JP2011080281A - 道路橋継目部の伸縮装置 - Google Patents

道路橋継目部の伸縮装置 Download PDF

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元之助 新井
Toshiyuki Iwasaki
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Abstract

【課題】道路橋継目部の伸縮装置において1対の縦板間で止水するシール板の取り付けや交換を容易にする。
【解決手段】伸縮装置1は、一対の鋼製の継手部材10,20、およびゴム製のシール板51を主要部材として備えている。継手部材10,20は、それぞれ、縦板11,21と路面部材12,22とを備えている。縦板11,21は、波状に曲折して道路橋継目部の長手方向(道路橋幅員方向)に延びている。路面部材12,22は縦板11,21の上端に板面を横にして設けられている。上記路面部材12,22の間に遊間31が形成されている。また、縦板11,21には、それぞれ、棚部材13または棚部材23が設けられ、両棚部材13,23の間にシール板51が掛け渡され、ボルト55によって固定されている。ボルト55の位置は、遊間31から締め付け作業が可能な位置に配置されている。
【選択図】図5

Description

本発明は道路橋継目部の伸縮装置に関する。
道路継目部の伸縮装置として、道路橋の継目部において各々継目長手方向に平行に延びる一対の縦板と、この両縦板間をシールして止水するシール板とを備えてなるものが一般に知られている(例えば、特許文献1参照。)。上記シール板は、中央に撓み部を有し両側部が上記両縦板の対向する内面に加硫接着によって結合されている。また、このシール板の縦板への結合に接着剤やボルト締結を用いることも一般に行なわれている。
特公昭62−53644号公報
しかし、上記加硫接着によるシール板の取り付けは、縦板に対する結合強度が高いものの、工場で接着作業を行なう必要があるとともに、確実な接着を行なうには熟練を要する。また、縦板とシール板とが工場で予め組み付けられるから、荷姿が嵩高になって、広い在庫用スペースを必要とし、現地への運搬にあたっても一度に運搬できる量が少なくなって効率が悪くなるとともに、荷崩れによって損傷を招き易くなるという問題がある。
また、現地でシール板を接着剤により縦板に接着する方式の場合、強固な接着は望めず、比較的短期間でシール板が縦板から脱落しがちである。しかも、相対する縦板の間隔が狭い場合、シール板を縦板に接着する接着作業の作業性が悪いという問題がある。
さらに、ボルト締結によってシール板を縦板に結合させる方式では、伸縮装置の施工後にはボルトを締め付けることができない。このため、施工後の補修時にシール板を交換するとすれば、伸縮装置を固定する後打ちコンクリートを砕いて除去し、伸縮装置全体を取り外す必要がある。また、シール板の交換後に再度コンクリートを打設する必要がある。これらの作業は大きな振動や騒音を生じるとともに、道路橋自体にクラック発生などの損傷を与えるおそれもあり、さらに、作業時間や工事費の増大も招くという問題がある。
そこで、本発明は、施工現場や施工後におけるシール板の取り付けや交換を容易かつ確実にできるようにして、強固な結合や作業性の向上、振動や騒音、工事時間の低減を図るものである。
本発明は、上記課題を解決するために、縦板から張りだした棚部材にシール板をボルト締結するとともに、ボルト締結位置を、路面部材間の遊間から締め付け作業可能な位置に配置するようにした。
すなわち、請求項1に係る発明は、
それぞれ道路橋の継目長手方向に延び相対向する1対の縦板と、
各縦板の上端部にそれぞれ板面を横にして設けられ、相対向する方向に突出する凸部および相対的に凹んだ凹部が上記継目長手方向に交互に形成されていて、互いの凸部と凹部とにより間に波形遊間を形成する1対の路面部材と、
上記路面部材よりも下方位置でそれぞれ上記各縦板より対向する相手側に向かって突出する1対の棚部材と、
上記継目長手方向に延び、両側縁部が上記両棚部材に継目長手方向に間隔をおいてボルト締結された、上記両棚部材間をシールするシール板とを備え、
上記シール板の各ボルト締結部が上記波形遊間からの締結作業のために該波形遊間に対して覗く位置関係になるように、上記路面部材の凸部及び凹部が形成され且つ上記ボルト締結部が配置されていることを特徴とする。
これにより、伸縮装置が道路橋本体に固定された後でも、後打ちコンクリートを斫って伸縮装置を取り出したりすることなく、したがって作業時間や工事費を低減してシール板を交換することが容易にでき、道路橋自体の損傷を生じることもない。しかも、ボルト締めによってシール板を固定するので、接着剤によって接着するのに比べて確実な固定が可能となり、信頼性が向上するうえ、シール板の耐用期間を長期化できるとともに、作業性も向上させることができる。
ここで、上記路面部材の凸部は、例えば台形形状を有し、先端部の位置が、対向する路面部材に相対的に近い大凸部と、先端部の位置が、対向する路面部材から相対的に遠い小凸部とを含み、上記小凸部の先端部付近に形成される波形遊間から覗く位置に、上記ボルト締結部が配置されるようにしてもよい。
さらに、上記1対の路面部材には、それぞれ、2つの大凸部が道路橋の継目長手方向に隣り合って設けられた大凸部組と、該大凸部組の間に設けられた小凸部との繰り返しパターンが形成され、一方の路面部材における大凸部組を構成する2つの大凸部の間の凹部に、他方の路面部材における小凸部が対向するように、両路面部材が配置されるようにしてもよい。
さらに、上記1対の縦板は、それぞれ、上記路面部材の大凸部組の下方に位置する縦板部分が、対向する縦板側に突出し、上記路面部材の大凸部組の間部分の下方に位置する縦板部分が、相対的に対向する縦板側と反対側に凹んだ波形に形成してもよい。
さらに、上記縦板における対向する縦板側に突出する縦板部分は、下側部分よりも上側部分の方が、対向する縦板側に片寄って設けられるようにしてもよい。
また、上記1対の棚部材のうち一方の棚部材は、上記1対の縦板のうち一方の縦板の下端面に接合され、他方の棚部材は、他方の縦板における上記一方の縦板に対向する側面に設けられるなど、上記1対の棚部材の上下方向の位置が互いに段違いになるように設けられるようにしてもよい。
また、上記シール板は、各側縁部が各棚部材の上面に接し、中央部が両棚部材間より下方へ膨出するように設けてもよい。
また、上記シール板は、上記棚部材と、道路橋の継目長手方向に延びる押さえ板とに挟まれてボルト締結されるようにしてもよい。この場合、上記押さえ板における縦板側の縁部に、上方に折れ曲がった折れ曲がり部を形成し、該押さえ板の折れ曲がり部、シール板の側縁部、棚部材の上面、および縦板の遊間側の側面で囲まれる空間にシール剤を充填してもよい。
これにより、上記突出量が小さい凸部の先端近傍に形成される遊間は、突出量が大きい凸部に比べて橋長方向の位置が振幅の中心付近に位置することが多くなる。それゆえ、シール板の取り付けボルトを短い間隔で設けることが容易になり、シール板を棚部材に確実に固定することができるとともに、シール板の棚部材への密着性を高めて、止水性を高めることができる。
以上のように本発明によれば、シール板をボルト締結により棚部材に固定するようにし、そのボルト締結位置を、路面部材間の遊間から締め付け作業可能な位置に配置するようにしたので、伸縮装置におけるシール以外の部材の施工後にシール板を取り付け、交換することが容易にできる。しかも、ボルト締めによってシール板を固定することができるので、接着剤によって接着するのに比べて確実な固定が可能となり、信頼性が向上するうえ、シール板の耐用期間を長期化できるとともに、作業性も向上させることができる。
実施形態1に係る道路橋継目部の伸縮装置の断面図である。 同形態に係る伸縮装置の斜視図である。 同形態に係る継手部材10を示す斜視図である。 同形態に係る継手部材20を示す斜視図である。 同形態に係る伸縮装置の平面図である。 図5のVI-VI線矢視図である。 図5のVII-VII線矢視図である。 図5のVIII-VIII線矢視図である。 図5のIX-IX線矢視図である。 変形例1に係る道路橋継目部の伸縮装置の斜視図である。 変形例2に係る道路橋継目部の伸縮装置の斜視図である。 変形例3に係る道路橋継目部の伸縮装置の縦断面図である。 変形例4に係る道路橋継目部の伸縮装置の縦断面図である。 変形例5に係る道路橋継目部の伸縮装置の平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態および変形例において、他の実施形態等と同様の機能を有する構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
−実施形態1−
(伸縮装置の構造)
図1は本発明に係る道路橋継目部の伸縮装置1を設置した道路橋継目部を示す。同図において、2は道路橋本体(コンクリート床版又はコンクリート桁)、3は舗装である。伸縮装置1は、一対の鋼製の継手部材10,20、およびゴム製のシール板51を主要部材として備えている。この伸縮装置1は、その両側の道路橋本体2,2の端部に形成された切欠段部4,4に後打ちコンクリート5,5を打設することにより、道路橋本体2,2に固定されている。
継手部材10,20は、それぞれ、図2〜図4に示すように、波状に曲折して道路橋継目部の長手方向(道路橋幅員方向)に延びる縦板11,21の上端に板面を横にした路面部材12,22が設けられて構成され、上記路面部材12,22の間に遊間31が形成されている。ここで、図4は、便宜上、継手部材20を図2の姿勢から180°回転させて見た斜視図を示す。
上記縦板11,21の波状に曲折した形状は、遊間31側(それぞれ互いに対向する縦板21側または縦板11側)に突出した凸部壁11a(図3),21a(図2、図4)と、相対的に凹んだ凹部壁11d,21dとが設けられることにより形成されている。上記凸部壁11a,21aは、下側凸部壁11b,21bと、該下側凸部壁11b,21bより対向する縦板21,11側に片寄った上側凸部壁11c,21cとから構成されている。上記下側凸部壁11b,21bと上側凸部壁11c,21cとは、例えば溶接により接合されているが、一体的に形成されてもよい。このようなオフセット構造が採られることにより、片持ちとなる路面部材12,22の張り出し量が小さく抑えられる一方、後述するシール板51を設けるスペースが確保されるようになっている。各縦板11,21の背面には、継手部材10,20を道路橋本体2に固定するためのアンカー41が、道路橋継目部の長手方向に間隔を空けて複数突設されている。
路面部材12,22には、それぞれ、特に限定はされないが台形状で、対向する路面部材22,12に向けて突出する大凸部12a,22aと、小凸部12b,22bとが形成されている。上記大凸部12a,22aは、縦板11,21の凸部壁11a,21aの位置に設けられる一方、小凸部12b,22bは、縦板11,21の凹部壁11d,21dの位置に設けられている。上記大凸部12aは、例えば凹部壁11dの位置を基準とした場合の突出量が、小凸部12bよりも大きくなるように形成されている。同様に、大凸部22aは、例えば凹部壁21dの位置を基準にした場合の突出量が、小凸部22bよりも大きくなるように形成されている。
また、路面部材12には、上記路面部材22の大凸部22a、小凸部22bにそれぞれ対向して大凹部12c、小凹部12dが形成されている。同様に、路面部材22には、上記路面部材12の大凸部12a、小凸部12bにそれぞれ対向して大凹部22c、小凹部22dが形成されている。遊間31は、これらの凹凸部の間に形成されることによって、波形を成すようになっている。
さらに、各路面部材12,22における上記凹凸部の継目部長手方向の配置パターンは、次のようになっている。ここで、図2等は1周期分の凹凸パターンを示しているが、以下では、このようなパターンが繰り返し連続して配置されているとして説明する。すなわち、継手部材10,20の凹凸部の配置パターンは、共に同一のパターンが繰り返し連続したものとなっている。具体的には、例えば継手部材10(または20)には、2つの大凸部(例えば大凸部12a,12a)が道路橋継目部の長手方向に小凹部(例えば小凹部12d)を挟んで隣り合って配置されている(以下「大凸部組」と称する。)。そして、2つの大凸部組の間、すなわち各大凹部組を構成する互いに近い方の大凸部(例えば大凸部22a,22a)の間に、2つの大凹部(例えば大凹部22c,22c)に挟まれて小凸部(例えば小凸部22b)が配置されている。
また、路面部材12における大凸部12a、および小凸部12bは、それぞれ、他方の路面部材22における大凹部22c、および小凹部22dと対向する位置に配置されている。また、同様に、路面部材22における大凸部22a、および小凸部22bは、それぞれ、他方の路面部材12における大凹部12c、および小凹部12dと対向する位置に配置されている。このような凹凸部の配置によって、路面部材12,22間の遊間31は、例えば、周期および振幅が異なる複数の略サインカーブ等の周期関数が合成されたような波形となり、振幅の大きさ、および振幅の中心位置が道路橋継目部の長手方向に沿って順次変化するように形成される。
すなわち、道路橋の継目長手方向に延びる1対の路面部材間に曲折遊間が形成され、上記遊間として、曲折して継目長手方向に延びる第1波形遊間部と、該第1波形遊間部から橋長方向にずれた位置において曲折して継目長手方向に延びる第2波形遊間部とを備えた構成となっている。
縦板11,21には、それぞれ、棚部材13または棚部材23が設けられ、両棚部材13,23の間にシール板51が掛け渡されるようになっている。具体的には、縦板11には、その下端面に、全長に亘って一定幅の帯状の棚部材13が接合されている(図3参照)。一方、縦板21には、対向する路面部材12側の側面における下端よりも高い位置に、すなわち棚部材13とは段違いに、縦板21の波形形状に沿った側縁形状を有する棚部材23が接合されている(図4参照)。棚部材23における縦板21の凹部壁21dに接合される部分には、水平部23aの側縁から縦板21に沿って垂下する垂下部23bが設けられ、縦板21と棚部材23とがより強固に接合されるようになっている。すなわち、棚部材23は、アングル部材の一部を縦板21の波形形状に沿って切り取った形状に形成されている。なお、特に限定されないが、図4に示す棚部材23は、例えば製造容易化等のため、全長が縦板21の全長の1/2の部材が接合されて形成されている。縦板21の下端面には、凸部壁21aに対応する部分にだけ、台形形状の底板24が設けられている。
両棚部材13,23には、後述するようにシール板51を取り付けるためのボルト穴13a,23cが設けられ、下面側にナット54(図1参照)が溶接されている。
シール板51は、その中央部を上記両棚部材13,23間より下方へ膨出させて、両側縁部を該両棚部材13,23の上面に接するように敷設されている(図1参照)。上記継手部材10,20は、道路橋継目部において単位長さ(例えば継目長手方向に1〜3mの長さ)のものを継目長手方向に突き合わせて設けられているが、シール板51はシール性向上のために道路橋継目部の継目長手方向の全長にわたって連続したゴム板によって形成されている。もっとも、複数のゴム板をつなぎ合わせてもよい。シール板51は、その側縁部が棚部材13,23と押さえ板52,53との間に挟持され、棚部材13,23の下面に溶接されたナット54と、ボルト55との締結によって固定されている。
上記押さえ板52,53の側縁は上方に折り曲げられて起立部52a,53aが形成されている。押さえ板52,53の起立部52a,53aと、シール板51の側縁部と、棚部材13,23の上面と、縦板11,21の側面とで囲まれた空間には、シールゴム58,59(例えばシリコンゴム)が充填されている。これにより、継手部材10,20間全体の止水性が高められるようになっている。なお、上記起立部52a,53aは必ずしも形成しなくてもよいが、これを形成することによりシールゴム58,59の充填される空間が大きく確保されるので、より確実に止水性を高めることができる。
また、上記縦板11,21間には、上記棚部材13,23に下面両側部が支持された詰め物56、および該詰め物56に支持された詰め物57が設けられており、詰め物57の上面は路面部材12,22の大凸部12a,22aおよび小凸部12b,22bの下面に接している。上記詰め物56は、例えば比較的硬い発泡スチロール材によって形成されている。また、詰め物57は、例えば液状ゴムシール剤を固化させて形成されている。これらの詰め物56,57は、その自由状態では遊間31の幅が最大の時の相対する縦板11,21の間隔に相当する幅に形成されており、遊間31の幅が狭いときには、縦板11,21に圧縮されて縮むようになっている。
次に、シール板51を棚部材13,23に取り付けるためのボルト55の配置と、遊間31の形状との関係について、図5を参照して説明する。ここで、図5では、便宜上、詰め物56,57を省略した状態を示し、ボルト55等を実線で描いている。
ボルト55の位置は、遊間31から締め付け作業が可能な位置に配置されている。なお、ボルト55は、必ずしも遊間31を真上から投影した領域に完全に入っている必要はなく、工具を多少斜めにするなどしても適切な締め付けが可能な程度であればよい。それゆえ、伸縮装置1が道路橋本体2,2に固定された後でも、後打ちコンクリート5を斫ったりすることなく、シール板51を交換することが容易にできる。
また、遊間31は、前記のように、路面部材12,22に大小凹凸部が形成されることによって遊間31は、道路橋継目部の長手方向に亘って振幅が一定の波形ではなく、振幅の大きさ、および振幅の中心位置が順次変化するように形成されている。このため、例えば路面部材12の小凹部12dと路面部材22の小凸部22bとの間に形成される遊間31は、遊間31の1周期以上の波形形状における振幅の中心付近に位置することが多くなる。このような場合、何れの継手部材10,20にシール板51を取り付けるボルト55も、比較的短い間隔で配置することができる。すなわち、例えば大凸部12a,22aが台形形状を有している場合には、ボルト55を大凸部12a,22aの根本付近で覆われないように配置する場合には、ボルト55の間隔が長くなりがちであるが、上記のように小凸部12b,22bが形成されている場合には、その先端部付近では短い間隔で配置することが容易にできるので、全体として、シール板51の棚部材13,23への密着性を高めて、止水性を高めることができる。
一方、例えば道路継目部の長手方向全長に亘って小凸部12b,22bだけを形成するのに比べて、適度な頻度で大凸部12a,22aが配置されていることによって、遊間31が車両の走行性能に与える影響を抑制することが容易にできる。
(施工方法)
次に上記道路橋継目部の伸縮装置の施工方法を工程順に説明する。
(1) 道路橋本体2端部にそのコンクリート打設時に箱抜きすることによって、または事後的に掘り下げることによって切欠段部4を形成する(図1参照)。
(2) 継手部材10,20を、遊間31が所定の大きさになる状態に設置する。この設置にあたっては、例えば、両継手部材10,20に跨るようにそれらの上面に横杆を交差して取り付け、横杆の両端部を舗装3,3の上面に渡すことによって、継手部材10,20を吊り下げるようにすればよい。
(3) 継手部材10,20のアンカー41に道路橋継目部の長手方向に延びる鉄筋を適宜結合するとともに、アンカー41及び当該鉄筋の適宜の箇所を道路橋本体2の既設の鉄筋(床版配筋等)に結合する。
(4) 後打ちコンクリート5を切欠段部4に路面高さまで打設する。
(5) 上記横杆を継手部材10,20から外す。
(6) 図6〜図9に示すように、シール板51を、その中央部を上記両棚部材13,23間より下方へ膨出させて、側縁部が両棚部材13,23の上面に接するように敷設し、さらに、押さえ板52,53で押さえつけ、ボルト55をボルト穴13a,23cに挿通して、棚部材13,23の下面に溶接されたナット54に螺合させ、固定する。
具体的には、例えば、図5のVI-VI断面に表れるボルト55は、図6に示すように、路面部材12の小凸部12bと、路面部材22の小凹部22dの間に形成される遊間31から、矢印A、Bで示す方向に例えばボックスレンチを差し込むなどして締め付けることができる。
また、図5のVII-VII断面に表れるボルト55のうち棚部材13に締め付けられるボルト55は、図7に示すように、大凹部12cと大凸部22aとの間の遊間31から、矢印Cで示す方向に締め付けることができる。また、図7では棚部材23に締め付けられるボルト55は、路面部材22の大凸部22aに覆われているように描かれているが、実際にはボルト55は図5に示すように図7の断面位置から道路橋継目部の長手方向にずれているので、締め付けることができる。
同様に図5のVIII-VIII断面に表れるボルト55の一方は、図8に示すように、大凸部12aと大凹部22cとの間の遊間31から、矢印Dで示す方向に締め付けることができる。他方のボルト55も、道路橋継目部の長手方向にずれた位置で締め付けることができる。
また、図5のIX-IX断面に表れるボルトは、図9に示すように、小凹部12dと小凸部22bとの間の遊間31から、矢印E、Fで示す方向に締め付けることができる。
なお、上記のように伸縮装置1を後打ちコンクリート5によって固定した後にシール板51を取り付けるのに限らず、先にシール板51をボルト55によって取り付けた後に、後打ちコンクリート5を打設するようにしてもよい。
(7) シール板51の側縁部と縦板11,21との間にシールゴム58,59を充填した後、縦板11,21の間に詰め物56,57を詰める。具体的には、例えば発泡スチロール材などの詰め物56を充填した後、液状ゴムシール剤を注入して固化させて詰め物57を形成する。
(8) 施工後にシール板51を交換する場合には、まず、詰め物56,57を除去した後、上記(6)と逆の手順でボルト55を緩めて、古いシール板51を全体的にまたは部分的に除去したうえで、新たなシール板51を同様の手順によって取り付ければよい。すなわち、後打ちコンクリート5を斫ったりすることなく、シール板51を交換することが容易にできる。しかも、最初の施工時と同じ止水性、信頼性を保つことができる。
−変形例1−
上記実施形態1では、縦板11の凸部壁11a,21aにおける上側凸部壁11c,21cが、下側凸部壁11b,21bより対向する縦板21,11側に片寄った位置に設けられる例を示したが、これに限らず、例えば図10に示すように、上下に亘って平坦な直立した凸部壁11a,21aを形成してもよい。すなわち、例えばシール板51の取り付け空間が十分確保でき、かつ、路面部材12,22の張り出し量が十分な強度を保てる範囲であるなどの条件が満たされる場合には、上記のような平坦な凸部壁11a,21aを形成することによって、構成の簡素化を図ることができる。
−変形例2−
さらに、図11に示すように、縦板11,21を道路橋継目部の長手方向の全長に亘って平坦な直壁11e,21eによって縦板11,21を構成してもよい。すなわち、縦板11,21が波形形状を有する場合に比べれば、強度や剛性は低下するが、それでも要求仕様が満足される場合には、構成の大幅な簡素化を図ることができる。
なお、路面部材12,22の張り出し量増大による強度低下を補うために、縦板11,21と路面部材12,22とに亘る補強板61を設けるなどしてもよい。
−変形例3−
上記実施形態1では、棚部材13,23の高さ位置を異ならせて段違いにするために、棚部材13を縦板11の下端面に設ける一方、棚部材23を縦板21の下端よりも高い位置の側面に設けているが、これに限らず、実施形態1で図2に示したような下側凸部壁21bに対応する部分の下端にだけ設けられる底板24に代えて、図12に示すように、道路橋継目部の長手方向に連続した帯状の底板63を設けるとともに、棚部材62を63の下面から垂下させるように設けてもよい。このように構成する場合には、実施形態1の図5に示したようにアングル部材の一部を縦板21の波形形状に沿って切り取った形状に形成したりする必要がなく、棚部材62を全長に亘って一様な断面形状を有するアングル部材を用いて構成したり、一様な幅の帯状部材を溶接により一体化したりして形成することができるので、やはり構成の簡素化を図ることができる。
また、類似した構成としては、縦板21の下端を縦板11の下端より下方まで延ばして、その下面に継手部材10の棚部材13と同じような棚部材を設けるなどしてもよい。
−変形例4−
また、シール板51は、棚部材13,23間より下方に膨出させるのに限らず、例えば図13に示すように、S字状に屈曲させるように設けてもよい。このように設ける場合には、平板状のシール板51を取り付ける場合に、図1のようにボルト締結位置付近で小さな曲率で折り曲げる必要がないので、取り付け作業を容易にできる。
なお、さらに、棚部材13を縦板21に向けて延伸し、シール板51が支持されるようにし、輪荷重がシール板51に加わった場合などの破損を防止する効果も持たせるようにしてもよい。
−変形例5−
路面部材12,22は、縦板11,21から、それぞれ対向する路面部材22,12側にだけ張り出させるのに限らず、図14に示すように路面部材22,12と反対側にも凸部12e,22eを張り出させ、縦板11,21および路面部材12,22の断面形状がT字状になるようにしてもよい。このように路面部材12,22を路面部材22,12と反対側にも張り出させて路面部材12,22の幅を広くすることにより、その大凸部12a,22aの路面部材22,12側への片持ち状の突出量を大きくしても、該大凸部12a,22aに加わる輪荷重に充分に耐えるようにすることなどが容易にできる。
ここで、路面部材12,22は、路面部材22,12と反対側の側縁が直線状なるように張り出させてもよいが、上記凸部12e,22eのように張り出させる場合には、凸部12e,22eの両側から後打ちコンクリート5(図1参照)を打設することができ、また、該凸部12e,22eの両側からコンクリート締固め機を適用することができるので、後打ちコンクリート5を凸部12e,22eの下面に隅々まで回らせ、また、縦板11,21の背面にも充分に回らせて、後打ちコンクリート5の強度を高くすることができる。また、後打ちコンクリート5の上面が轍ぼりによって若干摩耗しても、車両の走行性が大きく低下することがない。
1 伸縮装置
2 道路橋本体
3 舗装
4 切欠段部
5 後打ちコンクリート
10,20 継手部材
11,21 縦板
11a,21a 凸部壁
11b,21b 下側凸部壁
11c,21c 上側凸部壁
11d,21d 凹部壁
11e,21e 直壁
12,22 路面部材
12a,22a 大凸部
12b,22b 小凸部
12c,22c 大凹部
12d,22d 小凹部
12e,22e 凸部
13,23 棚部材
13a,23c ボルト穴
23a 水平部
23b 垂下部
24 底板
31 遊間
41 アンカー
51 シール板
52,53 押さえ板
54 ナット
55 ボルト
56,57 詰め物
58,59 シールゴム
61 補強板
62 棚部材

Claims (1)

  1. それぞれ道路橋の継目長手方向に延び相対向する1対の縦板と、
    各縦板の上端部にそれぞれ板面を横にして設けられ、相対向する方向に突出する凸部および相対的に凹んだ凹部が上記継目長手方向に交互に形成されていて、互いの凸部と凹部とにより間に波形遊間を形成する1対の路面部材と、
    上記路面部材よりも下方位置でそれぞれ上記各縦板より対向する相手側に向かって突出する1対の棚部材と、
    上記継目長手方向に延び、両側縁部が上記両棚部材に継目長手方向に間隔をおいてボルト締結された、上記両棚部材間をシールするシール板とを備え、
    上記シール板の各ボルト締結部が上記波形遊間からの締結作業のために該波形遊間に対して覗く位置関係になるように、上記路面部材の凸部及び凹部が形成され且つ上記ボルト締結部が配置されていることを特徴とする道路橋継目部の伸縮装置。
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