JP2011051656A - ガス発生用蓋及び水へのガス溶解方法 - Google Patents

ガス発生用蓋及び水へのガス溶解方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水と接触若しくは反応して短時間でガスを発生するガス発生剤を用いてガスを水に溶解する場合に、発生するガスを空気中に気散させることなく水に溶解させることである。
【解決手段】PETボトル等の容器の密閉用の蓋若しくは内蓋を用いてこの蓋若しくは内蓋の内部空間に水と接触して水素などを発生するガス発生剤が固定若しくは納入されたガス発生用の蓋若しくは内蓋を用意する。この蓋若しくは内蓋を水の入った容器に水とガス発生剤が接触しないように密栓してから水とガス発生剤を接触させる。水素ガス発生剤として水素化カルシウムなどのガス発生速度の速い水素発生剤に有効である。
【選択図】図1

Description

本発明はPETボトルなどの容器中の水、各種飲料水やお酒などの水若しくは水溶液に炭酸ガスや水素ガスを容器外に気散することなく溶解させるためのガス発生用の蓋及び内蓋、またこれらの蓋や内蓋を用いて容器内の水若しくは水溶液にガスを溶解する方法に関する。
炭酸ガスを飲料水などに溶解した清涼飲料水が古くから知られている。最近、水素ガスを溶解した水が人の健康に資するということで市場に登場し始めた。水素ガスを溶解した水は水素水と呼ばれているが、その製造方法は大きく2種類に分類される。一つは、工場などで飲料水に水素ガスを加圧溶解してそれを容器に充填する方法である(特許文献1)。他の方法は水と反応して水素を発生するマグネシウム金属粉末などの水素発生剤を用いて、水の入った容器内に水素発生剤を投入して密閉し、発生する水素を水に溶解させて水素水を調整する方法である(特許文献2)。
水素は気体中で一番分子量が小さくそのために水素水を調整して容器に密閉しても、保存中に気散してしまう欠点がある。従って、工場で水素水を調整して容器に詰めても保存や流通過程で水素が容器から気散してしまい、消費者の手元に渡った時点ではかなり水中の溶存水素濃度(DHと略す)が低下したものとなってしまう欠点があった。 一方、水素発生剤を使用する方法は、水素水を飲む直前に水素水を調整することが出来るので上記のような課題は解決されるが、マグネシウム金属は水との反応が遅く水素水を調整するのに時間を要したり、未反応の金属残渣が水中に残存する欠点があった。
本発明者は最近、水との反応が早い水素化マグネシウム(MgH2)や水素化カルシウム(CaH2)などの水素化合物を用いた新規な水素発生剤を開発してこれらの欠点を解決した(特許文献3)。しかしながら、これらの水素発生剤は水素化合物の種類や組成によっては水との反応が早いため、水を入れた容器に水素発生剤を投入して密栓をする間に、水素が発生して容器の開口部から空気中に気散してしまう課題が見つかった。
特開2005−177724号公報 特開2007−1633号公報 WO2007/055146号公報
水と反応して短時間でガスを発生するガス発生剤を用いてガスを水に溶解する場合に、発生するガスを空気中に気散させることなく水に溶解させることである。
容器の密閉用の蓋であって、前記蓋の内部空間に水と接触してガスを発生するガス発生剤が固定されているガス発生用の蓋を用いることで上記課題は解決される。また、容器の開口部に装着して該容器の外蓋を被せて密閉される容器の内蓋であって、前記内蓋には隔壁で囲まれた内部空間を有しており、該内部空間には水と接触してガスを発生するガス発生剤が収納されているガス発生用の内蓋を用いることで上記課題は解決される。
好ましくは上記蓋に於いてガス発生剤と水の接触面に水やガスは透過するが微粒子は透過しない隔壁を設けたガス発生用蓋を用いることにより、ガス発生剤と水の反応残渣が水中に残存することを防止できるので好ましい。また、内蓋の隔壁としてその一部若しくは全部に内外を通して水やガスを透過させる細孔が存在するものを用いるのが好ましい。
また、これらの手段に於いてガス発生剤が水素発生剤である場合にその効果をより発揮する。さらに水素発生剤として水素化アルカリ土類金属、特に水素化カルシウムを含む場合、水との反応が激しいために効果的である。この場合に水素化カルシウムが水溶性化合物に溶融・包埋された状態のものを用いるのが水との反応を遅延する効果があるので好ましい。
また、上記課題はガス発生剤が固定された蓋で、水の入った容器を前記水とガス発生剤が接触しないように密栓した後、容器内の水をガス発生剤と接触させてガスを発生させて容器内の水にガスを溶解させる方法で解決される。また、内蓋方式の場合は、ガス発生剤が収納された内蓋を水の入った容器の開口部に、前記水とガス発生剤が接触しないように装着し、次いで容器の外蓋を被せて内蓋と共に容器を密栓した後、容器内の水をガス発生剤と接触させてガスを発生させて容器内の水にガスを溶解させる方法で解決される。
この方法に於いても、ガス発生剤が水素発生剤の場合に効果的であり、ガス発生剤に水素化アルカリ土類金属を含む場合が好ましく、特に水素化カルシウムを含む場合に好ましい方法である。また、水素化カルシウムが水溶性化合物に溶融・包埋された状態がより好ましい。そして水とガス発生剤の接触方法として、蓋若しくは外蓋で容器を密閉した後に容器を傾斜若しくは倒立させて接触させる方法が好ましい。
容器の蓋に水と反応してガスを発生するガス発生剤を固定することで、水の入った容器に前記蓋を用いて容器を密閉してからガス発生剤と水を接触させることで、ガスを空気中に気散させることなく水に溶解させることが出来た。また、内蓋方式によっても内蓋内にガス発生剤を収納することで、内蓋を被せてから外蓋で容器を密閉しガス発生剤と水を接触させることで、ガスを空気中に気散させることなく水に溶解させることが出来た。
図1は本発明の蓋を示す図でa)は断面図、b)は平面図である。c)はこの蓋をPETボトル等の容器の開口部に密閉したときの蓋付近の断面図である。 図2は本発明の蓋を用いた水へのガス溶解方法の1例である。 図3は本発明の他の態様の蓋の断面図である。 図4は本発明の他の態様の蓋の図で、a)は断面図、b)はガス発生剤カートリッジの断面図、c)はその平面図である。 図5は本発明の他の態様の蓋の断面図である。 図6a)は蓋内壁部にリブのない蓋の断面図で、b)はその蓋の内壁部に台座を設けてガス発生剤カートリッジを固定できるように加工した蓋の断面図である。 図7a)は本発明の内蓋の断面図である。b)は本発明の内蓋に外蓋を被せた状態の断面図である。c)は水の入った容器の開口部にb)の内蓋と外蓋からなる蓋を被せて密閉した状態の断面図である。
本発明のガス発生剤は水と反応若しくは接触して短時間でガスを発生するもので、ガスとしては炭酸ガスや水素ガスが考えられる。炭酸ガスの発生剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの重炭酸塩や炭酸塩とクエン酸、コハク酸、シュウ酸などの有機酸を混合したものが代表的である。また、水が既に上記重炭酸塩や炭酸塩を溶解した水溶液の場合は有機酸が炭酸ガス発生剤となるし、水が既にクエン酸や酢酸、塩酸などの酸を含むものであれば、上記重炭酸塩や炭酸塩が炭酸ガス発生剤となる。
一方、水と接触して短時間で水素ガスを発生するガス発生剤としては水素化リチウム、水素化ナトリウムなどの水素化アルカリ金属、水素化マグネシウム(MgH2)、水素化カルシウム(CaH2)などの水素化アルカリ土類金属、水素化ホウ素ナトリウムや水素化ホウ素カリウムなどの水素化ホウ素金属塩などが例示される。これらの水素発生剤はいずれも水と化学反応して水素を発生するものであり、その反応速度が水素発生剤の種類によって異なるがいずれもマグネシウム金属に比べて格段に早いのが特徴である。
MgH2や水素化ホウ素金属塩は酸が存在すると反応速度は速くなる。一方、CaH2は酸の存在は必要なく水との反応が著しく早い。従って、反応速度を遅くするためにトレハロースやポリエチレングリコールなどの水溶性化合物中に溶融・包埋して反応速度を遅くした水素発生剤として用いるのが好ましい。また、CaH2やMgH2は水と反応してアルカリ性となるため、水素を溶解した水溶液が中性を必要とする場合は、中和する目的で前述の有機酸などとこれらの水素化アルカリ土類金属を混合して用いるか、予め酸性に調整した水溶液に水素発生剤を溶解することが必要である。
これらのガス発生剤の形態は粉末状、錠剤状、ブロック状など様々な形態で容器の蓋の内部空間に固定したり、内蓋の内部空間に収納することができるが、錠剤状の形態が取り扱い容易で好ましい。水素発生剤の場合、前記水素化合物は微量の水分とも反応して水素を発生する。そのために錠剤は前記水素化合物の粉末を必要ならば固体の有機酸と共に水溶性化合物中に溶融・包埋して、冷却・固化したものを加圧成型して製造されたものが湿度の影響を受けにくい安定な錠剤となるので好ましい。錠剤形態であれ粉末形態であれ、保存する場合は湿度のない状態での保存が必要で、例えばアルミ製の袋などに密閉保存するのが好ましい。
本発明の蓋は使用時に水の入った容器に密閉用の蓋としてねじ方式やかん合方式等で装着されたのち、容器を横にしたり倒立させることで蓋に固定されたガス発生剤が水と接触してガスを発生させる機能を有するものである。従って、ガス発生剤の蓋への固定形態は蓋の形状によって各種考えられる。必要な点は水の入った容器を本発明の蓋で密閉するまでは水とガス発生剤の接触が起こらない構造とすることである。密閉後に傾斜若しくは倒立させることで水とガス発生剤を完全に接触させることが好ましい。これにより、水は蓋部分に充満して一種のシール剤としての働きをするために発生するガスは外部に漏洩しにくくなる。即ち、発生したガスは容器内の上部空間部分に集まり蓋の部分には集まらないからである。
内蓋にガス発生剤を装着して、外蓋で密閉する場合も密閉方式はねじ方式やかん合方式と各種の方式が考えられる。内蓋方式の場合は内蓋の内部空間にガス発生剤を固定しても良いし固定しなくても良い。固定しない場合は、使用直前に内蓋の内部空間にガス発生剤を入れてガス発生剤を収納した内蓋を形成して用いることが出来るので利便性が向上する。
このような発生したガスを空気中に逃がさずに完全に水中に溶解できる機能は、単に飲料用の水素水や炭酸水を効率的に調整できるだけでなく、分析技術においても有用である。たとえば後述の実施例1で示す炭酸水の場合、炭酸水素ナトリウムとクエン酸等の有機酸から炭酸ガスを発生させてそれを水に溶解して炭酸水を調整する。その場合、化学反応式から1モルの炭酸水素ナトリウムから1モルの炭酸ガスが発生するから炭酸水中に含まれる炭酸ガスの濃度が理論的に決定される。即ち、この反応で発生した炭酸ガスを空気中に逃がさずに完全に溶解させた炭酸水の炭酸ガス濃度をガスクロマグラフ法で測定するとそのクロマトグラフの面積が理論炭酸ガス濃度に等しいことになる。これは分析技術に於いて必要な正確な検量線の作成に繋がるものである。

以下に代表的なポリエチレンテレフタレート製ボトル(以降PETボトルと略す)の蓋にガス発生剤を固定した状態について図面を用いて説明する。第1図a)は本発明のガス発生剤を固定した蓋の断面図、b)はその平面図、c)はこの蓋で水の入った容器を密閉した時の蓋部分の断面図である。1は蓋の本体、3はねじ部、4はリブ部である。5は円筒の錠剤状ガス発生剤でリブ4で形成される蓋の円筒空間にかん合状態で固定されている。容器の本体2はPETボトルで容器の開口部は蓋のねじ部3を容器の開口部の雄ねじに螺合して締めることで、蓋の内壁とリブ4の間に挟まれて気密状態に密閉される。
容器2にガスを溶解したい水11を蓋に固定したガス発生剤と接触しない程度に入れて、図1の蓋をして密閉する。その後図2に示すように容器全体を横にするか倒立させることで水とガス発生剤が接触してガスが発生する。発生したガスは空気中に逃散することなくすべてのガスが容器内に閉じ込められてそのガスの分圧に応じて水にガスは溶解する。
図3は本発明の別の態様のガス発生剤を固定した蓋の断面図である。本態様では錠剤の水と接触する面に水やガスは透過するが微粒子を透過しない隔壁6を設けたものである。隔壁6はリブ4にかん合された状態で錠剤5の水と接触する面に配置される。これによりガス発生剤が水と接触してガスを発生したのちに残存する反応残渣が水側に流失するのを防ぐことが可能である。隔壁6の材料としてはプラスチックやセラミックの多孔質焼結体や繊維の不織布などが例示される。
図4a)は本発明の別の態様のガス発生剤を固定した蓋の断面図である。7は蓋のリブ4の円筒空間に設けた台座であり、錠剤状のガス発生剤5はプラスチックなどの円筒状の容器8(カートリッジと略す)内に固定されており、このカートリッジが台座7に設けられた穴にかん合されて蓋に固定される。この台座7は蓋に固定されたものでもよく、別途リブ4の円筒空間にかん合する形ではめ込まれたものでも良い。図4b)、c)はカートリッジの断面図と平面図である。9は突起で台座7の穴にかん合してカートリッジが蓋に固定される。10は水と接触するカートリッジの側壁や下面に設けられた貫通孔でこの孔を通して水がカートリッジ内に進入してガス発生剤と接触してガスを発生する。水が溶質を含む水溶液で粘度が高いと水溶液が貫通孔を通して進入しにくくなるので、その場合はカートリッジ下面の障壁は除いて、錠剤と水溶液が直接接触するような形態にするのが好ましい。
図5は本発明の別の態様の断面図であり、このカートリッジ8には粉末状のガス発生剤5が入れられている。粉末状のガス発生剤はそのまま円筒状のカートリッジに入れてもよいが、予め不織布などで作られた袋の中にいれて、それをカートリッジに入れることも好ましい。
図6a)は上記図面で説明したリブ4がない蓋の断面図で、アルミ製のボトルやPETボトルのある種の蓋に使われているもので、容器と蓋の密閉は蓋のねじ部3を閉めることで、容器開口部の上面が蓋の上内壁面に当接することで達成されている。ねじを使用せずにかん合方式で密閉機能を持たせた蓋もリブ4がないのが普通である。b)はこのような蓋の場合には、カートリッジ取り付け穴を有する台座7を蓋に固定して、この蓋に図4や図5のカートリッジを取り付けて本発明の蓋を作成することが出来る。
図7a)は本発明のガス発生剤を収納した内蓋の1例でその断面図である。13は内蓋の本体で上部にフランジ部を有した底面のある円筒形の隔壁6で内部空間が形成されている。この内部空間に粉末状若しくは錠剤状のガス発生剤5が収納されている。隔壁6の一部若しくは全部に水やガスが通過可能な細孔が多数存在する。粉末状のガス発生剤の場合、隔壁の細孔の大きさが大きい場合は粉末が外蓋で密閉する前に落下してしまうので、これを防ぐために予め不織布などで形成された袋に詰めた形態にしておくと好ましい。b)はa)のガス発生剤を収納した内蓋に外蓋14を組み合わせた断面図で、(c)はこれを水の入ったPETボトルの開口部に装着して外蓋で容器を密閉した状態の断面図である。15は内蓋と外蓋を容器に完全に密着して密閉を保つためのパッキン材である。
本発明のガス発生剤は水と反応して水素を発生したり、水の存在で炭酸ガスを発生するので、その保存は乾燥状態にしておくことが必要である。従って、ガス発生剤を固定した蓋やガス発生剤の入ったカートリッジは気密な状態での保存が好ましく、たとえばアルミラミネート袋などに脱気して密閉包装するのが好ましい。使用時には包装を開封後、直ちに水の入った容器に密栓して使用するのが好ましい。内蓋方式の場合は、ガス発生剤を収納した内蓋やガス発生剤をアルミラミネート袋に密閉包装して保存することが望ましい。
本発明で使用できる水は純水以外に各種のミネラル水や天然水、ジュース類、焼酎やお酒など飲料出来るすべての水溶液が適用できる。また、酸やアルカリ性の水も含まれる。さらに、飲料以外に化粧水や美容液などの化粧料も、使用時に水素や炭酸ガスを溶解して美白効果や血行促進効果が期待できる化粧料に調整することができる。以下に実施例を援用して本発明をさらに詳しく説明する。
水と接触して炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生剤用錠剤を以下のようにして作成した。炭酸水素ナトリウム粉末 0.84gと無水クエン酸粉末 1.28gをビーカー内で均一に混合した。この混合粉末を円筒状シリンダー内に入れてピストンをシリンダーへ挿入して加圧プレス機を用いて加圧し錠剤を得た。錠剤の寸法は直径が18.2mm、厚みが5.3mmであった。この錠剤を用いて精製水500mlを入れたPETボトルに以下の2つの方法で錠剤を水と接触させて炭酸ガスを発生させた。PETボトルは500mlの水を入れても上部に約25mlの空間が存在していた。
A法:図1に示したリブ4のある市販のPETボトル蓋の円筒状リブで形成される空間に錠剤を挿入し錠剤が蓋から脱落しないように蓋と錠剤を両面テープで固定して、炭酸ガス発生用錠剤を固定した蓋を作成した。この蓋を水と接触しないようにPETボトルに装着して密閉後、PETボトルを倒立させて錠剤と水を接触させた。
B法:錠剤を直接PETボトルへ投入して直ちに蓋をして密閉した。錠剤を投入してから蓋を密閉するまでの時間は2回の実験で平均5秒であった。
A法、B法それぞれ2回の実験を行ったが錠剤は水と接触すると激しく気泡を発生し溶解した。錠剤の平均溶解時間(発泡時間)はA法では36秒、B法では17秒であった。それぞれの方法で調整した炭酸水の炭酸ガス濃度をガスクロマトグラフ法で分析した。その結果、炭酸ガスに相当するクロマトグラフの面積の平均値はA法では9.54x103 であったのに対してB法では9.21x103 で、明らかにA法でガスを溶解した炭酸水中の炭酸ガス濃度は高い値を示した。本実験では意識的にB法では素早く蓋をすることを試みたが、普通の操作では蓋で密閉するまでには5秒以上の時間がかかると思われ、さらに炭酸水中の炭酸ガス濃度は低下してしまうものと考えられる。
無水トレハロースとアジピン酸の混合物をホットプレート上で溶融して、その中に硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム及び水素化カルシウム(CaH2)を添加して混合・撹拌した。この混合物を冷却して固化させることでCaH2を水溶性化合物であるトレハロースに溶融・包埋した水素発生剤を得た。固化した混合物を乳鉢内で軽く粉砕して顆粒状の形態にした。この顆粒状物を約2.15g秤量して実施例1と同様にして加圧プレスして錠剤状の水素発生剤を成型した。この錠剤の寸法は直径 18.1mm、厚みが5.9mmであった。この錠剤1個からの水素発生量を密閉系の容器内で錠剤を水と反応させて発生する水素を水上ガス置換法で測定すると60ml(24℃)であった。
PETボトルの開口部のねじに螺合するプラスチック製の蓋を作成した。この蓋に圧力計を取り付けてPETボトルの内圧を測定できるようにした。実施例1と同様にして500mlPETボトルに500mlの精製水を入れてA法及びB法で錠剤を溶解して、水素発生剤の発泡終了時間とそのときの内圧を測定した。但し、A法を実施するために錠剤を蓋に固定する場合、リブが蓋にないため蓋の内壁に両面テープを用いて錠剤を固定した。錠剤は硫酸ナトリウムを含むためB法でも水中に沈降して発泡・溶解した。結果を表1に示した。
実験No.1,2は同一日、3,4は1,2とは異なる同一日での測定である。これらの結果より、A法で水素発生剤を溶解した方がB法に比べて水素ガスの空気中への気散がなく内圧は高くなることが解った。
Figure 2011051656
実施例2で調整した水素ガス発生剤を用いて実施例1と同様に蓋に錠剤を固定した。但し、錠剤の水と接触する面に紅茶用のティーパックに使用する不織布を被せて隔壁とした。この錠剤を固定した蓋を実施例1と同様にしてA法で、錠剤だけをB法で500mlPETボトル中の精製水500mlに溶解して水素水を調整した。水素水中の溶存水素濃度(DHと略す)をポータブル溶存水素計(東亜ディーケーケー株式会社)で測定した。その結果A法の場合:0.87ppm、B法の場合:0.83ppmでA法が高いDHを示した。また、B法では発泡終了後も錠剤の反応残渣がPETボトルの底に残り、完全にそれが溶解するのに約30分を要したが、A法では反応残渣は水中には残らずに透明な水素水が得られた。
ポリカーボネート樹脂からなる図7a)及びb)に示した内蓋及び外蓋を作成した。円筒状の内蓋は市販のPETボトルの開口部に挿入できるように外径が18mmとし、高さはフランジ部も合わせて21mmとした。円筒状の筒部分には0.2mmの貫通孔を複数個設けた。この内蓋の内部空間に実施例2で調整した水素発生剤を粉砕機で粉末状に粉砕した粉末1.00gを入れた。市販の500mlPETボトルに水道水を500ml入れた容器を用意して、その開口部に上記の水素発生剤の入った内蓋を水と接触しないように挿入して外蓋を被せてねじ込み容器を密閉した。その後、容器を倒立させて水と水素発生剤を接触させた。その際、PETボトルを外部から手で圧迫することで水が貫通孔を通して内蓋内部に入り易くなった。
水素発生剤の溶解に伴って気泡が発生し約5分間継続した。発泡が終了した後、PETボトルを正立させて開封して得られた水素水のDHを実施例3と同様に測定した。さらにDHの測定終了後に酸化還元電位(ORPと略す。測定装置はToko Chemical Laboratories 社製のORPメーター)、pHを測定した。ORPの測定値は標準電極基準に換算した。その結果DH=0.40ppm、ORP=―144mv、pH=6.28であった。
比較のために市販のアルミ缶に密閉された水素水についてその特性を同様にして測定したところDH=0.12ppm、ORP=−107mv、pH=7.88であった。
本発明は水素水や炭酸水を使用直前に効率よく調整できるので、飲料用や化粧料として人体の健康促進に役立つことが期待できる。また、水中のガス濃度分析技術にも校正液の調整法として有用である。
1 密閉用の容器の蓋本体
2 容器本体
3 蓋のねじ部
4 蓋の内部に設けられた円筒状のリブ
5 ガス発生剤
6 隔壁
7 台座
8 ガス発生剤カートリッジ
9 突起
10 貫通孔
11 水
12 気泡
13 内蓋
14 外蓋
15 パッキン材

Claims (19)

  1. 容器の密閉用の蓋であって、前記蓋の内部空間に水と接触してガスを発生するガス発生剤が固定されてなるガス発生用の蓋。
  2. ガス発生剤と水の接触面に水は透過するが微粒子は透過しない隔壁が設けられている請求項1のガス発生用の蓋。
  3. ガスが水素である請求項1または2のガス発生用の蓋。
  4. ガス発生剤が水素化アルカリ土類金属を含む請求項3のガス発生用の蓋。
  5. 水素化アルカリ土類金属が水素化カルシウムである請求項4のガス発生用の蓋。
  6. 水素化カルシウムが水溶性化合物中に溶融包埋されている請求項5のガス発生用の蓋。
  7. 容器の開口部に装着して該容器の外蓋を被せて密閉される容器の内蓋であって、前記内蓋には隔壁で囲まれた内部空間を有しており、該内部空間には水と接触してガスを発生するガス発生剤が収納されているガス発生用の内蓋。

  8. 隔壁の一部若しくは全部に隔壁の内外を通して水やガスを透過させる細孔が存在する請求項7のガス発生用の内蓋。

  9. ガスが水素である請求項7又は8のガス発生用の内蓋。
  10. ガス発生剤が水素化アルカリ土類金属を含む請求項9のガス発生用の内蓋。
  11. 水素化アルカリ土類金属が水素化カルシウムである請求項10のガス発生用の内蓋。
  12. 水素化カルシウムが水溶性化合物中に溶融包埋されている請求項11のガス発生用の内蓋。
  13. ガス発生剤が固定された蓋で水の入った容器を、前記水とガス発生剤が接触しないように密栓した後、容器内の水をガス発生剤と接触させてガスを発生させて容器内の水にガスを溶解させるガス溶解方法。
  14. ガス発生剤が収納された内蓋を水の入った容器の開口部に、前記水とガス発生剤が接触しないように装着し、次いで容器の外蓋を被せて内蓋と共に容器を密栓した後、容器内の水をガス発生剤と接触させてガスを発生させて容器内の水にガスを溶解させるガス溶解方法。
  15. ガスが水素である請求項13又は14のガス溶解方法。
  16. ガス発生剤が水素化アルカリ土類金属を含む請求項15のガス溶解方法。
  17. 水素化アルカリ土類金属が水素化カルシウムである請求項16のガス溶解方法。
  18. 水素化カルシウムが水溶性化合物中に溶融包埋されている請求項17のガス溶解方法。
  19. 容器を傾斜若しくは倒立させてガス発生剤と水を接触させる請求項13又は14のガス溶解方法。
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