JP2011046854A - 光硬化性塗料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 主に建築物の外壁の塗装に用いられる塗料であって、弾性を有しながらも、耐汚染性に優れた塗膜を形成することができる塗料を得ることを目的とする。
【解決手段】 本発明の光硬化性塗料は、光硬化性樹脂及び顔料を含有する塗料である。前記光硬化性樹脂のガラス転移点(Tg)が−50〜35℃で、且つ光硬化性塗料によって形成した乾燥膜厚80μmの塗膜の隠蔽率が50%以上であることを特徴とする。また、この光硬化性塗料には光重合開始剤を含有させてもよい。なお、光硬化性塗料の顔料容積濃度(PVC)は20〜40%であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

この発明は、光硬化性樹脂を用いた塗料に関する。この塗料は、主に建築物の外壁の塗装に用いられる。そして、この塗料により形成された塗膜は、弾性を有し、耐汚染性に優れる。
ここでは、建築物の外壁への塗装を中心に説明するが、本発明の塗料は建築物の内壁、天井等に塗装することも可能である。また、土木構造物等の被塗装物に塗装することも可能である。
また、建築物や土木構造物に取り付ける建材等の塗装にも用いることができる。
なお、本明細書において、「弾性塗膜」とは、JIS A6909:2003の伸び試験(20℃時の伸び試験)の結果が、伸び率120%以上である塗料によって形成された塗膜のことである。
また、塗膜の「弾性」とは、上記伸び試験(20℃時の伸び試験)において、120%以上の伸び率を示す性能のことである。
従来、光硬化性樹脂を用いた塗料としては、特許文献1に記載された塗料などがあった。しかし、これらの塗料は紫外線照射装置を利用して硬化させることを前提としたものであった。そして、建築物の外壁に塗装して、太陽光によって硬化させる塗料については、十分に検討されていなかった。
一方、建築物の外壁の塗装には、弾性塗膜を形成する塗料が用いられることがある。弾性塗膜は、伸び性能を有しており、被塗装物のひび割れ等による変位に追従することができ、基材内部への水の浸入を防止する効果を発揮することができる。
このような性能を有する塗料としては、例えば、JIS A6909:2003に規定されている「防水形外壁合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材」や「防水形外壁合成樹脂エマルション系複層仕上塗材」が挙げられる。
しかし、弾性塗膜には、十分な耐汚染性が得難いという問題点があった。即ち、塗膜の弾性を高めると、塗膜の表面が柔らかくなる傾向があるために、塗膜に汚染物質が付着しやすくなる。また、塗膜の表面が柔らかいことによって、一度塗膜に付着した汚染物質を塗膜表面から除去することが困難となる。
このため、弾性塗膜の表面には、汚染を防止するための上塗り塗料が塗装されることもある。
特開2002−3560号公報(「特許請求の範囲」等)
本発明は、上記した弾性塗膜の問題点を解決したものであり、光硬化性樹脂を用いて、弾性を有しながらも、耐汚染性に優れた塗膜を形成することができる塗料を得ることを目的とする。
本発明の光硬化性塗料とは、光硬化性樹脂及び顔料を含有する光硬化性塗料であって、前記光硬化性樹脂のガラス転移点(Tg)が−50〜35℃で、且つ前記光硬化性塗料によって形成される乾燥膜厚80μmの塗膜の隠蔽率が50%以上であることを特徴とする光硬化性塗料である。
前記光硬化性塗料には、光重合開始剤を含有させることもできる。
また、前記光硬化性塗料の顔料容積濃度(PVC)は20〜40%であることが好ましい。
また、前記光硬化性塗料には、平均粒子径1〜50nmのポリマーナノ粒子を含有させることが好ましい。
本発明の光硬化性塗料を建築物の外壁の塗装することによって、弾性を有しながらも、耐汚染性に優れた塗膜を得ることができる。
本発明の光硬化性塗料は、乾燥硬化して弾性塗膜を形成する。その後、形成された弾性塗膜の表面に太陽光が照射されることによる架橋反応(以下、光架橋ともいう。)によって、塗膜の表面では樹脂の分子同士が架橋結合して、塗膜表面の硬度増す。それによって、塗膜表面が塗膜内部より硬い弾性塗膜が形成される。
前記光硬化性塗料は、光硬化性樹脂及び顔料を含有するものである。また、前記光硬化性樹脂の光架橋を促進させるために、光重合開始剤を含有させることが好ましい。
なお、光硬化性塗料を建築物の外壁を塗装した場合においては、塗膜に照射される光は主には太陽光であるので、前記光硬化性塗料には、太陽光によって架橋反応が開始するものを用いることが好ましい。または、光硬化性樹脂が太陽光によって十分な架橋反応をしない場合は、光硬化性樹脂と共に、太陽光によって活性種を発生する光重合開始剤を利用することが好ましい。
また、塗膜に照射される光としては、太陽光以外にも、例えば、紫外線ランプを利用した紫外線照射装置等の光照射装置を用いることもできる。
光硬化性塗料により形成される弾性塗膜は、光架橋によって塗膜表面の架橋密度が高くなり、塗膜表面の硬度が増すことによって、塗膜表面に汚染物質が付着し難くなる。また、一度付着した汚染物質を除去することが容易となる。一方、塗膜表面は光架橋するが、塗膜内部は太陽光が到達しにくく塗膜表面のように光架橋しないため、塗膜の弾性は損なわれない。
前記光硬化性樹脂とは、光照射されることによって架橋反応を開始する樹脂組成物である。具体的には、光硬化性樹脂とは、分子骨格中に光重合性官能基を有する樹脂組成物である。なお、光重合性官能基とは、光照射により架橋反応を開始し、光硬化性樹脂の分子間に架橋結合を形成し得る官能基である。
前記光重合性官能基は、光照射により光硬化性樹脂が直接活性化して架橋反応するものであってもよいし、光硬化性樹脂と光重合開始剤を共存させて、光照射した時に光重合開始剤から発生する活性種の作用によって光硬化性樹脂の架橋反応が開始、促進されるものであってもよい。
前記光重合性官能基としては、例えば、不飽和二重結合(代表的にはエチレン性二重結合)のような光ラジカル重合反応性を有するもの、エポキシ基等の環状エーテル基のような光カチオン重合反応性を有するもの、光アニオン重合反応性を有するもの、及び、光二量化反応性を有するもの等が挙げられる。その中でも、合成が容易であり、低コストである点から光ラジカル重合反応性を有する光重合性官能基を持つ光硬化性樹脂を用いることが好ましい。
なお、光ラジカル重合反応性を有する光重合性官能基としては、カルボニル基又はニトリル基が好ましい。カルボニル基又はニトリル基をもつ光硬化性樹脂は、架橋反応性に優れ、塗膜表面の硬度をより高めることができる。
また、前光硬化性樹脂は、該樹脂の分子量1000あたりに1〜10個の光架橋性官能基を有するものが好ましい。このような光硬化性樹脂を光硬化性塗料に用いることで、塗膜表面の架橋密度をより高めることができる。
また、前記光硬化性樹脂は、太陽光の照射によって架橋反応を開始するものが好ましく、太陽光に多く含まれる280〜400nmの波長の紫外線によって架橋反応を開始するものがより好ましい。このような光硬化性樹脂を用いることで、太陽光によって光硬化性樹脂の架橋反応を速やかに行うことができる。
これらの光硬化性樹脂を前記光硬化性塗料に配合する際には、光硬化性樹脂を単独にて用いても良く、或いは共重合したものにして、また二種類以上を混合して用いることもできる。更に、該樹脂を前記光硬化性塗料に配合するための形態として、溶媒に溶解させたもの或いはエマルションとして水に分散させたもの等を利用することができる。
なお、本発明の光硬化性塗料は、乾燥硬化することによって弾性塗膜を形成するものであり、前記光硬化性樹脂は乾燥硬化することによって弾性塗膜を形成するものを用いる。具体的には、前記光硬化性樹脂は、ガラス転移点(Tg)が−50〜35℃(更に望ましくは−40〜0℃、特に望ましくは−30〜−5℃)であることが好ましい。光硬化性樹脂のTgが−50℃以下では、該光硬化性樹脂によって形成された塗膜が汚れやすく、耐汚染性が十分でない場合がある。また、光硬化性樹脂のTgが35℃以上では、該光硬化性樹脂によって形成された塗膜の弾性が十分でなく、被塗装物の変位に十分に追従できない場合がある。
前記光硬化性樹脂のTgが−50〜35℃であれば、耐汚染性に優れ、十分な弾性を備えた塗膜を得ることができる。更に、塗膜の耐汚染性、弾性は、Tgが−40〜20℃であればより優れたものとなり、Tgが−30〜5℃であれば特に優れたものとなる。
前記顔料とは、着色顔料及び体質顔料である。前記顔料の含有量は、顔料容積濃度(PVC)が20〜40%(更に望ましくは25〜35%)であることが好ましい。前記PVCが小さすぎると、光硬化性樹脂によって光架橋した塗膜であっても、十分な耐汚染性が得られない場合がある。逆に、前記PVCが大きすぎると、十分な弾性を有する塗膜が得難い。前記PVCが上記した範囲であることによって、光硬化性塗料によって形成される塗膜は、十分な耐汚染性を備え、且つ優れた弾性を有する。
なお、前記PVCとは、塗料によって形成される乾燥塗膜の全容積に占める顔料の容積(前記着色顔料の容積と前記体質顔料の容積との和)の割合を百分率で示したものである。
なお、乾燥膜厚80μmの塗膜の隠蔽率が50%以上である光硬化性塗料を得るには、前記顔料の種類や添加量を調整すればよい。塗膜の隠蔽性は用いる顔料の種類、或いは顔料の分散の程度によって異なるので、添加量を一概に述べることはできないが、前記顔料のうち、着色顔料の添加量を増やすことで隠蔽率を上げることができる。前記光硬化性樹脂100質量部に対して、着色顔料が15質量部以上、好ましくは25質量部以上であれば乾燥膜厚80μmの塗膜の隠蔽率が50%以上となる光硬化性塗料を得やすい。
前記着色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、黄鉛、亜鉛華、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルー等の無機顔料、アゾ顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンズイミダゾロン顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサン系顔料等の有機顔料、アルミニウム顔料、パール顔料等が挙げられる。
前記体質顔料としては、タルク、クレー、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ粉、珪砂、寒水砂、アルミナホワイト、珪藻土、樹脂ビーズ、ガラスビーズ、中空バルーン等が挙げられる。
前記光重合開始剤とは、光照射によって、前記光硬化性樹脂の架橋反応を開始及び/又は促進せる活性種を発生するものである。前記光重合開始剤は、前記光硬化性樹脂の反応形式の違いに応じて適切な活性種を発生させるものを用いる。即ち、光ラジカル重合反応性を有する光硬化性樹脂には光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合反応性を有する光硬化性樹脂には光カチオン重合開始剤、光アニオン重合反応性を有する光硬化性樹脂には光アニオン重合開始剤を用いる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン、アントラキノン、メチルアントラキノン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン、ベンジルジアセチルアセトフェノン、ベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、ジフェニルジスルフィド、テトラメチルチウラムスルフィド、α−クロルメチルナフタレン、アントラセン、ヘキサクロロブタジエン、ペンタクロロブタジエン、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。
前記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、混合配位子金属塩等が挙げられる。
前記光アニオン重合開始剤としては、例えば、1,10‐ジアミノデカンや4,4'‐トリメチレンジピペリジン、カルバメート類及びその誘導体、コバルト‐アミン錯体類、アミノオキシイミノ類、アンモニウムボレート類等が挙げられる。
前記光重合開始剤は、太陽光の照射によって活性種を発生させるもが好ましく、太陽光に多く含まれる280〜400nmの波長の紫外線によって活性種を発生させるものがより好ましい。このような光重合開始剤を用いることで、太陽光によって活性種を速やかに発生させることができる。
また、前記光硬化性塗料には、塗料の貯蔵安定性を向上させるために、重合禁止剤を配合してもよい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類;ベンゾキノン、ジフェニルベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン類;銅類等が挙げられる。重合禁止剤は、光硬化性樹脂組成物の固形分全量に対して0.1〜10重量%の割合で配合するのが好ましい。
また、前記光硬化性塗料には、前記光硬化性樹脂以外の樹脂成分を含有させることもできる。光硬化性樹脂以外の樹脂成分を含有させることで、乾燥硬化前の塗料の性状や、乾燥硬化後の塗膜の物性を調整することができる。例えば、乾燥硬化後の塗膜の伸び性能、付着性能、耐候性等を調整する目的で配合する場合がある。
前記樹脂成分としては、一般的に塗料に用いられる樹脂を用いればよい。そのような樹脂を塗料に含有させるには、樹脂を溶媒に溶解させたもの或いはエマルションとして水に分散させたもの等を用いる。
また、前記光硬化性塗料には、添加剤として、通常の塗料に用いる各種添加剤を適宜添加することができる。例えば、分散剤、湿潤剤等の界面活性剤、メチルセルロース、ポリアクリル酸、ベントナイト等の増粘剤、成膜助剤、PH調整剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤などを用いることができる。
以上の構成によって得られる光硬化性塗料は、その塗料によって形成された塗膜に太陽光を照射した際に、太陽光が塗膜内部まで到達しにくいことが好ましい。塗膜内部に太陽光が到達すると、塗膜内部でも光架橋による硬化が進行するため、太陽光を照射することによって塗膜全体が硬くなってしまい、塗膜の弾性が低下する場合がある。逆に、太陽光が塗膜内部まで到達し難くすることで、塗膜の表面付近では光架橋が進行して表面付近の塗膜は硬くなっても、塗膜内部は光架橋が抑制されて弾性が保たれるため、塗膜全体としての弾性が保たれる。
太陽光が塗膜内部まで到達し難くするために、前記光硬化性塗料によって形成された乾燥膜厚80μmの塗膜の隠蔽率は、50%以上(更に望ましくは60%以上、特に望ましくは70%以上)であることが好ましい。前記隠蔽率が50%未満であると、塗膜が長期間太陽光にさらされた場合に、光架橋による硬化が塗膜の内部まで進行しやすいことによって、塗膜の弾性が長期間維持できない場合がある。逆に、前記隠蔽率が50%以上であれば、光架橋による塗膜の硬化が塗膜の表面付近にとどまり、塗膜内部の弾性が損なわれないために、太陽光を照射された後も塗膜は弾性を有する。また、前記隠蔽率が60%以上であれば、太陽光を照射された後も弾性を維持性に優れた塗膜を得ることができ、前記隠蔽率が70%以上であれば、弾性の維持性に特に優れた塗膜を得ることができる。なお、前記維持性は、太陽光を照射した後の塗膜の伸び率を、太陽光を照射する前の塗膜の伸び率で除した値で、その値が1に近いほど、維持性に優れていると評価するものである。
なお、前記隠蔽率の測定方法は、JIS K5600−4−1:1999に記載された方法B(隠蔽率試験紙による試験方法)による。ただし、塗膜の厚みは乾燥膜厚で80μmとする。
また、前記光硬化性塗料は、平均粒子径1〜50nm(更に望ましくは1〜30nm)のポリマーナノ粒子を含有することが好ましい。前記ポリマーナノ粒子は、それ自身では成膜しない非塗膜形成性のポリマー粒子である。光硬化性塗料にポリマーナノ粒子を配合すると、該光硬化性塗料によって形成される塗膜の表層には前記ポリマーナノ粒子が緻密に配置される。
本発明の光硬化性塗料に用いるポリマーナノ粒子のガラス転移点(Tg)は、20℃以上(更に望ましくは50℃以上)で、且つ光硬化性塗料に配合された光硬化性樹脂のTgより大きいものが好ましい。前記Tgのポリマーナノ粒子を用いることで、光硬化性塗料によって形成される塗膜の表層にポリマーナノ粒子が配置されて、該塗膜の耐損傷性、耐汚染性、汚染除去性等が向上する。
前記ポリマーナノ粒子としては、例えば、特開2007−224318号公報に示されるものや、特開2004−162006号公報に示されるもの等を用いることができる。
次に、前記光硬化性塗料の使用方法について説明する。
前記光硬化性塗料が塗装される基材は特に限定されるものではなく、コンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、金属、ガラス、プラスチック、木材、合板等、建築分野又は土木分野で用いられる各種基材に対して使用することができる。
前記光硬化性塗料の施工膜厚は、乾燥塗膜の厚みが0.5〜15mm(更に望ましくは0.8〜10mm、特に望ましくは1〜7mm)が好ましい。前記施工膜厚が薄すぎると、弾性塗膜であっても被塗装物の変位に十分に追従することができずに塗膜が破損し易くなる。逆に、前記施工膜厚が厚すぎると、塗膜の乾燥が遅くなり、建築の外壁用の塗料として適さない場合がある。また、前記施工膜厚が厚すぎると、乾燥時に塗膜にシワや割れが発生して、塗膜に欠陥が生じる場合がある。前記塗布量が上記した範囲であれば、乾燥性に優れ、被塗装物の変位に追従することができる塗膜を得ることができる。
また、前記光硬化性塗料の塗布方法は、ローラー、ハケ、エアスプレー、エアガン、エアレススプレー、エアレスガン等の一般に用いられる塗装器具や塗装機を使って塗布すればよい。
(実施例1)
光硬化性樹脂として光重合性官能基を有するアクリル系樹脂エマルション(Tg:−15℃、固形分:50質量%)、着色顔料として酸化チタン、体質顔料として炭酸カルシウム、その他の添加剤として光重合開始剤(ベンゾフェノン)、分散剤、増粘剤、消泡剤、及び成膜助剤、水を用いて、これらを以下の割合で混合して光硬化性塗料を製造した。
配合:光硬化性樹脂(固形分)400質量部、着色顔料130質量部、体質顔料400、その他の添加剤100質量部、水は適宜。
製造した光硬化性塗料は、固形分が50質量%、PVCが31%であり、この光硬化性塗料の厚さ80μmの乾燥塗膜の隠蔽率は77%であった。
(実施例2〜3、比較例1〜2)
実施例1に示す配合において、着色顔料と体質顔料の配合量のみを調整して、表1に示す固形分、PVC、及び厚さ80μmの乾燥塗膜の隠蔽率の光硬化性塗料を製造し、実施例2〜3及び比較例1〜2とした。
(比較例3)
また、実施例1に示す配合において、光硬化性樹脂を光重合性官能基をもたないアクリル系樹脂エマルション(Tg:−15℃、固形分:50質量%)に置き換えた配合の塗料を製造し、比較例3とした。この塗料の固形分、PVC、及び厚さ80μmの乾燥塗膜の隠蔽率を表1に示す。
(実施例4)
実施例1の配合に、ポリマーナノ粒子50質量%を加えたものを実施例4とした。この塗料の固形分、PVC、及び厚さ80μmの乾燥塗膜の隠蔽率を表1に示す。
Figure 2011046854
実施例1〜4及び比較例1〜3の塗料について、以下の手順で伸び試験(塗膜形成直後、太陽光照射後)、汚染性試験を行った。
伸び試験(塗膜形成直後)はJIS A6909:2003の伸び試験(20℃時の伸び試験)の試験方法に準じて行った。ただし、試験体は、光の照射のない暗所で養生した。なお、各塗料を用いてJIS A6909に準じて作製した乾燥膜厚1mmのシートを2枚作製して、その内の1枚をこの試験に使用し、残り1枚は伸び試験(屋外暴露後)に用いた。
伸び試験(太陽光照射後)の試験体は、前記のJIS A6909に準じて作製した乾燥膜厚1mmのシートをステンレス板に貼り付け、その板をJIS K5600−7−6:2002の試験方法に準じて屋外暴露(6ヶ月間)した後、ステンレス板から取り外したシートを用いた。
このシートを試験体として、JIS A6909:2003の伸び試験(20℃時の伸び試験)の試験方法に準じて試験を行った。
汚染性試験として、屋外暴露した試験体の汚染性を確認した。まず。屋外暴露をJIS K5600−7−6:2002の試験方法に準じて行った。そして、屋外暴露開始から6ヶ月が経過した試験体の汚れの度合いを以下の基準で評価した。
まず、比較例3の汚れの度合いを△として、それぞれの試験体の汚れの度合いによって以下のように採点した。
◎:比較例3の試験体より特に汚れが目立たないもの。
○:比較例3の試験体より汚れが目立たないもの。
△:比較例3の試験体と同じ程度に汚れているもの。
×:比較例3の試験体より汚れているもの。
各試験の結果を表2に示す。
なお、伸び試験の結果の有効数字は2桁とした。
Figure 2011046854
伸び試験の結果を見ると、光硬化性樹脂を用いた塗料では、乾燥膜厚80μmの塗膜の隠蔽率が大きいほど、塗膜形成直後の伸びと太陽光照射後の伸びとの差が小さく、前記隠蔽率が小さくなるにしたがってその差が大きくなっていく傾向が見られた。また、前記隠蔽率が50%より小さくなるとその差が特に大きくなった。
汚染性試験の結果を見ると、光硬化性樹脂を用いた塗料は汚れ難いことが分かる。これは、使用している樹脂のみが異なる実施例1と比較例3の結果を見れば明らかである。
また、ポリマーナノ粒子を用いた実施例4の塗料による塗膜は、特に汚れ難いものであった。


Claims (4)

  1. 光硬化性樹脂及び顔料を含有する光硬化性塗料であって、前記光硬化性樹脂のガラス転移点(Tg)が−50〜35℃で、且つ前記光硬化性塗料による膜厚80μmの乾燥塗膜の隠蔽率が50%以上であることを特徴とする光硬化性塗料。
  2. 更に、光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の光硬化性塗料。
  3. 顔料容積濃度(PVC)が20〜40%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性塗料。
  4. 平均粒子径1〜50nmのポリマーナノ粒子を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性塗料。
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