JP2011068219A - 電動車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】カント路面等の傾斜面上であっても、乗り心地を向上することができる電動車両を提供する。
【解決手段】車体2と、車体2に取り付けられ、路面T内における全方向に駆動可能な全方向移動車輪である前輪及び後輪4と、前輪の車輪中心点、及び後輪4の車輪中心点を結んだ直線が前後方向となるように配置された乗員Dの着座部5とを備え、車体2には、直線の左右にて接地可能なキャスター40a,40bが取り付けられていることを特徴とする。
【選択図】図8
【解決手段】車体2と、車体2に取り付けられ、路面T内における全方向に駆動可能な全方向移動車輪である前輪及び後輪4と、前輪の車輪中心点、及び後輪4の車輪中心点を結んだ直線が前後方向となるように配置された乗員Dの着座部5とを備え、車体2には、直線の左右にて接地可能なキャスター40a,40bが取り付けられていることを特徴とする。
【選択図】図8
Description
本発明は、電動車両に関するものである。
従来から高齢者や身体の不自由な人等が利用しやすいよう、低速走行に適した構造の小型電動車両が普及している。
この電動車両としては、例えば図11,図12に示すように、車体101の前後に左右一対の前輪102及び後輪103が懸架された4輪式の電動車両100が知られている。具体的に、電動車両100は、前輪102と後輪103との間に形成されたステップフロア104と、このステップフロア104の前側に配設され、前輪102を操舵するためのステアリング機構105と、ステップフロア104の後側に配設され、乗員Dが乗車するためのシート106と、後輪103を駆動しうるモータ等の駆動手段(不図示)とを備えている(例えば、特許文献1参照)。この電動車両100では、駆動手段によって後輪103を回転駆動させることで、車体101を前方または後方に走行させるとともに、ステアリング機構105を操作して前輪102の向きを変更させることで、車体101を旋回させるようになっている。
この電動車両としては、例えば図11,図12に示すように、車体101の前後に左右一対の前輪102及び後輪103が懸架された4輪式の電動車両100が知られている。具体的に、電動車両100は、前輪102と後輪103との間に形成されたステップフロア104と、このステップフロア104の前側に配設され、前輪102を操舵するためのステアリング機構105と、ステップフロア104の後側に配設され、乗員Dが乗車するためのシート106と、後輪103を駆動しうるモータ等の駆動手段(不図示)とを備えている(例えば、特許文献1参照)。この電動車両100では、駆動手段によって後輪103を回転駆動させることで、車体101を前方または後方に走行させるとともに、ステアリング機構105を操作して前輪102の向きを変更させることで、車体101を旋回させるようになっている。
ところで、上述した電動車両100は、通常、前輪102及び後輪103の車軸Hが路面Tと平行な状態で接地している。すなわち、電動車両100の上下方向が、路面Tの法線A(図12参照)に一致するように配置されることになる。
そのため、例えば路面Tが平坦面の場合には、車軸Hは水平面(重力方向に直交する平面)と平行になるため、図11に示すように電動車両100は安定した姿勢で接地することになる。したがって、乗員Dはスムーズな乗降動作を行うことができるとともに、安定した姿勢で電動車両100を走行させることができる。
そのため、例えば路面Tが平坦面の場合には、車軸Hは水平面(重力方向に直交する平面)と平行になるため、図11に示すように電動車両100は安定した姿勢で接地することになる。したがって、乗員Dはスムーズな乗降動作を行うことができるとともに、安定した姿勢で電動車両100を走行させることができる。
しかしながら、例えば図12に示すように、カント路面等、電動車両100の左右方向にかけて勾配を有する路面T上に電動車両100が配置されている場合には、車軸Hが水平面に対して傾いてしまう。すなわち、電動車両100の上下方向が重力方向(図12中鎖線B)に対して傾いて配置されることになる。
その結果、走行時において、乗員Dは重力方向に対して傾いた姿勢のまま走行することになり、これを解消するためにシート106の上方に身体重心を配置しようと、路面Tの傾斜方向の反対側に体を倒すため、乗り心地が悪いという問題がある。
その結果、走行時において、乗員Dは重力方向に対して傾いた姿勢のまま走行することになり、これを解消するためにシート106の上方に身体重心を配置しようと、路面Tの傾斜方向の反対側に体を倒すため、乗り心地が悪いという問題がある。
そこで本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、カント路面等の傾斜面上であっても、乗り心地を向上することができる電動車両を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の電動車両は、基体と、前記基体に取り付けられ、床面内における全方向に駆動可能な全方向移動車輪である第1の車輪と、前記第1の車輪の回転軸と平行な回転軸を有する第2の車輪と、前記第1の車輪の車輪中心点、及び前記第2の車輪の車輪中心点を結んだ直線が前後方向となるように配置された利用者の着座部とを備え、前記基体には、前記直線の左右にて接地可能な接地部材が取り付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、カント路面等の勾配を有する床面上に基体が配置されている場合であっても、全方向移動車輪である第1の車輪を駆動させることで、基体の上下方向が重力方向に一致するように移動させることができる。これにより、基体を安定した姿勢に維持することができる。この場合、着座部が重力方向上方を向くので、利用者の身体重心が着座部の上方に配置され、基体を安定させるために利用者が体を倒す必要がない。したがって、乗り心地を向上させることができる。
また、前記接地部材は、前記第1の車輪の駆動に従動して前記床面内における全方向に移動可能に構成されているとともに、前記床面に接地するように付勢されていることを特徴とする。
この構成によれば、接地部材が第1の車輪の駆動に従動して床面内における全方向に移動可能に構成されているので、第1の車輪の移動に従動して接地部材が移動することになるので、電動車両をより安定して走行させることができる。
また、接地部材が床面に向けて付勢されているため、床面の状態(勾配等)に関わらず接地部材は常に床面に接地することになる。これにより、基体は第1の車輪及び第2の車輪に加えて接地部材によって支持されることになるので、接地点が増加して電動車両をより安定させた姿勢に維持することができる。その結果、基体の安定性をさらに向上させ、乗り心地を向上させることができる。
この構成によれば、接地部材が第1の車輪の駆動に従動して床面内における全方向に移動可能に構成されているので、第1の車輪の移動に従動して接地部材が移動することになるので、電動車両をより安定して走行させることができる。
また、接地部材が床面に向けて付勢されているため、床面の状態(勾配等)に関わらず接地部材は常に床面に接地することになる。これにより、基体は第1の車輪及び第2の車輪に加えて接地部材によって支持されることになるので、接地点が増加して電動車両をより安定させた姿勢に維持することができる。その結果、基体の安定性をさらに向上させ、乗り心地を向上させることができる。
また、前記接地部材は、前記第1の車輪の駆動に従動して前記床面内における全方向に移動可能に構成されているとともに、前記基体に対して所定の位置で固定可能とされていることを特徴とする。
この構成によれば、接地部材が第1の車輪の駆動に従動して床面内における全方向に移動可能に構成されているので、第1の車輪の移動に従動して接地部材が移動することになるので、電動車両をより安定して走行させることができる。
また、接地部材を基体に対して所定の位置で固定可能とされているため、接地部材は常時床面に接地しているのではないので、基体を倒しやすくなる。これにより、乗降動作時等において基体を傾けた場合に接地点が増加することで、基体を安定させ、乗降動作をスムーズに行うことができる。
また、例えば利用者の乗降動作等の際に基体の左右方向片側に過大な荷重が作用したとしても、この荷重を接地部材によって支えることができる。よって、電動車両がカント路面等の勾配を有する床面上に配置された場合であっても、基体のバランスが崩れることがない。これにより、基体の姿勢を安定した状態に維持し、乗降動作をスムーズに行うことができる。
この構成によれば、接地部材が第1の車輪の駆動に従動して床面内における全方向に移動可能に構成されているので、第1の車輪の移動に従動して接地部材が移動することになるので、電動車両をより安定して走行させることができる。
また、接地部材を基体に対して所定の位置で固定可能とされているため、接地部材は常時床面に接地しているのではないので、基体を倒しやすくなる。これにより、乗降動作時等において基体を傾けた場合に接地点が増加することで、基体を安定させ、乗降動作をスムーズに行うことができる。
また、例えば利用者の乗降動作等の際に基体の左右方向片側に過大な荷重が作用したとしても、この荷重を接地部材によって支えることができる。よって、電動車両がカント路面等の勾配を有する床面上に配置された場合であっても、基体のバランスが崩れることがない。これにより、基体の姿勢を安定した状態に維持し、乗降動作をスムーズに行うことができる。
また、前記基体に対する前記接地部材の前記直線周りの角度を測定する角度測定手段を有していることを特徴とする。
この構成によれば、基体に対する接地部材の直線周りの角度を測定することで、この測定結果に基づいて床面の勾配等を算出することができる。そして、角度測定手段によって算出された床面の勾配等に基づいて、電動車両の駆動制御、例えば左右方向移動のトルク調整等に応用することができる。
この構成によれば、基体に対する接地部材の直線周りの角度を測定することで、この測定結果に基づいて床面の勾配等を算出することができる。そして、角度測定手段によって算出された床面の勾配等に基づいて、電動車両の駆動制御、例えば左右方向移動のトルク調整等に応用することができる。
また、前記着座部は、ヨー軸周りに回転可能に取り付けられるとともに、前記着座部の回転に連動して前記基体が傾動可能に構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、例えば利用者の降車動作に伴って着座部を回転させた場合に、これに連動して基体を傾けることで降車動作を補助することができる。これにより、降車動作をよりスムーズに行うことができる。
この構成によれば、例えば利用者の降車動作に伴って着座部を回転させた場合に、これに連動して基体を傾けることで降車動作を補助することができる。これにより、降車動作をよりスムーズに行うことができる。
本発明によれば、カント路面等の勾配を有する床面上に基体が配置されている場合であっても、全方向移動車輪である第1の車輪を駆動させることで、基体の上下方向が重力方向に一致するように移動させることができる。これにより、基体を安定した姿勢に維持することができる。この場合、着座部が重力方向上方を向くので、利用者の身体重心が着座部の上方に配置され、利用者が体を倒す必要がなく、乗り心地を向上させることができる。
(電動車両)
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は電動車両を前側から見た斜視図であり、図2は後側から見た斜視図である。
図1,図2に示すように、本実施形態の電動車両1は、車体(基体)2と、車体2の前後に取り付けられた全方向移動車両である前輪(第2の車輪)3及び後輪(第1の車輪)4と、後輪4の上方に配置され乗員(利用者)Dが電動車両1の前向きに着座可能な着座部5とを備えている。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は電動車両を前側から見た斜視図であり、図2は後側から見た斜視図である。
図1,図2に示すように、本実施形態の電動車両1は、車体(基体)2と、車体2の前後に取り付けられた全方向移動車両である前輪(第2の車輪)3及び後輪(第1の車輪)4と、後輪4の上方に配置され乗員(利用者)Dが電動車両1の前向きに着座可能な着座部5とを備えている。
車体2は、前輪3及び後輪4間を架け渡すように形成されたステップフロア9と、前輪3及び後輪4を構成する前輪フェンダー7及び後輪フェンダー8と、後輪フェンダー8と着座部5とを連結する連結部10とを備えている。
ステップフロア9は、路面Tとの間に間隔を空けた状態で路面Tと平行に延在する平板状の部材であり、その上面に乗員Dの足部や荷物等を載置可能に構成されている。そして、ステップフロア9の前端部には、前輪3の前輪フェンダー7が連結される一方、後端部には後輪4の後輪フェンダー8が連結されている。
連結部10は、上方に向かって延在する円柱状の部材であり、下端が後輪フェンダー8の上部に連結される一方、上端に着座部5が連結されている。
ステップフロア9は、路面Tとの間に間隔を空けた状態で路面Tと平行に延在する平板状の部材であり、その上面に乗員Dの足部や荷物等を載置可能に構成されている。そして、ステップフロア9の前端部には、前輪3の前輪フェンダー7が連結される一方、後端部には後輪4の後輪フェンダー8が連結されている。
連結部10は、上方に向かって延在する円柱状の部材であり、下端が後輪フェンダー8の上部に連結される一方、上端に着座部5が連結されている。
着座部5は、乗員Dが乗車するための側面視L字状のシート部12と、シート部12及び上述した連結部10を連結するベース部14とを備えている。シート部12は、前後方向に延在して乗員Dの尻部及び大腿部を支持する座面部13と、座面部13の後端部から上方に向かって延在して乗員Dの背部を支持するシートバック15とを備えている。
シートバック15の左右方向両端部には、高さ方向中間部から前方に向かって延出する一対のアームレスト16が設けられている。これらアームレスト16は、シートバック15に対してピッチ軸(前後方向に直交する軸)周りに回動可能に支持されている。なお、アームレスト16の先端には、電動車両1の移動動作を乗員Dの手で操舵するためのコントローラ6が設置されている。また、シートバック15の上端部には、左右方向に沿って延在する手すり18が設けられており、この手すり18にバック等の荷物が掛止できるようになっている。また、シートバック15の後側には、可倒式の荷台17が設けられている。この荷台17は、シートバック15の下端側にピッチ軸周りに傾動可能に支持されている。具体的に、荷台17は未使用時においてはシートバック15と略平行に延在するように配置される(図2参照)一方、使用時においてはシートバック15に略直交する位置まで傾動して(図1参照)、その上面に荷物等を載置できるようになっている。
ベース部14は、その上端部が座面部13の下面に連結される一方、下端部が図示しない駆動機構を介して連結部10の上端に連結されている。そして、着座部5は、駆動機構によってヨー軸(路面T(図3参照)の法線)周りに回転可能に構成されている(図1中矢印M参照)。
図3は後輪の拡大断面図であり、図4は後輪の斜視図である。また、図5は主輪の斜視図であり、図6は主輪とフリーローラとの配置関係を示す図である。なお、前輪と後輪とはともに同様の構成であるため、以下の説明では後輪を例として説明する。また、図3では後輪フェンダー及び主輪の一部のみを断面図として示している。
図3〜図6に示すように、後輪4は、ゴム状弾性材等により円環状に形成された主輪20を有し、この主輪20はほぼ円形の横断面形状を有する。主輪20は、その弾性変形によって、図5及び図6の矢印Y1で示すように、円形の横断面の中心C1(具体的には、円形の横断面中心C1を通って、主輪20の軸心と同心となる円周線)の周りに回転可能となっている。
図3〜図6に示すように、後輪4は、ゴム状弾性材等により円環状に形成された主輪20を有し、この主輪20はほぼ円形の横断面形状を有する。主輪20は、その弾性変形によって、図5及び図6の矢印Y1で示すように、円形の横断面の中心C1(具体的には、円形の横断面中心C1を通って、主輪20の軸心と同心となる円周線)の周りに回転可能となっている。
主輪20は、その軸心C2(主輪20全体の直径方向に直交する軸心C2)が電動車両1の左右方向に一致した状態で、後輪フェンダー8の内側に配置され、主輪20の外周面の下端部にて路面Tに接地している。なお、後輪フェンダー8は、側面視で円形状に形成されるとともに、下方に向けて開口するドーム状の部材であり、後輪4における下端部を除くほぼ全体を覆うように配置されている。
そして、主輪20は、アクチュエータ装置19による駆動(詳細は後述する)によって、図5の矢印Y2で示すように主輪20の軸心C2の周りに回転する動作(路面T上を輪転する動作)と、主輪20の横断面中心C1の周りに回転する動作とを行なうことが可能である。その結果、主輪20は、それらの回転動作の複合動作によって、路面T上を全方向に移動することが可能となっている。
アクチュエータ装置19は、主輪20と後輪フェンダー8の右側壁21Rとの間に介装される回転部材27R及びフリーローラ29Rと、主輪20と後輪フェンダー8の左側壁21Lとの間に介装される回転部材27L及びフリーローラ29Lと、回転部材27R及びフリーローラ29Rの上方に配置されたアクチュエータとしての電動モータ31Rと、回転部材27L及びフリーローラ29Lの上方に配置されたアクチュエータとしての電動モータ31Lとを備えている。
アクチュエータ装置19は、主輪20と後輪フェンダー8の右側壁21Rとの間に介装される回転部材27R及びフリーローラ29Rと、主輪20と後輪フェンダー8の左側壁21Lとの間に介装される回転部材27L及びフリーローラ29Lと、回転部材27R及びフリーローラ29Rの上方に配置されたアクチュエータとしての電動モータ31Rと、回転部材27L及びフリーローラ29Lの上方に配置されたアクチュエータとしての電動モータ31Lとを備えている。
電動モータ31R,31Lは、それぞれのハウジングが後輪フェンダー8の両側壁21R,21Lに各々取付けられている。なお、図示は省略するが、電動モータ31R,31Lの電源(蓄電器)は、車体2の適所に搭載されている。
回転部材27Rは、左右方向の軸心を有する支軸33Rを介して右側壁21Rに回転可能に支持されている。同様に、回転部材27Lは、左右方向の軸心を有する支軸33Lを介して左側壁21Lに回転可能に支持されている。この場合、回転部材27Rの回転軸心(支軸33Rの軸心)と、回転部材27Lの回転軸心(支軸33Lの軸心)とは同軸心である。
回転部材27Rは、左右方向の軸心を有する支軸33Rを介して右側壁21Rに回転可能に支持されている。同様に、回転部材27Lは、左右方向の軸心を有する支軸33Lを介して左側壁21Lに回転可能に支持されている。この場合、回転部材27Rの回転軸心(支軸33Rの軸心)と、回転部材27Lの回転軸心(支軸33Lの軸心)とは同軸心である。
回転部材27R,27Lは、それぞれ電動モータ31R,31Lの出力軸に、減速機としての機能を含む動力伝達機構を介して接続されており、電動モータ31R,31Lからそれぞれ伝達される動力(トルク)によって回転駆動される。各動力伝達機構は、例えばプーリ・ベルト式のものである。すなわち、図3に示すように、回転部材27Rは、プーリ35Rとベルト37Rとを介して電動モータ31Rの出力軸に接続されている。同様に、回転部材27Lは、プーリ35Lとベルト37Lとを介して電動モータ31Lの出力軸に接続されている。
なお、上述した動力伝達機構は、例えば、スプロケットとリンクチェーンとにより構成されるもの、あるいは、複数のギヤにより構成されるものであってもよい。また、例えば、電動モータ31R,31Lを、それぞれの出力軸が各回転部材27R,27Lと同軸心になるように各回転部材27R,27Lに対向させて配置し、電動モータ31R,31Lのそれぞれの出力軸を回転部材27R,27Lに各々、減速機(遊星歯車装置等)を介して連結するようにしてもよい。
なお、上述した動力伝達機構は、例えば、スプロケットとリンクチェーンとにより構成されるもの、あるいは、複数のギヤにより構成されるものであってもよい。また、例えば、電動モータ31R,31Lを、それぞれの出力軸が各回転部材27R,27Lと同軸心になるように各回転部材27R,27Lに対向させて配置し、電動モータ31R,31Lのそれぞれの出力軸を回転部材27R,27Lに各々、減速機(遊星歯車装置等)を介して連結するようにしてもよい。
各回転部材27R,27Lは、主輪20側に向かって縮径する円錐台と同様の形状に形成されており、その外周面がテーパ外周面39R,39Lとなっている。
回転部材27Rのテーパ外周面39Rの周囲には、回転部材27Rと同心の円周上に等間隔で並ぶようにして、複数のフリーローラ29Rが配列されている。そして、これらのフリーローラ29Rは、それぞれ、ブラケット38Rを介してテーパ外周面39Rに取付けられ、ブラケット38Rに回転可能に支承されている。
同様に、回転部材27Lのテーパ外周面39Lの周囲には、回転部材27Lと同心の円周上に等間隔で並ぶようにして、複数(フリーローラ29Rと同数)のフリーローラ29Lが配列されている。そして、これらのフリーローラ29Lは、それぞれ、ブラケット38Lを介してテーパ外周面39Lに取付けられ、ブラケット38Lに回転可能に支承されている。
回転部材27Rのテーパ外周面39Rの周囲には、回転部材27Rと同心の円周上に等間隔で並ぶようにして、複数のフリーローラ29Rが配列されている。そして、これらのフリーローラ29Rは、それぞれ、ブラケット38Rを介してテーパ外周面39Rに取付けられ、ブラケット38Rに回転可能に支承されている。
同様に、回転部材27Lのテーパ外周面39Lの周囲には、回転部材27Lと同心の円周上に等間隔で並ぶようにして、複数(フリーローラ29Rと同数)のフリーローラ29Lが配列されている。そして、これらのフリーローラ29Lは、それぞれ、ブラケット38Lを介してテーパ外周面39Lに取付けられ、ブラケット38Lに回転可能に支承されている。
主輪20は、回転部材27R側のフリーローラ29Rと、回転部材27L側のフリーローラ29Lとの間に挟まれるようにして、回転部材27R,27Lと同軸心に配置されている。
この場合、図6に示すように、各フリーローラ29R,29Lは、その軸心C3が主輪20の軸心C2に対して傾斜するとともに、主輪20の直径方向(主輪20をその軸心C2の方向で見たときに、軸心C2と各フリーローラ29R,29Lとを結ぶ径方向)に対して傾斜する姿勢で配置されている。そして、このような姿勢で、各フリーローラ29R,29Lのそれぞれの外周面が主輪20の内周面に斜め方向に圧接されている。
より一般的に言えば、右側のフリーローラ29Rは、回転部材27Rが軸心C2の周りに回転駆動されたときに、主輪20との接触面で、軸心C2周りの方向の摩擦力成分(主輪20の内周の接線方向の摩擦力成分)と、主輪20の横断面中心C1の周り方向の摩擦力成分(円形の横断面の接線方向の摩擦力成分)とを主輪20に作用させ得るような姿勢で、主輪20の内周面に圧接されている。左側のフリーローラ29Lについても同様である。
この場合、図6に示すように、各フリーローラ29R,29Lは、その軸心C3が主輪20の軸心C2に対して傾斜するとともに、主輪20の直径方向(主輪20をその軸心C2の方向で見たときに、軸心C2と各フリーローラ29R,29Lとを結ぶ径方向)に対して傾斜する姿勢で配置されている。そして、このような姿勢で、各フリーローラ29R,29Lのそれぞれの外周面が主輪20の内周面に斜め方向に圧接されている。
より一般的に言えば、右側のフリーローラ29Rは、回転部材27Rが軸心C2の周りに回転駆動されたときに、主輪20との接触面で、軸心C2周りの方向の摩擦力成分(主輪20の内周の接線方向の摩擦力成分)と、主輪20の横断面中心C1の周り方向の摩擦力成分(円形の横断面の接線方向の摩擦力成分)とを主輪20に作用させ得るような姿勢で、主輪20の内周面に圧接されている。左側のフリーローラ29Lについても同様である。
なお、前輪3は、上述した後輪4と同一の構成からなり、前輪3及び後輪4は、互いの主輪20の軸心(回転軸)C2が平行になるように配置されている(図1,図2参照)。そして、前輪3及び後輪4の電動モータ31R,31Lによりそれぞれ、回転部材27R,27Lを同方向に等速度で回転駆動させた場合には、各主輪20が回転部材27R,27Lと同方向に軸心C2の周りに回転することとなる。これにより、各主輪20が路面T上を前後方向に輪転して、電動車両1の全体が前後方向に移動することとなる。なお、この場合は、主輪20は、その横断面中心C1の周りには回転しない。
また、例えば回転部材27R,27Lを互いに逆方向に同じ大きさの速度で回転駆動させた場合には、各主輪20は、その横断面中心C1の周りに回転することとなる。これにより、各主輪20がその軸心C2の方向(すなわち左右方向)に移動し、ひいては、電動車両1の全体が左右方向に移動することとなる。なお、この場合は、主輪20は、その軸心C2の周りには回転しない。
また、例えば回転部材27R,27Lを互いに逆方向に同じ大きさの速度で回転駆動させた場合には、各主輪20は、その横断面中心C1の周りに回転することとなる。これにより、各主輪20がその軸心C2の方向(すなわち左右方向)に移動し、ひいては、電動車両1の全体が左右方向に移動することとなる。なお、この場合は、主輪20は、その軸心C2の周りには回転しない。
さらに、回転部材27R,27Lを、互いに異なる速度(方向を含めた速度)で、同方向又は逆方向に回転駆動させた場合には、各主輪20は、その軸心C2の周りに回転すると同時に、その横断面中心C1の周りに回転することとなる。
この時、これらの回転動作の複合動作(合成動作)によって、前後方向及び左右方向に対して傾斜した方向に主輪20が移動し、ひいては、電動車両1の全体が主輪20と同方向に移動することとなる。この場合の主輪20の移動方向は、回転部材27R,27Lの回転方向を含めた回転速度(回転方向に応じて極性が定義された回転速度ベクトル)の差に依存して変化するものとなる。
以上のように各主輪20の移動動作が行なわれるので、電動モータ31R,31Lのそれぞれの回転速度(回転方向を含む)を制御し、ひいては回転部材27R,27Lの回転速度を制御することによって、電動車両1の移動速度及び移動方向を制御できることとなる。
この時、これらの回転動作の複合動作(合成動作)によって、前後方向及び左右方向に対して傾斜した方向に主輪20が移動し、ひいては、電動車両1の全体が主輪20と同方向に移動することとなる。この場合の主輪20の移動方向は、回転部材27R,27Lの回転方向を含めた回転速度(回転方向に応じて極性が定義された回転速度ベクトル)の差に依存して変化するものとなる。
以上のように各主輪20の移動動作が行なわれるので、電動モータ31R,31Lのそれぞれの回転速度(回転方向を含む)を制御し、ひいては回転部材27R,27Lの回転速度を制御することによって、電動車両1の移動速度及び移動方向を制御できることとなる。
ここで、電動車両1の概略的な動作制御を説明すると、基本的に本実施形態の電動車両1では、シート部12に着座した乗員Dがその上体を傾けた場合(具体的には、乗員Dと電動車両1とを合わせた全体の重心点G(図7参照)の位置(水平面に投影した位置)を動かすように上体を傾けた場合)に、上体を傾けた側に車体2がシート部12とともに傾動する。そして、この時、車体2が傾いた側に電動車両1が移動するように、主輪20の移動動作が制御される。すなわち、本実施形態では、乗員Dが上体を動かし、ひいては、シート部12とともに車体2を傾動させるという動作が、電動車両1に対する1つの基本的な操縦操作(電動車両1の動作要求)とされ、その操縦操作に応じて主輪20の移動動作がアクチュエータ装置19を介して制御される。
具体的には、電動車両1(及び乗員Dの全体)の重心点Gが、後輪4の中心点のほぼ真上に位置する状態(具体的には電動車両1の前後方向から見て重心点Gが後輪4の接地点(路面Tにおいて重心点Gまでの距離が最短となる点)のほぼ真上に位置する状態)での車体2の姿勢を目標姿勢とし、基本的には、車体2の実際の姿勢を目標姿勢に収束させるように、前輪3及び後輪4の移動動作が制御される。すなわち、電動車両1の上下方向が重力方向に一致するように前輪3及び後輪4の移動動作が制御される。具体的に、目標姿勢に対して重心点Gが前後方向に移動したと判断された場合には、上述した前輪3及び後輪4の主輪20を軸心C2周りに回転させて電動車両1を前後方向に移動させる。一方、目標姿勢に対して重心点Gが左右方向に移動したと判断された場合には、各主輪20を中心C1周りに回転させて電動車両1を左右方向に移動させる。または、これらの回転動作の複合動作によって、車体2の姿勢が目標姿勢に収束される。したがって、電動車両1を移動させたい場合には、乗員D自身の重心点を進行方向に向けて傾ける。すると、電動車両100は、目標姿勢を保とうとして進行方向に移動することになる。
以上の動作を行うために、本実施形態ではマイクロコンピュータや電動モータ31R,31Lのドライブ回路ユニットなどを含む電子回路ユニットにより構成された制御ユニットや、車体2の所定の部位の重力方向に対する傾斜角及びその変化速度を計測するための傾斜センサ、電動車両1に乗員Dが搭乗しているか否かを検知するための荷重センサ、電動モータ31R,31Lのそれぞれの出力軸の回転角度及び回転角速度を検出するための角度センサとしてのロータリーエンコーダ56R,56L(図3参照)等がそれぞれ、電動車両1の適所に搭載されている。また、以上の動作は、アームレスト16に設置されたコントローラ6を操舵することによっても行うことができる。具体的には、コントローラ6を電動車両1の進行方向に向けて操作することで、制御ユニットに向けて電動車両1の動作信号が出力され、この動作信号に基づいてアクチュエータ装置19が制御される。
図7は電動車両を後側から見た背面図である。
ここで、図1,図2,図7に示すように、ステップフロア9の下面には、一対のキャスター(接地部材)40a,40bが配置されている。各キャスター40a,40bは、前輪3及び後輪4の中心点(主輪20の軸心C2上、軸方向での主輪20の幅内の点)を結ぶ直線L(電動車両1の左右方向における中心線)に対して左右方向両側で対向するように配置されている。これらキャスター40a,40bは、ステップフロア9に対してヨー軸周りに回転可能に構成されたブラケット41a,41bと、ブラケット41a,41bに回転可能に支持されたローラ本体42a,42bとを備えている。
ここで、図1,図2,図7に示すように、ステップフロア9の下面には、一対のキャスター(接地部材)40a,40bが配置されている。各キャスター40a,40bは、前輪3及び後輪4の中心点(主輪20の軸心C2上、軸方向での主輪20の幅内の点)を結ぶ直線L(電動車両1の左右方向における中心線)に対して左右方向両側で対向するように配置されている。これらキャスター40a,40bは、ステップフロア9に対してヨー軸周りに回転可能に構成されたブラケット41a,41bと、ブラケット41a,41bに回転可能に支持されたローラ本体42a,42bとを備えている。
ブラケット41a,41bは、ステップフロア9の下面にサスペンション部材(図7参照)45を介して連結されている。サスペンション部材45は、ステップフロア9の下面における左右方向中央部から左右両側に向かって延出し、その先端部分でブラケット41a,41bをそれぞれ回転可能に支持している。また、サスペンション部材45は、キャスター40a,40bを下方に向けて付勢しており、ローラ本体42a,42bの外周面は、路面Tの状態、例えば路面Tの凹凸や勾配等に関わらず常に接地するように構成されている。
ローラ本体42a,42bは、ゴム状弾性材や樹脂等からなる円板状の部材であり、ブラケット41a,41bによって軸心C4周りに回転可能に支持されている。したがって、キャスター40a,40bは、ローラ本体42a,42bが回転することで路面T上を走行するとともに、ブラケット41a,41bが回転してローラ本体42a,42bの向きが変更されることで、前輪3及び後輪4の駆動に従動して、路面T上を全方向に移動可能に構成されている。なお、電動車両1は、水平面に対するキャスター40a,40bの角度θ(水平面とローラ本体42a,42bの軸心C4とがなす直線L周りの角度)を測定するための図示しない角度センサ(角度測定手段)を備えている。そして、電動車両1は、角度センサで測定された角度θに基づいて路面Tの勾配等を算出できるようになっている。
また、サスペンション部材45には、図示しない昇降機構が設けられており、昇降機構を駆動することにより、キャスター40a,40b(ローラ本体42a,42b)が路面Tから離間するようになっている。すなわち、キャスター40a,40bは、昇降機構によって使用時にはローラ本体42a,42bの外周面が接地状態となる位置まで下降する一方、未使用時には路面Tとローラ本体42a,42bの外周面が非接地状態となる位置まで上昇する。なお、非接地状態においては、キャスター40a,40bは、ステップフロア9の下面に形成された図示しない収納部に収納されることになる。
(作用)
次に、上述した電動車両1の作用について説明する。
図8,図9は、電動車両の動作を説明するための説明図であり、図7に相当する電動車両を後側から見た背面図である。
ところで、図7に示すように、カント路面等、電動車両1が左右方向にかけて勾配を有する路面T上に配置されている場合、前輪3及び後輪4の軸心C2が、路面Tと平行に配置されることで、電動車両1の上下方向(図7〜図9中鎖線J参照)が重力方向(図7〜図9中鎖線K参照)に対して傾いて配置される。その結果、乗員Dは重力方向に対して傾いた姿勢のまま走行することになる。これを解消するために、乗員Dはシート部12の上方に身体重心を配置しようと、路面Tの傾斜方向の反対側に体を倒すため、乗り心地が悪いという問題がある。
次に、上述した電動車両1の作用について説明する。
図8,図9は、電動車両の動作を説明するための説明図であり、図7に相当する電動車両を後側から見た背面図である。
ところで、図7に示すように、カント路面等、電動車両1が左右方向にかけて勾配を有する路面T上に配置されている場合、前輪3及び後輪4の軸心C2が、路面Tと平行に配置されることで、電動車両1の上下方向(図7〜図9中鎖線J参照)が重力方向(図7〜図9中鎖線K参照)に対して傾いて配置される。その結果、乗員Dは重力方向に対して傾いた姿勢のまま走行することになる。これを解消するために、乗員Dはシート部12の上方に身体重心を配置しようと、路面Tの傾斜方向の反対側に体を倒すため、乗り心地が悪いという問題がある。
これに対して、本実施形態の電動車両1では、上述したように重心点Gが、前輪3(後輪4)の中心点のほぼ真上に位置するように、すなわち車体2の上下方向Jが重力方向Kに一致するように前輪3及び後輪4の移動動作が制御される。具体的に、図7に示す状態から前輪3及び後輪4の移動動作を制御する場合には、図3,図8に示すように、前輪3及び後輪4の回転部材27R,27Lを互いに逆方向に同じ大きさの速度で回転駆動させる。これにより、各主輪20は、その横断面中心C1の周りに回転することとなる。すると、各主輪20がその軸心C2の方向(すなわち左右方向)に移動し、ひいては、電動車両1の全体が左右方向に移動することとなる。これにより、主輪20が路面T上を下って、軸心C2と水平面とが平行になるように配置される。すなわち、電動車両1の前後方向から見て重心点Gと、前輪3(後輪4)の接地点とを結ぶ直線(電動車両1の上下方向J)が重力方向Kに一致することになる。このような制御は、一般的に倒立振子型制御と呼ばれる。倒立振子型制御については、特許第3070015号に詳しい。左右方向は倒立振子型制御を行うことで、車体2を安定した状態に維持することができる。
この場合、本実施形態では、ステップフロア9の下面にキャスター40a,40bが取り付けられているので、電動車両1は前輪3及び後輪4に加えてキャスター40a,40bによっても支持されることになる。そのため、接地点が増加して電動車両1をより安定させた姿勢に維持することができる。また、キャスター40a,40bはサスペンション部材45によって下方に向けて付勢されているため、路面Tが傾斜している場合であってもキャスター40a,40bのローラ本体42a,42bの外周面は、常に路面Tに接地することになる。これにより、前輪3及び後輪4の移動時において、前輪3及び後輪4の移動に従動してキャスター40a,40bが回転し、電動車両1を安定した姿勢で移動させることができる。
そして、電動車両1が以上の動作を行うことで、シート部12も重力方向上方を向くことになる。これにより、乗員Dの身体重心がシート部12の上方に配置されるため、乗員Dが体を倒す必要なく、電動車両1及び乗員Dの上下方向Jが重力方向Kに一致することになる。そのため、乗員Dは、快適な姿勢を維持したまま電動車両1を走行させることができる。具体的には、電動車両1を左右方向に移動させたい場合は、主として乗員Dの身体重心を左右方向に傾ける。すると、電動車両1は目標姿勢を保とうとして、乗員Dが上体を傾けた側、すなわち左右方向に移動する。一方、電動車両1を前後方向に移動させたい場合は、主としてアームレスト16に設置されたコントローラ6を操作することで、電動車両1を前後方向に移動させることができる。これにより、電動車両1を、路面T上の全方向に移動させることができる。なお、コントローラ6の操作によって電動車両1を左右方向に移動させたり、また重心点Gを前後方向に傾けることによって電動車両1を前後方向に移動させたりすることも可能である。
なお、図9に示すように、電動車両1から降りる際には、上述した駆動機構を駆動して着座部5を降車側(例えば、左側)にヨー軸周りに回動させる。そして、これに伴い、車体2の目標姿勢を降車側に傾けるように設定するとともに、車体2の傾斜に対する前輪3及び後輪4の左右方向への駆動の感度を下げることで、車体2を降車側に傾けることができる。これにより、乗員Dの降車動作を補助することができ、乗員Dは速やかに電動車両1から降りることができる。
このように、本実施形態では、前輪3及び後輪4を全方向移動車輪として構成するとともに、前輪3及び後輪4の中心点を結ぶ直線Lの左右方向両側に一対のキャスター40a,40bを配置する構成とした。
この構成によれば、カント路面等の勾配を有する路面T上に電動車両1が配置されている場合であっても、重心点Gが前輪3(後輪4)の中心点のほぼ真上に位置するように、すなわち車体2の上下方向が重力方向に一致するように前輪3及び後輪4の移動動作が制御される。これにより、各主輪20の軸心C2と水平面とが常に平行な状態に配置されるため、電動車両1を安定した姿勢に維持することができる。これにより、シート部12が重力方向上方を向くことになるので、乗員Dの身体重心がシート部12の上方に配置され、車体2を安定させるために乗員Dが体を倒す必要がない。したがって、乗員Dは姿勢を安定させた状態で走行することができるので、快適な乗り心地の電動車両1を提供することができる。
この構成によれば、カント路面等の勾配を有する路面T上に電動車両1が配置されている場合であっても、重心点Gが前輪3(後輪4)の中心点のほぼ真上に位置するように、すなわち車体2の上下方向が重力方向に一致するように前輪3及び後輪4の移動動作が制御される。これにより、各主輪20の軸心C2と水平面とが常に平行な状態に配置されるため、電動車両1を安定した姿勢に維持することができる。これにより、シート部12が重力方向上方を向くことになるので、乗員Dの身体重心がシート部12の上方に配置され、車体2を安定させるために乗員Dが体を倒す必要がない。したがって、乗員Dは姿勢を安定させた状態で走行することができるので、快適な乗り心地の電動車両1を提供することができる。
また、キャスター40a,40bは、前輪3及び後輪4の移動に従動して全方向に移動可能に構成されているので、電動車両1をより安定した姿勢で走行させることができる。
さらに、キャスター40a,40bがサスペンション部材45によって下方に向けて付勢されているため、路面Tの状態(勾配等)に関わらずキャスター40a,40bは常に路面Tに接地することになる。これにより、接地点が増加するため、車体2の安定性をさらに向上させることができるので、走行動作等をより安定した姿勢で行うことができる。
さらに、キャスター40a,40bがサスペンション部材45によって下方に向けて付勢されているため、路面Tの状態(勾配等)に関わらずキャスター40a,40bは常に路面Tに接地することになる。これにより、接地点が増加するため、車体2の安定性をさらに向上させることができるので、走行動作等をより安定した姿勢で行うことができる。
なお、本実施形態では、上述した角度センサによって算出された路面Tの勾配等に基づいて、電動車両1の電動モータ31R,31Lの回転速度等を制御できるようになっている。具体的には、上り斜面を走行する場合や下り斜面を走行する場合等に応じて電動モータ31R,31Lの回転速度等を適宜補正できるようになっている。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
上述した実施形態では、サスペンション部材45を介してキャスター40a,40bを連結する場合について説明したが、これに限らずステップフロア9に直接キャスター40a,40bを取り付けたり、リジッドサスペンション等の剛体を介して取り付け、キャスター40a,40bを車体2に対して所定の位置に固定可能としても構わない。この場合、車体2に対するキャスター40a,40bの角度(直線L周りの角度)は、車体2に対して相対位置変更不能に取り付けられていてもよいし、選択的に固定可能とされていてもよい。
この構成によれば、ローラ本体42a,42bは常時路面Tに接地しているのではないので、車体2を倒しやすくなる。そして、車体2を僅かに傾けることで、キャスター40a,40bが接地する。すなわち、車体2を傾けた場合に接地点が増加することになるので、車体2を安定させることができ、走行時において車体2のバランスが崩れることがない。また、車体2を傾けた状態で乗降動作を行うことができるので、乗降動作をスムーズに行うことができる。
また、乗員Dがステップフロア9に足を載せ電動車両1に乗り込む際に、電動車両1の左右方向片側(例えば、斜面方向における下側)に大きな荷重が作用したとしても、この荷重をキャスター40a,40bによって支えることができる。そのため、車体2の姿勢を安定させた状態で乗車動作を行うことができる。これにより、電動車両1の乗車動作時に電動車両1のバランスが崩れることがないので、乗降動作等をスムーズに行うことができる。
上述した実施形態では、サスペンション部材45を介してキャスター40a,40bを連結する場合について説明したが、これに限らずステップフロア9に直接キャスター40a,40bを取り付けたり、リジッドサスペンション等の剛体を介して取り付け、キャスター40a,40bを車体2に対して所定の位置に固定可能としても構わない。この場合、車体2に対するキャスター40a,40bの角度(直線L周りの角度)は、車体2に対して相対位置変更不能に取り付けられていてもよいし、選択的に固定可能とされていてもよい。
この構成によれば、ローラ本体42a,42bは常時路面Tに接地しているのではないので、車体2を倒しやすくなる。そして、車体2を僅かに傾けることで、キャスター40a,40bが接地する。すなわち、車体2を傾けた場合に接地点が増加することになるので、車体2を安定させることができ、走行時において車体2のバランスが崩れることがない。また、車体2を傾けた状態で乗降動作を行うことができるので、乗降動作をスムーズに行うことができる。
また、乗員Dがステップフロア9に足を載せ電動車両1に乗り込む際に、電動車両1の左右方向片側(例えば、斜面方向における下側)に大きな荷重が作用したとしても、この荷重をキャスター40a,40bによって支えることができる。そのため、車体2の姿勢を安定させた状態で乗車動作を行うことができる。これにより、電動車両1の乗車動作時に電動車両1のバランスが崩れることがないので、乗降動作等をスムーズに行うことができる。
また、キャスター40a,40bを一対以上設ける構成でも構わない。
また、本発明の接地部材としては、オムニホイールやボールキャスタ等を用いても構わない。さらに、キャスター40a,40bに関わらず、電動車両1の停車時等に電動車両1を支持するためのスタンド等であってもよい。
また、本発明の接地部材としては、オムニホイールやボールキャスタ等を用いても構わない。さらに、キャスター40a,40bに関わらず、電動車両1の停車時等に電動車両1を支持するためのスタンド等であってもよい。
さらに、上述した実施形態では、前輪3及び後輪4の双方が全方向移動車両である場合について説明したが、少なくとも一方の車輪が全方向移動車両であって、他方の車輪が軸心C2周りに回転する車輪であっても構わない。この場合、後輪4が全方向移動車輪であることが好ましく、前輪3の向きを変更するために操舵機構を設けることがより好ましい。
また、上述した実施形態では、主輪20をゴム状弾性材により円環状に形成した場合について説明したが、球状やクローラ状等でもよい。また、例えば図10に示す主輪50は、円環軸体51と円環軸体51に各々円環軸体51の接線方向軸線周りに回転可能に取り付けられた複数のスリーブ52とを有している。具体的に、円環軸体51には周方向移動不可能かつ回転不能に多数のインナースリーブ53が嵌着されている。各インナースリーブ53には、メタル軸受け54を一体結合してなるスリーブ52が回転可能に装着されている。スリーブ52は、上述したフリーローラ29R,29Lに圧接されるフリーローラであって、数珠繋ぎ状に円環軸体51に装着され、各々の中心軸線周りに回転可能になっている。
この構成によれば、フリーローラ29R,29Lとの摩擦力によってスリーブ52が円環軸体51周りに回転することで、電動車両1を左右方向に移動させる一方、主輪50が軸心(主輪50全体の直径方向に直交する軸心)周りに回転することで電動車両1を前後方向に移動させることができる。
この構成によれば、フリーローラ29R,29Lとの摩擦力によってスリーブ52が円環軸体51周りに回転することで、電動車両1を左右方向に移動させる一方、主輪50が軸心(主輪50全体の直径方向に直交する軸心)周りに回転することで電動車両1を前後方向に移動させることができる。
1…電動車両 2…車体(基体) 3…前輪(第2の車輪) 4…後輪(第1の車輪) 5…着座部 40a,40b…キャスター(接地部材) C2…軸心(回転軸) D…乗員(利用者) T…路面(床面)
Claims (5)
- 基体と、
前記基体に取り付けられ、床面内における全方向に駆動可能な全方向移動車輪である第1の車輪と、
前記第1の車輪の回転軸と平行な回転軸を有する第2の車輪と、
前記第1の車輪の車輪中心点、及び前記第2の車輪の車輪中心点を結んだ直線が前後方向となるように配置された利用者の着座部とを備え、
前記基体には、前記直線の左右にて接地可能な接地部材が取り付けられていることを特徴とする電動車両。 - 前記接地部材は、前記第1の車輪の駆動に従動して前記床面内における全方向に移動可能に構成されているとともに、前記床面に接地するように付勢されていることを特徴とする請求項1記載の電動車両。
- 前記接地部材は、前記第1の車輪の駆動に従動して前記床面内における全方向に移動可能に構成されているとともに、前記基体に対して所定の位置で固定可能とされていることを特徴とする請求項1記載の電動車両。
- 前記基体に対する前記接地部材の前記直線周りの角度を測定する角度測定手段を有していることを特徴とする請求項2記載の電動車両。
- 前記着座部は、ヨー軸周りに回転可能に取り付けられるとともに、前記着座部の回転に連動して前記基体が傾動可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の電動車両。
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Cited By (2)
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JP2014015122A (ja) * | 2012-07-09 | 2014-01-30 | Honda Motor Co Ltd | 倒立振子型車両 |
JP2019209928A (ja) * | 2018-06-08 | 2019-12-12 | トピー工業株式会社 | 走行体 |
-
2009
- 2009-09-24 JP JP2009219798A patent/JP2011068219A/ja active Pending
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