JP2011068198A - エアバッグ装置を備えた車両用シート - Google Patents

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昌史 榊田
Toshihiko Tomita
俊彦 富田
Yuichi Sugimura
勇一 椙村
Naoki Kaneko
直樹 金子
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Abstract

【課題】車両用シートのシートバック3における車幅方向外側の側部にエアバッグユニット40を内蔵する場合に、エアバッグ袋体が早期にパッド35及び縫製部32の両方を破断して、出来る限り早期に安定してシートバック3の外側に展開できるようにする。
【解決手段】パッド35の縫製部32に対応する部分に、エアバッグ袋体41の展開圧により該パッド35の破断を促進させる破断促進部61を上下方向に延びるように設け、エアバッグユニット40とエアバッグユニット40よりもシート幅方向外側におけるパッド35との間に配設したカバー部材51を、該カバー部材51のシート前側端がパッド35の破断促進部61に近接した状態で該破断促進部61に略沿って上下方向に延びるように配設するとともに、エアバッグ袋体41の展開圧によりカバー部材51のシート前側端が破断促進部61及び縫製部32に対し破断力を作用させるように変形可能に形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、エアバッグ装置を備えた車両用シートに関する技術分野に属する。
従来より、車両のシートのシートバックにおける車幅方向外側の側部にエアバッグユニットを内蔵しておき、車両の側面衝突時に、そのエアバッグユニットのエアバッグ袋体を、そのシートに着座している乗員の側方(衝突により変形するドア等の車体と乗員との間)に展開させることで、衝突による衝撃力を吸収して乗員を保護するようにすることはよく知られている。このエアバッグ袋体は、例えば特許文献1に示されているように、シートバックにおける前面側表皮と側面側表皮との間の縫製部を破断して、該縫製部の破断により形成された開口からシートバックの外側に展開するように構成されている。
ここで、上記特許文献1では、シートバックにおける車幅方向外側の側部のパッド内側に、樹脂製のカバー部材が配設されている。このカバー部材は、サイドフレームに固着される取付部と、エアバッグユニットのシート前側を覆うように湾曲形成されたガイド部とを有し、カバー部材とサイドフレームとの間にエアバッグユニットが配置され、ガイド部はエアバッグユニットのシート前側を覆っている。そして、エアバッグ袋体が、その展開時にカバー部材のガイド部を押し開くことで縫製部を破断して、その縫製部の破断による開口からシートバックの外側に展開する。
特許第3020048号公報
上記特許文献1のものでは、エアバッグユニットのシート前側部分にパッドが存在せず、カバー部材のガイド部が表皮に直接当接して縫製部を破断するため、縫製部の破断が早期に行われる。しかし、エアバッグユニットのシート前側部分にパッドが存在しないため、乗員が縫製部の周囲を触ったときの感触が悪く、このため、高級感が損なわれるという問題がある。
そこで、エアバッグユニットのシート前側及びシート幅方向両側を覆うようにパッドを配設することが考えられるが、この場合、エアバッグ袋体がパッド及び縫製部の両方を早期に破断しなければならなくなる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両用シートのシートバックにおける車幅方向外側の側部に内蔵されたエアバッグユニットのエアバッグ袋体がパッド及び縫製部の両方を破断してシートバックの外側に展開する場合に、エアバッグ袋体が早期にパッド及び縫製部の両方を破断して、出来る限り早期に安定してシートバックの外側に展開できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、車両の衝突時に、シートバックにおける車幅方向外側の側部に内蔵されかつエアバッグ袋体とインフレータとを含むエアバッグユニットにおける該インフレータから該エアバッグ袋体にガスを供給することで、上記エアバッグ袋体が、上記エアバッグユニットのシート前側及びシート幅方向両側を覆うように配設されたパッドを破断しかつ上記シートバックにおける前面側表皮と車幅方向外側の側面側表皮との間の縫製部を破断して、該縫製部の破断により形成された開口からシートバックの外側に展開するように構成されたエアバッグ装置を備えた車両用シートを対象として、上記パッドの上記縫製部に対応する部分に上下方向に延びるように設けられ、上記エアバッグ袋体の展開圧により該パッドの破断を促進させる破断促進部と、上記エアバッグユニットと該エアバッグユニットよりもシート幅方向外側における上記パッドとの間においてシート前後方向に延びるように配設され、該シートバック内の第1固定部材に取り付けられたカバー部材と、を備え、上記カバー部材は、該カバー部材のシート前側端が上記破断促進部に近接した状態で該破断促進部に略沿って上下方向に延びるように配設されていて、上記エアバッグ袋体の展開圧により該カバー部材のシート前側端が上記破断促進部及び縫製部に対し破断力を作用させるように変形可能に形成されている構成とした。
上記の構成により、カバー部材のシート前側端が破断促進部に近接した状態で該破断促進部に略沿って上下方向に延びているので、エアバッグ袋体の展開圧によるカバー部材のシート外側への変形によって、カバー部材のシート前側端がパッドの破断促進部ないしその近傍を押圧して破断促進部に対し即座に破断力を作用させるとともに、側面側表皮における縫製部側の端部ないしその近傍をパッドを介して押圧して縫製部に対しも破断力を作用させる。これにより、パッドは破断促進部の箇所で即座に破断する。また、縫製部は、通常、パッドに遅れて破断するが、縫製部の破断がパッドの破断よりも遅くなった場合でも、カバー部材が、その遅くなった分だけより大きくなった展開圧を受けてシート外側へ大きく変形するので、カバー部材のシート前側端が縫製部に対しパッドを介してより大きな破断力を作用させる。この結果、パッドの破断後直ぐに縫製部も破断する。したがって、パッド及び縫製部の両方の破断が促進されて、エアバッグ袋体のシート外側への展開が早期にかつ安定して行われる。
上記車両用シートにおいて、上記破断促進部は、上記パッドにおける上記縫製部に対応する部分のシート内側面において上下方向に延びる溝部を有していることが好ましい。
これにより、溝部がパッドの破断の起点となってパッドが破断し易くなり、パッドの破断が促進される。また、パッドの厚みを厚くしても、溝部の深さを深くすることでパッドの破断を早期に行うことができるようになる。一方、このように溝部の深さを深くしても、溝部がパッドのシート内側面、つまりエアバッグユニット側の面に形成されているので、乗員が縫製部の周囲を触ったときの感触には殆ど影響がなく、パッドの厚みを厚くすることで、良好な感触が得られるようになる。
上記車両用シートにおいて、上記カバー部材よりもシート幅方向内側の上記シートバック内に配設され、上記前面側表皮よりも伸長率の低い可撓性の低伸張部材を更に備え、上記低伸張部材の一端部は、上記前面側表皮における上記縫製部側の端部ないしその近傍に取り付けられている一方、上記低伸張部材の他端部は、上記シートバック内の第2固定部材に取り付けられており、上記カバー部材と上記低伸張部材との間に、上記エアバッグユニットが配設されていることが好ましい。
このことにより、カバー部材と低伸張部材との間にエアバッグユニットが配設されているので、エアバッグ袋体が、その展開圧により、カバー部材及び低伸張部材を互いに反対側へ押圧し、これにより、伸び難い低伸張部材が、前面側表皮における縫製部側の端部を、カバー部材によりパッドを介して押圧される側面側表皮に引っ張られて移動しないように拘束する。したがって、縫製部の破断がより一層促進されて、エアバッグ袋体のシート外側への展開が早期にかつ安定して行われる。
上記車両用シートが上記低伸張部材を備えている場合、上記低伸張部材の一端部は、上下方向において、上記カバー部材のシート前側端が位置する範囲の一部に位置していることが好ましい。
これにより、縫製部の一部(低伸張部材の一端部が取り付けられている部分)に破断力が集中して、その破断力が集中した部分が縫製部の破断の起点となる。このように破断の起点を作ることで、縫製部の破断がより一層促進される。
上記低伸張部材の一端部は、上下方向において、上記カバー部材のシート前側端が位置する範囲の略中央部に位置していることが好ましい。
こうすれば、エアバッグ袋体を、展開させたい所望の高さ位置に素早く展開させることができる。すなわち、低伸張部材の一端部(つまり破断の起点)が、カバー部材の前側端が位置する範囲の中央部よりも上側又は下側にあったとすると、エアバッグ袋体は、縫製部において最初に開口する起点の箇所からシートバックの外側へ展開しようとするので、当初は所望の高さ位置に対して上側又は下側へずれて展開する傾向にある。そして、最終的には上記破断による開口がエアバッグユニットと略同じ高さ位置に形成されて、エアバッグ袋体が所望の高さ位置に展開することになるが、エアバッグ袋体を所望の高さ位置に出来る限り正確にかつ素早く展開させるためには、低伸張部材の一端部が、上下方向において、カバー部材の前側端が位置する範囲の略中央部に位置していることが好ましい。
上記車両用シートにおいて、上記カバー部材は、上記エアバッグユニットの側方位置から上記破断促進部に向かってほぼ真っ直ぐに前側に延びていることが好ましい。
このことで、カバー部材の変形時に、カバー部材のシート前側端をシート幅方向外側に大きく変形させることができ、破断促進部及び縫製部に対し大きな破断力を作用させることができる。また、カバー部材がほぼ真っ直ぐに延びていることで、エアバッグ袋体のシート前側への展開を邪魔することなく容易にシート幅方向外側に変形し、よって、エアバッグ袋体の展開が早期にかつスムーズに行われる。
上記車両用シートにおいて、上記カバー部材は、上記エアバッグユニットを収容する収容部を有していて、該収容部にエアバッグユニットを収容した状態で、上記第1固定部材に取付け可能に構成されていることが好ましい。
このようにすれば、エアバッグユニットとカバー部材とを同時に第1固定部材(例えばシートバックフレームや、シートバックフレームに固定されるブラケット等)に取り付けることができ、よって、エアバッグユニット及びカバー部材の組付性を向上させることができる。
上記車両用シートが上記低伸張部材を備えている場合、上記破断促進部は、上記パッドをシート前後方向に貫通するスリットを有し、上記低伸張部材は、上記エアバッグユニットと該エアバッグユニットよりもシート幅方向内側における上記パッドとの間に配設されていて、上記スリットを通って該パッドのシート内側から外側へ延びており、上記低伸張部材の上記他端部は、上記第2固定部材としてのシートバックフレームに取り付けられていることが好ましい。
このことにより、低伸張部材がパッドを介することなく直接にエアバッグ袋体により押圧されるので、前面側表皮における縫製部側の端部が側面側表皮と共に移動しないように、より一層早期に拘束することができるようになる。また、低伸張部材の他端部が、剛性の高いシートバックフレームに取り付けられるので、上記拘束を安定して行うことが可能になる。さらに、スリットによってパッドの破断が促進されるとともに、カバー部材と低伸張部材とによって、破断促進部(スリット)に互いに逆向きの破断力を作用させることができ、パッドを更に早期に破断させることができる。
上記のように上記低伸張部材の上記他端部をシートバックフレームに取り付ける場合、上記低伸張部材の上記他端部は、上記シートバックフレームのシート後側部分に取り付けられていることが好ましい。
このことで、低伸張部材の他端部のシートバックフレームへの取付性を向上させることができる。すなわち、シートの製造時において、低伸張部材は、前面側表皮に予め取り付けられている。そして、パッド、エアバッグユニット、カバー部材等の組付後に、低伸張部材の一端部が予め取り付けられた前面側表皮をシート前側からパッドに被せる。このため、低伸張部材の他端部のシートバックフレームへの取付作業は、通常、シート背面側から行うことになる。したがって、低伸張部材の他端部をシートバックフレームのシート後側部分に取り付けるようにすれば、その取付作業をシート背面側から容易に行うことができるようになる。
以上説明したように、本発明のエアバッグ装置を備えた車両用シートによると、カバー部材を、該カバー部材のシート前側端がパッドの破断促進部に近接した状態で該破断促進部に略沿って上下方向に延びるように配設するとともに、エアバッグ袋体の展開圧により該カバー部材のシート前側端が破断促進部及び縫製部に対し破断力を作用させるように変形可能に形成したことにより、パッド及び縫製部の両方の破断を促進することができて、エアバッグ袋体をシートバックの外側へ早期にかつ安定的に展開させることができる。また、縫製部の周囲を含むシート内側にはパッドが存在するため、良好な質感を確保することができる。
本発明の実施形態に係る車両用シートのシートバックの内部構成を示す、シート右側後方から見た斜視図である。 シートバックの右側部分を左右方向に沿って切断した横断面図である。 エアバッグ袋体の展開時の状態を示す図2相当図である。 低伸張部材の変形例を示す図2相当図である。 低伸張部材の更に別の変形例を示す図2相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る車両用シート1のシートバック3の内部構成を示す。このシート1は、本実施形態では、自動車等の車両の前席右側のシート(運転席シート又は助手席シート)であって、車両のフロアパネル上にシート1の幅方向(左右方向)が車幅方向と一致するように設置される。このシート1の右側は、車幅方向外側であって、図1及び図2の右側に相当し、シート1の左側は、車幅方向内側であって、図1及び図2の左側に相当する。また、シート1の前側は、車両の前側に一致し、シート1の後側は、車両の後側に一致する。以下、シート1の前、後、左及び右を、それぞれ単に前、後、左及び右という。
上記シート1は、シートクッション2、シートバック3及びヘッドレスト4を有する。シートバック3は、シートクッション2の後側端部に設けた不図示のナックル部材を介して、左右方向に延びる軸周りに回転可能に連結されていて、シートクッション2に対してシートバック3の角度調整を行うことができるようになっている。また、シートクッション2は、上記フロアパネルに対する車両前後方向の位置を調整することが可能になっている。
上記シートバック3内には、略矩形枠状のシートバックフレーム11が配設されている。このシートバックフレーム11は、シートバック3の左右両側の側面の近傍においてそれぞれ上下方向に延びる左右のサイドフレーム12,13と、これら両サイドフレーム12,13の上端部同士を連結する、上方に突出する略アーチ状をなして左右方向に延びる円管状のアッパクロスメンバ14と、両サイドフレーム12,13の下端部同士を連結する、左右方向に直線状に延びる断面円形のロアクロスメンバ15とを有している。
上記両サイドフレーム12,13は、板材で構成されている。これら両サイドフレーム12,13における下端部からアッパクロスメンバ14の下端部との連結部の直ぐ下側にかけての部分は、アッパクロスメンバ14の下端部の延長線よりも前側に突出している。両サイドフレーム12,13の該突出部分は、後述の左右2つのサイドサポート部6にそれぞれ対応した位置に設けられている。
上記シートバック3の前面における左右両側の端部には、左右方向中央部の背凭れ面よりも前方(車両前方)に突出しかつ上下方向に延びる左サイドサポート部(図示省略)及び右サイドサポート部6がそれぞれ設けられている。シート側面視で、右サイドサポート部6の前側端は、上下方向中間部の方が上端部及び下端部よりも大きく前方に突出するような湾曲状に形成されている。また、シートバック3の横断面視で(図2参照)、右サイドサポート部6の前側の面は、該右サイドサポート部6の左右方向中間部を頂点6aとするような略三角形状をなしている。上記頂点6aが、シート側面視での右サイドサポート部6の前側端となる部分である。尚、左サイドサポート部も、右サイドサポート部6と同様の形状(シートバック3の左右方向中央に対して右サイドサポート部6とは対称の形状)である。
上記シートバック3の外側面は表皮31で構成されている。この表皮31は、複数のパーツで構成されていて、シートバック3の前面に位置する前面側表皮31aと、シートバックの左右両側の側面にそれぞれ位置する左側面側表皮(図示省略)及び右側面側表皮31bと、シートバック3の背面(後面)に位置する背面側表皮31cとを含む。前面側表皮31a、左側面側表皮及び右側面側表皮31bの直ぐシート内側には、パッド35が配設されている。
上記前面側表皮31aの左側端部は左側面側表皮の前側端部と縫製され、前面側表皮31aの右側端部は右側面側表皮31bの前側端部と縫製されている。また、背面側表皮31cの左側端部は左側面側表皮の後側端部と縫製され、背面側表皮31cの右側端部は右側面側表皮31bの後側端部と縫製されている。前面側表皮31aの右側端部と右側面側表皮31bの前側端部との間の縫製部32(図2参照)は、後述の如くエアバッグ袋体41の展開時にその展開圧により破断されるようになっている。
前面側表皮31aの右側端部と右側面側表皮31bの前側端部とはシート内側に折り曲げられて互いに重ね合わされており、それら重ね合わせ部分が互いに糸で縫い合わされることで縫製部32が形成される。この縫製部32は、シートバック3の横断面視で、上記頂点6aに対して後側でかつシート幅方向外側(右側)に位置している。また、縫製部32は、シートバック3の側面視で、頂点6aと同様の湾曲状をなしている。
上記シートバック3における車幅方向外側の側部(右側側部)に、エアバッグ装置のエアバッグユニット40が配設されている。このエアバッグユニット40は、右サイドフレーム13に沿って上下方向に延びている。また、エアバッグユニット40は、折り畳まれた状態にあるエアバッグ袋体41と、右サイドフレーム13に沿って上下方向に延びかつエアバッグ袋体41にガスを供給するインフレータ42とを含む。このインフレータ42は、インフレータ保持部材43を介して、右サイドフレーム13の前側部分(右サイドフレーム13における後側端部を除く後側部分よりもシート幅方向内側に位置する)に取付固定されている。すなわち、インフレータ42を保持するインフレータ保持部材43には、スタッドボルト43aが設けられており、このスタッドボルト43aが後述のカバー部材51のユニット保持部51bと右サイドフレーム13とを貫通して、ナット44で締め付けられている。この取付構造により、インフレータ42はカバー部材51と共にシートバックフレーム11における右サイドフレーム13に取付固定されることになる。
上記エアバッグ袋体41及びインフレータ42は、エアバッグ袋体41の展開圧により破断する紙45で覆われており、これにより、エアバッグ袋体41の折り畳まれた状態が維持されるようになされている。
上記エアバッグ装置は、車両に搭載された、CPU等を有する不図示の制御装置によって作動される。すなわち、車両の右側側部の車体(センターピラー等)には、車両の衝突(特に側面衝突)による衝撃力を検出する衝突センサ(加速度センサ等)が配設されている。この衝突センサにより所定値(乗員を保護する必要がある値)以上の衝撃力が検出されたときに、上記制御装置がインフレータ42を作動(点火)させ、これにより、インフレータ42からエアバッグ袋体41にガスが供給されて、エアバッグ袋体41が前側へ向かって展開する。
上記エアバッグユニット40の前側及びシート幅方向両側は上記パッド35により覆われている。このパッド35におけるエアバッグユニット40のシート幅方向外側(右側)の部分は、右側面側表皮31bに沿って前後方向に延び、エアバッグユニット40よりも後側では、右サイドフレーム13に略当接するように厚みが増大している。このパッド35における右側面側表皮31bに沿って前後方向に延びる部分の後側端部は、右サイドフレーム13の後側端部を覆わない位置に位置しており、後述のナット58の締め付けの邪魔にならないようになされている。
上記パッド35における上記縫製部32に対応する部分には、破断促進部61が上下方向に延びるように設けられている。この破断促進部61は、本実施形態では、上記パッド35における上記縫製部32に対応する部分のシート内側面(エアバッグユニット40側の面)において上下方向に延びる溝部61aと、上記パッド35をシート前後方向に貫通するスリット61bとを有している。
上記破断促進部61は、パッド35におけるエアバッグユニット40の前側の右寄り部分に位置していて、エアバッグユニット40と略同じ高さ位置にある(溝部61aも同様)。破断促進部61におけるパッド35前側の面は、シートバック3の側面視で、縫製部32に沿って湾曲状をなしている。そして、溝部61aの底面も、そのパッド35前側の面(つまり縫製部32)に沿うように湾曲状をなしており、溝部61aの底面とパッド35前側の面との間の距離が、上下方向において変化しないようになされている。
上記スリット61bは、溝部61aに連続するように溝部61aの底面から前側に延びてパッド35の前側の面(シート外側の面)に開口している。スリット61bは、上下方向において、溝部61aが位置する範囲の一部に位置している。本実施形態では、スリット61bは、後述の低伸張部材55の一端部の高さ位置に対応して、溝部61aが位置する範囲の略中央部に位置する。
上記エアバッグユニット40と該エアバッグユニット40よりもシート幅方向外側における上記パッド35との間には、シート前後方向に延びるカバー部材51が配設されている。本実施形態では、カバー部材51は、サーモプラスチックオレフィン(TPO)等の樹脂で構成されている。このカバー部材51は、エアバッグユニット40よりもシート幅方向外側におけるパッド35のシート内側面に沿って前後方向に延びるように配設されている。また、カバー部材51は、エアバッグユニット40に対応する高さ位置(エアバッグユニット40と略同じ高さ位置)に配設されていて、シート側面視で、エアバッグユニット40全体を覆っている。すなわち、カバー部材51は、エアバッグ袋体41のシートバック3内での上下方向展開範囲(エアバッグ袋体41がシートバック3の外側に出るまでの上下方向展開範囲)に対応した位置に配設されている。
上記カバー部材51は、該カバー部材51の前側端が上記破断促進部61に近接した状態で該破断促進部61に略沿って上下方向に延びるように配設されている。すなわち、カバー部材51の前側端は、破断促進部61の溝部61aと略同じ高さ位置にあって、溝部61aの右側側面に近接して該溝部61aの右側側面に略沿っているとともに、溝部61aの底面にも近接して該溝部61aの底面に略沿うように、カバー部材51の上下方向中間部が上端部及び下端部よりも前側となるような湾曲状に形成されている。
上記カバー部材51は、破断促進部61に近接した上記前側端から、エアバッグユニット40の右側側方を通ってエアバッグユニット41の直ぐ後側の位置まで延びている。この前後方向に延びる部分は、後述の如くエアバッグ袋体41の展開圧により変形する変形部51aとされている。この変形部51aの後側端部には、エアバッグユニット40を保持するためのユニット保持部51bが形成されている。このユニット保持部51bは、シート幅方向内側に延びた後に折れ曲がって右サイドフレーム13に沿って前側へ延びている。このユニット保持部51bと変形部51aとの間に、エアバッグユニット40を収容する収容部51cが形成され、この収容部51cにエアバッグユニット40が収容されて保持される。そして、上述の如くインフレータ42を右サイドフレーム13の前側部分に取付固定する際に、カバー部材51のユニット保持部51bも右サイドフレーム13に共締めされる。このような構成により、カバー部材51を、収容部51dにエアバッグユニット40を収容した状態で、右サイドフレーム13に取り付けることができる。シートバックフレーム11の右サイドフレーム13は、カバー部材51が取り付けられる第1固定部材に相当する。
上記変形部51aは、エアバッグユニット40の側方位置から破断促進部61の溝部61aに向かってほぼ真っ直ぐに前側に延びている。そして、変形部51aは、エアバッグ袋体41の展開時に、その展開圧を受けて、変形部51aの後側端近傍を基端とする片持ち梁の如くシート外側(特にシート幅方向外側)へ変形する。この変形部51aの変形により、変形部51aの前側端(カバー部材51の前側端)が破断促進部61の溝部61aの右側側面をシート外側(特にシート幅方向外側)へ押圧することになる。この押圧により、破断促進部61に破断力が作用するとともに、右側面側表皮31bにおける縫製部32側の端部(前側端部)ないしその近傍がパッド35を介してシート外側(特にシート幅方向外側)へ押圧されて、縫製部32にも破断力が作用する。すなわち、カバー部材51(変形部51a)は、エアバッグ袋体41の展開圧によりカバー部材51の前側端(変形部51aの前側端)が破断促進部61及び縫製部32に対し破断力を作用させるように変形可能に形成されている。尚、変形部51aは、上記のように前後方向にほぼ真っ直ぐに延びる直線形状である必要はなく、例えば前側に向かってシート幅方向内側に湾曲していてもよい。但し、変形部51aは、上記のような直線形状であることが好ましい。これは、変形部51aの変形時に、変形部51aの前側端がシート幅方向外側に大きく変形するとともに、エアバッグ袋体41の前側への展開を邪魔することなく容易にシート幅方向外側に変形するからである。
上記カバー部材51よりもシート幅方向内側のシートバック3内には、前面側表皮31aよりも伸長率の低い可撓性の低伸張部材55が配設されている。本実施形態では、この低伸張部材55は、前面側表皮31aよりも伸び難い布製のシート状部材で構成されている。低伸張部材55の一端部は、前面側表皮31aにおける縫製部32側の端部(右側端部)に縫製により取り付けられている。本実施形態では、低伸張部材55の一端部は、縫製部32の糸と同じ糸を用いて前面側表皮31aの右側端部に縫製されている。尚、低伸張部材55の一端部は、縫製部32の糸とは別の糸で前面側表皮31aの右側端部に縫製により取り付けてもよく、糸を用いないで、例えば接着により取り付けてもよい。また、低伸張部材55の一端部は、前面側表皮31aの右側端部の近傍に取り付けてもよい。
低伸張部材55は、エアバッグユニット40のシート幅方向内側(エアバッグユニット40と該エアバッグユニット40よりもシート幅方向内側のパッド35との間)に配設されている。このことで、カバー部材51と低伸張部材55との間に、エアバッグユニット40が配設されることになる。
低伸張部材55の一端部側は、エアバッグユニット40の前側を横切った後、破断促進部61の溝部61a及びスリット61bを通ってパッド35のシート内側から外側へ延びて、スリット61bから出た直後に縫製部32に取り付けられる。
一方、低伸張部材55の他端部側は、右サイドフレーム13のシート幅方向内側を通って右サイドフレーム13の後側端部近傍まで延び、低伸張部材55の他端部が、取付金具56を介して右サイドフレーム13の後側端部に取付固定されている。すなわち、L字状をなす取付金具56の前側端部には、低伸張部材55が挿通される部材挿通孔56aが形成されており、低伸張部材55が部材挿通孔56aに挿通された後に折り返されて、その折返し部分と、低伸張部材55における該折返し部分に対向する部分とが互いに縫製される。また、右サイドフレーム13の後側端部には、予めスタッドボルト57が固定されて後方に突出している。一方、取付金具56のスタッドボルト57に対応する部分には、ボルト挿通孔56bが形成されており、このボルト挿通孔56bに上記スタッドボルト57を通して、該スタッドボルト57にナット58を締め付ける。
上記ナット58の締付け時には、既にエアバッグユニット40及びカバー部材51が右サイドフレーム13に取り付けられている。これは、シート1の製造過程で、パッド35、エアバッグユニット40、カバー部材51等の組付後に、低伸張部材55の一端部が予め取り付けられた前面側表皮31aを前側からパッド35に被せるからである。ここで、低伸張部材55の他端部には予め取付金具56を取り付けておく。そして、前面側表皮31aをパッド35に被せるときに、低伸張部材55の他端部(取付金具56)をシート背面側から後側へ引っ張り、取付金具56のボルト挿通孔56bにスタッドボルト57を通す。その後に、スタッドボルト57にナット58を締め付けることで、低伸張部材55の他端部を右サイドフレーム13に取り付ける。本実施形態では、右サイドフレーム13は、第1固定部材兼第2固定部材に相当する。
上記のように低伸張部材55の他端部を右サイドフレーム13の後側部分(特に後側端部)に取り付けるようにすれば、低伸張部材55の他端部の右サイドフレーム13への取付作業をシート背面側から容易に行うことができるようになる。但し、必ずしも低伸張部材55の他端部を右サイドフレーム13の後側部分に取り付ける必要はなく、右サイドフレーム13の前側部分に取り付けるようにしてもよい。或いは、低伸張部材55の他端部を、右サイドフレーム13に固定されるブラケット等に固定するようにしてもよい。
上記低伸張部材55は、エアバッグ袋体41の展開時に、その展開圧により前側でかつシート幅方向内側に押圧される。これにより、伸び難い低伸張部材55が、破断促進部61の溝部61aの左側側面を、カバー部材51の変形部51aによりシート幅方向外側へ押圧される溝部61aの右側側面に引っ張られて移動しないように拘束するとともに、前面側表皮31aの縫製部32側の端部を、変形部51aによりパッド35を介してシート幅方向外側へ押圧される右側面側表皮31bに引っ張られて移動しないように拘束する。したがって、パッド35におけるスリット61bの上側及び下側部分が溝部61aを起点として前側へ破断していくとともに、変形部51aにより押圧される右側面側表皮31bと、低伸張部材55により拘束された前面側表皮31aとの間の縫製部32が早期に破断することになる。
ここで、低伸張部材55の一端部は、上下方向において、カバー部材51の前側端(変形部51aの前側端)が位置する範囲の一部(本実施形態では、変形部51aの前側端が位置する範囲の略中央部)に位置していて、前面側表皮31aにおける縫製部32側の端部(右側端部)に、縫製部32に沿うように取り付けられている。すなわち、低伸張部材55の一端部の縫製部32に沿った長さが、変形部51aの前側端の溝部61a底面(つまり縫製部32)に沿った長さよりも短くなっている。これにより、縫製部32の一部(低伸張部材55の一端部が取り付けられている部分)に破断力が集中して、その破断力が集中する部分が縫製部32の破断の起点となる。本実施形態では、低伸張部材55は、その長さ方向全体が、上下方向において、カバー部材51の前側端が位置する範囲の略中央部に位置する。これにより、スリット61bは上下方向において、変形部51aの前側端が位置する範囲(つまり溝部61aが位置する範囲)の一部に位置することになる。尚、低伸張部材55の一端部は、上下方向において、変形部51aの前側端が位置する範囲の略中央部に位置している必要は必ずしもなく、変形部51aの前側端が位置する範囲の一部に位置していればよい。また、低伸張部材55の長さ方向全体が、上下方向において、カバー部材51が位置する範囲の略中央部に位置している必要はなく、カバー部材51が位置する範囲の一部に位置していればよい。
次に、上記エアバッグ装置の動作について説明する。
車両が衝突されて、衝突センサにより所定値以上の衝撃力が検出されると、制御装置は、インフレータ42を作動(点火)させる。これにより、インフレータ42にガスが発生し、このガスがエアバッグ袋体41に供給されて、エアバッグ袋体41が展開する。このエアバッグ袋体41が、その展開圧(ガス圧)によって紙45の前側部分を破り、シートバック3内で膨張展開する。このとき、エアバッグ袋体41が、カバー部材51の変形部51aをシート幅方向外側へ押圧するとともに、低伸張部材55を前側でかつシート幅方向内側に押圧する。そして、上記変形部51aは、エアバッグ袋体41による上記押圧によりシート幅方向外側へ変形し、この変形によって変形部51aの前側端が溝部61aの右側側面をシート幅方向外側へ押圧する。このとき、溝部61aの左側側面は、低伸張部材55による拘束により、溝部61aの右側側面と共にシート幅方向外側へ移動することはできない。したがって、パッド35におけるスリット61bの上側及び下側部分が溝部61aを起点として前側へ破断していき、パッド35が破断促進部61で早期に破断する。
また、上記変形部51aの変形により、右側面側表皮31bにおける縫製部32側の端部(前側端部)ないしその近傍がパッド35を介してシート幅方向外側へ押圧される。このとき、前面側表皮31aの縫製部32側の端部(右側端部)は、低伸張部材55による拘束により、右側面側表皮31bと共にシート幅方向外側へ移動することはできない。したがって、縫製部32の破断も促進される。この縫製部32は、通常、パッド35に遅れて破断するが、縫製部32の破断がパッド35の破断よりも遅くなった場合でも、変形部51aが、その遅くなった分だけより大きくなった展開圧を受けてシート幅方向外側へ大きく変形するので、変形部51aの前側端が縫製部32に対しパッド35を介してより大きな破断力を作用させる。この結果、パッド35の破断後直ぐに縫製部32も破断する。こうして縫製部32の破断により形成された開口からエアバッグ袋体41がシートバック3の外側に展開する(図3参照)。
また、縫製部32の一部に破断力を集中させて縫製部32の破断の起点を作り、これにより、縫製部32は、その起点から上下両側に破断していき、やがてエアバッグ袋体41が通過可能な長さの開口が、エアバッグユニット40と略同じ高さ位置に形成される。このように破断の起点を作ることで、縫製部32の破断がより一層促進され、エアバッグ袋体41をシートバック3の外側へ安定して展開させることができる。
さらに、低伸張部材55の一端部(つまり破断の起点)が、上下方向において、カバー部材51の前側端(変形部51aの前側端)が位置する範囲の略中央部に位置するので、エアバッグ袋体41を、展開させたい所望の高さ位置に素早く展開させることができる。すなわち、破断の起点が、カバー部材51の前側端が位置する範囲の中央部に対して上側又は下側にあったとすると、エアバッグ袋体41は、縫製部32において最初に開口する起点の箇所からシートバック3の外側へ展開しようとするので、当初は所望の高さ位置に対して上側又は下側へずれて展開する傾向にある。そして、最終的には上記破断による開口がエアバッグユニット40と略同じ高さ位置に形成されて、エアバッグ袋体41が所望の高さ位置に展開することになるが、エアバッグ袋体41を所望の高さ位置に出来る限り正確にかつ素早く展開させるためには、低伸張部材55の一端部が、上下方向において、カバー部材51の前側端が位置する範囲の略中央部に位置していることが好ましい。
上記開口からシートバック3の外側に展開したエアバッグ袋体41は、そのまま前側へ展開し続け、最終的には、シート1に着座している乗員の側方、つまり該乗員と、衝突により乗員側へ変形しようとするドア等の車体との間に展開する(図1参照)。この展開状態で、エアバッグ袋体41は、乗員の胸部から腰部の下側部分までの高さ位置に位置して、乗員の胸部及び腰部を保護する。
したがって、本実施形態では、カバー部材51及び低伸張部材55により、パッド35及び縫製部32の破断を促進することができて、エアバッグ袋体41のシートバック3外側への展開を早期にかつ安定的に行わせることができる。
尚、上記実施形態では、カバー部材51を樹脂製としたが、これに限らず、エアバッグ袋体41の展開圧によりカバー部材51の前側端が破断促進部61及び縫製部32に対し破断力を作用させるように変形可能であれば、どのような材料(例えば鉄等の金属)で構成してもよい。
また、低伸張部材55は、布製に限らず、前面側表皮31aよりも伸長率の低い可撓性のもの(スペースや取り回しの観点から厚みが薄いシート状部材が好ましい)であれば、どのような材料で構成してもよい。
さらに、低伸張部材55は、パッド35とエアバッグユニット40との間に配設する必要は必ずしもなく、例えば図4に示すように、前面側表皮31aの右サイドサポート部6に相当する部分とパッド35との間に配設してもよい。この場合、低伸張部材55の一端部は、上記実施形態と同様に、前面側表皮31aにおける縫製部32側の端部ないしその近傍に取り付けられるが、低伸張部材55の他端部は、パッド35内における右サイドサポート部6の基端部に相当する部分に上下方向に延びるように配設されかつパッド35を補強する補強ワイヤ36、又は、その補強ワイヤ36の後側におけるパッド35外で上下方向に延びる補強ワイヤ37に取付固定してもよい(図4では、補強ワイヤ36に取付固定している)。これら補強ワイヤ36,37は、間接的にシートバックフレーム11に固定されていて、低伸張部材55の他端部が取り付けられる第2固定部材に相当する。パッド35における低伸張部材55が通る部分には、予めスリットを形成しておけばよい。このように低伸張部材55の他端部を補強ワイヤ36又は補強ワイヤ37に取付固定する場合には、図4に示すように、パッド35における右側面側表皮31bに沿って前後方向に延びる部分の後側端部が、右サイドフレーム13の後側端部を覆っていてもよい。
また、図5に示すように、上記のように前面側表皮31aとパッド35との間に配設された低伸張部材55の他端部を補強ワイヤ36又は補強ワイヤ37に取付固定する代わりに、該低伸張部材55を、パッド35における右サイドサポート部6の基端部に相当する部分を通過した後に右サイドフレーム13のところまで延びるようにして、上記実施形態と同様に、その低伸張部材55の他端部を右サイドフレーム13に取付固定するようにしてもよい。
上記のように低伸張部材55を前面側表皮31aとパッド35との間に配設する場合には、破断促進部61のスリット61bをそのまま残してもよく、なくしてもよい(図4では、スリット61bを残している)。上記のような低伸張部材55の配置の場合、破断促進部61には低伸張部材55による拘束力が作用しないが、溝部61aの深さを適切に設定することで、カバー部材51による破断力でパッド35の破断を促進することができる。或いは、溝部61aに代えて、又は溝部61aに加えて、破断促進部61を他の部分よりも硬質の破断し易いパッド材料で構成することで、パッド35の破断を促進することができるようになる。この硬質のパッド材料で構成した破断促進部61は、溝部61aがない場合には、少なくともパッド35の内側部分に設ければよく、溝部61aがある場合には、溝部61aの底面からパッド35の前側の面にかけての部分(スリット61bがある場合には、スリット61bを含めてその上下両側部分)に設ければよい。上記硬質のパッド材料は、上記実施形態の構成にも適用可能である。
また、低伸張部材55は必ずしも必要なものではなくて、低伸張部材55をなくすことも可能である。この場合、上記のように溝部61aの深さを適切に設定する等することで、カバー部材51による破断力でパッド35の破断を促進することができる。また、カバー部材51の前側端を縫製部32に出来る限り近付ける(例えば溝部61aの深さを大きくする)等することで、カバー部材51による破断力で縫製部32の破断も促進することができる。
また、上記実施形態では、エアバッグユニット40を、カバー部材51と共に右サイドフレーム13に取付固定したが、カバー部材51とは別に、右サイドフレーム13、又は、該右サイドフレーム13に取付固定されたブラケット等に取付固定するようにしてもよい。また、カバー部材51を、右サイドフレーム13に取付固定されたブラケット(エアバッグユニット40を取り付けるブラケットと同じであってもよく、異なっていてもよい)等に取付固定することも可能である。
また、上記実施形態では、車両の前席右側のシートを例に説明したが、これに限らず、車両の前席左側のシート(該シートの左側側部にエアバッグユニットが配設される)や、後席シートであってもよい。
本発明は、エアバッグ袋体が、エアバッグユニットのシート前側及びシート幅方向両側を覆うように配設されたパッドを破断しかつシートバックにおける前面側表皮と車幅方向外側の側面側表皮との間の縫製部を破断して、該縫製部の破断により形成された開口からシートバックの外側に展開するように構成されたエアバッグ装置を備えた車両用シートに有用である。
1 車両用シート
3 シートバック
11 シートバックフレーム
13 右サイドフレーム(第1及び第2固定部材の一例)
31 表皮
31a 前面側表皮
31b 右側面側表皮(車幅方向外側の側面側表皮)
31c 背面側表皮
32 縫製部
35 パッド
36 補強ワイヤ(第2固定部材の一例)
37 補強ワイヤ(第2固定部材の一例)
40 エアバッグユニット
41 エアバッグ袋体
42 インフレータ
51 カバー部材
51a 変形部
51b ユニット保持部
51c 収容部
55 低伸張部材
61 破断促進部
61a 溝部
61b スリット

Claims (9)

  1. 車両の衝突時に、シートバックにおける車幅方向外側の側部に内蔵されかつエアバッグ袋体とインフレータとを含むエアバッグユニットにおける該インフレータから該エアバッグ袋体にガスを供給することで、上記エアバッグ袋体が、上記エアバッグユニットのシート前側及びシート幅方向両側を覆うように配設されたパッドを破断しかつ上記シートバックにおける前面側表皮と車幅方向外側の側面側表皮との間の縫製部を破断して、該縫製部の破断により形成された開口からシートバックの外側に展開するように構成されたエアバッグ装置を備えた車両用シートであって、
    上記パッドの上記縫製部に対応する部分に上下方向に延びるように設けられ、上記エアバッグ袋体の展開圧により該パッドの破断を促進させる破断促進部と、
    上記エアバッグユニットと該エアバッグユニットよりもシート幅方向外側における上記パッドとの間においてシート前後方向に延びるように配設され、該シートバック内の第1固定部材に取り付けられたカバー部材と、
    を備え、
    上記カバー部材は、該カバー部材のシート前側端が上記破断促進部に近接した状態で該破断促進部に略沿って上下方向に延びるように配設されていて、上記エアバッグ袋体の展開圧により該カバー部材のシート前側端が上記破断促進部及び縫製部に対し破断力を作用させるように変形可能に形成されていることを特徴とするエアバッグ装置を備えた車両用シート。
  2. 請求項1記載のエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、
    上記破断促進部は、上記パッドにおける上記縫製部に対応する部分のシート内側面において上下方向に延びる溝部を有していることを特徴とするエアバッグ装置を備えた車両用シート。
  3. 請求項1又は2記載のエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、
    上記カバー部材よりもシート幅方向内側の上記シートバック内に配設され、上記前面側表皮よりも伸長率の低い可撓性の低伸張部材を更に備え、
    上記低伸張部材の一端部は、上記前面側表皮における上記縫製部側の端部ないしその近傍に取り付けられている一方、上記低伸張部材の他端部は、上記シートバック内の第2固定部材に取り付けられており、
    上記カバー部材と上記低伸張部材との間に、上記エアバッグユニットが配設されていることを特徴とするエアバッグ装置を備えた車両用シート。
  4. 請求項3記載のエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、
    上記低伸張部材の一端部は、上下方向において、上記カバー部材のシート前側端が位置する範囲の一部に位置していることを特徴とするエアバッグ装置を備えた車両用シート。
  5. 請求項4記載のエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、
    上記低伸張部材の一端部は、上下方向において、上記カバー部材のシート前側端が位置する範囲の略中央部に位置していることを特徴とするエアバッグ装置を備えた車両用シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、
    上記カバー部材は、上記エアバッグユニットの側方位置から上記破断促進部に向かってほぼ真っ直ぐに前側に延びていることを特徴とするエアバッグ装置を備えた車両用シート。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載のエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、
    上記カバー部材は、上記エアバッグユニットを収容する収容部を有していて、該収容部にエアバッグユニットを収容した状態で、上記第1固定部材に取付け可能に構成されていることを特徴とするエアバッグ装置を備えた車両用シート。
  8. 請求項3〜5のいずれか1つに記載のエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、
    上記破断促進部は、上記パッドをシート前後方向に貫通するスリットを有し、
    上記低伸張部材は、上記エアバッグユニットと該エアバッグユニットよりもシート幅方向内側における上記パッドとの間に配設されていて、上記スリットを通って該パッドのシート内側から外側へ延びており、
    上記低伸張部材の上記他端部は、上記第2固定部材としてのシートバックフレームに取り付けられていることを特徴とするエアバッグ装置を備えた車両用シート。
  9. 請求項8記載のエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、
    上記低伸張部材の上記他端部は、上記シートバックフレームのシート後側部分に取り付けられていることを特徴とするエアバッグ装置を備えた車両用シート。
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