JP2011067086A - ステッピングモータ制御回路及びアナログ電子時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主駆動パルスによってステッピングモータを回転駆動した後の回転検出時間T2において、高インピーダンス素子及び前記ステッピングモータの駆動コイルを含む第1閉回路と低インピーダンス素子及び前記駆動コイルを含む第2閉回路とを所定時間比で交互に切り換えることによって前記ステッピングモータが発生する誘起信号VRsを検出し、誘起信号VRsが所定の基準しきい電圧Vcompを超えたか否かに基づいて前記ステッピングモータが回転したか否かを判定して前記ステッピングモータを回転制御するステッピングモータ制御回路において、回転検出時間T2を第1デューティ区間と前記第1デューティ区間よりも後の第2デューティ区間に区分し、前記第1閉回路と第2閉回路の構成時間比であるデューティ比を第1デューティ区間よりも第2デューティ区間において小さくする。
【選択図】 図6
Description
前記デューティ比が大きいときにモーメントの大きい時刻針を装着している場合、非回転の場合には本来は回転速度が遅く誘起信号VRs出力が小さくなるはずであるが、十分な制動をきかせることができないため、回転検出時間の後半において高い誘起信号VRsが生じてしまい、回転誤検出(非回転なのに回転と検出し、運針ミス)が生じるという問題がある(図11参照)。
本発明に係るアナログ電子時計によれば、回転状況に応じた回転検出動作を行うことが可能になるため、正確な運針動作を行うことが可能になる。
図1は、本発明の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路を用いたアナログ電子時計のブロック図で、アナログ電子腕時計の例を示している。
図1において、アナログ電子時計は、ステッピングモータ制御回路101、時刻針等を回転駆動するステッピングモータ102、電池によって構成された電源103を備えている。
ここで、発振回路104、分周回路105、制御回路106、駆動パルス回路107及び回転検出手段108は制御手段を構成している。
図2において、ステッピングモータ102は、ロータ収容用貫通孔203を有するステータ201、ロータ収容用貫通孔203に回転可能に配設されたロータ202、ステータ201と接合された磁心208、磁心208に巻回されたコイル209を備えている。ステッピングモータ105をアナログ電子時計に用いる場合には、ステータ201及び磁心208はネジまたはカシメ(図示せず)によって地板(図示せず)に固定され、互いに接合される。コイル209は、第1端子OUT1、第2端子OUT2を有している。
可飽和部210、211は、ロータ202の磁束によっては磁気飽和せず、コイル209が励磁されたときに磁気飽和して磁気抵抗が大きくなるように構成されている。ロータ収容用貫通孔203は、輪郭が円形の貫通孔の対向部分に複数(本実施の形態では2つ)の半月状の切り欠き部(内ノッチ)204、205を一体形成した円孔形状に構成されている。
いま、駆動パルス回路107から矩形波の駆動パルスをコイル209の端子OUT1、OUT2間に供給して(例えば、第1端子OUT1側を正極、第2端子OUT2側を負極)、図2の矢印方向に電流iを流すと、ステータ201には破線矢印方向に磁束が発生する。これにより、可飽和部210、211が飽和して磁気抵抗が大きくなり、その後、ステータ201に生じた磁極とロータ202の磁極との相互作用によって、ロータ202は図2の実線矢印方向に180度回転し、磁極軸Aが角度θ1方向を向いて安定的に停止する。
以後、このように、コイル209に対して極性の異なる信号(交番信号)を供給することによって、前記動作が繰り返し行われて、ロータ202を180度ずつ矢印方向に連続的に回転させることができるように構成されている。
図3において、NチャネルMOSトランジスタQ1、Q2、PチャネルMOSトランジスタQ3、Q4は駆動パルス回路107の構成要素で、トランジスタQ1及びトランジスタQ3のドレイン接続点と、トランジスタQ2及びトランジスタQ4のドレイン接続点との間には、ステッピングモータ102のコイル209が接続されている。
各トランジスタQ1〜Q6のゲートは制御回路106によって制御され、これによって各トランジスタQ1〜Q6はオン/オフ制御される。検出用抵抗器301とコイル209の接続点OUT2、及び、検出用抵抗器302とコイル209の接続点OUT1は、回転検出手段108内のコンパレータ(図示せず)の入力部に接続されている。また、前記コンパレータの基準入力部には、予め定めた所定の基準しきい電圧Vcompが入力され、前記コンパレータによって誘起信号VRsが前記基準しきい電圧Vcompを超えたか否かを判定する。
前記回転駆動時間の後の回転検出時間T2において回転駆動によってステッピングモータ102に生じる誘起信号VRsを検出する場合、制御回路106からの回転検出用制御信号に応答して、トランジスタQ4、Q5をオンに保持した状態で、トランジスタQ3を所定周期でオン/オフスイッチング制御することによって検出用抵抗301に発生する誘起信号VRsを取り出して基準しきい電圧Vcompと比較する、あるいは、トランジスタQ3、Q6をオンに保持した状態で、トランジスタQ4を所定周期でオン/オフスイッチング制御することによって検出用抵抗302に発生する誘起信号VRsを取り出して基準しきい電圧Vcompと比較する。これにより、回転検出手段108はステッピングモータ102が発生する誘起信号VRsを増幅して検出し、基準しきい電圧Vcompと比較することによって回転したか否かの判定を行う。
図6、図7は、本発明の実施の形態の動作を説明するための信号波形図で、図6はステッピングモータ102が回転した場合の信号波形図、図7はステッピングモータ102が回転しなかった場合の信号波形図である。
回転検出時間T2は、回転検出時のスイッチング動作のデューティ比が異なる2つの区間(第1デューティ区間、第2デューティ区間)に区分されている。本実施の形態では、デューティ比を第1デューティ区間よりも第2デューティ区間において小さくしている。
このように、主駆動パルスP1による駆動によって回転する正常な動作状態では、基準しきい電圧Vcompを超える誘起信号VRsは第1デューティ区間内で発生する傾向があり、第1デューティ区間におけるデューティ比を大きく設定しておくことでステッピングモータ102の自由振動に制動をかけることなく正確な誘起信号VRsの検出が可能になる。
したがって、複雑な制御を用いずに簡単な構成で、回転検出時間T2の前半部分では回転動作時の制動効果を下げて誘起信号VRs出力し易くし、後半部分では非回転動作時の制動効果を上げて誘起信号VRsを出力しにくくすることで、回転検出の安定性を向上させることができる。
また、マスク時間T1において基準しきい電圧Vcompを超える誘起信号VRsが検出されたときには、駆動余裕が無くなってきていることを示しており、次回駆動時に非回転になる可能性が高くなっているので、回転検出時間T2内の第2デューティ区間におけるデューティ比をそれまでより小さくすることで、制動効果を上げ、回転の誤検出を防止することが可能になる。
図8は、本発明の他の実施の形態に係るアナログ電子時計及びステッピングモータ制御回路の動作を説明するための信号波形図であり、図7、図8と同一部分には同一符号を付している。
先ず、アナログ電子時計の外部に、図2の状態でステッピングモータ102の回転を助ける方向に直流磁界が存在するものとする。
制御回路106は、極性が異なる駆動パルスP1によって交互にステッピングモータ102を駆動する毎に、デューティ比の制御動作を繰り返す。
制御回路106は、前述したようにして、相互に極性の異なる駆動パルスP1によって交互にステッピングモータ102を回転駆動すると共に、前記相互に極性の異なる駆動パルスP1によって駆動したときに発生する誘起信号VRs(Vmaxout1とVmaxout2)が所定時間以上離れている場合、第2デューティ区間においてデューティ比を所定量小さくする。これにより、所定強度以上の外部直流磁界が存在する場合でも、ステッピングモータ102の回転を正確に検出して、正常に回転駆動することができる。
また、ステッピングモータの応用例としてアナログ電子時計の例で説明したが、モータを使用する電子機器に適用可能である。
また、本発明に係る電子時計は、カレンダ機能付きアナログ電子腕時計、カレンダ機能付きアナログ電子置時計等の各種カレンダ機能付きアナログ電子時計をはじめ、各種のアナログ電子時計に適用可能である。
102・・・ステッピングモータ
103・・・電源
104・・・発振回路
105・・・分周回路
106・・・制御回路
107・・・駆動パルス回路
108・・・回転検出手段
201・・・ステータ
202・・・ロータ
203・・・ロータ収容用貫通孔
204、205・・・内ノッチ
206、207・・・外ノッチ
208・・・磁心
209・・・駆動コイル
210、211・・・可飽和部
Q1〜Q6・・・トランジスタ
301、302・・・検出用抵抗器
Claims (6)
- 主駆動パルスによってステッピングモータを回転駆動した後の回転検出時間において、高インピーダンス素子及び前記ステッピングモータの駆動コイルを含む第1閉回路と低インピーダンス素子及び前記駆動コイルを含む第2閉回路とを所定時間比で交互に切り換えることによって前記ステッピングモータが発生する誘起信号を検出し、前記誘起信号が所定の基準しきい電圧を超えたか否かに基づいて前記ステッピングモータが回転したか否かを判定して前記ステッピングモータを回転制御する制御手段を備えたステッピングモータ制御回路において、
前記回転検出時間を第1区間と前記第1区間よりも後の第2区間に区分し、
前記制御手段は、前記第1閉回路と第2閉回路の構成時間比であるデューティ比を、前記第1区間と第2区間とで異ならせることを特徴とするステッピングモータ制御回路。 - 前記制御手段は、前記デューティ比を前記第1区間よりも第2区間において小さくすることを特徴とする請求項1記載のステッピングモータ制御回路。
- 前記回転検出時間の前に回転の有無判定に利用しないマスク時間を有することを特徴とする請求項1又は2記載のステッピングモータ制御回路。
- 前記制御手段は、前記マスク時間内において前記基準しきい電圧を超える誘起信号を検出したとき、前記第2区間において前記デューティ比を所定量小さくすることを特徴とする請求項3記載のステッピングモータ制御回路。
- 前記制御手段は、相互に極性の異なる駆動信号によって交互に前記ステッピングモータを回転駆動すると共に、前記相互に極性の異なる駆動信号によって駆動したときに発生する前記誘起信号が所定時間以上離れている場合、前記第2区間において前記デューティ比を所定量小さくすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路。
- 時刻針を回転駆動するステッピングモータと、前記ステッピングモータを制御するステッピングモータ制御回路とを有するアナログ電子時計において、
前記ステッピングモータ制御回路として、請求項1乃至5のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路を用いたことを特徴とするアナログ電子時計。
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