JP2011070090A - 凸版印刷用凸版及び印刷方法 - Google Patents

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祐治 久保
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悟大 福永
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Abstract

【課題】凸版印刷方式を用いて高品質で高精細パターンを形成するために金属板を基材として用いた版を使用した場合、ガラスのような硬度の高い素材に印刷すると印刷パターン不良やインキの転写不良といった印刷不良が発生する。この印刷不良を防ぐため、版と装置の間にクッションや緩衝材を用いて印圧調整し印刷不良を防ぐが、クッションや緩衝材を用いると印刷精度が落ちて印刷不良が発生する。そこで、印刷不良の発生無く、高精細パターンを高精度で印刷できる印刷用凸版を提供する。
【解決手段】印刷用凸版であって、金属製の基材の片方の面に接着層が形成され、前記接着層の上に、前記接着層を保護する耐溶剤層が形成され、前記耐溶剤層の上に、所定パターンの凸部を有する樹脂層が形成されており、前記接着層と前期樹脂層の主成分に共通の樹脂材料を使うことにより密着性を高めたことを特徴とする印刷用凸版。
【選択図】図1

Description

本発明は、凸版印刷用凸版及び印刷物に関し、さらに詳細には、高精細印刷用凸版及びこれを用いて作成される印刷物に関する。
近年、高精細加工技術を用いた電子デバイス開発が急速な進化を遂げている。このような電子デバイスは次世代のエレクトロニクス分野、バイオテクノロジー分野、オプトロニクス分野などの発展へ貢献することが期待される。
有機EL素子は、二つの対向する電極の間に有機発光材料からなる有機発光層を形成し、有機発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率良く発光させるには発光層の膜厚が重要であり、100nm程度の薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するには高精細にパターニングする必要がある。
有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は抵抗加熱蒸着法等により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出にくいという問題がある。
そこで、最近では有機発光材料に高分子材料を用い、有機発光材料を溶剤に溶かして塗工液とし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたりRGB3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗り分けパターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
さらに各種印刷法の中でも、有機EL素子やディスプレイでは、基板としてガラス基板を用いることが多いため、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きであり、弾性を有するゴム版を用いたオフセット印刷法や、ゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いる凸版印刷法が適正である。実際にこれらの印刷法の試みとして、オフセット印刷による方法(特許文献1)、凸版印刷による方法(特許文献2)などが提唱されている。
有機EL素子における有機発光層のパターンは、テレビ用途の大型ディスプレイの場合、例えば対角40インチのワイドディスプレイではライン幅が100μm、画素ピッチが500μmとなる。また、携帯電話などの小型ディスプレイの場合、例えば対角2インチで主流のQVGA(320×240画素)では画素ピッチは120μm、各色要素のサブピクセルの幅は40μmとなる。このような高精細なディスプレイの素子を凸版印刷法により形成しようとした場合、5μm以下という非常に高い印刷パターンの精度が要求される。
しかし例えば上記QVGAの画素サイズのディスプレイを製作するためには、サブピクセルあたり約40μmピッチのラインとスペースが必要となるために、印刷パターン精度が悪いと電極層および正孔輸送層もしくは電子輸送層の接触による短絡や、隣り合う有機発光層が混ざり混色が発生してしまう。さらに、版の基材に金属のような硬い素材を使用した印刷用凸版を用いて、ガラス材のような硬度の高い素材に印刷を行なうと、印刷パターン不良やインキの転写不良といった印刷不良が発生する。これらの印刷不良を防ぐために版と装置の間にクッションや緩衝材を用いて印圧調整するが、クッションや緩衝材を用いると印刷パターン精度が落ちてしまう。このような問題のために、従来の印刷用凸版では十分な品質の高精細印刷パターンは形成できなかった。
このような版の印刷パターン精度、転写不良等といった印刷不良の問題は、精細なパターン形成を必要とするエレクトロニクス部材、例えばカラーフィルタ、回路基材、薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップ等においても同様である。
特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報
有機ELディスプレイを始めとしたエレクトロニクス部材のように凸版印刷方式を用いて高品質で高精細パターンを形成するために金属板を基材として用いた版を使用した場合、ガラス等の硬度の高い素材に印刷すると印刷パターン不良やインキの転写不良といった印刷不良が発生する。この印刷不良を防ぐため、版と装置の間にクッションや緩衝材を用いて印圧調整し、印刷不良を防ぐが、クッションや緩衝材を用いると印刷精度が落ちてしまい、印刷不良が発生する。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、印刷不良の発生が無く、高精細パターンを高精度で印刷できる印刷用凸版を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、印刷用凸版であって、
金属製の基材の片方の面に接着層が形成され、
前記接着層の上に、前記接着層を保護する耐溶剤層が形成され、
前記耐溶剤層の上に、所定パターンの凸部を有する樹脂層が形成されており、
前記接着層と前期樹脂層の主成分に共通の樹脂材料を使うことにより密着性を高めたことを特徴とする印刷用凸版、としたものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記耐溶剤層は、層厚10μm以上50μm以下の層を複数層、積層したことにより柔軟性を持たせたものであることを特徴とする、請求項1に記載の印刷用凸版、としたものである。
また、請求項3に記載の発明は、前記樹脂層は、層厚10μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の印刷用凸版、としたものである。
また、請求項4に記載の発明は、前記樹脂層は、水現像タイプの感光性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用凸版、としたものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載された印刷用凸版を用いて、凸版印刷法により有機EL素子の発光層をパターン形成することを特徴とする有機ELディスプレイ用素子の製造方法、としたものである。
本発明により、金属基材を用いた版を使用してガラス材のような硬度の高い素材に印刷した場合に、版と装置の間にクッションや緩衝材を用いなくても印圧の調整ができ、印刷精度が落ちることなく、印刷パターン不良やインキの転写不良といった印刷不良を防ぐことができる。
特に、本発明の印刷用凸版を用いて有機EL素子における有機発光媒体層を形成した場合、高精細なパターンを有する有機発光素子を得ることができる。
本発明の第1の実施形態の印刷用凸版の断面図。 本発明の第2の実施形態の印刷用凸版の断面図。 本発明の印刷用凸版を使用した印刷物製造装置の概略図。 本発明の印刷用凸版により製造した有機EL素子の一発光単位の断面図。
以下、この発明の実施の形態を説明する。なお、本発明にかかる印刷物はディスプレイの表示画面を構成する光学部材として好適に利用できる。光学部品としては、例えば、有機EL素子やカラー液晶ディスプレイを構成するカラーフィルタを例示することができる。また、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態の印刷用凸版の断面図である。図1において1−1は感光性樹脂層、1−2は耐溶剤層、1−3は接着層、1−4は基材を示す。
樹脂層1−1は使用する塗工液(インキ)に対する耐溶剤性があれば良く、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴムの他に、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂やそれらの共重合体、セルロースなどの天然高分子などや、フッ素系エラストマーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ六フッ化ビニリデンやそれらの共重合体といったフッ素系樹脂から一種類以上を選択することができるが、加工の容易さといった点から、感光性樹脂を用いることが望ましい。
塗工液として有機溶剤を用いている場合には、水現像タイプの感光性樹脂が有機溶剤への耐性も高く好適である。水現像タイプの感光性樹脂としては公知のもので構わないが、例えば、親水性のポリマーと不飽和結合を含むモノマーと光重合開始材を構成要素とするタイプが挙げられる。このタイプでは親水性ポリマーとしてポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体を用いることができる。また、不飽和結合を含むモノマーとしては例えばビニル結合を有するメタクリレート類を用いることができ、光重合開始剤としては例えば芳香族カルボニル化合物を用いることができる。中でも、印刷適性の面からポリアミド系の水現像タイプの感光性樹脂が適している。
また、樹脂層の厚みは10μm以上300μm以下であることが好ましい。厚みが10μm未満の場合、被印刷基材がガラスや金属といった硬度の高い素材のときに、被印刷基材や被印刷基材上にあるパターンが傷つくことがある。また、厚みが300μmを超える場合、基材と樹脂層の界面近傍または樹脂層において力学的な変形や破壊が発生し、また、溶剤による樹脂層の膨潤の度合いが大きくなってしまう。
基材1−4としては、金属を用いることができる。金属を用いることにより、基材全体が塗工液中の溶剤に対し膨潤することが無いため、寸法安定性の良い版として好適に用いることができる。使用される金属としては、Fe、Ni、Cu、Zn等をあげることができる。また、ステンレスといったこれら金属の合金であっても良い。
接着層1−3は感光性樹脂層1−1と金属基材1−4との接着性を高めることを目的とした層である為、耐水性で金属との接着性が良い樹脂材であれば特に限定されないが、これらの条件を満たす樹脂としてエポキシ系、ポリエステルウレタン系の熱硬化性樹脂が好ましい。
耐溶剤層1−2は接着層1−3を保護することを目的とした層である為、耐溶剤性と接着性の両方を持ち合わせた樹脂材であれば特に限定されないが、これらの条件を満たす樹脂として接着層1−3の樹脂材に、樹脂層1−1の主成分と同一のものを添加した樹脂が好ましい。耐溶剤性を持ちつつ樹脂層1−1との界面の相溶性が向上して接着性を高めることができる。
また、樹脂層1−1の凸部と凸部の間の凹部の深さであるレリーフ深度は10μm以上300μm以下であることが好ましい。レリーフ深度が10μm未満の場合、パターンの形状によっては広幅化してしまう。また、レリーフ深度が300μmを超える場合、支持体、特に支持体の凸部において変形や破壊が発生する。
本発明の印刷用凸版の作成方法としては、フォトマスクを用いて樹脂版材の感光性樹脂層をパターン露光し樹脂を硬化させ、未硬化部分の樹脂を洗い流し現像する。現像後に乾燥、後露光を行ない、所定パターンのレリーフを形成するフォトリソグラフィー法や、レーザーアブレーションや切削加工で形成するといった、公知の方法を用いることができるが、その方法の容易さから、感光性樹脂によるフォトリソグラフィー法を用いることが望ましい。
図2に、本発明の第2の実施形態について示す。すなわち、耐溶剤層は単層構成ではなく、多層構成とすることも可能である。図2には、基材2−5の上に、接着性を有する接着層2−4、耐溶剤性を有する耐溶剤層2−3および耐溶剤層2−2、感光性樹脂層2−1の順で積層した場合の構成を示している。
耐溶剤層を複数積層することで、版に柔軟性を持たせることができ、印刷時の印圧を高くした場合に、被印刷基材がガラスや金属といった硬度の高い素材でも印刷不良を防止できる。また、耐溶剤層の積層数をいくつにするかにより、版の柔軟性を調整することが可能となる。
また、本発明における凸版は、シームレス版とすることも可能である。シームレス版は凸部が表面円周上に連続形成された印刷用シリンダー版のことであり、つなぎ目を持たない。このことより版の連続回転が可能になり、連続印刷をおこなうことができる。したがってシリンダー版の径を大きくすること無く大面積の繰り返しパターンを有する印刷物を得ることができる。表示ディスプレイでは大画面化が進んでいるが、シームレス版を用いることにより装置を大型化することなく、大面積の有機EL素子やカラーフィルタを得ることが可能となる。
また、本発明における凸版をスリーブ構造とすることも可能である。スリーブ構造とは、円筒状の構造を指す。円筒状の構造とすることで、円筒の内径と同じ外径を持つシリンダーに差し込むことにより、印刷用凸版を固定することが出来る。本発明の印刷用凸版は、版の形成プロセスと印刷のプロセスとを異なる装置を用いて行わなくてはならないが、スリーブ構造とすることで、容易に着脱可能となるうえ、装着精度の向上にもなる。
次に本発明の印刷用凸版を用いた印刷物の製造方法について示す。
図3に、本発明の印刷用凸版を用いた印刷物製造装置の概略図を示す。例えば図3のように、インキ補充装置3−1から印刷用凸版へのインキング装置であるアニロックスロール3−2へ塗工液3−3の補充を行い、アニロックスロール3−2に補充された塗工液3−3のうち余剰なものはドクター装置3−4により除去する。インキ補充装置3−1としては、滴下型の補充装置の他に、ファウンテンロールやスリットコータ、ダイコータ、キャップコータなどのコータやそれらを組み合わせたものなどを用いることもできる。ドクター装置3−4としては、ドクターロールの他にドクターブレードを用いることもできる。
ドクター装置3−4により余剰な塗工液が除去された後、本発明の印刷用凸版3−5へのインキングをおこなう。円筒状のシリンダー3−7の側面部分に取り付けられた状態の印刷用凸版3−5へインキングされた塗工液は、被印刷基材3−6へ印刷される。本発明において、被印刷基材の材質は問わない。紙、プラスチックフィルム、ガラス、金属等を挙げることができる。被印刷基材3−6へ印刷された塗工液3−3は必要に応じて乾燥することにより印刷物を形成する。
次に本発明の印刷用凸版を用いた有機EL素子の製造工程について示す。
図4に有機EL素子の一発光単位の断面図を示した。この有機EL素子の一発光単位は、基材4−1上に形成した第一電極4−2と第二電極4−5の間に、有機発光媒体層であるホール注入層4−3と有機発光層4−4を配置したものである。なお、図4に示したホール注入層やホール輸送層、電子注入層、電子輸送層等は適宜選択し、設けることができる。
基材4−1としては、ガラス基材やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチック製のフィルムを用いれば、巻き取りにより有機発光素子の製造が可能となり、安価に素子を提供できる。そのプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等を用いることができる。また、基材4−1の第一電極4−2を成膜しない側に、セラミック蒸着フィルムやポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物等の他のガスバリア性フィルムを積層してもよい。
次に、第一電極を形成する。第一電極4−2、第二電極4−5は、それぞれ陽極、陰極としての機能をもち、光の取出し方向等により適宜選択される。陽極材料としてインジウムと錫の複合酸化物(以下ITOという)が挙げられる。また、アルミニウム、金、銀等の金属が半透明状に蒸着されたものや、ポリアニリン等の有機化合物などが挙げられる。陰極材料としてリチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体や酸化物、これらと金、銀などの安定な金属との合金などが挙げられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。第一電極、第二電極は通常乾式成膜法、例えば真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法等により形成される。
正孔注入層4−3をなす材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物等の導電性高分子材料を用いても良い。正孔注入層は水、アルコール類といった溶媒に溶解または分散され、スピンコート法、ダイコート法、スプレー法といった塗工法、凸版印刷法、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法といった印刷法により形成される。本発明の印刷用凸版を用いて、この正孔注入層4−3を形成することも可能である。
有機発光層4−4は有機発光体を含有する層であり、電圧の印加により発光する層である。有機発光材料としては、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィリン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の有機溶剤に可溶な有機発光材料や該有機発光材料をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系などの高分子有機発光材料が挙げられる。
本発明の印刷用凸版と図3の印刷装置を用いて、有機発光層4−4を形成するには、被印刷基材3−6として基材4−1上に第一電極4−2、ホール注入層4−3を積層した被転写基材を用い、塗工液として有機発光材料を含む塗工液3−3を用いる。
有機発光材料を含む塗工液は上述のように印刷用凸版の凸部へ供給され、被転写基材へ印刷される。発光材料を溶解または分散させる塗工液に用いられる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエチレン、水などの単独またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。特に芳香族系溶剤およびハロゲン系溶剤は有機発光材料を溶かすのに優れている。また、有機発光材料を含む塗工液には、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、乾燥剤などが添加されても良い。有機発光層4−4を形成後、第二電極4−5を上述の方法で形成する。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
[実施例1]
<発光層形成用塗工液の調製>
ポリ(パラフェニレンビニレン)誘導体からなる発光材料をキシレンに塗工液濃度が1.0重量%となるように溶解させ、発光層形成用塗工液を調製した。
<被印刷基板の作製>
150mm角、厚さ0.4mmのガラス基材上に表面抵抗率15ΩのITOを成膜した基材(ジオマテック(株)製)に、スピンコーターを用いて正孔輸送層としてポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を100nm膜厚で成膜した。さらにこの成膜されたPEDOT/PSS薄膜を減圧下100℃ で1時間乾燥することで、被印刷基材を作製した。
<印刷用凸版の作製>
基材として0.3mm厚のスチール材を用い、ポリアミド系樹脂を主成分とする0.03mm厚の感光性樹脂層と、感光性樹脂層と基材の中間に形成される0.03mm厚のエポキシ樹脂の接着層と、0.03mm厚のエポキシ樹脂に10%のポリアミド系樹脂成分を含む熱硬化性樹脂層を2層積層させた5層で構成される凸版印刷用の版材を用意した。この版材にネガパターンが形成されているフォトマスクを介して露光し、水現像することで所望のパターンを有する印刷用凸版を作製した。
<有機ELディスプレイ用素子パネルの作製>
有機ELディスプレイ用素子パネルの作製は凸版印刷法により行なった。実施例1で作製した印刷用凸版を凸版印刷機のシリンダーに固定し、実施例1で調製した発光層形成用塗工液を用いて被印刷基材に対し印刷を行なった。この基板を真空乾燥して残留溶媒を除去した後、真空蒸着法によりCaを10nm成膜し、さらにその上にAgを300nm成膜した。Ca、Agからなる陰極は、マスクを用いてITOパターンと直交するように形成した。最後にガラスキャップを用い封止をおこない本発明の有機EL素子を作製した。
[実施例2]
<印刷用凸版の作製>
基材として0.3mm厚のスチール材を用い、ポリアミド系樹脂を主成分とする0.03mm厚の感光性樹脂層と、感光性樹脂層と基材の中間に形成される0.03mm厚のエポキシ樹脂の接着層と、0.03mm厚のエポキシ樹脂に10%のポリアミド系樹脂成分を含む熱硬化性樹脂層を3層積層させた6層で構成される凸版印刷用の版材を用意した。実施例1と同様の方法で印刷用凸版を作製した。
<有機ELディスプレイ用素子パネルの作製>
この実施例2で作製した印刷用凸版を用いて、実施例1と同様にして、実施例2の有機ELディスプレイ用素子パネルを作製した。
[実施例3]
<印刷用凸版の作製>
基材として0.3mm厚のスチール材を用い、ポリアミド系樹脂を主成分とする0.03mm厚の感光性樹脂層と、感光性樹脂層と基材の中間に形成される0.01mm厚のエポキシ樹脂の接着層と、0.01mm厚のエポキシ樹脂に10%のポリアミド系樹脂成分を含む熱硬化性樹脂層の4層で構成される、耐溶剤層と接着層の膜厚が最薄となる凸版印刷用の版材を用意した。実施例1と同様の方法で印刷用凸版を作製した。
<有機ELディスプレイ用素子パネルの作製>
この実施例3で作製した印刷用凸版を用いて、実施例1と同様にして、実施例3の有機ELディスプレイ用素子パネルを作製した。
[比較例1]
<印刷用凸版の作製>
基材として0.3mm厚のスチール材を用い、ポリアミド系樹脂を主成分とする0.03mm厚の感光性樹脂層と、感光性樹脂層と基材の中間に形成される0.01mm厚のエポキシ樹脂の接着層と、0.03mm厚のエポキシ樹脂に10%のポリアミド系樹脂成分を含む熱硬化性樹脂層の4層で構成される凸版印刷用の版材を用意した。実施例1と同様の方法で印刷用凸版を作製した。
<有機ELディスプレイ用素子パネルの作製>
有機ELディスプレイ用素子パネルの作製は凸版印刷法により行なった。凸版印刷機のシリンダーに市販されているtesa社製のクッションテープを巻きつけてから、比較例1で作製した印刷用凸版を固定した。実施例1で調製した発光層形成用塗工液を用いて被印刷基材に対し印刷を行なった。この基板を真空乾燥して残留溶媒を除去した後、真空蒸着法によりCaを10nm成膜し、さらにその上にAgを300nm成膜した。Ca、Agからなる陰極は、マスクを用いてITOパターンと直交するように形成した。最後にガラスキャップを用い封止をおこない本発明の有機EL素子を作製した。
[比較例2]
<印刷用凸版の作製>
比較例1と同様の層構成で構成される凸版印刷用の版材を用意した。実施例1と同様の方法で印刷用凸版を作製した。
<有機ELディスプレイ用素子パネルの作製>
有機ELディスプレイ用素子パネルの作製は凸版印刷法により行なった。凸版印刷機のシリンダーに直接、比較例2で作製した印刷用凸版を固定した。実施例1で調製した発光層形成用塗工液を用いて被印刷基材に対し印刷を行なった。この基板を真空乾燥して残留溶媒を除去した後、真空蒸着法によりCaを10nm成膜し、さらにその上にAgを300nm成膜した。Ca、Agからなる陰極は、マスクを用いてITOパターンと直交するように形成した。最後にガラスキャップを用い封止をおこない本発明の有機EL素子を作製した。
<印刷用凸版の評価>
表1に、実施例1〜3及び比較例1〜2の印刷用凸版について、引張・圧縮試験機による押し込み量100μmでのクッション性測定結果、凸版のレリーフ深度と印刷物のラインの直線性、膜厚ムラ、発光ムラ、100枚印刷後耐刷性評価を示す。
Figure 2011070090
表1からわかる通り、クッション性が良くない実施例3と比較例2は印刷不良がみられた。そのため、耐刷性は評価できなかった。それ以外の実施例1と実施例2は比較例1よりもどの評価項目においても良好な結果が得られた。
本発明はファインパターンで膜厚ムラや発光ムラをなくした均一性の高い印刷が可能となるため、有機ELや液晶、電子ペーパーなどの表示装置でファインパターンと均一性が要求されるものに有用である。
1−1・・・樹脂層
1−2・・・耐溶剤層
1−3・・・接着層
1−4・・・基材
2−1・・・樹脂層
2−2、2−3・・・耐溶剤層
2−4・・・接着層
2−5・・・基材
3−1・・・インキ補充装置
3−2・・・アニロックスロール
3−3・・・塗工液
3−4・・・ドクター装置
3−5・・・印刷用凸版
3−6・・・被印刷基材
3−7・・・シリンダー
4−1・・・基材
4−2・・・第一電極
4−3・・・ホール注入層
4−4・・・有機発光層
4−5・・・第二電極

Claims (5)

  1. 印刷用凸版であって、
    金属製の基材の片方の面に接着層が形成され、
    前記接着層の上に、前記接着層を保護する耐溶剤層が形成され、
    前記耐溶剤層の上に、所定パターンの凸部を有する樹脂層が形成されており、
    前記接着層と前期樹脂層の主成分に共通の樹脂材料を使うことにより密着性を高めたことを特徴とする印刷用凸版。
  2. 前記耐溶剤層は、層厚10μm以上50μm以下の層を複数層、積層したことにより柔軟性を持たせたものであることを特徴とする、請求項1に記載の印刷用凸版。
  3. 前記樹脂層は、層厚10μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の印刷用凸版。
  4. 前記樹脂層は、水現像タイプの感光性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用凸版。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載された印刷用凸版を用いて、凸版印刷法により有機EL素子の発光層をパターン形成することを特徴とする有機ELディスプレイ用素子の製造方法。
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US20220190221A1 (en) * 2019-03-27 2022-06-16 Lg Chem, Ltd. Transparent light-emitting device display

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