JP2011077354A - セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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保弘 奥井
Takaki Shinkawa
貴樹 新川
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Abstract

【課題】 電極途切れを抑えつつ、良好な高温加速寿命および破壊電圧を実現するセラミック電子部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】 焼成工程を有するセラミック電子部品の製造方法であって、前記焼成工程が、焼成保持温度(yα)まで昇温させる焼成昇温工程(P)と、前記焼成保持温度(yα)で保持する焼成保持工程(P)と、前記焼成保持温度(yα)よりも高い焼成ピーク温度(yβ)で焼成する焼成ピーク工程(P)と、前記焼成ピーク温度(yβ)から降温させる焼成降温工程(P)と、を有し、前記焼成保持温度(yα)を、対象のセラミックの焼結開始温度以上とすることを特徴とするセラミック電子部品の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサなどのセラミック電子部品の製造方法に関する。
電子機器に実装されるセラミック電子部品の一例として、積層セラミックコンデンサが知られている。積層セラミックコンデンサは、たとえば、セラミックグリーンシートと、所定パターンの内部電極層とを交互に重ね、その後、一体化して得られるグリーンチップを同時焼成して製造される。
近年、電子機器の小型化や高性能化が急速に進み、電子機器に実装される積層セラミックコンデンサについても、小型化や高性能化が求められている。また、積層セラミックコンデンサとして求められる特性としては、高温負荷寿命が長く、破壊電圧が高いことなどが挙げられる。
これに対し、例えば、焼成工程に特徴を有し、信頼性の高いセラミックコンデンサを製造する方法として、たとえば、焼成工程に特徴を有する方法が特許文献1および2に開示されている。
特許文献1には、焼成工程の昇温工程において、所定温度ごとに酸化性雰囲気、中性雰囲気、還元性雰囲気等の焼成雰囲気、あるいは昇温速度を切り替えることで、絶縁抵抗不良や、層間剥離を防止する積層セラミックコンデンサの製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、熱処理工程の前に乾燥工程を設けることにより、セラミック素子のクラックや外部電極の剥離を防ぐセラミック電子部品の製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1および2に開示された方法は、いずれも、焼成保持工程においては一定温度を保持しており、保持温度を工夫することは考えられていない。
特開2003−77777号公報 特開2004−186222号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、電極途切れを抑えつつ良好な高温加速寿命および破壊電圧を実現するセラミック電子部品の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記の目的を達成するために、セラミック電子部品の製造方法の焼成工程に着目し、焼成工程が所定の焼成保持工程および焼成ピーク工程を有することで、電極途切れを抑えつつ、高温負荷寿命および破壊電圧が改善されることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
上記目的を達成するために、本発明によれば、
焼成工程を有するセラミック電子部品の製造方法であって、
前記焼成工程が、
焼成保持温度(yα)まで昇温させる焼成昇温工程(P)と、
前記焼成保持温度(yα)で保持する焼成保持工程(P)と、
前記焼成保持温度(yα)よりも高い焼成ピーク温度(yβ)で焼成する焼成ピーク工程(P)と、
前記焼成保持温度(yα)または焼成ピーク温度(yβ)から降温させる焼成降温工程(P)と、
を有し、
前記焼成保持温度(yα)を、対象のセラミックの焼結開始温度以上とすることを特徴とするセラミック電子部品の製造方法が提供される。
好ましくは、前記焼成保持温度(yα)[℃]と焼成ピーク温度(yβ)[℃]の関係が、10≦yβ −yα ≦40である。
好ましくは、前記焼成保持温度(yα)[℃]と焼成ピーク温度(yβ)[℃]の関係が、0.966≦yα /yβ ≦0.991である。
好ましくは下記式(1)〜(3)により求められるS、Sが、下記式(4)を満足する。
Figure 2011077354
(ここで、Sは温度と時間の積分値[時間・℃]、f(x)は、時間x[時間]における温度[℃]、xは焼成保持工程開始時間[時間]、xは焼成降温工程開始時間[時間]である。)
好ましくは、前記焼成ピーク工程が、前記焼成降温工程の直前に行われる。
本発明によれば、焼成工程に焼成保持工程を加えることで、電極途切れを抑えつつ、良好な高温加速寿命および破壊電圧を実現するセラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図2aは、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造過程を示す工程概略図である。 図2bは、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造過程を示す工程概略図である。 図2cは、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造過程を示す工程概略図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法における脱バインダ工程、焼成工程およびアニール工程について、時間に対する温度の関係を示すグラフである。 図4(a)〜図4(c)は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法における焼成工程について、時間に対する温度の関係を示すグラフである。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
本実施形態では、積層型電子部品の一例として、積層セラミックコンデンサについて説明する。
積層セラミックコンデンサの全体構成
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2は、誘電体層10と内部電極層12とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体4を有する。このコンデンサ素子本体4の両側端部には、素子本体4の内部で交互に配置された内部電極層12と各々導通する一対の外部電極6,8が形成してある。内部電極層12は、各側端面がコンデンサ素子本体4の対向する両端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極6,8は、コンデンサ素子本体4の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層12の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
誘電体層
誘電体層10は、本発明の誘電体磁器組成物を有する。誘電体層10の厚みは、目的や用途に応じ適宜決定すればよいが、好ましくは、10μm以下、より好ましくは、7μm以下である。
誘電体層10を構成する誘電体磁器組成物としては、特に限定されないが、たとえば、X8R特性を満足する誘電体磁器組成物が例示される。以下、X8R特性を満足する誘電体磁器組成物の組成の一例(以下、X8R誘電体磁器組成物とする)について説明する。
X8R誘電体磁器組成物の主成分としては、たとえばチタン酸バリウム(好ましくは、組成式BaTiO2+m で表され、mが0.995≦m≦1.010であり、BaとTiとの比が0.995≦Ba/Ti≦1.010である)が挙げられる。なお、主成分としては、この他、チタン酸バリウムカルシウム、チタン酸バリウムストロンチウムなども用いることができる。
また、X8R誘電体磁器組成物は副成分として、
MgO,CaO,BaOおよびSrOから選ばれる少なくとも1種を含む第1副成分と、
酸化シリコンを主成分として含有する第2副成分と、
,MoOおよびWOから選ばれる少なくとも1種を含む第3副成分と、
R1の酸化物(ただし、R1はSc,Er,Tm,YbおよびLuから選ばれる少なくとも1種)を含む第4副成分と、
CaZrOまたはCaO+ZrOを必要に応じて含む第5副成分と、
R2酸化物(ただし、R2はY、Dy、Ho、Tb、GdおよびEuから選択される少なくとも1種)を含む第6副成分と、
MnOを含む第7副成分とを有していてもよい。
上記各副成分の比率としては、主成分BaTiO100モルに対し、
第1副成分:0.1〜3モル、
第2副成分:2〜10モル、
第3副成分:0.01〜0.5モル、
第4副成分:0.5〜7モル、
第5副成分:0≦第5副成分≦5モル、
第6副成分:9モル以下、
第7副成分:0.5モル以下であり、
好ましくは、
第1副成分:0.1〜2.5モル、
第2副成分:2.0〜5.0モル、
第3副成分:0.1〜0.4モル、
第4副成分:0.5〜5.0モル、
第5副成分:0.5〜3モル、
第6副成分:0.5〜9モル、
第7副成分:0.01〜0.5モルである。
なお、第4副成分の上記比率は、R1酸化物のモル比ではなく、R1単独のモル比である。すなわち、例えば第4副成分としてYbの酸化物を用いた場合、第4副成分の比率が1モルであることは、Ybの比率が1モルなのではなく、Ybの比率が1モルであることを意味する。
上記第1〜4副成分を含有させ、必要に応じて第5〜7副成分を含有させることで、X8R特性を満足させることができる。第1〜7副成分の好ましい含有量及び理由は以下の通りである。
第1副成分(MgO,CaO,BaOおよびSrO)は、容量温度特性を平坦化させる効果を示す。第1副成分の含有量が少なすぎると、容量温度変化率が大きくなってしまう。一方、含有量が多すぎると、焼結性が悪化する。なお、第1副成分中における各酸化物の構成比率は任意である。
第2副成分(酸化シリコンを主成分として含有する)は、主として焼結助剤として作用するが、薄層化した際の初期絶縁抵抗の不良率を改善する効果を有する。第2副成分の含有量が少なすぎると、容量温度特性が悪くなり、また、IR(絶縁抵抗)が低下する。一方、含有量が多すぎると、IR寿命が不十分となるほか、誘電率の急激な低下が生じてしまう。
第3副成分(V,MoOおよびWO)は、キュリー温度以上での容量温度特性を平坦化する効果と、IR寿命を向上させる効果とを示す。第3副成分の含有量が少なすぎると、このような効果が不十分となる。一方、含有量が多すぎると、IRが著しく低下する。なお、第3副成分中における各酸化物の構成比率は任意である。
第4副成分(R1酸化物)は、キュリー温度を高温側へシフトさせる効果と、容量温度特性を平坦化する効果とを示す。第4副成分の含有量が少なすぎると、このような効果が不十分となり、容量温度特性が悪くなってしまう。一方、含有量が多すぎると、焼結性が悪化する傾向にある。第4副成分のうちでは、特性改善効果が高く、しかも安価であることから、Yb酸化物が好ましい。
第5副成分(CaZrO)は、キュリー温度を高温側へシフトさせる効果と、容量温度特性を平坦化する効果とを示す。ただし、第5副成分の含有量が多すぎると、IR加速寿命が著しく悪化し、容量温度特性(X8R特性)が悪くなってしまう。
第4副成分(R1酸化物)および第5副成分(CaZrO)の含有量を調整することで、容量温度特性(X8R特性)を平坦化し、高温加速寿命、を改善することができる。特に、上述した数値範囲内では、異相の析出が抑制され、組織の均一化を図ることができる。第4副成分の含有量が多すぎると、巨大な針状結晶であるパイロクロア相が析出しやすく、積層セラミックコンデンサの誘電体層間の厚みを薄くしたときに著しい特性の劣化が認められる。一方、第4副成分の含有量が少なすぎると、容量温度特性を満足することができなくなる。第5副成分の含有量が多すぎると、容量温度特性が悪化し、IR加速寿命も劣化してくる。
第6副成分(R2酸化物)は、IRおよびIR寿命を改善する効果を示し、容量温度特性への悪影響も少ない。ただし、R2酸化物の含有量が多すぎると、焼結性が悪化する傾向にある。第6副成分のうちでは、特性改善効果が高く、しかも安価であることから、Y酸化物が好ましい。
第7副成分(MnO)は、焼結を促進する効果と、IRを高くする効果と、IR寿命を向上させる効果とを示す。このような効果を十分に得るためには、BaTiO100モルに対する第7副成分の比率を0.01モル以上とする。ただし、第7副成分の含有量が多すぎると容量温度特性に悪影響を与えるので、好ましくは0.5モル以下とする。
好ましくは、第2副成分が、SiO、MO(ただし、Mは、Ba、Ca、SrおよびMgから選ばれる少なくとも1種の元素)、LiOおよびBから選ばれる少なくとも1種で表される。
より好ましくは、前記第2副成分が、(Ba,Ca)SiO2+n (但し、n=0.7〜1.2)で表される。第2副成分のより好ましい態様としての[(Ba,Ca)SiO2+n ]中のBaOおよびCaOは第1副成分にも含まれるが、複合酸化物である(Ba,Ca)SiO2+n は融点が低いため主成分に対する反応性が良好なので、本発明ではBaOおよび/またはCaOを上記複合酸化物としても添加することが好ましい。第2副成分のより好ましい態様としての(Ba,Ca)SiO2+n におけるnは、好ましくは0.7〜1.2であり、より好ましくは0.8〜1.1である。nが小さすぎると、すなわちSiOが多すぎると、主成分のBaTiOと反応して誘電体特性を悪化させてしまう。一方、nが大きすぎると、融点が高くなって焼結性を悪化させるため、好ましくない。なお、BaとCaとの比率は任意であり、一方だけを含有するものであってもよい。
第4副成分および第6副成分の合計の含有量は、主成分であるBaTiO100モルに対し、好ましくは13モル以下、さらに好ましくは10モル以下(但し、第4副成分および第6副成分のモル数は、R1およびR2単独での比率である)である。焼結性を良好に保つためである。
内部電極層
内部電極層12に含有される導電材は特に限定されないが、誘電体層10の構成材料が耐還元性を有するため、卑金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。
なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。
内部電極層の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、0.5〜5μm、特に0.5〜1.5μm程度であることが好ましい。
端子電極
端子電極6および8に含有される導電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いることができる。また、端子電極6および8の厚みは、用途等に応じて適宜決定されればよいが、通常、10〜50μm程度であることが好ましい。
積層セラミックコンデンサの製造方法
本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2の製造方法を説明する。
(グリーンシート用スラリーの作製)
図1の誘電体層10は、グリーンシートを焼成して得られる。グリーンシートは、原材料として、主成分であるチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのセラミック粉体の他、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類元素、ガラス組成物などの副成分を含む。
グリーンシートは、グリーンシート用スラリーをシート状に成形して得られる。このスラリーは、セラミック粉体、溶剤、分散剤、可塑剤、バインダ、およびその他の成分に対して、ボールミル、ビーズミルなどで混合、分散処理を行うことで得られる。
(内部電極層用ペーストの作製)
図1の内部電極層12は、内部電極層用ペーストを、所定のパターン状に成形し、焼成することによって得られる。内部電極層用ペーストは、導電性粉末、溶剤、分散剤、可塑剤、バインダ、添加物粉末などを、ボールミルなどで混練し、スラリー化することによって得られる。
(グリーンシート10aの形成)
図2aに示すように、支持シート20の表面に、グリーンシート用スラリーを塗布して、グリーンシート10aを形成する。グリーンシート10aは、焼成後に図1に示す誘電体層10となる。
(内部電極層12aの形成)
次に、図2bに示すように、支持シート20上に形成されたグリーンシート10aの表面に、内部電極層用ペーストを所定のパターン状に塗布して、内部電極層12aを形成する。内部電極層12aは、焼成後に図1に示す内部電極層12となる。
図2bの内部電極層12aの形成方法は、層を均一に形成できる方法であれば特に限定されず、たとえば電極層用ペーストを用いたスクリーン印刷法あるいはグラビア印刷法などの厚膜形成方法、あるいは蒸着、スパッタリングなどの薄膜法が例示される。
図2cに示すように、内部電極層12aが形成されたグリーンシート10aを支持シート20から剥がして順次積層して積層体24を形成する。
(積層体24の切断)
積層体24を格子状に切断することによって、グリーンチップを複数形成する。
(グリーンチップの脱バインダ工程、焼成工程、およびアニール工程)
次に、グリーンチップに対して、脱バインダ工程、焼成工程、およびアニール工程が行われる。本発明の一実施例では、脱バインダ工程、焼成工程およびアニール工程それぞれについて、時間に対する温度の関係を図3に示す。以下、脱バインダ工程、焼成工程、アニール工程について説明する。
脱バインダ工程
本発明では、焼成前に脱バインダ処理を行うことが好ましい。脱バインダ処理を行うことで、その後の本焼成時に残留カーボンによって焼結体チップ焼結体にクラック等の構造欠陥を抑制することができる。
本来的な脱バインダ処理の目的は、あくまでもグリーンチップからバインダを除去することであって誘電体を焼結することではない。このため、通常は、脱バインダ処理において、グリーンチップ内の誘電体が焼結を始める温度(たとえば1000℃以上)にまでは温度を上昇させない。
脱バインダ工程は、少なくとも昇温工程を有し、その後、温度保持工程あるいは、降温工程を有するものであってもよい。
昇温工程は、雰囲気温度を保持温度まで所定の昇温速度で昇温させる工程である。昇温速度はできるだけ緩やかであることが好ましい。具体的には、昇温速度を、好ましくは5〜300℃/時間、より好ましくは10〜100℃/時間とする。昇温速度が早すぎると、グリーンチップ中のバインダが急激に分解され、その後の焼成後にチップ内にデラミネーションやクラックなどの構造欠陥が生じやすい。昇温速度が遅過ぎると、不経済である。
温度保持工程では、前記雰囲気を変更せずに、空気中で保持温度を一定時間保持することが好ましい。保持温度は、好ましくは200〜400℃、より好ましくは250〜300℃とする。保持温度が高すぎると、バインダが除去されないうちに誘電体の焼結が始まってしまい、構造欠陥の発生などの不都合を生じうる。保持温度の保持時間は、好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは2〜20時間とする。
降温工程は、前記保持温度から降温させる工程である。降温工程では、前記温度保持工程での雰囲気を変更せずに、空気中で、所定温度(たとえば室温:25℃)まで降温させる。降温速度は特に限定されないが、好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とする。
焼成工程
次に、脱バインダ後のグリーンチップを焼成する(焼成工程)。本発明における焼成工程は、図4に示すように、焼成昇温工程(P)と、焼成保持工程(P)と、焼成ピーク工程(P)と、焼成降温工程(P)とを有し、中でも焼成ピーク工程(P)を有する点に特徴がある。なお、以下、本発明における焼成保持工程(P)のうち、焼成ピーク工程後の焼成保持工程を、第2焼成保持工程(PH2)とする。
図4(A)〜図4(C)において、yα は焼成保持温度、yβ は焼成ピーク温度、xは焼成保持工程開始時間、xは焼成ピーク工程開始時間、xは焼成ピーク工程終了時間、xは焼成降温工程開始時間を示す。
(焼成昇温工程(P))
焼成昇温工程では、雰囲気温度を、所定の昇温速度で焼成保持温度(yα)まで昇温させる。
昇温速度は、好ましくは50〜700℃/時間、より好ましくは100〜500℃/時間である。内部電極の方が誘電体よりも焼結開始温度が低いため、昇温速度が遅すぎると、誘電体の焼結が始まる前までに電極の焼結が進み、空隙が多くなる傾向にある。
(焼成保持工程(P))
焼成保持工程では、前記雰囲気を変更せずに、加湿した窒素と水素の混合ガス中で焼成温度を一定時間保持することが好ましい。この際の焼成保持温度(yα)は、誘電体の焼結開始温度以上である。誘電体の焼結開始温度は、誘電体材料および電極材料に応じて異なる。したがって、例えば、主成分をチタン酸バリウムとした場合の焼成保持温度は、1150〜1270℃、より好ましくは1200〜1250℃である。
当該焼成保持温度は、誘電体の焼結が進む最低限の温度であり、これにより内部電極の球状化を抑制することができる。そのため、焼成保持温度が高すぎると、内部電極の球状化が生じ、内部電極の途切れの原因になる傾向にある。一方、焼成保持温度が低すぎると、焼結体の緻密化が不十分となる傾向にある。焼成保持温度の保持時間は、好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1.5〜3時間である。
(焼成ピーク工程(P))
本発明は、焼成保持工程の後あるいは合間に、焼成保持温度(yα)よりも高い焼成ピーク温度(yβ)で焼成する焼成ピーク工程(P)を有することを特徴とする。
前記焼成ピーク工程は、前記雰囲気を変更せずに、加湿した窒素と水素の混合ガス中で、焼成ピーク温度(yβ)で焼成させる。
好ましくは、前記焼成保持温度(yα)[℃]とピーク温度(yβ)[℃]の関係が、10≦yβ −yα ≦40である。
また、好ましくは、前記焼成保持温度(yα)[℃]とピーク温度(yβ)[℃]の関係は、0.966≦yα /yβ ≦0.991である。
さらには、下記式(1)〜(3)により求められるS、Sが、下記式(4)を満足することが好ましい。
Figure 2011077354
上記式(1)〜(4)中、Sは温度と時間の積分値[分・時間]、f(x)は、時間x[時間]における温度[℃]、xは焼成保持工程開始時間[時間]、xは焼成降温工程開始時間[時間]を示す。また、Sは図4の(B)において市松模様で示した面積、Sは図4の(C)において左下がりの斜線で示した面積、Sは図4の(C)において右下がりの斜線で示した面積にそれぞれ対応する。
また、焼成ピーク工程(P)は、焼成保持工程(P)の合間、すなわち焼成ピーク工程(P)の後に第2焼成保持工程(PH2)を行うことによってもできるが、第2保持工程(PH2)を有さず、焼成降温工程(P)の直前に焼成ピーク工程(P)が行われることが好ましい。
なお、焼成ピーク工程の昇温速度の下限は好ましくは100℃/時間以上である。また、焼成ピーク工程の昇温速度の上限は特に限定されず、炉の性能などによって決定される。
さらに、焼成ピーク工程の降温速度の下限は好ましくは100℃/時間以上である。また、焼成ピーク工程の降温速度の上限は特に限定されず、炉の性能などによって決定される。
このように、比較的低温下の焼成保持工程で誘電体を焼き固めた上で、焼成ピーク工程において高温で焼成することで、高温焼成による構造欠陥を抑えつつ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好なセラミック電子部品を得ることができる。
(焼成降温工程)
焼成降温工程では、前記焼成保持工程での雰囲気を変更せずに、加湿した窒素と水素の混合ガス中で降温させてもよいが、焼成降温工程の途中から雰囲気を変更してもよい。
降温速度は、好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間である。
アニール工程
焼成後の焼結体には、アニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これによりIR寿命を著しく長くすることができるので、信頼性が向上する。
アニールの際の保持温度は、1100℃以下、より好ましくは500〜1100℃である。保持温度が低すぎると誘電体層の再酸化が不充分となって絶縁抵抗が悪化し、その加速寿命も短くなる傾向がある。また、保持温度が高すぎると内部電極が酸化されて容量が低下するだけでなく、誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性、絶縁抵抗及びその加速寿命が悪化する傾向がある。なお、アニールは昇温行程及び降温行程のみから構成することもできる。この場合には、温度保持時間はゼロであり、保持温度は最高温度と同義である。
これ以外のアニール条件としては、温度保持時間を0〜20時間、より好ましくは6〜10時間、冷却速度を50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とし、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば、窒素ガスを加湿して用いることが望ましい。
なお、上述した焼成と同様に、前記脱バインダ及びアニールにおいて、窒素ガスや混合ガスを加湿するためには、たとえばウェッター等を用いることができ、この場合の水温は5〜75℃とすることが望ましい。
外部電極6、8の形成
このように、脱バインダ工程、焼成工程、およびアニール工程を経ることで焼結体(図1の素体本体4)が得られる。この焼結体に対して、端面研磨を施し、外部電極用ペーストを焼きつけて、外部電極6、8を形成する。
以上の工程により、図1の積層セラミックコンデンサ2が完成する。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
たとえば、上述した実施形態では、主として、X8R特性を有する誘電体磁器組成物について説明したが、本発明ではこれに限定されず、X7R特性またはB特性を有する誘電体磁器組成物にも用いられる。また、主成分については、チタン酸バリウムに限定されず、チタン酸バリウムカルシウム、チタン酸バリウムストロンチウムなどを用いることができる。さらに、本発明に係るセラミック電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係るセラミック電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、誘電体層と内部電極とが交互に積層してある素体を有するものであれば何でも良い。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
試料1
主成分原料として、BaTiOと、副成分原料として、MgOおよびMnOの原料には、炭酸塩であるMgCO、MnCOを準備し、残りの副成分原料として、V、Y、Yb、CaZrOおよび(Ba0.6 Ca0.4)SiOを準備した。なお、CaZrOは、CaCOおよびZrOをボールミルにより16時間湿式混合し、乾燥後、1150°Cで空気中で焼成し、さらに、ボールミルにより24時間湿式粉砕することにより製造した。また、ガラス成分である(Ba0.6 Ca0.4 )SiOは、BaCO,CaCOおよびSiOをボールミルにより16時間湿式混合し、乾燥後、1150°Cで空気中で焼成し、さらに、ボールミルにより100時間湿式粉砕することにより製造した。
次に、これらの原料を、焼成後の組成が、BaTiO100モルに対して、1モルのMgOと、0.37モルのMnOと、0.1モルのVと、2モルのYと、1.75モルのYbと、1.5モルのCaZrOと、3モルの(Ba0.6 Ca0.4 )SiOとなるように秤量した。各副成分原料については、ここで秤量した量が最終的な添加量となる。秤量した原料をボールミルにより16時間湿式混合した。スラリー乾燥後、下記に示す条件で、仮焼成した。
昇温速度:200°C/時間
保持温度:800°C
保持時間:2時間
雰囲気:空気中
で行った。
上記の条件で仮焼成した粉体を粉砕し、混合することで、誘電体原料を得た。得られた誘電体原料100重量部と、アクリル樹脂4.8重量部と、酢酸エチル100重量部と、ミネラルスピリット6重量部と、トルエン4重量部とをボールミルで混合してペースト化し、誘電体層用ペーストを得た。
次いで、平均粒径0.4μmのNi粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)40重量部と、ブチルカルビトール10重量部とを3本ロールにより混練してペースト化し、内部電極層用ペーストを得た。
得られた誘電体層用ペーストを用いて、PETフィルム上に、ドクターブレード法によりシート成形を行い、乾燥することにより、グリーンシートを形成した。このとき、グリーンシートの厚みは、4.5μmとした。この上に内部電極用ペーストを印刷した後、PETフィルムからシートを剥離した。次いで、これらのグリーンシートと保護用グリーンシート(内部電極層用ペーストを印刷しないもの)とを積層、圧着して、グリーンチップを得た。
次いで、グリーンチップを所定サイズに切断し、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行って、積層セラミック焼結体を作製した。
脱バインダ処理は、
昇温速度:30°C/時間、
保持温度:260℃
保持時間:8時間、
酸素分圧:10−6Pa
水素濃度:1容量%、
で行った。
焼成工程は、以下の焼成昇温工程(P)、焼成保持工程(P)、焼成ピーク工程(P)、焼成降温工程(P)の条件で行った。また、第2焼成保持工程(PH2)は設けず、焼成ピーク工程(P)の直後に焼成降温工程(P)を行った。
焼成昇温工程は、
昇温速度:500°C/時間、
酸素分圧:4.3×10−7Pa、
で行った。
焼成保持工程は、
焼成保持温度(yα):1150°C、
焼成保持時間(x−x):1.5時間、
酸素分圧:4.3×10−7Pa
で行った。
焼成ピーク工程は、
昇温速度:200°C/時間、
焼成ピーク温度(yβ):1160°C、
降温速度:200°C/時間、
焼成ピーク時間(x−x):0.1時間、
酸素分圧:4.3×10−7Pa
で行った。
次いで、第2焼成保持工程を経ることなく、焼成ピーク工程直後に焼成降温工程を行った。したがって、この場合、焼成ピーク工程終了時間(x)と、焼成降温工程開始時間(x)は一致することになる。
焼成降温工程は、前記焼成ピーク温度から、
降温速度:200°C/時間、
酸素分圧:4.3×10−7Pa、
室温に下がるまで行った。
アニールは、
保持温度:900°C、
保持時間:9時間、
酸素分圧:10−6Pa、
で保持した後、雰囲気を変えず、
降温速度:200°C/時間で、
室温に下がるまで行った。
なお、焼成および再酸化処理の際の雰囲気ガスの加湿には、水温を35°Cとしたウェッターを用いた。
このようにして得られた焼結体の両面に、外部電極としてCuを塗布し、コンデンサの試料とした。
得られたコンデンサのサイズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmであり、内部電極層に挟まれた誘電体層の数は4層、1層あたりの誘電体層の厚みは(層間厚み)は、3.5μmであり、内部電極層の厚みは1.0μmであった。
特性評価
得られたコンデンサ試料に対して、高温加速寿命および破壊電圧を評価した。
高温加速寿命(HALT)は、得られたサンプルを、200°Cで10V/μmの直流電圧の印加状態に保持し、平均寿命時間を測定することにより評価した。本実施例においては、印加開始から絶縁抵抗が一桁落ちるまでの時間を寿命と定義した。また、この高温加速寿命の評価は、10個のコンデンサ試料について行った。評価基準は、10時間以上を良好とした。結果を表1に示す。
破壊電圧(VB)(単位はV)は、昇圧スピード100V/sec、検出電流10mA時の電圧値を破壊電圧とした。破壊電圧は、好ましくは100V以上、より好ましくは150V以上を良好とした。結果を表1に示す。
Figure 2011077354
試料2〜25
焼成保持工程(P)、焼成ピーク工程(P)、第2焼成保持工程(PH2)を表1〜3に示す条件で行った以外は試料1と同様にして試料2〜25を製造した。結果を表1〜3に示す。なお、試料11と試料22以外は、試料1と同様に第2焼成保持工程(PH2)がなく、焼成ピーク工程(P)の直後に焼成降温工程(P)を行った。
Figure 2011077354
Figure 2011077354
試料1〜4
試料1〜4は、焼成ピーク温度および焼成ピーク時間のみ異なり、焼成ピーク工程を有する場合は(試料1、2、4)、焼成ピーク工程を有しない場合(試料3)に比べ、破壊電圧が良好になることがわかった。
また、yβ−yαが、10≦yβ−yα≦40の関係を満たす場合は(試料1、2)、yβ−yαが、10≦yβ−yα≦40の関係を満たさない場合(試料3、4)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。さらに、yα/yβが、0.966≦yα/yβ≦0.991の関係を満たす場合は(試料1、2)、yα/yβが、0.966≦yα/yβ≦0.991の関係を満たさない場合(試料3、4)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。
また、S/Sが、345≦S/S≦4830の関係を満たす場合は(試料1、2)、S/Sが、345≦S/S≦4830の関係を満たさない場合(試料3、4)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。
試料5〜10
試料5〜10は、焼成ピーク温度および焼成ピーク時間のみ異なり、yβ−yαが、10≦yβ−yα≦40の関係を満たす場合は(試料5〜9)、yβ−yαが、10≦yβ−yα≦40の関係を満たさない場合(試料10)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。さらに、yα/yβが、0.966≦yα/yβ≦0.991の関係を満たす場合は(試料5〜9)、yα/yβが、0.966≦yα/yβ≦0.991の関係を満たさない場合(試料10)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。
また、S/Sが、345≦S/S≦4830の関係を満たす場合は(試料5〜9)、S/Sが、345≦S/S≦4830の関係を満たさない場合(試料10)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。
試料12〜16
実施例12〜16は、焼成ピーク温度および焼成ピーク時間のみ異なるが、焼成ピークを有する場合は(試料12〜14、16)、焼成ピークを有しない場合(試料15)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。
また、yβ−yαが、10≦yβ−yα≦40の関係を満たす場合は(試料12〜14)、yβ−yαが、10≦yβ−yα≦40の関係を満たさない場合(試料15、16)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。さらに、yα/yβが、0.966≦yα/yβ≦0.991の関係を満たす場合は(試料12〜14)、yα/yβが、0.966≦yα/yβ≦0.991の関係を満たさない場合(試料15、16)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。
また、S/Sが、345≦S/S≦4830の関係を満たす場合は(試料12〜14)、S/Sが、345≦S/S≦4830の関係を満たさない場合(試料15、16)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。
試料17〜21
試料17〜21は、焼成ピーク温度および焼成ピーク時間のみ異なるが、yβ−yαが、10≦yβ−yα≦40の関係を満たす場合は(試料17〜20)、yβ−yαが、10≦yβ−yα≦40の関係を満たさない場合(試料21)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。さらに、yα/yβが、0.966≦yα/yβ≦0.991の関係を満たす場合は(試料17〜20)、yα/yβが、0.966≦yα/yβ≦0.991の関係を満たさない場合(試料21)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。
また、S/Sが、345≦S/S≦4830の関係を満たす場合は(試料17〜20)、S/Sが、345≦S/S≦4830の関係を満たさない場合(試料21)に比べ、高温負荷寿命および破壊電圧が良好になることがわかった。
試料6、11、17、22
試料6と11、試料17と22はそれぞれ、焼成ピーク工程が行われるタイミングのみが異なる。すなわち、試料6および17は焼成降温工程の直前に焼成ピーク工程が行われるが、試料11と22の焼成ピーク工程は焼成降温工程の直前ではなく、第2焼成保持工程の直前に行われる。
そこで試料6と11、試料17と22をそれぞれ比較すると、焼成降温工程の直前に焼成ピーク工程が行われる場合(試料6、17)は、焼成ピーク工程が第2焼成保持工程の直前に行われる場合(試料17、22)に比べ、破壊電圧が良好になることがわかった。
試料23〜25
表3に示すように、試料23〜25より、焼成ピーク工程を有し、yβ−yαが10≦yβ−yα≦40の関係を満たし、yα/yβが0.966≦yα/yβ≦0.991の関係を満たし、S/Sが345≦S/S≦4830の関係を満たす場合には、焼成ピーク工程の昇温速度が100〜500℃、焼成ピーク工程の降温速度が100〜500℃と変化しても、高温負荷寿命および破壊電圧が良好であることが確認できた。
2… 積層セラミックコンデンサ
4… 素子本体
6、8… 外部電極
10… 誘電体層
10a… グリーンシート
12… 内部電極層
12a… 内部電極層
20… 支持シート
24… 積層体

Claims (5)

  1. 焼成工程を有するセラミック電子部品の製造方法であって、
    前記焼成工程が、
    焼成保持温度(yα)まで昇温させる焼成昇温工程(P)と、
    前記焼成保持温度(yα)で保持する焼成保持工程(P)と、
    前記焼成保持温度(yα)よりも高い焼成ピーク温度(yβ)で焼成する焼成ピーク工程(P)と、
    前記焼成ピーク温度(yβ)から降温させる焼成降温工程(P)と、
    を有し、
    前記焼成保持温度(yα)を、対象のセラミックの焼結開始温度以上とすることを特徴とするセラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記焼成保持温度(yα)[℃]と焼成ピーク温度(yβ)[℃]の関係が、
    10≦yβ −yα ≦40
    である請求項1記載のセラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記焼成保持温度(yα)[℃]と焼成ピーク温度(yβ)[℃]の関係が、
    0.966≦yα /yβ ≦0.991
    である請求項1または2に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  4. 下記式(1)〜(3)により求められるS、Sが、
    下記式(4)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
    Figure 2011077354
    (ここで、Sは温度と時間の積分値[時間・℃]、f(x)は、時間x[時間]における温度[℃]、xは焼成保持工程開始時間、xは焼成降温工程開始時間である。)
  5. 前記焼成ピーク工程が、前記焼成降温工程の直前に行われる請求項1〜4のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
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