JPH09165613A - スクラップの溶解方法 - Google Patents

スクラップの溶解方法

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JPH09165613A
JPH09165613A JP32448695A JP32448695A JPH09165613A JP H09165613 A JPH09165613 A JP H09165613A JP 32448695 A JP32448695 A JP 32448695A JP 32448695 A JP32448695 A JP 32448695A JP H09165613 A JPH09165613 A JP H09165613A
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molten slag
slag layer
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molten
melting
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JP32448695A
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Shinya Kitamura
信也 北村
Yuji Ogawa
雄司 小川
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炭材の燃焼エネルギ−を主な熱源として鉄スク
ラップを溶解するに際して、炭材中の炭素の溶鉄への溶
解を抑制し、炭素含有量の少ない溶鋼を得る方法を提供
する。 【解決手段】溶解炉内の溶融スラグ層に炭材を懸濁さ
せ、上吹き又は横吹き酸素ガスで炭材を燃焼発熱させて
スクラップの溶解を行うに際して、溶融スラグ層にスラ
グに対する重量比で5〜30%の炭素が存在するように
炭材の供給速度を調節し、かつ溶融スラグ層下面から溶
融スラグ層の厚みの0.35〜0.65倍に相当する位
置に羽口を設けて溶融スラグ層内にガスを吹込むことに
より溶融スラグ層の上部のみを選択的に撹拌すると共
に、溶融スラグ層下部に電極棒を配して通電加熱するこ
とにより炭素濃度1%以下の溶鋼を得るスクラップの溶
解方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭材の燃焼エネル
ギ−を主な熱源として鉄スクラップ(以下単にスクラッ
プという)を溶解するに際して、炭材中の炭素の溶鉄へ
の溶解を抑制し、炭素含有量の少ない溶鋼を得る方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】スクラップは通常電気炉で溶解される
が、多量の電力を必要とし電力コストが大きいため、エ
ネルギ−コストの小さい炭材の燃焼エネルギ−を如何に
有効に利用し、電気エネルギ−の使用比率を下げるかが
課題である。
【0003】近年、わが国においてもスクラップの発生
量が著しく増加し、鉄鋼生産のうちスクラップを原料と
するものの比率が増加してきており、より経済的で生産
性の高い溶解方法の開発が望まれている。
【0004】電気エネルギ−によらないでスクラップを
溶解する方法として、例えば転炉型の反応容器を用い
て、炭材を鉄浴の内部に供給しつつ鉄浴上部から酸素ガ
スを吹き付けて、酸素ガスによる鉄浴中の炭素の燃焼熱
でスクラップを溶解する方法が試みられている。この溶
解方法においては、反応容器内の少量の鉄浴に上方から
スクラップを逐次供給して溶解し、鉄浴が所定の量にな
ってから出湯するが、出湯の際に一部の溶鉄を炉内に残
留させる、いわゆる残し湯方式がとられることが多い。
【0005】残し湯方式の溶解方法においては、鉄浴が
冷却されて固化しないように、鉄浴中の炭素濃度を少な
くとも3%程度以上に保つ必要があり、所定の炭素濃度
の溶鋼を得るためには、別途に脱炭反応を行わせる炉が
必要となる。
【0006】一方、炭材の燃焼エネルギ−を有効に利用
するためには、溶解炉内での二次燃焼率(排ガス中の((%
CO2)/((%CO)+(%CO2))×100(%))を高める必要があること
は、すでによく知られているところである。
【0007】スクラップ溶解炉で二次燃焼率を高める方
法としては、例えば特開平2−141511号公報に開
示されているように、鉄浴の上部に所定量(例えば溶鉄
トン当り350kg以上)の溶融スラグを置き、溶融スラグ層
内に多量の炭材を懸濁させて、上吹き酸素ガスで燃焼さ
せる方法がある。
【0008】この溶解方法では、溶融スラグ層内で発生
した炭材の燃焼熱を下方の鉄浴に伝達してスクラップの
溶解に有効に利用するため、鉄浴又は溶融スラグ層にガ
スを吹き込んで撹拌することが必要不可欠である。この
場合、溶融スラグ層内に懸濁した多量の炭材は溶鉄と接
触して、炭材中の炭素は溶鉄に溶解し、通常は炭素飽和
状態の溶鉄が得られる。したがって、この場合も所定の
炭素濃度の溶鋼を得るためには、別途に脱炭反応を行わ
せる炉が必要となる。
【0009】一般に高い生産性をもって高炭素の溶鉄の
脱炭を行うには、製鋼用転炉に相当する設備が必要であ
る。したがって、炭材の燃焼エネルギ−を主な熱源とし
てスクラップを溶解し所定の炭素濃度の溶鋼を得るため
には、スクラップ溶解炉の他に転炉設備を必要とし、各
々炉体関連設備の他に酸素供給設備や排ガス処理設備が
必要となって、多大な設備コストの負担が生ずるという
問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
って、その目的とするところは、炭材の燃焼エネルギ−
を主な熱源としてスクラップを溶解するに際して、炭材
中の炭素の溶鉄への溶解を抑制し、炭素含有量の少ない
溶鋼を得るスクラップの溶解方法を提供することにあ
る。
【0011】またこれに加えて、無煙炭粉その他の安価
な炭材を用い、かつ溶解炉内における二次燃焼率を高め
て炭材の燃焼エネルギ−の利用効率を増大させることに
より、エネルギ−コストの低い鉄スクラップの溶解方法
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、ス
クラップ溶解炉において炭素濃度が1%以下の溶鋼を得
ることができれば、二次精錬炉における軽度の脱炭処理
により容易に所定の炭素濃度の溶鋼を得ることができる
ことから、炭材の燃焼エネルギ−を主な熱源とするスク
ラップ溶解において炭素濃度が1%以下の溶鋼を得る手
段について種々の検討を行った。本発明はこれらの検討
結果に基づくものであって、その要旨とするところは、 (1) 溶解炉の底部に溶鋼層とその隣接する上部に溶融ス
ラグ層を形成させた状態で溶融スラグ層内に炭材と酸素
含有ガスを供給して炭材を燃焼発熱させながら溶解炉の
上部から供給されたスクラップの溶解を行うに際して、
該溶融スラグ層に溶融スラグに対する重量比で5〜30
%の炭材が存在するように炭材の供給速度を調節し、か
つ溶融スラグ層下面からの高さが溶融スラグ層厚さの
0.35〜0.65倍に相当する位置に少なくとも一つ
以上の羽口を設けて、溶融スラグ層内にガスを吹込むこ
とにより溶融スラグ層の上部のみを選択的に撹拌すると
共に、通電加熱用の電極棒を該電極棒の下端の溶融スラ
グ層下面からの高さが溶融スラグ層厚さの0.1〜0.
3倍に相当する位置に配して、溶融スラグ層下部に熱を
補給しながらスクラップの溶解を行い、炭素濃度が1%
以下の溶鋼を得ることを特徴とするスクラップの溶解方
法である。
【0013】(2) 粉状の炭材を有効に利用する方法とし
て、溶融スラグ層下面からの高さが溶融スラグ層厚さの
0.35〜0.65倍に相当する位置に羽口を少なくと
も一つ以上設けて、該羽口から溶融スラグ層中に炭材と
酸素含有ガスとを供給すると共に、該位置に前記羽口と
は別の羽口を少なくとも一つ以上設けて、これら別の羽
口から溶融スラグ層中に炭材と不活性ガスとを供給する
ことを特徴とする前項(1)記載のスクラップの溶解方法
である。
【0014】(3) また溶鋼層に相当する高さ位置の溶解
炉壁面部又は底面部にチャンネル型誘導加熱装置を配し
て溶鋼に熱を供給することを特徴とする前項(1)又は(2)
記載のスクラップの溶解方法である。
【0015】(4) さらに通電加熱用の電極棒及びチャン
ネル型誘導加熱装置に投入される電気エネルギ−の供給
速度E(j/h)と溶解炉内で炭材の燃焼により発生する
熱エネルギ−の供給速度C(j/h)に関して、E/(E
+C)≧0.2の関係を満たしながら溶解を行うことを
特徴とする前項(1)から(3)までに記載のスクラップの溶
解方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に本発明を実施するためのス
クラップ溶解装置の例を示す。溶解炉炉体1は耐火物7
で内張りされ、炉内には底部に溶鋼層2とその上部に十
分な高さの溶融スラグ層3が形成されている。炉体側面
にはガス又はガスと炭材を吹き込むための羽口4a,4
bとその下方に電極棒挿入孔が設けられ、通電加熱用の
電極棒5が溶融スラグ層内に挿入されている。また必要
な場合は、炉の上部より上吹きランス6が炉内に挿入さ
れる。
【0017】炭材は所定の供給速度で炉の上部より投入
され又は羽口4a,4bから溶融スラグ層に吹き込まれ
て、上吹きランス6又は/及び羽口4a,4bより供給
される酸素含有ガスにより燃焼する。スクラップは炉の
上部から所定の供給速度で連続的又は間歇的に投入さ
れ、炭材の燃焼熱及び電極棒によるア−ク加熱又は抵抗
加熱により、逐次加熱溶解される。本発明の溶解方法に
おいては、十分な高さを持った溶融スラグ層の内部に多
量の炭材を懸濁させ、これに酸素含有ガスを吹き付けて
燃焼させることにより、二次燃焼率を例えば50%以上
の高い値とすることができる。
【0018】この燃焼熱をスクラップの溶解に有効に利
用するためには、ある程度まで溶融スラグ層を撹拌する
ことが必要である。一方、過度に撹拌すると溶融スラグ
層内に懸濁している炭材が溶鋼と接触して溶解し、炭素
濃度1%以下の溶鋼を直接得ることができない。このよ
うな伝熱の促進と炭材の溶解抑制という二つの相反する
目的を同時に満たすために、溶融スラグ層内に懸濁して
いる炭材の量を調節し、かつガスを吹き込む羽口4a,
4bの位置を適正に設定して溶融スラグ層の上部のみを
選択的に撹拌することが必要である。
【0019】まず、溶融スラグ層内に懸濁している炭材
の量は、溶融スラグに対する重量比(以下「炭材重量比」
という)で5〜30%の範囲内にしなければならない。
炭材重量比の下限を5%とするのは、これ以下では酸素
含有ガスと炭材の接触が不十分となり未反応の酸素が生
ずることのほか、伝熱媒体として寄与する炭材の量が少
なく伝熱面でも不利になるためである。
【0020】また、炭材重量比の上限を30%とするの
は、これ以上ではガスを吹き込む羽口4a,4bの位置
を適正に選択しても炭材と溶鋼の接触が避けられず、炭
素濃度1%以下の溶鋼を得ることが困難なためである。
【0021】次に、ガスを吹き込む羽口4a,4bの溶
融スラグ層下面からの高さ(以下「羽口高さ」という)は、
溶融スラグ層厚さの0.35〜0.65倍の範囲内にし
なければならない。羽口高さの上限を溶融スラグ層厚さ
の0.65倍とするのは、これ以上では吹き込んだガス
の吹き抜けが起こり易く、ガスによる溶融スラグの撹拌
の効率が悪くなるためである。
【0022】また、羽口高さの下限を溶融スラグ層厚さ
の0.35倍とするのは、これ以下では溶融スラグ層の
上部のみを選択的に撹拌することが困難になり、炭材と
溶鋼の接触が避けられず、炭素濃度1%以下の溶鋼を得
ることが困難になるためである。
【0023】これらの手段により、伝熱の促進と炭材の
溶解抑制という二つの目的をある程度まで同時に達成で
きるが、実施例に示すような実験的検討から、炭材の燃
焼熱だけでは溶融スラグ層下部及び溶鋼層への熱の供給
が十分でないことが明らかになった。そのため本発明の
溶解方法においては、補助的な熱源として溶融スラグ層
下部に電極棒5を挿入して通電加熱を行う。
【0024】通電加熱の方法としては、黒鉛電極やプラ
ズマト−チを用いる方法があるが、前者の方が設備コス
トや熱効率の面から有利である。黒鉛電極を用いる場合
には、直流、交流のア−ク加熱の他、スラグの電気抵抗
を利用した抵抗加熱も可能である。また、一対の黒鉛電
極を両極として使用する方法及び溶鋼層内に炉底電極を
設けて対極とする方法共に適用可能である。
【0025】通電加熱を行う場合、溶融スラグ層内にお
ける電極棒下端の位置が問題で、電極棒下端の溶融スラ
グ層下面からの高さは溶融スラグ層厚さの0.1〜0.
3倍の範囲内とする必要がある。下端の高さの下限を溶
融スラグ層厚さの0.1倍とするのは、これ以下では溶
鋼層高さの変動により電極棒が溶鋼中に浸漬する危険が
あり、また下端の高さの上限を溶融スラグ層厚さの0.
3倍とするのは、これ以上では通電加熱により発生する
熱の溶鋼層への伝達が不十分となるためである。
【0026】なお、黒鉛電極棒の消耗に対処するため、
炉体側面に設けた電極棒挿入孔と電極棒との間隙をシ−
ルしつつ、電極棒を前進後退可能な構造にすることが望
ましい。また、電極棒を斜め下方に挿入すれば、電極棒
の前進後退によりある程度の範囲で電極棒下端と溶鋼層
表面との間隔を調整することが可能である。
【0027】本発明の溶解法では、当初溶鋼量が比較的
少ない状態でスクラップの供給を開始し、溶鋼量が所定
の値まで増加したところで、出鋼孔8を開口して溶鋼の
一部を排出し、当初の溶鋼量のレベルから次回の溶解を
開始する。この間溶鋼層表面の高さの変動を小さくする
ために、炉底部の大きい炉体構造、例えば、図1に示す
ようないわゆるサイフォン型の炉底部構造にすることも
有効である。
【0028】本発明の溶解方法においては、安価な炭材
例えば微粉炭(とくに粉状の無煙炭)を使用することが重
要である。一般に、粉状の炭材を炉の上部から投入する
と排ガスの上昇気流に同伴されて炉外に飛散する。その
ため、前記ガス吹き込み羽口と同じ高さ位置の範囲で、
炉体側面に炭材と酸素含有ガスとを供給する少なくとも
一つ以上の羽口4aと、炭材と不活性ガスとを供給する
少なくとも一つ以上の別の羽口4bを設けることが有効
である。
【0029】炭材と酸素含有ガスとを供給する羽口を設
ける理由は、吹き込んだ粉状の炭材を溶融スラグ層の内
部で燃焼させ、その燃焼熱を熱効率良く溶融スラグに伝
達するためである。また、これと併せて炭材と不活性ガ
スとを供給する少なくとも一つ以上の別の羽口を設ける
理由は、粉状の炭材を酸素含有ガスで燃焼させる羽口の
みでは、溶融スラグ層内に懸濁している炭材の量を調節
することが難しいためである。
【0030】すなわち、溶融スラグ層内に存在する炭材
の量を、スラグをサンプリングして計測するか或いは炭
素収支等から推定して、これら別の羽口からの炭材の供
給速度を調節することにより、炭材重量比を5〜30%
の範囲内に調節することが可能になる。
【0031】また、本発明の溶解方法においては、溶鋼
層の温度をその融点以上例えば1500〜1550℃以
上に維持する必要があり、前記の炭材の燃焼熱や電極棒
による通電加熱の熱量では溶鋼温度を十分高く維持でき
ない場合がある。そのため、図1に示すように、溶鋼層
に相当する高さ位置の溶解炉壁面部又は底面部にチャン
ネル型誘導加熱装置9を配して溶鋼に熱を供給すること
も有効である。
【0032】チャンネル型誘導加熱装置9は、例えば断
面が溝型の炉外に突出した耐火物製の溶鋼の還流路を設
け、該還流路の外周に誘導加熱用コイルを配して、還流
路内の溶鋼を加熱するものである。このように、チャン
ネル型誘導加熱装置9を設置することにより溶鋼層の温
度が均一になり、より安定なスクラップの溶解が可能に
なる。
【0033】さらに、本発明の溶解方法においては、通
電加熱及び誘導加熱により供給される熱量が少な過ぎる
場合、必然的に炭材の燃焼熱を増大させざるを得なくな
り、溶融スラグ層の上部が過熱されて炉壁耐火物への悪
影響が大きい。そのため、通電加熱用の電極棒及びチャ
ンネル型誘導加熱装置に投入される電気エネルギ−の供
給速度E(j/h)と溶解炉内で炭材の燃焼により発生
する熱エネルギ−の供給速度C(j/h)に関して、E/
(E+C)≧0.2の関係を満たしながら溶解を行うこ
とが望ましい。
【0034】
【実施例】容量7tonの試験転炉を改造し、炉底部にチ
ャンネル型誘導加熱装置と炉腹下部に通電加熱用黒鉛電
極を取付けて、本発明のスクラップ溶解法に関する試験
を行った。スクラップ溶解中の溶鋼層高さの変動を小さ
くするため、種湯溶鋼量を約3tonとし、これに1.0
〜1.5tonのスクラップを供給して溶解を行った。溶
解前後の溶鋼層高さの変動はほぼ10cm以内である。種
湯装入後CaO及びSiO2を主成分とする造滓材2〜3tonを
炉内に投入して溶解し、溶融スラグ層を形成させた。溶
解中のスラグがフォ−ミングしている状態で、溶融スラ
グ層厚さが約1.5mになるように造滓材の投入量を調
節した。
【0035】ガス吹き込み羽口の位置は、羽口の溶融ス
ラグ層下面からの高さをH、溶融スラグ層の厚さをH0
として、H/H0=0.2〜0.7の範囲で変更して、
溶融スラグ層内にN2ガスを吹き込んだ。所定の高さの
溶融スラグ層が形成されたところで、上吹きランスによ
る吹酸と炭材の投入を開始し、同時にスクラップを炉の
上部から所定の供給速度で半連続的に炉内に投入して溶
解を行った。炭材としては塊コ−クス又は塊状の無煙炭
を炉の上部から供給した。溶解中に溶鋼の温度が所定の
値、例えば1520〜1570℃になるように、誘導加熱装置及
び通電加熱用電極への投入電力を調整した。主な操業条
件は下記のとおりである。
【0036】 スクラップの供給速度 5〜15ton/hr 酸素ガス供給速度 500〜1500Nm3/hr 炭材供給速度 300〜800Kg/hr 撹拌用N2ガス供給速度 10〜30Nm3/hr 二次燃焼率 30〜70 % 本発明の溶解方法によりC濃度1%以下の溶鋼が得られ
るか否かを明らかにするため、種湯溶鋼のC濃度を0.
7〜1.0%とし、スクラップ溶解の前後での溶鋼C濃
度の変化を調査した。
【0037】図2に羽口高さの溶融スラグ層厚さに対す
る比(H/H0)と溶解前後の溶鋼C濃度の変化(△[C]=
溶解後[C]−溶解前[C])との関係を示す。H/H0が0.
35以下では△[C]が急激に増加する。このことから羽
口高さが低いと、溶融スラグ層内の炭材が溶鋼と接触し
て溶解し易くなることが分かる。
【0038】図3に溶融スラグ中の炭材の重量比と溶解
前後の溶鋼C濃度の変化(△[C])との関係を示す。炭材
重量比が0.3を超えると△[C]が急激に増加する。ま
た炭材重量比が0.05以下では△[C]がマイナスにな
ると共にスラグ中の酸化鉄が増加して溶解が不安定にな
る。
【0039】次に、本発明の溶解方法において、炭材の
燃焼エネルギ−と電気エネルギ−の供給速度の比率の適
正な範囲を明らかにする目的で、この比率を変更して溶
解試験を行った。電気エネルギ−の供給速度Eは誘導加
熱装置及び通電加熱用電極へ供給された電力の合計で、
溶鋼温度が所定の値になるように調節する。これに対
し、炭材及び酸素ガスの供給速度を変えてスクラップの
溶解を行い、溶融スラグ層と溶鋼層の温度にアンバラン
スが生ずるか否かを調査した。炭材の燃焼による熱エネ
ルギ−の供給速度Cは、炭材供給速度と二次燃焼率から
算出した。
【0040】図4に全入力エネルギ−に対する電気エネ
ルギ−の比率(E/(E+C))と溶融スラグ層と溶鋼層の
温度差の関係を示す。E/(E+C)の値が0.2以下に
なると溶融スラグ層の温度が著しく上昇し、安定なスク
ラップ溶解が困難になると共に耐火物の溶損が顕著にな
る。
【0041】
【発明の効果】本発明により、炭材の燃焼エネルギ−を
主な熱源としてスクラップを溶解するに際して、炭材中
の炭素の溶鉄への溶解を抑制し、炭素含有量の少ない溶
鋼を得ることが可能になった。またこれに加えて、無煙
炭粉その他の安価な炭材を用い、かつ溶解炉内における
二次燃焼率を高めて炭材の燃焼エネルギ−の利用効率を
増大させることにより、エネルギ−コスト及び設備コス
ト共に低廉に鉄スクラップを溶解することが可能になっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのスクラップ溶解装置の
例を示す図である。
【図2】羽口高さの溶融スラグ層厚さに対する比と溶解
前後の溶鋼C濃度の変化との関係を示す図である。
【図3】溶融スラグ中の炭材の重量比と溶解前後の溶鋼
C濃度の変化との関係を示す図である。
【図4】全入力エネルギ−に対する電気エネルギ−の比
率と溶融スラグ層と溶鋼層の温度差の関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 溶解炉炉体 2 溶鋼層 3 溶融スラグ層 4a,4b ガス又はガスと炭材を吹き込む羽口 5 電極棒 6 上吹きランス 7 耐火物 8 出鋼口 9 チャンネル型誘導加熱装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解炉の底部に溶鋼層とその隣接する上
    部に溶融スラグ層を形成させた状態で溶融スラグ層内に
    炭材と酸素含有ガスを供給して炭材を燃焼発熱させなが
    ら溶解炉の上部から供給されたスクラップの溶解を行う
    に際して、該溶融スラグ層に溶融スラグに対する重量比
    で5〜30%の炭材が存在するように炭材の供給速度を
    調節し、かつ溶融スラグ層下面からの高さが溶融スラグ
    層厚さの0.35〜0.65倍に相当する位置に少なく
    とも一つ以上の羽口を設けて、溶融スラグ層内にガスを
    吹込むことにより溶融スラグ層の上部のみを選択的に撹
    拌すると共に、通電加熱用の電極棒を該電極棒の下端の
    溶融スラグ層下面からの高さが溶融スラグ層厚さの0.
    1〜0.3倍に相当する位置に配して、溶融スラグ層下
    部に熱を補給しながらスクラップの溶解を行い、炭素濃
    度が1%以下の溶鋼を得ることを特徴とするスクラップ
    の溶解方法。
  2. 【請求項2】 溶融スラグ層下面からの高さが溶融スラ
    グ層厚さの0.35〜0.65倍に相当する位置に羽口
    を少なくとも一つ以上設けて、該羽口から溶融スラグ層
    中に炭材と酸素含有ガスとを供給すると共に、該位置に
    前記羽口とは別の羽口を少なくとも一つ以上設けて、こ
    れら別の羽口から溶融スラグ層中に炭材と不活性ガスと
    を供給することを特徴とする請求項1記載のスクラップ
    の溶解方法。
  3. 【請求項3】 溶鋼層に相当する高さ位置の溶解炉壁面
    部又は底面部にチャンネル型誘導加熱装置を配して溶鋼
    に熱を供給することを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載のスクラップの溶解方法。
  4. 【請求項4】 通電加熱用の電極棒及びチャンネル型誘
    導加熱装置に投入される電気エネルギ−の供給速度E
    (j/h)と溶解炉内で炭材の燃焼により発生する熱エネ
    ルギ−の供給速度C(j/h)に関して、下式の関係を満
    たしながら溶解を行うことを特徴とする請求項1から請
    求項3までに記載のスクラップの溶解方法。 E/(E+C)≧0.2
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102374781A (zh) * 2010-08-17 2012-03-14 济源市万洋冶炼(集团)有限公司 直接炼铅综合冶金装置及冶炼工艺
CN108204742A (zh) * 2018-01-31 2018-06-26 中国恩菲工程技术有限公司 电磁浸没燃烧冶炼装置
CN108253787A (zh) * 2018-01-31 2018-07-06 中国恩菲工程技术有限公司 电磁浸没燃烧冶炼装置
CN108253786A (zh) * 2018-01-31 2018-07-06 中国恩菲工程技术有限公司 电磁浸没燃烧冶炼装置

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