JP2011082953A - 増幅装置、及びこれを用いた無線送信装置 - Google Patents

増幅装置、及びこれを用いた無線送信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011082953A
JP2011082953A JP2010130087A JP2010130087A JP2011082953A JP 2011082953 A JP2011082953 A JP 2011082953A JP 2010130087 A JP2010130087 A JP 2010130087A JP 2010130087 A JP2010130087 A JP 2010130087A JP 2011082953 A JP2011082953 A JP 2011082953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
input signal
distortion
amplifier
power supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010130087A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Yamamoto
剛史 山本
Tadashi Araki
正 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2010130087A priority Critical patent/JP2011082953A/ja
Priority to PCT/JP2010/065427 priority patent/WO2011030794A1/ja
Priority to US13/393,373 priority patent/US8773201B2/en
Priority to TW099130413A priority patent/TW201138294A/zh
Publication of JP2011082953A publication Critical patent/JP2011082953A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/02Transmitters
    • H04B1/04Circuits
    • H04B1/0475Circuits with means for limiting noise, interference or distortion
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/02Modifications of amplifiers to raise the efficiency, e.g. gliding Class A stages, use of an auxiliary oscillation
    • H03F1/0205Modifications of amplifiers to raise the efficiency, e.g. gliding Class A stages, use of an auxiliary oscillation in transistor amplifiers
    • H03F1/0211Modifications of amplifiers to raise the efficiency, e.g. gliding Class A stages, use of an auxiliary oscillation in transistor amplifiers with control of the supply voltage or current
    • H03F1/0216Continuous control
    • H03F1/0222Continuous control by using a signal derived from the input signal
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/32Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion
    • H03F1/3241Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/32Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion
    • H03F1/3241Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits
    • H03F1/3247Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits using feedback acting on predistortion circuits
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/189High-frequency amplifiers, e.g. radio frequency amplifiers
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/20Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers
    • H03F3/24Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers of transmitter output stages
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/102A non-specified detector of a signal envelope being used in an amplifying circuit
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/504Indexing scheme relating to amplifiers the supply voltage or current being continuously controlled by a controlling signal, e.g. the controlling signal of a transistor implemented as variable resistor in a supply path for, an IC-block showed amplifier
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/02Transmitters
    • H04B1/04Circuits
    • H04B2001/0408Circuits with power amplifiers
    • H04B2001/0425Circuits with power amplifiers with linearisation using predistortion

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Amplifiers (AREA)

Abstract

【課題】増幅器の入出力特性に温度変化や経年劣化による歪が生じたとしても、増幅器の入出力特性に現れる歪を抑制することができる増幅装置を提供する。
【解決手段】本発明の増幅装置1は、増幅器4の入力信号及び出力信号に基づいて、増幅器4の入出力特性に現れる歪についての歪補償を行うものであり、前記入力信号及び前記出力信号を取得し、前記増幅器の歪補償を行う歪補償部23と、前記増幅器4の歪についての歪レベルを検出するACLR計算部25と、歪レベルに応じて前記入力信号の電力を調整する調整部26とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば無線送受信機に用いられる増幅装置、及びこれを用いた無線送信装置に関する。
一般的に、効率性の高い高出力増幅器(HPA: High Power Amplifier、以下、単に増幅器ともいう)は、入出力特性の線形性が低い。従って、このような増幅器を用いて電力を増幅すると、入出力特性の歪により、所望の出力が得られない場合がある。そこで、このような増幅器の歪を補償するために、当該増幅器の入力信号に対して、増幅器の歪特性とは逆の、逆歪特性をデジタル信号処理により生成して増幅器の入力に付加する歪補償処理を施すことで、所望の増幅器出力を得る歪補償回路が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
Thesis by Lei Ding, "Digital predistortion of power amplifiers for wireless application", Georgia institute of Technology, March 2004
上記入出力特性の歪は、増幅器自身の特性に起因する歪の他、増幅器の温度変化や経年劣化に起因して生じることがある。このような温度変化や経年劣化による入出力特性の歪は、飽和領域の低下や、入出力特性における高次の歪の増加等として現れ、その歪レベルは、増幅器自身の特性等に起因する歪と比較して大きく現れる。このような大きな歪が生じると、入力電力に対する出力信号の電力の変動が大きくなり、上記歪補償回路によっても歪補償することが困難になることがある。このため、増幅器の入出力特性に現れる歪を効果的に抑制する方策が望まれていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、増幅器の入出力特性に温度変化や経年劣化による大きな歪が生じたとしても、増幅器の入出力特性に現れる歪を抑制することができる増幅装置、及びこれを用いた無線送信装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の増幅装置は、入力信号の電力を増幅する増幅器と、前記増幅器の入出力特性に現れる歪についての歪レベルを検出する歪レベル検出部と、前記歪レベルに応じて前記入力信号の電力を調整する調整部と、を備えていることを特徴としている。
上記構成の増幅装置によれば、歪レベル検出部が検出する歪レベルに応じて増幅器の入力信号の電力を調整する調整部を備えているので、温度変化や経年劣化に起因して増幅器の入出力特性に大きな歪が生じたとしても、その歪レベルに応じて歪が抑制される方向に入力信号の電力を調整することができ、この結果、増幅器の入出力特性に現れる歪を抑制することができる。
従って、例えば、当該増幅装置が、増幅器の歪補償を行う歪補償回路を備えている場合には、温度変化や経年劣化に起因して増幅器の入出力特性に大きな歪が生じたとしても、その歪レベルに応じて歪補償を行うことが可能なレベルにまで入力信号の電力を調整することができ、この結果、歪補償の精度低下を抑制することができる。
なお、ここで、上記増幅器の入出力特性の歪には、高次の歪の他、飽和領域の低下も含まれる。
(2)具体的には、入力信号の電力が比較的高い領域では、飽和領域の変動等によって歪が大きく現れ易い。このため、前記調整部は、前記歪レベル検出部が検出した歪レベルが、当該歪レベルとして許容可能な上限値として予め定められた第一の閾値より大きいか否かを判定し、前記歪レベルが前記第一の閾値よりも大きいと判定する場合には、前記入力信号の電力を下げるように調整するものであることが好ましい。
これにより、歪レベルが第一の閾値よりも大きい場合に、調整部が入力信号の電力を下げるように調整することで、歪が大きく現れ易い領域の使用を回避し、歪レベルを減少させることができる。また、大きな変曲部分等の高次の歪が生じている場合、入力信号の電力を下げ、増幅器における使用レンジを狭めれば、相対的に歪レベルは低下し、高次の歪による影響を抑えることができる。このため、例えば、当該増幅装置が、増幅器の歪補償を行う歪補償回路を備えている場合、増幅器の歪補償精度の低下を抑制できる。この結果、増幅器の入出力特性に現れる歪を効果的に抑制することができる。
(3)一方、歪レベルが許容可能な上限値よりも十分に小さい場合には、より入力信号の電力を上げることが可能な余地を有していると判断できる。
このため、前記調整部は、前記歪レベルが前記第一の閾値よりも小さい値に設定された第二の閾値より小さいか否かを判定し、前記歪レベルが前記第二の閾値よりも小さいと判定する場合には、前記入力信号の電力を上げるように調整するものであってもよい。
この場合、調整部は、入力信号の電力を下げることで歪レベルが減少した後に、歪レベルが十分に小さいと判定すれば、入力信号の電力を上げるように調整するので、例えば、何らかの原因で増幅器の入出力特性における歪レベルが一時的に増加し、再度、歪レベルが減少するように変化した場合においても、入力信号の電力を下げた状態のままで維持してしまうことを防止できる。
(4)また、上記のように、入力信号の電力を下げる場合には、増幅器の入出力特性が悪化する可能性が少ない一方、入力信号の電力を上げる場合には、入力信号のレベルが飽和領域に到達し、増幅器の入出力特性に歪が大きく生じる場合がある。このため、前記調整部が前記入力信号の電力を上げる際の変位量は、前記入力信号の電力を下げる際の変位量よりも小さく設定されていることが好ましい。
これにより、入力信号の電力を上げる場合には、下げる場合よりも小さな変位量で徐々に電力を増加させることで、増幅器の入出力特性に歪が大きく現れるのを抑制することができる。
また、例えば、当該増幅装置が、増幅器の歪補償を行う歪補償回路を備えている場合、入力信号の電力を下げる際には、その直前に歪補償を行った範囲内で調整されるため精度良く歪補償を行うことができる一方、入力信号の電力を上げる場合には、電力を増加させた領域部分が直前に歪補償を行った範囲に含まれていないため、その領域部分については、精度よく歪補償を行うことができない場合がある。
しかし、上記構成により、入力信号の電力を上げる場合には、下げる場合よりも小さな変位量で徐々に電力を増加させることができるので、歪補償の精度を大きく低下させてしまうのを防止できる。
(5)さらに、上記増幅装置において、前記調整部は、前記入力信号の電力を調整した後、所定期間経過するまで、再度前記入力信号の電力を調整するのを待機するものであってもよい。この場合、入力信号の電力の調整を行った後、再度電力の調整を行うタイミングについて時間的な間隔を設けることができる。この結果、入力信号の電力調整に係る処理を行う上で、電力を上げる方向への調整と下げる方向への調整とが交互に頻繁に繰り返されるといったようなハンチングが発生するのを抑制することができる。
(6)(7)また、例えば、入力信号の最大電力値が比較的大きく、増幅器の入出力特性における飽和領域近傍に位置している場合には、当該入力信号の電力を大きく変位させると、歪レベルを大きく変位させてしまうおそれがある。
このため、前記調整部は、前記入力信号の電力に応じて、当該入力信号の電力調整に係る変位量を調整するものであってもよく、より具体的には、前記入力信号の最大電力値に応じた調整を行うものであることが好ましい。これによって、歪レベルが大きく変位させるおそれのある入力信号の最大電力値が比較的大きい場合には、前記入力信号の電力調整に係る変位量を小さく調整することが可能となり、増幅器の入出力特性に歪が大きく現れるのを抑制することができる。
このため、例えば、当該増幅装置が、増幅器の歪補償を行う歪補償回路を備えている場合、入力信号の最大電力値が飽和領域近傍に位置していることから歪レベルを大きく変位させてしまうおそれがあるとしても、入力信号の電力調整に係る変位量を小さく調整することで、歪補償の精度が低下するのを抑えることができる。この結果、増幅器の入出力特性に歪が大きく現れるのを抑制することができる。
(8)また、歪レベルが急激に大きく変化した場合には、速やかに歪レベルを減少させるために、入力信号の電力もそれに応じて大きく変化させる必要が生じる。そこで、前記調整部は、前記歪レベルに応じて、前記入力信号の電力調整に係る変位量を調整するものであってもよく、この場合、歪レベルが急激に大きく変化したとしても、速やかに歪レベルを減少させることができる。
(9)上記増幅装置において、前記歪レベル検出部は、前記増幅器の出力信号を取得し、当該出力信号として使用可能な使用可能周波数帯域の電力に対する、前記使用可能周波数帯域に隣接する隣接周波数帯域の電力の漏洩電力比を求め、この漏洩電力比を歪レベルとして出力するものとすることができる。
この場合、出力信号を使用可能周波数帯域と隣接周波数帯域とに分けて双方の電力を比較すればよいので、簡易な構成で歪レベルを検出することができる。
(10)また、上記増幅装置において、前記入力信号及び当該入力信号に対応して前記増幅器が出力する出力信号を用いて前記増幅器の入出力特性を表すモデルを推定し、このモデルを用いて前記増幅器の歪補償を行う歪補償部をさらに備え、前記歪レベル検出部は、前記歪補償部が推定する前記モデルと、前記入力信号及び前記出力信号から表される前記増幅器の入出力特性との間の差をモデル化誤差量として求め、このモデル化誤差量を歪レベルとして出力するものとすることもできる。
この場合、推定したモデルと、実際の入出力信号による入出力特性との間の誤差量が把握できるので、調整部はこの誤差量に基づいた入力信号の電力調整を行うことができる。この結果、より精度の高い歪補償を行うことができ、増幅器の入出力特性に現れる歪を効果的に抑制することができる。
(11)本発明の増幅装置は、増幅器が出力する出力信号をフィードバックした出力モニタ信号として取得して、入力信号を制御(歪補償)するものであるため、前記調整部は、前記歪補償部が取得する前記出力信号(出力モニタ信号)の電力を調整することで、前記入力信号の電力を間接的に調整することが好ましい。
この場合、歪補償部が、調整部によって電力が調整された後の出力信号(出力モニタ信号)を取得して歪補償を行うことによって、入力信号の電力調整が間接的に行われるので、歪補償を行いつつ入力信号の電力調整を行うことができる。このため、増幅器の歪補償精度の低下を抑制しつつ入力信号の電力を調整することができる。
(12)また、前記調整部は、前記入力信号の電力を直接的に調整するものであってもよく、この場合、電力調整が即座に反映される点で有利である。
(13)また、本発明の増幅装置は、入力信号の電力を増幅する増幅器と、前記増幅器に電源電圧を付与する電源部と、前記増幅器の入出力特性に現れる歪についての歪レベルを検出する歪レベル検出部と、前記歪レベルに応じて前記電源電圧を調整する電源電圧調整部と、を備えていることを特徴としている。
上記構成の増幅装置によれば、歪レベル検出部が検出する歪レベルに応じて電源電圧を調整する電源電圧調整部を備えているので、温度変化や経年劣化に起因して増幅器の入出力特性に大きな歪が生じたとしても、その歪レベルに応じて歪が抑制される方向に電源電圧を調整することができ、この結果、増幅器の入出力特性に現れる歪を抑制することができる。
(14)上記増幅装置において、前記電源電圧調整部により前記電源電圧が調整されたときの歪レベルが所定の第三の閾値より大きい場合、前記電源電圧が調整されたときの歪レベルに応じて前記入力信号の電力を調整する信号電力調整部をさらに備えていることが好ましい。
この場合、電源電圧調整部によって電源電圧を調整した結果、所定のレベルにまで歪が抑制できないときには、電源電圧の調整に加えて、信号電力調整部によってさらに歪が抑制される方向に入力信号の電力を調整することができる。
この結果、電源電圧調整部の電源電圧の調整による歪の抑制効果を信号電力調整部の入力信号の電力調整によって補完することができ、より効果的に、増幅器の入出力特性に現れる歪を抑制することができる。
(15)また、本発明は、増幅装置を備えた無線送信装置であって、前記増幅装置は、上記(1)〜(14)に記載の増幅装置であることを特徴としている。
上記構成の無線送信装置によれば、上述の増幅装置を備えているので、温度変化や経年劣化に起因して増幅器の入出力特性に大きな歪が生じたとしても、その歪を抑制することができる。
また、上記(13)に記載の増幅装置では、本発明以外の他の構成として、下記構成が考えられる。
すなわち、入力信号の電力を増幅する増幅器と、前記増幅器に電源電圧を付与する電源部と、前記増幅器の入出力特性に現れる歪についての歪レベルを検出する歪レベル検出部と、前記歪レベルに応じて前記電源電圧を調整する電源電圧調整部と、を備えていることを特徴とする増幅装置において、前記電源電圧調整部は、前記歪レベル検出部が検出した歪レベルが、当該歪レベルとして許容可能な上限値として予め定められた第四の閾値より大きいか否かを判定し、前記歪レベルが前記第四の閾値よりも大きいと判定する場合には、前記電源電圧を上げるように調整するものであることが好ましい。
電源電圧を上げるように調整すれば、増幅器の飽和領域を相対的に上昇させることができるため、増幅器の入出力特性の歪が飽和領域の低下として現れている場合には、入力信号の電力の範囲内における歪が抑制される方向に調整される。これによって、増幅器の入出力特性に現れる歪を抑制することができる。
前記電源電圧調整部は、前記歪レベルが前記第四の閾値よりも小さい値に設定された第五の閾値より小さいか否かを判定し、前記歪レベルが前記第五の閾値よりも小さいと判定する場合には、前記電源電圧を下げるように調整するものであってもよい。
この場合、電源電圧調整部は、電源電圧を上げることで歪レベルが減少した後に、歪レベルが十分に小さいと判定すれば、電源電圧を下げるように調整するので、例えば、何らかの原因で増幅器の入出力特性における歪レベルが一時的に増加し、再度、歪レベルが減少するように変化した場合においても、電源電圧を上げた状態のままで維持してしまうことを防止できる。
前記電源電圧調整部が前記電源電圧の電力を下げる際の変位量は、前記電源電圧を上げる際の変位量よりも小さく設定されていることが好ましい。
この場合、電源電圧を下げる場合には、上げる場合よりも小さな変位量で徐々に電源電圧を小さくさせることができるので、調整によって、増幅器の入出力特性に大きな歪を生じさせてしまうのを抑制することができる。
前記電源電圧調整部は、前記電源電圧を調整した後、所定期間経過するまで、再度前記電源電圧を調整するのを待機するものであることが好ましい。
この場合、電源電圧の調整を行った後、再度電源電圧の調整を行うタイミングについて時間的な間隔を設けることができる。この結果、電源電圧の調整に係る処理を行う上で、ハンチングが発生するのを抑制することができる。
また、歪レベルが急激に大きく変化した場合には、速やかに歪レベルを減少させるために、電源電圧もそれに応じて大きく変化させる必要が生じる。そこで、前記電源電圧調整部は、前記歪レベルに応じて、電源電圧の調整に係る変位量を調整するように構成することもできる。
この場合、歪レベルが急激に大きく変化したとしても、速やかに歪レベルを減少させることができる。
また、前記歪レベル検出部は、前記増幅器の出力信号を取得し、当該出力信号として使用可能な使用可能周波数帯域の電力に対する、前記使用可能周波数帯域に隣接する隣接周波数帯域の電力の漏洩電力比を求め、この漏洩電力比を歪レベルとして出力するものとすることができる。
この場合、出力信号を使用可能周波数帯域と隣接周波数帯域とに分けて双方の電力を比較すればよいので、簡易な構成で歪レベルを検出することができる。
また、前記入力信号及び当該入力信号に対応して前記増幅器が出力する出力信号を用いて前記増幅器の入出力特性を表すモデルを推定し、このモデルを用いて前記増幅器の歪補償を行う歪補償部をさらに備え、前記歪レベル検出部は、前記歪補償部が推定する前記モデルと、前記入力信号及び前記出力信号から表される前記増幅器の入出力特性との間の差をモデル化誤差量として求め、このモデル化誤差量を歪レベルとして出力するものとすることもできる。
この場合、推定したモデルと、実際の入出力信号による入出力特性との間の誤差量が把握できるので、調整部はこの誤差量に基づいた電源電圧の調整を行うことができる。この結果、より精度の高い歪補償を行うことができ、増幅器の入出力特性に現れる歪を効果的に抑制することができる。
以上のように、本発明の増幅装置、及びこれを用いた無線送信装置によれば、増幅器の入出力特性に温度変化や経年劣化による大きな歪が生じたとしても、増幅器の入出力特性に現れる歪を抑制することができる。
本発明の第一の実施形態に係る基地局装置の無線送信に係る増幅装置部分を示す回路図である。 デジタル処理部が機能的に有する歪補償回路の機能ブロック図である。 ACLR計算部が行う出力信号に対する処理の内容を説明するための図である。 調整部の制御部が行う入力信号の電力調整に関する処理を示すフローチャートである。 (a)は、増幅器の入出力特性について、通常の場合と、大きく歪が現れている場合とを模式的に示した図であり、(b)は、前記入出力特性と対応付けて表した入力信号を示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る歪補償回路の機能ブロック図である。 両バッファ部に蓄積される入力信号及び出力信号の関係を示したグラフであり、各信号と逆モデルとの関係を説明するための図である。 本発明の第三の実施形態に係る基地局装置の増幅装置を示すブロック図である。 制御部によって実現される、入力信号の電力調整と、電源電圧の調整とが併用されたときの処理を示すフローチャートである。 電源電圧調整部が行う電源電圧の調整に関する処理を示すフローチャートである。 図8で示した増幅装置の他の態様を示したブロック図である。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る基地局装置の無線送信に係る増幅装置部分を示す回路図である。この基地局装置BSは、広帯域移動無線通信システムの送信装置として用いられるものであり、例えば、IEEE802.16に規定されるいわゆる「WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)」と呼ばれる無線通信システムに準拠して構成されており、送信信号を増幅するため増幅装置1を備えている。
増幅装置1は、前記歪補償回路(DPD)20を機能的に有するデジタル処理部2と、高出力増幅器(HPA、以下、単に増幅器ともいう)4を有するアナログ処理部3とを備えている。
デジタル処理部2は、増幅器4に入力される入力信号としての送信信号をデジタル信号としてアナログ処理部3に与えるとともに、増幅器4が出力する出力信号をデジタル信号としてアナログ処理部3から取得する。
アナログ処理部3は、デジタル処理部2と、増幅器4の信号入力端子との間に、デジタル/アナログ変換器(DAC)5、ローパスフィルタ(LPF)6、及び、第一周波数変換部7が配置接続されている。デジタル処理部2が出力するデジタルの入力信号は、これらを介することで、アナログ信号に変換されるとともに搬送周波数に変換された後、増幅器4に与えられる。
増幅器4の出力端子には、アンテナ8が接続されており、増幅器4が出力する出力信号は、送信信号としてアンテナ8から送信される。
また、アナログ処理部3は、増幅器4の信号出力端子と、デジタル処理部2との間に、増幅器4の出力信号を得るためのカプラ9と、第二周波数変換部10と、ローパスフィルタ11と、アナログ/デジタル変換器(ADC)12とが配置接続されている。
増幅器4の出力信号は、これらを介することで、ベースバンドの周波数に変換されるとともにデジタル変換された後、デジタル処理部2に与えられる。
図2は、デジタル処理部2が機能的に有する歪補償回路の機能ブロック図である。
歪補償回路20は、増幅器4への入力信号と、アナログ処理部3から取得する増幅器4の出力信号とに基づいて増幅器4の入出力特性を推定し、その入出力特性に対して歪補償処理を行うことで、所望の増幅特性を得るものであり、増幅器4が出力する出力信号をフィードバック信号として取得し、入力信号を制御(歪補償)するものである。
歪補償回路20は、増幅器4の入力信号を蓄積するための入力信号バッファ部21と、入力信号バッファ部21に蓄積される入力信号に対応して増幅器4が出力する出力信号を蓄積するための出力信号バッファ部22と、これら両バッファ部21、22に蓄積される入力信号及び出力信号を取得して増幅器4の歪補償を行う歪補償部23とを備えている。
歪補償回路20は、さらに、出力信号バッファ部22から出力信号を取得して当該出力信号の隣接チャネル漏洩電力比(Adjacent Channel Leakage Ratio,以下、ACLR値ともいう)を求めるACLR計算部25と、入力信号の電力を調整するための調整部26とを備えている。
歪補償部23は、増幅器4の入出力特性を表すモデルを推定するモデル推定部23aと、このモデル推定部23aにより推定された入出力特性のモデルに基づいて歪補償を行うべく増幅装置1に与えられる送信信号(歪補償前の信号)の補正を行う信号補正部23bとを備えている。
信号補正部23bは、増幅装置1に与えられる送信信号(歪補償前の信号)に増幅器4の入出力特性に応じた補正(歪補償処理)を施して、増幅器4へ入力される入力信号(歪補償後の信号)を出力する。増幅器4は、歪補償部23から予め歪補償が施された入力信号が与えられる。このため、増幅器4は、歪の無い(もしくは少ない)出力信号を出力することができる。
ここで、増幅器4の入出力特性は非線形特性であり、例えば、下記式(1)に示す、べき級数多項式で表現される。なお、下記式(1)中、zは増幅器4の出力信号、yは増幅器4の入力信号、aは各次の係数である。
Figure 2011082953
信号補正部23bは、上記式(1)に基づき、下記式(2)に示す、べき級数多項式を演算し、増幅器4の入力信号yを求める。なお、下記式(2)中、a´は、増幅器の逆特性を示す各次の係数であり、xは歪補償前の増幅器4の入力信号である。
Figure 2011082953
信号補正部23bは、上記式(2)に示すように、増幅器4の入出力特性を表すモデルとしての増幅器4の逆特性を示す各次の係数a´に基づいて、増幅器4の歪特性の逆特性を歪補償前の入力信号xに付加し、増幅器4に起因する歪を打ち消すことで歪補償を行う。
上記式(2)中の増幅器4の逆特性を示す各次の係数a´は、モデル推定部23aによって求められる。モデル推定部23aは、増幅器4の入力信号y、及び出力信号zに係る入出力信号データを取得し、これらに基づいて、増幅器4の入出力特性を表すモデル(逆モデル)を推定し、その推定したモデルとしての上記各次の係数a´を求める。
モデル推定部23aは、入力信号yを、出力信号zのべき級数多項式で表した増幅器モデル(逆モデル)を有しており、入力信号バッファ部21及び出力信号バッファ部22から取得する入出力信号を前記モデルに適用して、当該モデルを推定する。モデル推定部23aは、推定したモデルを示す値である各次の係数を、増幅器4の逆特性を示す各次の係数a´として、信号補正部23bに出力する。
入力信号バッファ部21は、増幅器4へ与えられる入力信号を、予め定められた時間幅の区間として設定されるサンプリング区間分だけ蓄積する。また、出力信号バッファ部22も、入力信号バッファ部21と同様、増幅器4からの出力信号を、予め定められた時間幅のサンプリング区間分だけ蓄積する。なお、出力信号バッファ部22は、入力信号バッファ部21の蓄積する入力信号に対応する出力信号を蓄積するように、出力信号を蓄積するタイミングが調整される。また、出力信号バッファ部22は、アナログ処理部3からの出力信号を調整部26を介して取得し蓄積する。この調整部26については、後に説明する。
ACLR計算部25は、上述のように、出力信号バッファ部22から出力信号を取得して当該出力信号のACLRを求める。ACLR計算部25は、取得した出力信号から、当該出力信号として使用可能な使用可能周波数帯域の周波数成分、及び、この使用可能周波数帯域に隣接する隣接周波数帯域の周波数成分を取得するためのバンドパスフィルタ(図示せず)と、これら成分の電力比を求めるための演算部(図示せず)とを備えている。ここで使用可能周波数帯域とは、基地局装置BSの送信信号として使用される周波数帯域、及び送信信号として使用が許容される周波数帯域を含んだ帯域であり、歪補償回路20を備えた基地局装置BSの送信信号として使用可能な周波数帯域である。
図3は、ACLR計算部25が行う出力信号に対する処理の内容を説明するための図である。図3において、横軸は周波数、縦軸は電力を示している。
ACLR計算部25は、上述のバンドパスフィルタにより、出力信号から使用可能周波数帯域の周波数成分と、この使用可能周波数帯域の周波数軸方向両側に隣接する隣接周波数帯域の周波数成分とを分離して取得する。
つまり、ACLR計算部25は、両側の隣接周波数帯域の成分を漏洩電力として取得する。増幅器4の入出力特性に歪があれば、その出力信号の周波数に乱れが生じ、隣接周波数帯域に漏洩電力が生じる。従って、この漏洩電力である隣接周波数帯域の周波数成分を数値化することで、増幅器4の歪を歪レベルとして数値化することができる。
このACLR計算部25では、出力信号を使用可能周波数帯域と隣接周波数帯域とに分けて双方の電力を比較すればよいので、簡易な構成で歪レベルを検出することができる。
ACLR計算部25は、取得した各周波数帯域の成分の電力を取得する。そして、演算部は、両側の隣接周波数帯域成分の電力の平均値を漏洩電力とし、使用可能周波数帯域成分の電力に対する漏洩電力の電力比(ACLR値:ACLR値=(漏洩電力)/(使用可能周波数帯域成分の電力))を求める。
このように、ACLR計算部25は、漏洩電力である隣接周波数帯域の周波数成分をACLR値として数値化し、このACLR値を歪レベルとして検出する歪レベル検出部を構成している。
図2に戻って、調整部26は、ACLR計算部25が出力するACLR値に基づいて入力信号の電力を調整する機能を有している。
この調整部26は、出力信号バッファ部22と、アナログ処理部3との間に設けられた電力調整部26aと、この電力調整部26aを制御するための制御部26bとを備えている。
電力調整部26aは、制御部26bの制御に基づいてアナログ処理部3からの出力信号の電力を調整する機能を有している。
制御部26bは、ACLR計算部25からのACLR値に応じて、入力信号の電力調整の態様についての決定を行う。また、制御部26bは、入力信号バッファ部21から、ACLR値の基となった出力信号に対応する入力信号を取得し、その最大電力値に応じて、入力信号の電力調整に係る変位量の決定も行う。
さらに、制御部26bは、基地局装置BSが備えているデジタルベースバンド処理を行う信号処理部(図示せず)から、送信信号を送信するための通信フレームに含まれる単位フレームのタイミングを示す信号(フレームタイミング信号)を取得し、自己が送信信号を送信するタイミング以外のタイミングで入力信号の電力が調整されるように、電力調整部26aの制御を行う。
前記通信フレームは、複数の単位フレームを時間軸方向に並べることで構成されている。単位フレームは、基地局装置BSの送信時間である下りサブフレーム(DLフレーム)と、基地局装置BSと通信を行う移動端末の送信時間である上りサブフレーム(ULフレーム)とによって構成されている。制御部26bは、DLフレームでは、入力信号の電力調整は行わず、その他の時間の間に調整するように電力調整部26aの制御を行う。仮に、DLフレーム内で電力調整が行われると、電力の増減に起因してこのDLフレームに格納されたデータの復調精度が低下してしまう。これに対して本実施形態では、基地局装置BSが送信する送信信号は、DLフレーム内では電力の調整は行われないので、上記のような復調精度の低下が生じるのを防止できる。
また、制御部26bは、入力信号の電力を調整するにあたって、電力調整部26aを制御することにより、アナログ処理部3(ADC12)からの出力信号(出力モニタ信号)の電力を調整することで、間接的に入力信号の電力調整を行う。
ここで、アナログ処理部3から得られる出力モニタ信号は、モデル推定部23a及び信号補正部23bによって、歪補償が行われる。モデル推定部23aは入出力信号から得られる増幅器4の入出力特性の逆モデルを推定し、信号補正部23bはその逆モデルに基づく逆特性を入力信号に付加することで歪補償を行う。このため、モデル推定部23aに与えられる出力モニタ信号の電力を実際の電力よりも小さくして与えれば、モデル推定部23aは、その小さくした変位量分を補間するように電力を上げようとし、前記変位量分の電力が上がるような逆モデルを推定する。信号補正部23bは、この逆モデルに基づいて入力信号の電力を上げるように補正(歪補償)を行う。その一方、出力信号の電力は、実際には小さくなっていないので、入力信号の電力は、前記逆モデルによって、現状よりも相対的に上がるように調整されることとなる。
逆に、入力信号の電力を下げるように調整するには、モデル推定部23aに与えられる出力モニタ信号の電力を実際の電力よりも大きくして与えれば、入力信号の電力は、現状よりも下がるように調整される。また、その調整に係る変位量は、モデル推定部23aが推定する逆モデルに反映されるので、所定の変位量だけ出力モニタ信号の電力を調整すれば、入力信号側においても所定の変位量だけ調整することができる。
すなわち、歪補償部23は、増幅器4が出力する出力信号をフィードバックした出力モニタ信号として取得し、入力信号を制御(歪補償)するものであるため、制御部26bは、入力信号の電力を上げるように調整する際には、電力調整部26aに出力モニタ信号を下げるように調整させる。また、入力信号の電力を下げるように調整する際には、電力調整部26aに出力モニタ信号を上げるように調整させることで、間接的に入力信号の電力調整を行うことができる。
この場合、歪補償部23が、調整部26によって電力が調整された後の出力信号を取得して歪補償を行うことによって、入力信号の電力調整が間接的に行われるので、歪補償を行いつつ入力信号の電力調整を行うことができる。このため、増幅器4の歪補償精度の低下を抑制しつつ入力信号の電力を調整することができる。
次に、上記調整部26の具体的な処理内容について説明する。図4は、調整部の制御部が行う入力信号の電力調整に関する処理を示すフローチャートである。
まず、制御部26bは、自己の機能として有するカウンタ値Cを「0」にする(ステップS100)。そして、制御部26bは、ACLR計算部25からACLR値を取得すると(ステップS101)、ACLR値が第一の閾値としての上限値Pよりも大きいか否かを判定する(ステップS102)。
ここで上限値Pは、出力信号に含まれる歪レベルとして許容可能な上限の値に設定されている。
ステップS102で、ACLR値が上限値Pよりも大きいと判定すると、制御部26bは、対応する入力信号の最大電力値ymaxが、予め定めた閾値ythよりも大きいか否かを判定する(ステップS103)。入力信号の最大電力値ymaxが閾値ythよりも大きいと判定すると、制御部26bは、入力信号の電力を変位量Δyで下げることを決定し、この決定に基づいて、電力調整部26aに出力信号の電力調整を行わせる(ステップS104)。入力信号の最大電力値ymaxが閾値ythよりも大きくないと判定すると、制御部26bは、入力信号の電力を変位量Δyよりも大きい値である変位量Δyで下げることを決定し、この決定に基づいて、電力調整部26aに出力信号の電力調整を行わせる(ステップS105)。
なお、入力信号の最大電力値ymaxは、図5(a),(b)に示すように、例えば、入力信号の電力が、レンジL1の範囲に収まるように調整されているとした場合の入力信号における電力の最大値を指す。また、閾値ythは、増幅器4の飽和領域と非飽和領域との境界となる可能性のある最も低い電力値よりも小さい値に設定される。
また、電力調整部26aが行う入力信号の電力調整は、入力信号の最大電力値ymaxに対して変位量を加算又は減算しその結果に基づいて入力信号全体の電力値を線形的に増減させることで行われる。例えば、上記ステップS104における電力調整は、最大電力値ymaxから変位量Δyを減算した電力値を基準として、最大電力値以下の部分の電力値を線形的に減算することで行われる。
このように、制御部26bは、ステップS102において、ACLR値が上限値Pよりも大きいと判定すると、増幅器4の入出力特性の歪レベルが許容範囲を超えていると判断し、入力信号の電力を下げるように調整する(ステップS104、S105)。その後、カウンタ値Cを「0」にし、ステップS101に戻る。
一方、ステップS102において、ACLR値が上限値Pよりも大きくないと判定すると、制御部26bは、ACLR値が第二の閾値としての下限値Pより小さいか否かを判定する(ステップS106)。この下限値Pは、上限値Pよりも小さく、歪補償の精度を維持しつつより入力信号の電力を上げることが可能な余地を有していると判断できる程度に小さい歪レベルの値に設定される。
ステップS106で、ACLR値が下限値Pよりも小さいと判定すると、制御部26bは、入力信号電力(の最大電力値ymax)が予め定められた上限値y(図5参照)以上であるか否かを判定する(ステップS107)。
ステップS107で、入力信号電力が上限値y以上でないと判定すると、対応する入力信号の最大電力値ymaxが、予め定めた閾値ythよりも大きいか否かを判定する(ステップS108)。
ステップS108において、入力信号の最大電力値ymaxが閾値ythよりも大きいと判定すると、制御部26bは、入力信号の電力を変位量Δyで上げることを決定し、この決定に基づいて、電力調整部26aに出力信号の電力調整を行わせる(ステップS109)。
入力信号の最大電力値ymaxが閾値ythよりも大きくないと判定すると、制御部26bは、入力信号の電力を変位量Δyよりも大きい値である変位量Δyで上げることを決定し、この決定に基づいて、電力調整部26aに出力信号の電力調整を行わせる(ステップS110)。
このように、制御部26bは、ステップS106において、ACLR値が下限値Pよりも小さいと判定しかつ入力信号電力が上限値y以上でないと判定すると、入力信号の電力を増加させることができると判断し、入力信号の電力を上げるように調整する(ステップS109,S110)。
なお、上記変位量Δyは、変位量Δyよりも小さい値に設定されている。このため、入力信号の電力を上げる際の変位量は、電力を下げる際の変位量よりも小さく設定されている。
一方、ステップS107で、入力信号電力が上限値y以上であると判定すると、制御部26bは、入力信号電力(の最大電力値ymax)を上限値yに設定する(ステップS111)。なお、この上限値yは、増幅器4が実用上、増幅可能な入力電力の最大値に設定されている。制御部26bは、上記構成によって、増幅器4に上限値yよりも大きい電力の入力信号を入力しないように制御することができる。
ついで、ステップS109,S110にて入力信号の電力を上げるように調整した後、又は、ステップS111にて入力信号の電力を上限値yuに設定することを決定した後、制御部26bは、所定時間待機し(ステップS112)、その後、カウンタ値Cを「0」にして(ステップS116)ステップS101に戻る。
上記のように、制御部26bは、入力信号の電力の調整の後、所定時間待機することで、入力信号の電力の調整を行うタイミングについて時間的な間隔を設けることができ、入力信号の電力調整に係る処理を行う上でハンチングが発生するのを抑制することができる。これによって、電力調整の際、送信信号の電力が激しく変化するのを防止でき、基地局装置BSの送信信号を受信する移動端末に与える影響を低減することができる。
なお、所定時間待機させるタイミングとしては、入力信号の電力を上げるように調整した後、又は、電力を下げるように調整した後のいずれか一方に設定されていればよいが、本実施形態のように、入力信号の電力を上げるように調整した後に設定する方が好ましい。後述するように、入力信号の電力を上げる際には、徐々に上げれば足りるが、電力を下げると決定する場合には、現状歪が生じている状態であり、早急に調整の必要性があるからである。
ステップS106に戻って、ACLR値が下限値Pよりも小さくないと判定すると(ステップS106)、カウンタ値Cが予め定めた閾値Cthよりも大きいか否かを判定する(ステップS113)。
カウンタ値Cが閾値Cthよりも大きいと判定した場合、制御部26bは、ステップS107に進み、入力信号電力を上げるように調整する(ステップS108,S109,S110,S111)。
一方、カウンタ値Cが閾値Cthよりも大きくないと判定した場合、制御部26bは、入力信号の電力を維持することを決定する(ステップS114)。従って、制御部26bは、電力調整部26aに出力信号の電力について現状維持させる。
次いで制御部26bは、カウンタ値Cに「1」を加え(ステップS115)、ステップS101に戻る。
つまり、ACLR値が、上限値Pと下限値Pとの間で維持された状態であれば、ACLR値の取得ごとにカウンタ値Cの値が増加する。その増加によって、カウンタ値Cが閾値Cthよりも大きくなると、制御部26bは、入力信号電力を上げるように調整する。すなわち、制御部26bは、ACLR値が、上限値Pと下限値Pとの間で維持された状態が所定の期間継続すると、入力信号電力を上げるように制御を行う。
なお、閾値Cthは、ACLR値の取得の間隔に応じて、入力信号電力を上げると判断するまでの前記所定の期間を定める値であり、ACLR値が安定したと判断できる程度の期間が確保できる値に設定される。
例えば、何らかの原因によって一時的に歪レベルが増加した場合、制御部26bは、入力信号を下げるように調整することで歪レベルを減少させるが、その後、一時的に歪レベルを増加させた原因がなくなることがある。このような場合、歪レベルは低い状態で維持されるが、歪レベルの増加原因がなくなることで入力信号の電力を上げる余地が生じる。
本実施形態では、上記のような場合においても、ACLR値が、上限値Pと下限値Pとの間で所定の期間安定して維持された場合、入力信号電力を上げるように調整する。このため、入力信号電力を下げた後に歪レベルが安定した場合においても、入力信号電力を上げるように調整を開始するので、歪レベルを抑えつつできるだけ大きな入力信号電力となるように調整することができる。
上記のように構成された歪補償回路20によれば、ACLR計算部25が検出する歪レベルを示すACLR値に応じて入力信号の電力を調整する調整部26を備えているので、温度変化や経年劣化に起因して増幅器の入出力特性に大きな歪が生じたとしても、その歪レベルに応じて歪補償を行うことが可能なレベルにまで入力信号の電力を調整することができ、この結果、歪補償の精度低下を抑制することができる。
具体的には、入力信号の電力が比較的高い領域では、飽和領域の変動等によって歪が大きく現れ易い。図5(a)は、増幅器の入出力特性について、通常の場合と、大きく歪が現れている場合とを模式的に示した図であり、(b)は、前記入出力特性と対応付けて表した入力信号を示す図である。
図5(a)中、破線が通常の場合の入出力特性を示しており、実線が大きく歪が現れている場合の入出力特性の一例を示している。
図において、例えば、通常の場合と比較して、飽和領域の低下が生じている場合、増幅器4における使用レンジがL1からL2に狭まるように、入力信号の電力を下げれば、飽和領域の低下に起因して歪が大きく現れる領域の使用を回避することができる。また、大きな変曲部分等の高次の歪が生じている場合においても、入力信号の電力値を下げて、増幅器4における使用レンジを狭めれば、相対的に歪レベルは低下し、高次の歪による影響を抑えることができる。
このように、入力信号の電力を下げるように調整し、歪レベルを減少させることで、歪補償部23による歪補償を効果的に作用させることができ、この結果、歪補償の精度低下を抑制できる。これにより、増幅器4の入出力特性に現れる歪を抑制することができる。
本実施形態では、調整部26は、ACLR計算部25が検出したACLR値が、上限値Pより大きいか否かを判定し、ACLR値が上限値Pよりも大きいと判定する場合には、入力信号の電力を下げるように調整するので、上述のように増幅器4の入出力特性における歪レベルを減少させることができ、この結果、歪補償の精度低下を抑制できる。
一方、ACLR値が上限値Pよりも十分に小さい場合には、歪補償の精度を維持しつつより入力信号の電力を上げることが可能な余地を有していると判断できる。
このため、調整部26は、ACLR値が上限値Pよりも小さい値に設定された下限値PLより小さいか否かを判定し、ACLR値が下限値Pよりも小さいと判定する場合には、入力信号の電力を上げるように調整する。
この場合、調整部26は、入力信号の電力を下げることでACLR値が減少した後に、ACLR値が十分に小さいと判定すれば、入力信号の電力を上げるように調整するので、例えば、何らかの原因で増幅器4の入出力特性における歪レベルが一時的に増加し、再度、歪レベルが減少するように変化した場合においても、入力信号の電力を下げた状態のままで維持してしまうことを防止できる。
さらに、本実施形態では、入力信号電力を下げることで歪レベルが安定し、ACLR値が、上限値Pと下限値Pとの間で所定の期間だけ安定維持された場合に、入力信号電力を上げるように調整するので(ステップS113〜S115)、入力信号の電力を下げた状態のままで維持してしまうことを防止できる。
上記実施形態において、入力信号の電力を下げる場合には、その直前に推定したモデルの推定可能な範囲内で調整されるため精度良く歪補償を行うことができる一方、入力信号の電力を上げる場合には、電力を増加させた領域部分が直前に推定したモデルの範囲に含まれていないため、その領域部分については、精度よく歪補償を行うことができない場合がある。このため、本実施形態では、上述したように、調整部26が入力信号の電力を上げる際の変位量Δy,Δyは、入力信号の電力を下げる際の変位量Δy,Δyよりも小さく設定されている。
これにより、入力信号の電力を上げる場合には、下げる場合よりも小さな変位量で徐々に電力を増加させることができるので、歪補償の精度を大きく低下させてしまうのを防止できる。
また、例えば、入力信号の最大電力値が比較的大きく、増幅器の入出力特性における飽和領域近傍に位置している場合には、当該入力信号の電力を大きく変位させると、歪レベルを大きく変位させてしまい、歪補償の精度を低下させるおそれがある。
この点、本実施形態では、制御部26bが、ステップS103(ステップS108)において、入力信号の最大電力値ymaxが、閾値ythよりも大きいか否かを判定し、その判定結果に応じて、入力信号の電力調整に係る変位量について、変位量Δy(変位量Δy)、又は、変位量Δyよりも大きい変位量Δy(変位量Δy)のいずれか一方を選択するので、歪レベルが大きく変位させるおそれのある入力信号の最大電力値が比較的大きい場合(入力信号の最大電力値ymaxが、閾値ythよりも大きい場合)には、入力信号の電力調整に係る変位量を小さく調整することが可能となり、歪補償の精度が低下するのを抑えることができる。
図6は、本発明の第二の実施形態に係る歪補償回路の機能ブロック図である。本実施形態と、第一の実施形態との相違点は、ACLR計算部25に代えてモデル化誤差計算部27を備えている点である。
モデル化誤差計算部27は、モデル推定部23aが推定した逆モデルにより求まる推定値と、実際の信号電力との誤差を求める。増幅器4の入出力特性に大きな歪がなければ、モデル推定部23aによる逆モデルには、大きな誤差は生じない。しかし、増幅器4の入出力特性に大きな歪が生じると、モデル推定部23aによる逆モデルの推定において実際の値との誤差が生じ易くなり、この誤差は、歪レベルに応じて増加する傾向がある。従って、上記誤差量を数値化することで、増幅器4の歪について数値化することができる。
以下、モデル化誤差計算部27による、逆モデルのモデル化誤差量を求める方法について説明する。
モデル推定部23aは、上述のように、入力信号yを、出力信号zのべき級数多項式で表した増幅器モデル(逆モデル)を有しており、この逆モデルは、下記式(3)のように表される。
Figure 2011082953
モデル推定部23aは、上記式(3)に、両バッファ部21,22からの入力信号及び出力信号を代入し、演算することで、各次の係数a´を求めることで、入力信号yを求めるための出力信号zに関する逆モデルを示す関数を推定する。
図7は、両バッファ部21,22に蓄積される入力信号及び出力信号の関係を示したグラフであり、各信号と逆モデルとの関係を説明するための図である。図において、横軸に出力信号z、縦軸に入力信号yを示している。また、逆モデルは、図中の曲線f(z)により表されている。
ここで、例えば、互いに対応する入力信号及び出力信号によって定まる観測点K1における、逆モデル関数の誤差について説明する。観測点K1では、出力信号の電力値がz1、入力信号の電力値がyz1とする。
この観測点K1における実際の入力信号の電力値と、モデル推定部23aが推定した逆モデルにより求まる推定入力電力値との誤差量は、図6及び下記式(4)で表される。
観測点K1における誤差量 = yz1 − f(z1) ・・・・(4)
モデル化誤差計算部27は、モデル推定部23aより、推定された逆モデル、及び観測点として対応付けられた入出力信号を取得し、下記式(5)に示すように、各観測点について上記誤差量を求め、それらの二乗和を実際の入力信号の二乗和に対する割合とした値をモデル化誤差量として求める。
Figure 2011082953
以上のように、モデル化誤差計算部27は、モデル推定部23aが推定する増幅器4の入出力特性を表すモデル(逆モデル)と、両信号バッファ部21,22から取得した入力信号及び出力信号から表される増幅器4の実際の入出力特性との間の差をモデル化誤差量として数値化し、このモデル化誤差量を歪レベルとして検出する歪レベル検出部を構成している。
本実施形態の調整部26は、モデル化誤差計算部27が出力するモデル化誤差量に基づいて入力信号の電力を調整する機能を有している。調整部26における処理は上記第一の実施形態と同様であり、モデル化誤差量に対する上限値、下限値等が設定され、制御部26bは、それらに基づいて入力信号の電力の調整を行う。
本実施形態によれば、モデル化誤差計算部27によって歪レベルを検出するように構成したので、推定した逆モデル関数により推定した入力信号の電力の誤差量が把握でき、調整部26はこの誤差量に基づいた入力信号の電力調整を行うことができる。この結果、より精度の高い歪補償を行うことができる。
上記各実施形態では、調整部26を出力信号バッファ部22と、アナログ処理部3との間に設け、出力モニタ信号の電力を調整することで、間接的に入力信号の電力を調整するように構成した場合を例示したが、この調整部26は、信号補正部23bの上流側、又は下流側に設けることもできる。この場合、調整部26は、制御部26bが決定した態様にしたがって入力信号の電力を直接的に調整することができる。
上記両実施形態のように、出力信号バッファ部22の上流側に調整部26を配置した場合、その調整の効果は、モデル推定部23a及び信号補正部23bを介して入力信号に反映されるので、歪補償がなされる点で有利であるが、出力モニタ信号の電力を調整して間接的に入力信号の電力を調整しているので、調整の効果が入力信号に反映するまでに多少のタイムラグが生じる。
一方、調整部26は、信号補正部23bの上流側、又は下流側に設けた場合には、入力信号の電力調整が送信信号に対して即座に反映される点で有利である。
また、上記各実施形態では、入力信号の電力調整を入力信号の最大電力値に基づいて行うように構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、入力信号の平均電力値等に基づいて調整することもできる。
また、上記各実施形態において、歪レベルが急激に大きく変化した場合には、速やかに歪レベルを減少させるために、入力信号の電力もそれに応じて大きく変化させる必要が生じる。そこで、調整部26bは、歪レベルを示すACLR値及び/又はモデル化誤差量に応じて、入力信号の電力調整に係る変位量を調整するように構成することもできる。これにより、歪レベルが急激に大きく変化したとしても、速やかに歪レベルを減少させることができる。
この場合、制御部26bが、ステップS103(ステップS108)において、入力信号の電力(の最大電力値)に応じて、当該入力信号の電力調整に係る変位量を調整する場合と同様に、ACLR値及びモデル化誤差量に閾値を設け、それに応じて前記変位量を調整するように構成される。
図8は、本発明の第三の実施形態に係る基地局装置の増幅装置1を示すブロック図である。本実施形態と、第一の実施形態との相違点は、電源部30(上記図1では記載を省略)によって増幅器4に付与される電源電圧(ドレイン電圧)を調整する電源電圧調整部31をさらに備えている点である。
上記第一及び第二の実施形態では、入力信号の電力の調整によって歪補償の精度低下を抑制し、増幅器4の入出力特性に生じる歪を抑制する場合を示したが、本実施形態の増幅装置1は、入力信号の電力調整によって増幅器4の入出力特性の歪を抑制するのに加えて、電源電圧を調整することによっても増幅器4の入出力特性の歪を抑制することができる。つまり、本実施形態の増幅装置1は、入力信号の電力調整と、電源電圧の調整とを併用し、増幅器4の入出力特性の歪を抑制するように構成されている。
電源電圧調整部31は、歪補償回路20に含まれるACLR計算部25(図2)に接続されており、当該ACLR計算部25が出力する、増幅器4の入出力特性に現れる歪を数値化した歪レベルとしてのACLR値を取得するように構成されている。電源電圧調整部31は、電源部30を制御することで、ACLR計算部25から出力されるACLR値に応じて電源電圧を調整する機能を有している。なお、この電源電圧の調整に関する処理については後に詳述する。
本実施形態において、調整部26の制御部26bは、ACLR値が予め定められた閾値Pthよりも大きいか否かを判定し、ACLR値が閾値Pthよりも大きい場合に、上記図4中のフローチャートにて示した入力信号の電力の調整に関する処理を実行する。また、制御部26bは、前記判定を行い、電力の調整に関する処理を実行した状態、又は、調整に関する処理を停止した状態を維持しつつ所定時間待機し、その後、調整に関する処理を停止した上で再度、前記判定を行うように構成されている。
図9は、上述のように動作する制御部26bによって実現される、入力信号の電力調整と、電源電圧の調整とが併用されたときの処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS201において、制御部26bは、入力信号の電力調整に関する処理を停止し、所定時間待機する(ステップS201)。
ここで、電圧調整部31による電源電圧の調整に関する処理は、入力信号の電力調整に関する処理の実行停止に関わらず常に実行される。従って、入力信号の電力調整に関する処理が停止されると、制御部26bが待機する前記所定時間の間、電源電圧調整に関する処理のみ実行される(ステップS202)。なお、ステップS201における制御部26bが待機する所定時間は、電源電圧調整部31のみによる電源電圧の調整に関する処理が行われ、かつ増幅器4の入出力特性に対してその調整の効果が反映されるのに必要な時間に設定される。
入力信号の電力調整に関する処理を停止した上で、所定時間待機した後(ステップS201)、制御部26bは、現状のACLR値が第三の閾値としての閾値Pthよりも大きいか否かを判定する(ステップS203)。
ステップS203において、ACLR値が閾値Pthよりも大きいと判定された場合、制御部26bは、入力信号の電力調整に関する処理を実行する。従って、この場合、電源電圧の調整に関する処理に加え、入力信号の電力調整に関する処理が実行される(ステップS204)。次いで、制御部26bは、入力信号の電力調整に関する処理を実行した状態で、所定時間待機し(ステップS206)、スタートに戻る。
一方、ACLR値が閾値Pthよりも大きくないと判定された場合、制御部26bは、入力信号の電力調整に関する処理を停止した状態を維持する。従って、この場合、電源電圧の調整に関する処理のみが行われる(ステップS205)。制御部26bは、入力信号の電力調整に関する処理を停止した状態で、所定時間待機し(ステップS206)、スタートに戻る。なお、このステップS206における制御部26bが待機する所定時間は、電源電圧調整部31による電源電圧の調整に関する処理、及び調整部26による入力信号の電力調整に関する処理が行われ、かつ増幅器4の入出力特性に対してその調整の効果が反映されるのに必要な時間に設定される。
所定時間待機の後、ステップS201に戻り、制御部26bは、入力信号の電力調整に関する調整を停止するので、電源電圧調整に関する処理のみが実行され(ステップS202)、以降、上述のステップを繰り返す。なお、制御部26bは、入力信号の電力調整に関する処理を停止した後、再度調整に関する処理を開始するときは、予め定められた基準となる信号電力にリセットした上で調整を開始する。
ここで、閾値Pthは、増幅器4の入出力特性に生じる歪レベルとして許容可能な上限の値、例えば、上記第一の実施形態における上限値Pと同一の値に設定される。
つまり、本実施形態では、電源電圧調整部31による電源電圧の調整のみでは歪レベルとしてのACLR値が閾値Pth以下に抑えることができないときには、電源電圧の調整に加えて、調整部26の制御部26bによってさらに歪が抑制されるように入力信号の電力調整を実行する。
これにより、電源電圧調整部31の電源電圧の調整による歪の抑制効果を、調整部26による入力信号の電力調整によって補完することができ、より効果的に増幅器4の入出力特性に現れる歪を抑制することができる。
次に、電源電圧調整部31が行う、電源電圧の調整に関する処理内容について説明する。図10は、電源電圧調整部31が行う電源電圧の調整に関する処理を示すフローチャートである。
まず、電源電圧調整部31は、自己の機能として有するカウンタのカウンタ値Dを「0」にする(ステップS300)。そして、電源電圧調整部31は、ACLR計算部25からACLR値を取得し(ステップS301)、ACLR値が上記第一の実施形態にて示した、入出力信号に現れる歪レベルとして許容可能な上限の値である上限値P(第四の閾値)よりも大きいか否かを判定する(ステップS302)。
ステップS302で、ACLR値が上限値Pよりも大きいと判定すると、電源電圧調整部31は、現状の電源電圧が上限値V以上であるか否かを判定する(ステップS303)。現状の電源電圧が上限値V以上であると判定すると、電源電圧調整部31は、電源電圧を上限値Vに設定する(ステップS305)。現状の電源電圧が上限値V以上でないと判定すると、電源電圧調整部31は、現状の電源電圧に対して、予め定めた所定の変位量だけ電源電圧を上げるように調整する(ステップS304)。
このように、電源電圧調整部31は、ステップS302において、ACLR値が上限値Pよりも大きいと判定すると、増幅器4の入出力特性の歪レベルが許容範囲を超えていると判断し、電源電圧を上げるように調整する(ステップS304)。これによって、増幅器4の入出力特性の歪が飽和領域の低下として現れている場合には、電源電圧を上げることで、この飽和領域を相対的に上昇させることができ、入力信号の電力の範囲内における歪が抑制される方向に調整することができる。
なお、電源電圧の上限値Vは、例えば、増幅器4の定格電圧と絶対最大定格電圧との間の値に設定されている。
上記ステップS304、又はS305による処理の後、電源電圧調整部31は、カウンタ値Dを「0」にし(ステップS314)、ステップS301に戻る。
一方、ステップS302において、ACLR値が上限値Pよりも大きくないと判定すると、制御部26bは、ACLR値が下限値P(第五の閾値)より小さいか否かを判定する(ステップS306)。この下限値Pは、上述の第一の実施形態の下限値Pと同様であり、上限値Pよりも小さく、電源電圧を下げることが可能な(歪が抑制される方向とは逆の方向に調整可能な)余地を有していると判断できる程度に小さい歪レベルの値に設定される。
ステップS306で、ACLR値が下限値Pよりも小さいと判定すると、電源電圧調整部31は、現状の電源電圧が下限値V未満であるか否かを判定する(ステップS307)。現状の電源電圧が下限値V未満であると判定すると、電源電圧調整部31は、電源電圧を下限値Vに設定する(ステップS308)。現状の電源電圧が下限値V未満でないと判定すると、電源電圧調整部31は、現状の電源電圧に対して、予め定めた所定の変位量だけ電源電圧を下げるように調整する(ステップS309)。
なお、電源電圧の下限値Vは、例えば、増幅器4の定格電圧に設定される。
このように、電源電圧調整部31は、ステップS306において、ACLR値が下限値Pよりも小さいと判定し、かつステップS307で現状の電源電圧が下限値V未満でないと判定すると、電源電圧を下げることができると判断し、電源電圧を下げるように調整する(ステップS309)。
なお、ステップS309で電源電圧を下げる際の変位量は、ステップS304で電源電圧を上げる際の変位量よりも小さい値に設定されている。
ステップS308、又はS309による処理の後、電源電圧調整部31は、所定時間待機し(ステップS310)、その後、カウンタ値Dを「0」にして(ステップS314)、ステップS301に戻る。
上記のように、電源電圧調整部31は、電源電圧の調整の後、所定時間待機することで、電源電圧の調整を行うタイミングについて時間的な間隔を設けることができ、電源電圧の調整に係る処理を行う上でハンチングが発生するのを抑制することができる。
なお、所定時間待機させるタイミングとしては、電源電圧を上げるように調整した後、又は、電源電圧を下げるように調整した後のいずれか一方に設定されていればよいが、本実施形態のように、電源電圧を下げるように調整した後に設定する方が好ましい。後述するように、電源電圧を下げる際には、徐々に下げれば足りるが、電源電圧を上げる際には、現状歪が生じている状態であり、早急に調整の必要性があるからである。
ステップS306に戻って、ACLR値が下限値Pよりも小さくないと判定すると(ステップS306)、電源電圧調整部31は、カウンタ値Dが予め定めた閾値Dthよりも大きいか否かを判定する(ステップS311)。
カウンタ値Dが閾値Dthよりも大きいと判定した場合、電源電圧調整部31は、ステップS307に進み、電源電圧を上げるように調整する(ステップS307〜S309)。
一方、カウンタ値Dが閾値Dthよりも大きくないと判定した場合、電源電圧調整部31は、電源電圧を維持する(ステップS312)。
次いで電源電圧調整部31は、カウンタ値Dに「1」を加え(ステップS313)、ステップS301に戻る。
つまり、ACLR値が、上限値Pと下限値Pとの間で維持された状態であれば、ACLR値の取得ごとにカウンタ値Dの値が閾値Dthより大きくなるまで、電源電圧調整部31は電源電圧を維持する調整を行う。そして、カウンタ値Dが閾値Dthよりも大きくなると、電源電圧調整部31は、電源電圧を下げるように調整する。すなわち、電源電圧調整部31は、ACLR値が、上限値Pと下限値Pとの間で維持された状態が、カウンタ値Dが閾値Dthに達するまでの所定の期間継続すると、電源電圧を下げるように調整を行う。
なお、閾値Dthは、ACLR値の取得の間隔に応じて、電源電圧を下げると判断するまでの前記所定の期間を定める値であり、ACLR値が安定したと判断できる程度の期間が確保できる値に設定される。
例えば、何らかの原因によって一時的に歪レベルが増加した場合、電源電圧調整部31は、電源電圧を上げるように調整することで歪レベルを減少させようとするが、その後、一時的に歪レベルを増加させた原因がなくなることがある。このような場合、歪レベルは低い状態で維持されるが、歪レベルの増加原因がなくなることで電源電圧を下げる余地が生じる。
本実施形態では、上記のような場合においても、ACLR値が、上限値Pと下限値Pとの間で所定の期間安定して維持された場合、電源電圧を下げるように調整する。このため、電源電圧を上げた後に歪レベルが安定した場合においても、電源電圧を下げるように調整を開始するので、歪レベルを抑えつつできるだけ小さな電源電圧となるように調整でき、増幅装置1の効率性の悪化を防止することができる。
以上のようにして、電源電圧調整部31は、図10に示したフローチャートに従って処理を繰り返すことで、ACLR値に応じて電源部30の電源電圧の調整に関する処理を行う。
上記のように構成された増幅装置1によれば、ACLR計算部25が検出する歪レベルを示すACLR値に応じて電源電圧を調整する電源電圧調整部31を備えているので、温度変化や経年劣化に起因して増幅器4の入出力特性に大きな歪が生じたとしても、その歪レベルに応じて歪が抑制される方向に電源電圧を調整することができ、この結果、増幅器4の入出力特性に現れる歪を抑制することができる。
本実施形態の電源電圧調整部31は、ACLR値が、歪レベルとして許容可能な上限値Vより大きいか否かを判定し、ACLR値が上限値Vよりも大きいと判定する場合には、電源電圧を上げるように調整する。
つまり、ACLR値が上限値よりも大きくなれば、ACLR値が上限値を下回るまで、上限値Vと下限値Vとの間の範囲内で、電源電圧を所定の変位量ごとに上げるように調整する。
電源電圧を上げるように調整すれば、増幅器4の飽和領域を相対的に上昇させることができ、増幅器4の入出力特性の歪が飽和領域の低下として現れている場合には、入力信号の電力の範囲内における歪が抑制される方向に調整される。これによって、増幅器4の入出力特性に現れる歪を抑制することができる。
一方、ACLR値が上限値Pよりも十分に小さい場合には、歪を抑制しつつより電源電圧を下げることが可能な余地を有していると判断できる。
このため、電源電圧調整部31は、ACLR値が上限値Pよりも小さい値に設定された下限値PLより小さいか否かを判定し、ACLR値が下限値Pよりも小さいと判定する場合には、電源電圧を下げるように調整する。
この場合、電源電圧調整部31は、電源電圧を上げることでACLR値が減少した後に、ACLR値が十分に小さいと判定すれば、電源電圧を下げるように調整するので、例えば、何らかの原因で増幅器4の入出力特性における歪レベルが一時的に増加し、再度、歪レベルが減少するように変化した場合においても、電源電圧を上げた状態のままで維持してしまうことを防止できる。
さらに、本実施形態では、電源電圧を上げることで歪レベルが安定し、ACLR値が、上限値Pと下限値Pとの間で所定の期間だけ安定維持された場合に、電源電圧を下げるように調整するので(ステップS311〜S313)、電源電圧を上げた状態のままで維持してしまうことを防止できる。
上記実施形態において、電源電圧を上げる場合には、増幅器4の入出力特性が悪化する可能性が少ない一方、電源電圧を下げる場合には、飽和領域が低下し増幅器4の入出力特性に歪が生じる場合がある。このため、本実施形態では、上述したように、電源電圧調整部31が電源電圧を下げる際の変位量は、上げる際の変位量よりも小さく設定されている。
これにより、電源電圧を下げる場合には、上げる場合よりも小さな変位量で徐々に電源電圧を小さくさせることができるので、調整によって、増幅器4の入出力特性に大きな歪を生じさせてしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態において、歪レベルが急激に大きく変化した場合には、速やかに歪レベルを減少させるために、電源電圧もそれに応じて大きく変化させる必要が生じる。そこで、電源電圧調整部31は、歪レベルを示すACLR値に応じて、電源電圧の調整に係る変位量を調整するように構成することもできる。例えば、ACLR値が大きくなるほど電源電圧を上げる際の変位量を大きくなるように設定すれば、歪レベルが急激に大きく変化したとしても、速やかに歪レベルを減少させることができる。
また、本実施形態では、第一の実施形態で示した歪補償回路20と、電源電圧調整部31とを備え、電源電圧調整部31が、ACLR計算部25により検出された歪レベルを用いて電源電圧を調整する場合を例示したが、上記第二の実施形態で示した歪補償回路20と、電源電圧調整部31とを備え、電源電圧調整部31が、モデル化誤差計算部27により出力されるモデル化誤差量を歪レベルとして用いて電源電圧を調整することもできる。
なお、本実施形態では、上述したように、例えば、電源電圧調整部31による電源電圧の調整に関する処理によって、ACLR値が閾値Pth以下に抑えることができないときには、上述の電源電圧調整部31による電源電圧の調整に関する処理に加えて、調整部26によって入力信号の電力調整に関する処理が行われる。
これにより、電源電圧調整部31の電源電圧の調整による歪の抑制効果を、調整部26による入力信号の電力調整によって補完することができ、より効果的に増幅器4の入出力特性に現れる歪を抑制することができる。
また、本実施形態では、電源電圧調整部31が電源部30による電源電圧を調整するように構成したが、例えば、図11に示すように、電源部30に代えて、入力信号のエンベロープ信号に応じて変調された電源電圧を増幅器4に付与するエンベロープトラッキング機能を有する電源変調部40を備え、電源電圧調整部31がこの電源変調部40の電源電圧の調整を行うように構成することもできる。
図11中、電源変調部40は、入力信号を検波してエンベロープ信号を取り出す検波部41と、取り出したエンベロープ信号に対して電力−電圧変換及びD/A変換を行い増幅器4に電源電圧を付与する電圧制御部42とを備えている。
電圧制御部42は、エンベロープ信号に応じた電源電圧を、所定の電圧範囲内で変調して増幅器4に付与する。電圧制御部42は、エンベロープ信号の電力が比較的低いときは、電源電圧を抑え、エンベロープ信号の電力が比較的高いときは、それに応じて電源電圧を上げるように制御することで電力効率を高める、いわゆるエンベロープトラッキング方式によって電源電圧を制御する。
ここで、図11における電源電圧調整部31では、電源電圧を調整する機能として、電圧制御部42が電源電圧を制御する際の所定の電圧範囲における最大値を調整する機能を有している。
電源電圧調整部31は、ACLR計算部25からのACLR値に応じて前記最大値を調整する。なお、前記最大値は、上記実施形態と同様、図10で示したフローチャートに基づいて定めることができる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されることはない。
例えば、上記第一及び第二の実施形態では、調整部26によって入力信号の電力のみを調整する場合、第三の実施形態では、調整部26に加えてさらに電源電圧調整部31をさらに備え、入力信号の電力と、増幅器4に付与される電源電圧(ドレイン電圧)とを調整する場合を示したが、調整部26を備えずに電源電圧調整部31を備えることで、電源電圧のみを調整することで、増幅器4の入出力特性に生じる歪を抑制するように構成してもよい。
上記各実施形態では、歪レベルとしてACLR値又はモデル化誤差量の一方を用い、これらの値に基づいて入力信号電力を調整する場合を例示したが、例えば、ACLR計算部25と、モデル化誤差計算部27の両方を備えることで、ACLR値及びモデル化誤差量の両方に基づいて、入力信号電力(電源電圧)を調整するように構成することもできる。この場合、制御部26bは、ACLR値及びモデル化誤差量の内、いずれか一方が、上限値より大きければ(図4中、ステップS102、図10中、ステップS302)、入力信号を下げる(電源電圧を上げる)ように調整し(図4中、ステップS104、S105、図10中、ステップS304)、両方が上限値以下であれば(図4中、ステップS102)、入力信号の電力を維持又は上げる(電源電圧を維持又は下げる)ように調整する(図4中、ステップS109,S110,S114、図10中、ステップS309、S312)。また、下限値についても、いずれか一方が下限値より小さければ(ステップS106、図10中、ステップS306)、入力信号を上げる(電源電圧を下げる)ように調整し(図4中、ステップS109,S110、図10中、ステップS309)、両方が下限値以上であれば維持するように調整する(図4中、ステップS114、図10中、ステップS312)。上記構成により、増幅器の歪レベルをより多面的に検出できる。
本発明に関して、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 増幅装置
4 増幅器
20 歪補償回路
23 歪補償部
25 ACLR計算部(歪レベル検出部)
26 調整部(信号電力調整部)
27 モデル化誤差計算部(歪レベル検出部)
30 電源部
31 電源電圧調整部
40 電源変調部
BS 基地局装置

Claims (15)

  1. 入力信号の電力を増幅する増幅器と、
    前記増幅器の入出力特性に現れる歪についての歪レベルを検出する歪レベル検出部と、
    前記歪レベルに応じて前記入力信号の電力を調整する調整部と、を備えていることを特徴とする増幅装置。
  2. 前記調整部は、前記歪レベル検出部が検出した歪レベルが、当該歪レベルとして許容可能な上限値として予め定められた第一の閾値より大きいか否かを判定し、前記歪レベルが前記第一の閾値よりも大きいと判定する場合には、前記入力信号の電力を下げるように調整する請求項1に記載の増幅装置。
  3. 前記調整部は、前記歪レベルが前記第一の閾値よりも小さい値に設定された第二の閾値より小さいか否かを判定し、前記歪レベルが前記第二の閾値よりも小さいと判定する場合には、前記入力信号の電力を上げるように調整する請求項2に記載の増幅装置。
  4. 前記調整部が前記入力信号の電力を上げる際の変位量は、前記入力信号の電力を下げる際の変位量よりも小さく設定されている請求項3に記載の増幅装置。
  5. 前記調整部は、前記入力信号の電力を調整した後、所定期間経過するまで、再度前記入力信号の電力を調整するのを待機する請求項1〜4のいずれか一項に記載の増幅装置。
  6. 前記調整部は、前記入力信号の電力に応じて、当該入力信号の電力調整に係る変位量を調整する請求項1〜5のいずれか一項に記載の増幅装置。
  7. 前記調整部は、前記入力信号の最大電力値に応じた調整を行う請求項6に記載の増幅装置。
  8. 前記調整部は、前記歪レベルに応じて、前記入力信号の電力調整に係る変位量を調整する請求項1〜7のいずれか一項に記載の増幅装置。
  9. 前記歪レベル検出部は、前記増幅器の出力信号を取得し、当該出力信号として使用可能な使用可能周波数帯域の電力に対する、前記使用可能周波数帯域に隣接する隣接周波数帯域の電力の漏洩電力比を求め、この漏洩電力比を歪レベルとして出力する請求項1〜8のいずれか一項に記載の増幅装置。
  10. 前記入力信号及び当該入力信号に対応して前記増幅器が出力する出力信号を用いて前記増幅器の入出力特性を表すモデルを推定し、このモデルを用いて前記増幅器の歪補償を行う歪補償部をさらに備え、
    前記歪レベル検出部は、前記歪補償部が推定する前記モデルと、前記入力信号及び前記出力信号から表される前記増幅器の入出力特性との間の差をモデル化誤差量として求め、このモデル化誤差量を歪レベルとして出力する請求項1〜8のいずれか一項に記載の増幅装置。
  11. 前記調整部は、前記歪補償部が取得する前記出力信号の電力を調整することで、前記入力信号の電力を間接的に調整する請求項10に記載の増幅装置。
  12. 前記調整部は、前記入力信号の電力を直接的に調整する請求項1〜10のいずれか一項に記載の増幅装置。
  13. 入力信号の電力を増幅する増幅器と、
    前記増幅器に電源電圧を付与する電源部と、
    前記増幅器の入出力特性に現れる歪についての歪レベルを検出する歪レベル検出部と、
    前記歪レベルに応じて前記電源電圧を調整する電源電圧調整部と、を備えていることを特徴とする増幅装置。
  14. 前記電源電圧調整部により前記電源電圧が調整されたときの歪レベルが所定の第三の閾値より大きい場合、前記電源電圧が調整されたときの歪レベルに応じて前記入力信号の電力を調整する信号電力調整部をさらに備えている請求項13に記載の増幅装置。
  15. 増幅装置を備えた無線送信装置であって、
    前記増幅装置は、請求項1又は13に記載の増幅装置であることを特徴とする無線送信装置。
JP2010130087A 2009-09-10 2010-06-07 増幅装置、及びこれを用いた無線送信装置 Pending JP2011082953A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010130087A JP2011082953A (ja) 2009-09-10 2010-06-07 増幅装置、及びこれを用いた無線送信装置
PCT/JP2010/065427 WO2011030794A1 (ja) 2009-09-10 2010-09-08 増幅装置、及びこれを用いた無線送信装置
US13/393,373 US8773201B2 (en) 2009-09-10 2010-09-08 Amplifying device and wireless transmission device using the same
TW099130413A TW201138294A (en) 2009-09-10 2010-09-09 Amplifying device and wireless transmission device using the same

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009209770 2009-09-10
JP2010130087A JP2011082953A (ja) 2009-09-10 2010-06-07 増幅装置、及びこれを用いた無線送信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011082953A true JP2011082953A (ja) 2011-04-21

Family

ID=43732463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010130087A Pending JP2011082953A (ja) 2009-09-10 2010-06-07 増幅装置、及びこれを用いた無線送信装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8773201B2 (ja)
JP (1) JP2011082953A (ja)
TW (1) TW201138294A (ja)
WO (1) WO2011030794A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012144104A1 (ja) * 2011-04-22 2012-10-26 住友電気工業株式会社 無線通信装置
JP2013074568A (ja) * 2011-09-29 2013-04-22 Fujitsu Ltd 高周波電力増幅装置、高周波電力増幅方法、送信装置
JP2015037284A (ja) * 2013-08-15 2015-02-23 富士通株式会社 無線通信回路及び無線通信装置
JP2016167821A (ja) * 2011-09-16 2016-09-15 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 電力消費量を低減させるための回路

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8879665B2 (en) * 2011-06-08 2014-11-04 Broadcom Corporation Controlling a power amplifier based on transmitter output emissions
US8830710B2 (en) 2012-06-25 2014-09-09 Eta Devices, Inc. RF energy recovery system
JP6098336B2 (ja) * 2012-09-25 2017-03-22 住友電気工業株式会社 歪補償装置および無線通信装置
US9537456B2 (en) 2012-10-30 2017-01-03 Eta Devices, Inc. Asymmetric multilevel backoff amplifier with radio-frequency splitter
US9166536B2 (en) 2012-10-30 2015-10-20 Eta Devices, Inc. Transmitter architecture and related methods
US8829993B2 (en) 2012-10-30 2014-09-09 Eta Devices, Inc. Linearization circuits and methods for multilevel power amplifier systems
US9680422B2 (en) * 2013-03-27 2017-06-13 Qualcomm Incorporated Power amplifier signal compensation
JP2015032979A (ja) * 2013-08-02 2015-02-16 富士通株式会社 歪補償装置および歪補償方法
US9768731B2 (en) 2014-07-23 2017-09-19 Eta Devices, Inc. Linearity and noise improvement for multilevel power amplifier systems using multi-pulse drain transitions
CN104539246B (zh) * 2015-01-04 2017-08-29 华为技术有限公司 基于包络跟踪的数字预畸变***、射频***和方法
US9979421B2 (en) 2015-03-02 2018-05-22 Eta Devices, Inc. Digital pre-distortion (DPD) training and calibration system and related techniques
US9730165B2 (en) * 2016-01-12 2017-08-08 Qualcomm Incorporated Techniques for modifying transceiver power during digital pre-distortion training
US11057004B2 (en) 2017-02-25 2021-07-06 Nanosemi, Inc. Multiband digital predistorter
US10141961B1 (en) 2017-05-18 2018-11-27 Nanosemi, Inc. Passive intermodulation cancellation
WO2018223256A1 (en) * 2017-06-05 2018-12-13 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Method and controller for controlling power amplifier in radio transmitter as well as radio unit and radio device
US11115067B2 (en) 2017-06-09 2021-09-07 Nanosemi, Inc. Multi-band linearization system
US11323188B2 (en) 2017-07-12 2022-05-03 Nanosemi, Inc. Monitoring systems and methods for radios implemented with digital predistortion
WO2019070573A1 (en) 2017-10-02 2019-04-11 Nanosemi, Inc. DIGITAL PREDISTORSION ADJUSTMENT BASED ON DETERMINATION OF CHARGE CHARACTERISTICS
US10644657B1 (en) 2018-05-11 2020-05-05 Nanosemi, Inc. Multi-band digital compensator for a non-linear system
US11863210B2 (en) 2018-05-25 2024-01-02 Nanosemi, Inc. Linearization with level tracking
US10992326B1 (en) * 2020-05-19 2021-04-27 Nanosemi, Inc. Buffer management for adaptive digital predistortion
TWI749865B (zh) * 2020-11-12 2021-12-11 瑞昱半導體股份有限公司 發射電路及其發射訊號強度調整方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2830140B2 (ja) * 1989-08-18 1998-12-02 日本電気株式会社 送信出力増幅回路
JPH0416006A (ja) * 1990-05-10 1992-01-21 Kokusai Electric Co Ltd 共通増幅器の歪補償制御方法
JP3186113B2 (ja) * 1991-10-04 2001-07-11 日本電気株式会社 電力増幅器
JP2638470B2 (ja) * 1994-03-10 1997-08-06 日本電気株式会社 電力増幅回路
JPH08213919A (ja) * 1995-02-07 1996-08-20 Fujitsu Ltd 無線送信機出力制御装置
JPH10150327A (ja) * 1996-11-18 1998-06-02 Kokusai Electric Co Ltd 増幅回路
JP3590571B2 (ja) * 2000-08-30 2004-11-17 株式会社日立国際電気 歪補償装置
JP3690988B2 (ja) * 2001-02-01 2005-08-31 株式会社日立国際電気 プリディストーション歪み補償装置
US7212584B2 (en) * 2002-08-05 2007-05-01 Hitachi Kokusai Electric Inc. Distortion compensator
JP2004120451A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Hitachi Kokusai Electric Inc 増幅装置
JP2005322988A (ja) * 2004-05-06 2005-11-17 Hitachi Kokusai Electric Inc 歪補償増幅装置
FI20075690A0 (fi) * 2007-10-01 2007-10-01 Nokia Corp Signaalin esivääristäminen radiolähettimessä
US8463207B2 (en) * 2008-08-20 2013-06-11 Freescale Semiconductor, Inc. Wireless communication unit, integrated circuit and method of power control of a power amplifier therefor
JP5102739B2 (ja) 2008-10-27 2012-12-19 住友金属工業株式会社 燐のミクロ偏析が分散された鋼および連続鋳造鋳片

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012144104A1 (ja) * 2011-04-22 2012-10-26 住友電気工業株式会社 無線通信装置
JP2016167821A (ja) * 2011-09-16 2016-09-15 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 電力消費量を低減させるための回路
JP2013074568A (ja) * 2011-09-29 2013-04-22 Fujitsu Ltd 高周波電力増幅装置、高周波電力増幅方法、送信装置
JP2015037284A (ja) * 2013-08-15 2015-02-23 富士通株式会社 無線通信回路及び無線通信装置

Also Published As

Publication number Publication date
US8773201B2 (en) 2014-07-08
US20120194271A1 (en) 2012-08-02
TW201138294A (en) 2011-11-01
WO2011030794A1 (ja) 2011-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011082953A (ja) 増幅装置、及びこれを用いた無線送信装置
JP4935906B2 (ja) 歪補償装置および方法
KR101067099B1 (ko) 왜곡 보상 장치 및 방법
KR101101596B1 (ko) 왜곡 보상 장치 및 방법
JP5603785B2 (ja) 増幅装置
JP2009273110A (ja) ポーラ変調送信装置及びポーラ変調送信方法
US9444412B2 (en) Distortion compensation apparatus and method therefor
JP2015026968A (ja) 歪補償装置および歪補償方法
US8755757B2 (en) Amplifier apparatus, radio transmitting apparatus including same, and method of adjusting gain of amplifier apparatus
JP2005151119A (ja) 歪補償装置
JP5316325B2 (ja) 歪補償回路、及びこれを用いた無線送信装置、歪補償方法
JP2018142798A (ja) 増幅装置及び通信機
JP2012199716A (ja) 増幅器、送信装置およびゲート電圧決定方法
JP2009100429A (ja) ドハティ増幅器
JP2008219674A (ja) 前置歪補償装置およびその伝達関数決定方法
JP2004173001A (ja) 送信回路、レベル補償方法及びプログラム
JP2010166454A (ja) 歪補償装置及び無線基地局
JP6311497B2 (ja) 無線装置
KR20160041491A (ko) 기준점 가변방식을 사용한 전력증폭기의 온도보상방법
JP2012129806A (ja) 高周波増幅器
JP2004336291A (ja) 非線形歪補償装置
JP2010004362A (ja) 歪み補償機能を備えた増幅装置
JP2010166453A (ja) 歪補償装置及び無線基地局
JP2016039379A (ja) 歪み補償制御装置、歪み補償増幅システム、歪み補償制御方法及びプログラム
JP2010166451A (ja) 歪補償装置及び無線基地局