキ材などの高級鋼を製造することが目的であるので、特に、銅濃度<0.10質量%、錫濃度<0.05質量%、砒素濃度<0.02質量%、アンチモン濃度<0.02質量%、クロム濃度<0.10質量%、ニッケル濃度<0.05質量%などの条件を満足するように合わせ湯比率を調整し制御する。尚、クロム及びニッケルに関しては、厚板材においては材料設計に使用する場合があり、その場合は必ずしも上記の制約に限定されない。
本発明においては、脱銅処理された後に高炉溶銑が合わせ湯された溶銑、或いは高炉溶銑が合わせ湯された後に脱銅処理された溶銑に対して、脱硫処理を行う。脱硫処理は既に実用化されている各種の脱硫処理が適用可能である。特に、脱硫剤として生石灰を使用し、回転するインペラで溶銑と脱硫剤とを機械撹拌する、いわゆる機械撹拌式脱硫装置で脱硫処理することが好適である。
脱硫処理時の溶銑温度としては1200℃以上が必要であり、可能ならば1250℃以上が望ましい。溶銑温度の上限は、脱硫処理では定める必要はないが、電気炉のエネルギー効率上から溶銑温度は高すぎないことが望まれ、且つ、次工程の脱燐処理を考えると脱燐処理では1400℃以下となることが望ましく、従って、溶湯搬送時の温度効果を考えても合わせ湯後の溶銑温度を1200℃以上1500℃以下とすることが好ましい。
脱硫処理により溶銑を所定の硫黄濃度(通常はS=0.003〜0.010質量%程度)まで脱硫した後、更に、必要に応じて溶銑に対して脱燐処理を行う。脱燐処理を行う処理容器は特に規定するものではないが、一般には転炉を利用するのが好適である。具体的には、転炉に装入した合わせ湯後の溶銑に、酸素ガス或いは鉄鉱石などの酸化鉄を添加して溶銑中の燐を酸化させ、酸化した燐(P25)を溶銑に添加したCaO系精錬剤に吸収させるという方法で、溶銑に対して脱燐処理を行うことができる。
鉄スクラップの燐含有量は高炉溶銑に比較して低いことから、合わせ湯後の溶銑の燐濃度は高炉溶銑に比べて低くなるが、脱燐処理により溶銑中燐濃度を低下させることにより、その後の転炉での脱炭精錬ではスラグを極少化でき、精錬コストが安価になる。特に、高級鋼の一部で要求される極低燐・極低硫の成分の高級鋼を溶製する場合にはこの方法が必要となる。
以上説明したように、本発明によれば、鉄以外の元素の含有量が多い、或いはその含有量が不明な鉄スクラップを使用しても、目標組成の銑鉄が製造でき、結果として、これらの原料を一部使用しても高級鋼を製造することが実現される。
図3に示すような、溶解室2と予熱シャフト3とが直結した直流式アーク溶解設備1(特許第3114713号に示されるアーク溶解設備と同一形式)の溶解炉内及び予熱シャフト内に、鉄スクラップ150トンを装入し、溶解室2にて直径28インチの黒鉛電極5により、最大600V、100kAの電源容量で、炉底電極6との間でアークを形成し、鉄スクラップ9を溶解した。
炉蓋を貫通させて水冷ランス7を挿入し、水冷ランス7から9000Nm3/hrの流量で酸素ガスを供給した。炉内に溶融鉄が溜まってきた時点で、水冷ランス7から、酸素ガスとともに更に120〜150kg/minでコークスをスラグ中に吹き込んでスラグフォーミング操業に移行し、その後、更にコークス供給速度を220〜260kg/minまで増量した。このスラグフォーミング操業により、黒鉛電極5の先端をフォーミングスラグ中に埋没させた。この時の電圧は400Vに設定した。
予熱シャフト3の鉄スクラップ9が、溶解室2での鉄スクラップ9の溶解に伴って下降したら、予熱シャフト3の上部に配置した装入バスケット4から鉄スクラップ9を予熱シャフト3の内部に供給し、予熱シャフト内の鉄スクラップの高さをほぼ一定の高さに保持した。溶解室内の溶銑8の炭素濃度はスラグフォーミング以降、徐々に増加し、最終的には炭素濃度=1.5〜2.5質量%まで増加した。
溶解室内及び予熱シャフト内に連続して鉄スクラップが存在する状態で溶解を進行させ、十分に溶銑8が生成した段階で、溶解室2を出湯部側に15度傾動させ、溶銑8と鉄スクラップ9の接触面積を低減させて溶銑8に過熱度をもたせ、溶解室内にトータルで240トンの溶銑が生成した段階で、更に溶解室を傾動させ、60トンを炉内に残し、1チャージ分の180トンの溶銑を出湯口から溶銑鍋に出湯した。出湯時の溶銑の温度は1475℃であった。
180トンの溶銑を出湯後、溶解室を元に戻し、改めて予熱シャフト内の鉄スクラップを溶解室に供給し、上記と同様の操業を繰り返し実施した。
その結果、平均して、出湯から出湯までの時間が約55分間で180トンの溶銑が得られた。また、酸素ガス供給量が33Nm3/溶銑−t、コークス原単位(操業中の総量)が53kg/溶銑−tで、175kWh/溶銑−tの電力原単位が得られた。
出銑した約180トンの溶銑に対し、硫黄含有フラックスによる硫化脱銅処理を行った。溶銑鍋内の溶銑に浸漬させたインペラで溶銑を機械攪拌しながら、硫黄含有フラックスを取鍋上から上置き添加した。硫黄含有フラックスとしてFeS−Na2Sを主成分とするフラックスを用い、溶銑トンあたり50kg添加した。10分間の脱銅処理時間で、溶銑中の銅濃度は0.30質量%から0.16質量%に低下した。
脱銅処理後の溶銑と、高炉より出銑された約180トンの溶銑とを合わせ湯し、その後、溶銑からサンプルを採取し分析した。分析成分は、炭素、珪素、マンガン、燐、硫黄、銅である。溶銑の銅濃度は合わせ湯により0.09質量%となり、その後の薄鋼板製品の製造上問題ないことを確認した。また、硫黄の分析結果により、その後の機械撹拌式脱硫装置における脱硫処理時間を調整した。
機械撹拌式脱硫装置では、インペラの回転数を120〜140rpmとし、溶銑の硫黄濃度>0.03質量%の条件では脱硫時間を18分、溶銑の硫黄濃度≦0.03質量%の条件では処理時間を15分一律とし、脱硫剤として生石灰を添加し脱硫処理を行った。2チャージ目以降では生成した脱硫スラグを一旦排出した後に、排出したノロ鍋から溶銑鍋へ戻すことにより、リサイクルを行った。
その結果、脱硫処理終了後の溶銑中硫黄濃度は0.003〜0.006質量%、使用した生石灰量は5.0〜10.0kg/溶銑−tであった。尚、機械撹拌式脱硫装置の脱硫処理において、石灰の利用効率を上げる方法として、特開2005−179690号公報に示される上吹きランスを通して生石灰を投射する方法が有効である。
脱硫処理後、溶銑鍋内の溶銑を転炉型の脱燐炉へ装入し、所定の脱燐処理を行った。脱燐炉では上吹きランスから、酸素ガスを1.5〜3.5Nm3/(min・溶銑−t)、底吹き羽口から不活性ガスを0.15〜0.3Nm3/(min・溶銑−t)吹き込むと同時に、上吹きランスの火点に生石灰を供給し、脱燐処理を行った。装入時の溶銑温度は1300〜1400℃であり、温度が高い場合は脱燐炉においても鉄スクラップを数%配合した。脱燐処理終了後の溶銑中燐濃度は0.005〜0.010質量%であった。
この溶銑を転炉で脱炭精錬し、出鋼後、更に、RH真空脱ガス装置で真空脱炭精錬して、薄鋼板用の極低炭素用溶鋼を製造し、その後、スラブ連続鋳造機でスラブ鋳片に鋳造した。
図4に示すような、溶解室2を有する一般的な直流式アーク溶解設備1Aにおいて、炉蓋を開口して60トンの高炉溶銑を溶解室2に装入した後に、鉄スクラップ9を供給し、黒鉛電極5と炉底電極6との間でアークを発生させ、アーク熱により鉄スクラップ9を溶解した。炉側壁に設けた作業口より、水冷ランス7を挿入し、酸素ガス供給速度を9000Nm3/hrの流量として、コークスを当初120〜150kg/minとし、スラグフォーミング操業後は180〜200kg/minまで増量して溶解した。
その結果、平均して、出湯から出湯までの時間が約60分間で180トンの溶銑8が得られた。また、酸素ガス供給量が35Nm3/溶銑−t、コークス原単位(操業中の総量)が46kg/溶銑−tで、275kWh/溶銑−tの電力原単位が得られた。尚、実施例2においては、溶解室内の溶銑8を全量排出し、高炉溶銑を新たに溶解室2に装入することによって操業を継続した。
また、鉄スクラップの溶け落ち後、炉内溶銑の温度を測定し、出湯時の溶銑の予定化学成分から算出される液相線温度から過熱度を求め、過熱度が所定の範囲内の場合には、そのまま出湯を行った。過熱度が所定の範囲内よりも高い場合には、そのまま出湯を行うものの、出湯中の溶銑鍋にコークスを添加した。一方、過熱度が所定の範囲よりも低い場合には、酸素ガス供給量1Nm3/minあたりの炭材吹き込み速度を1.1kg/min以上として、酸素ガス吹き込みと炭材吹き込みとを同時に行いながらアーク加熱して所定温度範囲まで昇温し、その後出湯した。
出銑後の溶銑に対して、実施例1と同様に硫化脱銅処理を行った。10分間の脱銅処理時間で、溶銑中の銅濃度は0.20質量%から0.12質量%に低下した。
脱銅処理後に、当該溶銑を用いて製造しようとする製品鋼材の銅濃度上限値0.05質量%を満足するように、脱銅後の溶銑と高炉より出銑した溶銑とを、およそ3:7の配合比率で合わせ湯した。その結果、合わせ湯後の溶銑中の銅濃度は0.04質量%となり、高級鋼としての鋼材製造上問題ないことを確認した。
また、合わせ湯後の溶銑の硫黄分析結果に応じて、実施例1と同様に脱硫処理を行った。その後の脱燐処理、転炉脱炭工程についても、実施例1と同様に実施した。
図3に示すような直流式アーク溶解設備1において、実施例1と同様に鉄スクラップを溶解し、出銑した溶銑の成分分析を行い、高炉から供給される溶銑とを合わせ湯し、合わせ湯後の溶銑に脱銅処理及び脱硫処理を行った。
アーク溶解設備においては、炉内に残留させた溶銑上に3.5トンのコークスを装入し、このコークスの上に予熱シャフト内の鉄スクラップを供給した後、アーク溶解する操業を行った。炉内の鉄スクラップの溶解が進んだら、酸素ガス供給とコークス吹き込みとを行いながらスラグフォーミング操業を行って溶解を継続し、溶銑が生成したら溶解室を再び傾動させて溶銑に過熱度をもたせ、再度溶解室内の溶銑量が240トンになったら測温を行い、所定の過熱温度であることを確認して180トン出湯することを繰り返し実施した。
その結果、平均して、出湯から出湯までの時間が約49分間で180トンの溶銑が得られた。また、酸素ガス供給量が20Nm3/溶銑−t、コークス原単位(操業中の総量)が51kg/溶銑−tで、159kWh/溶銑−tの電力原単位が得られた。
鉄スクラップ溶解後の溶銑中の硫黄濃度及び銅濃度は、それぞれ0.04質量%及び0.40質量%であった。この分析値に基づき、後段の脱銅及び脱硫工程に好適なように、鉄スクラップ溶解後の溶銑と高炉より出銑した溶銑とを1:3の配合比率で合わせ湯した。その結果、合わせ湯後の溶銑中の硫黄濃度及び銅濃度は、それぞれ0.01質量%及び0.11質量%となった。
合わせ湯後の溶銑に対して、実施例1と同様に、硫黄含有フラックスによる硫化脱銅処理を行った後、溶銑からサンプルを採取して分析した。分析成分は、炭素、珪素、マンガン、燐、硫黄、銅である。10分間の脱銅処理時間で、溶銑中の銅濃度は0.10質量%から0.06質量%に低下した。また、硫黄の分析結果により、その後の機械撹拌式脱硫装置における脱硫処理時間を調整した。
脱銅後の溶銑に対して実施例1と同様に脱硫処理を行った。使用した生石灰量は12kg/溶銑−tであり、脱硫時間18分で処理終了後の硫黄濃度は0.005質量%であった。
脱硫処理後の脱燐処理、転炉脱炭工程、二次精錬工程についても実施例1と同様に実施し、薄鋼板用の極低炭素用溶鋼の製造が可能なことを確認した。
1 直流式アーク溶解設備
1A 直流式アーク溶解設備
2 溶解室
3 予熱シャフト
4 装入バスケット
5 黒鉛電極
6 炉底電極
7 水冷ランス
8 溶銑
9 鉄スクラップ

Claims (14)

  1. 鉄スクラップを鉄源として用いて炭素を含有する溶銑を電気炉にて製造する工程と、その後、該溶銑に対して脱銅処理を行う工程と、脱銅された溶銑と高炉にて製造された溶銑とを混合する工程と、混合した後の溶銑に対して脱硫処理を行う工程と、を有することを特徴とする、溶銑の製造方法。
  2. 鉄スクラップを鉄源として用いて炭素を含有する溶銑を電気炉にて製造する工程と、その後、該溶銑と高炉にて製造された溶銑とを混合する工程と、混合した後の溶銑に対して脱銅処理を行う工程と、脱銅された溶銑に対して脱硫処理を行う工程と、を有することを特徴とする、溶銑の製造方法。
  3. 前記脱硫処理後に、溶銑に対して更に脱燐処理を行う工程を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の溶銑の製造方法。
  4. 前記脱銅処理を、硫黄含有フラックスを用いて行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の溶銑の製造方法。
  5. 前記脱銅処理を機械攪拌式精練装置で行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の溶銑の製造方法。
  6. 電気炉にて製造される溶銑の炭素濃度は1.5質量%以上であることを特徴とする、請求項1ないし請求項5の何れか1つに記載の溶銑の製造方法。
  7. 前記脱硫処理に施される溶銑の硫黄濃度を分析し、該分析値に基づいて前記脱硫処理の処理時間を設定することを特徴とする、請求項1ないし請求項6の何れか1つに記載の溶銑の製造方法。
  8. 電気炉から出湯後の溶銑の化学成分のうち、銅、ニッケル、クロム、錫、アンチモン、砒素のなかの少なくとも1種を分析し、製造予定の鋼種に応じて許容される化学成分範囲に収まるように、高炉にて製造された溶銑の混合量を設定することを特徴とする、請求項1ないし請求項7の何れか1つに記載の溶銑の製造方法。
  9. 前記電気炉としてアーク炉を使用し、該アーク炉にて溶銑を製造する工程において、当該チャージで溶解予定の鉄スクラップの炭素濃度を1.5質量%以上増加させるに相当する質量の炭材を、前チャージの出湯後から当該チャージの出湯までの間に炉内に添加することを特徴とする、請求項1ないし請求項8の何れか1つに記載の溶銑の製造方法。
  10. 前記アーク炉にて溶銑を製造する工程において、前チャージで製造した溶銑の一部を炉内に残留させ、残留させた溶銑の上に、当該チャージで溶解予定の鉄スクラップの炭素濃度を1.5質量%以上増加させるに相当する質量の炭材のうちの少なくとも一部を装入し、該炭材の上に鉄スクラップを装入し、炭材の上に装入した鉄スクラップをアーク熱で溶解することを特徴とする、請求項9に記載の溶銑の製造方法。
  11. 前記アーク炉にて溶銑を製造する工程において、当該チャージで溶解予定の鉄スクラップの全量が溶け落ちて溶銑が製造されたなら、該溶銑の温度を測定し、溶銑の温度測定値と、出湯時の溶銑の予定化学成分から算出される液相線温度と、の差である過熱度が所定の範囲内にあることを出湯可能条件とすることを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の溶銑の製造方法。
  12. 前記アーク炉にて溶銑を製造する工程において、当該チャージで溶解予定の鉄スクラップの全量が溶け落ちて溶銑が製造されたなら、該溶銑の温度を測定するともに溶銑から分析試料を採取し、溶銑の温度測定値と、分析試料の成分分析値から算出される液相線温度と、の差である過熱度が所定の範囲内にあることを出湯可能条件とすることを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の溶銑の製造方法。
  13. 前記過熱度が所定の範囲よりも低い場合には、酸素ガス供給量1Nm3/minあたりの炭材吹き込み速度を1.1kg/min以上として、酸素ガス吹き込みと炭材吹き込みとを同時に行いながらアーク加熱して所定温度範囲まで昇温し、一方、前記過熱度が所定の範囲内の場合には、そのまま出湯のみを行い、前記過熱度が所定の範囲よりも高い場合には、そのまま出湯を行い且つ出湯中の受銑容器に炭材を添加することを特徴とする、請求項11または請求項12に記載の溶銑の製造方法。
  14. 前記混合した後の溶銑は、温度が1200℃〜1500℃であることを特徴とする、請求項1ないし請求項13の何れか1つに記載の溶銑の製造方法。
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