JP2018142798A - 増幅装置及び通信機 - Google Patents

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Abstract

【課題】歪補償のための処理負荷の増加を避けつつ、複雑な非線形特性に対処すること【解決手段】増幅装置100は、増幅回路20と、増幅回路20の歪を補償する歪補償器11と、増幅回路20の非線形特性の複雑性が緩和されるように非線形特性を調整する調整器30と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、増幅装置及び通信機に関する。
特許文献1は、増幅器の歪補償を開示している。歪補償は、増幅器の非線形特性により、増幅器の出力に生じる歪を補償する。
特開2010−199917号公報
増幅器は、複雑な非線形特性を持つことがある。例えば、ドハティ増幅回路は、非線形特性が複雑になり易い。ドハティ増幅回路では、例えば、AB級で動作するメイン増幅器の出力とC級で動作するピーク増幅器の出力とを合成するため、両増幅器の動作を合わせないと、非線形特性は複雑になる。
複雑な非線形特性は、近似多項式が、高次になる。複雑な非線形特性を持つ増幅器の歪補償をするには、例えば、高次の近似多項式を処理するなどの複雑な処理が必要となり、処理負荷が増加する。処理負荷の増加は、回路規模増加、消費電力増加、又はコスト増加等の様々な問題を生じさせる。
歪補償のための処理負荷の増加を避けつつ、複雑な非線形特性に対処することが望まれる。
本発明の一態様は、増幅装置である。実施形態において、増幅装置は、増幅回路と、前記増幅回路の歪を補償する歪補償器と、前記増幅回路の非線形特性の複雑性が緩和されるように前記非線形特性を調整する調整器と、を備える。
本発明の他の態様は、通信機である。実施形態において、通信機は、通信信号を増幅する増幅回路と、前記増幅回路の歪を補償する歪補償器と、前記増幅回路の非線形特性の複雑性が緩和されるように前記非線形特性を調整する調整器と、を備える。
本発明によれば、歪補償のための処理負荷の増加を避けつつ、複雑な非線形特性に対処することができる。
通信機のブロック図である。 非線形特性調整及び増幅回路モデル推定のフローチャートである。 非線形特性の調整例を示す図である。 非線形特性の調整例を示す図である。 増幅回路の変形例を示すブロック図である。
[1.実施形態の概要]
(1)実施形態に係る増幅装置は、増幅回路と、前記増幅回路の歪を補償する歪補償器と、前記増幅回路の非線形特性の複雑性が緩和されるように前記非線形特性を調整する調整器と、を備える。非線形特性が複雑であると、非線形特性の近似多項式の次数が高くなるが、非線形特性の複雑性を緩和すると、非線形特性の近似多項式の次数を下げることができる。したがって、非線形特性の複雑性を緩和することで、歪補償のための処理負荷の増加を避けることができる。
(2)前記調整器は、前記増幅回路のバイアス電圧を制御することで、前記非線形特性を調整することができる。増幅回路のバイアス電圧は、増幅回路の非線形特性に影響するため、バイアス電圧の制御で、非線形特性の調整ができる。バイアス電圧は、例えば、ドレインバイアス電圧であってもよいし、ゲートバイアス電圧であってもよい。
(3)前記増幅回路は、増幅器と、前記増幅器に接続された可変インピーダンス素子をさらに備え、前記調整器は、前記可変インピーダンス素子を制御することで、前記非線形特性を調整することができる。増幅器に接続されたインピーダンスは、増幅回路の非線形特性に影響するため、可変インピーダンス素子の制御で、非線形特性の調整ができる。可変インピーダンス素子は、増幅器の入力側に接続されていてもよいし、出力側に接続されていてもよいし、入出力側の双方に接続されていてもよい。なお、増幅回路が、複数の増幅器を備える場合、可変インピーダンス素子は、複数の増幅器のインピーダンス整合状態に影響を与えるように接続されているのが好ましい。
(4)前記歪補償器は、前記調整器によって前記非線形特性が調整された前記増幅回路の出力に基づいて、前記増幅回路の歪を補償することができる。非線形特性の複雑性が緩和されていることで、歪補償器が増幅回路の歪を補償するのが容易となる。
(5)前記歪補償器は、n(nは2以上の自然数)次多項式で近似された前記増幅回路の特性に基づいて、前記増幅回路の歪を補償するよう構成され、前記調整器は、前記非線形特性がn次以下の多項式で近似されるように、前記非線形特性を調整することができる。歪補償に用いられる近似多項式の次数は、歪補償性能の制約となる。増幅回路の非線形特性の複雑性を歪補償性能に応じて緩和させることで、適切な歪補償効果が得られる。
(6)前記調整器は、前記非線形特性を近似する所定の次数以下の多項式と前記非線形特性との相関が、閾値を超えるように、前記非線形特性を調整することができる。次数が所定次数以下の低次の近似多項式と非線形特性との相関が高くなれば、非線形特性の複雑性が適切に緩和されていることになる。
(7)前記調整器は、前記増幅回路の温度変動が検出されたときに、前記非線形特性を調整することができる。温度の変化は、非線形特性に影響するため、温度変動があったときに、非線形特性を調整することで、温度変動に対応できる。
(8)実施形態に係る通信装置は、通信信号を増幅する増幅回路と、前記増幅回路の歪を補償する歪補償器と、前記増幅回路の非線形特性の複雑性が緩和されるように前記非線形特性を調整する調整器と、を備える。
[2.実施形態の詳細]
[2.1 増幅装置を備えた通信機]
図1は、増幅装置100を備えた通信機10を示している。実施形態の通信機10は、無線通信機である。無線通信機10は、例えば、移動体通信の基地局又は移動局である。
通信機10は、デジタル信号プロセッサ200を備える。プロセッサ200は、デジタル変調されたデジタル通信信号を、増幅装置100へ出力する。増幅装置100は、プロセッサ200から与えられた通信信号を増幅し、増幅された通信信号を出力する。増幅された通信信号は、アンテナ300から無線信号として送信される。
実施形態の増幅装置100は、増幅回路20を備える。実施形態の増幅回路20は、電力増幅回路である。電力増幅回路20は、例えば、ドハティ(Doherty)増幅回路である。ドハティ増幅回路20は、メイン増幅器21及びピーク増幅器22を備える。メイン増幅器21は、AB級又はB級で動作する。メイン増幅器は、キャリア増幅器と呼ばれることもある。ピーク増幅器22はC級で動作する。図1のドハティ増幅回路20は、メイン増幅器21の出力側に接続されたλ/4線路23と、ピーク増幅器22の入力側に接続されたλ/4線路と、を備える。
ドハティ増幅回路20では、瞬時電力が小さいときには、メイン増幅器21が動作する一方、ピーク増幅器22の動作が停止することで、効率が高まる。瞬時電力が大きいときには、両増幅器21,22が動作するので高効率を維持しつつ飽和電力を大きくすることができる。なお、増幅回路20は、ドハティ方式に限られるものではなく、他の方式であってもよい。
実施形態の増幅装置100は、歪補償器11を備える。歪補償器11は、増幅回路20の非線形特性により生じる歪を補償する。歪補償器11は、例えば、前置歪補償器(predistorter)である。前置歪補償(predistortion)は、例えば、デジタル処理により行われるデジタルプリディストーション(Digital predistortion)である。
歪補償器11は、プロセッサ200から与えられた通信信号に対して、歪補償処理を実行する。歪補償器11は、歪補償された通信信号を、デジタル/アナログコンバータ(DAC)12に出力する。DAC12は、デジタル通信信号をアナログ通信信号に変換する。DAC12は、アナログ通信信号を周波数変換器13に出力する。周波数変換器13は、通信信号の周波数を無線周波数にアップコンバートする。無線周波数の通信信号は、前置増幅器14によって増幅される。前置増幅器14は、増幅した通信信号を、増幅回路20に出力する。増幅回路20により増幅された通信信号は、アンテナ300から送信される。なお、増幅回路20とアンテナ300との間には、アイソレータ15が設けられている。
増幅回路20の出力側には、方向性結合器16が設けられている。方向性結合器16は、増幅回路20から出力された通信信号のフィードバック信号を得る。フィードバック信号は、周波数変換器17によりダウンコンバートされ、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)18によりデジタル信号に変換される。
実施形態の増幅装置100は、CPU30を備える。増幅回路20の出力から得られたフィードバック信号は、CPU30に与えられる。CPU30は、図示しないメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行する。実施形態のコンピュータプログラムは、増幅回路20の非線形特性を調整する処理のためのプログラムコードを含む。実施形態において、CPU30は、非線形特性を調整する処理のためのプログラムコードを実行することで、増幅回路20の非線形特性を調整する調整器として機能する。
図1に示すCPU30は、前記増幅回路20の非線形特性を調整するために、バイアス電圧を制御する。すなわち、図1においては、調整器30は、バイアス電圧制御器として機能する。増幅回路20では、バイアス電圧が変化すると非線形特性も変化する。
バイアス電圧制御器30は、増幅回路20のバイアス電圧を制御するための指令信号を出力する。指令信号は、制御対象のバイアス電圧の値を示す。指令信号は、DAC31,32に与えられる。DAC31,32は、指令信号に応じた電圧を、バイアス電圧として出力する。
図1において、制御対象のバイアス電圧は、メイン増幅器21のドレインバイアス電圧VDM、メイン増幅器21のゲートバイアス電圧VGM、ピーク増幅器22のドレインバイアス電圧VDP、及びピーク増幅器22のゲートバイアス電圧VGPである。なお、これらのバイアス電圧の全てを制御する必要はないが、ゲートバイアス電圧及びドレインバイアス電圧の双方を制御することで、非線形特性の調整が容易となる。
実施形態の増幅回路20は、温度センサ26を備える。温度センサ26は、増幅回路20の温度を計測する。計測した温度は、CPU30に与えられる。CPU30は、増幅回路20の温度を、非線形特性の調整処理において用いる。増幅回路20の非線形特性は、温度によって変化するため、増幅回路20の温度を、非線形特性の調整に利用するのが有利である。
図1においては、単一の温度センサ26によって、増幅回路20の温度を計測しているが、複数の温度センサ26によって温度を計測してもよい。増幅回路20が複数の増幅器21,22を備えている場合には、複数の温度センサ26によって、個々の増幅器21,22の温度を計測することができる。複数の増幅器21,22は、それぞれ温度が異なることがあるため、個々の増幅器21,22の温度を計測することで、非線形特性の調整処理をより適切に行うことができる。非線形特性の調整処理の詳細については後述する。
実施形態のコンピュータプログラムは、歪補償に用いられる増幅回路モデルを推定する処理のためのプログラムコードを含む。実施形態において、CPU30は、増幅回路モデルを推定する処理のためのプログラムコードを実行することで、増幅回路モデルの推定器として機能する。
推定器30は、増幅回路20の特性を示す増幅回路モデルを推定する。推定器30は、例えば、増幅回路20の逆特性を近似するn(nは2以上の自然数)次多項式の係数を計算する。nは、例えば、4又は5である。nをあまり大きくしないことで、歪補償系における処理負荷を抑えることができる。
推定器30は、推定した増幅回路モデル(n次多項式の係数)を、歪補償器11に与える。歪補償器11は、推定された増幅回路モデルに基づいて、増幅回路20の歪を補償する。図1に示す歪補償系では、n次多項式で表される非線形特性を補償できるが、nよりも高次の多項式でしか表せない非線形特性は補償できない。
[2.2 CPUの処理(非線形特性の複雑性緩和と増幅回路モデル推定)]
図2は、調整器及び推定器として機能するCPU30によって実行される処理を示している。ステップS11では、変数i,jが0に設定される。ステップS12では、初期状態として、バイアス電圧指令値を示す各変数VGM(i,j),VDM(i,j),VGP(i,j),VDP(i,j)それぞれに適当な初期値VGM0,VDM0,VGP0、VDP0が設定される。CPU30は、VGM(i,j),VDM(i,j),VGP(i,j),VDP(i,j)の各変数によって示される電圧指令値を、DAC31,32に与える。これにより、増幅回路20における各バイアス電圧VGM,VDM,VGP,VDPが、変数VGM(i,j),VDM(i,j),VGP(i,j),VDP(i,j)が示すバイアス印加初期値に調整される。
ステップS13において、CPU30は、温度センサ26によって計測された温度Temp(i,j)を取得する。ステップS14において、CPU30は、フィードバック信号を取得する。取得されるフィードバック信号は、周波数変換器17によりダウンコンバートされ、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)によりデジタル信号に変換されたものである。
ステップS15において、CPU(調整器)30は、増幅回路20の非線形特性を、フィードバック信号に基づいて計算する。計算される非線形特性は、例えば、AMAM特性及びAMPM特性である。ここで、AMは、Amplitude Modulationの略であり、PMは、Phase Modulationの略である。AMAM特性は、増幅回路20の振幅非線形特性を示し、より具体的には、増幅回路20における入力の振幅と出力の振幅の関係を示す。AMPM特性は、増幅回路20の位相非線形特性を示し、より具体的には、増幅回路20における入力の振幅と出力の位相との関係を示す。
ステップS16において、CPU(調整器)30は、ステップS15において計算された非線形特性の近似をする。近似は、例えば、最小二乗法により行われる。最小二乗法により、非線形特性を近似する多項式が求められる。ステップS16では、例えば、5次多項式又は5次よりも低次の多項式により、非線形特性が近似される。
歪補償器11による歪補償が可能な非線形特性を表す多項式の次数をnとした場合、ステップS16において、非線形特性の近似に用いられる多項式の次数はn又はn未満である。例えば、歪補償器11による歪補償が可能な非線形特性を表す多項式の次数が5であれば、ステップS16において、非線形特性の近似に用いられる多項式の次数は5以下である。
さらに、CPU30は、ステップS16において、非線形特性と、非線形特性を近似する多項式との相関係数を求める。相関係数が、閾値以上であれば、増幅回路20の非線形特性は、5次以下の多項式によって適切に近似できる程度にシンプルなものである。相関係数が、閾値未満であれば、増幅回路20の非線形特性は、5次以下の多項式では適切に近似できない程に複雑なものである。なお、閾値は、例えば、0.95に設定される。
ここで、増幅回路20の非線形特性が、歪補償器11による歪補償が可能な程度にシンプルであれば、歪補償器11による歪補償は適切に機能する。一方、増幅回路20の非線形特性が、歪補償器11による歪補償が可能な程度を超えて複雑になると、歪補償器11による歪補償が十分に機能しない。
したがって、歪補償器11による歪補償を適切に機能させるためには、増幅回路20の非線形特性の複雑性を緩和させればよい。非線形特性の複雑性が緩和され、歪補償器11による歪補償が可能な程度にシンプルな非線形特性になると、歪補償器11による歪補償は適切に機能することができる。
ステップS16で求めた相関係数が、閾値未満であれば、非線形特性は、歪補償器11の歪補償性能を超えた複雑なものといえる。そこで、実施形態のCPU(調整器)30は、非線形特性の複雑性を緩和するため、ステップS18において、増幅回路20の非線形特性を調整する。ステップS18では、非線形特性調整のため、増幅回路20のバイアス電圧VGM,VDM,VGP,VDPを制御する。バイアス電圧VGM,VDM,VGP,VDPの制御では、例えば、所定の電圧可変範囲内において、各バイアス電圧の組み合わせが総当り的に試される。
より具体的には、ステップS18に先立つステップS17において、変数jがインクリメントされ、ステップS18においては、バイアス電圧を示す各変数VGM(i,j),VDM(i,j),VGP(i,j),VDP(i,j)の値の組み合わせが、所定の電圧可変範囲内における別の値の組み合わせに変更される。CPU30は、変更された変数VGM(i,j),VDM(i,j),VGP(i,j),VDP(i,j)によって示される電圧指令値を、DAC31,32に与える。これにより、増幅回路20における各バイアス電圧VGM,VDM,VGP,VDPが、変数VGM(i,j),VDM(i,j),VGP(i,j),VDP(i,j)が示す値に変更される。バイアス電圧の変更により、増幅回路20の非線形特性が変化する。
そして、CPU30は、ステップS13において、温度Temp(i,j)を再取得し、ステップS14において、非線形特性が変化した増幅回路20の出力のフィードバック信号を再取得する。CPU30は、ステップS15において、再取得したフィードバック信号に基づいて、非線線形特性を再計算する。CPU30は、ステップS16において、再計算した非線形特性の多項式近似をし、非線形特性と多項式との相関係数を求める。
ステップS13からステップS18のループは、ステップS16において、相関係数が閾値以上になるまで繰り返される。ステップS16で求めた相関係数が、閾値以上であれば、非線形特性は、歪補償器11による歪補償が適切に機能する程度の複雑性に緩和されている。
ステップS16において求めた相関係数が閾値以上になると、CPU30は、現在のバイアス電圧の印加を維持(ステップS18)する。
CPU(推定器)30は、ステップS19において、CPU(推定器)30は、フィードバック信号に基づいて、増幅回路モデルを推定する。ここで取得されるフィードバック信号は、増幅回路モデル推定のため、非線形特性の複雑性が緩和された増幅回路20から出力されたものである。増幅回路モデルの推定では、n次多項式(例えば、5次多項式)の係数が計算される。ステップS20において、計算された係数は、歪補償器11に与えられる。歪補償器11は、与えられた係数(増幅回路モデル)に基づいて、通信信号の歪補償処理を実行する。
実施形態の歪補償器11は、n次多項式(例えば、5次多項式)で表される非線形特性しか補償できない。しかし、非線形特性の調整により、増幅回路10の非線形特性はn次以下の多項式で近似されるように複雑性が緩和されており、歪補償器11の歪補償性能の範囲に収まっている。したがって、実施形態によれば、複雑な非線形特性を補償できる高価な歪補償器を用いなくても、コストを低減することができる。
ステップS21において、CPU(調整器)30は、温度センサ26によって計測される温度の変動の有無を判定する。現在の温度Temp(i+1,j)が、バイアス電圧を最後に変更したときの温度Temp(i,j)よりも閾値以上変化した場合には、CPU30は、温度変動を検出する。ここでの閾値は、例えば、2℃である。
CPU30は、ステップS22において閾値以上の温度変動を検出すると、ステップS22において変数iをインクリメントした上で、ステップ13に戻る。CPU30は、ステップS13以降の処理を再実行し、非線形特性を再調整する。増幅回路20の非線形特性は温度によって変化するため、温度変動が検出されたときに非線形特性を再調整すると、温度変動に適切に対応できる。
なお、CPU30は、温度変動が検出されたとき以外にも、非線形特性の調整をしてもよい。非線形特性の調整は、例えば、温度変動に関係なく、周期的に実行してもよい。また、複数の増幅器21,22の温度が個別に計測される場合、温度変動が検出された増幅器のバイアス電圧を制御するようにしてもよい。
さらに、図2では、非線形特性の調整のため、ステップS13からステップS18のループの繰り返しにより、総当り的な方式で、最適な制御パラメータ(バイアス電圧)を見出していたが、このような調整方法に限られない。例えば、温度等の増幅回路の動作環境条件に応じた最適な制御パラメータ(バイアス電圧)が予めわかっている場合には、動作環境条件と制御パラメータを規定した参照テーブルを用いることができる。CPU30は、動作環境条件に応じて、参照テーブルを参照することで、非線形特性を緩和するための制御パラメータを得ることができる。なお、制御パラメータは、バイアス電圧に限られず、後述のように増幅器に接続されたインピーダンスなど、非線形特性に影響を与えるパラメータであればよい。
[2.3 非線形特性の調整例]
図3(a)は、非線形特性調整の第1例を示している。図3(a)は、AMAM特性(振幅非線形特性)を示している。図3(a)において、Aで示される範囲は、ピーク増幅器22の低出力範囲である。例えば、増幅回路20が低温であると、図3(a)において実線で示すように、ピーク増幅器22の低出力範囲Aでは、AMAM特性が低下する。このため、AMAM特性が、複雑なものとなる。このような場合でも、ピーク増幅器22のゲートバイアス電圧VGPを高くすると、ピーク増幅器22の出力が大きくなる。この結果、図3(a)において点線で示すように、範囲Aにおいても、AMAM特性が平坦となり、低次の多項式で表せるシンプルなAMAM特性となる。
図3(b)は、非線形特性調整の第2例を示している。図3(b)は、AMAM特性(振幅非線形特性)を示している。図3(b)において、Bで示される範囲は、メイン増幅器21の飽和出力範囲である。例えば、増幅回路20が高温であると、図3(b)において実線で示すように、メイン増幅器21の飽和範囲Bでは、AMAM特性が低下する。このため、AMAM特性が、複雑なものとなる。このような場合でも、メイン増幅器21のドレインバイアス電圧VDMを高くすると、メイン増幅器21の出力が大きくなる。この結果、図3(b)において点線で示すように、範囲Bにおいても、AMAM特性が平坦となり、低次の多項式で表せるシンプルなAMAM特性となる。
図3(c)は、非線形特性調整の第3例を示している。図3(c)は、AMAM特性(振幅非線形特性)を示している。図3(c)において、C1で示される範囲は、メイン増幅器21の低出力範囲であり、C2で示される範囲は、ピーク増幅器22が動作を開始し始める範囲を示す。例えば、増幅回路20が低温であると、図3(c)において実線で示すように、メイン増幅器21の低出力範囲C1では、メイン増幅器21の電流が低下し、AMAM特性が低下する。また、低温であると、ピーク増幅器22の動作開始点が、高電力側にシフトするため、ピーク増幅器22の動作開始範囲C2では、AMAM特性が低下する。このため、AMAM特性が、複雑なものとなる。このような場合でも、範囲C1については、メイン増幅器21のゲートバイアス電圧VGMを調整し、メイン増幅器21の電流を上げることで、AMAM特性を平坦にすることができる。また、範囲C2については、ピーク増幅器22のゲートバイアス電圧VGPを調整し、ピーク増幅器22が動作を開始し始める電力レベルを下げることで、AMAM特性を編単にすることができる。この結果、図3(c)において点線で示すように、低次の多項式で表せるシンプルなAMAM特性となる。
図4(a)は、非線形特性調整の第4例を示している。図4(a)は、AMPM特性(位相非線形特性)を示している。図4(a)において、Dで示される範囲は、メイン増幅器21の動作範囲である。例えば、メイン増幅器21の電流を下げすぎると、図4(a)において実線で示すように、AMPM特性の変化が大きくなる。このため、AMPM特性が、複雑なものとなる。このような場合でも、メイン増幅器21のゲートバイアス電圧VGMを高くして、メイン増幅器21の電流を上げることで、AMPM特性の変化を抑えることができる。この結果、図4(a)において点線で示すように、範囲Dにおいても、AMPM特性が平坦となり、低次の多項式で表せるシンプルなAMPM特性となる。
図4(b)は、非線形特性調整の第5例を示している。図4(b)は、AMPM特性(位相非線形特性)を示している。図4(b)において、Eで示される範囲は、メイン増幅器21及びピーク増幅器22の飽和出力範囲である。例えば、増幅回路20が高温であると、増幅回路20の飽和出力が低下し、過入力状態となり、図4(b)において実線で示すように、飽和出力範囲Eでは、AMPM特性が急峻に反転する。このため、AMPM特性が、複雑なものとなる。このような場合でも、メイン増幅器21のドレインバイアス電圧VDM及びピーク増幅器21のドレインバイアス電圧VDPを調整し、飽和出力を上げることができる。この結果、図4(b)において点線で示すように、範囲EにおけるAMPM特性の反転を解消でき、低次の多項式で表せるシンプルなAMPM特性となる。
図4(c)は、非線形特性調整の第6例を示している。図4(c)は、AMPM特性(位相非線形特性)を示している。図4(c)において、Fで示される範囲は、メイン増幅器21の飽和出力範囲である。例えば、増幅回路20が高温であると、メイン増幅器21の飽和出力が低下し、メイン増幅器21の動作時と、両増幅器21,22の動作時とで不連続な接合状態となる。このため、AMPM特性が、複雑なものとなる。このような場合でも、メイン増幅器21のドレインバイアス電圧VDMを調整し、飽和出力を上げることができる。この結果、図4(c)において点線で示すように、範囲FにおけるAMPM特性が平坦となり、低次の多項式で表せるシンプルなAMPM特性となる。
[2.4 非線形特性調整の他の例]
図5は、非線形特性の調整の仕方の他の例を示している。図5に示す例では、増幅回路20の非線形特性は、増幅回路20に設けられた可変インピーダンス素子41,42,43,44を制御することで調整される。図5において、可変インピーダンス素子としては、メイン増幅器21の入力側に設けられた可変インピーダンス素子41と、メイン増幅器21の出力側に設けられた可変インピーダンス素子42と、ピーク増幅器22の入力側に設けられた可変インピーダンス素子43と、ピーク増幅器22の出力側に設けられた可変インピーダンス素子44とがある。
可変インピーダンス素子41,42,43,44は、例えば、可変容量素子である。可変インピーダンス素子41,42,43,44のインピーダンスは、CPU(調整器)30からのインピーダンス指令値に応じて調整される。
実施形態において、可変インピーダンス素子41,42,43,44は、メイン増幅器21とピーク増幅器22とのインピーダンス整合に用いられる。可変インピーダンス素子41,42,43,44のインピーダンス値を調整することで、インピーダンス整合の状態を変化させることができ、増幅回路20の非線形特性を変化させることができる。
調整器として機能するCPU30は、図2のステップS17のバイアス制御に代えて、可変インピーダンス素子の制御をすることでも、非線形特性を調整することができる。CPU30は、バイアス制御及び可変インピーダンス素子制御の双方を行っても良い。
[3.付記]
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 通信機
11 歪補償器
12 DAC
13 周波数変換器
14 前置増幅器
15 アイソレータ
16 方向性結合器
17 周波数変換器
18 ADC
20 増幅回路
21 メイン増幅器
22 ピーク増幅器
23 λ/4線路
24 λ/4線路
26 温度センサ
30 CPU(調整器)
31 DAC
32 DAC
100 増幅装置
200 DSP
300 アンテナ

Claims (8)

  1. 増幅回路と、
    前記増幅回路の歪を補償する歪補償器と、
    前記増幅回路の非線形特性の複雑性が緩和されるように前記非線形特性を調整する調整器と、
    を備える増幅装置。
  2. 前記調整器は、前記増幅回路のバイアス電圧を制御することで、前記非線形特性を調整する
    請求項1に記載の増幅装置。
  3. 前記増幅回路は、増幅器と、前記増幅器に接続された可変インピーダンス素子をさらに備え、
    前記調整器は、前記可変インピーダンス素子を制御することで、前記非線形特性を調整する
    請求項1又は2に記載の増幅装置。
  4. 前記歪補償器は、前記調整器によって前記非線形特性が調整された前記増幅回路の出力に基づいて、前記増幅回路の歪を補償する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の増幅装置。
  5. 前記歪補償器は、n(nは2以上の自然数)次多項式で近似された前記増幅回路の特性に基づいて、前記増幅回路の歪を補償するよう構成され、
    前記調整器は、前記非線形特性がn次以下の多項式で近似されるように、前記非線形特性を調整する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の増幅装置。
  6. 前記調整器は、前記非線形特性を近似する所定の次数以下の多項式と前記非線形特性との相関が、閾値を超えるように、前記非線形特性を調整する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の増幅装置。
  7. 前記調整器は、前記増幅回路の温度変動が検出されたときに、前記非線形特性を調整する
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の増幅装置。
  8. 通信信号を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路の歪を補償する歪補償器と、
    前記増幅回路の非線形特性の複雑性が緩和されるように前記非線形特性を調整する調整器と、
    を備える通信機。
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