JP2011081090A - 定着装置、画像形成装置、および定着装置内の電気配線の接続方法 - Google Patents

定着装置、画像形成装置、および定着装置内の電気配線の接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 温度検出素子が電気的に未接続の状態で発熱抵抗体に通電されるのを防止して、発熱抵抗体が過熱状態になるのを防止し、発熱抵抗体が発煙や焼損に至ってしまうのを防止するとともに、高い安全性を確保することができるベルト定着方式の定着装置を提供する。
【解決手段】 定着装置15は、装置内の電気配線が接続されるコネクタ50を含む。このコネクタ50は、発熱抵抗体301に接続される電気配線である1次側電気配線70aが接続される1次側配線用コネクタ端子50aと、発熱体側サーミスタ24aに接続される電気配線を含み、1次側電気配線70aよりも小さな電流が流れる電気配線である2次側電気配線70bが接続される2次側配線用コネクタ端子50bとが、一体で設けられている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱および加圧によってトナー像を記録媒体に定着させる定着装置、該定着装置を備える画像形成装置、および定着装置内の電気配線の接続方法に関する。
複写機、プリンター等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置として、熱ローラ定着方式の定着装置が多用されている。熱ローラ定着方式の定着装置は、互いに圧接されたローラ対(定着ローラおよび加圧ローラ)を備え、このローラ対の両方あるいはいずれか一方の内部に配置されたハロゲンヒータ等からなる加熱手段によってローラ対を所定の温度(定着温度)に加熱した後、未定着トナー像が形成された記録紙などの記録媒体をローラ対の圧接部(定着ニップ部)に給紙し、圧接部を通過させることで、熱と圧力とによって記録紙にトナー像の定着を行うようになっている。
ところで、カラー画像形成装置に備えられる定着装置においては、定着ローラ表層にシリコンゴム等からなる弾性層を設けた弾性ローラを用いることが一般的である。定着ローラを弾性ローラとすることで、定着ローラ表面が、未定着トナー像の凸凹に対応して弾性変形し、トナー像面を覆い包むように接触するため、モノクロに比べてトナー量の多いカラーの未定着トナー像に対して良好に加熱定着を行うことが可能となる。また、定着ニップ部での弾性層の歪開放効果によって、モノクロに比べてオフセットしやすいカラートナーに対して離型性を向上することができる。さらに、定着ニップのニップ形状が上(定着ローラ側)に凸(所謂、逆ニップ形状)となることから、記録紙の剥離性能を向上させることができ、剥離爪等の剥離手段を用いずとも記録紙の剥離が可能となり(セルフストリッピング)、剥離手段に起因する画像欠陥を解消することができる。
このようなカラー画像形成装置に備えられる定着装置において、高速化に対応するには、定着ニップ部のニップ幅を広くする必要がある。ニップ幅を広くする方法としては、定着ローラの弾性層の層厚を厚くすることや、定着ローラ径を大きくするなどの方法がある。しかしながら、弾性層を具備した定着ローラでは、弾性層の熱伝導性が非常に低いので、定着ローラ内部に加熱手段がある場合、プロセス速度を高速化した場合に定着ローラ温度が追従しなくなる問題がある。一方、定着ローラ径を大きくした場合には、ウォームアップ時間が長くなる問題や、消費電力が増大するといった問題が発生する。
このような問題を解決するカラー画像形成装置に備えられる定着装置として、特許文献1には、定着ローラと加熱ローラとの間に定着ベルトを掛け渡し、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとを圧接させた構成のベルト定着方式の定着装置が開示されている。このベルト定着方式の定着装置では、熱容量が小さい定着ベルトを加熱するため、ウォームアップ時間が短く、また定着ローラにハロゲンランプ等の熱源を内蔵する必要がないので、スポンジゴム等からなる低硬度の弾性層を厚く設けることができ、広いニップ幅を確保することができる。
さらに、特許文献2には、ベルト定着方式の定着装置において、加熱手段を面状発熱体(発熱抵抗体が全体として一定の形状の面を形成するようにされた発熱体)とした面状発熱ベルト定着方式の定着装置が開示されている。この面状発熱ベルト定着方式の定着装置では、加熱手段の熱容量が小さくなると同時に、加熱手段としての面状発熱体が直接発熱することから、ハロゲンランプ等を用いて間接的に加熱ローラを加熱する方式に比べて熱応答速度も向上し、ウォームアップ時間の更なる短縮や更なる省エネ化が達成できる。
また、ベルト定着方式の定着装置は、定着ベルトの表面温度を検出するサーミスタなどの温度検出素子、面状発熱体が過熱状態となる異常昇温を検出する過熱防止素子(サーモスタット、温度フューズ、サーマルプロテクタなど)を備えており、温度検出素子によって検出された温度データ、過熱防止素子によって検出された異常昇温データに基づいて、定着ベルトの表面温度が所定の温度(定着温度)となるように、面状発熱体に対する通電を制御するように構成されている。
特開平10−307496号公報 特開2002−333788号公報
高電力密度の面状発熱体を用いたベルト定着方式の定着装置において、温度検出素子の電気配線の抜けなどによって温度検出素子が正常に動作せず、面状発熱体に対する通電が正常に制御されない場合には、面状発熱体に異常な通電がなされる。高電力密度の面状発熱体は昇温速度が高いので、短時間でも面状発熱体に異常な通電がされてしまうと、面状発熱体が過熱状態となって発煙や焼損に至ってしまったり、接続不完全でハーフショート状態での通電による発熱で、発煙、発火に至ったりする。また、面状発熱体に対する短時間の異常な通電が繰り返されて、面状発熱体の過熱状態が継続されると、定着ベルトがダメージを受けて劣化したり、発煙や発火に至ってしまうおそれもある。
したがって本発明の目的は、通電により発熱する発熱抵抗体の熱を利用して定着ベルトを加熱するように構成されるベルト定着方式の定着装置において、温度検出素子が電気的に未接続の状態で発熱抵抗体に通電されるのを防止して、発熱抵抗体が過熱状態になるのを防止し、発熱抵抗体が発煙や焼損に至ってしまうのを防止するとともに、高い安全性を確保することができる定着装置、該定着装置を備える画像形成装置、および定着装置内の電気配線の接続方法を提供することである。
本発明は、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の本体に着脱自在に設けられ、記録媒体上に担持されるトナー像を加熱加圧して記録媒体上に定着させる定着装置であって、
第1定着部材と、
通電によって発熱する発熱抵抗体からなる発熱層を有する加熱手段と、
前記第1定着部材と前記加熱手段との間に張架される無端状ベルト部材である定着ベルトと、
前記定着ベルトを介して前記第1定着部材と対向するように設けられる第2定着部材と、
前記定着ベルトの表面の温度を検出する温度検出素子と、
前記温度検出素子によって検出された温度に基づいて、前記定着ベルトの表面温度が所定の温度となるように、前記発熱抵抗体に対する通電を制御する制御手段と、
前記発熱抵抗体および前記温度検出素子と前記制御手段とを接続するコネクタであって、前記発熱抵抗体に接続される電気配線である1次側電気配線が接続される1次側配線用コネクタ端子と、前記温度検出素子に接続される電気配線を含み、前記1次側電気配線よりも小さな電流が流れる電気配線である2次側電気配線が接続される2次側配線用コネクタ端子とが、一体で設けられるコネクタと、を含むことを特徴とする定着装置である。
また本発明の定着装置において、前記コネクタは、前記1次側配線用コネクタ端子が前記2次側配線用コネクタ端子に挟み込まれて配置され、
前記制御手段は、前記2次側電気配線の前記2次側配線用コネクタ端子に対する接続が接続不良状態であることを検知すると、前記発熱抵抗体に対する通電が抑制されるように制御することを特徴とする。
また本発明の定着装置において、前記2次側配線用コネクタ端子は、コネクタの中心に関して点対称となる位置に配置されることを特徴とする。
また本発明の定着装置は、画像形成装置の本体に装着されたか否かを判断する装着判断手段をさらに備え、
前記装着判断手段に接続される電気配線は、前記2次側電気配線として、前記2次側配線用コネクタ端子に接続されることを特徴とする。
また本発明の定着装置は、前記第2定着部材が前記定着ベルトと接触する領域において形成される定着ニップ部を、記録媒体が通過したか否かを判断する記録媒体通過判断手段をさらに備え、
前記記録媒体通過判断手段に接続される電気配線は、前記2次側電気配線として、前記2次側配線用コネクタ端子に接続されることを特徴とする。
また本発明の定着装置において、前記第2定着部材は、加圧部材と支持部材との間に張架される無端状ベルト部材である加圧ベルトを含んで構成され、
前記加圧部材は、前記定着ベルトおよび前記加圧ベルトを介して前記第1定着部材と対向するように設けられることを特徴とする。
また本発明は、搬送される記録媒体上に担持されているトナー像を記録媒体上に加熱加圧して1次定着させる第1定着手段と、
前記第1定着手段よりも記録媒体の搬送方向下流側に配置されて、1次定着後のトナー像を記録媒体上に加熱加圧して2次定着させる第2定着手段とを含み、
前記第1定着手段および前記第2定着手段が、前記定着装置であることを特徴とする2段階定着方式の定着装置である。
また本発明は、搬送される記録媒体上に担持されているトナー像を記録媒体上に加熱加圧して1次定着させる第1定着手段と、
内部に加熱部材が配設される一対の加熱加圧ローラが相互に圧接して構成され、前記第1定着手段よりも記録媒体の搬送方向下流側に配置されて、1次定着後のトナー像を記録媒体上に加熱加圧して2次定着させる第2定着手段とを含み、
前記第1定着手段が、前記定着装置であることを特徴とする2段階定着方式の定着装置である。
また本発明は、前記定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。また本発明は、第1定着部材と、通電によって発熱する発熱抵抗体からなる発熱層を有する加熱手段と、前記第1定着部材と前記加熱手段との間に張架される無端状ベルト部材である定着ベルトと、第2定着部材と、前記定着ベルトの表面の温度を検出する温度検出素子と、前記温度検出素子によって検出された温度データに基づいて、前記定着ベルトの表面温度が所定の温度となるように、前記発熱抵抗体に対する通電を制御する制御手段とを含んで構成される定着装置における電気配線の接続方法であって、
前記発熱抵抗体に接続される電気配線である1次側電気配線と、前記温度検出素子に接続される電気配線を含み前記1次側電気配線よりも小さな電流が流れる電気配線である2次側電気配線とは、前記1次側電気配線が前記2次側電気配線に挟み込まれるように、同一のコネクタに接続されることを特徴とする定着装置内の電気配線の接続方法である。
本発明によれば、定着装置は、温度検出素子によって検出された温度データに基づいて、定着ベルトの表面温度が所定の温度となるように発熱抵抗体に対する通電を制御する制御手段を備え、記録媒体上に担持されるトナー像を加熱加圧して記録媒体上に定着させる装置であり、発熱抵抗体および温度検出素子と、制御手段とを接続するコネクタを含んで構成されている。そして、定着装置のコネクタは、発熱抵抗体に接続される電気配線である1次側電気配線が接続される1次側配線用コネクタ端子と、温度検出素子に接続される電気配線を含み、1次側電気配線よりも小さな電流が流れる電気配線である2次側電気配線が接続される2次側配線用コネクタ端子とが、一体で設けられている。
定着装置では、発熱抵抗体に接続されて大きな電流が流れる1次側電気配線と、温度検出素子に接続される電気配線を含み小さな電流が流れる2次側電気配線とが、同一のコネクタに接続されているので、温度検出素子の電気配線の抜け(接続忘れ)、接続不完全によるハーフショート接続などによって温度検出素子が正常に動作せず、発熱抵抗体に対する通電が正常に制御されない状態で、発熱抵抗体に通電されるのを防止することができる。そのため、定着装置では、短時間でも発熱抵抗体に異常な通電がされてしまうのを抑制して発熱抵抗体が過熱状態になるのを防止することができる。したがって、定着装置は、発熱抵抗体が発煙や焼損に至ってしまうのが防止されて、高い安全性を確保することができる。また、定着装置では、短時間でも発熱抵抗体に異常な通電がされてしまうのを抑制することができるので、発熱抵抗体に対する短時間の異常な通電が繰り返されて発熱抵抗体の過熱状態が継続されるのを防止することができ、定着ベルトが熱的ダメージを受けて劣化したり、発煙や焼損に至ってしまうのを防止することができる。
また本発明によれば、定着装置のコネクタは、1次側配線用コネクタ端子が2次側配線用コネクタ端子に挟み込まれて配置されている。そして、制御手段は、2次側電気配線の2次側配線用コネクタ端子に対する接続が接続不良状態であることを検知すると、発熱抵抗体に対する通電が抑制されるように制御する。これによって、コネクタが斜めに差し込まれて、コネクタにおいて1次側配線用コネクタ端子よりも外方側に配置される2次側配線用コネクタ端子に対する2次側電気配線の接続不良が発生し、温度検出素子が正常に動作しない場合であっても、制御手段が発熱抵抗体に対する通電を抑制するので、発熱抵抗体が過熱状態になるのを防止することができる。
また本発明によれば、定着装置のコネクタが有する2次側配線用コネクタ端子は、コネクタの中心に関して点対称となる位置に配置される。これによって、コネクタが斜めに差し込まれて、コネクタにおいて1次側配線用コネクタ端子よりも外方側に配置される2次側配線用コネクタ端子に対する2次側電気配線の接続不良が発生し、温度検出素子が正常に動作しない場合であっても、発熱抵抗体に異常な通電がされてしまうのを抑制して発熱抵抗体が過熱状態になるのを防止することができる。
また本発明によれば、定着装置は、画像形成装置の本体に装着されたか否かを判断する装着判断手段をさらに備える。そして、装着判断手段に接続される電気配線は、2次側電気配線として2次側配線用コネクタ端子に接続される。そして、制御手段は、2次側電気配線の2次側配線用コネクタ端子に対する接続が接続不良状態であることを検知すると、発熱抵抗体に対する通電を抑制する。これによって、装着判断手段の電気配線の接続不良などによって装着判断手段が正常に動作せず、定着装置が画像形成装置の本体に装着されたか否かが正確に判断されない場合に、発熱抵抗体に通電されるのを防止することができる。
また本発明によれば、定着装置は、定着ニップ部を記録媒体が通過したか否かを判断する記録媒体通過判断手段をさらに備える。そして、記録媒体通過判断手段に接続される電気配線は、2次側電気配線として2次側配線用コネクタ端子に接続される。そして、制御手段は、2次側電気配線の2次側配線用コネクタ端子に対する接続が接続不良状態であることを検知すると、発熱抵抗体に対する通電を抑制する。これによって、記録媒体通過判断手段の電気配線の接続不良などによって記録媒体通過判断手段が正常に動作せず、定着ニップ部を記録媒体が通過したか否かが正確に判断されない場合に、発熱抵抗体に通電されるのを防止することができる。
また本発明によれば、第2定着部材は、加圧部材と支持部材との間に張架されて回転可能な無端状ベルト部材である加圧ベルトを含んで構成される。そして、前記加圧部材は、定着ベルトおよび加圧ベルトを介して第1定着部材と対向するように設けられ、定着ベルトと加圧ベルトとが接触する部分に定着ニップ部が形成される。これによって、装置を大型化することなく幅広い定着ニップ領域を得ることができ、定着不良を抑制することができる。
また本発明によれば、2段階定着方式の定着装置は、搬送される記録媒体上に担持されているトナー像を記録媒体上に加熱加圧して1次定着させる第1定着手段と、第1定着手段よりも記録媒体の搬送方向下流側に配置されて、1次定着後のトナー像を記録媒体上に加熱加圧して2次定着させる第2定着手段とを含む。そして、第1定着手段および第2定着手段は、1次側配線用コネクタ端子と2次側配線用コネクタ端子とが一体で設けられるコネクタを備える前記定着装置である。このように構成された2段階定着方式の定着装置では、第1定着手段および第2定着手段における温度検出素子が正常に動作せず、発熱抵抗体に対する通電が正常に制御されない状態で、発熱抵抗体に通電されるのを防止することができる。そのため、第1定着手段および第2定着手段が備える発熱抵抗体に異常な通電がされてしまうのを抑制して発熱抵抗体が過熱状態になるのを防止することができる。したがって、第1定着手段および第2定着手段が備える発熱抵抗体が発煙や焼損に至ってしまうのが防止されて、高い安全性を確保することができる。
また本発明によれば、2段階定着方式の定着装置は、搬送される記録媒体上に担持されているトナー像を記録媒体上に加熱加圧して1次定着させる第1定着手段と、内部に加熱手段が配設される一対の加熱加圧ローラが相互に圧接して構成され、第1定着手段よりも記録媒体の搬送方向下流側に配置されて、1次定着後のトナー像を記録媒体上に加熱加圧して2次定着させる第2定着手段とを含む。そして、第1定着手段は、1次側配線用コネクタ端子と2次側配線用コネクタ端子とが一体で設けられるコネクタを備える前記定着装置である。このように構成された2段階定着方式の定着装置では、第1定着手段における温度検出素子が正常に動作せず、発熱抵抗体に対する通電が正常に制御されない状態で、発熱抵抗体に通電されるのを防止することができる。そのため、第1定着手段が備える発熱抵抗体に異常な通電がされてしまうのを抑制して発熱抵抗体が過熱状態になるのを防止することができる。したがって、第1定着手段が備える発熱抵抗体が発煙や焼損に至ってしまうのが防止されて、高い安全性を確保することができる。
また本発明によれば、画像形成装置は、発熱抵抗体に対する通電が正常に制御されない状態で発熱抵抗体に通電されるのを防止することができる定着装置を備える。そのため、画像形成装置は、長期間にわたって高い安全性が確保された状態で、画像を形成することができる。
また本発明によれば、定着装置内の電気配線の接続方法は、発熱抵抗体に接続される電気配線である1次側電気配線と、温度検出素子に接続される電気配線を含み1次側電気配線よりも小さな電流が流れる電気配線である2次側電気配線とは、1次側電気配線が2次側電気配線に挟み込まれるように、同一のコネクタに接続されることを特徴とする。これによって、温度検出素子の電気配線の接続不良などによって温度検出素子が正常に動作せず、発熱抵抗体に対する通電が正常に制御されない状態で、発熱抵抗体に通電されるのを防止することができる。そのため、定着装置内において、短時間でも発熱抵抗体に異常な通電がされてしまうのを抑制して発熱抵抗体が過熱状態になるのを防止することができる。
本発明の実施の一形態である画像形成装置100の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態である定着装置15の構成を示す図である。 定着装置15が備える加熱手段21の構成を示す図である。 発熱層212に形成される発熱抵抗体301の構成を示す図である。 定着装置15内の電気配線の接続状態を示す図である。 定着装置15内の電気配線の接続状態における他の例を示す図である。 発熱抵抗体301の検知部301b近傍における過熱防止素子40の配設位置を示す図である。 発熱抵抗体301の検知部301b近傍における過熱防止素子40の配設位置を示す図である。 複数の発熱抵抗体により形成される発熱層310の構成を示す図である。 複数の発熱抵抗体を用いた場合の電気配線の接続状態を示す図である。 複数の発熱抵抗体を用いた場合の電気配線の接続状態における他の例を示す図である。 発熱層における発熱抵抗体の通紙領域部の分割状態を示す図である。 通紙領域部の分割状態の他の例を示す図である。 通紙領域部の分割状態の他の例を示す図である。 複数の発熱抵抗体が積層された積層構造を有する発熱層における通紙領域部の分割状態を示す図である。 複数の半導体セラミック素子が放熱部材に保持された構造を有する加熱手段の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態である定着装置440の構成を示す図である。 本発明の第3実施形態である定着装置470の構成を示す図である。 本発明の第4実施形態である定着装置530の構成を示す図である。 従来の定着装置における電気配線の接続状態を示す図である。
図1は、本発明の実施の一形態である画像形成装置100の構成を示す図である。画像形成装置100は、読み取った原稿の画像データやネットワーク等を介して送信された画像データに基づいて、記録媒体である記録紙に対して多色および単色の画像を形成する装置である。画像形成装置100は、露光ユニット10、感光体ドラム101(101a〜101d)、現像装置102(102a〜102d)、帯電ローラ103(103a〜103d)、クリーニングユニット104(104a〜104d)、中間転写ベルト11、一次転写ローラ13(13a〜13d)、二次転写ローラ14、定着装置15、用紙搬送路P1,P2,P3、給紙カセット16、手差し給紙トレイ17および排紙トレイ18を備えている。
画像形成装置100は、ブラック(K)およびカラー画像を色分解して得られる減法混色の3原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色の各色相に対応した画像データを用いて、各色相に対応した画像形成部Pa〜Pdにおいて画像形成を行う。各画像形成部Pa〜Pdは、同様の構成であり、たとえば、ブラック(K)の画像形成部Paは、感光体ドラム101a、現像装置102a、帯電ローラ103a、一次転写ローラ13aおよびクリーニングユニット104a等から構成される。この画像形成部Pa〜Pdは、中間転写ベルト11の移動方向(副走査方向)に一列に配列されている。
帯電ローラ103は、感光体ドラム101の表面を所定の電位に均一に帯電させる接触方式の帯電器である。帯電ローラ103に代えて、帯電ブラシを用いた接触方式の帯電器、または、帯電ワイヤを用いた非接触方式の帯電器を用いることもできる。
露光ユニット10は、図示しない半導体レーザ、ポリゴンミラー4、第1反射ミラー、第2反射ミラー8等を備えており、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色相の画像データによって変調されたレーザビーム等の光ビームのそれぞれを感光体ドラム101a〜101dのそれぞれに照射する。各感光体ドラム101a〜101dは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色相の画像データによる静電潜像を形成する。
現像装置102は、静電潜像が形成された感光体ドラム101の表面に現像剤であるトナーを供給し、静電潜像をトナー像に現像する。現像装置102a〜102dのそれぞれは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色相のトナーを収納しており、感光体ドラム101a〜101dのそれぞれに形成された各色相の静電潜像を、各色相のトナー像に顕像化する。クリーニングユニット104は、現像・画像転写後における感光体ドラム101上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
中間転写ベルト11は、感光体ドラム101の上方に配置されており、駆動ローラ11aと従動ローラ11bとの間に張架されてループ状の移動経路を形成している。中間転写ベルト11の外周面は、感光体ドラム101d、感光体ドラム101c、感光体ドラム101bおよび感光体ドラム101aにこの順に対向する。この中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム101a〜101dに対向する位置に、一次転写ローラ13a〜13dが配置されている。中間転写ベルト11が感光体ドラム101a〜101dに対向する位置のそれぞれが一次転写位置である。また、中間転写ベルト11は、厚さ100〜150μm程度のフィルムで形成されている。
一次転写ローラ13a〜13dには、感光体ドラム101a〜101dの表面に担持されたトナー像を中間転写ベルト11上に転写するために、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム101a〜101dに形成された各色相のトナー像は、中間転写ベルト11の外周面に順次重ねて転写され、中間転写ベルト11の外周面にフルカラーのトナー像が形成される。
ただし、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の色相の一部のみの画像データが入力された場合には、4つの感光体ドラム101a〜101dのうち、入力された画像データの色相に対応する一部の感光体ドラム101のみにおいて静電潜像およびトナー像の形成が行われる。たとえば、モノクロ画像形成時には、ブラックの色相に対応した感光体ドラム101aのみにおいて静電潜像の形成およびトナー像の形成が行われ、中間転写ベルト11の外周面にはブラックのトナー像のみが転写される。
各一次転写ローラ13a〜13dは、直径8〜10mmのステンレスなどの金属を基材とする軸の表面を導電性の弾性材(たとえばEPDM、発泡ウレタン等)によって被覆して構成されており、導電性の弾性材によって中間転写ベルト11に均一に高電圧を印加する。
各一次転写位置において中間転写ベルト11の外周面に転写されたトナー像は、中間転写ベルト11の回転によって、二次転写ローラ14との対向位置である二次転写位置に搬送される。二次転写ローラ14は、画像形成時において、内周面が駆動ローラ11aの周面に接触する中間転写ベルト11の外周面に所定のニップ圧で圧接されている。給紙カセット16または手差し給紙トレイ17から給紙された記録紙が、二次転写ローラ14と中間転写ベルト11との間を通過する際に、二次転写ローラ14にトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が印加される。これによって、中間転写ベルト11の外周面から記録紙の表面にトナー像が転写される。
なお、感光体ドラム101から中間転写ベルト11に付着したトナーのうち、記録紙上に転写されずに中間転写ベルト11上に残存したトナーは、次工程での混色を防止するために、転写クリーニングユニット12によって回収される。
トナー像が転写された記録紙は、後述する本発明に係る定着装置15に導かれ、定着ニップ部を通過して加熱および加圧を受ける。これによって、トナー像が、記録紙の表面に堅牢に定着する。トナー像が定着した記録紙は、排紙ローラ18aによって排紙トレイ18上に排出される。
また、画像形成装置100には、給紙カセット16に収納されている記録紙を、二次転写ローラ14と中間転写ベルト11との間および定着装置15を経由して、排紙トレイ18に送るための略垂直方向に延びる用紙搬送路P1が設けられている。用紙搬送路P1には、給紙カセット16内の記録紙を一枚ずつ用紙搬送路P1内に繰り出すピックアップローラ16a、繰り出された記録紙を上方に向けて搬送する搬送ローラ16b、搬送されてきた記録紙を所定のタイミングで二次転写ローラ14と中間転写ベルト11との間に導くレジストローラ19、記録紙を排紙トレイ18に排出する排紙ローラ18aが配置されている。
また、画像形成装置100の内部には、手差し給紙トレイ17からレジストローラ19に至る間に、ピックアップローラ17aおよび搬送ローラ16bを配置した用紙搬送路P2が形成されている。さらに、排紙ローラ18aから用紙搬送路P1におけるレジストローラ19の上流側に至る間には、用紙搬送路P3が形成されている。
排紙ローラ18aは、正逆両方向に回転自在にされており、記録紙の片面に画像を形成する片面画像形成時、および、記録紙の両面に画像を形成する両面画像形成における第2面画像形成時に正転方向に駆動されて記録紙を排紙トレイ18に排出する。一方、両面画像形成における第1面画像形成時には、排紙ローラ18aは、用紙の後端が定着装置15を通過するまで正転方向に駆動された後、記録紙の後端部を挟持した状態で逆転方向に駆動されて記録紙を用紙搬送路P3内に導く。これによって、両面画像形成時に片面のみに画像が形成された記録紙は、表裏面および前後端を反転した状態で用紙搬送路P1に導かれる。
レジストローラ19は、給紙カセット16または手差し給紙トレイ17から給紙され、または、用紙搬送路P3を経由して搬送された記録紙を、中間転写ベルト11の回転に同期したタイミングで二次転写ローラ14と中間転写ベルト11との間に導く。このため、レジストローラ19は、感光体ドラム101や中間転写ベルト11の動作開始時には回転を停止しており、中間転写ベルト11の回転に先立って給紙または搬送された記録紙は、前端をレジストローラ19に当接させた状態で用紙搬送路P1内における移動を停止する。この後、レジストローラ19は、二次転写ローラ14と中間転写ベルト11とが圧接する位置で、記録紙の前端部と中間転写ベルト11上に形成されたトナー像の前端部とが対向するタイミングで回転を開始する。
なお、画像形成部Pa〜Pdの全てにおいて画像形成が行われるフルカラー画像形成時には、一次転写ローラ13a〜13dが中間転写ベルト11を感光体ドラム101a〜101dの全てに圧接させる。一方、画像形成部Paのみにおいて画像形成が行われるモノクロ画像形成時には、一次転写ローラ13aのみを中間転写ベルト11を感光体ドラム101aに圧接させる。
図2は、本発明の第1実施形態である定着装置15の構成を示す図である。定着装置15は、画像形成装置100の本体に着脱自在に設けられ、第1定着部材である定着ローラ15aと、第2定着部材である加圧ローラ15bと、無端状ベルト部材である定着ベルト25と、加熱手段21と、コネクタ50と、制御手段60とを含んで構成される。定着装置15においては、定着ベルト25が定着ローラ15aと加熱手段21との間に張架され、加圧ローラ15bが定着ベルト25を介して定着ローラ15aに対向するように配置されている。そして、定着ローラ15aと加熱手段21とは、定着ローラ15aの軸線方向において、略平行となるように配置されている。そのため、定着ローラ15aと加熱手段21との間に張架される定着ベルト25が摺動するとき、蛇行するのを防止して、定着ベルト25の耐久性を高く維持することができる。
定着装置15は、加熱手段21が定着ベルト25と接触して定着ベルト25を加熱し、定着ベルト25と加圧ローラ15bとで形成する定着ニップ部15cを、所定の定着速度および複写速度で記録媒体である記録紙32が通過したとき、記録紙32上に担持されている未定着のトナー像31を記録紙32上に加熱加圧して定着するベルト定着方式の定着装置である。このようなベルト定着方式の装置である定着装置15は、熱容量が小さい定着ベルト25を高電力密度の発熱抵抗体からなる発熱層212を有する加熱手段21で加熱する構成であるので、ウォームアップ時間が短く、かつ、消費電力の増大を抑えて省エネ化が達成できる。
なお、未定着のトナー像31は、たとえば、非磁性一成分現像剤(非磁性トナー)、非磁性二成分現像剤(非磁性トナーおよびキャリア)、磁性現像剤(磁性トナー)などの現像剤(トナー)によって形成される。また、定着速度とは所謂プロセス速度であり、複写速度とは1分あたりのコピー枚数のことである。また、記録紙32が定着ニップ部15cを通過するときには、定着ベルト25は、記録紙32のトナー像担持面に当接するようになっている。
定着ローラ15aは、定着ベルト25を介して加圧ローラ15bに圧接することで定着ニップ部15cを形成すると同時に、図示しない駆動モータ(駆動手段)により回転軸線まわりに回転方向A方向に回転駆動することによって、定着ベルト25を搬送する。定着ローラ15aは、直径が30mmで、その内側から順に芯金、弾性層が形成された2層構造からなり、芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層にはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適している。なお、本実施の形態では、定着ローラ15aが定着ベルト25を介して加圧ローラ15bに圧接するときの力は、216N程度である。
加圧ローラ15bは、定着ベルト25を介して定着ローラ15aに対向しかつ圧接し、回転軸線まわりに回転自在に設けられている。加圧ローラ15bは、定着ローラ15aの回転に従動して回転方向B方向に回転する。加圧ローラ15bは、その内側から順に芯金、弾性層、離型層が形成された3層構造からなっている。芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層にはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適しており、離型層にはPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が適している。加圧ローラ15bは、たとえば、ローラ直径が30mmで、芯金に直径24mm(肉厚2mm)の鉄(STKM)パイプ、弾性層に厚みが3mmのシリコンソリッドゴム、離型層に厚みが30μmのPFAチューブからなるローラを用いることができる。
また、加圧ローラ15bの内部には、加圧ローラ15bを加熱するヒータランプ26(たとえば、定格電力400W)が配置されている。制御手段60の制御回路61が電源回路62からヒータランプ26に電力を供給(通電)させることによって、ヒータランプ26が発光し、ヒータランプ26から赤外線が放射される。これによって、加圧ローラ15bの内周面が赤外線を吸収して加熱され、加圧ローラ15b全体が加熱される。なお、上述したヒータランプ26は、加圧ローラ15bの内面より加熱するものであるが、これとは別に外周面加熱用のローラにて、加圧ローラ15bの表面より加熱する方法も構成可能である。
定着ベルト25は、加熱手段21によって所定の温度に加熱され、定着ニップ部15cを通過する未定着のトナー像31が担持された記録紙32を加熱する。定着ベルト25は、無端状のベルトで、加熱手段21と定着ローラ15aによって懸架され、定着ローラ15aに所定の角度で巻きかかっている。定着ベルト25は、定着ローラ15aの回転時には、定着ローラ15aに従動して回転方向A方向に回転するようになっている。定着ベルト25は、ポリイミド等の耐熱性樹脂あるいはステンレスやニッケル等の金属材料からなる中空円筒状の基材の表面に、弾性層として耐熱性および弾性に優れたエラストマー材料(たとえばシリコンゴム)が形成され、さらにその表面に離型層として耐熱性および離型性に優れた合成樹脂材料(たとえばPFAやPTFE等のフッ素樹脂)が形成された3層構造となっている。また、基材のポリイミドにフッ素樹脂を内添してもよい。これによって、加熱手段21との摺動負荷を低減することができる。
加熱手段21は、定着ベルト25に接触して、定着ベルト25を所定の温度に加熱するためのものである。図3は、定着装置15が備える加熱手段21の構成を示す図である。加熱手段21は、半円筒状に形成され、放熱部材210と、発熱部材211と、内側固定部材218とを含んで構成される。
放熱部材210は、定着ベルト25の幅方向(定着ローラ15aの軸線方向)に延び、定着ベルト25の表面に沿って湾曲している部材であり、外周面において定着ベルト25に接触するように配置され、発熱部材211から発生する熱を定着ベルト25に伝導させる。放熱部材210を構成する材料は、特に限定されないが、高い熱伝導性を有する金属材料であることが好ましく、その金属材料としては、鉄、アルミニウム、銅などを挙げることができるが、ステンレスを用いることも可能である。そして、放熱部材210において、定着ベルト25と接触する外周面には、コート層214が形成されている。
コート層214は、発熱部材211から発生する熱を定着ベルト25に伝導するための熱伝導性を有するとともに、定着ベルト25との間の摩擦力が低減可能な材料から形成する必要がある。このようなコート層214が形成されることによって、定着ベルト25に熱を伝導させるとともに、放熱部材210と接触して摺動する定着ベルト25の摩耗を防止して高い耐久性を確保することができる。また、定着ベルト25との間の摩擦力が低減可能となるので、定着ベルト25を駆動する定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bへの負荷も低減することができ各ローラ15a,15bの耐久性も確保し、より低トルクで駆動することが可能となる。コート層214を構成する材料としては、PFAやPTFE等のフッ素樹脂を挙げることができる。本実施の形態では、コート層214は、PTFEからなる厚み20μmの層である。
内側固定部材218は、発熱部材211の厚み方向一表面に略線接触または略点接触して、発熱部材211を放熱部材210に近接する方向に弾発的に押圧し、発熱部材211の厚み方向他表面が放熱部材210の内側表面に面接触するように、発熱部材211を保持する部材である。内側固定部材218は、セラミック発熱体や金属発熱抵抗体などの発熱抵抗体からなる発熱層212を、放熱部材210の内側表面に対して安定して接触させて、発熱層212から発生した熱を効率よく放熱部材210に伝熱させ、発熱層212の発熱抵抗体だけが局部的に過熱されて破損してしまうのを防止する。
本実施の形態では、内側固定部材218は、線材を用いて螺旋状に形成される螺旋状部材である。具体的には、線径1mmのステンレスからなる線材が螺旋状に形成され、静置状態でのコイル外径が29.5mmであり、各条の間隔が5mmである。線材を構成する材料は、ステンレス以外にも、たとえば銅、鉄、ニッケルやそれらの合金、耐熱樹脂でもよい。内側固定部材218を耐熱樹脂によって形成した場合には、金属によって形成した場合に比べて断熱性に優れた部材とすることができ、発熱層212で発生した熱が、内側固定部材218を伝達して放散してしまうことによる熱損失を抑制する効果を高めることができる。一方、内側固定部材218を金属によって形成した場合には、樹脂によって形成した場合に比べて耐熱性に優れ、弾性係数の高い部材とすることができ、発熱部材211を放熱部材210に近接する方向に弾発的に押圧して所定位置に安定して保持する効果を高めることができる。
また、螺旋状に形成される内側固定部材218における線材の線径、コイル外径、螺旋の間隔、構成材料は、上記の構成に限定されず、螺旋状に形成したときに高温環境下でもばね弾性を発揮するように設定すればよい。
放熱部材210の内側表面に対する所定位置に、内側固定部材218を用いて発熱部材211を保持して固定する固定方法は、次のようである。まず、発熱部材211の厚み方向他表面が放熱部材210の内側表面に対向するように配置する。次に、螺旋状に形成される内側固定部材218を、螺旋状部分の各条の径方向外方の外周部分のうち発熱部材211の厚み方向一表面に臨む全部分が、発熱部材211の周方向(短手方向)の全領域にわたって略線接触するように固定する。このとき、螺旋状に形成される内側固定部材218では、螺旋状部分のコイル外径変化によって生じる弾性により復元しようとする力が働き、この復元しようとする復元力が、発熱部材211を放熱部材210に近接する方向に弾発的に押圧する力となって働く。このように、内側固定部材218が有する復元力が、発熱部材211を放熱部材210の内側表面に保持するように作用するので、発熱部材211は、その厚み方向他表面が放熱部材210の内側表面に面接触した状態で保持される。
発熱部材211が内側固定部材218の復元力によって放熱部材210に近接する方向に弾発的に押圧されて保持されるので、放熱部材210、発熱部材211が加熱によって伸縮したり、内側固定部材218自身が熱で伸縮しても、その伸縮に応じて内側固定部材218の螺旋状部分が移動して、放熱部材210の内側表面における所定位置に発熱部材211を安定的に保持することができる。また、内側固定部材218の螺旋状部分の各条の間隔、配置位置を変化させることによって、放熱部材210の内側表面に対する発熱部材211の押圧力分布を変化させることができる。
以上のようにして、内側固定部材218が発熱部材211の厚み方向一表面に略線接触して、発熱部材211を放熱部材210に近接する方向に弾発的に押圧し、発熱部材211が、その厚み方向他表面が放熱部材210の内側表面に面接触するように保持された加熱手段21を得ることができる。
なお、内側固定部材218では、断面形状が円形の線材を用いて螺旋状に形成すること以外に、断面形状が楕円形、多角形である極細い板状部材を用いて螺旋状を形成するようにしてもよい。また、螺旋状に形成される内側固定部材218を静置した状態で軸線方向から見た場合の各条の形状も、様々な形状に設定することができる。また、本実施の形態では、螺旋状に形成される内側固定部材218としたが、これに限定されず、発熱部材211の厚み方向一表面に略線接触または略点接触して、発熱部材211を放熱部材210に近接する方向に弾発的に押圧し、発熱部材211の厚み方向他表面が放熱部材210の内側表面に面接触するように発熱部材211を保持する構成であればよく、様々な形状、材質で構成することができる。
発熱部材211は、内側固定部材218が厚み方向一表面に略線接触または略点接触して、厚み方向他表面が放熱部材210の内側表面に面接触するように保持されている。発熱部材211は、第2絶縁体層215の表面上に、発熱層212、第2良熱伝導体層217、第1絶縁体層213、第1良熱伝導体層216が、この順で積層された積層構造を有し、第2絶縁体層215が形成される側の面が内側固定部材218と接触する側の面となり、第1良熱伝導体層216が形成される側の面が放熱部材210の内側表面と接触する側の面となる。そして、発熱部材211は、放熱部材210の長手方向(定着ベルト25の幅方向)に延び、湾曲した放熱部材210の内側表面に沿って面接触するように内側固定部材218に保持されている。そして、発熱部材211の長手方向(放熱部材210の長手方向)両端部には給電端子部221が形成されている。
第1絶縁体層213および第2絶縁体層215は、耐熱性と電気絶縁性とを兼ね備えた材料によって形成される層である。耐熱性と電気絶縁性とを兼ね備えた材料としては、特に限定されないが、ポリイミド樹脂などの耐熱性ポリマー材料、アルミナなどのセラミックス材料を挙げることができる。本実施の形態では、第1絶縁体層213および第2絶縁体層215は、ポリイミド樹脂からなる厚み30μmの層である。第1絶縁体層213は、発熱層212と放熱部材210との間に介在して両者間の絶縁を確保し、第2絶縁体層215は、発熱層212と内側固定部材218との間に介在して両者間の絶縁を確保する。このように、第1絶縁体層213および第2絶縁体層215が、通電によって発熱する発熱抵抗体からなる発熱層212を電気的に絶縁するので、安全な加熱手段21とすることができる。また、本実施の形態では、絶縁体としてポリイミド樹脂からなる厚み30μmの層を2層設ける構成としたが、電気絶縁性を向上させるために、厚みを厚く(たとえば、100μm)してもよく、層数を多くしてもよい。また、第1絶縁体層213および第2絶縁体層215は、高い熱伝導率を有することが好ましく、これによって、加熱手段21の加熱特性の悪化を防止することができる。
放熱部材210と第1絶縁体層213との間に介在する第1良熱伝導体層216、および発熱層212と第1絶縁体層213との間に介在する第2良熱伝導体層217は、発熱層212で発生する熱が放熱部材210に伝導する熱伝導性を向上させるために形成する層である。第1良熱伝導体層216および第2良熱伝導体層217を構成する材料としては、高温環境下でも熱伝導性に優れ、経時変化が生じ難い材料であれば特に限定されないが、たとえば、300℃以上の耐熱性を有する耐熱シリコングリスを挙げることができる。また、熱伝導性をさらに向上させるために、金、銀、銅、白金、カーボン、グラファイトなどの粉末を耐熱シリコングリスに添加したものを用いてもよいし、ゴムや弾性に富んだ金属など接触部分の空隙に介在して熱伝導を促進する物質であれば材質は特に限定されず、その形態も固体・液体・気体を問わないが、熱容量が小さくかつ熱伝導率が高いほうが望ましい。また、第1良熱伝導体層216および第2良熱伝導体層217は、発熱部材211を構成する他の層のよりも高い熱伝導率を有することが好ましく、これによって、加熱手段21の加熱特性の悪化を防止することができる。
発熱層212と第1絶縁体層213との間、および放熱部材210の内側表面に接触する側の面における重ね合わせ部分で隙間が開くと、空気層が介在することになり、熱伝導性が悪くなる。そこで、第1および第2良熱伝導体層216,217を配置することによって、熱抵抗を増加させる空気層を除去し、熱伝動性を向上させることができる。また、発熱層212と第1絶縁体層213との間に第1良熱伝導体層216を配置し、放熱部材210の内側表面に接触する側の面に第2良熱伝導体層217を配置すると、発熱層212で発生した熱が第1および第2良熱伝導体層216,217を介して放熱部材210の内側表面に素早く伝達されるので、ウォームアップ時間の短縮や放熱部材210表面における温度分布均一性を短時間のうちに確保することができ、高速印字においても十分な熱量を放熱部材210から定着ベルト25に供給することができる。
次に、発熱部材211が有する発熱層212について説明する。発熱層212は、給電端子部221に電圧が印加されて通電することにより、ジュール熱が発生して発熱する発熱抵抗体からなる層である。
図4は、発熱層212に形成される発熱抵抗体301の構成を示す図である。発熱層212では、1本の発熱抵抗体301が屈曲を繰り返して、全体として一定の面を形成するようにされている。これによって、通電により発熱した発熱抵抗体301の熱が放熱部材210に伝達するときの伝熱効率を向上させることができる。
発熱層212を構成する発熱抵抗体301としては、ニッケル−クロムの合金を主成分とした金属材料やステンレス鋼からなる電気抵抗成分を有する金属抵抗体や、銀−パラジウム系などの抵抗材料で形成されたものを挙げることができる。また、幅12mmのセラミック基板上に幅1mm前後の抵抗線を印刷により形成したセラミック発熱体、薄膜セラミックシートを複数積層し該シートの間に細い抵抗線を形成して焼成したセラミック発熱体、チタン酸バリウム系の半導体セラミックを主成分とした無機材料を焼成したセラミック発熱体を、発熱抵抗体301とすることができる。セラミック発熱体は、高電力密度が実現可能な発熱体であるので、セラミック発熱体からなる発熱層212を有する発熱部材211は、熱応答速度が高くてウォームアップ時間を短縮することができるとともに、放熱部材210に対する加熱能力の高いものとなる。
そして、発熱抵抗体301は、通紙領域部301aと検知部301bとを含んで構成される。発熱抵抗体301の通紙領域部301aは、発熱層212の表面における、定着ベルト25の通紙領域を加熱するための発熱源部分となる領域に形成されている。発熱抵抗体301の検知部301bは、定着ベルト25における記録紙32の非接触領域(最大サイズの記録紙32であっても接触しない領域)に対応して発熱部材211の軸線方向(長手方向)端部に設けられて、通紙領域部301aと電気的に並列接続されている。
なお、発熱層212における通紙領域部301aは、放熱部材210が定着ベルト25と接触する接触面積とほぼ等しい面積を有するように形成され、発熱層212における検知部301bは、過熱防止素子40の受熱面とほぼ等しい面積を有するように形成されている。
図2に戻って、発熱抵抗体301の検知部301bの近傍には、過熱防止素子40が設けられている。詳細については後述するが、過熱防止素子40は、発熱抵抗体301の検知部301bの温度が予め定める値に到達すると、発熱抵抗体301への通電を抑制するものであり、たとえばサーモスタットやサーマルプロテクタである。サーモスタットやサーマルプロテクタからなる過熱防止素子40は、検知部301bから放射される熱エネルギを受熱面で受け、検知部301bの温度が予め定める値に到達すると、内部のバイメタルが作動して接点回路を開放し、発熱抵抗体301への通電を遮断する。
また、定着装置15において、加熱手段21に接触する定着ベルト25の周面には温度検出素子である発熱体側サーミスタ24a、加圧ローラ15bの周面には加圧ローラ側サーミスタ24bが配設されており、それぞれの表面温度を検出するようになっている。
定着装置15における発熱体側サーミスタ24aおよび加圧ローラ側サーミスタ24bは、定着ベルト25および加圧ローラ15bに対して非接触で配置されている。このとき、温度検出素子としてサーミスタを用いる場合には、温度検出素子と温度検出対象物(定着ベルト25および加圧ローラ15b)との間に、たとえば1.0〜6.0mm程度の空隙をもたせればよい。また、温度検出素子としてサーモパイルを用いた赤外線センサを用いる場合には、温度検出素子と温度検出対象物との間に、たとえば30〜100mm程度の空隙をもたせればよい。このように、発熱体側サーミスタ24aおよび加圧ローラ側サーミスタ24bを、定着ベルト25および加圧ローラ15bに対して非接触で配置することによって、定着ベルト25および加圧ローラ15bの表面が傷つくのが防止され、定着画像に不良が発生するのを防止することができる。
また本実施形態では、発熱体側サーミスタ24aは、定着ベルト25の外周面に対して空隙を有して配置されているが、放熱部材210に切り欠きや凹部を形成して、そこに発熱体側サーミスタ24aを嵌め込んで配置してもよい。
定着装置15では、発熱体側サーミスタ24aおよび加圧ローラ側サーミスタ24bによって検出された温度データ、過熱防止素子40によって検出された異常昇温データに基づいて、制御手段60の制御回路61が、定着ベルト25、加圧ローラ15bの表面温度を所定の温度にするように、電源回路62を介して、加熱手段21が有する発熱部材211およびヒータランプ26への通電を制御する。また、制御回路61は、定着ローラ15aを回転軸線まわりに回転させて、定着ベルト25を回転させる。そして、制御回路61および電源回路62を有する制御手段60は、画像形成装置100に設けられる、画像形成装置100の全動作を制御する装置制御手段95によって統括的に制御される。
具体的には、装置制御手段95は、画像形成指示の入力を受けると、電源回路62に電力供給を指示する制御信号を出力する。ここで、画像形成指示は、画像形成装置100の鉛直方向上面に設けられる操作パネルまたは画像形成装置100に接続されるコンピュータなどの外部機器から入力される指示であり、この画像形成指示が入力されることによって、定着装置15は定着処理動作を開始する。
装置制御手段95から制御信号が入力された電源回路62は、発熱部材211の発熱抵抗体301に電力を供給して定着ベルト25を加熱させ、ヒータランプ26に電力を供給して加圧ローラ15bを加熱させる。発熱体側サーミスタ24aが検出した定着ベルト25の表面温度データに関する信号、加圧ローラ側サーミスタ24bが検出した加圧ローラ15bの表面温度データに関する信号、過熱防止素子40が検出した定着ベルト25の異常昇温データに関する信号が制御回路61に入力される。
装置制御手段95に制御された制御回路61は、入力された信号に基づいて、定着ベルト25、加圧ローラ15bの表面温度が所定の温度(定着温度)となるように、電源回路62からの発熱抵抗体301およびヒータランプ26に対する供給電力を制御する。具体的には、電源回路62は、発熱体側サーミスタ24aによって検出された温度データに基づいて、発熱抵抗体301に対する供給電力を制御する。また、電源回路62は、加圧ローラ側サーミスタ24bによって検出された温度データに基づいて、ヒータランプ26に対する供給電力を制御する。
制御回路61は、入力された信号に基づいて、定着ベルト25および加圧ローラ15bの表面温度が所定の定着温度になったと判断すると、定着ローラ15aを回転軸線まわりに回転させて、定着ベルト25を回転させる。このように定着ベルト25が回転すると、定着ベルト25と加圧ローラ15bとの間に形成される定着ニップ部15cに、未定着のトナー像31が担持される記録紙32が搬送される。このとき、記録紙32は、未定着のトナー像31を担持した面を定着ベルト25側に向けて搬送される。そして、記録紙32上の未定着のトナー像31が定着ベルト25の外周面に密着したまま挟持搬送されていくことにより、定着ベルト25から熱が付与され、また加圧力を受けて記録紙32の表面に定着される。
図5は、定着装置15内の電気配線の接続状態を示す図である。定着装置15では、発熱抵抗体301に接続される電気配線である1次側電気配線70aと、温度検出素子である発熱体側サーミスタ24aに接続される電気配線を含み1次側電気配線70aよりも小さな電流が流れる電気配線である2次側電気配線70bとは、コネクタ50に接続されている。
コネクタ50は、複数のコネクタ端子(たとえば、4つのコネクタ端子)が整列して形成される第1コネクタ片51と第2コネクタ片52とが、互いに着脱可能に嵌合されて構成される。そして、コネクタ50は、1次側電気配線70aが接続される1次側配線用コネクタ端子50aと、2次側電気配線70bが接続される2次側配線用コネクタ端子50bとが、一体で設けられている。さらに、定着装置15におけるコネクタ50は、1次側配線用コネクタ端子50aが2次側配線用コネクタ端子50bに挟み込まれるように、すなわちコネクタ50において、1次側配線用コネクタ端子50aが中央部に配置され、2次側配線用コネクタ端子50bが両端部に配置されている。
コネクタ50の1次側配線用コネクタ端子50aに接続される1次側電気配線70aは、画像形成装置100に設けられる装置本体コネクタ90を介して、制御手段60の電源回路62に接続されている。また、コネクタ50の2次側配線用コネクタ端子50bに接続される2次側電気配線70bは、装置本体コネクタ90を介して、制御手段60の制御回路61に接続されている。なお、装置本体コネクタ90は、複数のコネクタ端子が整列して形成される第1装置本体コネクタ片91と第2装置本体コネクタ片92とが、互いに着脱可能に嵌合されて構成され、1次側電気配線70aが接続される第1装置本体コネクタ端子90aと、2次側電気配線70bが接続される第2装置本体コネクタ端子90bとが、一体で設けられている。
以上のように、定着装置15では、発熱抵抗体301に接続されて大きな電流が流れる1次側電気配線70aと、発熱体側サーミスタ24aに接続される電気配線を含み小さな電流が流れる2次側電気配線70bとが、同一のコネクタ50に接続されているので、発熱体側サーミスタ24aの電気配線の抜けなどによって発熱体側サーミスタ24aが正常に動作せず、発熱抵抗体301に対する通電が正常に制御されない状態で、発熱抵抗体301に通電されるのを防止することができる。そのため、定着装置15では、短時間でも発熱抵抗体301に異常な通電がされてしまうのを抑制して発熱抵抗体301が過熱状態になるのを防止することができる。したがって、定着装置15は、発熱抵抗体301が発煙や焼損に至ってしまうのが防止されて、高い安全性を確保することができる。また、定着装置15では、短時間でも発熱抵抗体301に異常な通電がされてしまうのを抑制することができるので、発熱抵抗体301に対する短時間の異常な通電が繰り返されて発熱抵抗体301の過熱状態が継続されるのを防止することができ、定着ベルト25が熱的ダメージを受けて劣化したり、発煙や焼損に至ってしまうのを防止することができる。
また定着装置15のコネクタ50は、1次側配線用コネクタ端子50aが2次側配線用コネクタ端子50bに挟み込まれて配置されている。そして、制御手段60は、2次側電気配線70bの2次側配線用コネクタ端子50bに対する接続が接続不良状態であることを検知すると、発熱抵抗体301に対する通電が抑制されるように制御する。これによって、コネクタ50が斜めに差し込まれて、コネクタ50において1次側配線用コネクタ端子50aよりも外方側に配置される2次側配線用コネクタ端子50bに対する2次側電気配線70bの接続不良が発生し、発熱体側サーミスタ24aが正常に動作しない場合であっても、制御手段60が発熱抵抗体301に対する通電を抑制するので、発熱抵抗体301が過熱状態になるのを防止することができる。
たとえば、コネクタ50において2次側配線用コネクタ端子50bが1次側配線用コネクタ端子50aに挟み込まれて配置されている場合、コネクタ50が斜めに差し込まれて外方側の1次側電気配線70aがハーフショート状態となっていたとしても、内方側の2次側電気配線70bが正常に接続されているので、制御手段60は、発熱抵抗体301に対する通電が開始されるように制御してしまう。このように、1次側電気配線70aがハーフショート状態で通電されると、斜め差しのハーフショート部分は接触抵抗が高く、通電により大電流が流れて、ハーフショート部分で発熱、発煙、発火してしまうおそれがある。
これに対して、1次側配線用コネクタ端子50aが2次側配線用コネクタ端子50bに挟み込まれて配置されるコネクタ50とすることによって、大電流が流れる1次側電気配線70aがハーフショート状態で通電されるのが抑制され、発熱、発煙、発火してしまうのを防止することができる。
また、1次側電気配線70aが複数ある場合には、優先順位の高い順に、1次側配線用コネクタ端子50aにおける内方側の端子に接続することによって、安全性をより向上することができる。たとえば、通電時の電流が大きい1次側電気配線ほど優先順位が高い1次側電気配線としてもよく、異常動作の発生頻度が高い部材に接続される1次側電気配線ほど優先順位が高い1次側電気配線としてもよく、制御シーケンスで時間的に早く動作する部材に接続される1次側電気配線ほど優先順位が高い1次側電気配線としてもよい。なお、複数の2次側電気配線70bについては、優先順位の高い1次側電気配線70aに関連する2次側電気配線を、2次側配線用コネクタ端子50bにおける外方側の端子に接続すればよい。
ここで、従来の定着装置では、定着装置内において1次側電気配線70aと2次側電気配線70bとが、それぞれ別々のコネクタに接続されている。図18は、従来の定着装置における電気配線の接続状態を示す図である。従来の定着装置内では、発熱抵抗体3011に接続されて大きな電流が流れる1次側電気配線70aは、発熱抵抗体用コネクタ501に接続され、発熱体側サーミスタ24aに接続されて小さな電流が流れる2次側電気配線70bは、サーミスタ用コネクタ502に接続されている。
このように、定着装置内において1次側電気配線70aと2次側電気配線70bとが、それぞれ別々のコネクタ501,502に接続されている場合、サーミスタ用コネクタ502に対する2次側電気配線70bの抜けなどが発生して接続されていない場合であっても、発熱抵抗体用コネクタ501に対する1次側電気配線70aの接続が正常に行われていると、発熱体側サーミスタ24aが正常に動作しない状態で発熱抵抗体3011に異常な通電がされてしまう。このような場合、高電力密度の発熱抵抗体3011は昇温速度が高いので、短時間でも発熱抵抗体3011に異常な通電がされてしまうと、発熱抵抗体3011が過熱状態となって発煙や焼損に至ってしまう。
本実施形態の定着装置15では、1次側電気配線70aと2次側電気配線70bとが同一のコネクタ50に接続されているので、発熱体側サーミスタ24aが正常に動作しない状態で発熱抵抗体301に異常な通電がされるのを防止し、高い安全性を確保することができる。
また、定着装置15は、画像形成装置100の本体に装着されたか否かを判断する装着判断手段71をさらに備えるように構成されてもよい。
画像形成装置100と定着装置15とを接続する装置本体コネクタ90の端子の一部を用いて、定着装置15内部でループ配線した端子を設ける。装着判断手段71は、当該端子の電圧変化を監視する構成とすることによって実現できる。装着判断手段71は、前記電圧変化の状態が予め定めた判定条件に合致した時か、あるいは複数の2次側電気配線の全てが問題なく接続され、正常な出力であることが確認できた時に、定着装置15が装着されたと判断するように構成される。また、装着判断手段71は、光学センサの出力値の変化に基づいて定着装置15が装着されたか否かを判断するように構成してもよいし、前記電圧変化と光学センサの出力値変化とが組み合わされた複数の判定条件で定着装置15が装着されたか否かを判断するように構成してもよい。
装着判断手段71に接続される電気配線は、2次側電気配線70bとして2次側配線用コネクタ端子50bに接続される。そして、制御手段60は、2次側電気配線70bの2次側配線用コネクタ端子50bに対する接続が接続不良状態であることを検知すると、発熱抵抗体301に対する通電を抑制する。これによって、装着判断手段71の電気配線の接続不良などによって装着判断手段71が正常に動作せず、定着装置15が画像形成装置100の本体に装着されたか否かが正確に判断されない場合に、発熱抵抗体301に通電されるのを防止することができる。
また、定着装置15は、定着ニップ部15cを記録紙32が通過したか否かを判断する記録媒体通過判断手段72をさらに備えるように構成されてもよい。記録媒体通過判断手段72は、記録紙32自体、または、予め設置した記録紙32の通過に合わせて動作するアクチュエータが、光学センサの光路を遮蔽や反射することで、記録紙32が通過したか否かを検知する方法や、磁気的・電気的センサの出力変化を監視する方法を用いることによって実現される。
記録媒体通過判断手段72に接続される電気配線は、2次側電気配線70bとして2次側配線用コネクタ端子50bに接続される。そして、制御手段60は、2次側電気配線70bの2次側配線用コネクタ端子50bに対する接続が接続不良状態であることを検知すると、発熱抵抗体301に対する通電を抑制する。これによって、記録媒体通過判断手段72の電気配線の接続不良などによって記録媒体通過判断手段72が正常に動作せず、定着ニップ部15cを記録紙32が通過したか否かが正確に判断されない場合に、発熱抵抗体301に通電されるのを防止することができる。
また、定着装置15は、定着装置自身の新旧を判断する定着装置新旧判断手段73をさらに備えるように構成されてもよい。画像形成装置100と定着装置15とを接続する装置本体コネクタ90の端子の一部を用いて、定着装置15内部に設けた抵抗線やヒューズを介してループ配線した端子を設ける。定着装置新旧判断手段73は、前記抵抗線やヒューズに通電したときの電気抵抗値の変化、または前記抵抗線やヒューズの焼損状態を監視する構成とすることによって実現できる。また、画像形成装置100における定着装置15が装着される部分に突起片を設けておき、前記突起片の塑性変形状態を機械的・光学的に監視するようにして、定着装置新旧判断手段73を構成してもよい。
定着装置新旧判断手段73に接続される電気配線は、2次側電気配線70bとして2次側配線用コネクタ端子50bに接続される。そして、制御手段60は、2次側電気配線70bの2次側配線用コネクタ端子50bに対する接続が接続不良状態であることを検知すると、発熱抵抗体301に対する通電を抑制する。これによって、定着装置新旧判断手段73の電気配線の接続不良などによって定着装置新旧判断手段73が正常に動作せず、定着装置自身の新旧が正確に判断されない場合に、発熱抵抗体301に通電されるのを防止することができる。
また、定着装置15内において、1次側電気配線70aを2次側電気配線70bで挟み込むようにコネクタ50に接続する場合、図6のようにしてもよい。図6は、定着装置15内の電気配線の接続状態における他の例を示す図である。図6に示す電気配線の接続例では、発熱体側サーミスタ24aに接続される電気配線は、コネクタ50の中心に関して互いに点対称となる位置に配置される一対の2次側配線用コネクタ端子50bに接続される。これによって、コネクタ50が斜めに差し込まれて、コネクタ50において1次側配線用コネクタ端子50aよりも外方側に配置される2次側配線用コネクタ端子50bに対する2次側電気配線70bの接続不良が発生し、発熱体側サーミスタ24aが正常に動作しない場合であっても、発熱抵抗体301に異常な通電がされてしまうのを抑制して発熱抵抗体301が過熱状態になるのを防止することができる。
図7Aおよび図7Bは、発熱抵抗体301の検知部301b近傍における過熱防止素子40の配設位置を示す図である。前述したように、過熱防止素子40は、発熱抵抗体301の検知部301bの温度が予め定める値に到達すると、発熱抵抗体301への通電を抑制するものである。
過熱防止素子40は、発熱抵抗体301の検知部301bの通電による温度変化を検知できるように、検知部301bの近傍に設けられる。ここで、過熱防止素子40に対する対向配置対象物の表面(検知面)の曲率、過熱防止素子40自身の受熱面の面積、構造および材質、発熱部材211の各層の構造および材質などの要素で昇温速度・熱伝導性・輻射条件が異なるので、これらを考慮して、過熱防止素子40の配設位置を決定する。
過熱防止素子40は、定着ベルト25と接触した放熱部材210の軸線方向(長手方向)端部であり、発熱抵抗体301の検知部301bが設けられる発熱層212の領域部分に対応する第2絶縁体層215に対して、図7A(a)に示すように、接触して対向配置されていてもよいし、図7A(b)に示すように、非接触で対向配置されていてもよい。
また、過熱防止素子40は、定着ベルト25と非接触した放熱部材210の軸線方向(長手方向)端部であり、発熱抵抗体301の検知部301bが設けられる発熱層212の、第2絶縁体層215が形成されていない領域部分に対応して、図7B(c)に示すように、放熱部材210に接触して対向配置されていてもよいし、図7B(d)に示すように、発熱層212に接触して対向配置されていてもよい。また、図7B(e)に示すように、過熱防止素子40は、定着ベルト25と非接触した放熱部材210の軸線方向(長手方向)端部であり、発熱抵抗体301の検知部301bが設けられる発熱層212の領域部分に対応する第2絶縁体層215に非接触で対向配置されていてもよい。
給電端子部221から発熱抵抗体301に対して電圧を印加することにより発熱層212が発熱し、この発生した熱を利用して放熱部材210に接触する定着ベルト25を加熱するとき、制御回路61の故障、制御プログラムの暴走、スイッチング素子の故障などで、発熱層212を構成する発熱抵抗体301への通電制御が行えなくなると、発熱抵抗体301が過熱状態になり、発煙、発火、焼損に至る場合がある。
過熱防止素子40は、発熱抵抗体301が過熱状態となる温度異常を検知し、その検知結果に基づいて発熱抵抗体301への通電を抑制することによって、発熱抵抗体301が発煙、発火、焼損に至るのを防止することができる。
また、高電力密度の発熱抵抗体301は、通電による昇温速度が高いので、発熱抵抗体301が過熱状態となるのを防止するためには、発熱抵抗体301が過熱状態となる温度異常を、より早く検知しなければならない。さらに、発熱抵抗体301における昇温速度が高い箇所や電力密度の高い箇所で、過熱防止素子40による温度異常検知を実施しないと、検知部分よりも大きな温度変化がある部分があれば、発熱抵抗体301が発煙、発火、焼損に至るのを防止することができない。
発熱抵抗体301が過熱状態となる温度異常を、より早く検知するためには、過熱防止素子40を定着ベルト25や加熱手段21に接触させて配置すればよいが、このような場合には、記録紙32上の定着画像に不良が発生するばかりではなく、定着ベルト25表面の温度分布が不均一になってしまうおそれがある。また、過熱防止素子40を定着ベルト25や加熱手段21に接触させて配置した場合には、過熱防止素子40の検知感度が鈍くなって、温度異常そのものを検知できなくなるおそれもある。
また、定着装置15では、定着ニップ部15cに給紙される記録紙32のサイズに応じて定着ベルト25表面における非通紙領域幅が異なる。定着ベルト25表面における記録紙32が接触しない非通紙領域では、発熱層212から発生した熱が記録紙32によって奪われることがないので、非通紙領域に対応する発熱抵抗体301の局所部分が過昇温状態となる。このように、発熱抵抗体301が非通紙領域に対応して局所的に過昇温状態になると、発熱抵抗体301の過熱状態を検知する過熱防止素子40が誤動作する場合がある。
これに対して、定着装置15では、定着ベルト25における記録紙32の非接触領域に対応して発熱部材211の軸線方向端部に配置される検知部301bの近傍に設けられた過熱防止素子40によって発熱抵抗体301への通電が制御されるように構成されているので、定着ニップ部15cに供給される記録紙32のサイズに関わらず、常に記録紙32が接触しない定着ベルト25の非通紙領域に対応する検知部301bにおける温度変化から、通紙領域部301aの過熱状態を間接検知することができ、過熱防止素子40が誤動作するのを防止することができる。
さらに、通紙領域部301aと検知部301bとが電気的に並列接続されているので、通電によって発熱する発熱抵抗体301は、通紙領域部301aと検知部301bとに対する印加電圧のばらつきなどの外乱要因を受けるのが防止される。そのため、発熱抵抗体301が通電されたとき、通紙領域部301aと検知部301bとの温度変化が同一となり、検知部301bにおける通電による温度変化から通紙領域部301aの過熱状態を過熱防止素子40により正確に間接検知することができる。したがって、発熱抵抗体301の通紙領域部301aが過熱状態となって発煙、発火、焼損に至ってしまうのを防止し、高い安全性を確保することができる。
また、通電によって発熱する発熱抵抗体301において、通紙領域部301aと検知部301bとは、電力密度が同等であることが好ましい。これによって、発熱抵抗体301が通電されたとき、通紙領域部301aと検知部301bとの温度変化が同一となり、検知部301bにおける通電による温度変化から通紙領域部301aの過熱状態を過熱防止素子40により正確に間接検知することができる。
ここで、通紙領域部301aと検知部301bとの電力密度が同等である構成とは、通紙領域部301aの電力密度に対する検知部301bの電力密度が、(通紙領域部の電力密度±10%)の範囲内に調整されることであり、好ましくは(通紙領域部の電力密度+10%)である。通紙領域部301aの電力密度に対する検知部301bの電力密度を(通紙領域部の電力密度+10%)の範囲内に調整することによって、検知部301bの温度変化が通紙領域部301aに対して同等以上になるので、検知部301bにおける通電による温度変化から通紙領域部301aの過熱状態を間接検知する際に、より早く通紙領域部301aの過熱状態を検知することができる。
また、通電によって発熱する発熱抵抗体301において、通紙領域部301aと検知部301bとは、通電による発熱時における昇温速度が同等であるように構成してもよい。これによって、発熱抵抗体301が通電されたとき、通紙領域部301aと検知部301bとの温度変化が同一となり、検知部301bにおける通電による温度変化から通紙領域部301aの過熱状態を過熱防止素子40により正確に間接検知することができる。
ここで、通紙領域部301aと検知部301bとの昇温速度が同等である構成とは、通紙領域部301aの昇温速度に対する検知部301bの昇温速度が、(通紙領域部の昇温速度±10%)の範囲内に調整されることであり、好ましくは(通紙領域部の昇温速度+10%)である。通紙領域部301aの昇温速度に対する検知部301bの昇温速度を、(通紙領域部の昇温速度+10%)の範囲内に調整することによって、検知部301bの温度変化が通紙領域部301aに対して同等以上になるので、検知部301bにおける通電による温度変化から通紙領域部301aの過熱状態を間接検知する際に、より早く通紙領域部301aの過熱状態を検知することができる。
また、通電によって発熱する発熱抵抗体301において、通紙領域部301aと検知部301bとは、比熱容量が同等であるように構成してもよい。これによって、発熱抵抗体301が通電されたとき、通紙領域部301aと検知部301bとの温度変化が同一となり、検知部301bにおける通電による温度変化から通紙領域部301aの過熱状態を過熱防止素子40により正確に間接検知することができる。
ここで、通紙領域部301aと検知部301bとの比熱容量が同等である構成とは、通紙領域部301aの比熱容量に対する検知部301bの比熱容量が、(通紙領域部の比熱容量±10%)の範囲内に調整されることであり、好ましくは(通紙領域部の比熱容量+10%)である。通紙領域部301aの比熱容量に対する検知部301bの比熱容量を、(通紙領域部の比熱容量+10%)の範囲内に調整することによって、検知部301bの温度変化が通紙領域部301aに対して同等以上になるので、検知部301bにおける通電による温度変化から通紙領域部301aの過熱状態を間接検知する際に、より早く通紙領域部301aの過熱状態を検知することができる。
前述のように、通紙領域部301aと検知部301bとの温度変化が同一となる、電力密度が同等である構成、昇温速度が同等である構成、比熱容量が同等である構成は、過熱防止素子40が配設される周囲環境を考慮して、通紙領域部301aに対する検知部301bの発熱量、電気抵抗値、材質、厚み、面積などを調整することによって実現できる。また、検知部301bの表面(検知面)に熱伝導性の調整可能(上昇または低下)な材料をコーティング(または貼り付け)して、過熱防止素子40による検知部301bの温度検知能力を調整するようにしてもよい。
また、発熱抵抗体301は、正の抵抗温度特性(Positive Temperature Coefficient、
略称PTC特性)を有するものを用いるのが好ましい。正の抵抗温度特性を有する発熱抵抗体301は、温度が上昇するにつれて電気抵抗値が上昇する。このような、正の抵抗温度特性を有する発熱抵抗体301は、自身の温度が所定の温度以上になると急激に電気抵抗値が上昇して電流値が小さくなり、過熱状態になるのが防止される。また、正の抵抗温度特性を有する発熱抵抗体301は、温度が上昇するにつれて電流値が小さくなるので、消費電力量を低減することができ、省エネ化を実現することができる。また、発熱抵抗体301が通紙領域部301aと検知部301bとを有しているので、発熱抵抗体301が正の抵抗温度特性を有する発熱体であっても、検知部301bにおける通電による温度変化から通紙領域部301aの過熱状態を正確に間接検知することができる。
また、発熱抵抗体301は、負の抵抗温度特性(Negative Temperature Coefficient、
略称NTC特性)を有するものを用いてもよい。負の抵抗温度特性を有する発熱抵抗体301は、温度が上昇するにつれて電気抵抗値が低下する。ここで、発熱抵抗体301が通紙領域部301aと検知部301bとを有しているので、発熱抵抗体301が負の抵抗温度特性を有する発熱体であっても、検知部301bにおける通電による温度変化から通紙領域部301aの過熱状態を正確に間接検知することができる。
また、発熱抵抗体301は、正の抵抗温度特性および負の抵抗温度特性を有するものを用いてもよい。ここで、発熱抵抗体301が通紙領域部301aと検知部301bとを有しているので、発熱抵抗体301が正の抵抗温度特性および負の抵抗温度特性を有する発熱体であっても、検知部301bにおける通電による温度変化から通紙領域部301aの過熱状態を正確に間接検知することができる。正の抵抗温度特性および負の抵抗温度特性を有する発熱抵抗体301とは、たとえば、常温付近では負の抵抗温度特性を有し、所定の温度付近からは正の抵抗温度特性を有し、さらに温度が上昇すると、正の抵抗温度特性でも電気抵抗値の変化率が大きな発熱体(PTCセラミックヒータとも言う)である。
次に、加熱手段21の発熱部材211が有する発熱層が、複数の発熱抵抗体によって形成される場合について説明する。図8は、複数の発熱抵抗体により形成される発熱層310の構成を示す図である。
発熱部材211が有する発熱層は、通電によって発熱する発熱部分が複数に分割される発熱層310のように構成することができる。図8に示す発熱層310は、複数の発熱抵抗体311,312,313からなる。各発熱抵抗体311,312,313は、複数回にわたって屈曲を繰り返して、全体として一定の面を形成するようにされている。そして、発熱層310は、放熱部材210表面の複数領域に対応して、発熱抵抗体312の通紙領域部312aからなる第1発熱領域と、発熱抵抗体313の通紙領域部313aからなる第2発熱領域と、発熱抵抗体311の通紙領域部311aからなる第3発熱領域とに分割されている。本実施の形態では、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合を想定して、記録紙32と接触する定着ベルト25を加熱する放熱部材210表面が、長手方向両端部と中央部との3つの領域に分割されている。そして、発熱層310の第1発熱領域および第2発熱領域が、放熱部材210の長手方向両端部にそれぞれ対応し、第3発熱領域が、放熱部材210の長手方向中央部に対応している。
そして、発熱抵抗体312の通紙領域部312aと電気的に並列接続される検知部312b、および、発熱抵抗体313の通紙領域部313aと電気的に並列接続される検知部313bは、定着ベルト25における記録紙32の非接触領域に対応して発熱部材211の軸線方向(長手方向)他端部に設けられている。なお、本実施の形態では、検知部312bと検知部313bとは共通である。また、発熱抵抗体311の通紙領域部311aと電気的に並列接続される検知部311bは、定着ベルト25における記録紙32の非接触領域に対応して発熱部材211の軸線方向(長手方向)一端部に設けられている。そして、発熱抵抗体312および発熱抵抗体313に共通の検知部312b,313bと、発熱抵抗体311の検知部311bとの近傍には、過熱防止素子40がそれぞれ設けられている。
発熱抵抗体311は給電端子部221aに接続され、発熱抵抗体312および発熱抵抗体313は給電端子部221bに接続されており、各発熱領域ごとに区別された状態で通電可能となっている。これによって、複数に分割される各発熱部分を構成する各発熱抵抗体311,312,313ごとに通電状態を切り替えることができ、定着ベルト25と接触する放熱部材210の表面における温度分布が所望の温度分布となるように調整することができる。たとえば、異なる大きさ、幅、厚みの記録紙32を定着ニップ部15cに供給してトナー像31を定着させる場合などに、異なる記録紙32のサイズ(大きさ、幅、厚み)に応じて、放熱部材210表面における所望の特定領域に対応した発熱抵抗体のみが発熱するように通電状態を切り替えることで、放熱部材210の表面が所望の温度分布となるようにすることができる。これによって、定着ベルト25表面における記録紙32の非接触部分に対応する発熱抵抗体の局部的な異常昇温を抑制することができる。
さらに、複数の発熱抵抗体311,312,313は、それぞれ電気的に並列接続される通紙領域部と検知部とを有する。これによって、複数に分割される各発熱部分を構成する各発熱抵抗体311,312,313ごとで、検知部における通電による温度変化から通紙領域部の過熱状態を過熱防止素子40により正確に間接検知することができる。したがって、各発熱抵抗体311,312,313の通紙領域部が過熱状態となって発煙や焼損に至ってしまうのを防止し、高い安全性を確保することができる。
以上のように、加熱手段21が、複数の発熱抵抗体311,312,313を有して、通電によって発熱する発熱部分が複数に分割される発熱層310を含んで構成される場合、定着装置15内における電気配線は、以下のようにすればよい。
図9は、複数の発熱抵抗体を用いた場合の電気配線の接続状態を示す図である。定着装置15では、複数の発熱抵抗体311,312,313に接続される電気配線である1次側電気配線70aと、複数の発熱抵抗体に対応して設けられる複数の発熱体側サーミスタ24aに接続される電気配線を含み1次側電気配線70aよりも小さな電流が流れる電気配線である2次側電気配線70bとは、同一のコネクタ80に接続されている。
コネクタ80は、複数のコネクタ端子(たとえば、8つのコネクタ端子)が整列して形成される第1コネクタ片81と第2コネクタ片82とが、互いに着脱可能に嵌合されて構成される。そして、コネクタ80は、1次側電気配線70aが接続される1次側配線用コネクタ端子80aと、2次側電気配線70bが接続される2次側配線用コネクタ端子80bとが、一体で設けられている。さらにコネクタ80は、1次側配線用コネクタ端子80aが2次側配線用コネクタ端子80bに挟み込まれるように、すなわちコネクタ80において、1次側配線用コネクタ端子80aが中央部に配置され、2次側配線用コネクタ端子80bが両端部に配置されている。
コネクタ80の1次側配線用コネクタ端子80aに接続される1次側電気配線70aは、画像形成装置100に設けられる装置本体コネクタ90を介して、制御手段60の電源回路62に接続されている。また、コネクタ80の2次側配線用コネクタ端子80bに接続される2次側電気配線70bは、装置本体コネクタ90を介して、制御手段60の制御回路61に接続されている。なお、装置本体コネクタ90は、複数のコネクタ端子が整列して形成される第1装置本体コネクタ片91と第2装置本体コネクタ片92とが、互いに着脱可能に嵌合されて構成され、1次側電気配線70aが接続される第1装置本体コネクタ端子90aと、2次側電気配線70bが接続される第2装置本体コネクタ端子90bとが、一体で設けられている。
以上のように、加熱手段21が、複数の発熱抵抗体311,312,313を有して、通電によって発熱する発熱部分が複数に分割される発熱層310を含んで構成される場合においても、定着装置15では、発熱抵抗体311,312,313に接続されて大きな電流が流れる1次側電気配線70aと、複数の発熱体側サーミスタ24aに接続される電気配線を含み小さな電流が流れる2次側電気配線70bとが、同一のコネクタ80に接続されているので、複数の発熱体側サーミスタ24aの電気配線の接続不良などによって発熱体側サーミスタ24aが正常に動作せず、発熱抵抗体311,312,313に対する通電が正常に制御されない状態で、発熱抵抗体311,312,313に通電されるのを防止することができる。そのため、定着装置15では、加熱手段21が複数の発熱抵抗体311,312,313を有する場合であっても、発熱抵抗体311,312,313に異常な通電がされてしまうのを抑制して発熱抵抗体311,312,313が過熱状態になるのを防止することができる。したがって、定着装置15は、発熱抵抗体311,312,313が発煙や焼損に至ってしまうのが防止されて、高い安全性を確保することができる。
またコネクタ80は、1次側配線用コネクタ端子80aが2次側配線用コネクタ端子80bに挟み込まれて配置されている。そして、制御手段60は、2次側電気配線70bの2次側配線用コネクタ端子80bに対する接続が接続不良状態であることを検知すると、発熱抵抗体311,312,313に対する通電が抑制されるように制御する。これによって、コネクタ80が斜めに差し込まれて、コネクタ80において1次側配線用コネクタ端子80aよりも外方側に配置される2次側配線用コネクタ端子80bに対する2次側電気配線70bの接続不良が発生し、複数の発熱体側サーミスタ24aが正常に動作しない場合であっても、制御手段60が発熱抵抗体311,312,313に対する通電を抑制するので、発熱抵抗体311,312,313が過熱状態になるのを防止することができる。
また、加熱手段21が複数の発熱抵抗体311,312,313を有する場合において、1次側電気配線70aを2次側電気配線70bで挟み込むようにコネクタ80に接続する場合、図10のようにしてもよい。図10は、複数の発熱抵抗体を用いた場合の電気配線の接続状態における他の例を示す図である。図10に示す電気配線の接続例では、複数の発熱体側サーミスタ24aに接続される電気配線は、コネクタ80の中心に関して互いに点対称となる位置に配置される一対の2次側配線用コネクタ端子80bに接続される。これによって、コネクタ80が斜めに差し込まれて、コネクタ80において1次側配線用コネクタ端子80aよりも外方側に配置される2次側配線用コネクタ端子80bに対する2次側電気配線70bの接続不良が発生し、複数の発熱体側サーミスタ24aが正常に動作しない場合であっても、発熱抵抗体311,312,313に異常な通電がされてしまうのを抑制して発熱抵抗体311,312,313が過熱状態になるのを防止することができる。
また、発熱部材211の発熱層における発熱抵抗体の通紙領域部の構成は、前述の構成に限定されるものではなく、たとえば、以下のように構成されていてもよい。図11〜図14を用いて具体的に説明するが、以下に示す発熱層の構成は通紙領域部の変形例を示すものであり、その他の構成は前述した発熱層212と同様である。
図11は、発熱層における発熱抵抗体の通紙領域部の分割状態を示す図である。図11(a)に示す発熱層315では、放熱部材210の長手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部315aが、放熱部材210の周方向(短手方向)に相互に間隔をあけて配列されている。そして、給電端子部221に電圧が印加されると、複数の通紙領域部315aがそれぞれ個別に発熱する。つまり、発熱層315の表面における発熱部分は、個別に発熱する各通紙領域部315aに対応して分割された状態となる。このように個別に発熱する各通紙領域部315aから発生した熱が放熱部材210に伝達され、さらに放熱部材210から定着ベルト25に伝達されて定着ベルト25が加熱される。
また、図11(b)に示す発熱層320では、放熱部材210の短手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部320aが、放熱部材210の長手方向に相互に間隔をあけて配列されている。そして、給電端子部221に電圧が印加されると、複数の通紙領域部320aがそれぞれ個別に発熱する。
図12Aおよび図12Bは、通紙領域部の分割状態の他の例を示す図である。図12A(a)に示す発熱層321は、放熱部材210表面の複数領域に対応して、第1発熱領域321aと、第2発熱領域321bと、第3発熱領域321cとに分割されている。本実施の形態では、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合を想定して、記録紙32と接触する定着ベルト25を加熱する放熱部材210表面が、長手方向両端部と中央部との3つの領域に分割されている。そして、発熱層321の第1発熱領域321aおよび第2発熱領域321bが、放熱部材210の長手方向両端部にそれぞれ対応し、第3発熱領域321cが、放熱部材210の長手方向中央部に対応している。
第1発熱領域321a内には、放熱部材210の長手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部3211aが放熱部材210の短手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各通紙領域部3211aの長手方向両端部は一対の給電端子部221cに接続されている。第2発熱領域321b内には、放熱部材210の長手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部3211bが放熱部材210の短手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各通紙領域部3211bの長手方向両端部は一対の給電端子部221dに接続されている。第3発熱領域321c内には、放熱部材210の長手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部3211cが放熱部材210の短手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各通紙領域部3211cの長手方向両端部は一対の給電端子部221eに接続されている。
つまり、第1発熱領域321a内の各通紙領域部3211aと、第2発熱領域321b内の各通紙領域部3211bと、第3発熱領域321c内の各通紙領域部3211cとは、それぞれ異なる給電端子部221c,221d,221eに接続されて、各発熱領域ごとに区別された状態で通電可能となっている。これによって、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合には、異なる通紙サイズに対応して発熱層321の表面において所望の温度分布が得られるように、各発熱領域321a,321b,321cごとに通電状態を切り替えて、発熱層321表面における所望の特定領域のみが発熱するように加熱副制御し、記録紙32の通紙幅両端部に対応する発熱領域内の通紙領域部の局部的な異常昇温を抑制することができる。このように、分割された発熱領域ごとに通電状態を切り替えて加熱副制御し、発熱抵抗体の通紙領域部の局部的な異常昇温を抑制することによって、定着不良、定着画像劣化を防止することができるとともに、発熱抵抗体自身の破損を防止し、消費電力の増大を防止することができる。また、定着ベルト25表面における加熱の必要な領域に対応して、分割される発熱領域の通電状態を切り替えて、異なる動作モードごとに加熱副制御を行うことができるので、温度リップルや動作モード移行後の急激な温度低下を抑えることができる。
図12A(b)に示す発熱層322は、放熱部材210表面の複数領域に対応して、第1発熱領域322aと、第2発熱領域322bと、第3発熱領域322cとに分割されている。本実施の形態では、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合を想定して、記録紙32と接触する定着ベルト25を加熱する放熱部材210表面が、長手方向両端部と中央部との3つの領域に分割されている。そして、発熱層322の第1発熱領域322aおよび第2発熱領域322bが、放熱部材210の長手方向両端部にそれぞれ対応し、第3発熱領域322cが、放熱部材210の長手方向中央部に対応している。
第1発熱領域322a内には、放熱部材210の短手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部3221aが放熱部材210の長手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各通紙領域部3221aの短手方向両端部は一対の給電端子部221fに接続されている。第2発熱領域322b内には、放熱部材210の短手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部3221bが放熱部材210の長手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各通紙領域部3221bの短手方向両端部は一対の給電端子部221gに接続されている。第3発熱領域322c内には、放熱部材210の短手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部3221cが放熱部材210の長手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各通紙領域部3221cの短手方向両端部は一対の給電端子部221hに接続されている。
つまり、第1発熱領域322a内の各通紙領域部3221aと、第2発熱領域322b内の各通紙領域部3221bと、第3発熱領域322c内の各通紙領域部3221cとは、それぞれ異なる給電端子部221f,221g,221hに接続されて、各発熱領域ごとに区別された状態で通電可能となっている。これによって、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合には、異なる通紙サイズに対応して発熱層322の表面において所望の温度分布が得られるように、各発熱領域322a,322b,322cごとに通電状態を切り替えて、発熱層322表面における所望の特定領域のみが発熱するように加熱副制御し、記録紙32の通紙幅両端部に対応する発熱領域内の発熱抵抗体の通紙領域部の局部的な異常昇温を抑制することができる。
図12B(c)に示す発熱層323は、放熱部材210表面の複数領域に対応して、第1発熱領域323aと、第2発熱領域323bと、第3発熱領域323cとに分割されている。本実施の形態では、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合を想定して、記録紙32と接触する定着ベルト25を加熱する放熱部材210表面が、長手方向両端部と中央部との3つの領域に分割されている。そして、発熱層323の第1発熱領域323aおよび第2発熱領域323bが、放熱部材210の長手方向両端部にそれぞれ対応し、第3発熱領域323cが、放熱部材210の長手方向中央部に対応している。
第1発熱領域323a内には、放熱部材210の長手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部3231aが放熱部材210の短手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各通紙領域部3231aの短手方向両端部は一対の給電端子部221iに接続されている。このとき、端部側の給電端子部221iは放熱部材210の短手方向に延びて形成され、中央側の給電端子部221iは放熱部材210の長手方向に所定の角度で傾斜する方向に延びて形成されている。第2発熱領域323b内には、放熱部材210の長手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部3231bが放熱部材210の短手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各通紙領域部3231bの短手方向両端部は一対の給電端子部221jに接続されている。このとき、端部側の給電端子部221jは放熱部材210の短手方向に延びて形成され、中央側の給電端子部221jは放熱部材210の長手方向に所定の角度で傾斜する方向に延びて形成されている。第3発熱領域323c内には、放熱部材210の長手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部3231cが放熱部材210の短手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各通紙領域部3231cの短手方向両端部は一対の給電端子部221kに接続されている。このとき、給電端子部221kは、給電端子部221iおよび給電端子部221jの中央側端子と平行になるように設けられている。
つまり、第1発熱領域323a内の各通紙領域部3231aと、第2発熱領域323b内の各通紙領域部3231bと、第3発熱領域323c内の各通紙領域部3231cとは、それぞれ異なる給電端子部221i,221j,221kに接続されて、各発熱領域ごとに区別された状態で通電可能となっている。これによって、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合には、異なる通紙サイズに対応して発熱層323の表面において所望の温度分布が得られるように、各発熱領域323a,323b,323cごとに通電状態を切り替えて、発熱層323表面における所望の特定領域のみが発熱するように加熱副制御し、記録紙32の通紙幅両端部に対応する発熱領域内の発熱抵抗体の通紙領域部の局部的な異常昇温を抑制することができる。
図12B(d)に示す発熱層324は、放熱部材210表面の複数領域に対応して、第1発熱領域324aと、第2発熱領域324bと、第3発熱領域324cとに分割されている。本実施の形態では、放熱部材210表面が、長手方向一端側に2つの領域と、残領域との3つの領域に分割されている。そして、発熱層324の第1発熱領域324aが放熱部材210の残領域に対応し、第2発熱領域324bが放熱部材210の長手方向一端側の2つの領域のうち中央側の領域に対応し、第3発熱領域324cが放熱部材210の長手方向一端側の2つの領域のうち端部側の領域に対応している。
第1発熱領域324a内には、放熱部材210の長手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部3241aが放熱部材210の短手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各通紙領域部3241aの短手方向両端部は一対の給電端子部221lに接続されている。第2発熱領域324b内には、放熱部材210の長手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部3241bが放熱部材210の短手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各通紙領域部3241bの短手方向両端部は一対の給電端子部221mに接続されている。第3発熱領域324c内には、放熱部材210の長手方向に延びる複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部3241cが放熱部材210の短手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各通紙領域部3241cの短手方向両端部は一対の給電端子部221nに接続されている。
つまり、第1発熱領域324a内の各通紙領域部3241aと、第2発熱領域324b内の各通紙領域部3241bと、第3発熱領域324c内の各通紙領域部3241cとは、それぞれ異なる給電端子部221l,221m,221nに接続されて、各発熱領域ごとに区別された状態で通電可能となっている。これによって、発熱層324の表面において所望の温度分布が得られるように、各発熱領域324a,324b,324cごとに通電状態を切り替えて、発熱層324表面における所望の特定領域のみが発熱するように加熱副制御することができる。
以上の実施形態では、複数の発熱抵抗体に対応する通紙領域部が同一層に形成された発熱層の表面における発熱部分の分割状態について説明したが、以下では、図13を用いて、複数の発熱抵抗体が積層された積層構造を有する発熱層の表面における発熱部分の分割状態について説明する。
図13は、複数の発熱抵抗体が積層された積層構造を有する発熱層における通紙領域部の分割状態を示す図である。図13(a)は、複数の発熱抵抗体が積層された積層構造を有する発熱層325の構成を示し、図13(b)は、発熱層325における発熱抵抗体の積層構造を平面視した場合の各発熱抵抗体の通紙領域部の配置状態を示す。
図13に示す発熱層325は、放熱部材210の周方向に対応する幅が12mmのセラミックシートを複数枚積層して形成され、各セラミックシートの合わせ面には、銀−パラジウム系の薄膜発熱抵抗体を線幅1mmで2.5往復折り返すように印刷して設け、その後、焼成して形成したものである。なお、各セラミックシートの大きさ、薄膜発熱抵抗体の材質、幅、厚み、印刷時の折り返しパターンなどは、発熱層325に求められる発熱能力に応じて適宜設定される。また、セラミックシートを積層したセラミック発熱体からなる発熱層325は、急速加熱を行うことができ、さらに、発熱層325自信が過熱状態になったとしても、破損はするけれども発煙、発火には至らない安全性も有している。
発熱層325は、放熱部材210表面の複数領域に対応して、第1発熱領域325aと、第2発熱領域325bと、第3発熱領域325cとに分割されている。本実施の形態では、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合を想定して、記録紙32と接触する定着ベルト25を加熱する放熱部材210表面が、長手方向両端部と中央部との3つの領域に分割されている。そして、発熱層325の第1発熱領域325aおよび第2発熱領域325bが、放熱部材210の長手方向両端部にそれぞれ対応し、第3発熱領域325cが、放熱部材210の長手方向中央部に対応している。
発熱層325は、第1発熱領域325aと第2発熱領域325bとは同一層内に形成され、第3発熱領域325cは別の層に形成された積層構造を有する。第1発熱領域325a内には、放熱部材210の短手方向に波状に延びる発熱抵抗体に対応する通紙領域部3251aが設けられ、通紙領域部3251aの短手方向両端部は一対の給電端子部221oに接続されている。第2発熱領域325b内には、放熱部材210の短手方向に波状に延びる発熱抵抗体に対応する通紙領域部3251bが設けられ、通紙領域部3251bの短手方向両端部は一対の給電端子部221pに接続されている。第3発熱領域325c内には、放熱部材210の短手方向に波状に延びる発熱抵抗体に対応する通紙領域部3251cが設けられ、通紙領域部3251cの短手方向両端部は一対の給電端子部221qに接続されている。
つまり、第1発熱領域325a内の通紙領域部3251aと、第2発熱領域325b内の通紙領域部3251bと、第3発熱領域325c内の通紙領域部3251cとは、それぞれ異なる給電端子部221o,221p,221qに接続されて、各発熱領域ごとに区別された状態で通電可能となっている。これによって、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合には、異なる通紙サイズに対応して発熱層325の表面において所望の温度分布が得られるように、各発熱領域325a,325b,325cごとに通電状態を切り替えて、発熱層325表面における所望の特定領域のみが発熱するように加熱副制御し、記録紙32の通紙幅両端部に対応する発熱領域内の発熱抵抗体の通紙領域部の局部的な異常昇温を抑制することができる。
図14は、複数の半導体セラミック素子が放熱部材に保持された構造を有する加熱手段の構成を示す図である。
図14(a)に示す加熱手段326は、複数の半導体セラミック素子326aが2つの放熱部材326bに狭持された構造を有する。各半導体セラミック素子326aは、通電によって発熱する発熱抵抗体である。本実施の形態では、発熱抵抗体における検知部は、各半導体セラミック素子326aと電気的に並列接続されて設けられている。各放熱部材326bは、湾曲した湾曲部326cと、湾曲部326cの周方向一端部から屈曲して形成される屈曲部326dとを有する。加熱手段326では、2つの放熱部材326bにおける屈曲部326d同士で半導体セラミック素子326aを狭持した状態で、2つの放熱部材326bにおける湾曲部326cが、全体として半円筒状となるようにされている。そして、全体として半円筒状にされた湾曲部326cの表面が定着ベルト25に接触する面となる。各半導体セラミック素子326aは、チタン酸バリウムを主成分とする無機粉末を薄いブロック形状に成形して焼成したものである。各半導体セラミック素子326aは、1つあたり十数Wから数百Wの発熱量が得られるようにされている。
図14(b)に示す加熱手段327は、複数の半導体セラミック素子327aが放熱部材327bに嵌め込まれた構造を有する。各半導体セラミック素子327aは、通電によって発熱する発熱抵抗体である。本実施の形態では、発熱抵抗体における検知部は、各半導体セラミック素子327aと電気的に並列接続されて設けられている。放熱部材327bは、湾曲して半円筒状に形成される湾曲部327cと、湾曲部327cの内周面から突出し凹部を有する突出部327dとを含んで構成される。加熱手段327では、放熱部材327bにおける突出部327dが有する凹部に各半導体セラミック素子327aが嵌め込まれている。そして、放熱部材327bにおける湾曲部327cの外周面が定着ベルト25に接触する面となる。
図15は、本発明の第2実施形態である定着装置440の構成を示す図である。定着装置440は、2段階定着方式の定着装置であって、未定着のトナー像31を記録紙32上に加熱加圧して1次定着させる第1定着手段450と、第1定着手段450よりも記録紙32の搬送方向下流側に配置されて、1次定着後のトナー像31を記録紙32上に加熱加圧して2次定着させる第2定着手段460とが、水平方向に並んで配置されるように構成されている。そして、定着装置440における第1定着手段450および第2定着手段460は、1次側配線用コネクタ端子と2次側配線用コネクタ端子とが一体で設けられるコネクタ50を備える、前述した本実施形態の定着装置15である。
このように構成された2段階定着方式の定着装置440では、第1定着手段450の温度検出素子である第1発熱体側サーミスタ455、および、第2定着手段460の温度検出素子である第2発熱体側サーミスタ465が正常に動作せず、発熱抵抗体に対する通電が正常に制御されない状態で、発熱抵抗体に通電されるのを防止することができる。そのため、第1定着手段450および第2定着手段460が備える発熱抵抗体に異常な通電がされてしまうのを抑制して発熱抵抗体が過熱状態になるのを防止することができる。したがって、第1定着手段450および第2定着手段460が備える発熱抵抗体が発煙や焼損に至ってしまうのが防止されて、高い安全性を確保することができる。
第1定着手段450と第2定着手段460との間には、搬送ガイド板または搬送ローラなどのガイド部材が設けられており、第1定着手段450の定着ニップ部で定着処理された記録紙32は、ガイド部材に沿って搬送されて、第2定着手段460の定着ニップ部で定着処理されて排出されるようになっている。定着装置440は、定着装置15に代えて画像形成装置100に搭載可能である。
第1定着手段450は、第1加熱手段451と、第1定着ローラ452と、第1加圧ローラ453と、前述した定着ベルト25と同様に構成される第1定着ベルト454とを含んで構成される。第1定着手段450においては、第1定着ベルト454が第1定着ローラ452と第1加熱手段451との間に張架され、第1加圧ローラ453が第1定着ベルト454を介して第1定着ローラ452に対向するように配置されている。
第1加熱手段451は、前述した加熱手段21を有する。第1加熱手段451が有する加熱手段21は、前述した放熱部材210と、発熱領域が放熱部材210の長手方向両端部と中央部とに3分割された前述の発熱層310を有する発熱部材と、前述した内側固定部材218とを含む。
放熱部材210は、本実施の形態では、肉厚0.5mmのアルミニウムからなる金属薄板を、断面径が40mmで開口部の開口角度が125°となるように湾曲させて作製されたものであり、外周面において第1定着ベルト454と接触して発熱層310で発生した熱を第1定着ベルト454に伝達する。
発熱層310は、前述したように、放熱部材210の長手方向両端部に対応する第1発熱領域310aおよび第2発熱領域310bと、放熱部材210の長手方向中央部に対応する第3発熱領域310cとに分割されており、各発熱領域は、それぞれ区別された状態で通電可能となっている。発熱層310は、通紙する記録紙32の通紙サイズや厚みに応じて、各発熱領域が適宜通電制御されて、発熱する。本実施の形態では、発熱層310は1100Wの発熱量で発熱し、第3発熱領域310cが600W、第1発熱領域310aおよび第2発熱領域310bがそれぞれ250Wである。
内側固定部材218は、前述したように、螺旋状に形成される螺旋状部材から構成されており、発熱層310の厚み方向一表面側に略線接触して放熱部材210に近接する方向に弾発的に押圧し、発熱層310の厚み方向他表面側が放熱部材210の内側表面に面接触するように、発熱層310を有する発熱部材を保持する。
また、第1加熱手段451に巻き掛けられた第1定着ベルト454の周面近傍には、その周面温度を非接触で検出する第1発熱体側サーミスタ455が配置されている。
第1定着ローラ452は、第1定着ベルト454を介して第1加圧ローラ453に圧接することで定着ニップ部を形成すると同時に、図示しない駆動モータにより回転軸線まわりに回転方向G方向に回転駆動することによって、第1定着ベルト454を搬送する。第1定着ローラ452は、その内側から順に芯金452a、弾性層452bが形成された2層構造からなり、芯金452aには、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられ、本実施の形態では芯金452aは、アルミニウムからなる外径40mmの部材である。また、弾性層452bにはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適しており、本実施の形態では弾性層452bは、熱伝導率が小さいシリコン発泡スポンジからなる厚さ5mmの部材である。こうして構成された第1定着ローラ452の表面硬さは68度(アスカーC硬度)である。
また、第1定着ローラ452の第1定着ベルト454の巻き掛け部分(加熱ニップ部)の周面近傍には、第1定着ローラ454に巻き掛けた第1定着ベルト454の周面温度を非接触で検出する第1定着ローラ側サーミスタ456が配置されている。
第1加圧ローラ453は、第1定着ベルト454を介して第1定着ローラ452に対向しかつ圧接し、図示しない駆動モータにより回転軸線まわりに回転方向H方向に回転駆動するように設けられている。第1定着ベルト454および第1定着ローラ452と第1加圧ローラ453とは、互いに逆方向に回転する。第1加圧ローラ453は、その内側から順に芯金453a、弾性層453b、離型層453cが形成された3層構造からなっている。芯金453aには、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられ、本実施の形態では芯金453aは、アルミニウムからなる外径46mmの部材である。また、弾性層453bにはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適しており、本実施の形態では弾性層453bは、シリコンゴムからなる厚さ2mmの部材である。また、離型層453cにはPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が適しており、本実施の形態では離型層453cはPFAからなる厚さ約30μmの部材である。こうして構成された第1加圧ローラ453の表面硬さは75度(アスカーC硬度)である。
また、第1加圧ローラ453の内部には、第1加圧ローラ453を加熱する第1ヒータランプ453d(たとえば、定格電力400W)が配置されている。制御回路61が電源回路62から第1ヒータランプ453dに電力を供給(通電)させることによって、第1ヒータランプ453dが発光し、第1ヒータランプ453dから赤外線が放射される。これによって、第1加圧ローラ453の内周面が赤外線を吸収して加熱され、第1加圧ローラ453全体が加熱される。また、第1加圧ローラ453の周面には、第1加圧ローラ453の周面温度を接触で検出する第1加圧ローラ側サーミスタ457が配置されている。また、第1加圧ローラ453には、第1加圧ローラ453表面を素早く加熱する外部加熱装置やクリーニングローラ、オイル塗布ローラを設けた構成としてもよい。
第1定着ローラ452および第1加圧ローラ453は、外径が50mmであり、図示していない弾性部材(バネ部材)によって、所定の荷重(ここでは、600N)で互いに圧接される。これにより、第1定着ローラ452と第1加熱手段451とに架け渡された第1定着ベルト454の周面と第1加圧ローラ453周面との間に定着ニップ部が形成される。当該定着ニップ部は、第1定着ベルト454と第1加圧ローラ453とが互いに当接する部分であり、本実施の形態では、9mmである。第1定着ローラ452が所定の温度(ここでは、180℃)に加熱され、記録紙32は、この定着ニップ部を通過することで、未定着のトナー像31が加熱溶融し画像が定着されるようになっている。記録紙32が定着ニップ部を通過するときには、第1定着ベルト454は記録紙32のトナー画像形成面に当接する一方、第1加圧ローラ453は記録紙32におけるトナー画像形成面とは反対の面に当接するようになっている。
第1定着ローラ452および第1加圧ローラ453の回転速度に応じて、所定の定着速度および複写速度で、定着ニップ部に記録紙32が搬送され、未定着のトナー像31が記録紙32に熱および圧力により定着される。ここで、定着速度とは、いわゆるプロセス速度のことで、たとえば、モノクロ印字を行う場合には355mm/secでありカラー印字を行う場合には220mm/secで回転し、複写速度とは、1分あたりのコピー枚数のことで、たとえば、モノクロ印字では70枚/分、カラー印字では60枚/分である。
また、第1定着手段450には、第1定着ベルト454の表面をクリーニングする図示しないウェブクリーニング装置が配置されている。
制御回路61は、各サーミスタ455,456,457により検出された温度データに基づいて、第1加熱手段451が有する放熱部材210、第1定着ベルト454、第1加圧ローラ453が所定の温度になるように、電源回路62を介して発熱層310および第1ヒータランプ453dへの通電を制御する。
次に、第2定着手段460について説明する。第2定着手段460は、第2加熱手段461と、第2定着ローラ462と、第2加圧ローラ463と、前述した定着ベルト25と同様に構成される第2定着ベルト464とを含んで構成される。第2定着手段460においては、第2定着ベルト464が第2定着ローラ462と第2加熱手段461との間に張架され、第2加圧ローラ463が第2定着ベルト464を介して第2定着ローラ462に対向するように配置されている。第2定着手段460は、基本構成は、第1定着手段450と同じであるが、第2加熱手段461が第1加熱手段451の構成とは異なり、第2定着ローラ462が第1定着ローラ452の構成とは異なっている。
第2加熱手段461は、前述した加熱手段21を有する。第2加熱手段461が有する加熱手段21は、前述した放熱部材210と、発熱領域が放熱部材210の長手方向両端部と中央部とに対応して3分割され、かつ放熱部材210の短手方向に対応して2分割された合計6分割された発熱層310を有する発熱部材と、前述した内側固定部材218とを含む。
放熱部材210は、外周面において第2定着ベルト464と接触して発熱層310で発生した熱を第2定着ベルト464に伝達する。
発熱層310は、前述したように、放熱部材210の長手方向両端部であり、かつ第2定着ベルト464の回転方向下流側に対応する第1発熱領域および第2発熱領域と、放熱部材210の長手方向両端部であり、かつ第2定着ベルト464の回転方向上流側に対応する第3発熱領域および第4発熱領域と、放熱部材210の長手方向中央部であり、かつ第2定着ベルト464の回転方向下流側に対応する第5発熱領域と、放熱部材210の長手方向中央部であり、かつ第2定着ベルト464の回転方向上流側に対応する第6発熱領域とに分割されており、各発熱領域は、それぞれ区別された状態で通電可能となっている。発熱層310は、通紙する記録紙32の通紙サイズや厚みに応じて、各発熱領域が適宜通電制御されて、発熱する。本実施の形態では、発熱層310は900Wの発熱量で発熱し、第5発熱領域が400W、第6発熱領域が200W、第1発熱領域および第2発熱領域がそれぞれ100W、第3発熱領域および第4発熱領域がそれぞれ50Wである。
内側固定部材218は、前述したように、螺旋状に形成される螺旋状部材から構成されており、発熱層310の厚み方向一表面側に略線接触して放熱部材210に近接する方向に弾発的に押圧し、発熱層310の厚み方向他表面側が放熱部材210の内側表面に面接触するように、発熱層310を有する発熱部材を保持する。
また、第2加熱手段461に巻き掛けられた第2定着ベルト464の周面近傍には、その周面温度を非接触で検出する第2発熱体側サーミスタ465が配置されている。
第2定着ローラ462は、第2定着ベルト464を介して第2加圧ローラ463に圧接することで定着ニップ部を形成すると同時に、図示しない駆動モータにより回転軸線まわりに回転方向I方向に回転駆動することによって、第2定着ベルト464を搬送する。第2定着ローラ462は、その内側から順に芯金462a、弾性層462bが形成された2層構造からなり、芯金462aには、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられ、本実施の形態では芯金462aは、アルミニウムからなる外径46mmの部材である。また、弾性層462bにはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適しており、本実施の形態では弾性層462bは、シリコンゴムからなる厚さ2mmの部材である。こうして構成された第2定着ローラ462の表面硬さは68度(アスカーC硬度)である。
また、第2定着ローラ462の第2定着ベルト464の巻き掛け部分(加熱ニップ部)の周面近傍には、第2定着ローラ462に巻き掛けた第2定着ベルト464の周面温度を非接触で検出する第2定着ローラ側サーミスタ466が配置されている。
第2加圧ローラ463は、第2定着ベルト464を介して第2定着ローラ462に対向しかつ圧接し、図示しない駆動モータにより回転軸線まわりに回転方向J方向に回転駆動するように設けられている。第2定着ベルト464および第2定着ローラ462と第2加圧ローラ463とは、互いに逆方向に回転する。第2加圧ローラ463は、その内側から順に芯金463a、弾性層463b、離型層463cが形成された3層構造からなっている。芯金463aには、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられ、本実施の形態では芯金463aは、アルミニウムからなる外径46mmの部材である。また、弾性層463bにはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適しており、本実施の形態では弾性層463bは、シリコンゴムからなる厚さ2mmの部材である。また、離型層463cにはPFAやPTFE等のフッ素樹脂が適しており、本実施の形態では離型層463cはPFAからなる厚さ約30μmの部材である。こうして構成された第2加圧ローラ463の表面硬さは75度(アスカーC硬度)である。
また、第2加圧ローラ463の内部には、第2加圧ローラ463を加熱する第2ヒータランプ463d(たとえば、定格電力400W)が配置されている。制御回路61が電源回路62から第2ヒータランプ463dに電力を供給(通電)させることによって、第2ヒータランプ463dが発光し、第2ヒータランプ463dから赤外線が放射される。これによって、第2加圧ローラ463の内周面が赤外線を吸収して加熱され、第2加圧ローラ463全体が加熱される。また、第2加圧ローラ463の周面には、第2加圧ローラ463の周面温度を接触で検出する第2加圧ローラ側サーミスタ467が配置されている。
第2定着ローラ462および第2加圧ローラ463は、外径が50mmであり、図示していない弾性部材(バネ部材)によって、所定の荷重(ここでは、550N)で互いに圧接される。これにより、第2定着ローラ462と第2加熱手段461とに架け渡された第2定着ベルト464の周面と第2加圧ローラ463周面との間に定着ニップ部が形成される。当該定着ニップ部は、第2定着ベルト464と第2加圧ローラ463とが互いに当接する部分であり、本実施の形態では、8mmである。
制御回路61は、各サーミスタ465,466,467により検出された温度データに基づいて、第2加熱手段461が有する放熱部材210、第2定着ベルト464、第2加圧ローラ463が所定の温度になるように、電源回路62を介して発熱層310および第2ヒータランプ463dへの通電を制御する。
以上のような第1定着手段450および第2定着手段460を含んで構成される定着装置440においては、特開2005−352389号公報に記載されているように、第1定着手段450の温度変動を補償するように第2定着手段460の温度を制御して(グロス補償モードと称する)、連続通紙(連続定着処理)における画像の光沢がほぼ均一とするように制御を行う。
まず、出力される複数の画像の光沢がほぼ均一となるように、第1定着ベルト454と第2定着ベルト464との温度の関係式を予め求めておく。すなわち、第1定着ベルト454の温度変化に対して、上記関係式で求められる温度になるように第2定着ベルト464の温度の制御を行うことで、第1定着ローラ452の温度によらず、一定の光沢を有する画像を得るものである。
第1定着手段450の温度制御手段は、第1定着ローラ側サーミスタ456により検知された第1定着ベルト454の表面温度T1と、第1定着ベルト454の目標温度設定値T2との差分(T1−T2)を第1定着ベルト454の温度変動値αとして求め、この温度変動値αが第1定着ベルト454の非通紙時の温調における温度リップルを超えたとき、グロス補正温調モードによる制御を行う。第2定着ベルト464の状態での目標設定温度をT4とすると、グロス補正温調モードにおいては、第2定着ベルト464の目標設定温度T4に第2定着ベルト464の温度補正値βを加算した値(T4+β)で第2定着ベルト464の温度制御を行う。第2定着手段460の温度制御手段は、第1定着ベルト454の表面温度(T2+α)を上記関係式に代入して第2定着ベルト464の制御温度(T4+β)を求めて温度制御を行う。グロス補正温調モードは、連続定着処理が終了するか、あるいは、第1定着ベルト454の温度変動値αが所定値以下になると終了し、通常のモードによる制御が行われる。
図16は、本発明の第3実施形態である定着装置470の構成を示す図である。定着装置470は、2段階定着方式の定着装置であって、未定着のトナー像31を記録紙32上に加熱加圧して1次定着させる第1定着手段480と、内部に加熱手段が配設される一対の加熱加圧ローラ491が相互に圧接して構成され、第1定着手段480よりも記録紙32の搬送方向下流側に配置されて、1次定着後のトナー像31を記録紙32上に加熱加圧して2次定着させる第2定着手段490とが、水平方向に並んで配置されるように構成されている。そして、定着装置470における第1定着手段480は、1次側配線用コネクタ端子と2次側配線用コネクタ端子とが一体で設けられるコネクタ50を備える、前述した本実施形態の定着装置15である。
このように構成された2段階定着方式の定着装置470では、第1定着手段480における温度検出素子である第1発熱体側サーミスタ455が正常に動作せず、発熱抵抗体に対する通電が正常に制御されない状態で、発熱抵抗体に通電されるのを防止することができる。そのため、第1定着手段480が備える発熱抵抗体に異常な通電がされてしまうのを抑制して発熱抵抗体が過熱状態になるのを防止することができる。したがって、第1定着手段480が備える発熱抵抗体が発煙や焼損に至ってしまうのが防止されて、高い安全性を確保することができる。
第1定着手段480と第2定着手段490との間には、搬送ガイド板または搬送ローラなどのガイド部材が設けられており、第1定着手段480の定着ニップ部で定着処理された記録紙32は、ガイド部材に沿って搬送されて、第2定着手段490の定着ニップ部で定着処理されて排出されるようになっている。定着装置470は、定着装置15に代えて画像形成装置100に搭載可能である。
定着装置470が備える第1定着手段480は、前述した定着装置440が備える第1定着手段450と同様に構成されているので、説明は省略する。定着装置470が備える第2定着手段490は、ローラ定着方式の定着手段であり、一対の加熱加圧ローラ491が相互に圧接して定着ニップ部を形成し、各ローラは逆方向に回転駆動している。
一対の加熱加圧ローラ491は、それぞれ、その内側から順に芯金491a、弾性層491b、離型層491cが形成された3層構造からなっている。芯金491aには、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層491bにはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適しており、離型層491cにはPFAやPTFE等のフッ素樹脂が適している。
また、一対の加熱加圧ローラ491の内部には、加熱加圧ローラ491を加熱する加熱部材であるヒータランプ491dが配置されている。制御回路61が電源回路62からヒータランプ491dに電力を供給(通電)させることによって、ヒータランプ491dが発光し、ヒータランプ491dから赤外線が放射される。これによって、加熱加圧ローラ491の内周面が赤外線を吸収して加熱され、加熱加圧ローラ491全体が加熱される。なお、加熱加圧ローラ491を加熱する構成は上記に限らず、誘導加熱を利用した誘導加熱方式としてもよく、またヒータランプと誘導加熱方式とを適宜組み合わせた構成としてもよい。
以上のような第1定着手段480および第2定着手段490を含んで構成される定着装置470においては、第1定着手段480は、素早い加熱を行うことができる機構を有しており、第2定着手段490は、大きな熱容量を有する。
このように構成された定着装置470では、第1定着手段480を予めウォームアップさせておき、立ち上がりがよく、複写動作を素早く行いたい場合には、第1定着手段480の定着ニップ部に記録紙32を通過させて定着処理した後、記録紙32をガイド部材を介して迂回経路485に搬送させ、迂回経路485に配設される複数の搬送ローラ485aによって記録紙32を排出させる。つまり、この場合には、記録紙32は、第1定着手段480のみによって定着処理される。また、記録紙32が薄手の紙である場合にも、上記と同様にして、第1定着手段480のみによって定着処理されるようにすればよい。
一方、記録紙32が厚手の紙である場合、画像の光沢を向上させたい場合、定着速度を向上させたい場合には、第1定着手段480の定着ニップ部で定着処理された記録紙32を、ガイド部材に沿って搬送させて、第2定着手段490の定着ニップ部でさらに定着処理されるようにすればよい。このように、第1定着手段480および第2定着手段490の各定着ニップ部で定着処理することによって、定着性能および画像の光沢を向上することができる。
図17は、本発明の第4実施形態である定着装置530の構成を示す図である。定着装置530は、定着部540と加圧部550とを含んで構成されている。定着装置530は、未定着のトナー像31が担持される記録紙32を、定着部540と加圧部550との間で形成される定着ニップ部で定着処理する。定着装置530は、定着装置15に代えて画像形成装置100に搭載可能である。
定着部540は、加熱手段541と、定着ローラ542と、無端状ベルトである定着ベルト543とを含んで構成される。定着部540においては、定着ベルト543が定着ローラ542と加熱手段541との間に張架されている。
加熱手段541は、前述した加熱手段21を有する。加熱手段541が有する加熱手段21は、前述した放熱部材210と、発熱層310を有する発熱部材と、内側固定部材218とを含む。放熱部材210は、外周面において定着ベルト543と接触して発熱層310で発生した熱を定着ベルト543に伝達する。発熱層310は、前述したように、通紙領域部と検知部とが電気的に並列接続された発熱抵抗体からなる。
内側固定部材218は、前述したように、螺旋状に形成される螺旋状部材から構成されており、発熱層310の厚み方向一表面側に略線接触して放熱部材210に近接する方向に弾発的に押圧し、発熱層310の厚み方向他表面側が放熱部材210の内側表面に面接触するように、発熱層310を有する発熱部材を保持する。また、加熱手段541に巻き掛けられた定着ベルト543の周面近傍には、その周面温度を非接触で検出する発熱体側サーミスタ545が配置されている。
定着ローラ542は、図示しない駆動モータにより回転軸線まわりに回転方向X方向に回転駆動することによって、定着ベルト543を搬送する、外径30mmのローラ状部材である。定着ローラ542は、その内側から順に芯金542a、弾性層542b、表面層542cが形成された3層構造からなり、芯金542aには、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の熱伝導性の高い金属あるいはそれらの合金等が用いられる。芯金542aの形状としては、円筒状、円柱状などが挙げられるけれども、芯金542aからの放熱量が少ない円筒状の方が好ましい。また、弾性層542bにはシリコンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適しており、これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコンゴムが好ましい。
表面層542cを構成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れ、摺動性が高いものであれば特に制限されず、たとえば、PFA、PTFEなどのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴム等を使用してもよい。また、表面層を設けないで、2層構造とすることも可能である。また、定着ローラ542の内部に、定着ローラ542を加熱する加熱手段を設けてもよい。これは、画像形成装置100の電源ONから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間の短縮、トナー像定着時に記録紙32に熱が移行することに起因する定着ローラ542の表面温度の低下などを防止するためである。
定着ベルト543は、加熱手段541によって所定の温度に加熱され、定着ベルト543に接触して搬送される未定着のトナー像31が形成された記録紙32を加熱する。定着ベルト543は、無端状のベルトで、加熱手段541と定着ローラ542によって懸架され、定着ローラ542に所定の角度で巻きかかっている。定着ベルト543は、定着ローラ542の回転時には、定着ローラ542に従動して回転方向X方向に回転するようになっている。また、定着ベルト543は、定着ローラ542と後述する加圧ローラ551との圧接部で加圧ベルト553に接触するように設けられている。
定着ベルト543は、基材層と弾性層と離型層とを含む3層構造よりなり、直径60mmの円筒形状に形成された厚さ270μmの無端状ベルトである。基材層を構成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れるものであれば特に制限されないけれども、耐熱性合成樹脂を挙げることができ、中でも、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)などが好ましい。これらの樹脂は、高強度、高耐熱性の材料であるばかりでなく、低価格である。基材層の厚さは、特に制限されないけれども好ましくは、30〜200μmである。本実施の形態では、基材層はポリイミドからなり、厚さは100μmである。
弾性層を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、たとえば、シリコンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れ、耐熱性も良好なシリコンゴムが好ましい。弾性層の表面硬さは、JIS−A硬さで1〜60度であることが好ましい。このJIS−A硬さの範囲であれば、弾性層の強度の低下、密着性の不良を防止しつつ、トナーの定着性の不良を防止できる。このような特性を有するシリコンゴムとしては具体的には、1成分系、2成分系または3成分系以上のシリコンゴム、LTV型、RTV型またはHTV型のシリコンゴム、縮合型または付加型のシリコンゴム等が挙げられる。また、弾性層の厚さは、30〜500μmであることが好ましい。この厚さ範囲であれば、弾性層の弾性効果を維持しつつ、断熱性を低く抑えることができて省エネルギ効果を発揮できる。本実施の形態では、弾性層は、JIS−A硬さが5度、厚さ150μmのシリコンゴムからなる。
離型層は、フッ素樹脂チューブからなる。定着ベルト543の外周側に形成される離型層が、フッ素樹脂チューブより構成されているので、フッ素樹脂を含有する樹脂を塗布し、これを焼成することにて形成された離型層よりも耐久性に優れている。また、塗布・焼成にて離型層を形成する場合、寸法精度の高い離型層を得ようとすると、高精度で高価な金型が必要となるが、チューブを用いることで、上述のような金型を用いずとも、寸法精度の高い離型層が得られている。離型層の厚さは、5〜50μmであることが好ましい。この厚さ範囲であれば、適度な強度を持ち、弾性層の弾性を活かしながら、記録紙32の微小な凹凸に追従することが可能である。本実施の形態では、離型層は、厚さ約20μmのPTFEチューブを使用する。
次に、加圧部550について説明する。加圧部550は、加圧ローラ551と、テンションローラ552と、無端状ベルトである加圧ベルト553とを含んで構成される。加圧部550においては、加圧ベルト553が加圧ローラ551とテンションローラ552との間に張架されている。加圧ローラ551とテンションローラ552とはそれぞれ定着装置530の不図示の左右の側板間に回転自在に軸受されて支持されている。
加圧ベルト553は、前述した定着ベルト543と同様に構成されており、接触する定着ベルト543に従動して回転する。
加圧ローラ551は、定着ベルト543の回転に従動して回転する加圧ベルト553の回転に伴って回転軸線まわりに回転方向Y方向に回転する、外径30mmのローラ状部材である。加圧ローラ551は、その内側から順に芯金551a、弾性層551b、表面層551cが形成された3層構造からなる。加圧ローラ551の芯金542a、弾性層551b、表面層551cを構成する材料は、前述した定着ローラ542の芯金542a、弾性層542b、表面層542cと同様のものを挙げることができる。また、加圧ローラ551の内部には、加圧ローラ551を加熱する加熱手段551dが設けられている。これは、画像形成装置100の電源ONから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間の短縮、トナー像定着時に記録紙32に熱が移行することに起因する加圧ローラ551の表面温度の急激な低下などを防止するためである。本実施の形態では、加熱手段551dにはハロゲンランプが用いられる。
テンションローラ552は、外径が30mmで、内径が26mmである鉄合金製の芯金552aに、熱伝導率を小さくして加圧ベルト553からの熱伝導を少なくするためにシリコーンスポンジ層552bを設けている。
定着装置530は、定着ベルト543と加圧ベルト553とが接触する部分に定着ニップ部が形成され、該定着ニップ部にて定着処理が行われる、いわゆるツインベルト定着方式の定着装置である。定着装置530においては、定着ローラ542と加圧ローラ551とが、定着ベルト543および加圧ベルト553を介して圧接する圧接部が定着ニップ部の最下流部分となり、定着ベルト543と加圧ベルト553とが接触する部分に形成される定着ニップ部の全領域の中で、前記最下流部分が、記録紙搬送方向における圧力分布が最大となる部分である。このように、定着ニップ部の最下流部分における圧力分布が最大となるように構成することによって、定着ベルト543と加圧ベルト553とが回転時にスリップすることを防止することができる。
また、定着装置530には、装置を大型化することなく幅広い定着ニップ領域を得るために、定着ベルト543を加圧ベルト553に向けて加圧する第1の加圧パッドとしての定着パッド544と、加圧ベルト553を定着ベルト543に向けて加圧する第2の加圧パッドとしての加圧パッド554とが設けられている。定着パッド544および加圧パッド554は、定着装置530の不図示の左右の側板間に支持させて配設している。加圧パッド554は、不図示の加圧機構により定着パッド544に近接する方向Zに所定の加圧力にて定着パッド544に向けて加圧されている。定着パッド544および加圧パッド554を構成する材料としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)などを挙げることができる。
また、回転体ではない定着パッド544と加圧パッド554とで定着ニップ部を形成すると、定着ベルト543および加圧ベルト553の内周面は各パッドに摺擦され、各ベルト543,553の内周面と各パッド544,554との摩擦係数が大きいと、摺動抵抗が大きくなる。その結果として、画像のずれ、ギア破損、駆動モータの消費電力アップ等の問題が発生し、特にツインベルト方式において、この問題が顕著である。そのために、定着パッド544および加圧パッド554における各ベルト543,553との接触面には、低摩擦シート層が設けられている。これにより、各ベルト543,553との摺擦による各パッド544,554の摩耗が防止され、摺動抵抗も低減できるので、良好なベルト走行性、ベルト耐久性が得られる。
15,440,470,530 定着装置
15a 定着ローラ
15b 加圧ローラ
21,326,327 加熱手段
25 定着ベルト
50,80 コネクタ
60 制御手段
100 画像形成装置
210 放熱部材
211 発熱部材
212,310,315,320,321,322,323,324,325 発熱層

Claims (10)

  1. 記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の本体に着脱自在に設けられ、記録媒体上に担持されるトナー像を加熱加圧して記録媒体上に定着させる定着装置であって、
    第1定着部材と、
    通電によって発熱する発熱抵抗体からなる発熱層を有する加熱手段と、
    前記第1定着部材と前記加熱手段との間に張架される無端状ベルト部材である定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して前記第1定着部材と対向するように設けられる第2定着部材と、
    前記定着ベルトの表面の温度を検出する温度検出素子と、
    前記温度検出素子によって検出された温度に基づいて、前記定着ベルトの表面温度が所定の温度となるように、前記発熱抵抗体に対する通電を制御する制御手段と、
    前記発熱抵抗体および前記温度検出素子と前記制御手段とを接続するコネクタであって、前記発熱抵抗体に接続される電気配線である1次側電気配線が接続される1次側配線用コネクタ端子と、前記温度検出素子に接続される電気配線を含み、前記1次側電気配線よりも小さな電流が流れる電気配線である2次側電気配線が接続される2次側配線用コネクタ端子とが、一体で設けられるコネクタと、を含むことを特徴とする定着装置。
  2. 前記コネクタは、前記1次側配線用コネクタ端子が前記2次側配線用コネクタ端子に挟み込まれて配置され、
    前記制御手段は、前記2次側電気配線の前記2次側配線用コネクタ端子に対する接続が接続不良状態であることを検知すると、前記発熱抵抗体に対する通電が抑制されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記2次側配線用コネクタ端子は、コネクタの中心に関して点対称となる位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 画像形成装置の本体に装着されたか否かを判断する装着判断手段をさらに備え、
    前記装着判断手段に接続される電気配線は、前記2次側電気配線として、前記2次側配線用コネクタ端子に接続されることを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
  5. 前記第2定着部材が前記定着ベルトと接触する領域において形成される定着ニップ部を、記録媒体が通過したか否かを判断する記録媒体通過判断手段をさらに備え、
    前記記録媒体通過判断手段に接続される電気配線は、前記2次側電気配線として、前記2次側配線用コネクタ端子に接続されることを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
  6. 前記第2定着部材は、加圧部材と支持部材との間に張架される無端状ベルト部材である加圧ベルトを含んで構成され、
    前記加圧部材は、前記定着ベルトおよび前記加圧ベルトを介して前記第1定着部材と対向するように設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の定着装置。
  7. 搬送される記録媒体上に担持されているトナー像を記録媒体上に加熱加圧して1次定着させる第1定着手段と、
    前記第1定着手段よりも記録媒体の搬送方向下流側に配置されて、1次定着後のトナー像を記録媒体上に加熱加圧して2次定着させる第2定着手段とを含み、
    前記第1定着手段および前記第2定着手段が、請求項1〜6のいずれか1つに記載の定着装置であることを特徴とする2段階定着方式の定着装置。
  8. 搬送される記録媒体上に担持されているトナー像を記録媒体上に加熱加圧して1次定着させる第1定着手段と、
    内部に加熱部材が配設される一対の加熱加圧ローラが相互に圧接して構成され、前記第1定着手段よりも記録媒体の搬送方向下流側に配置されて、1次定着後のトナー像を記録媒体上に加熱加圧して2次定着させる第2定着手段とを含み、
    前記第1定着手段が、請求項1〜6のいずれか1つに記載の定着装置であることを特徴とする2段階定着方式の定着装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  10. 第1定着部材と、通電によって発熱する発熱抵抗体からなる発熱層を有する加熱手段と、前記第1定着部材と前記加熱手段との間に張架される無端状ベルト部材である定着ベルトと、第2定着部材と、前記定着ベルトの表面の温度を検出する温度検出素子と、前記温度検出素子によって検出された温度データに基づいて、前記定着ベルトの表面温度が所定の温度となるように、前記発熱抵抗体に対する通電を制御する制御手段とを含んで構成される定着装置における電気配線の接続方法であって、
    前記発熱抵抗体に接続される電気配線である1次側電気配線と、前記温度検出素子に接続される電気配線を含み前記1次側電気配線よりも小さな電流が流れる電気配線である2次側電気配線とは、前記1次側電気配線が前記2次側電気配線に挟み込まれるように、同一のコネクタに接続されることを特徴とする定着装置内の電気配線の接続方法。
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